足立区文化芸術振興基本計画 実施計画
(8カ年計画)
目標1 区収蔵美術作品等の活用
区が保有している収蔵作品や区内の優れた美術作品等の鑑賞機会を創出します。
具体策
① 区役所、郷土博物館、西新井文化ホール、住区センター、シアター1010 等の施設を 拠点に、区が収蔵している美術作品等の展覧会を開催する( 「出前博物館」など) 。 ② 石洞美術館との連携・協働により鑑賞事業の充実を図る。
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(上段:年度)
検討
( 一部実施)
検討
( 一部充実)
実施 評価 見直し
備 考
▲ 石洞美術館
目標2 文化芸術活動のネットワーク形成と効果的な情報提供
ア インターネットを活用して活動団体の登録を行ない、区民に活動情報を提供するばかりでなく、団体 間の情報の共有を促進します。
具体策
生涯学習情報システムなどを活用して、区内の文化関連団体や指導者に活動内容の情 報提供の推進を図る。
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(上段:年度) 検討 実施 評価 見直し 備 考 登録・照会方法などについては、関係所管課と調整する。
イ 商店会等の協力を得て、文化芸術作品の展示や活動スペースの区民との共用施設として、空き店舗の 活用を図ります。
具体策
商店街の活性化や賑わい・交流の場を創出できるよう、文化芸術をコンセプトにした 空き店舗活用の提案を、区民はじめ区内関連団体などから募る。
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(上段:年度) ― 検討 検討 実施 評価 見直し 備 考
ウ 文化芸術に関する情報紙などを作成することにより、情報発信力を高めていきます。
具体策
区民と活動団体または活動団体間の情報交換やPR媒体として、区内の文化芸術活動 に関する情報紙などを作成し、情報発信を促進する。
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(上段:年度) 検討 検討 実施 評価 見直し 備 考 作成にあたっては、企業協賛や広告などを活用し、経費に充当する。
エ 郷土博物館に収蔵された作品などをインターネットで情報提供します。
具体策
現在公開されている足立区ウェブサイトを活用して、「( 仮称) @dachi - s i ght - mus eum」 を開設する。
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目標3 文化芸術活動の鑑賞機会の充実と参加する機会の拡充
ア 現在、西新井文化ホールを中心に行なわれている各種演奏会を集約した音楽イベントの開催を目指し ます。
具体策
西新井文化ホールを会場とした音楽のイベントを設定する。現在開催している音楽演 奏会を集約し、また、一流の音楽家にも参加を依頼し、音楽活動をまとめたイベントを 開催する。
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(上段:年度) 検討 一部実施 実施 評価 見直し 備 考 企業協賛などを活用する。
イ 【鑑賞型事業の展開】
多岐にわたるジャンルの中から、優れた舞台芸術の鑑賞機会をバランスよく提供し、文化芸術と地域 社会の出会いを創ります。公演鑑賞をきっかけとして、豊かな心の醸成や区内文化の発展を通して人間 力の向上を図り、区民が地域に誇りを持てるようにします。
公演の演目については、アンケート等による区民の要望、地域特性、舞台芸術の様々な情報等を参考 に、機を捉えた演目を選定するとともに、適正な料金を設定し芸術性と収益性を確保します。
具体策
① クラシック(ピアノ、声楽、ヴァイオリン、オーケストラ、等) ② 演歌、歌謡曲、ポップス、ロック、ジャズ、タンゴ等のポピュラー音楽 ③ 落語、若手お笑い等
④ 古典芸能
⑤ 親子、子供向けコンサート ⑥ ミュージカル、演劇等
⑦ 他団体や民間業者との共催により、支出を抑え収入を確保する。 ⑧ 官民の助成金、補助金等の申請を行う。
⑨ 西新井文化ホールを中心に事業を展開する。 ⑩ 指定管理者制度の状況を踏まえて実施する。
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ウ 区内で活動している文化芸術をより身近に感じてもらえるように、鑑賞の機会を充実します。
具体策
現在、区役所で行なっている「アトリウムコンサート」の充実を図り、区役所を訪れ る不特定多数の方に多様な文化芸術の鑑賞機会を提供する。
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(上段:年度) 検討 実施 評価 見直し 備 考
▼ シアター1010(劇場)
わらび座公演「銀河鉄道の夜」より ▲ 東京芸術センター(天空劇場)
▲ 西新井文化ホール
目標4 新たな文化芸術関連施設との連携
ア 東京藝術大学と連携を図り、東京藝術大学の持っている音楽分野での専門知識・ノウハウを活用して 音楽文化研究を委託し、あわせて、その成果を生かして、区民生活における文化芸術の振興に努めます。
具体策
① ( 福祉事業) 福祉施設を巡回し、施設通所者等のQOL(クオリティ・オブ・ライフ) を高める音楽療法を行なう。
② ( 教育事業) 小・中学校吹奏楽部等に指導者を派遣し、教諭と連携し直接技術指導を 行なう。
③ ( 区民文化事業) 一般音楽団体に演奏技術の指導を行なう。また、足立ジュニア吹奏 楽団を対象に、演奏の基礎にあたるソルフェージュ授業を行なう。
④ ( 生涯教育事業) 区民等を対象に、音楽関連または文化一般の公開講座を行なう。 18 19 20 21 22 23 24 25 計画目標
(上段:年度) 検討・実施 評価 見直し 備 考 東京藝術大学と様々なプロジェクトについて連携を図り実施する。
イ 区内外の高等教育機関や民間専門機関や企業との協働で事業展開を図ります。
具体策
① ( 財) 地域創造の事業への職員の参加や連携事業を積極的に行ない、高度で専門的な知 識を得るとともに、先進的な事業を展開する。
② 東京藝術大学との連携により、地域におけるアートマネジメントの研究や検証を行な い事業に還元、反映していく。
③高等教育機関等の第三者に事業評価を依頼し、常に事業の見直しを図っていく。
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(上段:年度) 検討 検討 実施・検討 評価 見直し 備 考 ( 財) 足立区生涯学習振興公社主催事業
▲ 東京藝術大学千住キャンパス
目標5 文化芸術振興を担う人材の育成
ア 文化芸術活動団体等と連携し、区民への鑑賞や実演指導、体験教室を行なうことで、伝統芸能に関心 を持つきっかけを作ります。
具体策
① 体験教室の充実
現在実施している体験教室をさらに充実させる。地域に愛着を感じられる伝統文化な どを通して、次代の担い手を育成する。
② 外国人を対象にした体験教室
外国籍の方を対象にした体験教室を開催し、日本(足立区)の文化芸術に関心を持っ てもらう。
③ 文化芸術派遣指導
小・中学校のクラブ活動や総合学習( 文化関連教室) の場に、文化活動団体の講師を派 遣し指導することで、子どもたちに本物の文化芸術に触れる機会を提供する。
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(上段:年度) 検討 検討 実施 評価 見直し 備 考
イ 企画・運営等の面で積極的に区民等が参画し、協働でイベントなどを実施する仕組みづくりの充実を 図ります。
具体策
実行委員会形式等で、運営を区民とともに行っている事業は、協働の視点から支援体 制のさらなる整備を進めます。
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(上段:年度) 継続 充実 評価 見直し 備 考
ウ 幅広く文化芸術活動を行なっている区民と協働で文化事業を展開し、区民が行なう文化芸術活動の拡 充を図ります。
この事業により区民と強固な信頼関係を築きながら、新しく創造される区民文化を区民の手で地域に 還元するサイクルを創り出すことにより、住む人が地域に誇りを持てる文化の街づくりを目指します。
具体策
【協働型事業の展開】
① 21 世紀 ADACHI 芸術文化協同制作プロジェクトとの協働
平成 13 年から区民と公社が協働で展開している「歓喜の演」のさらなる拡充と区民 還元を図り、足立区独自の区民文化としていく。
区民オペラ、区民ミュージカル、ジルベスターコンサート等の実施も検討していく。 ② 音楽 5 団体との協働
足立シティオーケストラ、足立区民合唱団、足立吹奏楽団、ブリランテ、足立ジュ ニア吹奏楽団等の音楽団体の演奏会への支援・協力を行なう。区民に楽団とその演 奏活動を紹介することにより、地域での活動の可能性を広げていく。
さらに、地域の演奏家である団員と協働で文化事業を展開することにより、社会が 持つ潜在能力の向上を実現する。(区民参加、観客創造、芸術家発掘等)
③ その他文化活動団体との協働
区内で活動する文化団体との共催事業の中で、事業ノウハウ・パブリシティ・チケ ット発券、練習場の提供などの支援を行ない、地域の芸術家を区民に紹介するとと もに、区民による文化活動の可能性の拡大を図る。
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目標6 青少年の文化芸術活動の促進
ア 地域の文化財めぐりの実施や、遺跡等「古代のくらし」などの体験教室を通して、区民が地域の文化 財に接する機会を設けます。
具体策
① 区内の文化財見学会
区内で文化財にゆかりの深いコースを設定し、区民の参加を募る。 [ 例] ・「千住宿ツアー」… 大橋公園・勝専寺等をめぐる
・「伊興寺町ツアー」… 伊興遺跡公園・東陽寺等をめぐる ② むかしのくらしを知る体験教室
伊興遺跡公園において、発掘体験や土器づくりを体験できる教室などを実施し、郷土 への愛着心を育む企画を行なう。
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(上段:年度) ― 検討 検討 実施 評価 見直し 備 考
イ 子どもたちが鑑賞や体験を通じて、文化芸術を学べるきっかけを作るため、文化活動団体が体験教室 を開催します。
具体策
区は、文化活動団体が子どもたちを対象に行う体験教室に対して、その費用の一部を 支出する。体験教室を推進し、子どもたちが伝統芸能を体験することで文化芸術活動に 理解を深め、地域と文化芸術の密着が図られる。
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(上段:年度) 検討 検討・実施 評価 見直し 備 考
ウ これまで文化芸術に対して無関心だった層、参加する機会が少なかった層、あるいは参加したくても できなかった層、ホールへ足を運ぶ機会が比較的少ない層へ、様々なアプローチを行ないホールや文化 芸術への興味を喚起し、文化支持層の拡大を図ります。
さらに、児童の文化力、人間力の向上を図るため、学校への働きかけを積極的に行ないます。アウト リーチ(芸術普及活動)は文化施設の間口を広げ、垣根を低くして、区民と地域との新たなつながりを 生み出すなど、文化施設の公共性をより強固なものにすることができます。
具体策
【アウトリーチ型(芸術普及型)事業】
① アウトリーチコンサート(小学 1 年生対象)
今後学習する時間が最も長い小学一年生を対象に、演奏家が直接教室へ出向き、コ ンサートを行ない、音楽の楽しさや面白さを実感させ、将来的に地域の文化を担う 人材へと育成する。演奏家と近い距離で触れ合うことにより、授業とは違う芸術へ の興味と関心を喚起する。
② アウトリーチコンサート(高齢者施設対象)
区内の高齢者施設を対象にアウトリーチコンサートを行ない、日ごろ演奏会場に来 ることが困難な区民層を対象にしたコンサートを開催し、高齢者の心のケアととも に、文化支持層の拡大を目指す。
③ 初めてのクラシックシリーズ
小・中学生を含めたクラシック音楽の未経験者、初心者を対象に、クラシック音楽 のわかりやすい解説のついた入門コンサートを実施する。
④ スチューデントプロデュースコンサート
高校生や大学生の若い世代が、コンサートの企画・製作・運営のスタッフワークを すべて行ない、彼らの手によるコンサートを実施する。
公共文化施設や地域の文化振興に若い世代が関わることにより、彼らの人間力の向 上と将来的に地域の文化振興を担う人材育成を図る。
⑤ エントランスコンサート
西新井文化ホール入り口前で平日の午後、無料のロビーコンサートを実施する。他 の目的で施設を訪れた方や通りすがりの方に美しい音楽が流れる豊かな空間を気軽 に楽しんでもらう。これにより、ホールはより親しまれる施設となり、本格的なコ ンサートを鑑賞するきっかけ作りとなる。さらにホールで育った地域の演奏家が出 演することにより、彼らの芸術活動の拡充と、区民からの支持と理解を得ていく。 ⑥ バックステージツアー
通常見ることがないホールの舞台裏等の「バックステージ見学体験」を行なうこと により、区民に開かれた施設の実現と、公共施設により親近感を持てる区民の増加 を図る。また、文化事業やホール施設(照明、音響、舞台装置等)に興味を持つ参 加者から、事業運営にボランティアで参画する区民を発掘する。
文化事業の運営のサポートとして、ホールや文化事業を支援する区民(ホールサポ ーター)の組織と定例的な会議や研修を行ない、事業企画・提案・販促活動等につ いて協議し、より強固な協力関係を構築していく。
⑧ イベントコーディネート
生涯学習振興公社が有する事業ノウハウや様々な芸術家、芸術団体、民間企業等と の連携により、区民からの相談(地域での祭り、芸術事業、企画相談等)の総合的 な窓口を開設する。
(今後の新たな展開に向けた検討事業)
⑨ 小・中学生対象邦楽ワークショップ(企画検討)
小・中学生を対象に邦楽(筝曲、尺八、三味線等)のワークショップを行ない、和 楽器に触れ演奏を体験することにより、日本の伝統文化に親しみ、継承する人材を 育成する。
⑩ 小・中学生対象伝統芸能ワークショップ(企画検討)
小・中学生を対象に伝統芸能(お囃子、獅子舞等)のワークショップを行ない、地 域の文化である伝統芸能に親しみ、継承する人材を育成する。
⑪ 高校生対象舞台技術ワークショップ(企画検討)
高校生を対象に舞台技術(照明、音響、舞台操作、舞台美術等)のワークショップ を通じて、将来の地域の文化振興を担う人材へと育成する。
⑫ おやじバンドフェスティバル(企画検討)
中高齢者が気軽に文化事業へ参画し、元気があふれ、いきいきとした生活を送るた めの事業として開催する。運営は区民主体の実行委員会形式で行ない、世代や地域 を越えた交流を図る。
⑬ ストリートパフォーマンスフェスティバル(企画検討)
路上や施設外でパフォーマンス活動を行なっている区民等を一堂に集めたフェステ ィバルを開催する。運営は区民主体の実行委員会形式で行ない、世代や地域を越え た交流を図る。
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目標7 基金を活用した施策の充実
区内の文化芸術の振興を図るため、基本計画における具体策の実施にあたっては足立区文化芸術振興基金 を活用します。
① 文化芸術の振興及び基盤整備
具体策
記念イベント、支援活動団体の周年事業、文化財の保存や伝統文化の継承・促進、鑑 賞機会の提供、文化芸術関連施設の整備など、文化芸術の基盤整備に活用する。
18 19 20 21 22 23 24 25 計画目標
(上段:年度) 継続
検討
( 一部充実)
評価 見直し 取崩し額
(単位:百万円)
34 39 43 43 47 45 45 見直し
備 考
② 郷土博物館常設展示の整備
具体策
開館して 20 年を経過した郷土博物館の常設展示は、表現手法などが旧式となってき た。博物館を取り巻く状況も大きく変化し、活用方法も多様化してきている。そこで、 開館 20 年を機に展示室の改修とあわせて研究成果情報などの修正を行ない、入館者の増 加につなげていく。
18 19 20 21 22 23 24 25 計画目標
(上段:年度) 検討
実施 ( 設計)
実施 ( 施工)
展示・実施 評価 見直し 取崩し額
(単位:百万円)
− 13 163 2 2 2 2 見直し
備 考
( 別表) 足立区文化芸術振興基金活用計画表 (単位:百万円) 年 度 18 19 20 21 22 23 24 25 当初現在高 1, 010 977 934 735 697 654 613 571 取崩し額 34 52 206 45 49 47 47 見直し 積立額(利子相当) 1 9 7 7 6 6 5 5 年度末残高 977 934 735 697 654 613 571 576 ※ 「取り崩し額」には、上記①及び②を含む。
目標8 文化芸術政策の評価
文化芸術振興政策については、基本計画に設ける目標が達成されたか、第三者による総合的な評価制度を 導入します。
具体策
東京藝術大学に、基本計画(実施計画)についての指標が設定できるように、基本計 画の評価について研究項目として委託する。
18 19 20 21 22 23 24 25 計画目標