• 検索結果がありません。

16 1. 主な事業内容 1) 職域健診 被扶養者健診 安全衛生法関係法令に基づく各種健康診断 特殊健康診断 特定健康診査 生活習慣病健診及び人間ドッグ 行政指導に基づく特殊健康診断 2) 地域健診 ( がん検診 ) 婦人がん検診を主とする各種がん検診 特定健康診査及び後期高齢者健康審査等の住民健診

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "16 1. 主な事業内容 1) 職域健診 被扶養者健診 安全衛生法関係法令に基づく各種健康診断 特殊健康診断 特定健康診査 生活習慣病健診及び人間ドッグ 行政指導に基づく特殊健康診断 2) 地域健診 ( がん検診 ) 婦人がん検診を主とする各種がん検診 特定健康診査及び後期高齢者健康審査等の住民健診"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

各種事業活動

(2)

1. 主な事業内容

2. 2013年度 事業全体の活動

1)職域健診・被扶養者健診

・安全衛生法関係法令に基づく各種健康診断・特殊 健康診断 ・特定健康診査 ・生活習慣病健診及び人間ドッグ ・行政指導に基づく特殊健康診断

2)地域健診(がん検診)

・婦人がん検診を主とする各種がん検診 ・特定健康診査及び後期高齢者健康審査等の住民健診

3)婦人がん検診

・職域における子宮がん検診及び乳がん検診

4)学生・児童生徒の健診

・学校保健安全法に基づく学生・児童生徒の入学時 及び定期健康診断

5)健康支援

・健康診断後の事後指導 ・産業医活動 ・保健指導 ・特定保健指導 ・メンタルヘルス支援 ・電話相談 ・講演会の講師派遣など

6)作業環境測定

・事業場における環境測定

■ 取り組み

 2013年度は、官公庁や地方自治体の入札制度におい て、価格重視と思われる落札が顕著でありました。また、 2014年度から実施予定の消費税の引き上げを見越した価 格競争がすでに起こりつつあり、健診機関同士の低価格 競争が激化する傾向にあります。当協会は、このような 経済情勢と環境の中において、さらなるコスト意識の徹 底と顧客志向の重視を目指します。これに加えて公益財 団法人の認定申請に掲げた公益目的事業(健康診断、保 健指導、作業環境測定及び健康の保持増進に関する各種 啓発資料の発行、講習会の開催並びに健康診断等関わる 医学の研究による支援事業)を行うことで、職域、地域、 学校等における健康管理、作業管理、作業環境管理の適 正化を進め、他の健診機関との差別化を図りながら健診 事業を展開していくことを目標とします。また、精度の 高い健康診断事業を展開していくにあたり、機器の更 新・新規導入は不可欠と考えます。2013年度は基幹にあ たる健診システムの新規構築と導入、検診車のX線完全 デジタル化についての実施を予定しています。当協会は、 労働安全衛生法を始めとする各種法律に基づく健康診断 を中心に主に検診車による巡回方式により展開していま す。また、施設における人間ドック・婦人科検診につい ては「生活習慣病」や「がん疾患」の予防と早期発見を健 康診断事業の大きな柱として運営しています。  保健指導・健康教育については、健康診断結果に基づ く保健指導を実施するほか、予防医療分野への積極的な 取組み、保健指導、生活習慣病予防のための生活改善指 導、栄養・運動指導と受診勧奨、VDT症候群予防のため のセルフケアと職場環境改善指導等を行い、健康教育・ 健康相談・無料保健セミナー等を開催します。さらに職 域におけるメンタルヘルスの不調者やセクシャルハラス メント、パワーハラスメント等の問題に対して、心理相 談を含めた教育・保健指導等を実施します。  作業環境測定については、測定の実施分析と併せて、 現在の作業環境状態に関する資料を提供し、有害な作業 環境を改善するための方策を専門的見地からアドバイス しています。主な測定項目としては粉じん、有機溶剤、 特定化学物質等を使用する事業場の作業環境測定を実施 します。また、従業員10人未満の事業場における作業環 境整備の遅れに対する対策として、作業環境測定の必要 性・重要性を伝えるリーフレットを作成・配布するなど の地道な取り組みを行います。

(3)

3. 健診・検査事業

1)健康診断

(1)一般健康診断

■ 取り組み

 医療の進歩により男女とも平均寿命が延びています が、必ずしも健康寿命が延びている状態とはいえません。 寿命が延びても病気の治療に専念しなければならない期 間が延びたのでは、QOL(生活の質)が高い状態にあると はいえません。QOLの高い人生を送るには、先ず病気に ならないように生活し、健康寿命を延ばすことが大切で あり、運悪くに病気になった場合には、病気を早期発見・ 治療することが必要です。  労働者の健康確保のために事業者は法律(労働安全衛 生法66条)に基づき、労働者に対して医師による健康診 断を実施しなければなりません。また、労働者は事業者 が行う健康診断を受けなければなりません。  事業者に実施が義務づけられている主な健康診断(一 般健康診断)には、以下のものがあります。 ① 雇入れ時健康診断(労働安全衛生則第43条)  常時使用する労働者が対象で雇い入れの際に実施 ② 定期健康診断(労働安全衛生則第44条) 常時使用する労働者(特定業務従事者を除く)が対象で 1年以内ごとに1回実施 ③ 特定業務従事者健康診断(労働安全衛生則第45条)  (注)参照 ④ 海外派遣労働者健康診断(労働安全衛生則第45条の2) 海外に6ヶ月以上派遣される労働者が対象で海外に派

■ 活動結果・報告

 2013年の労働衛生協会にとっては「財団法人」として 事業活動をする最後の年となりました。2008年の「公益 法人認定に伴う法律と一般法人移行に伴う法律」に基づ き、当協会は2013年12月末に「一般財団法人」移行申請 の準備を完了させることができました。また、2013年は 基幹システムを一新し、「契約情報登録から健診計画と 実施及び結果報告から請求まで」を効率的に一元管理が 可能となる「総合健診情報システムへの移行」を行いま した。この二つの大きな移行の事業において、各部門の 責任者は通常業務と並行して「システム化推進プロジェ クト」と「公益法人改革対応作業部会」での作業を着実に 行い、様々な問題を解決しつつ、移行を行い記録に残る 年となりました。  「健康診断事業」については、当協会は、労働安全衛 生法を始めとする各種法律に基づく健康診断を中心に健 康診断事業を展開して参りましたが、国民の関心の高い 「生活習慣病」や「がん疾患」の予防と早期発見を健康診 断事業の大きな柱として、施設健診の地域に根付いた事 業の充実の他に「ネットワーク健診」による全国の医療 機関との提携を深め、健康診断サービスの広域的展開と いう点において、更に充実を図りました。また、当協会 の主幹事業である検診車による「巡回健診事業」も確実 に前年以上の業績を残すことができ、長野支部と本部の 対前年度を上回る結果に結びつきました。  今後の重要な位置づけとなる「保健指導・健康教育事 業」においては、産業医、保健師・管理栄養士が事業所 に出向き、事業所に対する保健指導を推進すると共に、 指導メニューの充実を図り質の高い保健指導を目指し実 施するよう努めました。また、動脈硬化学会の基準変更 に伴い、新たな保健指導の資料を作成し活用しました。 また、日野市の特定保健指導を柱に保健指導実施数は大 幅に増加し、特定保健指導、健診事後指導を合わせて昨 年実績より約50%増となりました。今年度実施した特定 保健指導対象者アンケート調査では、回答いただいた約 9割以上の方に「ほぼ満足」したという回答を得ることが できました。メンタルヘルスケアについては事業所にお ける営業職員のメンタルケアに関する面談を実施しまし た。産業カウンセラーと保健師が各営業所を回り面談を 実施し、近年法制化が注目されるメンタルヘルスへの対 応へ着実な実績を残しました。  「作業環境測定事業」において、2013年度の実施数は測 定項目全体で前年比べほぼ横ばいであり、単位作業場数 としては有機溶剤と騒音検査が微増でした。また、有害 物質(粉じん・金属・有機溶剤・特定化学物質)取扱い事 業所に対して年2回の測定を実施し、作業場の有害物質 の現状把握を行い作業環境評価の結果を報告しました。 環境管理が適切でない場合には、事業所に作業環境の改 善や有害作業環境の改善の相談に応じ、提案・指導を積 極的に行って職場環境改善をサポートしました。改善後 にその確認と有害業務に従事する作業者に対する特殊健 康診断と有害環境の正確な評価を行うための情報提供も 行い、働く人々の健康を確保することに努めました。  「公益法人改革への取組み」について2012年7月に内閣 府あて公益財団法人認定申請を行い、2013年度も昨年度 に引続き「公益法人改革対応作業部会」にて公益財団法 人認定に向けて活動を行いました。定款の内容・構成の 見直し、公益目的財産額の算定方法の再検討、その他説 明書類の補強資料作成を公益認定等委員会事務局と教示 を仰ぎながら行って参りましたが、「健康診断事業」につ いての検討をしていく中で、2013年7月に一般財団法人 への移行申請に切替えることとし、2013年11月に一般財 団法人移行申請を行いました。

(4)

遣する際、帰国後国内業務に就かせる際に実施 ⑤ 給食従事者の検便(労働安全衛生則第47条) 事業に付属する食堂または炊事場における給食に従事 する労働者が対象で雇い入れの際、配置換えの際に実 施 (注)特定業務健康診断の特定業務とは *深夜業・坑内業務・暑熱業務など(労働安全衛生則第13条第一 項第2号に規定) 事業者はこれらの業務に従事する労働者に対し、当該業務へ の配置替えの際、及び6ヶ月以内ごとに1回、定期の一般健康 診断を実施することが、労働安全衛生則第45条に規定されて います。  当協会では、これら一般健康診断の目的達成の為、診 療放射線技師や看護師、臨床検査技師ら専門職が各種研 修会等に積極的に参加し、専門知識の研鑽に励むだけで なく、その他の職員においても全国労働衛生団体連合会 等が主催する研修会に可能な限り参加し、検査精度の確 保及び向上に努めてまいります。  また、長野県支部においては、ここ数年の傾向として 生活習慣病健診を実施する事業所が増加傾向にあり、特 に小規模の事業所において全国健康保険協会(協会けん ぽ)管掌の生活習慣病健診を実施する事業所が増加して います。この健診を労働安全衛生法に基づいて事業主が 行う健診として実施している事業所がほとんどであり、 今後もこの傾向は続くものと思われます。

■ 活動結果・報告

 2013年度の職域健診において、「一般定期健康診断」と して実施した件数は、本部巡回・高井戸東健診クリニッ クと長野県支部併せて、20万件強であり前年と比較して 微増でありました。  高い検査精度を維持するために可能な限り研修会に参 加し、検査精度の確保及び向上に努め、全国労働衛生団 体連合会等が主催して行われる精度管理に積極的に参加 した結果、2013年胸部デジタルエックス線写真での評価 は特に高く、研修会で使用するモデル写真の一つに選ば れるなど成果も上げることができました。今後も引き続 き、精度管理の向上に努めていきたいと思います。  昨今、医療費削減による医療行政の財政健全化が引き 続き社会問題となっています。そのために病気にならな い生活習慣を身につけること。予防医療の充実が社会に 望まれる中、健康寿命を延ばしQOLの高い人生を送ると いう社会的な要請に少しでも応えられるよう、健診後の 事後措置を通した保健指導の一層の体制作りも引き続き 重要な課題となってきています。肥満化傾向への生活習 慣の悪化は若年層から始まっており、より早い段階での 生活習慣の改善が必要とされています。また肥満に限ら ず、その他の疾病についてもより早い段階でのアプロー チが叫ばれる中、今後は当協会として若年層をターゲッ トとした保健指導の働きかけといった、より具体的な体 制の整備が急務となっています。  また、長野県支部においては、当協会が実施する20万 件強の件数のうち、一般健康診断を約43,000件を行って おります。健診種類の内訳としては法定健診が約22,000 件、法定省略健診が約9,500件、生活習慣病が約11,500件 となっています。  今後は少子高齢化社会の到来で、労働人口の減少に伴 う健康診断受診者数の減少の見通しもあり、事業所の ニーズや長野県という地域の特性を考慮した上で、それ らに即した健診実施にあたっていく所存です。

(2)特殊健康診断

■ 取り組み

 特殊健康診断には、法律で定められているものと、通 達等による指導推奨(行政指導)に基づくものとがありま す。 【特殊健康診断とは】  特定の有害物(例:有機溶剤、鉛など)を扱う労働者、 有害な作業環境下(例:粉塵の多い職場)で働く労働者に 対して、有害因子により健康障害が引き起こされる、あ るいはその可能性の有無を早期に把握するために行われ るものです。  法律で定められている特殊健康診断には以下のものが あり、この法律で定められた有害業務に該当する事業所 は作業実施者に対し、一般健康診断とは別に所定の特殊 健康診断が義務付けられています。  ① じん肺健康診断(じん肺法)  ② 有機溶剤健康診断(有機則)  ③ 鉛健康診断(鉛則)  ④ 特定化学物質健康診断(特化物)  ⑤ 電離放射線健康診断(電離則)  ⑥ 四アルキル鉛健康診断(四ア則)  ⑦ 高気圧作業健康診断(高圧則)  ⑧ 石綿健康診断(石綿則)平成17年7月施行  ⑨ 歯科健康診断(安衛則第48条)  また、法令での義務はないものの通達等によって健康 診断が行政指導として指導奨励されている特殊健康診断 にはVDT、騒音、腰痛、振動工具、紫赤外線等33種類程 度があります。更に事業所の判断による健診等、その健 診項目は多岐に亘っています。特に特定化学物質のイン ジウム化合物、エチルベンゼン、コバルト及びその無機 化合物は、法改正により2013年から健康診断項目・検査 項目が追加されました。  特殊健康診断は時代に併せ、対象物の変更や対象者範 囲の変更等によりその内容が随時見直しされることか

(5)

ら、法規の改正には常に留意しています。

■ 活動結果・報告

 特殊健康診断はその種類が多岐に亘り、じん肺健診・ 石綿健診・有機溶剤健診・鉛健診・電離放射線健診・特 定化学物質健診・高気圧作業健診・四アルキル鉛健診・ 歯科健診・さらに行政指導による32種類の健診、また事 業所の判断による特殊健診等、その健診項目は多種類に 亘っています。  2013年度の特殊健康診断の法定健診実施件数は本部と 長野県支部と合わせて、延べ19,001件でした(項目別に ついては統計データ参照)。前年度17,761件と比較して 1,240件増加しました。そのうち増加が顕著な特定化学物 質健診については、2013年より追加されたインジウム化 合物、エチルベンゼン、コバルト及びその無機化合物の 項目が増えたため前年度の実施件数より約1,000件増加し ました。  法定健診の受診件数19,001件中、判定A1は18,296件 (96.3%)でした。ただし特殊健診の判定区分は種目によ り異なり、判定区分には作業管理・作業環境管理も含め た判定がなされています。例えば、有機溶剤健診の判定 A2はそのほとんどが尿中代謝物の分布区分2あるいは保 護具未使用であり、判定Bは尿中代謝物検査において分 布区分3が含まれており、ともに作業環境測定の勧奨が されています。有機溶剤尿中代謝物の分布区分2は364件 (4.4%)、区分3は46件(0.6%)であり、そのほとんどが馬 尿酸(トルエン)が占めています。

2)検体検査関連

■ 取り組み

 本部における検体検査関連の取り組みは、新たな健診 システム導入に併せ、内部処理から委託検査機関へ全面 外注に移行し、検査データのシステム的な処理形式を構 築します。 ① 検体検査全面外注への移行  2012年まで臨床検査グループでは、精度の高い検査結 果をお客様に提供するために、日々の精度管理、それに 伴う試薬及び管理物質の厳選な選択とコスト削減、リー ス契約などによる分析機購入費の削減、効率のよい人員 配置と作業の効率化など様々な取り組みを行ってきまし た。しかし2013年度、リース契約が残すところ1年余り となり、新健診基幹システムと検査システムの連携を併 せて精度面・コスト面・人材育成面など様々な角度から、 検査室の今後の可能性を含め方向性を検討しました。  2013年度、新健診基幹システムへの移行及びリース契約 の更新時期であることを機に検体検査を内部処理から委託 検査機関への全面外注へ変更することを決定しました。 ② 新健診基幹システムと検査データのシステム的な運用 について  現行の検査システムを介さず、検査データを取り込め るよう委託検査機関へ対応を依頼しました。新健診基幹 システムへのデータの取り込みとデータ処理が確実に行 われるか検証し、システム的なデータ処理形式の構築を 進めます。  長野県支部においても、新健診基幹システム導入に伴 い、検体検査を委託検査機関へ依頼する際の業務手順を 見直します。従来は検査依頼書の内容や検査する検査項 目の確認を手動で行う等、かなりの時間を要していまし たが、新健診基幹システムでは血液項目等の情報を事前 に登録することにより、検査依頼もスムーズかつスピー ディに行うことが可能になります。また実際の検体数と 基幹システムに登録された検体数との照合を確実に行い ます。

■ 活動結果・報告

 本部では全面外注に向け、委託検査機関の選定ととも に、検査室内にある分析機器の撤収・廃棄等を進めまし た。特に分析機器は血液を分析してきた経緯から感染性 廃棄物に関わるため、特別な配慮を要しました。また、 委託検査機関については、新健診システムに対応するシ ステムを構築できる対応力等、精度、コスト等様々な面 を考慮した上で選定しました。  さらに、健診事業部等と検体の授受、検体の搬送保存 管理についての入念な打ち合わせを行い、スムーズな移 行に向けて準備を進めました。これと並行して委託検査 機関の変更に伴うシステム内の検査基準値を見直し、お 客様にご報告しました。  検体検査は全面外注となりましたが、精度のよい検査 結果をお届けするため、今後も全国労働衛生団体連合会 等の外部精度管理に積極的に参加し委託先の管理監督も しっかり行い、正確な検査結果を迅速に御報告出来るよ う努めて参ります。  長野県支部においても、新たな健診システムの導入に あたり想定される様々な事柄に対し、システムのマニュ アル等を参考にしながら準備をする中で、本稼働前には 本番同様にテストを行い、委託検査機関への情報伝達や 運用方法について検証を重ねました。新システムの導入 効果で従来実施していた業務が簡略化できました。また、 これまで以上に委託検査先業者との連絡・確認を密にし たことにより、システム運用面の安定化に結びつきまし た。

(6)

3)生理学検査

■ 取り組み

 本部では、労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断、 特殊健康診断、地域の住民健診、学校保健法に基づく児 童・生徒等の健康診断における生理学検査として、主に 心電図検査・眼底検査・超音波検査・肺機能検査・超音 波骨密度検査等を実施しています。  心電図検査は、動脈硬化や心筋の異常・不整脈などを チェックすることが主な検査意義であり、職域、地域住 民、学生等幅広い年齢層に実施しています。眼底検査は、 高血圧症や糖尿病による病性変化の評価はもとより、近 年高齢化に伴い失明原因の眼科疾患の中で上位を占め今 後も増加が見込まれる緑内障や加齢黄斑変性症等のスク リーニング検査として、健診における検査意義は大きい と考えられます。また肺機能検査は、塵肺法における検 査の実施以外に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の重症度を判 定するための検査としても実施されています。当協会に おいては、日本呼吸器学会肺生理専門委員会による「呼 吸機能検査ガイドライン」に基づき、検査を行っていま す。骨密度検査は、踵骨に超音波をあて、骨を通過する 速度から骨密度を測定する方法を用いて、主に骨粗鬆症 の予防及び早期発見のために実施しています。  各種検査機器については日々デジタル化が進み変化し ていますが、検査技術等に関しては臨床検査技師の一定 の技量が必要なことには変化はありません。組織として 臨床検査技師がみな同じ精度の結果が出せるよう、そし て更にその精度をグループ全体として保持できるよう全 国労働衛生団体連合会主催の研修会やその他外部講習会 に積極的に参加しています。特に超音波検査では今後、 日本消化器がん検診学会・日本乳腺甲状腺超音波医学会 等の推奨するガイドラインや判定基準に沿って検査を実 施することが求められるため、学会への参加は不可欠で す。学会で発表された文献等を適時確認し、技術の進歩 や変化にリアルタイムに対応していく予定です。  また、基礎知識の確認や業務の確認、外部講習会等で 得た最新の医療知識等の情報交換やその知識の水平展開 のために、内部研修会やミーティングも定期的に行い、 グループとして精度向上に努めています。検査機器の精 度管理に関してもメーカーによる定期点検を実施するだ けでなく、当協会内部で毎日の点検・週1回の点検・月 に1回の点検なども実施することにより故障など早期に 機器の変化に気づくよう努めています。  長野県支部おいては、主に心電図検査・眼底検査・肺 機能検査を実施しています。また、検査機器においては 新たに1台、眼底撮影装置が導入されました。眼底検査で は、新しい装置を使用しより正確に検査できるように技術 を向上させること、心電図検査・肺機能検査においては 情報の収集・交換により、健康診断における生理機能検 査としての知識や顧客満足度の向上に努めていきます。

■ 活動結果・報告

 当協会全体での2013年度の検査実施件数は、心電図検 査約158,000件であり、2012年度と比べほぼ横ばいの実施 件数でした。実施したものの内、本部における心電図の 緊急連絡件数は40件でした。内訳は23件が初回の心房細 動であり、次いで上室性もしくは心室性期外収縮の頻発、 ショートランが5件、房室ブロック、高度頻脈などが残 りを占めています。  超音波検査は当協会全体で腹部約38,000件で2012年度 と比べほぼ横ばいの実施件数でした。一方で当協会の肺 機能検査実施件数は年々減少傾向にあります。  前年に引き続きメーカーが協賛・主催する各講習会を 始め、全国労働衛生団体連合会が主催する講習会も受講 し、検査技術や検査精度の向上に努めています。2013年 度は全国労働衛生団体連合会が主催する腹部超音波検査 の精度管理に初めて参加しました。今後は単なる参加・ 受講に留まらず、超音波検査士といった認定資格につい ても技師全員が取得を目指し、より精度の高い検査を実 施することにより、社会へ還元していくつもりです。  2013年度は基幹システムの変更に対応すべく、眼底検 査に関して、検査から読影まで全面デジタル化を行い、 ほぼ全ての実施事業所に対応しています。今後、全ての 生理機能検査機器においてデジタル化を図り、より正確 でスピーディに検査結果を提供できる体制を整えていく 予定です。  また、長野県支部においては、当協会全体のうち心電 図検査実施件数は31,324件、眼底検査実施件数は1月、2 月の健診事業所にて眼底検査が追加になったため2012年 度の3,506件から大幅に増え6,625件、超音波検査につい ては腹部2,458件・下腹部90件・乳腺227件で延べ2,775件 でした。長野県支部内部での超音波検査実施を目指し、 引き続き装置の導入と検査技師の育成を行う予定です。

4)放射線検査

■ 取り組み

 集団検診における「胃がん検査」の中で、厚生労働省 のがん検診の有効性評価及び国立がん研究センター予 防・検診研究センターにより対策型がん検診について死 亡率を減少させる有効性が科学的証拠により、実証され 推奨されている検査は「胃X線検査」のみです。当協会は、 日本消化器がん検診学会による「新・胃X線撮影法ガイ ドライン」に基づき新撮影法を導入し、検査を行ってい ます。  巡回健診において、受診者への安全対策や法令遵守の 立場から、胃がん検診のみ実施する場合も含め、すべて の現場において医師が必ず同行しています。また、安全 面とサービス面において、受診後にお渡ししている下剤 の使用方法について説明書の記載内容を工夫していま

(7)

す。この説明書の原案となっているものは、医療法人社 団進興会理事・馬場保昌先生の承諾を得て、馬場塾より 引用させていただいています。  具体的な記載としましては、以下の内容を明記してい ます。 ① 用法及び1日の最大使用量 ② 厚生労働省通達を含めたバリウムの副作用 ③ バリウムの排便が困難なときの医療機関受診時に伝え るべきこと  以上3項目です。また、お渡しする下剤の量について も製薬会社に確認の上、使用に十分な量をお渡ししてい ます。  読影については「がん対策基本法」によるダブル読影 を全面的に採用し実施しています。  撮影方法は「新・胃X線撮影法ガイドライン」に基づ く新撮影法に準じた8体位撮影を基本に実施しています。 「新・胃X線撮影法ガイドライン」に基づく新撮影法の導 入により、高濃度・低粘性バリウムの使用が標準化され、 透視観察中に微細な粘膜画像まで確認できるようになり ました。デジタル化とともに撮影中に微細画像も確認で きるようになり、技師の撮影中の読影技量も非常に重要 になってきています。そのため、技師の教育として「日 本消化器がん検診学会胃がん検診専門技師」の認定取得 を目指すことを目標とし、学会への入会と学術集会に参 加するようにしています。  厚生労働省が2010年3月にとりまとめ「チーム医療の 推進」でとりあげられている『実施可能な行為の拡大、 明確化』で放射線技師の業務として「画像診断等におけ る読影の補助」があります。将来の読影補助業務として 備えるため診断の基礎となるX線診断学、内視鏡および 病理学の知識を学べる勉強会に積極的に参加していま す。また、日本消化器がん検診精度管理評価機構が実施 している読影部門B資格を取得に向けて取り組んでいま す。  胸部撮影においては、定められている精度管理基準に 合わせ、装置の業者による保守点検及び内部点検を実施 しています。また全国労働衛生連合会に加盟しており、 撮影技術面では同連合会が主催で実施している総合精度 管理調査の胸部X線写真分野に参加し、A評価を取得し ています。また、デジタル化においてはPACSを利用し ての読影システムを構築しました。セキュリティ面にお いて今まで以上に安全対策に万全を期しております。  また、長野県支部の新たな活動として「乳がん検診の マンモグラフィ検査の実施」に向け検討を開始しました。 20人に1人の方が乳がんにかかるといわれる時代の中、 受診者の関心度も高く、お客様アンケートなどではマン モグラフィ検診も検査項目に入れてほしいという要望も あります。早期にそういった要望にこたえられるよう長 野県支部でも実施に向け進めて参ります。

■ 活動結果・報告

 本部における2013年度の胃部X線検査の協会内部実施 件数は20,300件であり、2012年度の実施件数は45,091件 であったため、前年度と比較して実施件数は24,791件(前 年度比55.0%)の減少となりました。これは2013年度より 「ABC検診」に切り替えた事業所があったため減少しま した。また、胃部X線検査後の下剤使用説明書の記載内 容を変更したところ、受診者から下剤服用についての問 い合わせは大幅に減少しました。  胃がん検診専門技師の認定については、引き続き認定 取得に向けて取り組みを強化していく予定です。精度面 においては、今後は更に画像のデジタル化により病変部 の画像調整及び前年との比較読影が容易になり、精度の 向上が期待できます。デジタル撮影(デジタル化対応)は 検査精度が上がるだけでなく、被ばく量を低減すること ができます。  本部における2013年度の胸部X線検査の協会内部実施 件数は160,500件でした。2012年度の実施件数は207,386 件であったため、前年度と比較して実施件数は46,886件 (22.6%)の減少でした。  胸部撮影では全国労働衛生連合会主催の総合精度管理 調査の胸部X線分野において、A評価を取得し参加全施 設中全国5位以内に入ることができました。  また、長野県支部においては、2013年度の胸部X線検 査協会内部実施件数は43,228件であり、前年41,305件と 比較して1,923件増加しました。  胃部X線撮影検査の長野県支部での実施件数は5,573件 であり、長野県支部においても胃部X線検査から「ABC 検診」に切り替えた事業所があり、大きく減少していま す。  今後も、胃がん検診のスクリーニング検査として胃部 X線検査の有効性等を説明する機会を増やし、より多く の方に受診していただけるよう努めて参ります。また小 規模事業所の方への対応として、市町村等の公共施設を 利用し、生活習慣病健診等を実施するなど健診の機会を 設けることで健康の大切さ、予防医学の重要性など多く の方々に広めていく事ができればと考えております。

5)健診情報処理

■ 取り組み

 2013年度は本部、長野県支部ともに新健診システムを 使った結果処理へと移行していきます。新健診基幹シス テムへの切り替えにより、従来お客様に提供していた品 質を落とすことのないよう、かつ早く正確な結果返却が 可能となるよう効率的な運用を目指し、システムや帳票 類など新たな作業手順の構築に取り組んでいます。  健診内容ごとに処理方法が異なることや事業所により 仕様が多岐に亘ることから、旧システムでは基幹システ

(8)

ムとは別に「サポートシステム」を構築し対応してきま したが、情報処理グループとしてそれらを使いこなせる 者に仕事が偏ってしまう問題がありました。そこで、可 能な限り基幹システム内で解決できるよう設定していく ことで、作業に携わる者の業務の幅を広げ、作業の円滑 化へとつながるよう取り組んでいます。  また、お客様への「納期短縮」と「正確なデータ提供」 のためには、受診票発行処理・入力処理・判定処理・出 力処理といった各工程間での「進捗管理」と「情報の共 有化」が不可欠です。情報処理グループ全体の毎朝のミ ーティングや社内メール、共有ファイル等を活用し各個 人が得た情報や提案などを積極的に発信していくことに より、各工程間の認識のずれを無くし後工程のことまで 考えた処理を行い、情報処理業務全体がよりスムーズに 流れるよう皆が意識して動けるように努めています。  新健診基幹システムの特徴は、健診の受注から請求ま で全ての業務工程を一元管理するシステムですので、部 署内だけではなく協会全体として他部署との連携や情報 共有がより重要となりました。他部署との「報告・連絡・ 相談」を密に行うことでより良い健診をお客様に提供で きるよう、今後も努めていきたいと思います。  

■ 活動結果・報告

 本部では、以下の健診実施スタイルにより、お客様の 健診結果処理の方法が異なります。 ① すべて当協会の定型健診スタイルで実施し、結果を出 すもの ② 提携医療機関で健診を実施し、受診票・各種検査デー タ等すべてを回収し、結果を出すもの ③ 提携医療機関で健診を実施し作成された結果票を回収 し、データ処理後結果を出すもの  2013年4月より一部事業所での③の結果処理からスタ ートし、9月にはほぼ全面的に新健診基幹システムでの 結果処理へと移行しました。情報処理業務としては、「お 客様への納期短縮」と「正確なデータ提供」を目標に掲げ 業務に取り組んでいます。事業所ごとに異なる多種多様 なニーズに対応するため、情報の共有化を図り各工程で 必要な情報の「見える化」を行っています。各業務工程 でリスクを特定し、ポイントを押さえリスク管理してい くことがミスを防ぐための体制であると考え、日々その 体制づくりを行い、PDCAを回し業務を行っています。 また、効率よく正確な結果を迅速にお客様に返却できる かが、今後の課題となります。  対策として、朝のミーティング時に各工程で現在の進 捗状況や課題、他部署からの情報などを発表させること で、作業に携わる者全員が現状や問題点を把握すること ができています。また情報処理グループ全体で動けるよ うになってきており、積極的な提案なども増え問題解決 につながっています。  当協会の高井戸東健診クリニックでの健診結果処理は 事業所も健診内容も多岐に亘り、結果内容や進捗管理な ど大変細かな対応が必要です。判定から結果出力までを 同一チーム編成で行うことで、より正確な内容かつスム ーズな結果返却が行えるようになってきています。  新健診基幹システムも本格的に稼働しましたが、スピ ーディに適正な結果を受診者に提供するためには、シス テムだけではなく運用面でもまだまだ創意工夫や改善が 必要であり、そのための知識や技術の習得も必要不可欠 です。様々なニーズに正確に対応していくためにも、「人」 という財産が日々の仕事を通して大きくなっていけるよ う、環境も整備していきたいと考えています。  長野県支部では、新システム運用開始に伴い、委託検 査機関からの検体検査結果がWeb経由で返却されるよう になりました。以前と比べ結果データの受け取りにかか る時間が短縮されたため、お客様への健康診断結果報告 の返却期間の短縮が可能になりました。  また今後は、本部と長野県支部の作業の統一化に向け、 日々の業務の中で発生する細かな変更点などの情報の共 有を図ります。「業務の更なる効率化」を目指し、連携を 強化していきます。

(9)

4. 産業保健

1)保健指導

■ 取り組み

 厚生労働省の発表した日本人の平均寿命は(平成24年) 男性79.94歳、女性86.41歳となりました。その一方で、「日 常生活に制限がなく生活できる期間」である健康寿命は (平成22年)男性70.42歳、女性73.62歳と算定されていま す。これら平均寿命と健康寿命との差は、「日常生活に 制限が生じ、医療や介護を必要とする期間」を意味しま すが、この期間が男性は約9年、女性は約12年あること を示しています。今後、平均寿命が延びるにつれて、こ の差が拡大すれば健康上の問題だけではなく医療費や介 護費もさらに増大することが懸念されています。  健康寿命を脅かす原因として多い循環器疾患の中に は、生活習慣が原因となって起こる高血圧や虚血性心疾 患、脳血管疾患が含まれています。これらは、食事、飲 酒、喫煙、運動、睡眠、ストレスなどの生活習慣が何十 年と積み重なり引き起こされるので、問題となる生活習 慣を改善することが重要です。  健康管理グループには、健診結果についての電話問い 合わせが年間約300件ありますが、そのうち「判定に対 する対処の問い合わせ」が約4割を占めています。主な内 容としては「判定の意味がわからない・これからどうし たらよいかわからない・数値を改善したいが方法がわか らない」などです。健診受診者の中でお問い合わせをく ださる方はごく僅かであり、そのまま異常を放置し適切 な対処ができていない方も多いと推測されます。数値に 異常が出た段階ですぐに保健指導などの適切な介入が行 われ、生活改善がなされれば将来病気に罹患するリスク を減らすことができます。また健診の事後指導未実施の 事業所に対しては、「健康経営」の視点から職場の健康づ くりの大切さをお伝えしていくことが重要と考えます。 社員一人一人の心身の健康を保つために、健診事後指導 や特定保健指導の活用、ストレスチェックやメンタル相 談を実施することも有効です。健診結果を集計し、有所 見の傾向などの分析や健康セミナーの開催など職場の健 康づくりのための支援メニューもご提案します。支援の 詳細メニューとしては「食事・運動・喫煙・酒・メンタ ルヘルス」などであり「個別・集団」など、ご要望に応じ て対応しています。  健康管理グループでは事業所の委託を受け、特定保健 指導や定期健康診断の事後措置の一環である保健指導を 行っておりますが、産業保健スタッフが常駐している事 業所以外では健診事後指導や特定保健指導を行っていな い事業所が大部分です。 【2013年度取り組み2大テーマ】 ① 集団への保健指導  ある事業所の健診結果を集計したところ「血圧・血糖・ 脂質」の有所見者が多い傾向にあったため、昼食の時間 帯に食堂に社員を集めて、改善のためのポイントについ て講話を行いました。個別面談にはない浸透率の高さや、 職場全体の健康意識の底上げにもつながることを実感し ました。さらに、アンケート調査により、社員の健康意 識や要望について把握することができ、職場の健康づく りのヒントを得る機会となりました。このような成果が 得られたことから、今後は集団への保健指導も実施して いきたいと思います。 ② メンタルヘルス対策  健康管理グループでは、ストレスチェックの診断結果 を基にメンタルスタッフによる事業所でのメンタル相談 (面談)を実施しています。また相談の中で得た情報から、 傾向・課題を分析し、事業所にフィードバックを行って います。  現在、仕事や職場において「強い不安や悩み、ストレ スがある」という労働者は6割に達しています。また、厚 生労働省の統計によると精神障害の労災認定件数(平成 24年)が全国で475件と過去最多となったことからも、メ ンタルヘルスを良好に保つことは、働く意欲や生産性の 向上・職場の活性化・業績の向上などにつながるため、 メンタルヘルス対策は事業所の重要なリスクマネジメン トとなっています。  健康管理グループでもストレスチェックツールを導入 し、事業所でのメンタルヘルス対策を支援できる体制を 整えていく予定です。また、協会内においても実際にス トレスチェックツールを使用し自己チェックを行ってい くことや、研修会などでのメンタルヘルスケアに関する 講習会の企画などメンタルヘルスケアを進めたいと考え ています。  長野県支部においても特定保健指導の対象になる方が 毎年増加しています。初回では容易に減量できると思っ ていた方も実際に取り組んでみると、数値に変化がみら れないと意欲が低下し、途中で挫折してしまう方、体重 測定をしなくなってしまい増えてしまう方、ストレスで 逆に過食になってしまう方などと難しい面が出てきてい ます。2 ~ 3回目の方に対して、少しずつでも改善につ ながる結果が得られるようステップアップできるような 声掛けを行っています。  また、対象者ご本人は理解していても食事を作る家族 の協力を得られず、スムーズに進まないケースもありま す。中には時間的・経済的な理由から協力を拒否され、 家族には内緒で取り組んでいるケースもあるため、希望

(10)

者には「現在の状況や取り組みの必要性と協力のお願い」 を家族あてに文書で送るなど、取り組みに対して支援を いただくような対応もしています。事業所担当者との連 絡も密に行い、励ましの声かけ等をお願いしカバーして います。  健診事後指導では、若いころ事後指導をした方が40歳 を過ぎて特定保健指導の対象者になるケースも多く、加 齢に伴い体の変化があることを理解していただけるよう 努めています。再検査の指示が出ているのに受診しない 方も多く、必要性を説明し受診を促しています。  その他にも健康イベントの紹介、健康読本の配布、熱 中症・食中毒予防のパンフレット配布などの情報提供も 行っています。

■ 活動結果・報告

 本部では、職域における定期健康診断の事後指導やメ ンタル相談、特定保健指導等を保健師の定期的な訪問に より実施しています。2013年度は、健診事後指導・メン タル相談を合わせて348件、特定保健指導は576件でした。  事業所への保健師訪問による保健指導は、事業者の要 望に応じて特定の期間に集中的に複数の保健師や管理栄 養士と保健指導を実施するか、または同一保健師が定期 的に事業所へ出向き継続した相談・フォローを行い職員 との信頼関係を築き、保健指導を実施しています。この ような職域での保健指導は、定期健診の事後指導として 特定保健指導の対象になる前の40歳未満を対象に生活習 慣病予防の視点から各対象者の個別性に合わせた保健指 導を実施し、生活習慣等の改善を促しています。  2013年度の特定保健指導実施数は、積極的支援・動機 付け支援を合わせて576件と前年度より201件増加しまし た。このうち、医療保険者との個別契約での実施件数が 530件(前年度より290件増加)、集合契約での実施件数が 46件(前年度より5件増加)でした。このように大幅に特 定保健指導の実施数が増えた背景には、市町村との委託 契約が増えたことや事業所の担当者へ案内を行ったこと が挙げられます。市町村との委託契約については、パン フレットの作成や対象者へのパンフレットの送付、電話 勧奨など面談実施前の活動にも力を入れました。また、 支援終了後にアンケートを実施したところ、全体の約7 割の方から「とても満足」という回答をいただくことが できました。食事面と運動面それぞれにおいても、約6 割の方から「とても満足」という評価をいただくことが できました。感想・要望などを知る良い機会となり、次 年度の保健指導に生かすべく、引き続きアンケートも実 施して参ります。  近年、企業の「健康経営」が注目されています。これ は社員を経営資源として捉えて投資する、つまり社員の 健康づくりに力を入れることで、心身ともに健康で生産 性の向上や収益の増加を目指すという考え方です。その 他、「健康経営」は健康保険料負担の抑制や企業のイメ ージアップ、突然死の予防など様々なメリットがありま す。また、今後も少子高齢化による労働者人口が減少す る中で、労働力の維持や確保が重要となるため企業は社 員の健康づくりを積極的に支援していく体制が求められ ています。それらを進めていくためには、健診を受けて 終わりではなくその健診結果を活用していくことが大切 です。まずは健診事後指導や特定保健指導を行っていく ことが有効だと思いますので、今後も積極的な活動を行 っていきます。  長野県支部の2013年度の保健指導の実施件数は314件 で、内訳は健診事後指導141件(44.9%)特定保健指導173 件(55.1%)でした。  健診事後指導の相談内容は、脂質異常と肥満が多くを 占め、動脈硬化の進行が憂慮されることからメタボリッ ク症候群対策中心の指導となりました。  特定保健指導は6年目になり、一度対象から外れた方 がまた対象になるケースも出てきています。対象外と なったことで安心してしまい、新しい生活習慣が継続で きなかったり、勤務の異動等による環境の変化に伴う生 活リズムの乱れなど様々ですが、再度プログラムに取り 組んでもらうなど、基本的なコントロールの仕方を確認 してもらい継続できるよう支援しました。  また、40歳未満のメタボリック症候群の方への特定保 健指導の実施数も増え、若年層からの意識改善も重要と 感じています。  長野県は昔から脳血管疾患による死亡者が多く、県で は1981年~ 1983年に減塩キャンペーンを行うなど、啓蒙 に努めてきました。2010年度栄養調査では、塩分の1日 摂取量が男性12.5g・女性10.7gと全国平均を上回り、食 塩消費量全国4位・味噌消費量1位・醤油消費量8位・砂 糖消費量1位であり、脳血管疾患もまだ多いのが現状で す。このことから保健指導では特に「薄味」に力を入れ、 対象者だけでなく家族への啓蒙にもつながるよう心がけ ています。  メンタルヘルス対策については、ストレス性健康障害 の早期発見を目的とした健康相談を実施している事業所 もあり、早期療養・早期治療につなげています。仕事や 職場への不安・悩み・ストレスを抱える方が増え続けて いるためストレス対策は重要な課題となっています。

2)産業医活動

 産業医業務サービスWORKERS DOCTORSと連携し 当協会が健康診断を担当している約70事業所(グループ 内事業場単位含む)について「産業医活動」の支援を行っ ています。  近年、産業医に求められる役割として、安全衛生委員 会への出席や職場巡視及び健康診断後の健康管理に関わ る指導に加え、超過勤務労働者に対する面談やメンタル ヘルス不全者への対応がより強く求められるようになっ てきています。その背景としては「平成25年度 労働衛生

(11)

のしおり」に示されているように仕事において「強い不 安、悩み、ストレスを感じている労働者」は、昭和57年 には約50%であったものが、徐々に増加し平成9年のピー クでは62.8%になってきています。その後、各社のメン タルヘルス対策が進んできたためか、平成19年には58% に少し低下しましたが、平成24年には、60.9%と再び6割 を超えるようになってきました。その原因として、合理 化、リストラクチャリングによる人員削減に伴う、一人 あたりの業務負担の増加とその結果としての時間外労働 の増加が大きく関連していると考えられます。  この状況を改善するため、メンタルヘルスに取り組ん でいる事業場の割合を現行の47.2%(平成24年労働者健康 状況調査)から平成29年までに80%以上にする目標を掲げ ています。それに関連して、平成23年に審議未了のまま 廃案となったメンタルヘルス対策の強化を含む労働安全 衛生法の改正案の提出に向けた検討を行っています。  この改正により事業者は労働者に対し、医師・保健師 等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ス トレスチェック)を実施しなければならないものとなる ものと思われます。(従業員50人未満の事業場について は当面の間、努力義務)この制度により、労働者のスト レスマネジメントの向上を促し(セルフケア)、職場環境 の改善につなげ、メンタルヘルス不調の未然防止のため の取り組み(一次予防)を強化することとなります。実施 についての細目は、今後示されることになっていますが、 ストレスチェック項目を定期健康診断時に組み入れるこ とを希望する事業場が多数になることも予想されますの で、今後は「集計・判定」についての対応を考えていき ます。

5. がん検診

1)胃がん検診

■ 取り組み

 近年、胃がん検診の検査方法も様々になってきていま すが、当協会では国の指針をふまえ一次検診は問診と胃 X線検査をお勧めしています。  一次検診では健康な方と多少でもがんの可能性が疑わ れる方を篩い分ける事が最大の使命になるため、今後は その精度を上げるという意味で内視鏡への切り替えやペ プシノーゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査の併 用も積極的に勧めています。  受診者も年齢層が幅広いため、検診の際その方のご負 担が少なくなるようにできるだけ短時間で撮影が終了す るように心がけています。特に職域での巡回検診の場合、 限られた時間内で終了する事を余儀なくされます。しか しながら精度管理上、ガイドラインに基づいた手技およ び撮影枚数を遵守していますので、時には『待ち時間が 長い』『何枚も撮ったようだが何かありましたか』等の苦 情や不安の声もいただきます。その際は担当技師が丁寧 に事情説明を行っています。  今後も引き続き『負担の少ない撮影』を心がけてまい ります。また検診車・クリニック等、撮影環境や撮影フ ロアの整理・整頓を徹底することで受診者の皆様に安全、 かつ安心して受診していただける環境を整えると共に、 撮影不良等を防止してまいります。

■ 活動結果・報告

 定期健康診断として実施している件数も含め2013年度 の「胃がん検診」総実施件数は46,246件であり、有所見者 は8,820件で全体の約19.1%でした。総実施件数のうち男 女比は男性68.4%・女性31.6%(約7:3)であり、年齢構成 は40歳以上76.2%・40歳未満23.8%でした。胃がん検診の 受診率は年々増加しているもの「平成25年 国民生活基礎 調査」によると男性45.8%に対し、女性33.8%と受診率に は性差が生じてしまっています。女性の胃がん検診受診 率の向上の対応として、当クリニックでは「レディース デー」を設け、胃がん検診を含め女性が「がん検診」を受 診しやすい環境を整えています。  また当クリニックでは、胃がん検診として胃部内視鏡 検査も実施しています。2013年度の胃部内視鏡実施件数 は189件でした。今後、より多くの方に受診いただける よう受け入れ体制の整備を行い、質・量ともに充実した 医療を提供できるよう努めてまいります。

(12)

2)子宮がん検診・乳がん検診

■ 取り組み

 高井戸東健診クリニックの「女性のためのがん検診フ ロア」(婦人科・乳腺科)は開設から7年目を迎え、2012 年4月から乳腺科常勤医師の赴任にあわせマンモトーム 生検を再開し、精密検査や一般診療においても充実を図 っています。治療施設との連携の強化をすすめ、治療だ けでなくMRIなどの画像診断の依頼も行うようにしてい ます。また、治療機関での治療後の経過観察などを当ク リニックに逆紹介していただける体制も整えています。  予約システムの整備は数年来の課題で、婦人科乳腺科 だけの問題ではありませんが、まずは両科のFAX予約を 昨年に続き推進しています。  地域への貢献ともなるジャパン・マンモグラフィ・サ ンデー(J.M.S.)への参加は昨年に引き続き実施の予定で す。地域貢献の面では、地域医師会との連携も大切であ るため、婦人科医師の医師会入会が実現し、地元医師か らの紹介に今後つなげていきます。

■ 活動結果・報告

① 広報活動・地域との連携・インターネットの活用  当クリニックのアピールすべき点を整理して個人向け 人間ドックおよび女性がん検診セットの改訂を6月に行 い、企画広報室に協力を仰ぎホームページに掲載しまし た。2階「女性のためのがん検診フロア」の長所を生かし たドックや検診セット内容となっています。  4月から杉並医師会および杉並区産婦人科医会にクリ ニック現場の医師が参加し、地域医師との連携が深まり ました。 ② 予約センター設置とFAX予約の推進  クリニックとは別室に予約センターを設置し、1階「総 合健診フロア」と2階「女性のためのがん検診フロア」の 両方の予約を扱うことができるように変更しました。電 話に加え、職域検診や「女性のためのがん検診フロア」 での一般受診及び区民検診、さらに個人向け人間ドック の予約のためのFAX利用を拡大しました。「女性のため のがん検診フロア」の一般受診者には昨年から積極的に FAX申し込み用紙を配布していたので、利用が定着して きています。 ③ クリニック関連会議の充実  診療開始前の申し送りに加え、月1回は「総合健診フ ロア」と「女性のためのがん検診フロア」のスタッフ全体 会議を行っており、当協会全体の重要会議からの報告も 取り入れ、各スタッフが大局から仕事を捉えることがで きるようになりました。外来運営会議も再開されました。 ④ 精密検査やフォローアップ体制の強化  「女性のためのがん検診フロア」は、一次検診だけで なく、二次・三次検診(子宮頸部円錐切除、マンモトー ム生検なども含む)やフォローアップ検診を行うことで、 治療が必要な患者を速やかに治療機関に紹介するととも に、治療は未だ不要でもフォローアップが必要な患者の 管理をきちんと行うことを目的としています。  乳腺科は、2012年4月より常勤医師を迎え、マンモトー ム生検をはじめとする各種精密検査を再開するとともに クリニック外でも台東区マンモグラフィ巡回検診に尽力 いただきました。常勤体制は残念ながら2013年3月まで となりましたが、精密検査体制などは引き継がれており ます。 ⑤ 問診票、受診票、結果報告書、クリニック掲示の改訂  婦人科、乳腺科では、受診者説明に利用するパンフレ ットの改訂や新規作成を行いました。クリニック壁面の 掲示を全面改訂しました。 ⑥ ジャパン・マンモグラフィ・サンデー(J.M.S.)への参加  2010年より参加し、4回目を迎えました(詳細は別項参 照)。マンモグラフィ検診だけでなく乳房エコー検診や子 宮がん検診も行えることを特徴としております。2013年 度は総合健診フロアでの健康診断も参加を計画しまし た。 ⑦ アンケート調査の実施  受診者への接遇改善のためのアンケートを前年と同様 に「総合健診フロア」「女性のためのがん検診フロア」と もに行いました。 ⑧ 職員への教育  学会、講習会への個人の参加とは別に、クリニック主 催でクリニック以外の部署にも公示して6月に「月経困 難症の薬物療法」の勉強会を行いました。 ⑨ マンモグラフィ二重読影のシステム改善 個人情報保護や結果報告に要する時間短縮のため、施設 内で行うことにしました。

(13)

6. 作業環境測定

■ 取り組み

 作業環境測定グループでは、「健康」で「安全」な職場 づくりのエキスパートとして職場の労働衛生対策の推進 に積極的に取り組んでいます。作業環境測定を通して職 場の有害物の存在状態を科学的に評価し、作業環境が良 好であるか、改善措置が必要であるかを判断しています。  作業環境中には「ガス・蒸気・粉じん」等の有害物質 や「騒音・放射線・高熱」等の有害エネルギーが存在す ることがあり、これらが働く人々の健康に悪影響を及ぼ すことがあります。これらの有害因子による職業性疾病 を予防するためには、これらの因子を職場から除去する か一定のレベル以下に管理することが必要であり、その ための第一歩が作業環境の実態把握と必要な対策のため の情報を得ることであり、それが「作業環境測定」であ ります。  近年、事業場に新たな機械や設備が次々と導入され、 原材料等化学物質の使用も多様化しており働く人々の作 業環境は危険度が増しているためリスク管理のタイムリ ーな対応が急務となっています。粉じん・化学物質の使 用・騒音など、事業場には働く人々の健康を脅かす恐れ のある様々な有害要因が存在しています。そのために作 業環境測定を行い、有害性の程度を評価し結果に応じて 環境を改善することは、働く人々の健康を守る上で法で も定められた事業者の責務でもあります。職病性疾病に よる被災者は近年減少傾向にありますが、じん肺症や有 機溶剤中毒等の災害も発生しているのが現状です。  作業環境測定グールプではお客様に「満足・安心」し ていただける測定結果を提供できるよう、測定の知識・ 技術に関して自己研鑽に日々努めています。また、日本 作業環境測定協会主催の総合精度管理事業にも積極的に 参加し、精度向上に努めています。測定に関する質問等 には迅速にお答えし、場合によっては直接出向いて作業 場の改善策のアドバイス等を行うなど、お客様との関係 を密にすることを常に心掛けています。作業者の皆様が 安心して仕事に専念できるような職場の環境づくりを支 援しています。  さらに、お客様からの御相談、作業現場の下見調査等、 迅速に対応し納得頂けるまで「親切・丁寧」をモットー に日々努めています。

■ 活動結果・報告

 2013年度の作業環境測定実施状況は、30事業所、延 べ215単位作業場の測定を実施しました。前年度と比較 して契約事業所数の1件の増加、17単位作業場の増加と なりました。測定項目別実施数を比較すると、有機溶剤 135作業場、粉じん31作業場、特定化学物質(金属類)13 作業場、特定化学物質(金属以外)20作業場、等価騒音16 作業場となっています。  2013年度の作業環境測定のリスク評価の結果は、全単 位作業場215作業場に対して良好な作業場である第1管理 区分が181作業場、改善が必要である第2管理区分14作業 場、第3管理区分11作業場の内訳となりました。  2013年度も前年度と同様に厳しい経済状況により、事 業縮小やコスト削減等による生産工程の見直しにより測 定作業場が減少した事業所もみられました。また、半年 ごとに年2回測定を実施すべきところを年1回のみの実施 を希望する事業所もみられました。そのような状況下に おいても、お客様の中には測定結果が悪かった作業場の 環境改善後に再測定実施を希望されて積極的に職場環境 改善に努力されているお客様もみられました。  また、新規顧客開拓に関しても昨年度と同様に厳しい 状況が続いていることを踏まえて、次年度は以下の取り 組みに力を入れていきたいと考えています。 ① お客様との緊密な連絡のもと、ご要望に沿ったご満足 いただける測定内容をご報告します。 ② お客様に作業環境測定を正しくご理解いただくために 作業環境測定部門のPRパンフレットを配布します。 ③ 作業環境測定の結果が悪く、作業環境管理が適切でな いと判断される事業所の担当者に職場環境改善や作業 工程改善のご提案を積極的に行い、安心して健康的に 働ける職場環境実現のお手伝いをします。 ④ 精度管理事業に継続的に参加し、測定精度維持とさら なる向上を目指してお客様に正確な測定結果を提供す ることにより、安心してご利用していただけるよう努 めます。

(14)

7. 巡回健診

■ 取り組み

 本部では、2013年度も一般健康診断と特殊健康診断の 充実、各健診や検査の精度管理の向上と業務の効率化に 努めるとともに、事業所および健康保険組合・国及び地 方公共団体・大学・高校などからの受託を受け、より一 層質の高い健康診断の提供を目指しています。  その取り組みの一環として、全国労働衛生連合会が開 催している各種研修会や精度管理に参加し、各種検査の 精度向上に積極的に努めています。今後も出来るだけ多 くの研修に参加することにより、検査の質の向上や技術 の研鑽に努めていきます。  また、健診で使用する機器ついても定期的な保守・更 新を行い、特にレントゲン機器のデジタル化への移行に より、更なる精度向上に努めています。その他、健診で 使用する機器についても、各種機器サービスメーカーに よる定期的な保守点検、日々の始業点検等の実施により、 機器の精度維持を行っています。衝立・心電図用ベッド など健診に使用する機材や備品類に関しても安全に検査 が出来るよう、定期的に自主点検を実施しています。こ れら一連の活動を通じ、時代に即した健康診断の提供に 邁進していきたいと思います。  一般定期健康診断においては、法定健康診断項目だけ でなく、各健康保険組合や事業所からのニーズに的確に 対応し、充実度の高い健康診断が提供できるよう努力し ていきます。そして、労働者の健康診断の一翼を担い、 企業の生産性の向上や労働者の健康増進に微力ながら寄 与したいと思います。  また、2013年度は新健診基幹システムの稼働により、 スピーディで正確な結果の返却を目標に取り組んで参り ます。特に事業所健診の健診現場におけるパソコン導入 による受付は、多様化する個人単位の健診項目の対応を 迅速に行うことが可能となり、業務の効率化につながっ ています。  現在、レントゲンのデジタル化に関しても計画通り進 んでおり、遠隔読影なども取り入れ新たな発想と創造で 今後の受診された方々へのサービス向上につながるよう 取り組んでいます。  長野県支部では、長野県の中部から南部地域を主な活 動範囲として、当該地域の職域健康診断を中心に巡回し ています。検診車にて事業所へ赴き、主に法定健診や健 康保険組合管掌の生活習慣病健診等を実施しています。 生活習慣病健診は、健康保険組合から費用の一部の助成 を受け、受診することができるため、それを利用しての 事業所の健診は増加しています。生活習慣病健診は、胃 部X線検査等、制限のある検査項目が含まれている為、 午前中が受診条件となり午前中の時間帯における巡回健 診日程の調整に時間を要しています。  また9月からの新健診基幹システムの稼働に向け、従 来は一部事業所からのみ提出して頂いていた受診予定者 名簿を全ての事業所にお願し、事前に契約情報を登録し ていきます。これにより、各々の受診者に関する情報(健 診種類やオプション検査項目等の把握)を事前に共有す ることができるため、作業時間の短縮や正確な健診実施 に向け取り組んでいます。

■ 活動結果・報告

 高品質で低コストの健康診断を提供するため、ISO9001 及び27001を活用しQIS委員会による各部門の問題点の洗 い出し他、品質向上の実践に努めるだけでなく予算管理 や日々適切なスタッフ配置等であるかの見直しを行うな ど、健診全体の効率化を図り、健診機器や機材の整備や X線装置デジタル化への移行等も含め、検査精度の向上 を図ってきました。  特に、X線装置のデジタル化は計画どおり進んでおり、 更なる精度向上を図っています。また、今後は遠隔読影 の実現により読影判定期間の短縮化を図り、迅速な健診 結果の返却を実現させていきます。  本部巡回健診においては、常に顧客満足度に重点をお き安心して信頼のおける健康診断を目指して参りまし た。機器につきましては、日頃の整備状況の把握や定期 的な機器のメンテナンスを行い、故障等による健診の遅 延および中止のないように取り組みました。また、健診 現場では、解りやすい案内・親切な誘導・待ち時間短縮 など受診者の立場に立ったサービスの向上を常に考え実 践しています。  今後なお一層、「技術・接遇・信頼」の向上を目指し、 社内教育等を積極的に実施しました。新健診基幹システ ムの稼働により、年間の健診スケジュールやスタッフの 適切な配置などの管理を行うことができました。また、 受診票のQRコード対応も、新たな取り組みとして実現 しました。  長野県支部巡回健診においても、9月から新健診基幹 システムの稼働により、業務手順など大幅な変更もあっ たため、システム運用開始前には想定していなかった事 案も含め、課題管理として日々管理し修正・改善を行い ました。  また、法令改正に伴い、新たに特殊健康診断の対象と なった「エチルベンゼン」「コバルト及びその無機化合物」 「インジウム化合物」についても実施に向けて対応しまし た。

参照

関連したドキュメント

上部消化管エックス線健診判定マニュアル 緒 言 上部消化管Ⅹ線検査は、50

●健診日や健診内容の変更は、直 接ご予約された健診機関とご調 整ください。 (協会けんぽへの連

Skill training course and Safety and health education 総合案内. 健康安全 意識を高め 目指せゼロ災 金メダル

「特定温室効果ガス年度排出量等(特定ガス・基準量)」 省エネ診断、ISO14001 審査、CDM CDM有効化審査などの業務を 有効化審査などの業務を

はじめに ~作成の目的・経緯~

「基本計画 2020(案) 」では、健康づくり施策の達 成を図る指標を 65

妊娠中、プレパパママ教室やピアサ ポート訪問、病院サポート利用者もお

○特定健診・保健指導機関の郵便番号、所在地、名称、電話番号 ○医師の氏名 ○被保険者証の記号 及び番号