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終末期癌患者に対する 輸液治療の是非

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Academic year: 2021

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(1)

看護師向け

緩和ケアセミナー

(1)疼痛

第3次対がん10ヵ年戦略  QOL向上のための各種患者支援プログラムの開発班 緩和ケア教育用標準スライド作成グループ ★「評価」のところが聖隷バージョンになっています

(2)

目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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0.痛みとは何か?

A. 痛みとは、患者自身が「痛い」と言うことそのものである

IASP Task Force on Taxonomy

身体面 痛み以外の症状 癌治療の副作用 不眠と慢性的疲労 社会面 家族と家計についての心配 職場での信望と収入の喪失 社会的地位の喪失 家庭での役割の喪失 疎外感、孤独感 スピリチュアルな面 なぜ私に起こったのか? なぜ神はこんなに苦しめるのか? 一体、何のためなのか? 人生にどんな意味と目的があるのか? どうすれば過去の過ちが許されるのか? 精神面 診断の遅れに対する怒り 効果のない治療への怒り ボディイメージの変化 痛みと死に対する恐怖 絶望感 トータルペイン  全人的痛み WHO Collaborating Center for Palliative Cancer Care : Looking forward to cancer pain relief for all. CBC Oxford, Oxford, 1997

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0.痛みとは何か?

△不安な時に痛みが強くなるのは「精神的原因」?

A. いいえ。   精神的不安・ソーシャルサポートなどが疼痛の強さに関係する   ⇒ 観察!!     どんな時に痛みが強くなる?       一人でいる       Bad newsを話された   ⇒ 痛みを減らすためにできる看護ケアに気づくかもしれない Systematic review.

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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1.がん患者の何%が痛みを体験するか?

A. 死亡までに90% 88% 65% 死亡まで 緩和ケア初診時

Prospective observation. N=150 plus 200.

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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2.痛みの評価のやり方は?

概念

①痛みの始まりと経時変化 ・いつから始まったのか?頻度は? ・間欠的か持続的か?強さは変化するか? ②部位 どこが痛むのか?放散痛か?痛む場所の皮膚感覚は正常か? ③性質 「ここがずきずき」、「全体に締めつけるような・重苦しい」、「しびれるような・ やけるような」 ④強さ

NRS, VRS, (VAS, Face Scale)

⑤増悪および軽快因子 ⑥今までの治療

⑦影響

睡眠、(仕事、食欲、気分など)にどのように影響しているか?

簡易疼痛調査用紙(縮小版) Brief Pain Inventory (Short Form)

Uki J et al : JPSM 16; 364-373, 1998 Oxford Textbook of Palliative Medicine. 1994, 111-128

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2.痛みの評価のやり方は?

△ 痛みは見て分かる?

A. いいえ。患者にきかなければ見て判断はできない   ⇒患者にきく!!      (「痛そう」でも痛くないときがある、「痛くなさそう」でも痛いときがある)     ・きいてビックリNRS Systematic review.

McPherson CJ. Soc Sci Med 2003; 56: 95-109.

患者・家族・医療者の症状評価の一致率を見た24研究

ü客観的症状は一致しやすい:ADL,ケアの内容, 嘔吐 ü主観的症状は一致しない:疼痛, 不安・抑うつ

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2.痛みの評価のやり方は? 

聖隷フォーマット  部位 背中 鈍いズ-ン  鋭いズキズキ   痺れピリピリ 走る・ビリッ 鈍いズ-ン  鋭いズキズキ   痺れピリピリ 走る・ビリッ 0 軽 中程 しば強 持続強 0 1  2   3     4 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 パターン 関連因子 体動、咳 眠気 なし 不快 不快でない 13:00 M3mg ×× − 13:20 M3mg △   − 13:30 M5mg ◎  眠気 0 軽 中程 しば強 持続強 0 1  2   3     4 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 性状 STAS 10段階 最大       最小 屯用薬の効果  ××:全く変りなし  ×:少ししか変らない  △:まあまあよくなった  ○:よくなった  ◎:完全になくなった 副作用  嘔気  眠気 呼吸 ■必須  ■オプション

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Support Team Assessment Schedule (STAS: ステース)    イギリスで開発された患者の苦痛の程度を総合的に評価する他者評価尺度    ⇒患者さんのニードを知ることで個々の患者の意向に沿った治療ができる  0  なし  1  時折の、または断続的な単一または複数の症状がある     日常生活を普通に送っており、患者が今以上の治療を必要としない     現在の症状マネージメントの満足している  2  中等度の症状。時に調子の悪い日もある     病状からみると、可能なはずの日常生活動作に支障をきたすことがある     薬の調節や何らかの処置が必要であるがそれほどひどい症状でない  3  たびたび強い症状がある。     症状によって日常生活動作や物事への集中力に著しく支障をきたす     我慢できない症状が出現することがある  4  持続的な耐えられない激しい症状。他のことを考えることができない     我慢できない症状が持続的にある 満足 何かしてほ しいが急い でない はやく何とか してほしいニー ドがある

2.痛みの評価のやり方は?  

STAS

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2.痛みの評価のやり方は? 

STAS以外の評価項目:屯用の効果

眠気 なし 不快な眠気 不快でない眠気 屯用  ××:全く変りなし  ×:少ししか変らない  △:まあまあよくなった  ○:よくなった  ◎:完全になくなった 副作用  なし  嘔気  眠気  呼吸 13:00 M3mg ×× − 13:20 M3mg △   − 13:30 M5mg ◎  眠気 13:00 M3mg         ×  嘔気 13:20 フェンタネスト早送り ○ ー どれくらい眠気があるのか?眠気がある状態は快なのか不快なのか?   = (眠気とのバランスで)どれくらいの緩和を患者・家族は希望しているか? を評価して、治療目標を立てる

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2.痛みの評価のやり方は?

STAS以外の評価項目:10段階NRSとパターン

●STASだけだと細かい痛みの変化を把握できないので、痛みが中心の人はN RSとパターンを聞くとわかりやすい ●「全く痛みがない状態がゼロ、もうこれ以上考えられないほどいたいのが10だ とすると、今日の一番痛かったときいくつになりますか?痛くなかったときは いくつになりますか?」 痛みの強さの評価方法は? NRS : Numerical Rating Scale VRS : Verbal Rating scale 3:我慢できない痛み 2:痛みがあるが何とか我慢できる  1:少し痛みを感じる 0 : 全く痛まない   パターン図 どんな痛みのパターンか? 痛みのイメージを持つこ とができる 1-pointだと全て「8」 最小・最大・パターンの認識が大切

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2.痛みの評価のやり方は?

STAS以外の評価項目:性状

機序【侵害受容性(体性痛、内臓痛)、神経因性】によって手段が違う   ⇒「どういうふうに」痛むかをきくことが治療の手がかりになる!! 痛みの性質 例 モルヒネの 反応 体 性 痛 局在明瞭な・鋭い痛み  「鋭いズキズキ」 「ここがずきっと」 骨転移 膵癌 腹膜播種 侵害受容性疼痛 ○(安静) △(体動) 神経浸潤 化学療法の 神経障害 局在不明な・鈍い痛み 「鈍いズーン」 「このへんが重苦しい」 ◎ 神経因性疼痛 「しびれびりびり」 「はしる・ビリっ」 「焼ける・冷たい」 内 蔵 痛 △ Review

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2.痛みの評価のやり方は?

STAS以外の評価項目:関連因子

患者さんがどんなときに痛くなったのか?を記録し てケアにつなげる!! 体動 咳 排便 排尿 食後 ⇒  ・刺激を避ける    触らない、排尿回数を減らす、咳を減らす・・・  ・刺激が予測されればその前にレスキューを使う    食事の前、動く前・・・  ・刺激を変えられる治療を行う    尿路変更、人工肛門、専門的口腔ケア

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2.痛みの評価のやり方は? 

聖隷フォーマット  部位 背中 鈍いズ-ン  鋭いズキズキ   痺れピリピリ 走る・ビリッ 鈍いズ-ン  鋭いズキズキ   痺れピリピリ 走る・ビリッ 0 軽 中程 しば強 持続強 0 1  2   3     4 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 パターン 関連因子 体動、咳 眠気 なし 不快 不快でない 13:00 M3mg ×× − 13:20 M3mg △   − 13:30 M5mg ◎  眠気 0 軽 中程 しば強 持続強 0 1  2   3     4 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 性状 STAS 10段階 最大       最小 屯用薬の効果  ××:全く変りなし  ×:少ししか変らない  △:まあまあよくなった  ○:よくなった  ◎:完全になくなった 副作用  嘔気  眠気 呼吸 ■必須  ■オプション

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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痛みの治療の目標の立て方は?

第1目標:痛みなく眠れる 第2目標:安静時痛がない 第3目標:体動時痛がない Balanced analgesia 現実的な目標  =鎮痛治療の副作用とバランス の取れた目標 を立てよう!! 眠くても痛みが取れたほうがいい人もいる 眠くなるなら痛みは耐えたい人もいる

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痛みの治療の目標の立て方は?

△ モルヒネを使えば1日中痛くない状態になる?

痛み の 強 さ 時 間 突 発 痛 (breakthrough  pain (痛 み は 一 定 で な い ) A. いいえ。   持続痛がなくても、breakthrough painが高頻度に生じる   ⇒観察!! ずっと痛いのか間欠的に痛いのか?    突発痛は「来るもの」として、レスキューをすばやく使用する!     使ったら必ず効果を評価して、記載する!!

Gomez-Batiste X et al. J Pain Symptom Manage. 2002;24:45-52.

Spainの103施設の共同研究 ü41%がbreakthrough painを体験. ü60%は短時間に生じる ü約30%が15分以下、30%が15-30分、30%は30分以上続く ü安静時痛は2.9±2.7でも、 breakthrough painは7.3±2.0 üきっかけは体動が50%、誘因なしが30%、定期投薬前が15% ベースのオピオイド レスキューで対応

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Breakthrough painの概念

「痛い」にあわせてベースを上げてはいけない。 持続痛か突発痛を判断せよ

EAPC Expert Working Group. Cancer 2002; 94: 832-839

安定した痛みがある⇒ベースアップ でOK

突発痛にあわせると痛くないときが 傾眠になる(それがいい人もいるしか えってつらい人もいる)

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痛みの治療の目標の立て方は?

△ 眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか?

A. いいえ。4%では疼痛の緩和には鎮静が必要   ⇒ 観察!!眠気はあるか?      眠気は快か?不快か?を評価して治療目標を立てる 対象数 疼痛のために鎮静を必要と した患者 Ventafridda 120 21% Fainsinger 100 6.1% Stone 115 5.2% 合計 1074 4.0%

Ventafridda V. J Palliat Care 1990; 6: 7-11 Fainsinger R. J Palliat Care 1991; 7: 5-11. Stone P. Palliat Med 1997; 11: 140-144

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋(1)

内臓痛

NSAIDs 内臓神経 ブロック オピオイド導入 増量/併用 鎮痛補助薬併用 キシロカイン? ケタミン ステロイド?

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋(2)

骨転移痛

ビスフォナール定期投与 外科的緩和 NSAIDs 放射線 ADLの低下 オピオイド導入 経皮的椎体形成術 神経ブロック 増量・併用 鎮痛補助薬併用

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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ギャバペンチン テグレトール リボトリール

OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋(3)

神経因性疼痛

NSAIDs 神経ブロック オピオイド導入 増量/併用 鎮痛補助薬併用 ステロイド 抗けいれん薬 トリブタノール トレドミン 抗うつ薬 キシロカイン メキシチール タンボコール 抗不整脈薬 ケタラール セロクラール マグネシウム NMDA拮抗薬 トリノシン リプル 循環改善薬 難治性!

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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薬物・治療法の知識

WHO方式 第1段階 軽度の痛み 第2段階 中等度までの痛み 第3段階 中等度から高度の痛み アセトアミノフェン NSAIDs ±鎮痛補助薬 ±鎮痛補助薬 ±鎮痛補助薬 コデイン トラマドール(トラマール®) オキシコドン(オキシコンチン錠®) モルヒネ フェンタニル (フェンタネスト®、デュロテップパッチ®) オキシコドン(オキシコンチン錠®) 第2段階、第3段階でも併用が望ましい ブプレノルフィン(レペタン®) 原則

1 経口で(by the mouth) 2 定期的に(by the clock)

3 ラダーに沿って(by the ladder) 4 患者ごとに(by the individual)

5 細かい配慮を(with attention to detail)

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薬物・治療法の知識

NSAIDs とオピオイドの作用機序 Opioids 神経のオピオイド受容体として結合し、 中枢性に鎮痛効果を示す薬!! 痛みの集合体 痛みの集合体 NSAIDSの効く痛み オピオイドの効く痛み 1.痛みの原因はひとつではない 1.痛みの原因はひとつではない ボルタレン インテバン ロキソニン ハイペン など MSコンチン オキシコンチン フェンタニール デュロテップパッチ など 残った痛み鎮痛補助薬 両方効きにくい痛み NSAIDs (非ステロイド性抗炎症性鎮痛薬)

 Non steroidal Anti‐inflammatory drugs 末梢の発痛物質を抑制して 「痛いところに効く」薬 !! 細胞膜の破壊 アラキドン酸遊離 プロスタグランディン類 合成 発痛作用の増強 シクロオキシゲナーゼ(COX) NSAIDs × ×ここを 阻害するここを NSAIDSの作用機序 (炎症など)

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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薬物・治療法の知識

NSAIDs アセトアミノフェン レリフェン モービック ハイペン ナイキ サン ロキソ ニン ボルタ レン ロピオン 鎮痛 効果 胃炎 ・潰瘍 腎機能 障害 特徴 弱い 中程度 中程度 強い 強い 弱い 中程度 極めて 少ない 中程度? 中程度? 極めて 少ない 中程度? 少ない 多い 血中濃度 上昇で 肝障害 極めて 少ない 少ない 解熱作用 は弱い あり あり あり あり あり 抗炎症作 用は弱い COX-2 阻害薬 鎮痛・解 熱のバラ ンスよい プロド ラッグ 屯用 向き 唯一の 静注薬 中枢性鎮 痛は弱い 即効性 即効性 即効性

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薬物・治療法の知識

NSAIDs:モルヒネを投与したらNSAIDsはやめてよい? A. いいえ。NSAIDsの併用はオピオイドの使用量を減らして質 の高い鎮痛をもたらしうる   ⇒観察!!    NSAIDsやめて痛くなってそうなら記録して医師に報告! Diclofenacの 追加 P オピオイドの 投与量 11.7±3.4 8.6±3.4 <0.01 <0.01 眠気 33% 13% <0.01 嘔気 33% 20% <0.05 疼痛(VAS) 3 (1-2) 2 (0-3) Open trial. N=15.

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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薬物・治療法の知識 

Opioids:誤解

1.麻薬中毒になる   ⇒いいえ。    ・精神依存・中毒・薬物依存が生じる頻度は %未満     「薬への欲求のために薬を得ることに執着する行動」    ・身体依存は生じる 2.副作用は出てから対応する   ⇒いいえ。    ・初回投与時に制吐剤、下剤をセットで予防投与する    ・制吐剤:中枢性制吐剤(ノバミン・セレネース)を使用    ・下剤:軟化剤(カマグ)+蠕動亢進剤(ラキソ)を使用 3.呼吸が止まる   ⇒いいえ。    ・鎮静量で減量すれば呼吸抑制は生じない

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薬物・治療法の知識

Opioids:呼吸抑制と鎮静

      

      

呼吸抑制

       

鎮静

      

鎮痛

    

      

「呼吸抑制」が来る前の「鎮静」に早く気づく!! 寝すぎているとき」は危ない!⇒呼吸数(8回)を数えて医師に報告 ここで気づけば大丈夫 いい状態 きかない

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薬物・治療法の知識 

Opioids:種類

モルヒネ オキシコドン パビナール フェンタニール ヂュロテップ コデイン トラマドール 注射 経皮剤 内服 内服 嘔気・嘔吐 あり あり 少ない? あり あり あり 600mg 鎮咳作用 注射 注射 注射 殆どない 少ない あり? 400mg 神経因性疼 痛? 少ない 認知障害 強い 少ない? 少ない あり 呼吸症状緩和 あり あり? なし? あり? 鎮痛薬の上限 なし なし? あり? 2000ug あり 1-2mg 筋固縮 レペタン ベース 注射 内服 座薬 注射 内服 注射 注射の内服 座薬 レスキュー 注射 内服 座薬 注射 注射 座薬 便秘 強い あり あり 特徴 腎不全で 蓄積 神経因性疼 痛?

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薬物・治療法の知識 

Opioids:作用時間

モルヒネ オキシコドン フェンタニール レペタン 6 12 18 24 0 内服・注射 フェンタニール注 オキシコンチン カディアン MSコンチン アンペック坐 ① ② ⑦ ② ④ ④ ⑧ ⑫ 24 ⑫ 24 ∼ 72 デュロテープパッチ パビナール注 ② レペタン注 レペタン坐 ② ⑧

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薬物・治療法の知識 

Opioids:レスキューとベースアップの計算方法 レスキュー 経口:経口モルヒネ換算で一日量の1/6 持続静注・皮下注:1時間分  ★ベースが上がればレスキューも増える!! ベースアップ 30∼50% または レスキューの合計量   眠気、呼吸数を観察しながら、2∼3日で再評価

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薬物・治療法の知識 

Opioids:オピオイドローテーションとは? (1)オピオイドの毒性による強い副作用があるとき (2)急速な耐性の出現がみられるとき (3)難治な疼痛があるとき   他のオピオイドに置換すること 具体例  ・便秘、眠気、精神症状が強い       ・腎機能低下時のせん妄、ミオクローヌス、Paradoxical Pain  ・鎮痛効果がない 注意  モルヒネからの変更は退薬症状の可能性があるため、数日かける

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薬物・治療法の知識 

Opioids:投与量

MSコンチン 30mg x 2 トラマドール持続皮下・静注 300mg/day オキシコンチン 20mg x 2 パビナール持続静注 5A/day レペタン持続皮下注 1 mg/day デュロテップパッチ 2.5mg フェンタネスト持続静注 6A/day リン酸コデイン 60mg x 6 カディアン 60mg x 1 塩酸モルヒネ持続皮下注・静注 30mg/day 硬膜外モルヒネ 6mg くも膜下モルヒネ 0.6mg 塩酸モルヒネ錠 オプソ 10mg x 6 アンペック坐薬 10mg x 3または20mg x 3 MSコンチン 30mg x 2

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薬物・治療法の知識 

Opioids まとめ

• NSAIDs中止後に痛くなっているか?観察する • オピオイド処方時に下剤、制吐剤がないときは医師に確認。観察 • 「呼吸抑制」の前に来る鎮静に気づいて医師に確認。観察 • フェンタニールはモルヒネより眠気が少ない   =体動前や日中のレスキューによい。眠りが必要なときはモルヒネ • 呼吸困難・咳のときはモルヒネ(オキシコドン) • せん妄・ミオクローヌス悪化するときは変更するときもある。観察 • モルヒネとペンタジン(長期)、レペタン(中等量以上)を併用しない • 「12時間きく徐放剤」でも内服後6時間すれば低下する。観察・報告 • レスキューを反復して使っていいかどうかの判断は「持続時間」ではな くて「ピークまでの時間」と鎮静・呼吸数 • ヂュロテップは張ってもすぐにはきかない。モルヒネからの切り替 えでは通常鎮痛は一過性に悪化する

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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薬物・治療法の知識 

鎮痛補助薬

               (ステップ 4) NMDA受容体拮抗薬(ケタラール)          ↑      (ステップ 3) 抗不整脈薬(メキシチール、オリベスK)       ↑   (ステップ 2) 抗うつ薬(アモキサン、ノリトレン)と抗けいれん薬     ↑ (ステップ 1) 抗けいれん薬(リボトリール) 国立がんセンター中央病院鎮痛補助剤選択法(4段階ラダー) ギャベペンチン発売 → しばらくはギャバペンチンを第一選択で

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薬物の知識 

有痛性筋攣縮

体位を強制されていることによる筋肉のコリの痛み 薬物療法  ・セルシン 5∼10 mg  就寝時  ・ギャバロン 10∼20 mg  1日2∼3回  ・ダントリウム 25 mg  1日1回、最大100mgを1日4回 非薬物治療  ・マットの変更、温熱、マッサージ、鍼灸、低出力レーザー

(49)

目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

(50)

薬物・治療法の知識 

神経ブロック

神 経 ブ ロ ッ ク の 適 応 は ? 侵 襲 の 少 な い 治 療 に よ り 痛 み は コ ン ト ロ ー ル さ れ て い る が 、 難 治 性 副 作 用 が あ る 副 作 用 治 療 は や り つ く し た か ? 痛 み は 2 ? 3 カ 所 の 皮 膚 分 節 、 あ る い は 1 カ 所 の 交 感 神 経 節 領 域 に 限 局 し て い る か ? レ ス キ ュ ー を 必 要 と す る 重 篤 な 痛 み 最 適 な 鎮 痛 薬 の 使 用 に よ っ て も コ ン ト ロ ー ル 不 良 な 痛 み 局 所 神 経 ブ ロ ッ ク ア ル ゴ リ ズ ム 脊 椎 治 療 ア ル ゴ リ ズ ム レ ス キ ュ ー を 試 す 副 作 用 の 治 療 レ ス キ ュ ー は 使 用 可 能 か ? は い は い は い い い え い い え い い え 局所神経ブロックアルゴリズム 疼痛は 50%以上緩和さ れたか? 疼痛は 50%以上緩和さ れたか? 脊椎神経根 末梢神経 交感神経節 硬膜外ステロ イド注入 診断的神経 根ブロック 必要に応じて繰り返す 脊椎薬剤投与法 神経破壊を考慮 痛みは2? 3カ所のデ ルマトームあるいは1 カ所の交感神経領域 に限局している はい はい いいえ いいえ 脊 椎 治 療 ア ル ゴ リ ズ ム 入 院 か ? 在 宅 か ? 麻 酔 科 コ ン サ ル ト か か り つ け 医 が い る か ? 患 者 の 予 後 一 時 的 硬 膜 外 or くも 膜 下 カ テ ー テ ル ポ ー ト皮 下 埋 め 込 み 式 硬 膜 外 or くも 膜 下 カ テ ー テ ル 植 え 込 み 式 くも 膜 下 ポ ン プ シ ス テ ム ケ ア カ ン フ ァ レ ン ス 在 宅 継 続 の 可 能 性 V S カ テ ー テ ル / ポ ン プ 維 持 の 可 能 性 入 院 在 宅 は い い い え 日 単 位 週 単 位 月 単 位

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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薬物・治療法の知識 

外科的治療

腸閉塞:人工肛門、胃瘻(PEG, PTEG) 骨転移:椎骨切除術(後方固定術)、寛骨臼形成術など 侵害受容性疼痛:経皮的コルドトミー 末梢神経浸潤:脊髄後根神経切断術 限局した両側性の疼痛:脊髄交連切開術

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目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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目次

A 病態・評価  0.がん患者の何%が痛みを体験するか?  1.痛みは見て分かる?  2.痛みはひとつ?  3.モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?  4.眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか?  5.不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物の知識  NSAIDs   オピオイド D Case stories

(55)

疼痛マネジメントは「薬」だけではない

① 疼痛の原因の緩和

② 疼痛中枢の認知を変える

感覚的アプローチ

  (マッサージ 加温、冷却など)

認識的アプローチ

  (気分転換)(自己コントロール感)

③ 薬理学的アプローチ

(中枢神経系経路の遮断)

(56)

症例1

嘔気があって内服したくないといっている

オキシコンチン処方後、患者さんは痛みには効くが 嘔気があってあまり飲みたくないと拒否している

(57)

症例1

Answer

★初回オピオイド処方時には制吐剤の予防投与をしておくべきであった  *嘔気は一時的で消失する場合がある ★嘔気が本当にオピオイドによるものか評価する  *血中濃度が上昇する時期に嘔気が起きるか評価する  *便秘、高カルシウム血症、脳転移、イレウスがないか確認する ★嘔気が起きる誘引を探す  *食事、臭気、咽頭刺激、体動による悪化があるかを確認する ★オピオイド投与と同じに制吐剤を処方するよう医師に伝える  *標準処方:ノバミン、セレネース  *食事→蠕動亢進薬、体動→抗ヒスタミン剤

(58)

症例2

便秘になってきたがどの下剤を使うか?

オピオイドを内服し始め、便秘になっている。 適宜、浣腸をして対応しているが、いつも便が固い。 下剤の処方依頼をすることにしたが、何を選択するか? また、食事摂取にバラツキがある時の下剤調節は?

(59)

症例 2 ANSWER ★オピオイド(特にモルヒネ)は便秘が多い  *モルヒネ≒オキシコドン>フェンタニール ★便秘のリスク評価をする  *臥床がち、抗コリン性薬剤、もともと便秘症→予防的に使用 ★腸を動かしてはいけない状態のリスク評価をする  *腸閉塞で下剤で腹痛が生じる→医師に評価を依頼 ★便秘の内容に合わせて薬剤を選択する  *硬い→軟化剤(カマ・ミルマグ、モニラック)  *グル音が弱い→蠕動亢進薬(ラキソベロン、プルセニド、大黄)  *慢性の麻痺性イレウス→大建中湯 ★腹部や便の性状を観察して判断する  *腹部膨満の状態 触診や部診をしっかりとする  *便性が硬いのか、便が下りてきていないのか原因にあわせて    薬剤、処置を検討する(溢流性の場合がある)

(60)

症例3

定期薬を飲む前に痛くなる

定期的にオキシコンチンを内服している。

(61)

症例 3 ANSWER ★徐放性オピオイドは必ず「持続時間」のあいだ有効なのではない ★血中濃度が下がらないようにする  *投与間隔を短くする、または、投与量を増量する ★患者の体験、認識を確認する *「痛くても我慢したい」「病気が進んでいるのかなぁ」 「もう少し何とかしてほしいが、先生に任せているから」など 患者価値観を理解し情報提供や説明を行う

(62)

症例4

モルヒネが始まったが

疼痛時指示がペンタジンのままになっている

疼痛に対してペンタジン、ボルタレン使用していた。 効果がなくなってきたため、アンペック10mgが開始になった しかし、疼痛時の臨時指示がペンタジンのままである。

(63)

症例 4 ANSWER ★強オピオイドの定期投与では、臨時薬も強オピオイドが望ましい  *ペンタジンと強オピオイドは拮抗する可能性がある  *ペンタジンは連用で精神依存を形成しやすい ★臨時指示を強オピオイドにしてもらうよう医師に検討を促す

(64)

症例5

モルヒネが始まった後

ボルタレンが中止になった

疼痛に対してボルタレンを定期的に使用していた 効果が乏しくなり、モルヒネが開始された ボルタレンは中止の指示が出た そのあとから、疼痛が強まっている

(65)

症例 5 ANSWER ★ボルタレンとオピオイドの併用は相乗効果がある  *作用機序が異なるため   (オピオイドは炎症性の疼痛にききにくい) ★NSAIDsが中止になった理由を確認する(腎不全?出血?)  合併症なければ、NSAIDs併用の検討を医師に依頼する ★患者、家族に薬剤の併用について説明をする 「薬を変えたのに効かない!」「前の薬の方が効くのに!!」 「また、薬が増えるのか」 など不安に思っている場合がある

(66)

症例6

安静時の痛みは取れた

間欠的な痛みがあり、ねむくなってきた

疼痛に対して定期のオピオイドを増量している 疼痛は安静にしているとないが、1日に何回か強い痛みがくる 眠気がつよく、ときどきおかしなことをいう

(67)

★疼痛の原因を確認する  *定期的なオピオイドだけではbreakthrough painは緩和できない  *オピオイドの効きにくい疼痛(神経因性疼痛、骨転移痛など)かもしれない ★眠気の他の要因を確認する  *脳転移、高カルシウム血症、肝性脳症、腎不全、電解質異常など  *生活環境の変化や生活リズムなど  *オピオイドが単独の理由である場合は少ない ★眠気はいいのか、ないほうがいいのか、患者・家族の価値を評価する ★眠気なしに、どれだけ鎮痛できるのか、チームで見とおしを共有する ★眠気のこない鎮痛手段を検討する  *眠気のきにくいオピオイド(フェンタニール)へきりかえる  *間欠痛に合わせて、短い半減期のオピオイドを使用する  *リタリン・カフェインを使う  *放射線、NSAIDS、ステロイドなど  *マット変更、生活援助など 症例 6 ANSWER

(68)

症例7

しびれるような痛みで痛みが減らない

疼痛に対してオピオイドを定期使用している 眠気があり、疼痛に対して効果があまりないといっている。 疼痛は腰部、両足が痺れる 足に触れると痺れの増悪と電気が走るような痛みがある。

(69)

症例 7 ANSWER ★しびれるような痛みは神経因性疼痛で難治性  *オピオイドを増量しても眠気が増えるだけの可能性がある ★他の鎮痛手段を(難しいが)検討する  *鎮痛補助薬、神経ブロック  *症状が緩和する因子、悪化する因子をさがす    患者自身が対処している方法を観察する      暖める・冷やす、刺激を避ける体位など

(70)

症例8

フェンタニールの屯用がもたない

フェンタニールを持続投与している

(71)

症例 8 ANSWER ★フェンタニールの効果は1時間前後で長持ちしない ★ベースアップ?屯用の増量?このまま?  *早送り2時間後に毎回痛くなり、眠気がなければ、   持続投与量の不足なのでベースアップをする  *早送り後効果が全くなく、眠気がなければ(「なんも変らん」)、   臨時投与量の不足なので臨時投与量を増量する  *早送りがあってもあいだが4-6時間あいていれば、    breakthrough painなので屯用で対処する ★その時だけではなく、1日通して「満足か不満か」の評価をする

(72)

血中濃度と疼痛とのイメージ

 *早送り2時間後に毎回痛くなり、眠気がない:   持続投与量の不足なのでベースアップをする  *早送り後効果が全くなく、眠気がない(「なんも変らん」):   臨時投与量の不足なので臨時投与量を増量する  *早送りがあってもあいだが4-6時間あいている:    breakthrough painなので屯用で対処する 屯用 痛み ベース

(73)

症例9

からだがぴくぴくする

モルヒネを持続的に投与し、鎮痛は良好である 意識の低下、上下肢のピクツキが出現している 家族も不安そうである

(74)

症例 9 ANSWER ★モルヒネは腎機能が悪化すると、神経毒性のある代謝産物が   蓄積する  (モルヒネが腎機能を悪化するのではない) ★ピクツキはミオクローヌスという  ミオクローヌス+せん妄を神経筋過敏症候群という ★緩和手段を検討する  *終末期でないなら、モルヒネをフェンタニールにローテーションする  *家族はけいれんではないかと心配していることがあるので    状況の説明をする   *終末期なら、向精神薬を併用する    意識低下する可能性があるので、患者・家族と相談する  

(75)

症例10

オピオイド変更の換算がわからない

疼痛に対してリン酸コデイン120mgを使用してきた

内服が難しくなってきたので変更したい

(76)

症例10

Answer

★リン酸コデイン120mg×1/6=モルヒネ量(経口)

モルヒネ20mg/日

*座薬アンペックなら 10mg×2 (12時間間隔)

*デュロテップパッチなら1/3面貼布

(デュロテップパッチは約60mg/日)

*持続注入(皮下、静脈)なら経口量の1/2量

モルヒネ10mgを24時間で入るように調節

★電子カルテヘルプ「症状緩和マニュアル」を見る

 →PCTに連絡してください

(77)

症例11

オピオイドの内服ができなくなった

オキシコンチン20mgを使用してきたが

嘔気、嘔吐が出現し内服できない

レスキュ−もオプソである

(78)

症例11 Answer ★オピオイドの濃度が低下しないよう他の経路の指示を依頼する   *一時的であれば挿肛でも可能  ★オキシコンチン×1.5がモルヒネ経口量   =モルヒネ30mg/日 *座薬アンペックなら 、   10mg×3 (8時間間隔) *デュロテップパッチなら、  1/2面貼布 (デュロテップパッチ2.5mg=モルヒネ60mg/日)   *持続皮下・静脈投与なら、   経口量の1/2量=モルヒネ15mg/日

(79)

症例12

疼痛時①がきかない

疼痛に対して臨時指示がある。 ①ロピオン0.5A+生食5ml 静注 ②フェンタニール早送り 痛みの訴えがあり ①を使用したが軽減が乏しい

(80)

症例 12 ANSWER ★ロピオンの効果が出るまでに15∼30分。  それ以上みても効果ない時、②を使用してよい ★患者・家族の認識を大切にする   E.g., 「さっき、使ったばかりなのに..…」      「はやくどんどんやってくれ!」

(81)

症例13

疼痛時①②を使ったがきかない

疼痛に対して屯用の指示がある。 ①ロピオン0.5A+生食5ml 静注 ②フェンタニール早送り 痛みの訴えがあり ①を使用したが効果が乏しい ②も使用したが効果が乏しい

(82)

症例 13 ANSWER ★②のオピオイドの効果判定は15~30分。   眠気、呼吸を評価する。  *呼吸抑制なく、眠気が軽度なら、1回量が足らない    →②をもう一度使用  *呼吸抑制あり、眠気が強いなら、②はきかない    →再評価を依頼 ★次回は、効果のある②から使用する       呼吸抑制        鎮静       鎮痛           

(83)

症例14

ヂュロテップパッチをはったが痛い

デュロテップパッチ貼布の指示があった。 貼付したが、疼痛が改善されない。

(84)

症例14

Answer

★デュロテップパッチの効果が発揮されるのは、12-24時間前後  それまでは疼痛の出現が考えられるのでレスキューを使用する。 注)デュロテップパッチをはがした後も薬剤の効果は 12時間は残っている。   持続皮下注からデュロテップに移行する時は持続量を時間で減量する。 (6時間後半量、12時間後OFF)

(85)

注意 デュロテップパッチは、 決して切らないでください。 切ってその成分が急に体にふれると、 薬の成分が急速に体内に吸収されるため危険です。 十分注意してください。 残りの部分は、繰り返して使用できません。 貼り替えの際は新しいパッチを貼ってください。 デュロテップパッチ2.5mg 1面未満の貼布手順

(86)

症例15

疼痛時①②で効いたがまた痛くなった

疼痛に対して屯用の指示がある。 ①ロピオン0.5A+生食5ml ②モルヒネの早送り 痛みの訴えがあり ①を使用したがある程度効果あったが十分ではなかった ②を使用したら効果があった 3∼4時間後、疼痛が再び増強した

(87)

症例 15 ANSWER ★何がどれだけきくのかを確認する  →*ロピオンの効果は乏しいようだ。    *効いているのは早送りで、有効時間とも一致する ★一番有効にきくように指示を使う  *早送りを選択して使って、医師に指示の修正を求める  *ロピオンが全く効かないではないので、早送りと併用してもよい

(88)

症例16

鎮痛薬を受け入れてくれない

疼痛があるが、薬を使用することに抵抗がある。 何とかしてあげたいとアプローチするが受け入れてくれない。 勧めれば怒られる。 でも、「ここの病院の人たちは何もしてくれない」と言っている。

(89)

症例16

Answer (例)

★まず、薬剤を使用したくないという思いの理由を探る。  E.g., 情報不足:「薬はずっとやめらない」   否認:「病気の進行を認めたくない」(無意識的な場合もある)  事実:「身内に使ってよくなかったひとがいる」 ★理由に応じた対処をする   *情報不足:情報を提供する   *否認:つらさを理解、共感する態度で、信頼関係を深める       無理に薬剤を勧めたり、納得させようとすることはしない   *事実:つらさを理解、共感する態度で、信頼関係を深める       無理に薬剤を勧めたり、納得させようとすることはしない       状態が違うかどうか吟味する ★くすり以外の鎮痛手段を考える:痛みの閾値を上げる   E.g., 認知的、感覚的アプローチを試みる(マッサージ、タッチン       グなど)

(90)

症例17

安静時痛は取れたが

動くと痛くて思い通りのADLにならない

安静時痛はコントロールされたが、体動時痛がある。 「こんな痛みではリハビリも進まない。とても家に帰れない。」 「このままじゃ身体が弱っていくだけだ。なんとかしてほしい。」

(91)

症例17

Answer

★体動時痛をさらに緩和できるのか再評価する  *どのような動きに痛みが増強するのかを観察    →動きを避ける    →予防的に使用してみる(PCAなど) ★段階的な目標設定を患者、家族、医療チーム全体で共有する ★無理と決めつけず本人の体験を受け止める  *可能性を一緒に最大限考える(希望を支える)  *患者の認識の変化をみて、目標のすりあわせを支援する

(92)

目次

A 病態・評価  0.痛みとは何か?    △不安な時に痛みが強くなるのは精神的原因?  1.がん患者の何%が痛みを体験するか?  2.痛みの評価のやり方は?    △痛みは見て分かる?  3.痛みの治療の目標の立て方は?    △モルヒネを使えば1日中いたくない状態になる?    △眠くなく痛くない状態は全員に達成できるか? B  OVERVIEW: 疼痛の緩和の道筋  内臓痛  骨転移痛  神経因性疼痛 C 薬物・治療法の知識  WHOラダー  NSAIDs   オピオイド  鎮痛補助薬  神経ブロック  外科的治療 D Case stories

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