Expression of gremlin1 in gastric cancer and its clinical significance
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(2) (. 論. 文. 要. 様 式 17 ). 旨. Expression of gremlin1 in gastric cancer and its clinical significance 胃癌における Gremlin1 の発現と、 臨床病理学的意義 山崎洋一 【序論及び目的】. Gremlin1 は骨誘導を引き起こすタンパク質として同定された Bone morphogenetic protein(BMP)2.4.7 の antagonist とされ、骨形成、細胞増殖、アポトーシスにおける調節 因子に関与するとされる。 近年 Gremlin1 は肺癌、腎癌、精巣癌など様々な癌種での発現 が報告されている。以前申請者らは,胃癌で BMP‐7 の発現が、独立した予後予測因子 となることを報告した。本研究では BMP の antagonist とされる Gremlin1 に着目し、胃癌 での Gremlin1 の発現と臨床病理学的意義について検討した。 【材料及び方法】 当科にて胃癌と診断され、根治切除を行った 232 例(男性 160 例、女性 72 例、平 均年齢 66 歳)について、免疫染色で Gremlin1 発現と臨床病理学的因子の関係について 検討した。Gremlin1 の発現は腫瘍を含めたパラフィン包埋切除標本を薄切して用いて, 抗 Gremlin1 抗体を一次抗体として ABC 法による免疫組織化学染色を行い、腫瘍部での Gremlin1 の発現と胃癌の臨床病理学的因子との関連を検討した。また 5 種類の胃癌細胞 株(MKN7,MKN45,MKN74,KATO-III,NUGC4)での Gremlin1 の発現の有無を、免疫組織 化学染色と western blot 法を用いて検討した。 【結 1.. 2.. 3.. 果】. 胃癌切除標本を用いた免疫組織化学染色では、胃癌細胞の細胞質と核のそれぞれに Gremlin1 の発現を認めた。同様に 5 種類の胃癌細胞株(MKN7, MKN45, MKN74, KATO-III, NUGC4)のすべてにおいても、細胞質と核のそれぞれに Gremlin1 の発現 を認めた。Western blot 法においても 5 種類の胃癌細胞株すべてで Gremlin1 の発現を 認めた。 胃癌細胞における Gremlin1 の発現強度と臨床因子(年齢、性別、腫瘍径、壁深達度、 リンパ節転移、リンパ管侵襲、静脈侵襲、組織型)との比較を行った.Gremlin1 の 低発現群は、高発現例に比較して,腫瘍径の大きい症例 (p<0.01)、壁深達度の深い症 例 (p<0.01)、リンパ節転移陽性例 (p<0.01)、リンパ管侵襲陽性例 (p<0.01)および静脈 侵襲陽性例 (p<0.01)が有意に増加していた。 生存曲線においては有意差をもって、Gremlin1 の高発現群が低発現群に比べて予後良 好な結果であった (p<0.01)。.
(3) 4.. 単変量解析では Gremlin1 の発現が予後因子の一つであった (p<0.01).しかし,多変 量解析では Gremlin1 の発現は独立した予後因子とはならなかった(p=0.076)。. 【結論及び考察】 Gremlin1 の発現は様々な正常組織細胞や癌種で報告されているが、これまで胃癌での 発現を検討した報告はみられなかった。腎細胞癌では、Gremlin1 の低発現が癌の悪性度 と相関したと報告され、一方、非小細胞肺癌では、Gremlin1 の高発現が悪性度と相関し たと報告されている。これらの異なる結果は Gremlin1 に臓器特異性な作用が存在する可 能性が考えられる。本研究の検討では、Gremlin1 の低発現群で、壁深達度の深い症例、 リンパ節転移陽性例、リンパ管侵襲陽性例および静脈侵襲陽性例が増加し、腎細胞癌で の報告に類似していた。またこれらの臨床因子は胃癌の予後不良因子であり、Gremlin1 の発現が上記因子と相関したため、Gremlin1 の高発現群が低発現群に比べ良好な生存曲 線を示したと考えられた。 以前申請者らは,胃癌における BMP‐7 の過剰発現は独立した予後不良因子であるこ とを報告した。今回検討した Gremlin1 の臨床病理学的特徴は BMP‐7 発現のそれと相反 する結果となり、BMP‐7 の antagonist であることの裏付けであると考えられた。 胃癌の増殖浸潤、転移形成に BMP‐7/Gremlin1 発現がかかわっている可能性が考えら れ、胃癌の Gremlin1 発現は予後因子の一つとなる可能性が示唆された。 (Medical Oncology Vol 35,No.3. 2018 年. 掲載).
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