腸 間 膜 瘢 痕 症 の 筋 電 図 学 的 研 究
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(2) 592. 井. 訂 正 した.腸. 上. 間膜 瘢 痕症 に 関 す る研 究 はそ の. 広. 腸間膜に分布す る植物神経殊に交感神経が瘢. 症 例 が 相 当 多 数 存 す る と思 わ れ る に も拘 らず. 痕 に よ り刺 戟 さ れ,そ. 比 較 的 少 い.教. 脳,大. 室 に お い て 石 山 教 授 及 び額. の 興 奮 が 脊髄 に達 し間. 脳 皮 質 に 伝 達 さ れ,局 所 の疼痛 を惹起. 田3)等 は 種 々 な 腹 部 症 状 殊 に 頑 固 な 便 秘,或. す る と同 時 に そ の 途 上 に あ る知 覚 神経細胞を. は 下 痢 と便 秘 の 交 錯,又. 刺 戟 し て 起 る 内 臓 知 覚 反 射 又 は投 影反 射によ. は原 因 不 明 の腹 痛 を. 訴 え る慢 性 症 並 び に 急 性 腸 閉 塞 症 等 の 手 術 に. る と言 つ て い る.さ. 際 し て,他. に 明 か な 原 因 を 認 め ず た ゞ腸 間 膜. は 筋 性 腰 痛 患 者 に は 全 く筋 電 図 学 的変化のな. 根 部 に 存 在 す る陳 旧 性 の 瘢 痕 が 原 因 とな つ て. い こ と を 指 摘 して い る.よ つ て 私 は腸間膜瘢. お る と考 え られ る症 例 を 多 数 報 告 して お るが. 痕 症 に 随 伴 す る腰 痛 が 果 し て い かな る機転に. そ の本態 につ い ては 依然 として不 明 の点 が多. よつ て 発 生 す る も の か,ま. い ま ゝ今 日に 及 ん で い た.本. 症 の発 生原 因 と. に 随 伴 す る腰 痛 とが 筋 電 図 学 上 いか な る差異. し て は,外. 性 炎 症 説,腸. が あ る か を 究 明 せ ん が た め 本 実験 を行 つた.. 傷 説,中. 膜 血 管 変 化 説,腸 性 成 因 説,そ. 毒 説,慢. 管 粘 膜 刺 戟 説,ア. 間. レル ギ ー. の 他 化 学 物 質 に よ る説 等 の 諸 説. が あ り,今 日で は 恐 ら く多 元 的 な も の で あ ろ う と解 さ れ て い る.. の に は 古 くよ りHinze (1927)5),. (1933)7), Reichert. 第1節. (1922)4)を 初 めKehl. Jura. (1927)6),. Stropeni. 実験 材料. れ を 先 ず 東,熊. り絶 食 せ しめ,当. 谷14),春 日15)等 の. 日 は 石 鹸 水 約50ccに て浣腸. し て 腸 管 を 空 虚 に し て 用 い た. 第2節. 外 傷 説 及 び 炎 症 説 に 裏 付 け よ う と試 み た.し. もの で な か つ た の で, 1944年 当 教 室 の 額 田9). 実 験方法. 方 法 に 倣 つ て 訓 練 馴 致 せ しめ た.開 腹 前 日よ. (1939)8)等 が あ り競 つ て. か しな が ら これ も 未 だ 充 分 肯 定 し 得 るに 足 る. た筋 性 腰痛 と本症. 動 物 実 験 に は 全 例7kg乃 至15kgの 正 常 雑犬 を 選 び,こ. 本症 の 発生 につ い て実 験的 研 究 を試 み た も u. Erb. 第2章. らに 教 室 の津 下,津 島13). 第1項 第1目. 腸間膜 瘢 痕起生法 廻 腸 々 間 膜 瘢 痕 形 成実 験. 機 械 的起 生法. 腸 間 膜 瘢 痕 症 の 外 傷 説 を 立 証 し よ うとする. は家 兎 につ いて成 因の 検討 を試 み外 傷 説 並 び. 試 み は,既 にHinze4), Kehl. に 炎 症 説 に 満 足 し 得 る 成 績 を 挙 げ,次. 額 田9),赤 松11)等 に よつ て な され,就 中額田9). いで. u. Erb5), Milone16),. 1951年 前 田10)は腹 膜 癒 着 の 問 題 に つ い て 研 究. の 家 兎 に お け る研 究 成 績 及 び 赤 松11)の犬にお. 中,ア. け る そ れ とは 臨 床 に 対 比 して 殆 ん ど満足すべ. レ ル ギー 機 転 に つ い て 家 兎 腸 間 膜 に 本. 症 の 発 生 す る の を 認 め,漸. く本 症 の 成 因 の 主. き もの で あ る.私 は15例 の 犬 を 用 い額 田9),. 流 が 把 握 され た よ うに 思 わ れ た. 一 方 本症 の 病態 生 理 に関 す る研 究は 文 献 上. 赤 松11)等 に 倣 い 機 械 的 起 生 法 に よ る瘢痕形成. に も非 常 に 少 く,主. 動 脈 を 選 び 腸 間 膜 根 部 に お い て穿 刺 し,紡 錘. として腸 管運 動 に関 す る. レ線 学 的 研 究 で あ つ た が,教. 室 の 赤 松11)は犬. を 惹 起 し よ う と し た.最 初 赤 松11)は下 腸間膜. 状 の 小 さ い 動 脈 血 腫 を 生 ぜ しめた が,淋 巴管. を 用 い 実 験 的 に 腸 間 膜 瘢 痕 症 を 形 成 せ し め,. の 結 紮 を も併 施 し た の に も拘 らず 血腫 は容易. バ ル ン 法 に よ りそ の 腸 管 運 動 を 観 察 した .彼. に 吸 收 され,瘢. は その 異常 腸管 運 動 が腸 間 膜 神経 の 異常 刺 戟. そ れ で 動 脈 を 静 脈 に か え,静 脈 血 腫形 成竝に. に 基 く自 律 神 経 の 失 調 に よ る こ と を 証 明 し,. 淋 巴 管 結 紮 に よ り漸 く瘢 痕 形 成 に成功 した.. 本症 の一 新 治療 法 として支 配 神経 を腸 間 膜根. 即 ち 私 は 腸 間 膜 根 部 よ り腸 管 に 向い 扇状に分. 部 に お い て 切 断 す る こ とを 奨 あ て い る.. 岐 走 行 す る静 脈 を 圧 迫 欝 血 せ しめ,腸 間膜根. 腸 間 膜 瘢 痕 症 に 腰 痛 を 随 伴 す る こ とが あ る. 痕 形 成 を 見 るに 至 らなかつた. 部 と腸 管 附 着 部 ど の 間 に お い て細い 注射針を. 事 実 に つ い て は あ ま り 知 ら れ て い な い が,. 用 い て 漿 膜 下 を 約1cm進 め た 後,怒 張 せ る静. 1944年 上 村12)は本 症 の14%に. 脈 を 穿 刺 し て 小 鳩 卵 大 の 無 菌 的 血 腫 を連続的. お い て腰 痛 を 訴. え る と発 表 して い る.彼 に よ る と そ の 腰 痛 は. に3乃. 至4個. 形 成 せ しめ た.次 いで 腸間膜淋.
(3) 腸間膜痕症の筋電図学的研究. 593. 巴節 に近 く,こ れ に 流 入 し て い る 数 条 の淋 巴. 死 に 陥 り,汎 発 性 腹 膜 炎 に て 死 亡 す る の で,. 管 を0号 の 絹 糸 で 結 紮 し,淋 巴 流 障 碍 に よ る. 私 は 直 接 腸 間 膜 淋 巴 管7乃. 血 腫 の吸 收 遅 滞 を 図 つ た.結 紮 した 淋 巴管 は. る方 法 を も用 い た.一. 漸 次拡 張 し淋 巴 の 欝 滞 を 来 す が,腸 管 及 び 腸. の 場 合 よ り も著 明 な 瘢 痕 を 形 成 す る よ うで あ. 間膜 には 浮 腫 を 認 め な か つ た.. り,約1ケ. 約1ケ 月後,再 開 腹 し て 観 察 す る と腸 間 膜 瘢痕 生 成 実 験 成 功 例 に お い て は,既. に血腫 は. た7例. 至8ケ. 所に 注入 す. 般 に前 者 の 方法 が後 老. 月後 の 開 腹 所 見 で は,死. 亡 を除 い. にお い ては 腸管 及 び腸 間 膜 には最 早 炎. 症 所 見 も な く,ま た 注 射 部 の 硬 結 等 も認 め ら. 完 全に 吸 收 され 血 腫 様 色 調 もな く,代 つ て 腸. れ な い.之. 間膜 根 部 よ り末 梢 に 扇 状 に 拡 が る 著 明 な 白 色. 瘢 痕 形 成 を 腸 管 附 着 部 よ り根 部 に か け て の 腸. 瘢 痕 形 成 を認 め,漿 膜 は溷 濁 肥 厚 し殊 に 血 腫. 間 膜 に 認め,腸. を形 成 した と思 わ れ る腸 間膜 根 部 と腸 管 附 着. た(附. 部 の 中間 に お い て攣 縮 像 が 見 られ る こ とは 赤 松11)の場 合 と全 く同 一 で あ つ た(附 な お5ケ. 月後 の 鏡 検 所 見 で は,腸. 芒状の. 間膜 の肥 厚 收縮 が著 明で あつ. 図2).. 3ケ 月後 の 組 織 所 見 で も,肥 厚 の 中 心 部 に. 図1).. お い て 著 明 な 線 維 束 を 認 め,ク. 間膜 の肥. 々 乏 しい 核 を 有 す る多 数 の 結 合 組 織 細 胞 を 認. 厚 が著 明 で,漿 膜 下 に 著 明 な結 合 組 織 の 増 殖 つ た.. 第2項 第1目. 炎症性 起生 法. ロマ チンに 稍. め た.. を 認 め るが,ヘ モ ジデ リン の 形 成 は 認 め な か. 第2目. に 反 し著 明 な 白 色 腱 状,星. 遠 側 結 腸 々間 膜 瘢 痕 形 成 実 験 実 験 材料. 動物 実 験並 び に その訓 練 に つ い ては 前述 と. 額 田9)及び 赤 松11)は化 学 物 質 た る ア ニ リン. 同 様 で あ る.実 験 に 移 る に 先 立 ち,犬. の大 腸. を 使 用 し腸 管 蜂 〓 織 炎 様 病 変 を 惹 起 せ しめ た. 並 び に そ の 腸 間 膜 に 関 す る位 置 的 概 念 を 得 る. ところ,そ の 治 癒 吸 收 過 程 に お い て 腸 管 の 炎. た め に,文. 症 は痕 跡 もな く吸 收 され るの に 反 し,之 に 相. よ う.. 献 に徴 して簡単 に 一瞥 を与 え て見. 当す る腸 間 膜 に 星 芒 状 の瘢痕 を 認 め る こ と を. 大 腸 は 盲 腸 と結 腸 に 分 け ら れ,後 者 は 更 に. 報 告 した.私 も こ れ に な らい 細 小1/5の 注 射 針. 近 側 結 腸 と遠 側 結 腸 に 分 け ら れ る.そ の 走 行. を 以つ て アニ リン0.2ccを 確 実 に 漿 膜 下 淋 巴. は 簡 単 な 疑 問 符 状(?)を. 腔 間 隙 に 注 入 した .注 入 直 後 ア ニ リ ンは 直 ち. の 長 さ の 比 に 分 つ 点,即. に 淋 巴 間 隙 に 拡 散 して 約10cmの. 腸 管 に及び. さ に 当 り,中 結 腸 動 脈 の肛 門 側 末 梢 枝 と左 結. 腸 間膜 淋 巴管 に も流 入 す る の を 認め た .注 入. 腸 動 脈 の 口 側 末 梢 枝 とが 吻 合 す る辺 りに 一 つ. を 確 実 に す るに は ア ニ リ ン 注 入 前 に 空 気 を 注. の 特 殊 な 部 位 が あ る(第1図. 入 して これ が 拡 散 す るの を 確 め て そ の 状 態 の ま ゝア ニ リンを 注 入 す れ ば よい .余 剰 の ア ニ リン は よ く清 拭 し て腸 管 癒 着 の 防 止 に 努 め た.し か し本 法 は 技 術 的 に む つ か し く,誤 つ て ア ニ リ ン を少 し く深 く注 入 し た 場 合 に は,ア ニ リン が 筋 層 に 達 し,そ の 部 に 停 滞 す るの で これ を腹 腔 内 に 出 な い 様 に漿膜 縫 合 を 行 つ て も, 2 乃至3日 後 に は 注 入 部 が 壊. 第1図. 呈 し,全 長 を6.5 ち 略 々 第5腰. 中 のS).. 椎の高.
(4) 594. 井. 上. 広. この 部 は 猫 に お い て, Cannon17)18)19)が 機 能. 症 々状 或 は 硬 結 等 は 最 早 発 見 され ず,ま た淋. 的 に 逆 蠕 動 波 の あ る部 と な い 部 と の 意 味 で 分. 巴 節 の 腫 脹 も著 明 に は み られ な か つ た が,そ. ち,そ. の 内 の6例. の 境 界 を 收 縮 輪 と呼 ん だ 部 位 に 相 当 す. に お い て腸 間 膜 の 腸 管 附 着部 に近. る もの で あ る.桝 田20)は こ の 收 縮 輪 が 犬 に お. 接 した 漿 膜 に瀰 漫 性 白 濁 と肥 厚 を認 め,殊 に. い て も解 剖 学 的 に 一 定 の 部 位 に 存 す る も の と. 淋 巴 管 附 近 に 著 明 で あ つ た.周 辺 の 境界 は不. 考 え,こ. 明 瞭 で,な. れ を 結 腸 括 約 部 と称 し,近 側 結 腸 と. し か し て 腸 間 膜 根 部 に は 全 く瘢 痕形 成を証. 遠 側 結 腸 の 境 界 と した. 私 は この 遠 側 結 腸 々間 膜 を 人 間 のS状. 結腸. 々 間 膜 に 相 当 す る もの と考 え,こ れ を瘢 痕 形. 明 で き な か つ た(附 第3節. 図4).. 筋 電 図検 査法. の 少 し く下 方 に は. 筋 電 図 を 誘 導 す るに は,皮 膚 表 面 よ り行 う. 存 在 し,広 範 な 腸 管 淋. 表 面 電 極 を 用 い る方 法 と,針 を 筋 肉 内 に刺入. 成 部 位 と し て 選 定 した.そ 碗 豆 大 の 淋 巴節 が3ケ. お 瘢 痕 形 成 の 進 行 期 と考 え られ る.. 巴 叢 か ら淋 巴 を 受 け 入 れ,更. に1乃. 至2本. の. 淋 巴 管 とな つ て 腸 間 膜 根 部 に 向 つ て 走 向 す る.. し て 直 接 筋 肉 よ り行 う針 電 極 に よ る方法 とに 大 別 せ ら れ る が,針 電 極 に は 更 に 或 る距離 を. 静 脈 は 遠 側 結 腸 並 び に 近 側 結 腸 よ り静 脈 枝. 置 い て筋 肉 に 刺 入 す る2針 電 極 と注射 針 内に. を 集 め つ ゝ,下 腸 間 膜 静 脈 と して 結 腸 に 近 接. 更 に 細 い 銅 線 を 絶 縁 的 に 封 入 した 同 心型 針電. し且 平 行 し て 上 方 に 走 り,上 腸 間 膜 静 脈 と集. 極 とが あ る.表 面 電 極 及 び2針 電 極 を用 いた. 合 す る.. 場 合 に は,そ. の 現 わ れ る筋 電 図 は 普 通 その附. 機 械 的起 生 法. 近 の 筋 を 構 成 す る多 数 の 運 動 単 位 の働 作 電流. に 述 べ た る如 く, 16例 の 犬 に つ. の ベ ク トル 和 と し て 現 れ,非 常 に複 雑 な もの. い て,下 腸 間 膜 動 脈 に 隣 接 した 太 い 静 脈 を 穿. とな る.又 心 電 図 そ の 他 の 混 入 し易 い 欠点が. 刺 し,小 鳩 卵 大 の 静 脈 血 腫 を 形 成 せ しめ る と. あ る.之. 同 時 に,之. よ り中 枢 側 に お い て 一 条 の 淋 巴 管. 単 位 の 放 電 を 分 離 す る 事 が 可 能 で あ り,増 幅. 絹 糸 を 以 て 結 紮 し容 易 に 瘢 痕 を 形 成 せ. 器 に ス ピ ー カ ー を 接 続 し て 放電 を音 として聞. 第2目 前 項 第1目. を0号. しめ 得 た.か 例 の1ケ. くの 如 き方 法 を 以 て 成 功 した8. 月後 の 開 腹 所 見 で は,血 腫 は 既 に そ. の 色 調 も な く吸 收 せ ら れ て い るが,こ. の部 の. に 対 し同 心 型 針 電 極 は,個 々の運 動. く事 が 出 来,又. 交 流 等 の 混 入 す る事が 殆 ん ど. な い た め に 遮 蔽 室 を 必 要 と しな い. 同 心 型 針 電 極 に よつ て 筋 電 図 を誘 導 した場. 腸 間 膜 漿 膜 は 灰 白 色 を 呈 す る瀰 漫 性 の溷 濁 と. 合 に は,個. 肥 厚 を 来 し,鞏 固 とな り,收 縮 像 も軽 度 に 認. ク 放 電 と し て 現 れ,ス. め られ た.淋. 動 単 位 の 電 極 よ りの 距 離 に 反 比 例 す る.一 般. 巴 管 の 拡 張 は な お 存 す る が,腸. 々 の 運 動 単 位 の 働 作 電 流 は スパイ パ イ クの 高 さは その運. 間膜 及 び腸 管に は浮 腫 様 の 変化 は 認 め られ な. に 健 康 骨 格 筋 に 於 て は,第2図. か つ た(附. 完 全 な 弛 緩 の 状 態 で は 放 電 は 全 く現 わ れない.. 第3目. 図3). 炎症 性起 生 法. 第2図. 本 実 験 に は12例 の 犬 を 用 い て 行 つ た.そ 方 法 と し て は,下. の よ うにその. の. 腸 間膜 動 脈 の末 梢 分 岐部 に. 近 い 遠 側 結 陽 漿 膜 下 淋 巴 間 隙 に,1/5注. 射針. を 以 て ア ニ リン0.2ccを 徐 々 に 注 入 す る か, 又 は 腸 管 に平行 に 上 行 す る1乃 至2本 管 内 に 注入 した.前. の淋巴. 者 の 場合 に お い て は 腸 管. 長 軸 に 沿 つ て 淋 巴 間 隙 に 広 く拡 散 し,一 部 は. a. は 完 全 な 弛 緩状 態. b. は 微 弱 な 收 縮状 態. c. はbよ り も強 い 收 縮 状 態. 直 ち に 淋 巴 管 を 流 れ て 腸 管 に 近 接 す る淋 巴 節. 非常に微弱な收縮 を起す と単一運動単位の. に 流入 す る の を 認 め た. 1ケ 月後 の 開 腹 所 見 と し て は,腸. 管 には 炎. 週 期の長い放電 が現われて来 る.收 縮が次第.
(5) 腸間膜痕症の筋電図学的研究 に強 ま るに従 つ て この 週 期 が 次 第 に 短 縮 す る. 595. 動 物 の 麻 酔 に は 体 重1kg当 り10%ヂ. アー ル. と共 に,一 方收 縮 に 参 与 す る運 動 単 位 の 数 が. 溶 液0.45ccの 筋 注 を 用 い た.動. 増加 し,大 小 多 数 の 放 電 を 認 め る よ うに な る. 筋 電 図 を 誘導 す るには両 側 肋 骨弓 下端 を結ぶ. もの で あ る.. 線,及. 私 は 以 上 の 点 よ り同 心 型 針 電 極 を 用 い る こ. び 両 側 腸 骨 後 上 棘 を 結 ぶ 線 に よつ て 背. 最 長 筋 を 上 中 下 に 分 け,之. に腰 方形筋 を加 え. と とした.私 の 用 い た もの は1/3乃 至1/4皮 下. 各 左 右 計8ケ. 注 射 針 に 直 径45ミ ク ロ ンの 銅 線 を セル ロ イ ド. り筋 電 図 を 誘 導 した(第4図).. 溶 液 を 以 て 絶 縁 的 に 封 入 し た もの で あ る(第 3図).. 物 の背 部 よ り. 所 に お い て,そ. か く し て 私 は,ま. の各 々の部分 よ. ず正常 犬 次 で 腸 間 膜瘢 痕. 起 生 を 試 み た 犬 に つ い て1週 間 後 よ り約2ケ 月後 に 亙 つ て そ の 背 筋 よ り筋 電 図 を 誘 導 し た.. 第3図. しか し て そ の 後 開 腹 して 腸 間 膜 瘢 痕 の 有 無 を 検 し,腸 間 膜 瘢 痕 を 形 成 し得 な か つ た 症 例 群,形 成 し得 た も の の うち 筋 電 図 に 変 化 を 示 さな か つ た 症 例 群,及. 増 幅 器 は 低 週 波4段6SJ7〜6C, 6〜6V6の. 6〜6C,. 筋 電 図 に 変 化 を 示 した 症 例 群 の3群. もの を 用 い,時 定 数 は0.1秒 と し た.. 観 察 した.し. で 筋 電 図 に 変 化 を 示 した もの は1例. 子 の もの を 用 い,回 転 数 は 普 通1回. た.. 秒,放 電 の 著 明 な 場 合 に は 約1秒. に分 つ て. か し て 瘢 痕 形 成 の な か つ た もの. 記 録 装 置 は横 河 式 電 磁 オ ス シ ロ グ ラ フH振 動 転 に 約4. び. を 要 す る如. もな か つ. 第4図. くした.又 増 幅 器 の 感 度 は常 に 一 定 に な る よ うに努 め た.一 方 に お い て 増 幅 器 に ス ピー カ ー を 接 続 し て,働 作 電 流 の 放 電 に よ る断 続 音 に よつ て,大 体 の 放 電 頻 度 を知 る こ とに し, 且 又 ブ ラ ウ ン管 に 接 続 し て 放 電 を 見 る こ とに した. 実 験 成績 中働 作 電 流 の 強 さ を 表 現 す る に は 1秒 間 の平 均 総 放 電 数 を 以 て し,判 定 に は 第 1表 に 示 す 如 くし た.. 第3章 第1節. 実 験 成 績 腸 間膜 瘢 痕起 生 手術 施 行例 の筋 電 図 につ いて. 第1表 第1項. 正 常 犬 につ い て. 何 等 処 置 を 加 え な い 正 常 犬20匹 に つ き, 10 %ヂ ア ー ル 溶 液 筋 注 に よ る麻 酔 を 行 い,固 定 台 上 に 腹 臥 位 に固 定 し腰 部 前 記8ケ 第4節. 定 したが,四. 々筋 電 図 を 誘 導 した.. 実施 方法. 実 施 に 際 して は,犬. を腹 臥位 に 固定 台に 固. 肢 の 固 定 は 強 き に 過 ぎず,む. 所 よ り各. 実 験 成 績 を 述 べ る と全 例 に お い て 中,下 腰. し. 部 背 最 長 筋 及 び 腰 方 形 筋 よ り全 く放 電 は 認 め. ろ幾分 余 裕 の あ る よ うに 固 定 した .筋 電 図 誘. ら れ な か つ た. 20例 中3例 に お い て 上 腰 部 よ. 導に は総 て 安 静 な 室 内 を 選 び,突 然 の 物 音 等. り呼 気 相 に 相 当 し て 毎 秒10乃 至15回 の 放 電 頻. に よつ て犬 が 反 射 的 に 動 揺 す る事 を 防 止 した .. 度 を 持 つ 間歇 的 放 電 を 認 め た が こ の 放 電 は 持. 寒 冷時 に は 寒 さに よ る動 物 の 戦慄 を 防 ぐた め. 続 性 で は な く 一時 的 の もの で あ つ た.之 等 全. 保温 を行 つ た.. 例 に 対 し て,手. 指 を もつ て 腰 部 に 軽 度 の 圧 迫.
(6) 596. 井. 上. 広. を 加 え た が,圧 迫 し た 瞬 間 以 外 に も筋 電 図 に. 安 静 時 に 腰 筋 よ り放 電 を 認 め た もの は,機 械. は 何 等 の 放 電 も認 め られ な か つ た.. 的 起 生 法 に よ る11例 中9例,炎. これ 等 の 正 常 犬 を 開 腹 し て 腸 間 膜 瘢 痕 の 有. よ る7例 中4例,遠. 側 結 腸 々 間 膜 で は,機 械. 無 を 検 した が,全 例 に お い て 全 く これ を 認 め. 的 起 生 法 に よ る8例 中6例,炎. な か つ た.. よ る6例 中3例. 第2項. 腸 間膜 瘢 痕 形成 不 能例 につ い て. 症 性 起生 法に. で あ つ た.以 下 之 につ いて詳. 述 す る. 第1目. 廻 腸 々 間 膜 瘢 痕 起 生 を 試 み た もの の うち,. 症 性 起 生法に. 廻 腸 々 間 膜 瘢 痕 例 に つ いて. 機 械 的 起 生 法 に よ る9例,炎. 症 性 起 生法に. 機 械 的 起 生 法 に よ る もの15例 中 形 成 不 能 な り. よ る4例 の 廻 腸 々 間 膜 瘢 痕 例 に お い ては,術. し もの は4例,炎. 後 約2週. 症 性 起 生 法 に よ る も の12例. 中 不 能 な り し もの は5例,遠. 側結 腸 々間膜 に. 間 以 後 で は 腰 筋 か ら安 静 時 放電 を認. め る こ とが で き た.そ. の 放 電 数 は 同 じ程 度の. 瘢 痕 起 生 を 試 み た も の の うち,機 械 的 起 生 法. 瘢 痕 で あ つ て も色 々 で あ り,且 又 同 一犬 にお. に よ る もの16例 中 形 成 不 能 な りし も の は8例,. い て も 日に よつ て 放 電 数 や 最 も よ く発 現す る. 炎 症 性 起 生 法 に よ る もの12例 中 不 能 な りし も. 部 位 に 差 が 見 られ るが,大. の は6例 で あ つ た.. で 殊 に 腰 部 背 最 長 筋 の 中 及 び 下 部 に お いて著. こ れ らの 瘢 痕 形 成 不 能 例 で は 全 例 に お い て 腰 筋 よ り何 等 安 静 時 放 電 を 認 め な か つ た. 第3項. 第1目. 腸 間 膜 瘢 痕 形 成 成 功 例 中筋 電. 体 に お い て両 側性. 明 で あ つ た(第2表). 第2目. 遠 側 結 腸 々間 膜 瘢 痕 例 に ついて. 機 械 的 起 生 法 に よ る6例,炎. 症 性 起生 法に. 図 変 化 を 示 さな い もの に つ い. よ る3例 に お い て 安 静 時 放 電 を 認 め た.放 電. て. 発 現 の 時 期,放. 電 数,発. 現 部 位 は廻 腸 々間膜. 瘢 痕 例 の 場 合 と殆 ん ど同 様 で あ る.即 ち起生. 廻 腸 々間膜 瘢痕 例 につ い て. 廻 腸 々間 膜 に 瘢 痕 起 生 手 術 を施 行 し た27例. 手 術 後 約2週. 間 目頃 よ り腰 部 背 最 長筋 の中及. の 中 瘢 痕 の 形 成 を 見 た もの は 機 械 的 起 生 法 に. び 下 部 に お い て 著 明 な 放 電 を 認 め る ものが多. よ る もの で は15例 中11例,炎. か つ た(第3表).. 症性 起 生 法 に よ. る もの で は12例 中7例 で あ つ た.こ. の うち 筋. 第2節. に及 ぼす影 響について. 電 図 に 全 く放 電 を 認 め な か つ た もの は 機 械 的 起 生 法 に よ る も の で は2例,炎 よ る もの で は3例 の 僅 か27%に. で,瘢. 症性 起 生 法 に. 痕 の 形 成 を み た もの. 腸 管 支 配 神 経 切 離 の筋 電図. 1944年 上 村12)は 腸 間 膜 瘢 痕 症 患 者 の14%に お い て 腰 痛 を 訴 え,こ れ が 瘢 痕 切 除 術 を行 う. 過 ぎ な か つ た.. の み で 腰 痛 に 対 して 何 等 の 処 置 を行 わ ないの. 遠 側結 腸 々間 膜 瘢痕 例 に つ い て. に これ の 消 失 乃 至 は 軽 減 す る事 を 発表 し,彼. 第2目. 遠 側 結 腸 々 間 膜 に 瘢 痕 起 生 手 術 を 施 行 した 28例 の うち,瘢. 痕 の形 成 を 見た ものは 機械 的. 起 生 法 に よ る もの で は16例 中8例,炎 生 法 に よ る もの で は12例 中6例. 症性 起. で あ つ た.こ. は こ の腰 痛 は 瘢 痕 中 の 交 感 神 経 が 刺戟 され た た め に 起 る内 臓 知 覚 反 射 に よ る もの で あろ う と推 論 し て お り,又 赤 松 は 腸 間 膜 瘢 痕犬 の異 常 腸 管 運 動 を 営 む もの に 瘢 痕 部 の 中枢側 神経. の うち 筋 電 図 に 全 く放 電 を 認 め な か つ た も の. 切 離 を 行 え ば 略 々 正 常 な 腸 管 運 動 にな る事を. は 機 械 的 起 生 法 に よ る も の で は2例,炎. 実 験 的 に 証 明 し て い る,然. 起 生 法 に よ る もの で は3例 た もの の35%を. で,瘢. 症性. 痕形成を見. 占 め,少 数 例 で は あ るが 廻 腸. の 場 合 に 比 して 多 い. 第4項. らば,私 の 実験の. うち 正 常 例 に お い て は 安 静 時 に.は腰 筋 よ り全 く放 電 を 認 め な い が,実. 験 的 に作 成 した腸間. 膜 瘢 痕 例 で は 前 述 の よ うに 大 部 分 の ものが安. 腸 間 膜 瘢 痕 形 成 成 功 例 中筋 電. 静 時 に 放 電 を 認 め る よ うに な るの は 何故であ. 図 変 化 を 示 す もの に つ い て. ろ うか.ま. 廻 腸 々 間 膜 に 瘢 痕 を 起 生 し 得 た もの の うち,. た,こ. れ に 腸 管 支 配 神 経 の切離を. 行 う と こ の 安 静 時 の 放 電 は 如 何 な る変 化を示.
(7) 腸間膜痕症の筋電 図学的研究 すで あ ろ うか.こ. の 点 を追 求 す るた め に 以 下. 廻腸々間膜瘢痕例神経切離前 後 の筋電図 の変化. 述 べ る よ うな 実 験 を行 つ た. 第1項. 第2表. 597. 廻 腸 々間 膜 瘢 痕 例 の 神 経 切 離 実験. 第1目. 実験 方法. 開腹 後 先 ず 廻 盲 部 腸 間 膜 の 根 部 を 求 め,太 い静脈 を 目 標 に 漿 膜 上 約2cmの 漿 膜 切 開 を行 い,動 静 脈 を露 出 す る如 く漿 膜 下 脂 肪 組 織 を 遊 離 す れ ば,血 管 に 密 接 し て 走 る幾 条 もの 神 経線 維 が 露 出 す る.な お こ れ を 〓 子 を以 て挫 圧 又 は 牽 引 す れ ば 犬 は 号 泣 し逃 避 運 動 を 行 う こ とに よ り容 易 に 小 さ い 動 脈 と鑑 別 出来 る. 目視 出来 る線 維 は 余 す 所 な く約2cmの 亙 り切 除 した.悉. 長 さに. く切 除 した 後 漿 膜 縫 合 を行. い閉 腹 した. 尚一 部 に お い て は 中枢 側 神 経 切 離 を 行 わ ず 瘢 痕 の 中 枢側 腸 間 膜 を 半 月状 に 切 離 し,殊 に 動 静 脈 附 近 に お い て 充 分 に 剥 離 切 離 し た もの もあ る.従 つ て 本 実 験 に お い て は 交 感,副. 交. 感 両 神 経 共 に 切 離 せ られ て い る もの と考 え て よい. 第2目. 実験 成績. 腸間 膜 瘢 痕 形 成 手 術 後 数 回 の 筋 電 図 検 査 に よ り安 静 時 に 放 電 を認 め た例 に お い て 再 開 腹 した もの は 全 例 に 瘢 痕 形 成 を 認 め た .こ れ に 対 し前 目 に述 べ た 方 法 に よ つ て神 経 切 離 を 行 い,術 翌 日 よ り数 回 に 亙 り筋 電 図 検 査 を 行 つ た ところ,全12例. 中11例 に お い て は 手 術 翌 日. よ り全 く放 電 を 認 め な い よ うに な つ た. .た ゞ 1例 に お い て の み 放 電 の 残 存 す る の を 認 め た. が,こ れ も手 術 翌 日 よ り放 電 は 著 明 な 減 弱 を 示 してお り,そ の発 現 範 囲 も多 分 に 縮 少 し て い た.こ の 神 経 切 離 前 及 び 切 離 後 の 放 電 数 の 変化 を 表 に して 示 せ ば 第2表 第2項. 第1目. の 如 くで あ る.. 瘢 痕 領 域 を 走 る大 腸 下 半 部 の 神 経 は 下 腸 間. 遠側 結 腸 々間膜 瘢痕 例 の神 経. 膜 神 経 に 相 当 す る も の で,該. 切 離 実験. 神 経 で あ る と 一般 に 考 え られ て い る.. 実験 方法. 前項 に お い て 述 べ た 如 き腸 間 膜 瘢 痕 症 の 際. 抑 々犬 の 大 腸 下 半 部 は 交 感 神 経 な る下 腸 間 膜 神 経 と,副 交 感 神 経 な る 骨 盤 神 経 の 同 時 支. の腰 筋 の筋 電 図 の 変 化 に 対 し て 腸 間 膜 神 経 が. 配 を 受 け る が,こ. 如何 な る程 度 に 関 与 し て い る もの で あ る か を. ゝ交 感 神 経 を 切 離 し た 場 合,放. 追求 す るた め に は,侵 害 部 を 走 向 す る神 経 の み を切離 して 比 較 検 討 す る こ とが 適 切 で あ る .. 神経 は 現今 交感. の 副 交 感 神 経 を 保 持 した ま 電 の認 め られ. る腸 間 膜 瘢 痕 例 に お い て は 筋 電 図 学 的 に 如 何 な る変 化 を 来 す で あ ろ うか.そ. の 成 績 を 交 感,.
(8) 598. 井. 上. 副 交 感 両 神 経 と も に 切 離 し た 前 項 の そ れ と比. 広. 第3表. 遠側結腸 々間膜瘢痕例神経切離 前後 の筋電図の変化. 較 し て,本 症 に お け る神 経 支 配 の 態 度 を 究 明 せ ん と し た. 即 ち10%ヂ. ア ー ル 溶 液 筋 注 麻 酔 の も と に第. 4乳嘴 を 中 心 に 左 直 腹 筋 外 縁 切開 に て 開 腹 す れ ば,手. 術 野 に 下 腸 間 膜 動 脈 と並 走 す る下 腸. 間 膜 神 経 叢 を 容 易 に 求め る こ とが で き る.こ こに お い て 瘢 痕 よ り中 枢 側 即 ち 腸 間 膜 根 部 に 接 し て 漿 膜 を 約2cmに 亙 り切 開 し 動 脈,静. 脈,. 淋 巴 管 を 遊 離 す れ ば か な り太 い 神 経 線 維 束 が 認 め ら れ る.こ れ を ノ ボ カ イ ンに て 麻 酔 後 こ の 部 を2cmの 長 さに 切 除 し,動. 脈 壁に密着 し. て い る 線 維 も残 らず 切 離 し て 漿 膜 縫 合 を行 い 閉 腹 した. 第2目. 実験 成 績. 実 験 成績 は前 項 廻 腸 々間膜 瘢 痕例 に おけ る と全 く同 様 で あ る.即 ち 実 験 例9例. の うち8. 例 に お い て は 手 術 翌 日 よ り全 く放 電 を 認 め な くな つ た.た. ゞ1例 に お い て の み 放 電 の 残 存. す る の を 認 め た が こ れ も手 術 翌 日 よ り放 電 数 は 著 明 に 減 少 し て い た.本 の 場 合 と全 く同 様 で,交 場 合 と交 感,副. 成 績 は 廻 腸 々間 膜. 感 神経 のみ の切 離 の. 交 感 両 神 経 の 切 離 の 場 合 と筋. 電 図 上 差 が な い もの と思 わ れ る.こ の 変 化 は 第3表. に 示 す 如 くで あ る.. 附 図. 5参 照.. 【附 】 瘢 痕 部 神 経 染 色 に つ い て 犬 の 腸 間 膜 は 非 常 に 薄 く透 視 で き る程 で あ り,人 間 の 場 合 の 如 く瘢 痕 の み を 剥 離 す る 事. お け る知 見 よ り類 推 す る こ とは で き うるけ れ ど も,私 は 赤 松11)の方 法 に な らい 犬 を用 いて. は 困 難 で あ る.強 い て 之 を 行 え ば 腸 間 膜 動 静. 結 腸 々 間 膜 に 瘢 痕 を 起 さ しめ,こ れ に対 し神. 脈 は 架 線 の 如 くに な り,ま た 血 管 の 損 傷 は 必. 経 切 離 を 行 つ た 前 後 の筋 電 図 所 見 を比較 検討. 然 的 と な る.よ つ て 神 経 切 離 も止 む を 得 ず 中. して み た の で あ る.. 枢 側 腸 間 膜 根 部 に お い て 行 つ た の で あ る.. まず 最 初 に 機 械 的 起 生 法 並 に 炎 症性起生 法. こ の 瘢 痕 部 の 組 織 標 本 をBielschowsky氏 髄 鞘 染 色 法 に て 染 色 した と こ ろ,附. 図6の. に よ つ て 犬 の 廻 腸 々間 膜 並 に 遠 側 結腸 々間膜 如. く多 数 の 大 小 の 神 経 線 維 が 発 見 され た.. に瘢 痕 を 形 成 せ しめ た と こ ろ,大 多数 に比較 的 容 易 に 瘢 痕 を 形 成 せ しめ る こ とが で きた. 次 に 正 常 犬 並 に これ ら の うち 瘢 痕 形成 不能な. 第4章. 総括 並 び に考 按. 腸 間膜瘢 痕 症 の 発 生 機 転 に 関 し て こ れ を 実. り し もの 及 び 瘢 痕 形 成 に 成 功 せ し ものについ て 瘢 痕 形 成 が 完 了 した と思 わ れ る2週 間後 よ. 験 的 に解 明 し よ う と した 先 人 の 努 力 は 殆 ん ど. り約2ケ. 小 腸 々 間 膜 に 傾 注 せ ら れ,結. 誘 導 した.そ. 腸間 膜 に おけ る. 月 に 亙 り数 回 そ の 腰 筋 よ り筋電図を の 結 果 これ ら の瘢 痕 形成に成功. 研 究 は 赤 松11)の 本 症 に お け る 腸 管 運 動 に 関 す. し た 犬 の 中 に お い て の み 術 後2週 間 目頃 より. る研 究 の み で あ つ た.も. 腰 筋 に 安 静 時 放 電 を 認 め,正. つ と も小 腸 々 問 膜 に. 常 犬 及 び瘢痕形.
(9) 腸間膜痕症の筋電図学的研究. 599. も放 電 を 認 め た もの. る瘢 痕 で あ つ て も各 々 に よ つ て 求 心 性 神 経 を. は なか つ た.ま た か ゝる放 電 を 認 め た 例 に 於. 刺 戟 す る程 度 が 違 うで あ ろ う し,一 方 自律 神. て そ の 中枢 側 神 経 を 切 離 す る こ とに よ りそ の. 経 系 な る もの は 非 常 に デ リケ ー トな 機 能 を 有. 放電 が 消 失 した こ とか ら腸 間 膜 瘢 痕 症 の 際 に. す る もの で 同 じ条 件 の 下 に お い て もそ の 反 応. 現わ れ る腰 筋 の 放 電 は 瘢 痕 部 を 通 過 す る求 心. 程 度 の 異 な る こ とは 屡 々で あ る.従 つ て 同 じ. 性 イ ンバ ル スに よ る もの で,そ. の 興奮 が脊 髄. 様 な 瘢 痕 で あ つ て も之 が 求 心 性 神 経 を 刺 戟 す. に達 し同 じ高 さの 分 節 の 反 射 弓 を 通 り前 角 細. る場 合 と然 ら ざ る場 合 とが 当然 起 り得 るわ け. 胞 に 伝 り,遠 心 性 線 維 に よ つ て腰 筋 に ス バ ス. で あ る.額. ム スが現 れ,こ れ が 筋 電 図 に よ つ て 誘 導 され. 本 症 患 者 に っ い て レ線 を 以 てS状. た もので あ り,腸 間 膜 の 瘢 痕 中 枢 側 の 神 経 切. 検 した が,そ. 離 に よつ て こ の 伝 導 反 射 路 の 求 心 路 が 遮 断 さ. は 攣 縮 性 を,或. れ て腰 筋 の ス バ ス ム ス も消 失 し,筋 電 図 上 に. と述 べ て い る が,こ. も放電 の消 失 を 来 した も の と考 え られ る.し. る もの で は な い か と考 え る.而. か して この腰 筋 よ りの 放 電 が 手 術 直 後 に は 認. 中に遭 遇 した瘢 痕犬 の腸 重積 症 発生 時 に おけ. め られず,. る手 術 中 に 腸 間 膜 根 部 の 神 経 を 切 離 した と こ. 成 不能 な りし犬 に は1例. 2週 間 後 よ り認 め 初 め られ る こ と. は 極 め て 興味 あ る こ とで あつ て,こ. 田36)はS状 結 腸 々間 膜 に 発 生 し た 結腸 運 動 を. の観 察 に おい て同 一患 者で 或部 部 は 弛 緩 性 を 現 す こ とが あ る れ も上 述 の 如 き理 由 に よ して私 が 実験. れ は瘢 痕. ろ 直 ち に 腸 ス バ ス ム ス が 非 常 に 微 弱 とな つ た. 形 成即 ち結 合 組 織 の 増 殖 が 充 分 出 来 た 時 期 と. 事 実 よ りし て も,腸 間 膜 瘢 痕 症 の 示 す 諸 障 碍. 略 々一 致 して お り,こ の 時 期 は 丁 度 そ の 部 の. は 瘢 痕 に よ る求 心 性 神 経 の 異 常 刺 戟 に 基 く内. 瘢痕 組 織 が求 心 性 神 経 を 刺 戟 し は じめ た 時 で. 臓 知覚 反 射即 ち神経 障 碍 に よる もので あ る こ. あ ろ う と考 え られ る.然 ら ば 腸 間 膜 に お け る. とは 容 易 に 肯 定 で き る と こ ろ で あ る.ま た,. 求 心 性 神 経 は脊 髄 の ど の 高 さに 入 つ て お る で. 私 は 腸間膜 瘢 痕 内 に多数 の神 経 線維 が存 在 す. あ ろ うか.木 村21)は家 兎 腸 間 膜 の 求 心 性 神 経. る こ とをBielschowsky氏. の所 属 脊髄 断 区 を 侵 害 反 射 を 用 い て 決 定 し て い るが,彼 に よ れ ば 廻 腸 部 は 胸 髄ⅩⅠ 〜腰 髄 Ⅴ, 主 根 は腰 髄Ⅰ〜Ⅲ,下. 行 結 腸 は 腰 髄Ⅱ 〜 Ⅶ,. 主 根 は腰 髄Ⅵ 〜Ⅶ とい う.而 して 侵 害 反 射 は 脊髄 後根 を 介 して 脊 髄 中 に 入 り大 部 分 は 同 側 の側 索 を,一 部 は他 側 の 側 索 を 上 行 して 脳 中 枢 に伝 達 され る とい う.又 渡 辺22)の腹 直 筋 を. 第5章 1). 染 色 に て 明 か に した.. 結. 論. 正常 犬 及 び 腸間膜 瘢痕 起 生実 験 を施 行. し た が 瘢 痕 形 成 不 能 な り し もの に お い て は, 筋 電 図 検 査 に よ り腰 筋 か らの 安 静 時 放 電 は 全 く認 め ら れ な い. 2). 瘢 痕 を 有 しな が ら,安 静 時 放 電 の 認 め. ら れ な い も の も少 数 な が ら存 在 す る が,瘢. 痕. 対 象 とす る内 臓 運 動 反 射 の 実 験 に よれ ば,消. を 認め た ものの大 部 分 は常 に放 電 を認 め る こ. 化 管 の刺 戟 は左 右 の 腹 直 筋 に 対 し て 平 等 に 收. と が で き る.. 縮 を起 して お り,一 側 の 交 感 神 経 幹 を 切 除 す る と同 側 の腹 直 筋 運 動 は 微 弱 とな り反 対 側 は もと通 り收 縮 を 現 わ す こ と よ り消 化 管 の 反 射 弓 は主 と して 同 側 性 一 部 交 叉 性 とい う こ とが. 3). を 有 し,そ れ らは 腸 間 膜 神 経 切 離 に よ り直 ち に 放 電 の 消 失 を 来 す. 4). 判 る と述 べ て い る.私 の 実 験 成 績 も木 村21)の. す る.. 脊髄 断 区 に 略 々 一 致 し て い る し,ま た 腰 部 両. 5). 側 に放 電 が 出 現 す る こ と も渡 辺22)の研 究 か ら 容易 に 理解 で き る と こ ろ で あ る.な お,上 述 の他 に 瘢 痕 を 有 しな が ら放 電 が 出 現 し な か つ た例 が 少数 な が ら存 在 す る の は 如 何 な る理 由 に よ る もので あ ろ うか .抑. 々一 見同 様 に見 え. 放 電 を 認 め る もの の 全 例 に お い て 瘢 痕. 瘢痕 部 に は大 小 多数 の 神経 線維 を証 明. 本 実 験 に よ り腸 間 膜 瘢 痕 症 時 に お け る. 腰 筋 よ りの 安 静 時 放 電 は 瘢 痕 部 を 通 過 す る求 心 性 神 経 の 異 常 刺 戟 に 基 く内 臓 知 覚 反 射 に よ る もの で あ る こ とが 分 つ た. 本 編 の文献 は第2編 に 於て一括 掲 載す るを以 て茲 に は省略 す る..
(10) 600. 井. 1 st. Department. 上. 広. of Surgery, Okayama. (Director: Electromyographic. University Medical School.. Prof. Dr. D. Jinnai). studies. on. the. PART. mesenteritis. cicatricans.. I. By. Hiroshi. Inoue. The scar was made by mechanicaland inflammatoryway on the mesenteriumin dog experimentally. of dorsal lesion rium. muscles. In. 22. from. of the nerves were. proved. cases of these. 32. about. after. of the by. 2 weeks mesenterium.. Bielschowsky's. cases discahrgesat the. operation.. Countless. sheath. nerve. rest were. found. in the myogram. which. ceased. immediately. the. fibres. in the scar of the mesente. staining.. As mentioned above, it is a viscerosensory reflex caused by abnormal stimulation of afferentnerve fibrespassing through the scar..
(11) 腸間膜痕症の筋電図学的研究. 601. 井 上 論 文 附 図 附図1. 機械的起生法による廻. 附図2. 側結腸腸間膜瘢痕. 腸腸間膜瘢痕. 附図3. 炎症性起生法に よる廻 腸腸間膜瘢痕. 機械的起生法による遠. 附図4. 炎症性起生法に よる遠側 結腸々間膜瘢痕.
(12) 602. 井. 井 附図5. 上. 上. 論. 広. 文. 附. 図. 附図6. 瘢痕形成時及び神経切離後 の筋電図の変化. 犬 におけ る腸間膜瘢痕 中の神経線維.
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