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小 島 大 徳

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Academic year: 2021

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(1)

コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス と 機 関 投 資 家 役 割 と責 任 を果 た す 制 度 整 備 に焦 点 を あ て て

小 島 大 徳

1は じ め に 一機 関 投 資 家 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に果 た す 役 割 一 (1)機 関 投 資 家 と は 何 か

21世 紀 に 入 っ て も機 関 投 資 家 は 、 「企 業 不 祥 事 へ の 対 処(コ ン プ ラ イ ア ン ス 経 営)」 と 「企 業 競 争 力 の 強 化 」 を 達 成 す る た め に 、 そ の 役 割 が 強 調 され て い る 。 い う ま で も な く コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 の 企 業 内 部 か ら の 取 り組 み は 、 企 業 経 営 機 構 改 革 で あ る。 こ こ で は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 企 業 外 部 か らの 取 り組 み と して 、 機 関 投 資 家 が コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 果 た す 役 割 に つ い て 取 り上 げ る1。

コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を 構 築 す る 上 で 、 企 業 外 部 の 利 害 関係 者 か ら の 監 視 は 、 ま す ま す 重 要 と な り、 な か で も機 関 投 資 家 の 役 割 が 高 ま っ て い る 。 ア メ リカ で は 既 に 機 関 投 資 家 が 発 達 し、 国 際 的 に も ア メ リカ の 機 関 投 資 家 に よ る コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る役 割 に 対 して 、 一 定 の 評 価 が 与 え ら れ て い る。 こ れ は 、 機 関 投 資 家 の 発 達 す る 歴 史 的 要 素 や 制 度 的 整 備 が 継 続 的 に 行 わ れ た 結 果 で あ ろ う。 一 方 、 日本 の 機 関 投 資 家 は 、 制 度 的 未 整 備 が 深 刻 1コ ーポレー ト・ガバナンス構築をするためには、主として企業内部からのアプローチ と企業外部

か らの アプ ローチ に分 け られ た。今 日では、 「コーポ レー ト ・ガバナ ンスには、企 業 自身 が統 制 機能を強化す る側面 と、株主等のステークホルダーが外部から影響力を行使 して企業を統制 しよ うとする側面があるが、後者について機関投資家が株主 として投資先企業の経営監視を行 うこと の重要性が認識 され始めている(神 野雅人 「機関投資家 とコーポレー ト・ガバナンス」『第一勧 銀総研 レビュー』第一勧銀総合研究所,第2号,2000年,1頁.)」 と紹介 されるように、今後、ま すます コーポレー ト・ガバナンスに対する機関投資家の役割が強調されると考えられる。

コーポレー ト・ガバナ ンスと機 関投 資家 一21世 紀の機 関投 資家像 一169

(2)

で あ る 。

本 稿 で は 、 日本 の 機 関 投 資 家 を ア メ リカ の機 関投 資 家 を比 較 しつ つ 、 そ の 問題 点 を 明確 に す る。 ま た 、 日本 の機 関投 資 家 が発 達 す る た め の制 度 的 問題 に もふ れ 、企 業 外 部 か ら機 関 投 資 家 が コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス構 築 に果 た す 役 割 を 論 じ る こ と に す る2。

(2)機 関 投 資 家 の 定 義

ア メ リカ と 日本 に お け る機 関投 資 家 の 定 義 は 、 どの よ うに な され て い るの で あ ろ うか。 まず 、機 関 投 資 家 の 定義 を 明確 に 示 す こ とか ら始 めた い 。

ア メ リカ に お け る機 関 投 資 家 の定 義 は 、 「機 関投 資 家 とは 、 年 金 基 金 、 投

資 会 社(open‑endinvestmenttrusts[い わ ゆ る ミ ュ ー チ ュ ア ル ・ フ ァ ン ド3]とclose一 endinvestmenttrustが あ る)、 保 険 会 社 な ど が 代 表 的 な も の で あ る が 、 商 業 銀 行 信 託 部 な ど を 含 め る こ と も あ る7」 と され る5。 ま た 、 日本 に お け る機 関 投 資 家 の 一 般 的 な 定 義 は 、 「機 関 投 資 家 と は一 般 に 、個 人 投 資 家 以外 で 証 券 投 資 を お こ な っ て い る団 体 を指 し、 これ らの 投 資 者 が機 関 投 資 家 と呼 ばれ て

z機 関 投 資 家 が コー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 果 た す 役 割 を 強 調 す る論 者 は

、 多 数 存 在 す る。 た と え ば 、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。

神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『第 一 勧 銀 総 研 レ ビ ュ ー 』 第 一 勧 銀 総 合 研 究 所,第2号,2000年,1‑29頁.

八 城 政 基 「日本 企 業 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『自 由 と 正 義 』 日本 弁 護 士 連 合 会,Vol.49, 10月 号,1998年,24‑33頁.

3ミ ュ ー チ ュ ア ル ・フ ァ ン ドと は

、 ア メ リカ で 最 も 一 般 的 な 投 資 信 託 の こ と で 、 オ ー プ ン エ ン ド型 (い つ で も 解 約 可)の 会 社 型 投 信 の こ と を い う。 ミ ュ ー チ ュ ア ル ・フ ァ ン ドの 特 徴 は 、 「随 時 追 加 発 行 が で き 、 償 還 の 自 由 も あ る の で 、 流 動 性 が 高 く、 投 資 会 社 の 中 で 最 も 預 金 に 近 い 性 格 を も っ て い る(永 田 裕 司 「米 国 の ミ ュ ー チ ュ ア ル ・フ ァ ン ド と 金 融 仲 介(上)(下)」 『福 岡 大 学 商 学 論 叢 』 第40巻 第1・2号,103頁.)」 と い う こ と が で き る 。 ミ ュ ー チ ュ ア ル ・フ ァ ン ドの 急 速 な 普 及 と と も に 、 今 で は ア メ リカ 投 信 の 代 名 詞 に も な っ て い る 。1996年 末 の 残 高 は 約410億 円(推 定) に 達 す る。 会 社 型 で は 、 投 信 が 株 式 会 社 組 織(投 資 会 社)と し て 経 営 され 、 会 社(投 信)が 発 行 す る株 式 を 投 資 家 が 買 う。 投 資 会 社 は 州 法 に 基 づ い て 設 立 さ れ 、 米 証 券 取 引 委 員 会 に 登 録 さ れ る 。 運 用 は 投 資 顧 問 会 社 に 委 託 す る 。 投 信 が 会 社 と い う形 態 に な っ て い る た め 、 投 資 家 が 運 営 に 参 加

で き る の が 口本 の 投 信 と の 最 大 の 違 い で あ る。

9水 口雅 夫 「米 国 に お け る機 関 株 主 と会 社 支 配 一 州 ・地 方 政 府 年 金 基 金 と コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ー 」 『商 経 論 叢 』 第33巻 第4号,1993年,78頁 以 下.

5ア メ リカ の 銀 行 は

、 原 則 と し て 株 式 の 保 有 を 認 め られ て い な い 。 そ の た め 、 ア メ リカ の 銀 行 は 、 機 関 投 資 家 と は な り得 な い の で あ る 。 し か し 、 日本 の 銀 行 は 、 株 式 の 保 有 を 認 め られ て い る。 ま た 、 銀 行 預 金 に よ る 株 式 保 有 と 銀 行 自体 に よ る株 式 運 用 の2つ に 分 け ら れ る た め 、 そ の 株 式 運 用 は 、 明 確 に 区 分 さ れ て い な い の が 現 状 で あ る。

170国 際 経 営 論 集No.312006

(3)

図 表1機 関 投 資 家 か ら 見 た 会 社 の 利 害 関 係 者

会 社 は 下記 の よ うな 様 々 な利 害 関 係 者(=構 成 員)で 成 り立 って い ま す 。 これ らの うち で 、 あ な た が 重 視 して い る関係 者 を1位 〜3位 ま で順 に 、番 号 で挙 げ て くだ さい。(人)

項 目 割合 基準 1位 2位 3位

01 株主 36% 18 29 10 2

02 経営者 23% 12 14 13 2

03 従業員 12% 6 1 6 23

04 債権者 3%fl 2 0 4 2

05 販売先 3% 1 0 3 2

06 仕入業者 o°1 0 0 0 0

07 主要取引銀行 1% 0 0 0 2

OS 地域住民 o°1° 0 0 0 0

09 顧客 14% 7 2 12 14

10 監督官庁 1% 1 1 0 0

11 そ の他 1% 1 1 0 1

12 無回答又は無効回答 6% 3 3 3 3

100% 51 51 51 51

(出所)コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 国 際 比 較 研 究 会 『経 営 環 境 の 変 化 と 日本 型 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 未 来 像 に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 結 果 報 告 書 』2000年3月,71頁.よ り引 用 す る 。

(注1)1位 、 第2位 、 第3位 の 回 答 数 に そ れ ぞ れ3/6,2/6,1/6を 乗 じた 加 重 平 均 値 を も っ て 回 答 値 を 算 出 し て い る 。

(注2)そ の 他 に つ い て の 一 覧 は 省 略 して い る 。

(注3)機 関 投 資 家 に 対 す る調 査 方 法 は 、1999年10月15日 〜10月31日 に お け る 生 命 保 険 、 投 資 銀 行 お よ び 証 券 投 資 信 託 協 会 会 員 企 業(証 券 会 社 を 除 く)100社 の 資 産 運 用 部 門 責 任 者 を調 査 対 象 と し た 。 発 送 社 数 は 、100社 で あ り 、 回 答 社 数29社 ・回 答 人 数51名(回 答 率29.0%)で あ っ た 。

い る。 そ の範 疇 に は銀 行 信 託 部 、保 険 会 社 、投 資 信 託 、年 金 基 金 、財 団 、 大 学 基 金 な どが 属 す る6」 と され て い る。

以 上 か ら、 本 稿 で は機 関投 資 家 を 、 「証 券 投 資 か ら の収 益 を効 率 的 に高 め た い とい う一 般 投 資 家(そ の多 くは個 人投 資家)の 要 望 に 応 え る こ と を 目的 と して 、 ま た 、 投 資 先 の株 主価 値 極 大 化 を求 め て 、証 券 市 場 で 投 資 活 動 を行 う機 関 で あ る」 と定 義 付 け る論 を進 め て い く。

(3)機 関 投 資 家 の 重 視 す る利 害 関 係 者

日本 にお け る機 関 投資 家 は 、 どの利 害 関係 者 を重 視 して い る の か 。 こ の 問 題 は 、機 関投 資 家 の役 割 を 明確 に す る上 で 、 重 要 な示 唆 を与 え て くれ る。 こ

s三 和 裕 美 子 『機 関 投 資 家 の 発 展 と コ0ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 』 日本 評 論 社 ,1999年,11頁

コ ー ポ レ ー ト・ ガ バ ナ ン ス と機 関 投 資 家 一21世 紀 の 機 関 投 資 家 像 一171

(4)

こ で は 、 さ ま ざ ま な 利 害 関 係 者 で 成 り立 っ 企 業 に お い て 、 機 関 投 資 家 が 重 視 して い る 関 係 者 は 何 か を 解 明 す る。

さ て 、 機 関 投 資 家 が 会 社 の 利 害 関 係 者 を ど の よ うに 見 て い る か を 、 図 表1 を 基 に し て 検 討 す る と 、 上 位 か ら1位 「株 主(36%)」 、2位 「経 営 者(23%)」 、 3位 「顧 客(14%)」 、4位 「従 業 員(12%)」 と な っ て い る 。 機 関 投 資 家 は 、 圧 倒 的 に 株 主 を1番 重 要 な 利 害 関 係 者 と 見 て い る 。 これ を 裏 付 け る よ うに 、1 位 か ら3位 ま で の 順 位 の う ち 、 い ず れ か の 順 位 に 株 主 を 重 視 す べ き 、 と位 置 付 け た 回 答 が80%に の ぼ る。 機 関 投 資 家 は 、 株 主 を念 頭 に 置 い て 、 会 社 経 営

を行 う こ と を 切 に 希 望 して い る こ と が わ か る(図 表1参 照)。

2ア メ リ カ の 機 関 投 資 家

(1)ア メ リ カ に お け る 機 関 投 資 家 の 歴 史 的 考 察

ア メ リカ に お け る機 関 投 資 家 は 、 激 動 す る 資 本 市 場 の 要 請 に 応 え る 形 で 発 達 して き た 。 機 関 投 資 家 の 発 達 の 理 由 は 、 以 下 の4点 に ま と め る こ と が で き

る。

第1の 機 関 投 資 家 の 発 達 し た 理 由 は 、 ア メ リカ の 機 関 投 資 家 の 全 投 資 家 に 占 め る 比 率 が1980年 代 を 通 じて 徐 々 に 高 ま っ て き た こ と が あ る。 ア メ リカ で は 、 グ ラ ス ・ス テ ィー ガ ル 法 に よ っ て 商 業 銀 行 の 株 式 所 有 が 禁 止 され て い る こ と も あ り、 伝 統 的 に 個 人 株 主 の 持 ち 株 比 率 が 高 い と い え る。 しか し、1950 年 に は 約90%を 占 め て い た 個 人 投 資 家 の 割 合 は 、1990年 に50.8%と 激 減 して お

り、1997年 に は43.4%に 低 迷 して い る 。 こ れ と は 対 照 的 に 、 機 関 投 資 家 の 持 ち 株 割 合 が 増 加 して い る 。1950年 に お け る 全 株 式 の 機 関 投 資 家 の 占 め る比 率 は7.2%に 過 ぎ な か っ た 。 し か し、1997年 で は48,7%を 占 め る に 至 っ て い る (図 表2参 照)7。

第2の 機 関 投 資 家 の 発 達 し た 理 由 は 、 機 関 投 資 家 の 持 株 が 増 え 、 ア メ リカ 7な か で も

、 年 金 基 金 とそ の 内訳 と して の ミュー チ ュ アル ・フ ァ ン ド運 用 形 態 の 伸 び が 大 き い。 こ れ は 、確 定拠 出型 年 金i特 に401Kプ ラ ン の 比 重 が 高 ま り、 個 人 が株 式 を 直接 資 本 市場 で購 入 す る 直 接 投 資 か ら、機 関 投 資 家 を通 じた株 式購 入 で あ る間 接 投 資 へ大 き く傾 いた 結 果 で あ る。

172国 際 経 営 論 集No.312006

(5)

証 券 市 場 にお け る強 い 影 響 力 を持 つ 投 資 家 と して の地 位 を確 保 す る こ とに な り、 株 主 と して の発 言 力 を 強 め る基 盤 を 築 い た こ とで あ る。 こ こ で は 、株 式 を保 有 す る企 業 の経 営 に不 満 が あれ ば 市 場 で 売 却 す る とい う 「ウ ォー ル ・ス トリー ト ・ル ール 」 が もはや 機 能 しな い こ とも 、経 営 に 強 く関 与 す るき っ か け を作 った とい え る。 零 細 な 単位 で 株 式 を所 有 す る株 主 に とっ て は 、会 社 運 営 に対 して積 極 的 行 動 を と る こ とは コス トとベ ネ フ ィ ッ トを考 え た 場 合 に 、 非 合 理 的 で あ っ た。 しか し、株 式 の 保 有 額 が 大 き くな る と、 それ らを市 場 で 売却 す る こ とに よ り市 場 全 体 の株 価 が 低 下 し、 結 果 的 に保 有 株 式 の 価 格 の低 下や 大 き な売 却 手 数 料 の 発 生 とい う追 加 的 な 損 失 が 伴 う こ とに な る8。 そ の た め、機 関投 資家 は株 式 の売 却 で 意思 表 示 す る 「ウォール ・ス トリー ト ・ル ー ル 」 を放 棄 す る よ うに な っ た。 それ に 代 わ っ て 、 直 接 経 営 に 関与 して 業 績 を 好 転 させ 、結 果 と して株 価 を 引 き上 げ る戦 略 に転 換 した。 これ が 、機 関 投 資 家 が企 業 に対 し直 接 行 動 を行 う契 機 と考 え られ る9。

第3の 機 関 投 資 家 の 発 達 した 理 由 は 、 個 人 株 主 の減 少 が 機 関 投 資 家 の 保 有 株 式 の増 大 を も た ら し、機 関投 資 家 が 企 業 経 営 に対 して 直接 的 影 響 力 を行 使 す るた め の 活 動 を行 え る状 況 に 至 った こ とで あ る。1980年 代 に は 、M&Aブ ー ム が 起 こ っ た 。 これ に よ り、 直 接 に し ろ間 接 に しろ機 関 投 資 家 は 、M&Aに 対 す る対応 を迫 られ る こ とに な った 。1980年 代 の ア メ リカ に お け るM&Aの 特 色 は 、 多 くの 場 合 非 友 好 的M&Aで あ っ た 。 そ の た め 、 非 友 好 的M&Aを 企 業 に仕 掛 け る側 と、M&A防 止 策 を行 う経 営 陣 側 の 双 方 で激 しい 攻 防 が 行 わ れ

8機 関 投 資 家 が 「ウ ォ ー ル ・ス ト リ ー ト ・ル ー ル 」 を 破 棄 した 原 因 は

、 株 式 価 格 の 下 落 と売 却 手 数 料 以 外 に も 見 い だ す こ と が で き る 。 た と え ば 、 「パ ッ シ ブ 運 用 す な わ ち イ ン デ ッ ク ス 連 動 型 の 資 産 運 用 を 行 っ て い る機 関 投 資 家 は 、 イ ン デ ッ ク ス へ の 連 動 が 強 い 株 式 を 一 定 比 率 ポ ー トフ ォ リオ に 組 み 入 れ て 保 有 す る 必 要 が あ る の で 、 特 定 の 企 業 や 業 種 の 株 式 を 売 却 して 退 出 」 す る と い う 行 動 は 困 難 と な っ て い る(神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『第 一 勧 銀 総 研

レ ビ ュ ー一』 第 一一勧 銀 総 合 研 究 所,第2号,2000年,5頁 、)」 と 指 摘 さ れ る。

s機 関 投 資 家 が

、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 対 し て 積 極 的 に 関 与 す る こ と に 対 し て 、 「運 用 額 が 巨 額 で か つ イ ン デ ッ ク ス 運 用 の 配 分 が 大 き い 機 関 投 資 家 は コー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 行 動 に 積 極 的 に な ら ざ る を 得 な く な っ た(神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン スj『 第 一 勧 銀 総 研 レ ビ ュ ー 』 第 一 勧 銀 総 合 研 究 所,第2号,2000年,6頁.)」 と い っ た 消 極 的 意 見 も 聞 か れ る 。 しか し、 機 関 投 資 家 の 発 展 と と も に 、 必 要 に 迫 られ た 形 で 、 機 関 投 資 家 が 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 に 関 与 し始 め た 背 景 を 強 調 す る こ とが で き る(本 文 を 参 照 の こ と)。

コ ー ポ レ ・一 ト・ ガ バ ナ ン ス と機 関 投 資 家 一21世 紀 の 機 関 投 資 家 像 一173

(6)

た 。 非 友 好 的M&Aを 企 業 に仕 掛 け る側 は 、 株 式 公 開 買 い 付 けや 委 任 状 争 奪 を 中 心 に 対 象 企 業 に圧 力 を か け る。 ま た 、M&A防 止 策 を 行 う経 営 陣 側 は 、

ポ イ ズ ン ・ ピ ル 、 ゴ ー ル デ ン ・パ ラ シ ュ ー ト 、 ホ ワ イ ト ・ナ イ ト等loの な り

ふ り構 わ ぬ 手 段 を講 じる。 そ こ で は 、 た とえ機 関 投 資 家 が 中心 的役 割 を担 っ て 非 友 好 的M&Aを 行 っ た と して も 、 機 関 投 資 家 に とっ て 利 益 の あ る結 果 を も た ら した か に は 、 疑 問 が 残 る 。 つ ま り 、機 関 投 資 家 に と っ て の 最 大 の 関 心 事 で あ る株 主 価 値 極 大 化 に 、 は た してM&Aが 役 立 っ の か に つ い て 、 議 論 が 集 中 した の で あ る 。

第4の 機 関 投 資 家 の発 達 した 理 由 は 、機 関 投 資 家 の 議 決 権 行 使 等 に 関す る 受 託 者 責任 が 制 度 的 に 明確 に され て い た か らで あ る。 ア メ リカ に お け る機 関 投 資 家 の議 決 権 行 使 行 動 の後 ろ盾 とな っ た 制 度 的 要 因 は 、1974年 に制 定 され

た 従 業 員 退 職 所 得 保 障 法1'(theEmployeeRetirementIncomeSecurityActof

1974、 以 下 「ERISA法 」 と い う)で あ っ た 正2。ERISA法 と は 、 企 業 年 金 の 加 入 者

や 受 給 権 者 の 年 金 受 給 権確 保 を 目的 と し、全 て の 企 業 年 金 を包 括 的 に規 定す

1。ポ イ ズ ン ・ピル とは

、 企 業 の 経 営 権 変 更 が あ っ た 場 合 に 、 株 式 の 即 時 換 金 を保 証 す る措 置 で あ る。 ま た 、 ゴー ルデ ン ・パ ラ シ ュー トとは 、 企 業 の 営 業 権 変 更 が あ っ た 場 合 に 、 被 買 収 企 業 の 経 営 陣 に多 額 の 退 職 金 等 の 支 払 い を 保 証 す る も の で あ る 。 さ らに 、 ホ ワイ ト ・ナ イ トとは 、 買 収 を 仕 掛 け られ た 企 業 が 、 独 自 に 友 好 的 な 買 収 相 手 を選 定 し、 買 収 を不 可 能 にす る もの で あ る。 これ らの 手 段 は 、 多 くの 場 合 、 会 社 の 基 本 的 事 項 を定 め る定 款 を 変 更 す る こ とで 行 われ て い る 。

UERISA法

、 本 来 的 に は 、 私 企 業 の 年 金 に 関 して 基 本 的 事 項 を 規 制 す る 法 律 に す ぎ な い 。 しか し、 年 金 を株 式 と して保 有 す る 企 業 の 責 任 に 関 して 、 広 く規 定 を設 けて い る。 ま た 、SECや ニ ュー ヨー ク証 券 取 引 所 等 の 連 邦 政 府 機 関や 州 政 府 は 、ERISA法 の基 準 に 準 拠 した 各 種 規 定 を 作 成 して い る 。 そ のた め 、 機 関 投 資 家 等 の 株 式 を保 有 す る企 業 や 機 関 に 影 響 力 を 及 ぼ して い る の で あ る。

12ERISA法 の 歴 史 や 最 近 の 議 論 につ い て は

、 以 下 の 文 献 を参 照 の こ と。

野 村 亜 紀 子 「米 国 企 業 年 金 を め ぐ る最 近 の 議 論 一 従 業 員 退 職 所 得 保 障 法(ERISA)制 定25周 年 を 迎 えて 一 」『資 本 市 場 クォ ー タ リー 』 野 村 総 合 研 究 所 資 本 市 場 研 究 室,春 号,2000年,163‑187頁.

L3神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『第 一勧 銀 総 研 レ ビュー 』 第 一 勧 銀 総 合 研 究 所 , 第2号,2000年,4頁,

t9ア メ リカ に お い て

、 受 託 者 責 任 が使 われ る経 緯 とな っ た もの は1第1に 受 託 者 とい う 言 葉 が 意 味 す る よ うに 、 そ も そ も は 信 託 とい う仕 組 み に お い て 使 わ れ 始 めた 。 信 託 とは 、 財 産 を 有 す る 者(委 託 者)が 他 人(受 託 者)に 財 産 権 を 移 転 して 、 あ る 目 的(信 託 の 目 的)に 沿 って 、 あ る 者(受 益 者)の た め に 、 管 理 や 処 分 を任 せ る こ とで あ る。 この 仕 組 み の 大 き な特 徴 は 、 次 の2つ で あ る。 ① 受 益 者 と受 託 者 の 間 に は 、 受 託 者 が 信 認 を受 けて 受 益 者 の た め に 権 限 を 行 使 す る とい う信 認 関 係 が 成 立 す る こ と。 ② 権 限 の 行 使 に 当 た っ て は 受 託 者 に裁 量 権 が 与 え られ る こ と。 第2に 、 今 日 、 英 米 で は 、 他 者 の た め に 専 門 能 力 を 提 供 す る もの を フ ィデ ュ ー シ ャ リー(fiduciary)と 呼 ぶ こ とが 多 い 。 この フ ィデ ュー シ ャ リー は 、 「受 託 者 」 とか 「受 認(任)者 」 と訳 され る が 、 このfiduciaryと い う概 念 は 、 本 来 は 信 託 の ス キー ム に お け る受 託 者 を 指 す 概 念 と して 判 例 法 上形 成 され た もの で あ る0そ れ が 、 信 託 以 外 に も援 用 ・拡 大 され て き た の で あ る。 この 場 合 、 「受 託 者 」 は 、 信 託 に お け る 「受 託 者 」 よ りも範 囲 が 広 く、 例 え ば 弁 護 士 、 公 認 会 計 士 、 医 師 あ るい は株 式 会 社 の 取 締 役 とい った 者 も含 まれ る。 いず れ の 意 味 で使 うに して も 、 受 託 者 とい うの は あ る 分 野 に 通 じ 、 しか も裁 量 権 を 持 っ て い る 者 で あ る こ と は 共 通 して い る (厚 生 年 金 基 金 『受 託 者 責 任 ハ ン ドブ ック(理 事 編)』 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 受 託 者 責 任 研 究 会,199 8年,3頁.)。

174国 際 経 営 論 集No.312006

(7)

る 法 律 で あ る'3。ERISA法 に よ り、 「受 託 者 責 任11」 が 明 記 さ れ た こ と も 特 筆 す べ き で あ る 。ERISA法 で は 、 資 産 運 用 を 行 う も の を 受 託 者 と し て 位 置 付 け て い る。 受 託 者 とは 、 委 託 者 の信 認 を受 け、 委 託 者 の た め に行 動 し、 そ の た め に 必 要 な 広 範 な裁 量 権 を 有 す る者 で あ る15。ま た 、 受 託 者 責 任 に は 、 受 託 者 が 委 託 者 に 対 して 忠 実 義 務16と 注 意 義 務17を 含 ん で い る。 続 い て 、1988年 に ア メ リ カ 連 邦 労 働 省 がERISA法 の 下 で 「エ イ ボ ン ・ レ タ ー18」 を 発 表 し 、 「委

任 状 投 票権 は年 金 基 金 で あ り、他 の 資 産 と同 様 加 入 者 の利 益 の た め に運 用 さ れ な くて は な らな い 」 と し、受 託 者 責任 と議 決 権 行 使 の 関係 を 明確 に示 した こ とが 重 要 で あ る'9。 そ の 流 れ を 受 け 、1994年 に 同 じ く連 邦 労 働 省 が 通 達 に よ り年 金 基 金 の議 決 権 行 使 が義 務 化 され た20。

ア メ リカ に お い て 、 機 関 投 資 家 が 発 達 し 、 積 極 的 な コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 に 向 け た行 動 を活 発 に させ た 背 景 に は 、 受 託 者 責任 の 確 立 と議 決 権

'5神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス 」 『第 一 勧 銀 総 研 レビ ュー 』 第 一 勧 業 銀 行 総 合 研 究 所,第2号,2000年,4頁.

isERISA法 で 明 記 され て い る忠 実 義 務 は

、 「受 託 者 は 、 加 入 者 お よ び 給 付 金 受 取 人 の 利 益 の た め だ け に 行 動 しな くて は な らな い(ERISA法404条(a)(1))」 、 「受 託 者 は 受 託 者 自身 の 利 益 の た め に 年 金 計 画 資 産 を扱 って は な らない 。 年 金 計 画 の 利 益 と相 反 す る 立 場 を とっ て は な らな い(ERISA法406条)」 とい う

こ とで あ る。

17ERISA法 で 明 記 され て い る 注 意 義 務 とは

、 「受 託 者 』は 、 当 該 状 況 下 で1同 様 の 立 場 で 行 動 し同 様 の 事 項 に 精 通 して い る 思 慮 深 い 人 が 、 同 様 の 特 徴 と 目的 を持 つ 事 業 を 行 う とき に発 揮 す る で あ ろ う注 意 、 技 術 、 慎 重 さ 、 そ して 勤 勉 さを 持 っ て 責 務 を 果 た さな く て は な らな い(ERISA法404条(a)(1)(b))」

とい うこ とで あ る。

1Rエ イ ボ ン ・レ ター とは

、1988年2A23日 に エ イ ボ ンプ ロ ダ ク ト社 の 連 邦 労 働 省 に 対 して の 企 業 年 金 に 関 す る 問 い 合 わ せ に 回 答 した 回 答 書 をい う。

tvア メ リカ 連 邦 労 働 省 の 「エ イ ボ ン ・レタ ー 」 で は

、 国 内 同 様 海 外 の 企 業 に 対 して も議 決 権 を 行 使 す る よ うに 指 導 して い る。 具 体 的 示 す と、 「エ イ ボ ン ・レ ター 」 は 、 「年 金 基 金 の 資 産 運 用 の 受 託 者 は 、 資 産 運 用 面 で の 専 門 的 知 識 の 拡 充 が 要 請 され て い るの に 加 えて 、 投 票 権 を 含 め た株 主 権 の誠 実 な履 行 も 、 受 託 者 責 任 の 一 部 と して 、 基 金 の 規 定 の 中 に 誰 が 委 任 状 投 票 に責 任 が あ る の か を 明 記 しな け れ ば な ら な い(「 コー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス概 念 確 定 論 序 説 」 『法 学 新 報 』 中 央 大 学 法 学 会,第106巻 第7・8号, 2000年,496頁.)」 と要 請 して い る。 これ に よ り、CalPERSを は じめ とす る ア メ リカ の 主 要 な 機 関 投 資 家 は 、 よ り一 層 海 外 株 式 に 対 す る 議 決 権 行 動 を 強 力 に 押 し進 め る き っか け とな る。

20関 孝 哉 外 国 人 株 主 に よ る議 決 権 行 使 の 実 態 と対 応 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会

,No.1555,31 頁.な お 、1994年 の連 邦 労 働 省 の 通 達 は 、 エ イ ボ ン ・レター を 受 け る形 で 、 解 釈 通 達 を 出 した もの で あ ziERISA法る。 等 に 明 記 され る受 託 者 責 任 は

、 次 の4つ の 義 務 が あ る とい わ れ て い る 。 第1は 、 注 意 義 務 と呼 ば れ て い る もの で あ る。 これ は 、 あ る地 位 や 職 責 に あ る もの は 、 社 会 通 念 上期 待 され る 合 理 的 な 注 意 を 払 っ て 職 務 を 遂 行 しな けれ ばな らな い とい うこ とで あ る。 第2は 、 忠 実 義 務 で あ る。 受 託 者 は職 務 を 遂 行 す る 際 に は 、 も っ ぱ ら受 益 者 の利 益 を 考 慮 す べ き で あ り、 自 分 自身 や 第 三 者 の 利 益 を 図 っ て は な ら な い とい うもの で あ る 。 第3は 、 自 己 執 行 義 務 で あ る 。 他 人 か ら信 頼 され て任 され た も の で あ るの で 、 受 託 者 は 更 に 他 人 に 任 せ る の で は な く、 自分 自身 で 執 行 しな けれ ば な らな い とい うもの で あ る。 第4は 、 分 別 管 理 義 務 で あ る。 これ は 、 他 人 か ら預 か っ た 財 産 は 、 自分 の財 産 と 区 別 して 管 理 しな けれ ば な ら ない とい う義 務 で あ る(厚 生 年 金 基 金 『受 託 者 責 任 ハ ン ドブ ック(理 事 編)』 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 受 託 者 責 任 研 究 会,1998年,4頁.)。 特 に 、 こ の な か で も 、 年 金 資 産 運 用 に 関 して 重 要 な の は 、 注 意 義 務 と忠 実 義 務 の2つ で あ る。

コー ポ レ ー ト・ ガ バ ナ ンス と機 関 投 資 家 一21世 紀 の 機 関 投 資 家 像 一175

(8)

図 表2ア メ リカの 株 式 保 有 率

1950年 1970年 1990年 1995年 1996年

1 1997年

機 関投資家 7.2% 28.2% 41.6% 44.4% 47.OHO 48.7%

(内訳)年 金 基金 0.8% 9.2% 24.2% 23.2 23.6 23,790

(内 訳)ミ ューチュアル・ファンド 2.0°/a 4.7% 6.6°/ 12.3% 14.6% 15.6

:

(内 訳)そ の 他

1

4.4% 14.3% '・1・f 8.9% 8.8%

1

9.4%

1

個人 90.2% 68.0% '・1 48.5% 45.7% 43.4%

外国人 2.0% 3.2% 6.9% 6.1 6.2% 6.8%

そ の他 0.6% 0.6% 0.7% 1.0% 1.1% 1.1%

合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

(出 所)FRB,FlowofFundsAccountsoftheUnitedStates,FederalReserve,1997,Juneよ り 引 用 し 、 東 京 証 券 取 引 所HP(http://WWW.tse.or.jp/)を 参 考 に し て 、 筆 者 が 加 筆 ・ 修 正 の 上 作 成 し た 。

行 使 の 関 係 を 明 確 に し 、 制 度 的 に も統 一 され た 法 制 が 存 在 す る こ と も大 き な 要 因 とい え る2'。

以 上 の よ うに 、 ア メ リカ に お い て 機 関 投 資 家 の 発 達 した 理 由 は 、 ① 機 関 投 資 家 の 株 式 保 有 割 合 の 増 加 、 ② 「ウ ォ ー ル ・ス ト リー ト ・ル ー ル 」 か ら 「モ ノ を 言 う株 主 」 へ の 目覚 め 、 ③ 企 業 価 値 最 大 化 の 為 の 直 接 的 行 動 の 必 要 性 、

④ 整 備 さ れ た 制 度 の 確 立 、 とま と め る こ と が で き る 。

(2)ア メ リカ にお け る機 関 投 資 家 の役 割

ア メ リカ に お け る機 関 投 資 家 の主 な 役 割 は 、 「第 一 に 取 締 役 会 の メ ンバ ・一 を選 任 ・監 視 し、 次 に 取 締 役 会 が経 営 陣 を監 視 し経 営者 にイ ンセ ンテ ィ ヴを 与 え て 、会 社 と株 主 の利 益 を最 大 化 す る とい う 目的 を達 成 で き る よ うに させ る とい うもの22」で あ る と考 え られ る。 また 、機 関 投 資 家 は 、 企 業 に対 して 、

「機 関 投 資 家 とい っ た よ うな 株 主 が 会 社 の 所 有 者 で あ り、 最 終 的 にそ の ガ バ ナ ンス の 成 果 は彼 らが手 に す べ き で あ る。 そ して 、 取締 役 会 は 、会 社 がそ の

zzア イ ラ ・ ミル シ ュ タイ ン(松 木 数 道 訳)「 米 国 にお け る 会 社 と株 主 との 関 係(上)一 米 国 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る 所 見 一 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会,Na.1358,6月25日 号,199 4年,6頁.

23ア イ ラ ・ ミル シ ュ タ イ ン(松 木 数 道 訳)「 米 国 に お け る 会 社 と 株 主 と の 関 係(r)一 米 国 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る 所 見 一 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会,No,1358,6月25日 号,199 4年,4頁.

176国 際i経 営 論 集No.312006

(9)

目的 を 達 成 で き る よ う経 営者 を 監視 す る た め に存 在 して い るわ け で あ る23」

とい う効 果 を期 待 す る の で あ る。

(3)ア メ リカの 代 表 的機 関 投 資 家 の行 動 原 理

ア メ リカ で 公 的年 金 基 金 と呼 ばれ る もの は 、 「社 会 保 障 制 度 」 「連 邦職 員 退 職 制 度 」 「鉄 道 退 職 制 度 」 「州 ・地 方 政 府 退 職 制 度 」 で あ る2925。 ア メ リカ に お い て公 的年 金 は 、 資 産1億 ドル 以 上 の 基 金 が約200存 在 して お り、資 産 規模 に して 公 的 年 金 全 体 の 約50%に あ た る 上 位10基 金 が コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 活 動 を推 進 して い る26。

ア メ リカ に お け る機 関 投 資 家 の代 表 的機 関 は 、 カ リフ ォル ニ ア 州 公 務 員 退

年 金 基 金(CaliforniaPublicEmployees'RetirementSystem、 以 下 「CalPERS」

とい う)で あ るa7。 そ れ で は こ こ で 、 ア メ リ カ の 代 表 的 機i関 投 資 家 で あ るCal PERSを 具 体 的 に 見 る こ と に す る。 そ し て 、 ア メ リカ の 機 関 投 資 家 の コ ー ポ

レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 果 た す 役 割 を 明 らか に し た い 。

Ca1PERSは 、1932年 に 設 立 さ れ 、110万 人 を 超 え る メ ン バ ー‑28を擁 し 、1,750

24上 田 晶 平 ・久 米 保 則 「米 国 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 現 状 一 株 主 と し て の 企 業 経 営 に 影 響 を 与 え る 公 的 年 金 」 『調 査 月 報 第61巻 』 ニ ッ セ イ 基 礎 研 究 所,7月 号,1993年,40頁.

25公 的 年 金 基 金 の う ち

、 「社 会 保 障 制 度 」 「連 邦 職 員 退 職 制 度 」 「鉄 道 退 職 制 度 」 は 、 資 産 の ほ ぼ 金 額 を 財 務 省 証 券 で 運 用 し て い る 。 し た が っ て 、 私 企 業 の 株 主 と な っ て い る の は 、 「州 、 地 方 政 府 退 職 制 度 」 で あ る 。 ま た 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 積 極 的 に 関 与 す る 公 的 年 金 基 金 も 、 「州 、 地 方 政 府 退 職 制 度 」 と い う こ と が で き る 。

2ε上 田 晶 平 ・久 米 保 則 「米 国 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 現 状 一 株 主 と し て の 企 業 経 営 に 影 響 を 与 え る 公 的 年 金 」 『調 査 月 報 第61巻 』 ニ ッ セ イ 基 礎 研 究 所,7月 号,1993年,41頁.

27ア メ リ カ に お い て

、CalPERS以 外 の 主 要 機 関 投 資 家 は 、 以 下 の と お り で あ る 。

NewYorkStateCommonRetirementFund(NYS‑CREF)ニ ュ ー ヨ ー ク 州 一 般 退 職 年 金 基 金 ColoradPublicEmployees'RetirementAssociation(CoPERA>コ ロ ラ ド州 公 務 員 退 職 年 金 協 会 CollegeRetirementEquityFund(CREF>教 職 員 退 職 年 金 基 金

NewYorkCityEmployees'RetirementSystem(NYCERS)ニ ュ ー ヨ ー ク 市 職 員 退 職 年 金 基 金 PennsylvaniaSchoolEmployees'RetirementSystem(PSERS)ペ ン シ ル バ ニ ア 州 学 校 職 員 退 職 年 金 基 金

FloridaStateBoardofAdministration(FSBA)フ ロ リ ダ 州 運 営 委 員 会 StateofWisconsinInvestmentBoard(SWIB)ウ ィ ス コ ン シ ン 州 投 資 委 員 会

CaliforniaStateTeachers'RetirementSystem(CalSTRS)カ リ フ ォ ル ニ ア 州 教 員 退 職 年 金 基 金 CouncilofInstitutionalInvestors(CI1)機 関 投 資 家 評 議 会(ア メ リ カ 年 金 基 金 の 団 体)

2RCalPERSの 主 な 概 要 に つ い て は

、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。 http://www.calpers,ca.gov/about/calpers.htm

zsCalPERSの 保 有 資 産 の 概 要 に つ い て は

、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。 http://www.calpers.ca.gov/about/calpers.htm

30Ca1PERSの ア メ リ カ 企 業 に お け る 株 主 数 に つ い て は

、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。 http://www.calpers‑governance.org/viewpoint/

コー ポ レー ト・ ガ バ ナ ンス と機 関 投 資 家 一21世 紀 の 機 関 投 資 家 像 一177

(10)

億USド ル 超 の 資 産 を 保 有 し29、1,600以 上 の ア メ リカ 企 業 の 株 主30で あ る 年 金 基 金 で あ る。 ま た 、CalPERSは 海 外 株 式 の 積 極 的 運 用 で も 知 ら れ 、 最 終 的 に は 資 産 総 額 の う ち20%を 海 外 株 式 で の 運 用 を 目指 し て い る 。Ca1PERSは 、 最 近 で は 投 資 先 経 営 者 に 対 し て 積 極 的 に 株 主 の 利 益 あ る 経 営 行 動 を 採 る よ う求 め て い る 。

CalPERSの 理 事 で あ り、 財 政 委 員 会 の 委 員 長 で あ る ロ バ ー ト ・カ ー ル ソ ン (RobertF.Carlson)31は 、CalPERSの コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 対 す る 視 点 に つ い て 次 の よ うに 述 べ て い る 。 「① 効 果 的 な 財 政 上 の 報 告 過 失 の 解 決 は 、 監 査 委 員 会 の 能 力 、 権 限 、 独 立 で あ る 。 ② 単 に 受 容 性 で は な く 、 論 点 は 、 財 政 上 の 報 告 の 品 質 に あ る べ き で あ る32」 と。 ロバ ー ト ・カ ー ル ソ ン は 、CalPE RSの コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 要 求 は 、 内 部 的 な 監 査 体 制 の 独 立 と 、 外 部 へ の 情 報 開 示 の2点 が 最 も 重 視 す べ き 問 題 と と ら え て い る こ と が わ か る。

Ca1PERSは 多 数 の 外 国 人 株 主 と し て も 有 名 で あ る 。CalPERSは 、 外 国 に 対 す る コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 要 求 に 対 して 、 「世 界 中 の 各 市 場 が そ の マ ー ケ ッ トに 適 して い る コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 理 を 採 用 す る べ き で あ る と 強 く考 え る。 理 想 的 な も の と し て 、 協 力 的 行 動 、 及 び コ ンセ ン サ ス に よ っ て 、

コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 理 は 、 市 場 関 係 者 自身 で 開 発 され る べ き33」 と 考 え て い る 。 つ ま り、 機 関 投 資 家 は 、 企 業 経 営 機 構 改 革 と情 報 開 示 を 大 き な 柱 と して 企 業 に 要 求 して い る の で あ る 。

こ の よ うに 、CalPERSの 行 動 原 理 は 、 「コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 行 動 は 受 託 者 責 任 を 踏 ま え た も の で 、 そ れ は 投 資 先 企 業 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン

:S1ロ バ ー ト ・カ ー ル ソ ン は、1971年 以 来 、CalPERS理 事 会 会 の メ ン バ ー で あ る 。 ま た 、1976年 か ら198 5年 ま でCalPERS社 長 で あ っ た 。

:SlCalPERSの コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 対 す る 視 点 に 関 し て は

、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。 http://www.calpers‑‑governance.org/viewpoint/

13C alPERSの 外 国 に 対 す る コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 基 本 的 考 え 方 は 、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。

http://www.calpers.ca.gov/about/calpers.htm http://www.calpers‑governance.org/principles/

f4神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『第 一 勧 銀 総 研 レ ビ ュ ー 』 第 一 勧 銀 総 合 研 究 所,第2号32000年}9頁.

178国 際 経 営 論 集No312006

(11)

ス の 改 善 が 、 企 業 業 績 の 改 善 ひ い て は 株 価 上 昇 に よ る 投 資 リ タ ー ン の 最 大 化 に つ な が る とCalPERSが 確 信 し て い る31」 こ とか ら全 て が 導 き 出せ るの で あ る。

(4)ア メ リ カ の 機 関 投 資 家 の 具 体 的 行 動 方 法

ア メ リ カ の 機 関 投 資 家 は 、 一 般 的 に 「国 際 証 券 保 管 銀 行 の(チ ェ ー ス ・マ ン ハ ッ タ ン や ス テ ー ト ・ス ト リ ー ト の よ う な 一 筆 者)ノ ミ ニ ー 名 義(=受 名 義 人 一 筆 者)で 株 主 名 簿 に 載 る た め 、 通 常 、 …(中 略)… 銀 行 名 と そ の 口 座 名 ま で が 登 録 さ れ 、 実 質 上 の 株 主 で あ る 機 関 投 資 家 の 氏 名 は 株 主 名 簿 上 に は 現 れ な い35」 こ と が 多 い よ う で あ る 。

ア メ リ カ 株 主 の 具 体 的 議 決 権 行 使 方 法 は 、 一 般 的 に 「ノ ミ ニ ー 名 義 で あ る 保 管 銀 行 が 、 実 質 上 の 株 主 か ら 指 示 さ れ た 賛 否 の 内 容 を 集 計 し た 上 で わ が 国 の 常 任 代 理 入 が 議 決 権 行 使 書 、 委 任 状 の 書 面 に こ の 行 使 内 容 を 記 載 し て 行 使

し て い る36」 と さ れ る 。 そ の た め 、 同 じ 銀 行 に 口 座 を 持 つ 複 数 の 機 関 投 資 家 に よ る 議 決 権 行 使 を 行 う 場 合 は 、 議 決 権 行 使 に 不 一一致 が 見 ら れ る 場 合 も 多 々 あ る 。 ア メ リ カ に お い て は 、 多 様 な 議 決 権 行 使 形 態 に 対 応 し た 体 制 が 整 っ て い る と い え る 。 ま た 、 ア メ リ カ の 機 関 投 資 家 が 、 日 本 の 企 業 に 対 し て 議 決 権 行 使 を 行 う 場 合 、 コ ン サ ル タ ン ト会 社 を 経 由 す る 場 合 が 多 い よ う で あ る37。

機 関 投 資 家 は 、 受 託 者 責 任 を 背 景 と し た 企 業 価 値 極 大 化 を 目 的 と し 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 構 築 を 企 業 側 に 一 貫 し て 求 め て い る 。 コ ー ポ レ ー ト ・

35永 井 恒 男 「外 国 人 株 主 の議 決 権 行 使 」 『商 事 法務 』 商 事 法 務 研 究 会 ,No.1491,5月25日 号,1998 年,35頁.

3h永 井 恒 男 「外 国 人 株 主 の議 決 権 行 使 」 『商 事 法 務 』 商 事 法務 研 究 会 ,No.1491,5月25日 号,1998 年,35頁.

:i7アメ リカ にお け る機 関投 資家 の具 体 的 議 決 権 行 使 状 況 につ い て は 、以下の文献 を参照の こ と。

永 井 恒 男 「外 国 人 株 主 の議 決 権 行 使 」 『商 事 法務 』 商 事 法 務研 究 会,No.1491,5月25日 号,1998 年,33‑38頁.

ま た 、 こ こで は 、 具 体 的議 決 権 行 使 方 法 と して 、 コン サ ル タ ン ト会 社 を経 由 して行 う現 状 を紹 介 して お り、 「米 国 の機 関 投 資 家 が わ が 国 企 業 の 株 主総 会 に お い て 議 決 権 を行 使 す る に 当 た っ て は 、 議 決 権 行 使 コ ンサ ル テ ィ ン グ会 社 で あ るイ ンベ ス タ ー ・レ シポ ン シ ビ リテ ィ ・リサ ー チ セ ン ター

(IRRC)や イ ン ス テ ィシ ュー シ ョナ ル ・シ ェア ホル ダ ー一ズ ・サ ー ビシ ス(ISS)の ア ドバ イ ス を受 けて 、 直接 行 使 す る例 もあ るが 、 こ の業 務 を代 行 す る グ ロー バ ル ・プ ロキ シー ・サー ビシズ ・コー ポ レー シ ョン(GPSC)が 議 案 内容 の翻 訳 、 チ ェ ッ ク 、議 案 に対 す る賛 否 の ア ドバ イ ス 、 議 決 権 の 代 理 行 使 を行 うケ ー ス も あ る(永 井 恒 男 「外 国人 株 主 の 議 決 権 行 使 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会,N。.1491,5月25日 号,1998年,36頁.)」 と して い る。

コー一ポ レ ー ト・ ガ バ ナ ンス と機 関 投 資 家 一21世 紀 の 機 関 投 資二家 像 一179

(12)

ガ バ ナ ン ス の 構 築 を企 業 に 求 め る た め に 、 機 関 投 資 家 の 主 た る 活 動 は 、 株 主 総 会 で の 投 票 行 動 で あ る。 しか し、Ca1PERSを 中 心 と し た 機 関 投 資 家 は 、 株 主 総 会 で の 投 票 行 動 だ け に と どま らず 、 株 主 提 案 権 を 行 使 し、 取 締 役 会 改 革 や 経 営 者 に 有 利 な 定 款 変 更 要 求 等 を 求 め る こ とが 少 な く な い 。 近 年 に お い て 、 機 関 投 資 家 を 中 心 と した 株 主 提 案 が 賛 成 多 数 で 承 認 され る こ と も珍 し く な く

な っ て い る こ と は 、 機 関 投 資 家 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 構 築 に 対 す る 役 割 を み る に あ た っ て 注 目 され る(図 表4参 照)。

ま た 、CalPERSは 、 業 績 が 悪 く 、 そ の 上 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 が 十 分 で な い と判 断 し た 企 業 を 約10社 選 定 し て い る(図 表5参 照)。CalPERS は 、 こ れ を 「フ ォ ー カ ス ・カ ン パ ニ ー(focuscompany)」 と し て 公 表 し、

「フ ォ ー カ ス ・カ ン パ ニ ー 」 に 選 定 さ れ た 企 業 に 対 し て 企 業 経 営 者 と の 話 し 合 い や 議 決 権 行 使 、 さ ら に は 株 主 提 案 権 行 使 を 通 じて コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ

ン ス 構 築 を 求 め て い る 。

さ ら に 、CalPERSは 他 国 の 機 関 投 資 家 と連 携 し、 企 業 に 対 し て コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 を 求 め る 体 制 を 整 え て い る。1998年11月 、CalPERSは イ ギ リス の 代 表 的 年 金 基 金 で あ るHermes(HermesPensionManagementLimited)

と 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 し て 戦 略 的 提 携 を し た 。CalPERSは Hermesと 、 ① お 互 い の 議 決 権 行 使 ガ イ ド ラ イ ン を 尊 重 し 、 相 手 国 で は 相 手 の ガ イ ドラ イ ン に 沿 っ て 議 決 権 を 行 使 す る 、 ② 議 決 権 行 使 に つ い て ケ ー ス ・ バ イ ・ケ ー ス で の 検 討 が 必 要 な 場 合 は 協 議 す る 、 ③ 一 方 が 、 他 方 の 自国 マ ー ケ ッ トに お け る コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 行 動 を 行 う場 合 や 株 主 総 会 で の 代 理 を 要 請 した 場 合 、 国 際 的 な 争 点 に つ い て 方 針 や 行 動 計 画 を 共 有 す る こ と が 適 当 な 場 合 は お 互 い 協 議 す る 、 と い う 内 容 で 合 意 し た38。CalPERSは 、 各 国 の 機 関 投 資 家 と連 携 す る こ と を 積 極 的 に 行 っ て い る。 こ の よ う な 動 き は 、 今 後 ま す ま す 活 発 に な る と 考 え られ る。

38神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『第 一勧 銀 総 研 レ ビュ ー 』 第 一勧 業銀 行 総 合 研 究 所,第2号,2000年,9頁.

180国 際 経 営 論 集 、No.312006

(13)

図 表3ア メ リカ機 関 投 資 家 の 日本 に行 に対 す る議 決 権 行 使 発行会社

議決権行使

f

常任 代理人

(日 本)

機 関投資家

鞠 蟻 ↑ ↓ 灘 行使

← 一 指示書の送付

外部機 関

(ア メ リ カ)

(出 所)佐 藤 正 典 わ が 国 企 業 の 会 社 運 営 に 対 す る 問 題 提 起(中)」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会, No.1358,6月25口 号,1994年,23頁,よ り引 用 し 筆 者 が 加 筆 ・修 正 し て い る 。

図 表4近 年 の 主 要 機 関 投 資 家 の コー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス活 動 例

1

年月 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 活 動 の 内 容

1

1992年10月 GMの ス テ ル ペ ル 会 長 兼CEOの 辞 任 一 経 営 不 振 に よ る 社 外 取 締 役 やCa1PER Sら か ら の 退 任 要 求

1993年1月 工BMの エ イ カ ー ズ 会 長 兼CEOの 辞 任 一 初 の 減 配 の 引 責 、 社 外 取 締 役 やCal PERSか ら の 退 任 要 求

1993年1月 ウ エ ス チ ン グ ハ ウ ス の レ ゴ 会 長 兼CEOの 辞 任 一 経 営 不 振 に よ る他 の 取 締 役 やCalPERSら か ら の 退 任 要 求

1993年2月 ア メ ッ ク ス の ロ ビ ン ソ ン 会 長 兼COの 辞 任 一 経 営 不 振 に よ る 大 株 主 や 投 資 信 託 か ら の 退 任 要 求

1993年10月 ク レ フ(TIAA‑CREF)、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る 方 針 を 公 表 1994年4月 GM、28の ガ バ ナ ン ス 憲 章 を 公 表(取 締 役 会 議 長 とCEOの 分 離 、 社 外 取 締

役 、 退 任 年 齢70歳 等)

1995年6A CalPERS、 国 際 議 決 権 行 使 ガ イ ドラ イ ン を 採 択

1996年5月 フ ィ リ ッ プ ・モ リ ス 、 役 員 の 報 酬 額 の 第 三 者 評 価 と 開 示 に 関 す る 株 主 提 案 に3.8%の 賛 成 が 集 ま る

1996年9月 マ イ ク ロ ン 。 テ ク ノ ロ ジ ー 、 最 高 業 務 責 任 者 、 最 高 財 務 責 任 者 ら を 取 締 役 か ら外 す こ と に 決 定 一 機 関 投 資 家 株 主 か らの 指 摘

1996年ll月 カ リフォルニア州 の株 主訴 訟 改革 に関す る住 民提 案(プ ロポジシ ョン21Dが な されたが、否 決 ク レフ 、 フ ィ リップ ・モ リスを は じめ タバ コ会 社 へ の 投 資 中止 の 方 針 を決 定 1996年12月 ユ ニ オ ン ・エ レ ク ト リ ッ ク 、 取 締 役 向 け 退 職 年 金 プ ラ ン の 廃 止 を 決 定 一

年 金 な ど株 主 か ら の 批 判 に 対 応

1997年2.月 Ca1PERS、 業 績 ワ ー ス ト10位 を 発 表(ア ッ プ ル ・ コ ン ピ ュ ー タ ー 、 リ ー一 ボ ッ ク ・イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル 、 ノ ヴ ェ ル な ど)

1997年3月

リ ー ボ ッ ク の 株 主 総 会 で 、 取 締 役 の 任 期 を3年 か ら1年 に 短 縮 す るCalPE RSの 提 出 し た 株 主 提 案53%で 承 認

CalPERS、 イ ギ リ ス 、 フ ラ ン ス 向 け の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 発 表 1997年4月 タ イ ム ・ワ ー ナ ー の 株 主 総 会 で 、 社 外 取 締 役 を 導 入

1997年6月

Ca】PERS、 ガ バ ナ ン ス 基 準(報 酬 委 員 会 は 社 外 取 締 役 の み か らな っ て い る か 、 社 外 取 締 役 の 筆 頭 取 締 役 に よ るCEOの 監 視 は 行 われ て い るか 、 な ど)に 基 づ き 全 米300社 の 格 付 け を行 うこ とを8.月の 理 事 会 で 正 式 決 定 予 定

1998年2月 CalPERS、 業 績 ワ ー ス ト9位 を 発 表(AMD、EDS、 イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル フ レ ー バ ー ・ア ン ド ・ フ レ グ ラ ン スNYな ど)

1998年3A CalPERS、 日 本 企 業 に 対 す る コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 発 表

1998年5月

NYSRF、Ca1PERSら の 不 支 持 に よ り 、 マ リ オ ッ ト の 会 社 提 案(ス ト ッ ク ・ オ プ シ ョ ン ・プ ラ ン 、 ク ラ ス 株 式 の 発 行)が 否 決

TIAA‑CREF、 フ ァ ー ズ/ビ シ ョ ッ プ の 全 取 締 役 の 不 信 任 と 取 締 役 の 減 員 を 提 案 す る 委 任 状 勧 誘 書 類 を 提 出

(出 所)橋 本 基 美 『資 本 市 場 ク ォ ー タ リ ー 』 野 村 総 合 研 究 所 資 本 市 場 研 究 室,夏 号,1998年,145‑14 6頁.よ り 引 用 し、 筆 者 が 加 筆 修 正 の 上 、 表 を 作 成 した 。

コー ポ レー ト・ ガ バ ナ ン ス と機 関 投 資 家 一21世 紀 の 機 関 投 資 家 像 一181

(14)

図 表5CalPERS「 フ ォー カ ス ・カ ン パ ニ ー 」 選 定 過 程(1999年)

1

1 対象 CalPERSの 年 金 シ ス テ ム の 内 部 の 管 理 指 標 フ ァ ン ド(TheSystem's internallymanagedindexfund)に 含 ま れ る1,613社

2 EVA分 析 ス タ ン ・ス チ ュ ウ ア ー ト社 にEVAに 基 づ く財 務 分 析 を 依 頼 す る 。 3 規 模 に よ る ス ク リ ー

ニ ン グ 時 価 総 額5億 ドル 未 満 、Ca1PERSの 投 資 額2億 ドル 未 満 の 会 社 を 排 除 す る 。

4 パ フ ォ ー マ ン ス に よ る ス ク リ ー ニ ン グ

残 り850社 を 時 価 総 額 ご と に5つ の グル ー プ に 分 け 、 各 グ ル ー プ の パ フ ォ ー マ ン ス の 下 位60社 、 合 計300社 を 選 定 す る 。

5 300社 の ス コ ア リ ン

以 下 の 項 目 ご と に ス コ ア リ ン グ を 行 い 、300社 に 順 位 を っ け る 。 ・ コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 状 態 に よ る ス コ ア リ ン グ(IRRCに よ る)・ 過 去3年 間 の 株 価 の 相 対 パ フ ォ ー マ ン ス ・ EVA

6 EVA分 下 位30社 に つ い て よ り 詳 細 か っ 最 新 の デ ー タ に 基 づ くEVA評 価 を ス タ ン ・ス チ ュ ウ ア ー ト社 に 依 頼 す る 。

7

CalPERSの イ ン ベ ス ト メ ン ト ・ リ サ ー チ ・ス タ ッ フ に よ る 分 析

Ca1PERSの イ ン ベ ス トメ ン ト ・ リ サ ー チ ・ ス タ ッ フ に よ る 分

8 フ ォ ー カ ス ・ カ ン パ ニ ー 決 定

CalPERS理 事 会 が10社 を選 定 す る。 最 新 の財 務 情 報 、 最 近 の 役 員 報 酬 の 支 払 状 況 、 企 業 の 主 要 株 主 中 にCalPERSが パー トナ ー と見 る こ とが で き る株 主 の存 在 等 を評 価 して 決 定 す る。

1

(出 所)神 野 雅 人 機 関 投 資 家 と コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『第 一 勧 銀 総 研 レ ビ ュ ー 』 第 一 勧 業 銀 行 総 合 研 究 所,2号,2000年,27頁.よ り引 用 し て い る 。

(注)「 フ ォ ー カ ス ・カ ン パ ニ ー 」 選 定 は 、1‑8の 順 で 行 わ れ る 。

3日 本 の機 関 投資 家

(1)日 本 にお け る機 関 投 資 家 の 歴 史 的 考 察

日本 の機 関投 資 家 と して 代 表 的 な機 関 は、 厚 生 年 金 基 金39と適 格 年 金40であ る。 厚 生 年 金 基 金 の受 託 機 関 は厚 生 年 金 基 金 連 合 会 で あ る。 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 は 、厚 生 年 金 保 険 法 に 基 づ き厚 生 年 金 基 金 の連 合 体 と して1967年 に設 立 され た。 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 の 主 な活 動 は3つ あ る。 第1は 、 内外 の企 業 年 金 に 関連 す る事 項 に つ い て の調 査研 究 を行 い 、 関係 各 方 面 に提 言 や 要 望 を行 う

39厚 生 年 金 基 金 連 合 会 は、全 国 の厚 生年 金 基金 の合 意 に 基 づ き、 厚 生 省 の認 可 を得 て設 立 され た 特 別 法 人 で あ る。 厚 生 年 金 基 金 制 度 は1965年 の厚 生年 金 保 険 法 の 改 正 に よ っ て導 入 され 、1966年1

1月 か ら実 施 に移 され た企 業 年 金 制 度 の 一形 態 で あ る。 具 体 的 に は 、 企 業 が 単独 ま た は 共 同 で 厚 生 年 金 基 金 とい う特 別 の 公 法 人 を設 立 し、厚 生 年 金 保 険 の 一 部 を国 にか わ っ て行 うと ともに 、 企 業 の 実 情 に即 した年 金 給 付 を厚 生 年 金 保 険 に上 乗 せ して補 完 す る こ とに よ り、加 入 員 の 老後 生 活

を よ り豊 か に す る こ と を 目的 と して い る。

10適 格 年 金 とは

、適 格 退職 年 金 の こ とを指 す 。 適 格 退 職 年 金 制 度 は 、1962年 に創 設 され た。 事業 主 と従 業 員 との 間 で結 ばれ た年 金 契約(規 程)に 基 づ き 、事 業 主 と従 業員 を受 益 者 また は保 険金 受 取 人 と して 、 信 託 銀 行 や 生 命 保 険 会 社 との 間 で 、 一 定 の 要件(法 人 税 法施 行 令 第159条 に12の 適 格 要件 が 定 め られ て い る)を 備 えた 年 金 信 託 契 約(年 金 保 険 契 約)を 締 結 す る。 事 業 主 は信 託 銀 行 や 生命 保 険 会社 に掛 金(保 険 料)を 払 い 込 む 。 信 託 銀 行(生 命 保 険会 社)は 、 これ を管 理 ・運 用 して受 益 者 に年 金(ま た は一 時 金)を 給 付 す る仕組 み で あ る。

182国 際 経 営 論 集No.312006

(15)

ほか 、厚 生年 金 基 金 に対 す る各 種 情 報 の提 供 や 相 談 、 指 導 や 役 職 員 の研 修 な ど、 厚 生年 金 基 金 の 健 全 な発 展 を図 る た め に必 要 な 支 援 事 業 を行 うこ とで あ る。 第2は 、厚 生 年 金 基 金 を短 期 間(通 常10年 未 満)で 脱 退 した 人(中 途脱退 者)等 に対 す る年 金 給 付 を一 元 的 に行 うと と も に、 そ の 事 業 の原 資 とな る保 有 資 産 の安 全 か つ 効 率 的 な 運 用 を行 うこ とで あ る。 第3は 、 厚 生 年 金 基 金 の 加 入 員 お よび 受 給 者 の た め の 施 設(年 金 基金 セ ンター)の 運 営 を行 うこ とで

あ る。

厚 生 年 金 基 金 は 、 日本 に お い て 最 大 の機 関投 資 家 で あ り、 コー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ンス に果 た して い く役 割 が 注 目 され て い るの で あ る。

(2)日 本 の 代 表 的 機 関投 資 家 の行 動

日本 の機 関投 資 家 は 、投 資先 企 業 に対 して 、 企 業 経 営 上 の助 言 を ほ とん ど して い な い 状 況 で あ る(図 表6参 照)。 日本 にお い て機 関 投 資 家 が 、 ア メ リカ のCalPERSの よ うな積 極 的 な株 式 価 値 を 高 め る行 動 を採 っ て い な い 。 日本 に お い て 、機 関投 資 家 は 、 直接 的 な 株 式 の保 有 を行 わず 、 投 資 顧 問会 社 等 に運 用 を委 託 す る こ とが 多 くな って い る。 日本 の機 関投 資 家 は 、 直接 資 金 を調 達 す る 中 心 的役 割 を担 い 、運 用 は よ り専 門 的機 関 に委 せ る こ とが 主 流 とな って い る。 ア メ リカ にお い て も同様 の こ とが い え る。

投 資顧 問会 社 とは 、 資 産 の 運 用 や 投 資 家 へ の助 言 を行 う会 社 をい う。 投 資 顧 問 会 社 は 、 投 資 家 に 対 して運 用 の ア ドバ イ ス だ け を行 う 「投 資 助 言 会 社 」

と、 投 資 家 の 資 産 を預 か っ て 自由裁 量 で 運 用 も行 う 「投 資 一 任 会 社 」 の2つ の業 態 に分 か れ る。 投 資 助 言 会 社 は 登 録 制 で参 入 しや す い こ と もあ って 、バ ブル 景 気 と と もに急 増 した が 、バ ブ ル 崩 壊 直後 に は撤 退 や 廃 業 が相 次 ぐな ど 変動 が 大 きい 。 他 方 、 投 資 一 任 会 社 は 一 定 の 資 格 が 必 要 な た め 、参 入 す る業 者 が 少 な く、数 は ほぼ 横 ば い で推 移 して い る。 近 年 で は 、 投 資 顧 問 会 社 の数 が 増 加 傾 向 に あ る。 日本 証 券 投 資顧 問 業 協 会 の ま とめ に よ る と、 投 資 顧 問 会 社 の数 は1998年 末 に は604社 に上 り、1995年 以 降 で56社 に増 え た。 低 金 利 な

コーポレート・ガバナンスと機関投資家一21世紀の機i関投資家像一183

(16)

図 表6機 関 投 資 家 の 企 業 に 対 す る 企 業 経 営 上 の 助 言

問 あなたは投資先の企業の経営者に対して、株主として、企業経営上の助言をしていますか。

項 目 割合 回答

01 よ く し て い る 0% 0

02 と き ど き し て い る 18% 9

03 ほ と ん ど し て い な い 51% 26

04 ま っ た く し て い な い 27% 14

05 そ の他 4% 2

Q6 無回答又は無効回答 0% 0

100% 51

(出 所)コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 国 際 比 較 研 究 会 『経 営 環 境 の 変 化 と 日本 型 コ0ポ レ0ト ・ガ バ ナ ン ス の 未 来 像 に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 結 果 報 告 書 』2000年3 .月,71頁.よ り 引 用 して い る。

(注)そ の 他 に つ い て の 一 覧 は 省 略 して い る 。

どで 運 用 環 境 が悪 化 して い る こ とを背 景 に 、 投 資 家 が よ り有利 な運 用 先 を求 め て 投 資 顧 問会 社 と契約 す る ケ ー ス が増 えて い る。 ま た 、金 融 ビ ックバ ン に

よ り外 資 系 企 業 な ど新 規 参 入 が増 加 して い る。

(3)日 本 に お け る機 関 投 資 家 の 現 状

日本 の 代 表 的 機 関投 資 家 とな り うる厚 生 年 金 基 金 は、 一部 の株 式 資産 の 資 産 運 用 を委 託 して い る投 資顧 問 会 社 を通 じて 、議 決 権 行 動 を起 こ して い くこ とを表 明 しだ'。 しか し、 ア メ リカ に お け る機 関投 資 家 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 に 向 け た取 り組 み とは 、 大 き な 開 きが あ る ば か りか 、意 識 の低 さが伺 え る。 日本 にお け る機 関 投 資 家 の 現 状 は 、最 初 の 一 歩 を よ うや く歩 み 始 めた 程 度 で あ る とい え よ う。

4日 本 に お け る 機 関 投 資 家 発 展 の 諸 条 件 (1)日 本 に お け る 機 関 投 資 家 の 制 度 的 問 題 点

ア メ リカ に お い て は 、ERISA法 や エ イ ボ ン ・レ タ ー を 通 じ た 連 邦 労 働 省 通 達 に よ っ て 、 機 関 投 資 家 の 企 業 に 対 す る企 業 価 値 最 大 化 を 求 め る べ く コー ポ

hl『 目本経済新聞』1997年7,月21日付.

184国 際経営 論集No.312006

図 表1機 関 投 資 家 か ら 見 た 会 社 の 利 害 関 係 者 間 会 社 は 下記 の よ うな 様 々 な利 害 関 係 者(=構 成 員)で 成 り立 って い ま す 。 これ らの うち で 、 あ な た が 重 視 して い る関係 者 を1位 〜3位 ま で順 に 、番 号 で挙 げ て くだ さい。(人) 項 目 割合 基準 1位 2位 3位 01 株主 36% 18 29 10 2 02 経営者 23% 12 14 13 2 03 従業員 12% 6 1 6 23 04 債権
図 表2ア メ リカの 株 式 保 有 率 1950年 1970年 1990年 1995年 1996年 11997年 機 関投資家 7.2% 28.2% 41.6% 44.4% 47.OHO 48.7% (内訳)年 金 基金 0.8% 9.2% 24.2% 23.2 23.6 23,790 (内 訳)ミ ューチュアル・ファンド 2.0°/a 4.7% 6.6°/ 12.3% 14.6% 15.6: (内 訳)そ の 他 1 4.4% 14.3% '・1・f 8.9% 8.8% 19.4% 1個人90.2%6
図 表3ア メ リカ機 関 投 資 家 の 日本 に行 に対 す る議 決 権 行 使 発行会社 議決権行使 f 常任 代理人 (日 本) 機 関投資家鞠 蟻 ↑ ↓ 灘 行使←一指示書の送付外部機 関(ア メ リ カ) (出 所)佐 藤 正 典 「 わ が 国 企 業 の 会 社 運 営 に 対 す る 問 題 提 起(中)」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会, No.1358,6月25口 号,1994年,23頁,よ り引 用 し 筆 者 が 加 筆 ・修 正 し て い る 。 図 表4
図 表6機 関 投 資 家 の 企 業 に 対 す る 企 業 経 営 上 の 助 言 問 あなたは投資先の企業の経営者に対して、株主として、企業経営上の助言をしていますか。 項 目 割合 回答 01 よ く し て い る 0% 0 02 と き ど き し て い る 18% 9 03 ほ と ん ど し て い な い 51% 26 04 ま っ た く し て い な い 27% 14 05 そ の他 4% 2 Q6 無回答又は無効回答 0% 0 計 100% 51 (出 所)コ ー ポ レ ー ト
+2

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