4 章 大規模問題のはり要素を用いたトポロジー最適設計法 本章では,
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(2) 4.1.解析方法 4.1.1.剛性の定式化 2 章で示したように, 静的な場合の相互平均コンプライアンスとその感度は, 式(4.1),(4.2)で示される.剛性問題の多くは負荷点の変位を最小化するため, 平均コンプライアンスに退化する.. n. l = {G} {U } = ur = ∑ {Vi } [Ki ]{Ui } t. t. i =1. {G} = [K ]{V } {G}t = g1 , L , gi , L , g n 0 t {V } = v L , v ,L , v ,L v i r n0 1, {F } = [K ]{U } F t = f ,L , f ,L , f i n0 1 { } {U }t = u1, L , ui ,L , ur ,L un 0 . { {. }. }. { {. }. }. ∂l t ∂ [K i ] = − {Vi } {Ui } ∂xi ∂xi. . (4.1). t. ( i = 1, 2,L. , n). (4.2). 4.1.2.固定領域の考え方と設計変数 トポロジー最適化の考えた方は,固定設計領域の設定とその固定設計領域に 配置する構造要素の有無を判定する次式の特性関数に基づく. 1. if x ∈ Ω d. 0. if x ∈ Ω \Ω d. χΩ ( x ) = . (4.3). ここで, Ω は固定設計領域で, Ω d は固定設計領域から最適化により選択させた 最適構造を形成する領域,x は固定設計領域 Ω 内の位置座標である.この特性関 数を用いることで,最適設計問題は材料分布問題,あるいは要素配置問題に置 き換えることができる.ただ,この特性関数を用いると,離散化された変数を 取り扱わなければならず,計算上の取り扱いは不可能となる.この問題を克服. 59.
(3) するため,ここでは密度法(91)的な考え方に基づいた次式により,特性関数を連 続関数に置き換える.. χ Ω ( x ) ≈ ρv p. (4.4). ここで, ρv は正規化された密度で, 0 ≤ ρv ≤ 1. (4.5). なる値をとる。また,pは ρv にペナルティを与えるパラメー タである.式(4.4) を用いれば,最適設計問題を固定設計領域 Ω 内における要素の連続的な分布問 題に置き換えられる。本研究では構造物のモデル化に離散構造要素として梁要 素とパネル要素を用いる.2つの離散化要素のうち,梁要素は6自由度の剛性 を持っており構造物の基本的な特性を決定している.そこで本章では,構造物 の基本的な骨格構造を決定することを第1目標として,設計対象には梁要素の みを取り扱い,パネル要素は非設計要素とする.式(4.3)を最大時の断面積 Amax , 長さLのはり要素に適用すれば,その体積Vは,. V = ρv Amax L p. (4.6). となり, ρv の値によりはり要素の配置が決定できる.この正規化された体積密 度 ρv を各要素の設計変数として,最適化問題を設定する.ここでは,図 4-1 に 示す,中実の円断面と薄肉の円断面を採用し,要素剛性マトリックスを定式化 するための物理量を得る.. d. d. t (a) Solid section. (b) Thin walled section. Fig. 4-1 Cross section of beams 60.
(4) 薄肉断面を採用するのは,前述のように車体の骨格は薄肉断面で構成される場 合が多いためである.図 4-1(a)に示す中実円断面の場合,直径を d とすれば, はりの断面積 A,断面二次モーメント I y と I z ,断面二次極モーメント J は A = ρ vp Amax =. π 4. d2. (4.7). 2. π 4 ρv p Amax ρv 2 p Amax 2 I y = Iz = = 64 4π π . (4.8). J = 2I y. (4.9). となる.次に図 4-1(b)に示す薄肉円断面について考える.ここでは,中実断面か ら薄肉断面まで連続的に考えられるように,最初に直径と肉厚との関係を薄肉 比 γ により次式で定義する.. t =γ. d 2. (4.10). γ = 1 で中実断面を示す.上式を用いて,断面積,断面二次モーメント,断面二 次極モーメントを定義すると,. A = ρ vp Amax =. I y = Iz =. π. (d 64. 2. π. (d 4. 2. − (d − γ d ). − (d −γ d ). 2. )(d. 2. 2. ) = π4 d γ ( 2 − γ ) 2. + (d − γ d ). (. 2. ). ρv Amax 2 − 2γ + γ 2 1 2 2 = Ad 2 − 2γ + γ = 16 4πγ ( 2 − γ ). (. ). J = 2I y. 61. 2p. 2. (4.11). ). (4.12). (4.13).
(5) となる.式(4.11),(4.12)から断面二次モーメントと断面積の比を求めると, d2 = 2 − 2γ + γ 2 A 16 d2 if γ = 1 16 = 2 d 1.81 if γ = 0.1 16 . (. Iy. ). (4.14). となる.今薄肉比を 0.1 とした場合の中実断面に対する薄肉断面の面積比は, Athin = 2γ − γ 2 = 0.19 Asolid. (4.15). となる.式(4.14),(4.15)から γ = 0.1 の時,同一体積になるためには,薄肉断面 の直径は 5 倍強になる.その時の I は 2 倍弱になるため,中実断面と比較する と 10 倍弱の I を持つ.つまり,薄肉断面は中実断面と比較して,曲げ剛性及び ねじり剛性をより高くすることができる.自動車のフレーム構造の場合,薄肉 断面が利用されている要因でもある.本報では,薄肉円断面に対して,直径を 可変,肉厚を固定(t=1[mm])として,上記定式化とそれに対する感度を算出し, トポロジー最適化計算に適用する. 4.1.3.最適化問題の定式化 n 本の梁で構成される固定設計領域 Ω d の m 通りに荷重を別々に作用させたマ ルチローディング場合について剛性最大化を行う.すなわち,荷重ベクトル. {F } ( j = 1,L m) で表される荷重が作用するときに,m 通りの単位荷重ベクトル {G } ( j = 1,L m ) の方向の剛性を設計領域の体積制約のもとで最大化をはかる. j. j. なお,境界を完全固定した2つの荷重ベクトルを作用させた時の設計領域の変. { } { } ( j = 1,L , m ) とし,2つの荷重で定義される相. 位ベクトルをそれぞれ U j , V. j. 互平均コンプライアンスを l j ( j = 1,L , m ) とする.また,設計領域を構成する梁 は薄肉円断面(忠実も含む)を持ち,正規化された密度と梁の長さをそれぞれ. ρvi , Li ( i = 1,L , n ) とし,最大時の断面積は全ての梁について同一で Amax とする. この時,最適化問題は以下のように定式化される.. 62.
(6) { } {U } = {V } K {U }. minimize l j = G j ρv ,i. T. j T. j. j. for j =1,...,m. (4.16). 制約条件 n. VΩ = ∑ ρv ,i Amax Li ≤ V U p. i =1. 0 ≤ ρv ,i ≤ 1 for i =1,...,n. { } { } [K ]{V } = {G } for j =1,...,m [K ] U j = F j for j =1,...,m j. (4.17). j. ここで, V U は体積制約の上限値である。なお, {F j } と {G j } が同一である場合 には,式(4.16)の目標関数は平均コンプライアンスに退化し,絶対値をとる必要 はなくなる. 上式のように,複数の目標関数をもつ最適化問題は多目的問題と呼ばれ,いく つかの方法が提案されている(92),(93).その中でも加重和最小化法は,複数の目的 関数を重み付の単一目的関数として扱う.この方法では,解析者が m 個存在す る重みを適切に調整する必要がある.しかし,この重みの決定が実際の問題で はうまく定まらない場合がある.そこで,静的な剛性問題の場合に,重みに左 右することなく最適化問題を解く事の可能な定式化として,マルテローディン グの考え方による次式の目標関数 W を提案する(94). W = max l j j =1,...m. (4.18). 上式を用いれば,相互平均コンプライアンスの絶対値が最大のものを最小化す ることになるので,剛性が 1 番低い場合について,剛性が向上されることにな る.したがって,結果的に全ての場合について平均的な剛性をもつ最適構造が 得られることになる.さらに,この場合, i 番目のはりの要素剛性行列を. [Ki ] ( i = 1,L n ) とし,j. 番目の荷重を負荷した時の i 番目の要素変位ベクトルを. {U } ,{V } とすれば,次式が成立する. j. i. j. i. 63.
(7) { } K {U }. minimize W = minimize max V ρvi. ρvi. j =1,L m. n. i =1. j =1,L m. j. (4.19). { } K {U }. ≤ minimize ∑ max Vi ρvi. T. j. j T. j. i. i. ここでは,式(4.19)を用いて最適化問題を解く. 4.1.4.最適化アルゴリスム 最適化の手順を,以下と図 4-3 のフローチャートを示す. (1)設計領域 Ω にはりの初期値と非設計変数のパネルの配置を図 4-2 のように 与え,剛性行列 [K ] を作成する. (2)設計変数 ρ vi に関する感度を求める.ここでは, p = 1 とする.. { } { } を求める.. (3)釣合い方程式を解いて,節点変位ベクトル U j , V. j. (4)相互平均コンプライアンス l j ,目標関数 W ,体積制約 VΩ の値を求める. (5)目標関数の収束判定を行う. (6)収束しなかった場合,相互平均コンプライアンス l j ,目標関数 W ,体積制 約 VΩ の設計変数 ρv ,i に関する感度を求める. (7)得られた感度をもとに,最適化手法を用いて設計変数 ρv ,i を更新する.そ の後(1)へ戻り,収束するまで繰り返す.. Beam element Panel element. Fig. 4-2 Initial layout of beam and panel element. 64.
(8) Initial data Construct [K ] matrix. Calculate the sensitivity of [K ]. Solve equilibrium equations. [K ]{U } = {F j } , [K ]{V j } = {G j } for j =1,...,m j. Calculate (mutual) mean compliances, objective function and total volume. Convergence. yes. End. no. Calculate sensitivities of (mutual) mean compliances, objective function and total volume. Update design variables ρvi for i = 1,L n using optimization method. Fig. 4-3 Flowchart of optimization procedure procedure. 上記のような最適化問題を解くための数理計画法は,従来より,最適化基準法(95) や逐次線形計画法(SLP)(96)が利用されてきた.その主な理由は,トポロジー最適 設計では多くの設計変数を取り扱う必要があることと,感度は解析的に比較的 容易に求められることにある.しかし,最適化基準法は個々の目標関数の選択. 65.
(9) にしたがってヒューリステックスを変更しなければならないし,SLP は問題に よっては高い収束性が得られない欠点がある.これに対して,逐次凸関数近似 法である CONLIN(Convex Linearization)(97)は,剛性問題に関して,ヒューリ ステックス無しで高い収束性が得られる.それは以下の数学的な特徴のためで ある. ①最適値の存在が保証される ②安定して許容領域内で最適値を算出できる ③単一の設計変数毎の最適化問題に帰着でき,収束性が速い. CONLIN の基本的な考え方は,目標関数あるいは制約条件である関数 h を,. ρ vi if ∂h ∂ρvi > 0 for i =1,...,n 1 ρvi if ∂h ∂ρvi < 0. ηi = . (4.20). なる媒介変数を用いて近似することにある.ここで用いる目標関数については, ひずみエネルギと同じ次元をもち,その感度は負となるので,上式の2番目の 近似が適用される.他方,ひずみエネルギは,荷重規定の問題では各要素剛性 の値,すなわち本定式化では変数 ρvi に関して反比例することになる.このこと は,式(4.20)が目標関数に近い形態で近似していることになるので,高い収束性 が期待できる。以上の理由から,本研究では安定的に活用可能な CONLIN を開 発し,トポロジー最適化ツールに適用することにした.. 66.
(10) 4.2.実施例 相互平均コンプライアンスを指標値とした最適設計問題について,3 種類の 例題によりその有効性を示す. (1)2 次元問題による最適解の妥当性と CONLIN の最適化手法の有効性 (2)3 次元問題による薄肉断面と中実断面の最適解の比較 (3)アンダーボデー基本骨格構造を対象とした最適化ツール開発の試行 4.2.1.荷重負荷方向と最適解の関係 最初に,2次元問題について,荷重の負荷方向と最適解の関係を検討する.図 4-4に設計領域を示す.固定設計領域 Ω の左側の境界を完全固定し,右側の境界 中心に(a)-H方向に荷重100Nを作用させた場合と(b)面内のトルク0.01N・mを作 用させた場合の最適構造を求める.なお,はり要素の断面は中実断面とし,最 大断面積 A max は全ての梁要素について3.14×10-4 m2(最大直径10mm)とし, 体積制約の上限値 V U は固定設計領域全体積の1.0%とし,設計領域 Ω はW方向に 6分割,H方向に4分割した. 図4-5(a)の場合の収束状況を示す.比較のため,同一の問題をSLPで解いた場 合についても示す.これより,CONLINはSLP(ムーブリミットは0.1に設定)と比 較してかなり高い収束性を示すことがわかる.特に最適化の初期段階では目標 関数の改善量が大きい. 次に,図4-6に最適構造を示す.これより,(a),(b)両方の場合について明瞭 な構造が得られていることがわかる.特にトルクを負荷した(b)の場合は,従来 のトラス要素を用いた手法では直接最適解を求めることは不可能であるが,本 手法では容易に解を得ることができる.. 67.
(11) 0.15m. 0.1m. Fixed design domain Ω d. H W. Objective function. Fig. 4-4 Design domain for simple model. Iteration. Fig. 4-5 Convergence history. 68.
(12) (a) In the case of share force. (b) In the case of moment Fig. 4-6 Optimal configurations of simple model. 69.
(13) 4.2.2.断面形状と最適解の比較 図 4-7 に示すような 3 次元形状に対して,図 4-8 に示す 2 ケースの境界条件 を満足する剛性最大化問題を中実断面と薄肉断面を設計変数としたそれぞれに ついて解き,その結果を比較する.境界条件は,(a)設計領域の左側の上下を完 全固定し,-w 方向に荷重 1N を作用させた場合と(b)設計領域の左側の下側を完 全拘束し, w 方向に荷重 1N を作用させた場合の 2 ケースである.中実断面の場 合,最大断面積 A max は全ての梁要素について 3.14×10-4 m2(最大直径 10mm) とし,体積制約の上限値は固定設計領域全体積の 1.0%とする.薄肉断面の場合, 最大断面積 A max は中実断面と同一とし,体積制約の上限値は式(4.15)の関係か ら,総体積が中実断面に近くなるように,固定設計領域全体積の 5%とする.こ の時の薄肉比は 0.1 を採用した.また固定領域は図 4-8 に示すように分割し,. 100mm. 50mm. 荷重を負荷するはりは非設計領域とした.. H L 250mm 200mm. 100mm. W H. L. W L. Fig. 4-7 Design domain for 3D simple model. 70.
(14) W W L. H. L. (a) Case 1. W W H. L. L. (b) Case 2 Fig. 4-8 Boundary conditions and layout of grandstructure. 図 4-9 に同一体積の状態の最適化結果を示す.中実断面の場合,同一体積でも 直径の小さなはりで構成されていることがわかる.次に得られた最適解に基づ き,剛性解析を実施する.図 4-10 に case1 の場合の結果を示す.図中の青丸は ひずみエネルギの大きさを示し,右の数値は,負荷点の 6 方向の変位を示す. 負荷点の負荷方向の変位は,中実断面の-4.26e-4mm に対して,薄肉断面では -1.50e-4mm となり,約 65%小さい値となった.これは,薄肉断面の方が,曲げ 剛性を高めることができ,結果的に設計領域の変形を抑制し,変位が小さくな ったと考えられる.ひずみエネルギ分布からも,薄肉断面の結果ではほとんど 設計領域のはりでエネルギを分担することが無く,この結果を裏付けている. この結果より,はりの 6 自由度の特性を表現可能な事に加えて,車体構造等 に実際に使用されている薄肉断面の特性を考慮する事が可能となり,より効果 的な最適解を求めることができる.. 71.
(15) H L. W L. (a) Solid section. (b) Thin section. Fig. 4-9 Optimal Optimal configurations. W L. (a) Solid section. W L. (b) Thin section Fig. 4-10 Results of deformation. 72.
(16) 4.2.3.アンダーボデー骨格レイアウト問題への試行 車体を設計する場合,負荷条件に対して,素性の良い骨格構造を見出すこと が重要である.アンダーボデーの基本骨格構造は図 4-11 のようなタイプが主に 存在する.どのタイプがどういった負荷条件に対して素性が良いのかは関心の ある所である.そこで,本章で開発したトポロジー最適化ツールを用いて,骨 格構造のレイアウト最適化問題への展開の可能性を検討する.. Extended longitudnals. Full longitudnals. Split load path. Fig. 4-11 Exapmle of body frame topology. 解析を進めるにあたり,以下の仮定をおいた. (1)本来は動的な特性も考慮する必要があるが,概念設計段階で扱うことを前提 に, 『エネルギ吸収の良い構造は均一にエネルギを分担する構造』との仮定に より,静的問題として考える. (2) フロアの構造に対して,フロントとリヤのサイドメンバが連結する基本的 なレイアウトは決まっているため,あらかじめ基本形状を用意しておき,必 要な寸法を自由に変更できるようにする. (3)はり要素の断面積を設計変数とし,シェル要素もキャビン部についてのみ非 設計要素として考慮可能とする.. 73.
(17) (4)結合部は結合剛性を考慮する必要があるが,本章では,最初の試行として結 合部は剛結合として扱う. (5)負荷条件として,曲げ,ねじり,面内荷重(前方・後方・側方)を扱う. (6)GUI にエクセルを使用し,容易に操作可能なツールとする. (7)本ツールでは,あくまで理想状態を仮定しているため,若手技術者の教育や 設計者(解析者)の机上の思考を支援することを目的とする. 最初に,既存車両のジオメトリーからアンダーボデー構造の寸法を決定し,図 4-12 のような実行手順シートを作成する.以下に実行手順を示す. ①材料を選定する(鉄,アルミ) . ②各種寸法パラメータとグランドストラクチャを作成するフロア内の分割数を 決定する. ③フロア内に付加するパネルの板厚を決定する. ④モデルを作成し,形状を確認する. ⑤はりの断面直径の最大値と最大質量(パネルの質量は除く)を決定する. ⑥境界条件設定画面に進む. 図 4-13 境界条件設定画面に進み,図 4-15 で最適化計算を実行する. ⑦あらかじめ設定された 7 種類の境界条件から必要な条件数だけ目的関数とし て選択する. ⑧与える荷重の絶対値を決定する.ここでは曲げ及びねじりに相当する荷重と して 100N,車体前面,側面,後面に相当する荷重として 1000N を与える. ⑨境界条件を確認する. ⑩断面形状を選択する(中実円,薄肉円) . ⑪トポロジー最適化計算を実行する. トポロジー最適化計算後,図 4-15 に示す画面が起動し, ⑫ポストを起動する. 上記の手順により,最適化計算での複雑な手間やモデル作成に要する時間を 気にすることなく,簡便に最適化計算を実行できる.計算に必要な時間は,600 要素で 100 サイクルの最適化計算を実行したとしても,15 分程度で済むため, パラメータや解析条件を変更しながらレイアウトを求め,それらを吟味するこ とで初期構想の創生を支援することができる.. 74.
(18) ①. ③. ②. ④. ⑤. ⑥. Fig. 4-12 Procedure of topology optimization. ⑦. ⑨. ⑧. Fig. 4-13.Setting 13.Setting boundary conditions 75.
(19) ⑩. ⑪. Fig. 4-14 Execute analysis. ⑫. Fig. 4-15 Evaluation of results 76.
(20) 図 4-16 と図 4-17 に曲げ・ねじり負荷に対する結果と面内荷重(前方・後方・ 側方)に対する結果の 1 例を示す.荷重条件は図 4-14 に示す各条件を採用し, 制約条件は,最大直径 200mm,最大総質量 80kg とした.これらの結果より,各 負荷に対する骨格配置が異なることがわかる.. Bending. Torsion. Initial model. Torsion + Bending. Fig. 4-16 Optimal layout under bending and torsional moment. Rear force. Front force. Multi-loading. Side force. Fig. 4-17 Optimal layout under front, rear, and side force. 77.
(21) 図 4-18 に中実円断面と,薄肉円断面のねじり荷重に対する最適化計算結果を示 す.制約条件は,最大直径 200mm,最大総質量 80kg とした.薄肉断面の場合, 各部材に作用する曲げやねじりの部材力に対して,断面直径を太くすることで, 同じ断面積でも,中実断面よりも強い剛性を与えることができる.その結果, 図4-19(b)のような最適レイアウトが得られ,全体のねじり剛性は中実断面の ねじり剛性より大きくなると考えられる.実際には,得られた最適レイアウト を用いて,順解析を行い,全体のねじり剛性やひずみエネルギ分布等から結果 の良否を判断する必要がある.実用性を高めるためには,結合剛性や荷重条件 を吟味する必要があるため,ここでは,エクセルを用いた GUI によるはり要素 に基づくトポロジー最適化ツールの有効活用方法を提示するまでとする. 以上より,薄肉円断面を設計要素とするトポロジー最適設計法を提示し,ア ンダーボデー構造に適用するツールを Microsoft/Excel を利用して開発した.開 発したツールは簡便にグランドストラクチャー等の最適化問題の設定が可能で あり,最適化計算も薄肉断面の特徴を満足する結果を短時間に得ることができ た.. (a) Solid section. (b). Thin section. Fig. 4-18 Comparison between solid and thin sections under the the torsional moment. 78.
(22) 4.3.まとめ 本章では,大規模問題を想定し,相互平均コンプライアンスを静的応答の評 価値としたはり要素を用いたトポロジー最適設計法を提案した.以下のその結 果を示す. (1) 相互平均コンプライアンスの考え方により,応答最小化問題の目的関数と設 計変数に対する感度を定式化した. (2) マルチローディングの考え方に基づき,はり要素の断面積を設計変数とした 場合の最適設計問題を定式化した.さらに,凸近似最適化手法(CONLIN) を用いたトポロジー最適化アルゴリズムを構築した. (3) 簡単な事例により,開発したアルゴリズムの良好かつ高速な収束性を示した. (4) 簡単な事例により,薄肉断面を有するはり構造に対してアルゴリズムの有効 性を提示した. (5) 車体骨格構造のレイアウト最適化問題を対象に,Microsoft/Excel を用いたプ ロトタイプツールを作成した.. 79.
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