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つまり,部活動と良好な 関係にあることが重要であるといえる

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Academic year: 2021

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中学生のレジリエンスと部活動適応感との関連

人間教育専攻

臨床心理士養成コース 中原 早苗

1 .問題と目的

青年期育f測I, とりわけ中学校段階では,小学 校からの移行に伴い,様々な変化を経験する(石 毛・無藤,2006)。このような様々な変化は ストレッサーとなり,不適応を引き起こすこと があるが,そこからの回復には個人差がある。

このような,精神的な回復力を表すものとして,

レジリエンスという概念がある。平野(2015) によると,レジリエンスは「ストレスフルな出 来事や状況の中でも潰れることなく適応し,ま た,精神的な傷つきから立ち直ることのできる 個人の力」を指し,生得性を持つ「資質的レジ リエンス要因」と,後天的に身につけやすい「獲 得的レジリエンス要因」によって導かれる。

中学校における不適応が問題となっている中 で,予防的な処置を取ることが求められており

(北爪・月り]~・菅野, 2007),部活動の重要陛 が指摘されている(渡辺・大重,2010)岡田(2009) は,単に部活動に参加しているだけでなく,積 極的に参加している中学生は,学校生活の様々 な領域で良好な状態にあり,心理的i画t下も高い ことを報告している。つまり,部活動と良好な 関係にあることが重要であるといえる。そのよ うな状態を捉える概念として,部活動適応感が 挙げられる。部活動適応感とは,「部員個人が,

部生活において自己を良好なi勤応の状態にある と意識していること,あるいは,その状態を近 い将来獲得する可能性を認めていること」 と定

指導教員 吉井 健治

義される(桂・中込,1990)~

レジリエンスに関する研究では,部活動との 関連性が多く報告されているが,中学生を対象 としたものは少ない。そこで,本研究では,中 学1年生を対象とし,部活動経験前後によるレ ジリエンスの変化と, レジリエンスと部活動適 応感との関連を明らかにすることを目的とする。

2.方法

A 中学校の1年生を対象とし, 2019 年4 月 中旬, 2019 年8 月上旬の2 回質間紙調査を実 施した。有効回答者177名のうち,部活動に所 属している生徒は157名(男子74名,女子83 名),所属していない生徒は20 名(男子17 名,

女子3 名)であった。質問紙の構成には,①二 次元レジリエンス要因尺度口構造21項目)(平 野, 2010),②部活動所属に関する質間,③傷 つきからの立ち直り経験に関する質間,④部活 動適応感尺度(3 因子15 項目)(須崎・池本・

兄井・杉山・斉藤,2018)を用いた。 1 回目調 査では二次元レジリエンス要因尺度のみを,2 回目調査では全てを用いた。

3.結果

1 )二次元レジリエンス要因尺度

信頼性分析の結果,内的整合陛が証明された。

t 検定の結果,獲得的レジリエンス要因におし、

て, 1・2 回目調査に有意な差が見られた。得点 で見ると, 2 回目調査は1回目調査より低くな っていた。また, t 検定の結果,ニ次元レジリ

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エンス要因尺度の変化量において,男女,部活 動への所属と無所属,部活動適応感の高群と低 群に有意な差は見られなかった。二次元レジリ エンス要因尺度の変化量は, 1 回目調査の得点 から2 回目調査の得点を引いたものである。

2)部活動の手醗頁・頻度と無所属の理由 運動部は113 名 湧子65 名,女子48 名), 文化部は44名湧子9 名,女子35 名)であっ た。部活動の頻度は,週2 日は1名,週3 日は 1 名,週4 日は24 名,週5 日は78 名,週6 日 は38 名,週7 日は15 名であった。無所属の理 由は,大きく分けて「他のチームに所属してい るから(9 名)」,「部活動に取り組む時間がない から(5 名)」,「自分に合う部活動がないから(3 名)」,「その他(2 名)」となった。

3)困難な出来事と傷つきからの立ち直り経験 部活動における困難な出来事は,あったと答 えた生徒が最も多かったのは「部活動で満足の いく結果が出せなかった」,少なかったのは「部 活動で他の部員と仲が悪くなった」となった。

傷つきからの立ち直り経験は,乗り越えられた と思うと答えた生徒が最も多かったのは「先生 の指導が厳しかった」,少なかったのは「部活動 で他の部員と仲が悪くなった」となった。

4)部活動適応感尺度

信頼性分析の結果,内的整合陛が証明された。

t 検定の結果,部活動適応感尺度において,男 女に有意な差は見られなかった。

5)二次元レジリエンス要因尺度と部活動適応 感尺度との関連

相関分析の結果,1 回目調査における二次元 レジリエンス要因尺度及び下位尺度は,部活動 適応感,活動への傾倒,成員・組織への満足と の間に低い正の相関が,不適応傾向との間には 低い負の相関が見られた。2 回目調査における

二次元レジリエンス要因尺度及び下位尺度は, 部活動適応感尺度,活動への傾倒との間に低い 正の相関が,成員・組織への満足との間には正 の相関が,不適応傾向との間には低い負の相関 が見られた。二次元レジリエンス要因尺度及び 下位尺度の変化量は,成員・組織への満足との 間に低い正の相関が見られた。

4 .考察

1 )部活動経験前後によるレジリエンスの変化 獲得的レジリエンス要因は後天的に身につけ やすいため,環境による影響を受けやすく,変 化が見られたと考えられる。また,約4 カ明と いう期間では,部活動経験によってレジリエン スが高くなるわけではないことが明らかになっ たが,入学後の新たな環境や友人関係がストレ ッサーとなり,影響したことも考えられる。

2)レジリエンスと部活動適応感との関連 1・2 回目調査時点におけるレジリエンスは, 部活動適応感と関連があることが明らかになっ た。一方で,約4 カ明という期間では, レジリ エンスは部活動適応感の高さによって高くなる わけではないことが明らかになった。角谷・無 藤ロ001)は,中学生に対する部活動の影響力 は,1 年生の5 月から10 月にかけて増加し,変 容すると述べている。調査を実施した期間では, まだ部活動においてやりがいを感じられる経験 が少なく,変化が見られなかったと考えられる。

また,レジリエンスの変化は,部活動に所属す る仲間や所属先に対する満足感の高さと関連が あることが明らかになった。榎本(1999)は, 青年は悩みや考えを語り合う同世代の友人が必 要になると述べている。部活動やその部員と良 好な関係にあれば 居場所感共咳三心感,サポー トを得ることによって,傷つきから立ち直りや すくなると考えられる。

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