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調査・研究報告書の要約
【目次】
1. 労働市場の現状
1−1. 就労者人口の推移と年齢構成
1−2. 製造業における就労者人口と年齢構成 1−3. 少子・高齢化と製造業が抱える問題 2.技能労働者/中核人材の育成
2−1.マイスター制度の現状
2−2.高等教育機関における中核人材の養成 2−3.政府の取り組み、助成制度など 2−4.製造業界としての取り組み 2−5.問題点
3.製造企業の取り組み
3−1.企業が抱える問題と対策 3−2.外国人労働者採用の現状と将来 3−3 成功例(ケーススタディ)
ワゴ・コンタクトテヒニック WAGO Kontakttechnik GmbH
ダイムラー・クライスラー・ヴェルト工場 DaimlerChrysler Werk Woerth アルストム・パワー・ターボ・システム ALSTOM Power Turbo-System
ビカ・アレクサンダー・ヴィーガントWIKA Alexander Wiegand GmbH & Co. KG BMW AG/Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft
4.産学連携による人材育成 4−1.産学連携の現状
4−2.産学連携による人材育成プロジェクト 5. 総括
主要ソース/参考文献:
【概要】
ドイツはかってない高失業状況にあります。特に、若年層の失業増加は深刻な問題となる。しかし、将 来的には我が国と同様にドイツも人口減少、少子・高齢化の時代を迎える。人口の変化に伴い、労働市 場や就労者人口が減少し、就業者の高齢化問題も避けては通れない。一方、業務のハイテク化により単 純労働者の需要が減る一方、高度な知識を必要とする分野で求人数が拡大することが予測されている。
ドイツは技術職を育成するシステムとして伝統あるマイスター(親方)制度を持っている。このデュ 書 名
ドイツ製造業界における人材育成への取り組み
発行機関名 社団法人 日本機械工業連合会
発行年月日 2005 年 6 月 頁 数 103 頁 判 型 A4
アル・システム(2 元教育)は企業の負担が大きいものの、有効な人材育成制度として企業は高く評 価している。政府は「技術大国」としての地位を維持するため、優秀な人材を育てる諸政策を講じて おり、また、製造業界も人材不足による競争力の低下を懸念、主要団体が協力して後継者育成のため の諸対策を講じている。本報告書は、当会のブリュッセル調査員がとりまとめたもので、ドイツ製造 業界における人材育成への取り組みについて言及している。概要は以下のとおり。
ドイツの人口は戦後、経済成長や移民の受け入れを背景に伸びを続けてきた。だが、1950 年代から 60 年代初めにかけてのベビーブームの後、60 年代後半から出生数は急速に減少した。出生率の低下 により、ドイツはこれから、人口減少、少子・高齢化の時代を迎える。
人口の変化に伴い、労働市場も就労者人口の減少し、就業者の高齢化問題に直面する。業務のハイ テク化により単純労働者の需要が減る一方、高度な知識を必要とする分野で求人数が拡大することが予 測されている。
製造業界は 1990 年代の経済危機にエンジニアや自然科学系の分野で従業員を大量に解雇した。特 に、コスト負担の重い中高齢層の従業員が人員削減の対象となった。このため製造業への就職は長期 的な保証がないとの認識が一般に強まり、製造業への就職を希望する生徒やエンジニア系学科を選択 する学生が大幅に減った。このことを背景に技術職やエンジニアの需要は再び高まっているにもかかわ らず、企業は人材不足の問題を抱えている。今後、エンジニアの需要が増えることや、少子化を背景にさ らに深刻化するとみられている。中でも電子工学と機械製造、研究・開発の分野で将来、人材が不足す るとの見通しが強い。
製造業界への就職を希望する生徒・学生が全体に減っていることに加え、学力低下や教育機関のカリ キュラムが労働市場の変化に対応できていないことを理由に、必要な資質を備えた人材が減っているこ とも問題視されている。
ドイツは技術職を育成するシステムとしてマイスター(親方)制度の伝統をもつ。技術職につくため、生 徒は職業学校で理論を学ぶと同時に企業で実務訓練を受ける。このデュアル・システム(2 元教育)は企 業の負担が大きいが、有効な人材育成制度として企業は高く評価している。専門大学・大学におけるエ ンジニアの養成でも実習を重視すべきとの意見が多い。
政府は優秀な人材を育て「技術大国」としての地位を維持するため、職業訓練生の受け入れ枠の拡大 で企業と協力する大学にバチェラー/マスター、ジュニア・プロフェッサー制度を導入する、移民法の改 定で高度な知識を持つ外国人を積極的に受け入れる体制を整備するなどの対策をとっている。
製造業界も人材不足による競争力の低下を懸念、主要団体が協力して後継者育成のためのイニシア チブ「ThinkIng」を立ち上げるなど積極的に取り組んでいる。企業側からは政府に対し、規制緩和、教育 機関のカリキュラム見直し、教員のレベルアップを求める声が強かった。企業と教育機関の連携強化を課 題とする意見も多い。
労働市場では人材不足に備えるため、高い年齢層の就労拡大、若者の修学期間を短縮し、早く社会 に出る環境をつくる、外国人の受け入れ、女性の就労促進、労働時間の延長などの動きがある。
ドイツ製造業界では政界、業界レベルで同様の動きが見られるが、企業レベルでは中高齢層の活用、
女性、外国人労働者の積極的受け入れに対する関心はあまり高くないようだ。
ドイツにおける大きな問題の一つは、技術分野への就職を希望する若者が減っていることにある。今 後政界、教育機関、産業界、社会が協力し、景気の波に関係なく若者がエンジニアを目指したくなるよう な環境をつくることが課題となる。