2012年度 化学Ⅰ-第4問-問1
【問題】
鎖式飽和炭化水素に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一つ選 べ。
① 分子式はCnH2nで表される。
② 水に溶けにくい。
③ 直鎖状の化合物の沸点は,分子量が大きいものほど高い。
④ 炭素原子の数が4以上の化合物には,構造異性体が存在する。
⑤ 炭素原子の数が6以下の化合物には,不斉炭素原子をもつものは存在しない。
【正解】
① 分子式はCnH2nで表される。
【解説】
「鎖式」は,環構造がないということです。「飽和」は,炭素原子間の結合がすべて単 結合だということです。「炭化水素」は,CとHだけでできた化合物です。つまり,鎖式 飽和炭化水素はアルカンを指しています。
① アルカンの分子式は,すべての基本です。枝分かれのないアルカンを考えると,横一 列に並んだn個の炭素原子Cの上に水素原子Hがn個,下にもn個あります。両端の炭素 原子は,さらに1個ずつの水素原子が結合しますので,+2個。合計すると,n個の炭素原 子に2n+2個の水素原子が結合します。よって,アルカンの一般式は,CnH2n+2です。
この問題は,他の選択肢が多少わかりづらいので,①の段階で確実に解答しておきたい ところです。
② 一般に,有機化合物は水に溶けにくい物質です。ヒドロキシ基-OHなどの親水性の官 能基があれば,その働きで水に溶けるものもあります。炭化水素はCとHだけでできてい るので,親水性の官能基を持たず,水に溶けにくいものばかりです。
③ 沸点は,分子どうしが引き合う力で決まります。もちろん,引き合う力が強いほど高 い温度でないと分子がバラバラの気体になりませんから,沸点が高くなります。一般に,
分子が引き合う力は,分子量が大きいほど強くなります。重い人ほど地球と強く引き合う のと似ています。つまり,分子量が大きくなるほど,沸点が高くなります。
④ アルカンの構造異性体は,炭素数4以上のときに直鎖状のものを含めて2種類が存在し ます。炭素数5では3種類,炭素数6では5種類,炭素数7では9種類が存在します。炭素 数7ぐらいまでは,すべてを書き出せる実力をつけておきましょう。
⑤ 不斉炭素原子は,4つの異なる原子または原子団が結合している炭素原 子をいいます。不斉炭素原子を考える1つの炭素原子C*に,炭素数が 0,1,2,3である水素原子-H,メチル基-CH3,エチル基-C2H5,プロピ ル基-C3H7が結合した右図の炭素数7の炭化水素が,最も炭素数の少ない ものです。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~ http://ko-ko-kagaku.net/center-kagaku1/