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雑誌名 福井大学工学部研究報告

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Academic year: 2021

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(1)

酢酸ビニール,無水マレイン酸の共重合に関する研 究(第2報):無水酢酸を溶媒とする共重合反応につい

著者 山田 正盛, 高瀬 巖

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 7

号 1.2

ページ 35‑37

発行年 1959‑01

URL http://hdl.handle.net/10098/5270

(2)

35 

酢酸ビニール,無水マレイン酸の共重合に関する研究

( 第 2 報)

無水酢酸を溶媒とする共重合反応について

山 田 正 盛 ・ 高 瀬 巌

Studies on the Copolymerization of Vinylacetate and Maleic anhydride.  ( 1 I  )  P o l y m e r i z a t i o n  i n   A c e t i c  anhydride 

Masamori YAMADA ,  Iwao TAKASE 

The c o p o l y m e r i z a t i o n  o f  v i n y l a c e t a t e  and m a l e i c  a n h y d r i d e  i n   a c e t i c  a n h y d r i d e  a s  a  s o l v e n t  was compared with t h a t  i n  b e n z e n e .  

I t   was found t h a t  i n  t h e  former c a s e  t h e  a c t i v a t i o n  energy was l o w e r ,  t h e  i n d u c t i o n   p e r i o d  was l o n g e r ,  and t h e  s o l u t i o n  v i s c o s i t y  o f   t h e  copolymer was h i g h e r  than i n   t h e   l a t t e r .  

uxygen d i s t i n c t l y  r e t a r d e d  t h e  r e a c t i o n .  

A c e t i c  a c i d  i n  a c e t i c  a n h y d r i d e  a l s o  c o n s i d e r a b l y  r e t a r d e d  t h e  r e a c t i o n .  

C I J   緒 言 並 び に 実 験 法

酢酸ビニーJレ,無水マVy酸の共重合を無水酢酸中で行うと共重合物は溶媒に溶解するので 反応は終始均一相で進行するロそこで第 1報のベジゼy溶媒の場合と比較対照しながら以下共重合 物製造のための基礎研究を行った。

試料並びに実験法は第

1

報と同じであるo溶媒無水酢酸の精製は

C a l c o t t

の方法(5)によった。

即ち市販特級

95%

の無水酢酸に金属マグネVヲムを添加し,長時間加熱沸騰せしめ,後精溜した。

Yゼシ溶媒の場合と外観上著しく違う処は反応液が着色した事であるo これは封管の加熱後 間もなく始まり,所定の時間後反応物質をベシゼシに投じて共重合物を沈澱せしめるとそれが淡紅 色になった。但しこれをベyゼンでくり返レ洗うと白色となった。これによって見ると封管中のも のは反応して着色物を生じ,これはペyγ可溶であるから洗樵によって除かれるものと考えた。

この着色した副生物については別の機会に研究する予定である。

C l I J 

(A)  温度,時間と重合率

反応温度,時間と重合率との関係を検討した結果は第 1表,第

1

図の如くであるo 特 福 井 大 学 教 授 輔 福 井 大 学 雇 員

(3)

36  福 井 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第7巻 第1・2号

第1表 温 度 , 時 間 と 重 合 率 酢酸ビニーノレ

O .  

923g (0.0107モノレ〉 無水マVY

1 .  

052g (0.0107モノレ) 無水酢酸 8. 144g (0.0797モノレ) 過酸化ベYゾイノレ 0.05%,窒素中

第 1報と同様に重合曲線が横軸と交 わる点から誘導期間を求め,速度恒数の 平均値と共に第2表に示したD

2

表 温 度 , 誘 導 期 間 及 び 速 度 恒 数

語 ! 問 問 ! 静 岡 技 ? 〉 ! { 日 │ 温(OC度~I 誘導(hr期)間 I 速(度h州

恒 数

55  34.5  0.072  65  6.2  0.157  3 〆/ 50  67.1  0.0722  0.2879  75  1.4  0.234  R 2  65  8  22.6  0.1423  0.2058 

R 7  1/  12  66.4  0.1880 

R 6  1/  16  77.5  0.1522  0.1855 

温度と速度恒数から活性化熱を求め ると 13.5

kca

l/

mol

となり,ベ

y

ゼン溶 媒の値よりかなり低い。

R 5  1/  20  86.8  1467

R 3  11  28  90.3  (0.1070) 

R 4  f 41  96.4 

0.1771  この他にベシゼン溶媒と較べて特徴 つけられる事は誘導期聞が数倍にのびて いる事であるo この場合ベンゼシ溶媒に おける様な白濁現象が無いから誘導期聞 は完全禁止であるか不完全禁止であるか は別の方法によらないと判らない。又こ の誘導期間も前に述べた様に試料中の何 等かの不純物に原因するものかも明らか P 9  75  2  11. 1  (0.1988) 

P 1  fI  4  45.7  0.2350  0.1195  P 4  1/  6  65.8  0.2364 

P 2  11  8 3 0.2388  0.1289  P'2  1291. 1  0.2281 

P 5  / 16  94.9  0.2336  0.1318  P 3  11  28  95.2  (0.1123) 

b5t 

Sj♂ 

";0  B子明(I!'l. ) 

第1図 無水酢酸,窒素中に於ける時間と重合率 ど影響がなかった。無水酢酸溶媒で封管の空間 を空気のままにして重合せしめた結果は第

3

表 の如くであるo

右の結果を第 1表の同じ温度

P

系列の実験 と比較すれば空気中では重合率は遥かに低く,

酸 素 の 反 応 抑 制 作 用 を 明 ら か に 見 る 事 が 出 来 るロ反応液の着色も共重合が進む場合の赤褐色 に対し淡黄褐色に僅かに色着いた程度で斯様な

でないが定性的には無水酢酸溶媒は反応は起りに くく,起れば早く進むという事が出来る。その他 に両溶媒におけるモノマー濃度を見るとペシゼシ では4.62モル

/ l

,無水酢酸では2.23モル

/ l

で,後 者はかなり低いにも拘らず生成物の溶液粘度は前 者に比べて高い白これはベジゼン中の沈澱重合で は生成高分子物は糸まり状になる程度が高く,従 って生長反応が妨げられるためと解釈するo

(B)  空気中酸素の影響

yγ溶媒では空気中の酸素は反応に殆ん 第

3

表 空 気 中 の 酸 素 の 影 響

酢酸ビニーノレ O. 932g (0.0108モノレ〉 無水マレイシ酸

1 .  

063g (0.0108モノレ〉 無水酢酸 8. 144g (0.0797モノレ) 過酸化ベンゾイノレ 0.1箔, 温度 75ロC 実 験 生 閥

d

時間│重合率!粘 度 │ 番号

l

気 体

I C h ; )  l e

財)

(ηsp/c

, 

100CC 

/ g ) 1

K 21空気 1 8 1 ー │ 

K 7 

11 

12 

16. 5 

I  I  i

炎黄褐色 K 6 

11 

22 

26. 8 

O. 0986  11  K 1 

11 

28 

21. 6 

I

ー l K 8 

11 

36 

18. 2 

O. 0972 

(4)

酢酸ビニール,無水マレイシ酸白共重合に関する研究(第 2報) 37 

副反応も酸素により抑制される事が判るD

酸素の抑制作用はベンゼン溶媒との著しい違いであれ重合はラジカノレ反応で進行する証拠と 見られる凸但しこの酸素の作用は空気量その他僅かの反応条件によって動く様で第

3

表の重合率も 時間との規則j性を欠いた。これについては更に詳細に実験して見る必要があるo

(C)  無水酢酸の純度

前述の様にして精製した無水酢酸は比重,屈折率などの値が文献値と大体一致するのでこれま で100%として使用して来た。これが100%でない場合即ち酢酸でうずめられているものを溶媒と

した試験結果は第 4表の如くであるo

第4表 無 水 酢 酸 の 純 度

酢酸ビニーノレ 0.923g (0.0107モノレ) 無水マレイシ酸 1. 052g (0.0107モル) 無水酢酸 8. 144g 

過酸化ベyゾイノレ 0.1%,窒素中 温度 70

C ,

時間 20hrs 

実験1無酢純度│重合率│粘 度│反応物の色並び 番 号

I

(%) 

(ガ)

η(叩,/C, 100("c / 

g ) 1

に共重合物り色 U 1 I 100  I 90. 9 I 14) 赤褐色,純白

95  I 67. 5 I 

O .  

1158  I 11  殆んど白 U 2 I 90  I 40.4  I  O. 085  I 11 微かに着色 U 3!  50 

11. 2 

O. 0393 褐色,白い沈澱

即ち無水酢酸の純度低下に伴って重合 率は急速に低下した。生成物も同一組成で あるか疑問であるo特に実験

U3

では溶液 重合が行われないで白い沈搬を生じた口反 応の不規則性は粘度にも見る事が出来るD

氷酢は酢酸ビニーノレの重合に対しては 溶媒として重合速度も生成物の粘度も共に 高い部類に属する{引のであるが無水マレイ ン酸との共重合には著しい障害となるもの であるo

C I I I J  

l:::. 

無水酢酸を溶媒とする酢酸ビニーノレ,無水マレイシ酸の溶液共重合をペyゼシ溶媒の沈澱共重 合と比較研究したo

反応は共に一次反応で進むが無水酢酸の場合には活性化熱は低く,誘導期間は長く,生成物の 溶液粘度は高かった。

空気中の酸素は著しい抑制作用を示した。

無水酢酸中に含まれる氷酢は反応の進行をかなり抑制した。

本研究は昭和30年度文部省科学研究費によった。又試料無水マレイシ酸は荒川林産化学工業(株)の 提供によった。共に深謝する。

文 献

(1) C.  Walling

,  D .  

Seymour and 

K .  

B.  Wolfstirn; 

J .  

Am. Chem. Soc. 70 1544 (1948)  M. C de Wilde

, 

G. Smets; 

J .  

Poly Sci 5 253 (1950) 

井本英二,堀内光;高分子化学8463 (1951)  白)岡村誠三,池田栄次;高分子化学 1136  (1944) 

R .  

B. Seymour

,  F .   F .  

Harris

, 

1 Brumin;  Ind.  Eng.  Chem.  41  1509 (1948)  (3)  D.  Heuek;  Mod.  Plast.  24 158 (1946) 

(4) 

w .  

S.lcottet al;  Ind.  Eng.  Chem. 17 942 (1925) 

(5)  K. G. Blaikie

,  R .  

N. Crozier;  Ind.  Eng.  Chn. 28 1155 (1936)  (受理年月日 昭和田年10月8日〕

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