国 語 科
1 国語科における学習指導の在り方
国語科の目標では,国語による表現力と理解力とを育成するという,これまでの国語科教育の基 本的な理念を継承しつつ,自分の考えをもち,論理的に意見を述べる能力や,目的や場面などに応 じて適切に表現する能力を重視するとともに,社会生活に必要な言語能力としての,互いの立場や 考えを尊重しつつ言葉により伝え合う力の育成を重視し,新たに「伝え合う力を高める」ことを位 置付けている。また,学校や生徒の実態に応じて重点的に指導できるよう,目標や内容を,第1学 年と第2・3学年にまとめて示してある。
, , , , ,
そこで 3年間を見通した学習指導計画を策定し いつ どの教材で どんな力を付けるために 何を学ぶのかといった学習目標,指導内容,教材をあらかじめ整理しておく必要がある。また,単 元の目標を観点別目標へ具体化するとともに,場面に応じた具体的な評価規準を設定する必要があ る。さらに,自ら学び自ら解決する力を育成するという観点から 「話すこと・聞くこと・書くこ, と・読むこと」といった言語能力が定着したかどうかを,自己評価や相互評価により,自分自身で 確認させることが大切である。そのため,学習活動の中に,話したり書いたりする活動を適切に設 定し,生徒自らの学習を振り返る時間を設ける必要がある。
2 国語科における評価規準作成上の留意点
教科の目標を実現していくためには,年間を見通した評価計画をきちんと立てる必要がある。国
,「 」,「 」,
語科においてこの評価計画を作成する際は 国語への関心・意欲・態度 話すこと・聞くこと
「書くこと」,「読むこと」及び「言語についての知識・理解・技能」の5観点を踏まえて目標分析 を行うことになる。また,2,3学年の目標は2学年のまとまりで示されており,学校や生徒の実 態に応じて重点的に指導できるようになっている。そこで,評価計画作成の段階で,単元ごと,教 材ごとに,どの領域に重点を置いた評価をしていくかをあらかじめ考えて,重点評価項目を設定し ておくことが大切になる。
評価規準を作成するに当たっては,国語科では育成すべき能力が具体的に示されているので,育 成すべき能力をどのような教材を使って指導すればよいかという教材分析に重点を置き,教材との 関連を明確にすることが大切である。
3 国語科における指導と評価の計画の作成
中学校第3学年で学習する単元「情報社会を見つめる(全10時間 」を例に,評価規準と,評価) 計画の作成の仕方について以下に述べる。
まず,国語科の目標分析,各学年における目標の分析を基に,各学年の観点別学習状況の評価規 準を設定する。次に,教材分析を基に,指導内容,評価項目等の系統性をつかみ,年間の「重点評 価項目一覧 を作成する さらに」 。 ,「単元の目標 を基に 単元の評価規準」 「 」,学習活動における 具「 体的な評価規準」を作成し,単元における指導と評価の計画を立てることになる。
【重点評価項目一覧例】(第3学年の一部)(◎重点評価項目 ○評価方法)
教材名 関心・意欲・態度 話すこと・聞くこと 書くこと 読むこと 言 観 発 朗 ノ 自 観 質 発 ノ V 自 観 ノ 作 自 観 ノ 発 ワ 自
︵ ︵ ︵ ︵ ︵
重 察 表 読 ー 己 重 察 問 表 ー T 己 重 察 ー 品 己 重 察 ー 表 ー 己 重 点 ・ ・ ト 評 点 ・ 紙 ・ ト R 評 点 ・ ト 評 点 ・ ト ・ ク 評 点 評 面 話 価 評 面 話 ・ 価 評 面 価 評 面 話 シ 価 評 価 接 合 ・ 価 接 合 テ ・ 価 接 ・ 価 接 合 ー ・ 価 項 い 相 項 い ー 相 項 相 項 い ト 相 項
目 互 目 プ 互 目 互 目 互 目
評 評 評 評
︶ ︶ ︶ ︶ ︶
価 価 価 価
(一学期)
峠 ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○
◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○
ことばが輝く
俳句の世界 ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○
◎ ○ ○ ○
わたしの歳時
◎ ○ ◎
多義語・慣用
メディアとわた ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○
⇒
【単元の評価規準例】
【単元の目標例】 ⇒
① メディアとのかかわりや,その有効 国語への関心・意欲・態度 話すこと・聞くこと な活用について興味をもたせる。
② 読み取ったことを基に討論会を行 ① 本単元のそれぞれの教 ② メディアについて意見 い,メディアについて意見を出し合 材について,積極的に読 を出し合い,考えを深め
わせる。 んだり,書いたり,話し るとともに,相手の立場
③ 討論会を通して深まった考えを基 たり,聞いたりしながら を尊重して討論に参加し に,論理の展開に留意して意見文を 身近な事象と関連付けて ている。
書かせる。 考察しようとする。
書くこと 読むこと 言語についての
④ マスメディアの働きや特徴を,文 知識・理解・技能
脈に即して読み取らせる。 ③ 討 論 会 で 深 ④ 文 脈 に 即 し ⑤ 情 報 に 関 す ま っ た 考 え を て 筆 者 の 主 張 る 抽 象 的 な 概
⑤ メディアに関する抽象的な概念を 基 に , 説 得 力 を と ら え る と 念 を 表 す 語 句 表す多様な語句を中心に理解させる 。 ある意見文を , と も に , キ ー に つ い て 理 解 論 理 の 展 開 や ワ ー ド を 基 に す る こ と が で 構 成 に 工 夫 し テ ー マ を 読 み きる。
て 書 く こ と が 取 る こ と が で できる。 きる。
⇒
【指導と評価計画の具体例 (一部)】
主 な 学 習 活 動 具体的な評価規準 評価方法と
時 (重点評価項目) 評価を指導に生かす手だてと方策
(△:おおむね満足できる状況にない生徒へ
関心 話す 書 読 言語
の手だて)
間 意欲 ・ く む 事項
(○:おおむね満足できる状況にある生徒へ
態度 聞く
の方策)
・ 「マスメディアを通し ① 観察・発表・挙手
第 た現実世界」を読み,筆 【関心・意欲・態度】 △ 学習以前に知っている知識や情 1 者の考え方や論理の組み 本単元でのねらいを単 報を基に発言できるよう,具体的 時 立てについて考える。 元の扉やリード文を基に にいくつかの例を挙げて説明する。
とらえようとしている。
・ 全文を通読して,マス ④ ノート・ワークシート・発表・自己評価 第 メディアの働きや特徴を 【読む】 △ 難語句等の確認を行うとともに, 2 文脈に即して読み取る。 文脈に即してマスメディ 分かりやすい表現の読み取りから 時 アの働きや特徴をとらえ 全体を類推して読み取らせる。
ることができる。
・ 前時に学習した【討論 ② 観察・自己評価・相互評価
第 会の進行の例】を参考に 【話す・聞く】 △ 発言のよいところを認めたり,
7 して討論会を行う。 討論会の目的やルール 小グループによる討論に切り替え
。 時 を理解した上で,様々な たりして発表しやすい場を設ける
意見を出し合うことがで ○ 討論会の司会等を初めにさせる きる。 ことで他の生徒へ広がるようにす
る。
・ 相手の発言と自分の発 ② 観察・自己評価・相互評価
第 言との違いを基に,違う 【話す・聞く】 △ 発言しやすいようにメモを作成 8 立場から意見を出し合 相手の立場を尊重した させる。また,そのメモに発言する 時 い,討論会のまとめを行 上で自分の意見を発言で 順番を書かせ番号に即して発表で
う。 きる。 きるようにする。
⑤ ○ 相手の立場を尊重した発言の例
, 。
【言語事項】 として ビデオなどに録画させる 討論会にふさわしいス △ 適切なスピードや声量の生徒の ピードや声量で話すこと 発言や工夫点を参考にさせる。
ができる。 ○ 苦手な生徒のために,発言上の 工夫点を挙げさせる。
・ 討論会で深まった考え ① ノート・ワークシート・自己評価・相互 第 を基に,意見文をまとめ 【関心・意欲・態度】 評価
9 る。 本単元に積極的に参加 △ 題材になるキーワード゙と教科書 時 し,身近な事象との関連 教材との関連性を振り返らせる。
性にまで敷衍させること ○ 意見文での根拠となる具体事例 ができる。 を図書館やインターネット等で検
③ 索させる。
【書く】 △ 討論会でのメモから自分の考え 討論会で深まった考え に近いものを指摘させ,意見文の
。 を基に,意見文をまとめ 構成を考える上での一助にさせる ることができる。 ○ 意見文を書く上で,構成や内容
。 について工夫した点を挙げさせる
4 国語科における評価方法の工夫
(1) 観点別評価と評価方法観点別に学力を評価するためには,それぞれの観点に合った評価方法を選択する必要がある。評 価方法の中で今後重要になってくるものは,自己評価である。これは,学習者自らが自己の学習を 振り返り,次の学習への指針を見付けなければならず,自己評価力の育成につながるからである。
自己評価は,この自己評価力が高まるに従い,客観性が高まる。ただし判断力がまだ十分には育成 されていない発達段階での自己評価は,教師による評価や相互評価を活用しながら,教師と学習者
との評価の「ずれ」を是正していく必要がある。例えば 「関心・意欲・態度」を低く自己評価し, ている生徒へは,面接や観察によって「ずれ」を確認したら,適宜助言して是正する必要がある。
(2) 「自己評価カード」作成上の留意点
4とてもよい 3よい 2あと少し 1もっと努力を
自己評価カードでは, 【自己評価カード】
「4・3・2・1」など 観点 評 価 項 目 評価 「4・3・2・1」の理由 の記入を求める場合と, 関心 本時の目標を基に,意欲的に学
文章の記述を求める場合 意欲 習したか。
とがある。評価結果の分 態度 情報について,自分なりの課題 析や評価に掛ける時間を を発見したか。
考慮すると 「4・3・ 話す, 討論会のルールを理解した上 2・1」だけの記入も考 聞く で,考えを伝えられたか。
えられるが 「ずれ」の, 相手の立場を尊重した上で,発 少ない評価のためには, 言できたか。
生徒の生の声を取り入れ 書く 討論会で深まった考えを基に,
やすいように,文章によ 意見文をまとめることができたか。
る記述を取り入れた評価 読む マスメディアの働きや特徴をと カードを作成することが らえることができたか。
大切である。 言語 新出漢字や語句の意味が身に付 右に自己評価カードの 事項 いたか。
例を挙げる。指導者は, 討論会にふさわしい声量・スピ この自己評価カードを基 ードであったか。
に正しい評価がなされて いるかを判断し,必要に 感 応じて評価の適否を気付 想 かせる必要がある。
(3) テストの改善と工夫
テストは,最も一般的な評価方法で,これまでも観点別評価を取り入れた改善が進められてきて おり,今後ともこの改善は推進する必要がある。そこで,以下にテストの改善と工夫のポイントを まとめる。
(単元の評価規準との関係を踏まえて作成すること)
1 目標に準拠したテストであるか。
(知識・理解に当たるものが多くなるが,観点別に得点化
2 個々のテストがどの観点の評価に相当するか。
できるよう工夫すること)
(応用力や創造力も評価できるよ
3 問題解決能力や創造的な思考力を問う問題が取り入れてあるか。
う工夫すること。また,多答問題を入れることで幅広い観点で評価できる工夫をすること)
【例】短作文を書かせる上で,生徒に自由にキーワードを選ばせ,具体的な事例を入れさせな がら書かせる。その際の評価は,内容を端的にまとめて「書く」力や言語事項(文字力・
文法力等)はもとより,生徒の短作文をまとめようとする意欲も見ることができる。
実践例
古典を楽しむ(第3学年 (教材名「和歌の世界 「おくのほそ道 )
1 単元名
) 」 」2 単元の目標
(1) 古典への興味・関心をもち,古人の生き方や考え方に思いを巡らし,古典を味わおうとすると ともに,創作活動を通して,古典への興味・関心を広げさせる (関心・意欲・態度)。
(2) 古典作品とその作者に対する様々な疑問を出し合い,話合い活動を通して課題を解決させる。
(話すこと・聞くこと)
(3) 読み取ったことを基に歌物語や旅番組の台本作りをさせ 自分の表現方法でまとめさせる, 。(書 くこと)
(4) 語注や現代語訳を参考にして,作品の内容や作者の思いを読み取らせるとともに,古典に対す る自らの考えを深めさせる (読むこと)。
(5) 古文の文体やリズムを楽しみながら歴史的仮名遣いや古文特有の表現方法を理解し,朗読でき るようにする。(言語についての知識・理解・技能)
3 指導と評価の一体化の工夫
, , ,
本単元の指導に当たっては 教材分析に基づいて 生徒に身に付けさせたい力を十分考慮して 生徒の活動や指導内容など具体的にイメージしながら,評価規準を設定した。
, , , ,
その際 毎時間あらゆる観点において すべての生徒を評価しようと思っても 評価に追われ 指導が行き届かなくなる恐れがある。そこで,年間重点指導項目を設定し,1単位時間では,1 項目か2項目に評価項目を絞り,1単元もしくは1教材を通して5観点をバランスよく評価でき るように計画した。
(1) 単元の評価規準
国語への 話す・聞く能力 書く能力 読む能力 言語についての
関心・意欲・態度 知識・理解・技能
古 文 に 慣 れ , 作 古典の朗読の仕 作品の情景や作 語注や現代語訳 歴史的仮名遣い 品 の 世 界 を 楽 し む 方を工夫したり, 者の心情を豊かに を参考に作品の内 や古文特有の語や と と も に 古 人 の も 作品や作者への感 想像しながら,歌 容や作者の思いを 用法を理解し,指 のの見方や感じ方 , 想や意見を,話し 物語や旅番組の台 読み取り,自分の 摘するとともに,
生 き 方 に 思 い を は 合ったり聞き合っ 本などを自分の表 考えを深める。 すらすらと読める せ , 古 典 の 世 界 を たりする。 現 方 法 で ま と め ようになる。
広げる。 る。
(2) 具体的な評価規準と手だて
ア 国語への関心・意欲・態度
評価を指導に生かす手だてと方策 学習活動における
△ 「おおむね満足できる」状況にない生徒への手だて 具体的な評価規準 ○ 「おおむね満足できる」状況にある生徒への方策
① 学習計画や学習課題をとら △ それぞれの個性を尊重しながら,学習の進め方や目標とする姿を提示する。
え,音読の練習をしたり意味
。 を調べたりしようとしている
, , , , 。
② 作品の内容や作者の思いな △ 音読や紙芝居 ペープサート 新聞など 様々な表現の仕方があることを教え 例を示す どを踏まえて表現方法を工夫 ○ 学習の遅れがちな生徒と教え合わせることで,よりよい表現方法を模索させる。
し,発表しようとしている。
イ 話す・聞く能力
評価を指導に生かす手だてと方策 学習活動における
△ 「おおむね満足できる」状況にない生徒への手だて 具体的な評価規準 ○ 「おおむね満足できる」状況にある生徒への方策
① 友達の発表や朗読を聞き, △ グループやペアで意見交流を行わせる際,メモを見たり取ったりしながら自分の発表や話 そのよさに気付くことができ 合いの仕方を振り返らせる。
る。 ○ グループ討議やペアでの意見交流でのまとめ役を依頼する。
② 自分の知らせたいことを発 △ 友達の発表のいいところや,他者の発表で参考になったことを評価カードに記入させる。
表するとともに,他者の発表 ○ グループ内で発表がうまくできない生徒へ支援しながら自らを高めさせる。
。 内容を理解することができる ウ 書く能力
評価を指導に生かす手だてと方策 学習活動における
具体的な評価規準 △ 「おおむね満足できる」状況にない生徒への手だて
○ 「おおむね満足できる」状況にある生徒への方策
① 自分の気に入った和歌を選 △ 資料やイメージ画を基に,現代語訳を使いながら文章を書かせる。
び,読み取った歌の情景や心 ○ 他の和歌を基にした歌物語にも挑戦させる。
情をふくらませて歌物語に表 すことができる。
② 芭蕉の人生観やものの見方 △ 現代語訳を参考にまとめる項目を示し,グループ活動を取り入れながらまとめさせる。
, , 。
についてとらえたことを自分 ○ 原文の解釈だけに終わらず 様々な表現方法を基に より高い次元での理解を追究させる の好きな表現方法でまとめる
ことができる。
エ 読む能力
評価を指導に生かす手だてと方策 学習活動における
具体的な評価規準 △ 「おおむね満足できる」状況にない生徒への手だて
○ 「おおむね満足できる」状況にある生徒への方策
① 作品の内容が伝わるように, △ 意味上の句点を確認させ,教師やテープの範読にしたがって音読させる。
, 。
リズムや表現の美しさに注意 ○ うまく朗読できない生徒と共に読ませ 読みや区切りの誤りが少なくなるよう支援させる しながら朗読することができる。
② 現代語訳や脚注を参考に話 △ 原文と現代語訳を丁寧に比べながら読ませ,写真やビデオなどの視覚的資料からイメージ の内容や歌の大意をとらえる がふくらむようにさせる。
ことができる。 ○ 芭蕉のものの見方や考え方を考えさせる。
③ 文章に描かれている内容か △ 何度も音読させ,作者の心情が描かれている表現を押さえさせ,感想をまとめさせる。
ら芭蕉のものの見方や考え方 ○ 芭蕉について書かれた書物を渉猟させ,より一層理解を深めさせる。
をとらえ,自分なりの感想を もつことができる。
オ 言語についての知識・理解・技能
評価を指導に生かす手だてと方策 学習活動における
具体的な評価規準 △ 「おおむね満足できる」状況にない生徒への手だて
○ 「おおむね満足できる」状況にある生徒への方策
, ,
① 歴史的仮名遣いや古文特有 △ 歴史的仮名遣いや古語の意味をおさえさせた上で 教師の範読にしたがって音読させたり の語や用法を理解し,音読す ペアで確かめ合いながら音読させたりする。
ることができる。 ○ 歴史的仮名遣いの特徴をまとめさせ,学習の遅れがちな生徒への支援に役立たせる。
(全15時間)
4 単元の指導と評価の計画
時間 学習の流れ 評価規準 評価方法
次 時 1 オリエンテーションをし,学習の見通しをもつ。 アー① 学習計画や学習課題をと 観察,自己評価 2 古典の復習と「万葉集 「古今和歌集 「新古今和歌」 」 らえ音読の練習をしたり,
一 1 集 について基礎的な事柄をまとめ学習課題を立てる」 。 意味を調べたりしようとし ア 歴史的仮名遣いなど古文を読む上で必要な基礎的 ている。
事項を復習する。
イ 和歌についてまとめる。
ウ リズムや音の響きを感じながら音読する。
エ 学習課題を立てる。
二 2 3 和歌に詠まれている情景や心情などイメージをふく イ−① 友達の発表や朗読を聞 発表,相互評価
らませながら読む。 き,そのよさに気付くこと
〜
3 ア 脚注や資料を参考にそれぞれの歌の意味や内容に ができる。
ついて考えながら音読する。 エ−① 作品の内容が伝わるよう 朗読 イ 歴史的仮名遣いや用いられている和歌の技法を押 に,リズムや表現の美しさ
さえる。 に注意しながら朗読するこ
とができる。 音読
オ−① 歴史的仮名遣いや古文特 有の語や用法を理解し,音 読することができる。
三 4 4 好きな歌を1首選び,歌物語にする。 ウ−① 自分の気に入った和歌を 作品 ア 想像力豊かに歌の世界をふくらませ,短い物語を 選び,読み取った歌の情景
〜
5 作る。 や心情をふくらませて歌物
イ 作品の交流をし,和歌の世界のまとめをする。 語に表すことができる。
四 6 1 「おくのほそ道」のオリエンテーションをし 「旅」, ア−① 学習計画や学習課題をと 自己評価 と「俳句」をキーワードに作者や作品について概略を らえ 音読の練習をしたり, , 相互評価 つかみ,学習課題を立てる。 意味を調べたりしようとし
ア 芭蕉・一茶・蕪村の俳句の違いを見付け,俳諧の ている。
流れをまとめる。 オ−① 歴史的仮名遣いや古文特
イ 「旅番組」や資料などから作者や作品,時代背景 有の語や用法を理解し,音
について理解する。 読することができる。
ウ 教科書本文を音読し,文語文のリズムに慣れる。
エ 学習課題を立てる。
五 7 2 「芭蕉の旅番組」を制作するために,作品を読み深 エ−② 現代語訳や脚注を参考に 質問,ノート
める。 話の内容や歌の大意をとら
〜
9 ア 脚注や現代語訳を参考に作品の大意をつかむ えることができる。
イ それぞれの課題について探究する。
10
ウ 友達との意見交換を通し,芭蕉の心情を読み深め エ−③ 文章に描かれている内容 ワークシート
(
本 る。 から芭蕉のものの見方や考
時 え方をとらえ,自分なりの
感想をもつことができる。
)
六 11 3 「芭蕉の旅番組」の台本を作る。 ア−② 作品の内容や作者の思い 観察,自己評価 ア どのような番組を作るか考え,台本を作る。 などを踏まえて表現方法を 台本, 作品
〜
12 イ 発表に向け,準備や練習を行う。 工夫し,発表しようとして いる。
ウ−② 芭蕉の人生観やものの見 方についてとらえたことを 自分の好きな表現方法でま とめることができる。
七 13 4 発表会を開き,読みの交流をする。 イ−② 自分の知らせたいことを パフォーマンス
14 発表するとともに,他者の 自己評価
発表内容を理解することが できる。
八 15 5 単元を振り返り,学習のまとめをする。 エ−③ 文章に描かれている内容 ペーパーテスト から芭蕉のものの見方や考 自己評価 え方をとらえ,自分なりの
感想をもつことができる。
オ−① 歴史的仮名遣いや古文特 有の語や用法を理解し,音 読することができる。
(10/15)
5 本時の実際
(1) 題材名 「おくのほそ道」
(2) 目標
自分で読み取ったことを他者と交流することで,芭蕉の旅に対する考え方や人生観,自然観な どをとらえ,自分の考えを深められるようにする。
(3) 指導上の留意点
ア 基礎的・基本的な内容を身に付けるための学習目標の明示
発表課題は,作品を読み深めていくための基礎的・基本的な学習目標である。そこで本時で は,芭蕉への記者会見を行うことで,芭蕉役の生徒と,インタビュアー役の生徒との問答を通 して,自分は何が分かったかを評価できるようにする。
イ 1単位時間における評価方法の工夫 (ア) 評価を生かしたグループ編成
共通読み取りの段階で広がった個人の課題や学習状況を見取り,生徒自身の自己評価と教 師の評価を基に,評価の「ずれ」を是正した上で,お互いに教え合えるようなグループ編成 を行う。なお,インタビューは,芭蕉役の生徒をグループ全体で受けることで,お互い話し 合いながら,適切にインタビューに答えられるよう配慮する。
(イ) 自己評価
, 。
学習活動中に生徒が主体的に行う自己評価と 芭蕉役の生徒の答に対する評価を組み込む 本時の前に,芭蕉役の生徒への質問事項と予想される答を用意させ,芭蕉役の生徒が回答し たものを基に自己評価や,自己修正をさせながら,自分の考えを深めたり,広げたりできる よう工夫する。さらに,芭蕉役の生徒の回答の適否についても,お互いに指摘できるように する。
ウ 生徒が主体的に取り組む学習活動の工夫 (ア) 課題の選択制
個人の達成度に応じられるように,課題は簡単なものから難しいものまで,できるだけ多 く用意する。また,調べたり考えたりしたことを教え合わせることで,いくつもの課題を解 決できるようにする。
(イ) 教え合う場の設定
記者会見の活動においては,回答する視点や読み深める視点を明示し,生徒の活動を焦点 化したり,インタビューの仕方や進行の仕方など,マニュアルを作成して活動がスムーズに 行われるよう支援する。
(ウ) ワークシート
, , ,
学習の流れに沿って活動がしやすく また 自分の思考の変容や深まりが段階的に分かり 自己評価しやすいワークシートを作成する。
(4) 授業の展開
過 時
学習活動 指導上の留意点と評価 (◆は評価規準)
程 間
1 前時までの学習を振り返り,本時 ○ 学習計画表やノートを基に,前時までの学習を
( 分 )
3 の学習の目標と,学習の進め方を確 振り返らせ,本時の学習の目標と進め方が確認で
認する。 きるようにする。
導
芭蕉記者会見を行い,質問したり 説明したりして,作品の世界や芭蕉 の人物像や思いについて,理解を深 入 めよう。
3 2 自分が何について質問し,どの質 ○ 質問内容は,生徒の混乱を避けるために,生徒 問に対して答えるのかワークシート から出た疑問や質問,教師が補足した質問など,
。
を見て確認する。 作品を読み深める上の基礎的・基本的事項とする
30 3 芭蕉記者会見を行う。 ○ 司会マニュアル,発表の仕方マニュアルにより 進行をスムーズに行い,時間内に発表が終わるよ ア レポーター役の生徒からの質 うにする。
問 ○ 教科書の本文や資料集(写真・絵)など提示しや イ 芭蕉役の生徒の返答 すいよう,視聴覚機器を準備する。
展 ウ 芭蕉役の生徒の返答に対する ○ 教師も適宜レポーター役になり,芭蕉役の生徒
評価 が想定した答の中で,レポーター役の生徒から出
エ あらかじめ予想した答えに対 されなかった質問を投げ掛けてみる。
する自己評価 ○ 質問者の課題や疑問が,そのまま残らないよう 芭蕉役の説明で納得できたか評価し,理解できな
, ,
・ レポーター役の生徒は,事前に用 かった場合は もう一度別の生徒に説明させたり 意している疑問点の中からこれだけ 教師の方で補足説明を加えたりして,聞いている はというものを質問する。 生徒の理解が高まるようにする。
開 ・ 芭蕉役の生徒は,自分の言葉で説 明する。納得者が少ない場合は,他
, 。
の生徒が芭蕉役をし 補足説明する
10 4 芭蕉の旅に対する思いや人生,自 ◆ 文章に描かれている内容から芭蕉のものの見方 然に対する思いなど 読み深めたり , , や考え方をとらえ,自分なりの感想をもつことが 広げられたりしたことを自分の言葉 できる (エ−③ 。 ワークシート)
で表現する。 ○ 対話形式や感想文など自分の言葉でまとめさせ て,書けない生徒には,ヒントの入ったワークシ ートを用意する。
終 4 5 本時の学習を振り返り,次時の学 ○ 本時の取組について自己評価させる。
末 習の見通しをもつ。
(5) 考察
本時の芭蕉の記者会見では,本文の行間の読み取りがなければ答えられない回答や,内容の深 まりを感じさせる自己評価カードが多くあり,活動を取り入れた成果が上がった。特に,日ごろ 発言をしない生徒に,発表原稿作成の手だてをすると,自ら積極的に質問したり,芭蕉役として 答えたりして,活動を通した読解の効果を実感できた。また,芭蕉役の答えの分かりやすさにつ
, , 。
いてインタビュアーに評価をさせたが 適切な評価ができており 生徒の評価力向上を実感した
6 成果と課題
(1) 成果
評価規準を作成することによって,授業内容,評価事項,評価方法等生徒の実態を踏まえ,具 体的に授業をイメージし,計画することができた。そして,生徒それぞれに応じ,どのような手 だてを講じたらいいのかを考えて準備することができ,生徒への支援がスムーズに行えるように なった。例えば,芭蕉の返答を基に行った自己評価カードを回収することで,生徒が何をどう理 解しているのかが分かり,次時の指導に生かすことができた。
また,1単位時間の重点評価項目を,一つ二つの観点に絞ることで,授業の重点項目が明確化 され,理解が遅れがちな生徒への手だてが行いやすくなった。
(2) 課題
今後は,より客観的な評価項目の作成と適切かつ効果的な評価方法,評価場面を吟味していく 必要がある。また,すべての生徒を評価対象とした評価場面の確保と生徒に評価をフィードバッ クする場面を確実に設定する必要がある。