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食品凍結に及ぼす変動磁場の効果 (実験装置の製作と予備実験)

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Academic year: 2021

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(1)

食品凍結に及ぼす変動磁場の効果 (実験装置の製作と予備実験)

村 田 圭 治 * 奥 村 太 一 対 荒 賀 浩 一 * 小 堀 康 功 女

E f f e c t  o f  m a g o e t i c  f i e l d  

00 

f o o d  f r e e z i o g  

K e i j i  Murata ,  T a i c h i  Okumura ,  K o i c h i   Ar a g a  Y a s u n o r i  K o b o r i  

This paper presents an experimental investigation on effects of magnetic field on food丘eezingprocess. Although  puoseof food企eezingis  to suppress the deterioration of food,合eezingbreaks food tissue down, and some nutrient  and delicious element flow out after thawing. Recently, a few of re企igerationequipments with electric and magnetic  fields  have attracted attention企omfood production companies and mass media. Water and tuna wereeezedin  magnetic field (lOOkH,  1.3mT). Freezing curve was examined and tuna tissue was observed by optical microscope. The  influence of the magnetic field was not able to be found in the tissue observation and the企eezingcurve. 

Keyword  Food企eezing,Magnetic field, Freezing curve, Optical microscope 

1.はじめに

食品を凍結する目的は低温化により食品劣化の原因 である化学反応,酵素反応,微生物の活動等の活性を抑え ることである.しかし,食品は通常,水を含み,冷却する 過程で水が相変化して氷結晶が析出する.この食品の凍結 に伴う水の相変化もまた食品の品質劣化の原因となる.氷 結晶生成は,細胞を圧迫するし細胞内部の諸構造を破壊す るなどの機械的損傷の他 タンパク質の変性・不溶化など をもたらす 1) 特に組織の破壊は,解凍の際に栄養分や旨 み成分を液汁(ドリ ップ)として流出させる 2) 一方で,

生成した氷結晶状態や構造は凍結条件に依存し,急速凍結 では微細な氷結晶が緩慢凍結では粗大な氷結晶が形成さ れることが知られている.氷結晶が小さければ凍結に伴う 食品の品質劣化も少ないことからこれまで急速凍結によ って氷結晶を微細化し成長を抑制するための工夫がなさ れてきた.過冷却を伴う凍結においては過冷却解消の瞬間 に極めて急速な凍結が起こるために通常の凍結に比較し てはるかに小さい氷結晶構造の形成が可能で、ある3)

*近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科

**近畿大学工業高等専門学校 専攻科生産システム工 学専攻

近年,磁場を印加することで過冷却を維持でき,結果的 に食品の品質劣化を抑えることができるという冷凍装置 が市販され話題4)となっている.しかしながら,鈴木らの はブリ等の食品凍結中に変動周期磁場 (O.5mT50Hz)を 印加してその効果を調べたものの凍結現象や食品の品質 に対する効果は確認できなかった.また,渡漫6)は,液滴 凍結における磁場の影響について実験的に検討し,潜熱放 出前の過冷却度は磁場により影響を受けるが,有限の励磁 時間が必要であると報告している.

著者らは,食品凍結に及ぼす磁場効果の有無について興 味を持ち,とりあえず周波数100kHz程度の変動磁場を印 加して水と魚肉の凍結実験を試みた.ここでは,凍結曲線 の比較や光学顕微鏡による魚肉観察を行った結果につい て報告する.

2 .

実験装置および実験方法

実験装置の概要を図1に示す.この装置は,窒素ガスボ ンベ①,液体窒素タンク②,電磁弁③,実験チャンパー④,

データレコーダー⑤,磁場発生コイル⑥,凍結試料⑦,温 度調節器③などから構成されている.窒素ボンベ①の窒素 ガスを液体窒素タンク②の液体窒素内にバプリングして

‑200C程度の低温窒素を作り,これを冷熱源として実験チ

‑25‑

(2)

9.Fan  10Insu1ator 

ために凍結が完了する温度をはっきりと定めることはで きないが,凍結完了後,魚肉の温度低下は速くなり,チャ ンパー内雰囲気温度に達している.(b)磁場を印加した場合、

凍結開始温度は約

‑5t

で磁場無しと違いは無いが、過冷 却状態の解消温度は約‑60Cで,磁場無しと比べ過冷却度

d

.5. Date recoder 

6Solenoid coi1  7Test piece  8

.  Temperature controller  Fig.l.  Experimental apparatus  1. N2gas tank 

2.lli2 tank  3. Solenoid va1ve 

4. Experiment chamber  ヤンパー④内を冷却した.チャンパー内は低温室素ガスの

流入を電磁バルブ③で制御することにより一定温度に保 持した.生マグロを円柱状(ゆ10rnmx 13rnm)に切って凍 結試料⑦とし,これをテフロン製のブロック内に設けた同 寸法の穴に埋め込んだ.チャンパー内を所定温度に冷却後,

凍結試料が磁場発生コイル⑥の中心に位置するようにテ フロン製ブロックをコイル内に設置し,試料がチャンパー 内雰囲気温度になるまで冷却した.供試試料の冷却は,チ ャンパー内の雰囲気ガス (N2)をファン⑨を用いて下方 から試料の底面に吹き付ける方法とした.

試料の温度測定は,試料の中心にCA熱電対(ゆ0.5mm) を挿入し,底面より 5rnmの位置で行った.磁場発生コイ ル⑥は,外径中50rnmの塩化ピ、ニールパイプに銅線を巻き 付けたもので,コイルの巻数は20あるいは40とし,周波 数は50200kHz,磁束密度は l.3mTである.解凍後,試 料を温度測定位置でスライスして光学顕微鏡で観察し,冷 凍前・冷凍後・磁場有り・磁場無しの組織を比較した.

は小さくなっている.両者の差は測定位置によるぱらつき とも思われ,必ずしも磁場の影響が現れたものではないと 思われる.

3は,魚肉組織の光学顕微鏡写真を示したもので,それ ぞれ(司冷凍前:生, (b)液体窒素で急速冷凍, (c)磁場印加 冷凍, (の磁場無し冷凍, (e)市販の冷蔵庫で、冷凍 の結果 である.生の状態や液体窒素に投入して急速冷凍したもの では組織を観察することができるが,磁場印加,磁場無し では,どちらも生の状態のような組織をはっきりと観察す

3 .実験結果および考察

2(吋および(b)は凍結曲線に関する実験結果の一例で,

縦軸はチャンパー内温度九,および魚肉温度Tj,横軸は経 過時間tである. (吋磁場を印加しない場合,魚肉温度は約

100Cまで冷却された後 ‑50C付近まで急激に上昇してい る.これは魚肉内の過冷却状態が解消されたため凝固点ま で戻ったためであると考えられる.その後,魚肉の凍結が 進むにつれて塩分が濃縮され凝固点が緩やかに低下する

ろ :

Temperature offish 

:Te eratu1remsωidech】即ar帥 巴 釘

Frequency 100KHz  With magnetic field 

20 

AU 

‑ ‑

‑10 

‑20 

[ υ ω ω

唱]

Without magnetic field 

Tf:Temperature offish  T

乙 L ア

:Tempeurein echamber 

20 

10 

U

唱 ・

EA

‑20 

[ υ

ω

]  

3500  3000  2500  2000  1500  1000 

500  3500 

3000  2500  2000  1500  1000 

500 

[sec] 

(b) With magnetic field  Fig2. Freezing curve inside fish 

nh u  ワ ム

t  [sec] 

(a) Without magneticeld

(3)

ることができず,磁場印加による明確な違いを見 ることができなかった.

.おわりに

周波数100kHz,1.3mTの変動周期磁場を印加し て凍結実験を行い 凍結曲線の比較と顕微鏡観察 を行った.しかし この 2つのデータ比較による 優位な差を見ることはできなかった.今後,磁束 密度や周波数を変化させ実験を行い,データの収 集を進める.

参考文献

(1)渡辺,ほか,食品工学基礎講座5 加熱と冷却 (掬光琳, 1991. 

(2)多田,ほか,日本冷凍空調学会年次大会講演論 文集, G206, (2007.10.東京)

(3)宮脇,低温生物工学会誌,Vo1.44, No.1  (1998),43.  (4)Q槻アピー, ht中://www.abi‑ne.tco.jp/abi̲top.html  (5)鈴木,ほか,日本冷凍空調学会年次大会講演論

文集, G209, (2007.10.東京)

(6)渡遁,日本冷凍空調学会年次大会講演論文集,

A308, (2007.10.東京)

(a) Beforeeezing (b) By liquid nitrogen 

(c) With magnetic field  (d) Without magnetic field 

( e) In freezer 

Fig3. Photographs oftuna issue 

‑27‑

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