<論文>国際科学技術博覧会出展費用の引当金性につ
いて
著者
菅原 計
著者別名
Sugawara Kei
雑誌名
経営論集
巻
23
ページ
43-64
発行年
1984-03-20
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005799/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja1 。2 .3.4.5.6.7.8.
国際科学技術 博覧会出展費用 の
引当 金性に つい て
菅 原
計
はじ めに 商法第287条 ノ2 の改正 の意図 租税特別措置法上の準備金 国際科学技 術博覧会出展費用 の監査上 の取扱い 「解 釈指針」に よる商法解釈上 の問題 国際 科学技術博覧会出展引当金の性格 犬 税法上の引当金と準備金 む すび 43 1. は じ め に 昭 和60 年3 月17 日から同年9 月16 日まで の6 ヵ月 間に わ た り,「人間 ・住 居・環境 と 科学技術」 とい うテ ーマ のも とに, 国際 科学 技術博覧 会 が茨 城県 筑波研 究学 園都市におい て 開催 され る。 この博覧 会 に参 加す る企業 の出展費 用 の会 計処 理お よび 監査上 の取扱い に つい て, 日本 公認 会 計士協会(JICPA ) は 昭和58 年2 月14 日付 の「審 理室情 報No.l 」 を 公表し ,この中で 出展費用 の 引当金 性を 明ら かにし てい る。 これ は, 昭和57 年4 月20 日に 修正 され た 「企 業会 計原則」 注解 〔庄18〕 の 引当 金規定に より, 従来 特定 引当 金 とし て利 益留 保 性引 当金 とされてい た租 税特別措 置法上 の準 備金の うちに 修 正後 の注 解[ 注18 ] に 該当す る引当金 が あ り うる とい う解 釈 から, そ の具体 的 検討につ い ては 日本公認会 計士協会 が 関係 者 と協 議の うえ必 要な措 置を 講 ず るこ とが 適当 とさ れたこ とに よる(「解 釈指針」二・(1)の注)。 これを受 け て, 日本公認 会計士 協 会は, 昭 和57 年9 月21 日付で 「租税特別 措置 法上 の準備金及 び 特別 法上 の引当 金又は 準 備金に 関す る 監 査 上 の 取 扱 い 」(監査第一委員会報告第42号)を 公 表し , 引当 金の 要件を 備えてい る準備 金44 と し て 計 上 し て い る と き は , こ れ を 「 引 当 金 」 と し て 監 査 上 取 扱 う こ と を 明 ら か に し た 。 ダこ め 経 過 の 中 で , 租 税 特 別 措 置 法 第56 条on に よ る 「 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 準 備 金 」 が , 修 正 後 の 注 解 〔 注18 〕 の 引 当 金 に 該 当 す る も の と し て , 「 引 当 金 」 と し 七 取 扱 わ れ る こ と に な っ た 。 昭 和56 年6 月9 日 の 商 法 改 正 に よ る 第287 条 ノ2 の 引 当 金 規 定 の 改 正 に 端 を 発 し た 現 在 の 引 当 金 拡 大 化 傾 向 は , 果 し て 今 後 我 が 国 の 正 し い 引 当 金 慣 行 を も た ら す も の で あ る か 否 か に つ い て , 大 き な 疑 問 が 残 る と 言 わ ざ る を え なt, % ‥・ 。。 2. 商 法第287 条 ノ2 の改正 の 意図 昭和49 年 商 法改正にお い て, 商 法上 の引当 金規定に。つい ては大 いに 議論さ れ, 今後 の重 要 課題 の1 つ とし て位 置づけ られ,「会 社法 改正 に関 す る 問 題 点」 の意見 照会に おい て は 次の3 つ の意見 に 分れた1)。△=/ ① 現行法 の ままにし て公正 な会 計直行 の定 着に まつ。 ② 商 法第287 条 ノ2 の 規定を 削除し , 会 計上 の処 理に 委 ねる。 ③ 条文 の意味を 明 確にし , そ の具 体的 範囲を明文 化す る よ う改め る。 昭 和37 年商 法改 正に より, 会 計上 の引当 金を 商法上 認め るとい う趣旨 でお かれた第287 条 ノ2 を 削除 す るこ とは, 法会 計制 度上適切 とは 言え ない。 し かし ,旧 法のま まで 公正 な 会計 直行に 委ね る とい うこ と 乱 特定 引当 金 の広 義 説に 基づ く「利 益 かぐ し 」 の慣行 が一 般化し てい る現 行にお い ては 適切 で は ない。 結局; 法制 審議 会商 法 部会は, 商 法第287 条 ノ2 の引当 金に は利益 留 保性引 当金を 含 まない こ とを 明 確にし つ つ, モの具 体的 計上 の 範囲は公 正 な 会計 直行(商法第32条第2 項)に 委 ねるとい う方向 性で改 正試 案 作成 に と り かか るこ とに なっ た。 ………y/ 幾 度の 審議を経 て最 終的 に 第287 条 ノ2 の文言は,「特定 ノ支 出又 ハ損失しニ 備 フノV為 ノ引当 金 ハ其 ノ営 業年 度 ノ費用又 ハ損失 卜為 ス コ トヲ相当 トメ ル額 二限 り之 ヲ貸 借対 照表 ノ負 債 ノ部 二計上 ス ルコ ト ヲ得」 と改 めら れた。 こ の 条文 が, 文 意的 に 試案 の考え 方 であ る利益 留保 性引当金を 除 く意味 と解 され る かど うかは 問題 であ る が, 今 回 の改正 の経過 から み て, 同 条 から利 益留 保 性引当 金 が排除さ れた とい う解 釈は, 国 会で め審議過程 から 見 て も衆知 のこ と であ る2)。 十 コ 犬
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について45 従来 , 商 法上 の 特 定 引 当 金 の 解 釈を め ぐっ て 広 義 説 が 生 まれ , そ の広 義 説 に も と づ く特 定 引 当 金 拡 大 化 傾 向 か 実 務 上 見 ら れ た が , そ れに 歯 止 め を かけ る 意味 で 第287 条 ノ2 が 改 正 さ れ た とい え る。 従 っ て , 利 益 留 保 性 引 当 金 を 排 除 す る とい う 意 味 で 同 条 が 改 正 さ れ た とす る なら ば , そ れは 「其 ノ営 業 年 度 ノ費 用 又 ハ損 失 卜為 ス コ トフ 相当 ト ス ル 額 二限 リ」 とい う表 現 に よっ て , こ れを あ ら わ し て い る とい え る。 会 計的 に 解 す るな ら ば ,「相 当 ト スル 額 二限 リ」 と い うの は , 期 間 損 益 計 算に お け る収 益 と の 対 応 とし て の費 用 又 は 損 失 に 限 定 す る こ と を 意 味 す る も のと い え る。 さ ら に そ れ は , 収 益 と の 期 間的 対 応 とし て の費 用 又 は 損 失 と, 利 益 か ら の 処 分 た る 性 格を 有 す る利 益 留 保 とを 明 確に 区 別 す る こ と であ り, もっ て, 従 来 特 定 引 当 金 とし て 実 務 上 計 上 さ れ て いた 利 益 留 保 性 引 当 金 を 排 除 す る 明 確 な 基 準 を 提 供 し た も の とい え る。 し かし , も と よ り 同 条 が, 引 当 金 の 範 囲お よび 具 体 的 な 科 目 の 計 上 適 否 を 規定 し た も の で は な く, あ く ま で 公 正 な会 計 直行 に よ る引 当 金 に 依 拠 す る も の であ る こ とは 明 白 で あ る。 そ の 意 味 で, 法 的 債 務た る強 制 引 当 金 とは 明 確 に 区 別 さ れ , 任 意引 当 金 と し て 位 置 づ け ら れ て い るの であ る。 こ の よ うに , 昭 和56 年 商 法 改 正 に よ る第287 条 ノ2 の改 正 は , 同 条 から 利 益 留保 性 引 当 金 を 除 く とい う 趣 旨 で あ る が ,「企 業 会 計 原 則 」 と の 関 連 で 考 え る と そ こ に は 微 妙 な 隨 節 が あ る。 確 か に ,「企 業 会 計 原 則 」 の 昭 和38 年11 月5 日修 正 の注 解 〔 注16 〕 に 見 ら れ る よ うに 「企 業 会 計 原 則 」上 , 明 確 な 引 当 金 の定 義 のな い 段 階 に お い て 旧 商 法 第287 条 ノ2 の 「特 定 ノ支 出 又 ハ 損 失 二備 フ ル 為 ニ」 の文 言 が 拡 大 解 釈 さ れ , 本 来 「引 当 金 」 で ない も の が, 同 条 を 根 拠 に 計上 さ れ て きた 経 緯 は あ る が。 遅 れ ば せ な が ら , 昭 和49 年8 月30 日 付り 「企 業 会 計 原 則 」 修 正 に おけ る注 解 [ 注14 ] の設 定 は , か か る 引当 金 慣 行 に 歯 止 め を かけ た も の で あ り,「負 債 性 引 当 金 以 外 の 引 当 金 を 計 上 す る こ とが 法 令 に よっ て 認 め ら れ てい る と き は 」 と,「 法 令 」 に よっ て 強 制 さ れ て い る引 当 金 に 限 定 さ れ て い る。 こ の よ うに , 昭 和49 年 の 「企 業 会 計 原 則 」 修 正 に よ り, 特 定 引 当 金 に 任 意 の 利 益 留 保 性 引 当 金 が 含 ま れ ない こ と が 明 言 さ れ たに も か か わ ら ず , 昭 和56 年 の 商 法 改 正 に よ り 第287 条 ノ2 に 利 益 留 保 性 引 当 金 が 含 ま れ な い 旨 の 改 正 が な さ れた の は い かな る 理 由 に よ る も の で あ ろ うか。 そ れ に は , い くつ か の
46 理 由が考えら れ よ う。 ① 「企業 会計原 則」旧 注 解 〔注14 〕 に 規定す る「 法令」 に よって 強 制 さ れてい る もので も, 利益留 保性引当 金 のものは 計上 で きない こ とを 明ら かにし た も のであ る。 ② 「企業 会計原 則」 の規定 とは関連 な く, 単に 商 法 上 の確認 規定 の た め 改 正し た ものであ る。 ③ 昭 和49 年 の「企業 会 計原則」 修正に より, 確 かに 利益 留 保性 引当金 の 計上は 少 な くは なった が, 有 価証 券 報告書上い くつ か の利 益 留保 性引当 金 が見ら れ, さらに 「企業 会計原則」 上におい 七も 引当 金拡大 化 傾向が 見 られ る ので, 法会計 制度上 の健全 な引当 金慣 行を 定 着させ るために商 法上 の引当 金概 念を 明ら かにし た ものであ る。 こ れらの 理由 の うち, ①の理由に よるも のでない こ と は明ら か であ る。 何 故 なら, 法 体系上 特別 法に よる準 備金を一 般 法た る商 法 が規 制す るも のでは ない から であ る。 ② の理由は, 単に 商法上 の確認 規定に す ぎない とい うのは 適 切では ない。 何故 なら , こ の ような理由に よる改 正で あ れば, 旧条 文で も 十 分だ った と言え る から であ る。 ③の理 由は, 商法改 正 の意図 とし て適切 と 言え る。 す なわち, 旧 「企業 会 計原則」 注 解 〔注14 〕 が存 在す る限 り, 商 法 第287 条 ノ2 の特定引 当 金は,「法令」 に よっ て認めら れてい るも のに 限定 さ れ る から,「法令」に よって 認めら れてい ない 任 意の利益 留 保 性引当 金を 計 上 す る余地 はな かったは ず であ るが, 実 務 上は 昭和50 年 の 日本公 認会 計士協 会会 長通牒(調49, 第66, 昭和50年3 月25日)に よって, 特定 引 当 金の中 に 損 失 性 引当 金 が含 まれてい る場 合には, 監 査上商 法第287 条 ノ2 の引当 金 と し て 取 扱 うこ とが指示 さ れてい た3)。し たがっ て, 実務上, 注 解 〔注14 〕 は実質的 な歯 止め とし て 作用し てい な かった のであ る。 かかる状 況で, 昭 和56 年 改正 で 第287 条 ノ2 が利益 留 保性 引当 金を 含 ま な い とさ れた ことは 十 分意義 があ る。 翌57 年に, 商 法 が予 期し た とお り,「企 業 会 計原則」 が 修正 され, 注解〔注14 〕 が削除 された。 こ れに より, 従来の 「特定 引当 金」を 拘 束し てい た 「法令」 の枠 が外さ れ形 式的 に も解放 さ れ る こ とに なった。 こ の削除 の理 由とし て「 解釈指 針」 は 次 の ように 説 明する。 「今回 の商 法改正に より, い わ ゆる利益 留保性 の引当 金 の 計上はす べ て 排 除
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について47 さ れた の で, も は や こ の よ うな 注 解を 存 置 す る 必 要 性 は 認 め ら れ な くな っ た。 こ れ が 同 注 解 を 削 除 す る こ と とし た 理 由 で あ る」(「負 債性引 当金等に 係る企業 会計原則注解の修正に関す る解 釈指針」 二)。「解 釈 指 針 」 に よ る 注 解 注u ] 削 除 の 理 由を 要 約 す る と 次 の よ うに な る。 ① 「企 業 会 計 原 則 」 は , 負 債性 引 当 金 以 外 の 引 当 金 を 容 認 す る も の で な い こ と ② 特 定 引 当 金 は , 負 債 性 引 当 金 以 外 の 引 当 金 で あ り, 利 益 留 保 性 引 当 金 で あ る こ と \ ③ 利 益 留 保 性 引 当 金 で は あ る が , こ れを 注 解 〔注14 〕 で 認 め た のは , 旧 商 法 第287 条 ノ2 の 解 釈 上 , 法 令 に よっ て 認 め ら れ た 利 益 留 保 性 引 当 金 を 適 法 と 認 め る の で あ れ ば , 監 査 の一 元 化 の 観 点 か ら 認 め ざ る を え な い と判 断し た こ と ④ し かし , 昭 和56 年 の 商 法 改 正 で, 利 益 留 保 性 引 当 金 が す べ て 排 除 さ れ た の で , も は や こ の 注 解 の 必 要 性 が な く な っ た こ と 「解 釈 指 針 」 は , こ の よ うな 理 由 で注 解 〔注14 〕 を 削 除 し た と す る が, 同 注 解 は 「法 令 」 に よ っ て 認 め ら れ てい る場 合に 限 定 し てい た 筈 で あ る。「解 釈指 針 」 の 次 の 文 言 は , そ れを 忘 れた か の よ う であ る 。 す な わ ち ,「現 行 実 務 上, 特 定 引 当 金 の 部 に 掲 げ ら れ てい る も の の 大 部 分 は , ① 租 税 特 別 措 置 法 上 の準 備 金 , ② 特 別 法 上 の準 備 金 であ る が」 に お け る 「 大 部 分 」 と は ,「 法 令 」 以 外 の特 定 引 当 金 が 実 務 上 存 在し た こ とを 意 味 す る。 「法 令 」 に 認 め ら れ て い ない 特 定 引 当 金 が 実 務 上 存 在 し た こ とは ,「法 令 」 に 商 法 第287 条 ノ2 を 含 む と 解 す る こ と に よ る か, あ る い は 日 本 公 認 会 計 士 協 会 の 会 長 通 牒 に よ る 要 件 を 満 た し た こ と に よ る の か の ど ち ら か で あ る。 前 者 の場 合 に は , 明ら かに 不 適 切 な 解 釈 で あ り') 後 者 の 場 合 に は 注 解〔注14 〕 の 「法 令 」 無 視 を 「企 業 会 計 原則 」 自ら 認 め た こ とに な る。 注解 〔注14 〕 を 文 字 通 り,「法 令 」 に よっ て 認 め ら れ てい る 引 当 金 計 上 を 「企業 会 計 原 則 」 が 容 認 し た も の とし て 考 え る と, こ の 注 解 〔 注14 〕 の 削 除 の 理 由 が 分 ら な くな る。 す な わ ち,「解 釈 指 針」 の 理 由 か ら み て, 削除 に よ っ て, た とえ 「法 令 」 に よっ て 認 め ら れ 七い る 引 当 金 で あ っ て も, 利 益 留 保 性 引 当 金 は 計 上 出 来 な く な っ た の で , 「企業 会 計 原 則 」 上 も 認 め ら れ ない こ とに な る。 に も か か わ ら ず ,「解 釈 指 針 」 は 特 別 法 上 の 準 備 金 は 利 益 留 保 性
481 。 引 当金であ って も認め る とし て次 の よ うに 述べる。「特別法上 の 準備 金 に つ い ては, 特定業 種 の公 益 性の観点 から, そ の 計上 が特別 の法令 で強制 されて お り, また, そ の繰入お よび取崩し の条 件 が定めら れてい る等 の事 情を 考慮 し て, 特別 法上 の取 扱い を 認め るこ と とす る」(「解釈指針」二・(2)・③)。 「企業 会 計原則 」が, 利益留 保 性引 当 金と性 格づけ る特別 法上 の準 備 金 を 引 当 金とし て認め るこ とは, 健全な 会計 実務を 指導す る 規範 とし て の性格を 自ら放 棄す るに 等しい と言わ ねば なら ない が, もし 認 め るのであ れば〔注14 〕 の削除 の理 由は な くなる。 何故 なら,「法令」に よっ て認 められ てい る引当 金を 容 認し た も のが 〔注μ〕 であ り, 従 って 「法令」を 特別 法に限定 すれば そ れで 解釈上 事足 りる ことにな る からであ る。 そ れを, あ え て 〔注14 〕 を 削除し た 理由は,「法令」に よって認 められて い ない 引当 金が, 特定 引当金 とし て計 上さ れてい る実 務に対し て 迎合し た も のに 他 ならない。〔注14 〕 のF 法令 」に 何 が該 当す るか は定 かで はな か っ た が, こ の「 法令 」に 該当す る のは 厳 密には 特別 法だけ であ り, 租税 特別措置 法は 該当し ない 筈 であ るが,「解釈指 針」 に よる と, こ の 「法令」に 租税特 別措 置 法が該 当す ると解し ていた よう であ る。し かし , 注解 〔注14 〕 の削除 に よっ て, 租 税特別措 置 法上 の準 備金は 当然 ながら 引当 金 とし て認 められな ぐなった。 ‥ ◇ 犬 そ こで 「解釈 指針」は,「租 税特別 措 置 法上 の準備金 であ って も, 十そ の実 態が 修正後 の企業 会 計原則注 解18 に定 め る引当 金に該 当す る と認 めら れるも のにつ い ては, 損金処 理方式に よ り負債 の部に 計上す る ことが 妥当 であ る」 とし , 租 税特別 措置 法上 の準備 金であ っ ても引 当金 とし て計上し うる ものが あ る ことを 示 唆す る。 この文 言は,〔注14 〕犬の削除り 理 由で 述べら れてい る 文 言 と矛盾す る。 何故 なら,「解釈 指 針」 は,「負債 性引 当金に 該当し ない い わゆ る利益 留保 性 の引当 金の計上 が適 法な もの とし て認 めら れ る の で あ れ ば」(「解釈指針」二)と,「法令上 に よって 認 められ た準 備金を 負債 性 引 当 金 に 該当し ない 引 当金 とし, 利 益留 保 性引 当金 と性 格づけ てい るから であ る。 そ れ が, 修 正後 の注 解 〔注18 〕 の引 当 金に該 当す る ものがあ るとい うこ とは 修正 後 の注 解 〔注18 〕 の要 件が, 従来 利益 留 保性引 当金 とし て特定 引当 金の 部に 計上 され てい た も のを 許容 す るほ ど拡 大さ れたこ とを 意味す る。 従っ て, 昭 和57 年 の「企業 会 計原則」 修正に よる注解 〔注18 〕は, 従来利
国際科学技術博覧会出展費用の引当金Iについて49J*. 益 留 保 性 引 当 金 とし て 性 格 づ け て い た 租 税 特 別 措 置 法上 の 準 備 金 の うち, 損 失 性引 当 金 に 該 当 す る 場 合 に は そ れ を 会 計 上 の 引 当 金 と し て是 認 す る こ と に な った。 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 引 当 金 も , こ の プg セ ス の中 で 租 税 特 別 措 置 法上 の 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 準 備 金 が [ 注18 ] に 該 当 す る 引 当 金 とし て と りあ げ ら れ て い る。 し かし , そ の内 容 は 損 失 性 引 当 金 に も 該 当 す る とは 言 え ない 。 ニ 3. 租税 特別措 置法上 の準備 金 租税特別措 置法上 の 準備 金の うち, 何が 修正後 の て注18 〕 の引当 金に該当 す るかを 検 討す る前に, 租税特 別措 置 とはい か なる 七の であ り, そ れに基づ く準備 金り 性 格を 先ず 明ら かにし なけ れば なら ない。 租税特別 措 置の定義は 必ずし も明確 に され てい る とは いえ ない が, 政府 の 税 制調査 会で は次の ように 定義し てい る。「租 税特別措 置は, 基本税 制をそ の時 々の経済 情勢に即し て組 織的に 体 系づけ るた め の規定 や措 置を さす もの ではな く, 同じ 経済的 地 位にあ る 者に 対し ては 同じ 負担 とい う, い わ ゆる負 担 公平 の原則を 大な り小な り犠牲にし ながら, 経 済政策 的 目的を 特定 の経 済 部 門ないし は国民 層にた いす る租 税 の軽 減免除 とい う誘 因手 段 で達皮し よう とする 目的を もっ 規定, ないし は措 置を さす。5)」 上の定 義に よれば, 租 税特別措 置 は 次の2 つ の特徴を 有する ものといえ る。 ‥① 経 済政策的 目的 を達成 す るた めの 誘因手 段 であ るこ と ② 負担公 平性 の原則を 犠 牲に す る もの であ ること 経済政策的 目的に は, 貯蓄 の奨 励, 内 部留 保 の充 実, 技術振興, 設 備の近 代化, 産業 の保護育成 な どさ まざ まな 目的を 挙げ るこ と がで きるが, かかる 経済政策 的 目的 に対し て国家 が課税上 の特別措 匠を 講ず るこ とは, 実 質的に は国家に よる 隠れた 補助 金 とい う性 格を 有す る こ とにな る。 「ところ で, 補助金 と考え た場 合, 目に 見え る 補助 金 の場 合に は,(1)その 政策目的 の総 体的 な 経済 政策 目的 に 占 め るウ ェ イトやそ れ が果し た実 際 の効 果を毎年 評量 でき,そ の うえ で補助 金 のあ り方を 年ご とに 改め てい くこ とが できる。(2)個 々の企業 の状況を 考慮し な がら 実 際にそ くし た 補助金 の交付を 行なうこ とがで きる。(3)国会 の民主 的 コソ ト ロ ―斤 の対 象 とす るこ とがで ぎ る, などの利点を もっ。 こ の点, 特別 措 置は か くれた 補 助 金とし てこ うし た
50 く 利点 には 弱い。 一 方, 目に 見え る補助 金は, そ の手 続 が 煩雑 であ るほ か, 行 政面 の干渉を もたらし , それ が企業 の創意を 喪失させ るきらい があ る。 この 点, 特別措 置 の場 合には,(1)法の 規定す る一定 の条 件に 該当 す れば認 められ, 手続 は比 較的 簡 便であ る。(2)行政面 の干 渉 がす くない,(3 )企業努 力に よって 所得 が多 くなれば, 一 般にそ れだけ 減免 の効果 も大 と なる, な ど の利点があ る。 そ のほ か, 技術的 利点 とし て, 特別 償却, 準 備金 の場 合には , 企業 の会 計経 理のし くみに そ の ま まの って, 自動的 に貸しつけ た 資金 の回 収を は かる こ とがで きる とい う妙味 も指摘 され よ う。6)」 この よ うに, 隠 れた 補助金 とし ての租税特別措 置は 上 記 の よ うな利点を 見 出し うるが, 北 野教 授はさらに 租 税特別措 置の弊害を 次 の よ うに 指 摘 す る7)。 ① 特別措 置は, 特定 の政策 目的 のために 負担 の公平 性を 犠牲にす るもの であ る。し た がって, なに よりも負担 公平原則を 阻 害す るとい う弊害を 指 摘し なけ れば ならない。 ② 利子 ・配当所 得 の分離課 税の 例に よって容易に 知 られ るよ うに , 特別 措 置は総 合累 進構 造を 形 骸化せし め る。 そし て, そ れは , 税制 の もつ所 得再配 分お よび ピ ル ト・ イソ ・ス タビラ。イザ ー(built-in-stabilizer) の機 能を 減 殺せし め る。 ③ 大 企業, 特定 産業, 高額 資産所得層 への 傾斜的 優 遇措 置は, 一 般 の納 税 者の タッ クス- モ ラルを 低下 せし める。 ④ た とえ ば, 米 穀所 得課 税の特例や 社会保 険診療 報酬 の所 得 計 算の特 例 等の例に よっ て知ら れ る ように, 一 た ん採用 され ると, そ の効果 のい か んに かかわ らず, 既 得権化し, 廃止 が困 難 とな る(特別措置の固定化)。 ⑤1 つ の特別措 置の承認は, 連 鎖反 応的 に類 似のい くつ かの 特別措置 の 犬 承認 要 求を もたら す。 この よ うに, 租 税 特別措 置 法上の課 税軽減措 置は公 平 課 税の原 則 から問題 の多い ところ であ るが, す ぐれて国家 的政策に よるも のであ り, そ れは また 国家 の産業 育成 政策 と関 連す るい わ ゆる刺戟的課 税(incentivetaxation)なの であ る。 問 題は, 北 野 教授 が⑤で 指摘し てい る ように1 つ の特別 措 置の承認 は, 連 鎖的に 類 似 の特別 措 置の承認を もたらし, 特別 措 置 は年 々付 加されて い く傾向 があ る。 国 際科学 技術 博 覧会 出展 準備金 の性格は, 同博 覧会 に 出展参 加す る企業に
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について51 刈し て の 隠 れた 補 助 金 とい うこ と が で き る。 す なわ ち , こ の 博 覧 会 は ,「国 際 博 覧 会 に 関 す る条 約 」 の 適 用 を 受 け , 財 団 法人 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 協会 が 主 催 す る 大 規 模 な 国 家 的 事業 な の であ る。 か か る国 家 的 事 業 の 出 展 参 加 企業 に 対し て, 国 家 が 税 の軽 減 措 置 を 講じ て 企業 の 出展 参 加 意 欲 を 駆 りた て る こ とは 当 然 で あ る。 租 税 特 別 措 置 法 第56 条 の11 は , 国 際 科 学 技 術 博 覧会 出 展 準 備 金 に つ い て 次 の よ うに 規 定 す る。 博 覧 会 に 出 展 す るた め の 費 用 (政 令で定 めるとこ ろ に。よ り 計算し た金額)を , 当 該 適 用 年 度 の 月 数 を 乗じ てこ れ を33 で 除 し て 計丿算 し た 金 額 以 下 の 金 額を 損 金 経 理 の 方 法 (確定し た決算におい て利益又は 剰余金の処分 に より積立金とし て積み立てる方法を 含む。) に よ り積 み 立 てた と き は , 当 該 積 み 立 てた 金 額を 当 該 積 み 立 て を し た 日を 含 む 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 , 損 金 の額 に 算 入 す る とい う も の であ る。 ト 除 数 の33 は , 月 数 を 表 わ し , 昭 和57 年7 月1 日 から 昭 和60 年3 月16 日 まで の月 数 の 合 計 が33 ヵ 月 に な る から , 適 用 年 度 の 月 数 按 分 計 算 に よ り 損 金 算 入 を 認め た も の と な っ てい る。 また , 同 積 立 金 額 は , 同 条 第3 項 に よ り, 昭 和60 年3 月16 日を 含 む 事 業 年 度 終 了 の 日に お け る 課 税所 得 の 金 額 の 計 算 上 益 金 の額 に 算 入 さ れ る。 十 従 っ て , こ の 出 展 準 備 金 の 特 別 措 置は , 出 展 費 用 の 積 立 て に 対 し て 課 税延 期 を す る も の で あ り, 出 展 費 用 の 積 立 額 に 対 し て 損 金 に 算 入 す る とい うのは 実 質的 に は 国 家 に よ る 補 助 金 の 交 付 (隠れた補助金)に 等し く, 補 助 金 の回 収 は 昭 和60 年3 月16 日を 含 む 事 業 年 度 に おけ る 益 金 算 入 に よっ て な さ れ る こ と に な る。 こ の よ うに , 限 定 さ れ た 出 展 参 加 企 業 に 対 す る隠 れ た 補 助 金 とし て の 性 格 を 有 す る 出 展 準 備 金 が √ 何 故 会 計上 の 費 用 ・ 収 益 対 応 原 理を 基 盤 と す る引 当 金 とし て 捉 え ら れ る の か が 疑 問 であ る。 4, 国際科学技術博覧会出展費用の監査上の取扱い 日本公認会計士協会の監査第一委員会で審議した結果,昭和58年2 月14 日 付0 「審理室情報No.l 」で同出展費用の監査上の取扱いが公表 さ れ た。 こ れが日本公認会 計士協会の公式見解なのかどうかは, 多少の疑問が残るが, この取扱いが「審理室情報」とし て公表されたのは,「一時的かつ個 別 的 な 問題であるので, 委員会報告の形には まとめられてい ない。し かし ながら,
52 そ の検討結果は,何らかの形で実務の参考に供す る必要が認められたので, 日本公認会計士協会の審理室を窓口とし,『審理室情報(その1 )』とし て 公 開された。なお,この公開にあたっては 監査関係担当役員とも協議済みであ るので, これは 日本公認会計士協会の見 解であ ると解し てよい8)」 よう であ る。 「審理室情報」は, 出展費用の性格を明ら かにした上 で, 出展費用の会計 処理を論じ, 出展費用の「引当金」性の妥当性を 根拠づけ る。同「情報」に よれば, 出展費用の会計処理には次の3 つの方法があ りうるとい う。 ① 支出時又は費用発生時の都度計上する。 ② 費用を認識すべき事象が生起した ときに一括して引当計上し,支出時 又は費用発生時にこれを取崩す。 ③ 規則的合理的計画に基づ 今期間配分を 行なって引当計上し,支出時又 は費用発生時にこれを取崩すo − これらの会計処理について,監査第一委員 会は次のようにコメソトする。 ①の場合には, 出展費用が特定の事業年度のみに集中的に発生することにな り,費用の配分方式とし ては望まし くない。②の場合も①と同様,費用の配 分方式 としては望まし くない。 さらに, 出展計画の実行行為はその後の事業 年度に実施されるので過度に費用 の早期計上 となる。 ③の方法は,①お よび ②の方法による弊害が取除かれ,近い将来の数事業年度に発生が予想される 総出展費用を認識し,その期間配分をあら かじめ合理的に定めて全事業年度 に費用を配分するものであり, 最も適切な処理 で あ る とい う(「審理室情報No.l 」 皿出展費用の会計処理)。 し かし ながら,この審理室情報に よれば,考えられる会計処理の方法とし て積立金に よる処理方法が検討されてい ない。あらかじ め,出展計画に基づ いて出展支出額の予想ができるわけ であるから,支出額 の捻出方法は従来の 積立金を 口的 外使用とし て取崩すか,将来支出の予想額を積立設定してそれ にあてるか, 又はモの両者の方法を組合わせて行わなけ ればならない。し か し, 提示された3 つの会計処理は,いずれも費用処理であ り,費 用処理にお け る期間配分計算の合理性を論じ てい るにすぎない。 また,ここで「出展費 用」 といわれている用語は, 会計理論上の「費用」では なく「支出」と言わ なければならない。 何故なら,「費用」 とい う概念は費用認識基準を通し て
国際科学技 術博覧 会出展 費用 の 引当 金 性に つい て53 期 間 帰 属 の 確 定 し た 概 念 で あ る か ら で あ る 。 犬 し た が っ て , 出 展 の た め の 将 来 支 出 が 当 期 の 費 用 と な る た め に は , 一 定 の 要 件 を 有 す る 認 識 基 準 を 通 し て 判 断 し な け れ ば な ら ず , さ ら に そ れ は 当 期 発 生 収 益 と 関 連 す る 価 値 犠 牲 分 た る 対 応 原 理 を 満 た す も の で な け れ ば な ら な い 。 し か し ,「 審 理 室 情 報 」 に よ れ ば , 収 益 と の 関 連 性 は 認 め ら れ な い が , 経 営 活 動 に 必 要 な 費 用 で あ る と し て 次 の よ う に 説 明 す る 。 「 出 展 参 加 は , こ れ に よ っ て 収 益 が 得 ら れ る も の で も な く , む し ろ , 博 覧 会 と い う 大 規 模 な 公 共 性 を 帯 び た 国 家 的 行 事 へ の 参 加 に 意 義 が 認 め ら れ , 会 社 の ゴ ー イ ソ ダ コ ン サ ー ソ の 観 点 か ら 経 営 活 動 に 必 要 な 費 用:の 負 担 が 生 起 し て い る と 解 さ れ る 」 (「 審 理 室 情 報No.11n ・1 ・(D )。 「 収 益 」 と の 関 連 性 が 見 出 さ れ な い 支 出 で あ れ ば , 期 間 損 益 計 算 に 影 響 さ せ て は な ら な い 筈 で あ る 。 会 計 上 の 「 引 当 金 」 の 意 義 は 第 一 義 的 に は 借 方 で あ る 。 我 が 国 で は 商 法 及 び 税 法 と の 関 連 か ら 貸 方 の 議 論 が 多 く 見 ら れ るノが , そ れ は む し ろ 逆 で あ り , 借 方 す な わ ちP/L 上 で の 計 上 根 拠 と そ め 計 上 区 分 が 問 題 で あ り , 貸 方 す な わ ちB/S 表 示 はP/L 上 で の 合 理 性 に 基 づ く 結 果 的 表 示 万t こ す ぎ なy ヽ。 ’ ………ノ\クノ レズダ \ そ こ で ,「 審 理 室 情 報No.l 」 で い ジう:引 当 金 方 式 を と っ た 場 合 , 借 方 繰 入 額 は ど こ に 表 示 さ れ る で あ ろ う か 。 同 審 理 室 長 の 大 迫 氏 は 次 の よ う に 述 べ る よノ 「 具 体 的 に は , 出 展 費 用 の 期 間 配 分 額 は , そ の 期 の 損 益 計 算 に お い て , 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 に 『 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 引 当 金 繰 入 額 』 と し て 引 当 計 上 し , モ の 残 額 は 『 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 引 当 金 』 と し て 計 上 さ れ る 。 出 展 費 用 に 係 る 支 出 が あ っ た と き は , モ の 支 出 相 当 額 に 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 引 当 金 を 充 当 し て 取 り 崩 す こ と に な る 。9)」 こ の 処 理 は , 期 間 損 益 計 算 上 重 要 な 問 題 を 提 起 す る も の で あ り , 出 展 費 用 の 性 格 で 述 べ ら れ て い る 理 由 と 矛 盾 す る も の と な る 。 つ ま り , こ の 出 展 費 の 支 出 に よ っ て 「 収 益 が 得 ら れ る も の で 」 は な い と し な が ら , 出 展 引 当 金 繰 入 額 をP/L 上 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 に 計 上 す る こ と は ,i 収 益 に 対 応 す る 営 業 費 と し て 表 示 さ れ る こ と に な り , 営 業 利 益 を 営 業 と 関 連 し な い 将 来 支 出 の 引 当 て に よ っ て 圧 縮 す る 結 果 を 導 び く 。 こ れ は , 明 ら か に 公 正 表 示 の 原 則 に 反 す る も の と 言 わ な け れ ば な ら な い 。 ‥ ‥ ‥‥ こ の よ う な 会 計 処 理 が 認 め ら れ る こ と に な っ た の は , 昭 和57 年 「 企 業 会 計
54 原 則」 修正に よる「 解釈指 針」 に 端を 発し てい るこ とは 言 うまでもない。 5. 「解釈 指針」に よる 商法解 釈上 の問 題 昭 和57 年4 月20 日付 の「負債 性引 当金 等に 係る 企業 会計原則 注解 の修正に 関す る解 釈指 針」は,「 租税特別措 置法 上 の準備 金であ っ てもそ の実 態 が 修 正 後 の企業 会 計原則注 解18 に定 め る引 当金に 該当 す ると認 めら れる ものにつ い ては, 損金 処理方式に より負債 の部に 計上す るこ とが妥当 で あ る」(「解釈 指針」二・(D) とし , さらに (注) とし て 次 の ように 述べ る。「租税特別措 置 法上 の準備 金が修 正後の企業 会 計原則 注 解18 に 定め る引 当 金に 該当す るかど うかの監査 上 の取扱い につい ては, 日本公 認 会計士 協会 が関係者 と協議 のう え 必要な措 置を 講ず る ことが適 当 と考え る。」 こ れを 受け て, 日本公認 会 計士 協 会監 査 第一 委員 会は ,「租税特別措 置法 上 の準備金 及び特別 法上 の引当 金又は 準 備金に関 す る監 査 上 の 取 扱 い」(監・, 査第一委員会報告第42号。昭和57年9 月21日)を 公 表し , 次 の ように取 扱 う こ と を 明ら かにし た。「従来, 実 務上 『引 当金』に 該 当す る とし て取 り扱 われて きた 租税 特別措 置法上 の準備 金 の うちに。は 利益留 保 性の も のがあ り, これを 今 後も 『引当 金』 とし て取 り扱 うこ とは認 めら れな くな った。 利益 留 保性の 『 準備 金』 の計上は, 今後> う刊益 処 分方式 に よる ことと な る。 し かし ,『準備 金 』の うちに 下 記(1)の要件を 満 たす も のがあ り, かつ, 下記(2)の留 意事 項に 従 った会 計処 理を 採用し てい る ときに は, その実 質的 内 容は 『引当 金』に該 当 す るので, 監査上, これを 『引当 金』 とし て取 り扱 う」(「監査上の取扱い」1 サ)。 ヶ なお,巾 の要件お よび(2)の留 意事 項は 次 のとお りであ る。 (1)「準備 金」 の うち 「引 当金」 に該 当 す るも のの要 件 ① 将来におけ る特定 の費用 又は 損 失に対 す る引当 で, そ の起因 とな る 事 象が当 期以前に既 に 存し てい る こと ② 将来におけ る費用 又は 損失 の発生 の 可能 性が高い と見 込 まれるも の であ るこ と \ ③ 当該費 用又 は損失 の金 額を 合 理的 に 見積 る こと ができる こと(2) 「準 備金」を 「引当 金」に 該 当す るもの とし て取 り扱う 場 合 の 留 意 事 項
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について55 ① 当 該 引 当 額 は , 租 税 特 別 措 置 法 の 規 定 に か か わ ら ず, 当 該 会 社 の 状 況 に 応じ た 必 要 額 が 計 上 さ れ なけ れ ば な ら ない 。 ② 租 税 特 別 措 置 法 の 規 定 に か か わ ら ず , そ の 設 定 目的 で あ る特 定 の 費 用 又 は 損 失 が 発 生 す る ま で に 取 崩 す こ とは 妥 当 で な い 。 ③ 「準 備 金 」 を 「引 当 金 」 とし て 計上 す る 場 合 は , 引 当 金 の 名 称 を も っ て 掲 記 さ れ るべ き で あ る。 こ の 要 件 お よび 留 意 事 項 の説 明 は , 租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 の うち, 利 益 留 保 性 の準 備 金 と, 引 当 金 とな り う る 準 備 金 とを 区 別 す るた め の基 準 を 何 ら 示し てい な い 。 こ の 経 過 に つ い て,「同 取 扱 解 説 」 は 次 の よ うに 説 明 す る。「従 来 ,『準 備 金 』 は , 負 債 の 部 の 特 定 引 当 金 に ○ ○ 準 備 金 とし て計 上 さ れ て い た が, 改 正 前 商 法 第287 条 ノ2 の引 当 金 が 利 益 留 保 性 の も の の 計 上 を 必 ずし も 否 定 し て い ない と 解 さ れ て い た と こ ろ から ,『準 備 金 』 は 租 税 特 別 措 置 法 の 規 定 に 基 づ くも の に 限 り, 監 査 上 , 妥 当 な も の と 取 扱 っ てい た に す ぎ な い も の で あ る」(「解説」1 ・(2))。 か か る説 明 は ,「解 釈 指 針」 と同 様 の 説 明 で あ り, 従 来 , 租 税 特 別 措 置 法 上 の準 備 金 を 引 当 金 とし て 容 認 し て き た のは , 旧 商 法 第287 条 ノ2 に よ っ て 認 め ざ るを え な か っ た とし , 引 当 金 慣 行 が 歪 め ら れ て き た のは 旧 商 法 第287 条 ノ2 が 問 題 で あ っ た か の よ うな 印 象を 与 え る。 し か し な が ら , 旧 商 法 第287 条 ノ2 の 解 釈に つ い て は, て企 業 会 計 原 則 」 が 明 文 を もっ て 解 釈 指 針を 設 け る か, 日 本 公 認 会 計 士 協 会 が 監 査 上 の取 扱 い を 明定 す れ ば , 旧 商 法 に お い て も利 益 留 保 性 引 当 金 を 排 除 す るこ とは 容 易 で あ っ た は ず で あ る。 す な わ ち , 昭 和37 年 に 商 法上 設 置 さ れ た 第287 条 ノ2 は ,「 法 律 上 の 債 務 で な い 会 計 上 の 負 債 性 引 当 金 に 限 り貸 借 対 照 表 計 上 を 許 容 す る 趣 旨 を 含 ん でい る こ とは , 立 法 の 経 緯 か ら 明ら か であ り, 法 学 ・会 計 学 上 の 通 説 の認 め る と こ ろ で あ るlO)。」 に も か か わ ら ず ,「主 とし て 税 法 と の 調 整を 目的 とし た 法 務 省 と そ の 限 り で 法 務 省 に 従 わ ざ るを え な か っ た 大 蔵 省 お よび な る べ く多 くい わ ゆ る 利 益 留 保 性 引 当 金 , 狭 義 の 『特 定 引 当 金 』 を 認 め よ うと す る企 業 側 の 見 解 が 対 立し た 。 そ の 結 果 , 税 法 と の調 整 が 必 要 な く な っ た 現 在 で も, 企業 会 計 原 則 で は 負 債 性 引 当 金 以 外 の 『特 定 引 当 金 』 を 『 法 令 』 に よ り認 めら れ てい る こ とを 条 件 に し て 負 債 の 部 に 計上 す る こ とを 許 容 す る とい う妥 協 策 が
56 とら れてい る11)。」 昭和49 年修 正段 階にお い て,「企業 会計原則」 が, 注 解〔注14 〕に 規定 す る「法令」に は租 税 特別措 置 法上 の準備 金は該当し ない ことを 明定 す れば, 昭和49 年以降 租 税特別 措 置法上 の利 益留 保性 引当金を 特定 引当 金 から 完全に 排 除するこ とが できた はず であ る。 それをし な かった のは,「企業 会 計原則 」 が旧商法第287 条 ノ2 を 解釈す るに あた って広 義説を とってい た から だ と 考 え ざるを えない。 す なわ ち, 積立 金方式 が認 められてい る租 税 特別措 置法上 の準備金を 「企業 会 計原 則」 が引 当金 とし て是認す るわけに はい かない ので, 旧商法 第287条 ノ2 に よって 特定 引当 金と認め ざるをえ ない とし た のであ る。 まさに,商 法条文 が利 用 された にす ぎ ない。 昭和42 年以 前 の租 税特別 措 置法上 の準 備金は, 損金 経 理を 前提に 損金に 算 入する ものとし てい た。 し かし,「租税特 別措 置法に よる準 備金 の大 部分 が 税法上 の恩 典計 算であ り, 内 容 が積立 金 もし くはこれに 近 似し た も のであ る こ とは。 税法 も十 分に 心 得て い る(そうであるからこそ,税法は引当金なる用語 を遠慮し,準備金といっているのである)。 税法は この事 情を くん で42 年6 月 に 措置 法に よる準 備 金は 損金(経費支弁)とし て 計上し ない で, 未 処 分 利 益 の 処 分もし くは乗り余 金 の処 分 とし て 計上し ても, これを 損 金とし て認 め る, こ と とし た12)。」 従 って, 昭 和57 年4 月 の「企業 会 計原則」 修正におい ても, 特別 法上 の準 備金につい ては 従来通 り是 認 す るわけ であ るから, 改正 商法に よっ て利益留 保 性引当 金た る租税 特別 措 置法上 の準 備金 が引当金 とし て計上 で きな くな っ た とい う説 明は, 説 明的 根 拠性を 欠 く。 このこ とは, 昭 和49 年 の修 正段 階で, 租税 特別措置 法上 の準 備 金を 特 定 引当 金から除外す るこ とが可 能であ ったこ とを 物 語るも のであ る。 別な問 題点は, 利 益留 保 性引当 金 とし て 性格づけら れ た租 税特別 措 置法上 の準 備金を 商法 改正に よって 利益 処分 方式に変 った こ とを 原則 とし ながら, 修正 後の注解 〔注18 〕 に 該 当す る 準備 金は, 引当金 とし て計上 で きるこ とに し たこ とであ る。 今 回 の国際 科学 技術 博覧 会出展 引当 金 も, かかる 準備金O うち 引当金に 該 当す る もの とし て浮 上し てきた ものであ る。 こ のア プ1==・一チ は, 引当金設 定方 法 とし ては適 切 でない 。 何故なら,「 準備金」 と「引 当金」 とは 明確に異 な る概念 であ る から であ る。
国際 科学 技術博 覧 会出 展費用 の 引当 金性につい て57 6. 国際 科学 技術博覧 会出展 引当金 の性 格 会計上 の引 当金に な るか否かを 検 討す るに は, 特定 の 「準 備金」 が「引当 金」に な り うるかど うかでぱな く, 特定 の支 出 が会計 上 の「引 当金」に該当 する か否 かの 観点 から 検討し なけ ればなら ない。 丿 審理 室情 報No.l 」 は 「企業 会 計原則」 注 解 〔注18 〕 の引 当金要 件に該 当 する か否 かに つい て次 のよ うに 説 明する。 将 来 の特定 の 費用又 は損失 の要 件 に対し て,r 出展費用は 具体的に博 覧 会へ の出展 参 加に 伴 なって必 然 的 に 発 生す る費用 であ る。 そ の支 出の期間, 形態, 時 期及 び 金 額は, 出展契約 の締 結日に 会 社 が作成し た 出展計画に 具体 的に 明示 され, 確 実に予 測可 能であ る。 した がっ 七, 出展費用 は この要件に 該当 す る」 とい う。 確かに, 博 覧会 出展費用 の総額は, 出展契 約 の締結 時点 で 出展計 画書の添 付が義 務づ け られ てい ることから,あ ら かじ め 出展支 出の総 額を 見積 ること は 可能 であ る。 従 って, 特定の支 出た る要 件は満 たす もの と言え る。 「企業 会 計原則」 注 解[注18 ] は,「将 来 の特定 の費 用 又は 損失」:であ るこ とを 「引 当金」 の 第1 の要件とす るが, 期間 損益 計算 を前 提 とする発生主 義 会計に おい ては, 収益 と費用 の認識 ・測 定におい て, 対応 原 理が作用す る。 従 って,「将 来 の特定 の費用」 は,「将来 の特 定 の収益 」 と の関連で対 応関 係 が見 出され る ことにな り, そ れを 「当期 の費用 又 は損 失」 とし て繰入れ るこ とはで きない。「引当金」 の本質は, 将来 の支 出を 「収益」 との関連で当 期 の「費 用」 とし て認識す る ものであ るから, 注 解 〔注18 〕 の第1 の要件たる 「将来 の特定 の費用又 は損失」 は,「将 来 の特定 の支 出」 でなけ れば ならない。 注解 〔注18 〕 の 第2 の要件たる 「そ の発生 が当 期以 前 の事 象に 起因し 」に つい て,「審 理室情 報」 に よれば 次の理 由で 該当す る とい う。「出展契約を も って 会社外 部に 博覧 会へ の出展参 加に つい て の会 社の 意 思表示 が行わ れ, 同 時に これを 要 因に 出展 計画 の実 施 がス ター トし, かつ , 敷地 賃借料 の支 払義 務 も確立す る。し た がって,契 約 締結 が将来 支 出され る 出展費用 の発生 とな る 起因 であ る と解さ れ, この要件に 該当 す る」(r 審理室情報No.l」 Ⅵ・(2))。 発生 の当 期又は 当期以 前を 要 件 とす る のは, 将来支 出 の原因た る事実が当 期の収益 と対 応関 係を 有する か, 又は 当期 の利益 に課 すべ き必然性を 要求す るも のであ る。 ところ が, この出展 引当 金は, 将 来 の 出展支 出額を当 期に 計
58 上し なけ れば ならない 当期 帰 属性 の原因 発生事実は なんら 生じ てい ない ので あ る。「審 理室情 報」 は, 契 約締 結 が将来支 出 の原因 発生 事実 の生 起 と す る が, この原因 発生 事実は 損益 計 算原 理上の当期 帰属 性と何ら関 連を 有し ない ものであ る。 し かし,「審理 室 情報No.l 」 は,「 出展費用引 当金は, 企業 会 計上 の費用 配 分 の原則を 適用 す るために 設け られた 商 法第287 条 ノ2 の引当 金 であ る」(M (注2 ))とい う。 一 般に, 費用 配 分 の原則(正確には原価配分の原則とい うべき であろう)は, 支 出原価 を収 益 との関 連 で期間配 分する原 則で あ る。 原価 の 費用 化の プロセ スは 将 来収 益を 創造 する直接的 又は 間接 的関 連 が見 出されな い ことに よっ て認 識さ れる13)。 こ の配分原則を 将来 支出 の期間 配 分に 適用 す るとし て も,そ の配分 期 間の決定 は 収益 との関 連に 求め られ なけ れば なら な い。 十 また, 商 法第287 条 ノ2 の引 当 金規定 の 「其 ノ営業年 度 ノ費用 又 ハ 損 失 ト 為 ス コト ヲ相当 ト スル」 とい う要 件に該 当す るか ど うか甚 だ疑 問 であ る。 営 業年 度 帰属の相 当性は, 損益 法を 前提 とする商 法解釈上 , 当然 な がら 期 間損 益 計 算におけ る価値 犠牲 帰属 の積 極的 根拠を 必要 とす る から であ る。 注 解 〔注18 〕 の他 の要 件た る 「発生 の可能 性が高 く」 と「そ の金額を 合理 的 に見 積るこ と ができる」 とい う要件に対し ては, こO 「出展 引 当金」 の性 格 から両者を 満た す とい うこ とがで きる。 問 題は, 既に。触れた よ うに , 引当 金 の本質であ る 「発生 事 象の 起因」 の要 件に は明ら かに 該当し ない とい うこ とであ る。 「審 理室情報No.l 」に よれば,「出 展費用 が, 著しい バ ラ ツキを も っ て 各 期に 計上され る と, 会 社 の通常 の営業 成 績の表示を ゆ がめ る こ と に な る] ( Ⅲ) ことを 懸念し て, 合 理的 計画に 基づ く期間配分 とし ての 引当 金 方 式 を 提唱 す るが, 配 分され た繰入 額 自体, 配 分された 期間に おけ る合 理 性を もた ず, さらに営 業 成績 の表示 を ゆ がめてし まう結果を もた らす。 何 故な ら, か かる出展費用 は 本来 損益 計算に 影 響させ るも のでは な く, 積立 金 とし て処 理 し なけ ればなら ない ものだ から であ る。 こ の ように不 合理 な 「出展引 当 金」を 会計上 の引当 金 とし た こ とに 対し て, 大迫 氏は次 の よ うに 述 べ る。「従 来 の引当 金では, 引当 金 会 計の合 理的 な発 展 を阻 害す るお そ れがあ る ので, 今回 の国 際科学技 術博 覧 会出展 引当 金 の検
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について59 討 に 当 っ て は , 前 向 き の 姿 勢 で 臨 ん だ 。 こ の 意味 では , 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出展 費 用 の 会 計 処 理は , 今 後 の 引 当 金 会 計 の 試 金 石 に な る も の と 考 え ら れ る14)。」 本 来 , 利 益 処 分 とし て 処 理 す べ き 積立 金 を 期 間 損 益 計 算 に か か わ らし め ,B/S 上 負 債 の 増 加 とし て 表 示 す る 引 当 金を 利 益 留 保 性 引 当 金 と呼 び, 会 計 上 の引 当 金 と区 別し て きた 。 す な わ ち , 利 益 留 保 性 の 引 当 金 が 会 計 上 存 在し う る の で は な く, 利 益 留 保 性 の引 当 金 は 引 当 金 では な い の であ る。 引 当 金 で は ない 利 益 留 保 性 引 当 金 が, 商 法 及 び 税 法 と の 関 連 で 計 上 せ ざ るを え な か っ た とす る が , 引 当 金 では な い 利 益 留 保 性 引 当 金 を 計 上 し なけ れ ば な ら ない 法 規 制は 商 法及 び 税 法 上 ど こ に も 存 在し な か っ た と 言 わ な け れ ば な ら ない 。 商 法 が利 益 留 保 性 引 当 金 を 排 除 す る 規 定 を 明文 化し た 現 在, 利 益 留 保 性 引 当 金 の 計上 は 商 法違 反 と な る。 今 回 の 国 際 科 学 技 術 博 覧会 出 展 引 当 金 は , 合 理的 な 期 間 配 分 を 理 由 に 引 当 金 と さ れた が , 期 間 損 益 計 算 の 合 理 性 を 無 視し た も の であ り, 本 来 , 利 益 処 分 とし て 処 理 す べ き も の を 引当 金 とし て 計上 す る, 所 謂 利 益 留 保 性 引 当 金 に 該 当 す る と 言 わ なけ れ ば なら な い 。 7. 税法上 の引当 金と 準 備 金 法人 税法上, 引当 金 と準備金 は 明確に区 別 され てい る, 法人 税法上認 めら れてい る引当 金は, 貸 倒引 当金(法人税法第52条),返 品調 整引 当金(法人税法 第53条),賞 与 引当金(法人税法第54条), 退 職給 与 引 当 金(法人税法第55条), 特別修繕 引当金(法人税法第56条), 製 品保 証等 引 当 金(法人税法第56条の2 ) の6 種であ る。 これら は, 会 計上 の 「収 益 ・費用対 応 原則に 合 致す るもので あ るが故に, 税法上 も, 租税 負担 能力あ る 適正な 課税 所得 の計 算上 『別 段の 定め』を もっ て損金の 額に 算入す るこ と が認めら れてい るのであ る15)。」 他方, 準 備金は国家 経 済政策 に 基づ く租 税政策上 の 恩典 であ り,てそ の 多 くは 引当金 のご とく一 般 性を もたず, 特 定 の事業 活動 (業種)に のみ関 連 し て生ずる引 当事 象とし て の性 格を 持つた め, 租税 特別 措置 法で定 められ てお り,し か も準 備金を設 定し 得 る期 間が一 応限 定さ れてい る16)。」 すなわち, 課 税上 の恩 典的 特別 措置 であ る準 備金は , 法人 税法上 の引当金 と明確に区別 され てお り, そ れ故に 準 備 金は, 基 本 法(法人税法)と ぱ 別 ○ 単行立 法たる 租税特別 措 置法で 規定 され てい る。 租税 特別 措 置法で 規定す る
60 準備金に は, 価格変 動 準備 金(措置法第53条), 中 小企業 等 海外 市場 開拓 準 備 金 (同第54条), 海 外投 資等 損失準 備金 (同第55条), 自由 貿易 地域 投資 損失準 備 金(同第56条), 中 小企業 構造 改善等 準備 金(同第56条の2 ), 金属 鉱業等鉱 害防 止準 備金(同第56条の3・), 特定 鉄道 工 事償却 準 備 金 胴 第56条の4 ), 原 子 力発電工 事 償却 準備 金(同第56条の5 ), 特定 ガス導管 工 事 償却 準 備 金(同 第56条の6 ), 計 画造 林準 備金(同第56条の7 ), 電子 計 算 機 買 戻 損 失 準 備 金 (同第56条の8 ), プロ グラ ム準 備金(同第56条の9 ), 株式 売 買損 失 準備 金(同 第56条の10), 国 際 科学技 術博 覧会 出展 準備 金(同第56条の11), 証 券取 引責任 準備 金又 は商品取 引責任 準 備金(同第57条), 渇水 準備 金(同第57条の2), 使 用 済核燃 料再 処理 準備 金(同第57条の3 ), 保険 会社等 の異 常 危険 準 備 金(同 第57条の4 ), 原 子 力損害賠 償責任保 険又は 地震 保険に 係 る 異 常 危 険 準 備 金 胴 第57条の6 )等があ る が, これらの 準備 金を 損金 算入す る条 件 とし て, 当 初租税 特別措 置 法は損 金経 理を要 求し てい た が, 昭 和42 年 の税 法改正に より, 利益 処 分に よっ て 積立 金 とし て計上す る場 合に も損金 算 入を 認 め るこ とにな った。 こ のこ とは, 期 間損益 計 算原理上 合理性を 欠 く準 備 金設 定に 関し て税 法が譲 歩し た もの であ る。 当 時, 税法が か かる利益 処 分方式を 是 認し た背 景 とし で, 企業 会 計審議会 中間 報告に よる 「税 法 と企業 会 計 との調整に 関す る 意 見 書」(昭和41年10月17 日)を指 摘す るこ とがで き る。 同意見 書は, 準 備金の利 益 処分 方式に つい て 次 の よ うに 勧 告す る。「税 法がこ れら の項 目につい て 損金 経 理を 要 求 し て い る理由は, … …企業 の 意思を 確定 決算に 明示 す るこ とに よって 課 税の安定 性 を 図る とともに, 他面資 金 の内部留 保を 図り, 資金を 有 効に利用 せし め よう とす る政 策的 考慮に 基づ くものであ る と考え ら れる。し かし な がら, こ のよ うな 目的に 適応す る方式は, 必ずし も損 金経理方式 のみに 限ら れる ものでは ない。 税法 とし ては, 損 金経 理方式に 代え て, 利益 処 分方 式, す なわち企業 の利 益 処分に おい てこれ ら め準備 金等を 設定せし め る方式を 採 用し て も,そ の 目的 を達 す るも のであ る」(同意見書各論五・1・(1),(2))。 こ の ように, 期 間損益 計算上合 理性を 欠 く準備金 の損 金経 理方 式に対し て, 税 法 が利 益処 分方 式を 認め たため, 監査 証明 省令 の取 扱い にお い ても利 益処 分 方式を もっ て, 一 般に 公 正妥当 と認 めら れ る処理 とし て取扱 うこ とが指示 された。 すな わち, 同通達 は 次の よ うに指示す る。「一 般に公 正 妥当 と認 め
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について61 ら れ る 企業 会 計 の 基 準 に 照 らし て費 用 又 は 損 失 と 認め が た い 項 目 で あ っ 七 乱 税法 の 規 定 に よ り課 税 所 得 の 計 算上 損 金に 算 入 す る こ とが 認 め ら れ る も の (費用又は損失 とし て計上し ないで剰余金処分に より処理し た 場合に おい て も 税法 上 損金に 算入す るこ とが認められるものを除 く。)に つ い て 税 法 の 規 定 に よ り損 金 に 算入 す る こ とが 認 め ら れ る 範 囲 内 の 金 額を 費 用 又 は 損 失 とし て 計 上 し てい る 場 合は , 第4 条 第3 項 第1 号に 規 定 す る 『一 般 に 公 正 妥 当 と認 め ら れ る企 業 会 計 の基 準 に 従 っ て処 理 さ れ てい る』 も の とし て 意 見 を 記 載 す る こ とが で き る も の と す る」(「財務諸表の監査証明に関する省令の取扱 について」 第6 号)。 こり 「取 扱 」 は , 税 法 上 利 益 処 分 が 認 め ら れ てい る も の が 除 か れ てい る。 す な わ ち, 剰 余 金 処 分 に よ り 税 法 上 損 金 に 算 入 さ れ る も の が, 費 用 又 は 損 失 とし て 計 上 さ れ てい る 場 合 に は ,「 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め ら れ る 企業 会 計 の 基 準 に 従 っ て 処 理 さ れ て い る」 も の に 該 当し な い と い うも の であ る。 こ の よ うに , 租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 の利 益 処 分 方 式 の 是 認 は , 昭 和42 年 段 階 か ら 整 備 さ れ , 監 査 証 明 省 令 の 取 扱 に お い て も 利 益 処 分 方 式 が Γ一 般 に 公 正 妥 当 と認 め ら れ る企 業 会 計 基 準」 に 従 っ た 処 理 で あ る こ と が 明 ら か に され てい た に も か か わ ら ず, 昭 和56 年 に 至 る ま で, こ れ ら の 準 備 金 があ た か も商 法 第287 条 ノ2 に 該 当 す る 特 定 引 当 金 で あ る か の ご と く表 示 さ れ て き た のは 何 故 で あ ろ う か。 そ れ は , こ の 「 省 令 取 扱 第6 号 」 の カ ッ コ 書を 死 文 化 さ せた 監 査 実 務 に 責 任 が あ っ た と言 わ なけ れば な ら な い 。 昭 和43 年 , 日 本 公 認 会 計 士 協 会 は 証 券 局 長 宛 に 次 の よ う な 具 申 を し た 。 「租 税 特別 措 置 法 上 の 諸 準 備 金 の うち に は , 負 債 性 又は 評 価 性 引 当 金 の 性 格 を 有し な い も の があ る。 こ れ ら 負 債 性 又 は 評 価 性 引 当 金 た る 性 格 を 有し な い 準 備金 を 費 用 又 は 損 失 に 計 上 す る こ とは , 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め ら れ る 企業 会 計 の基 準 に 従 っ て 処 理 さ れ て い る とは 認 め ら れ な い。 … … 以 上 の 理 由 から 租 税特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 の う ち, 負 債 性 又は 評 価 性 引 当 金 と認 め ら れ ない 諸 準備 金 に つ い ては 剰 余 金 処 分 に よ り 積 立 金 とし て 積 み 立 て る 方 法 に 会 計処 理 を 変 更 す る よ う企 業 に 指 導 す べ き こ とは 当 然 で あ る が 」 とし な が ら ,「 取 扱 通 達 第6 号 カ ッ コ書 き の 規 定 に か か わ ら ず , 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め ら れ る 企 業 会 計 の 基 準に 従 っ て 処 理 さ れ てい る も の とし て 意 見 を 記 載 す る」(「租税 特別措置法上 の諸準 備金 の監査証明上 の取扱いに口い て」 昭和43 年1 月9 日調42 第43 号) とす る。
62 ∧ そ の理 由とし て同具中 書は 次 の3 つを 挙げ る。 ① 剰 余金 処 分方式を 税 法 が認 めた も ののなお 損金経 理方式を 認 めてい る こ と ② 剰 余金 処 分方式 へ の移 行の際 の税 務上 の手当 てが 必ずし も十 分でない こと。 ③ 商 法計 算書類 規則上, 翌 期以 降 の取崩し が目的取 崩し であ る場合, 特 別利 益に 計上し なけ れば ならない こと とな ってい る ので結果的 に利益 の 二重 計上 が行わ れるこ とに な るこ と。 これを 受け た形 で 「『租 税特別措 置 法上 の諸 準備金 の 監査証 明上 の 取 扱 い につ い て』(昭和43年1 月24日,蔵証120号) の証 券局 通達 が 出された のであ る。 そ の後 この通 達は49 年 の 監査証 明省令 取扱 通達 の全面 改 正に ともない 廃 止さ れた が, 当時 『暫定取扱 通達 』 とも略 称され たそ の 内容は, むし ろ 本則的に 定 着し て今 日に 至 ってい る17)。」 実 質的慣 習 となっ て定 着し た こ の「 監査証 明上 の取 扱 い」 は, 昭和49 年 の 「監査 証 明省令取 扱通 達」4 ―5に2 号 限定 から除 く カッ コ書きがあ る に。も か かわらず, 昭和56 年 の商 法第287 条 ノ2c 改 正 まで特定 引当金 とし て 取 扱 わ れ るこ とに な った。し たが って, 今 回,「解釈 指 針」を 受けた 形で 公表さ れ た 日本 公認 会計士協 会 監査 第一 委員 会に よる 「租税特別 措置法上 の 準備金及 び 特別法 上 の引当金 又は準 備金に 関す る監査上 の取 扱 い」(m 和57年9 月)は, 遅 す ぎた とい うべ きであ り, 昭 和43 年 段階にお い て検討 されるべ き ものであ った。 い ずれ にし ても,「企業 会 計原 則」 上 の注解 〔注18⊃ に 例示す る損 失 性 引 当 金で もな くまた費用 性引当 金に も該 当し ない 国際 科学 技 術博 覧会 出展引当 金 が, 引 当 金とし て監査上取 扱わ れ るこ とは, 上記 の 「暫定取 扱通達 」 と同 様に, 従 来 の引当 金の枠を 大 き く拡 大し た も の とし ての 類似 の引当 金を容認 す る「試 金石」 が投じ られた も のと言 え る。 8. む す び 税 法上, 引当 金 と準備 金は明 確に区 別 され てい る。 す なわ ち,「将来にお け る多 額 の支 出 または 損失 の準 備とし て準 備金勘 定に 積 立 てる金額 のことを 準備金(specialreserve) とい う。 引 当 金 との相違 は, 引 当金 が当年度 の収益
国際科学技術博覧会出展費用の引当金性について63 に 対 応 す る の に 対 し , 準 備 金 は 当 年 度 の 収 益 とは 対 応 せ ず, 将 来 の年 度 の収 益に 対 応 す る こ と で あ る。 し た が っ て, 準 備 金は , 企 業 会 計 上 , 当 年 度 の 必 要経 費 な い し 損 金 の額 に 算入 す るこ と が で き ず , 税引 後 の留 保 利 益 の 中 か ら 積立 て る べ き 性 質 の も の で あ る18)。」 租 税 負 担 能 力 配 慮 の 原 則 か ら, 税 法 上 の 引 当 金 は (6 種に限定 されてはい る が), 課 税所 得 の 計 算 上 当 然 反 映 さ れ な け れ ば な ら な い も の と 考 え ら れ て い るが, 準 備 金 は , 法人 の 意 思 表 示 に よ り 課 税 上 損 金 算 入 さ れ る も の で あ る。 従 っ て, 準 備 金 の 損 金 算 入 に あ た っ て は , 税 法 上 当 然 な が ら 確 定 決 算 基 準を 要 求 す る。 し かし ,「 意 見 書 」 の影 響 力 も あ っ て, 租 税 特 別 措 置 法 上 の準 備 金は , 利 益 処 分 に よ る 積 立 金 方 式 に よ っ て も損 金 算 入 を 認 め る。 「解 釈 指 針 」 二 ・(1)は , 租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 で あ っ て も注 解 〔注18 〕 に 該当 す る 引 当 金 に な る も の が あ り う る とい うが , も し 該 当 す る も の があ り うる と す れ ば , 将 来 の 損 失 に 備 え る た め の 準 備 金 を 指 す も の と 言 え よ う。 し かし , 将 来 の 損失 に 備え るた め の す べ て の 準 備 金 が 引 当 金 に な る も の で ない こと は 言 う ま で も な い 。 日本 公 認 会 計 士 協 会 の 「租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 及 び 特 別 法 上 の 引 当 金 又は 準 備 金 に 関 す る 監 査 上 の 取 扱い 」( 昭和57年9 月21 日) に お い て, 海 外 投 資 等損 失 準 備 金 が 引 当 金 に 該 当 す る 場 合 が あ り うる と す る が, こ の 海 外 投 資 等 損 失 準 備 金 は, 特 定 法 人 の 株 式 等 を 取 得 し た と き ( 昭和48年4 月1 日から 昭 和59年3 月31 日 までの期間に), こ れ を 当 該 取 得 の 日を 含 む 事 業 年 度 終 了 の 日 ま でに 引 続 き 保 有し てい る場 合 に , 当 該 特 定 株 式 等 の 価 額 の 低 落 又 は 貸 倒 れ に よる損 失 に 備 え るた め , 特定 法 人 に 対 す る 特 定 割 合 を 乗 じ た 金 額を 積 立 て た と き損 金 の 額 に 算 入 す る とい うも の で あ る (租税特別措置法第55 条)。 従 っ て, こ0 準 備 金 は 明 ら か に 将 来 損 失 に 備 え るた め の利 益 留 保 性 準 備 金 であ り, 措 置 法 の 要 件 は 将 来 に お い て 価 格 が 低 落 す る か 否 か の 判 断 を 必 要 とし な い 。 こ の こ とは , 同 じ く 「 損 失 に 備 え る た め 」 とい う表 現 が とら れ た とし て 乱 引当 金 と 準 備 金 と で は 認 識 要 件 を 全 く 異 に す る と 言 わ な け れ ば な ら な い 。FASBNo.5 は , 偶 発 損 失 (losscontingencies ) の 計 上 を 認 め な が ら も 次 の よ うに述 べ る。 「し かし な が ら , 財 務 諸 表 作成 日に お け る 単 な る 危 険 の 存 在 だ け では , 損 失 が 発 生 し てい るこ とを 示 す も の で は な い 。 当 期 又 は 当 期 以 前 に 関 連し な い 資 産 の 減 損 又 は 債 務 もし くは 事業 中 断 に よ る 損 失 の 見 越 は 対 応 概
64 念 から みて正当 化さ れ るも のでは ない19)。」 現 在我 が国に おい て, 引当 金 とし て取扱わ れてい る国 際科 学 技術博 覧会 出 展 引当 金は, 特 定資 産 の減損 とな る ものでな く, また特 定の 債務 とな る もの で もない。 さらに ,対 応 概念を 満た す もので もな い。 か かる性 格の引 当金が, 注解 〔注18〕 に。該当 す る引当 金 とし て慣行化す れば, 再 び昭和40 年 代に おけ る引 当 金混乱 の時代に 逆 行す るこ とに。もなろ う。 すなわ ち, せ うか く財 務諸 表 から 姿を 消し た 何周年 記 念事業 引 当金, 社史 編纂費 引当 金, 原燃 料単 価調 整引 当 金等0 利 益留 保性 引当 金が, 修正 後 の注解 〔注i8 〕に 該 当 す る引当金 とし て復 活す る可能 性 のあ るこjとに 危惧を 感じ ざ るを え ない 。 …… …・…・・。・。 ・・・(1983・12・9)。 1 ) 村 山 徳 五 郎 「 計 算 丿 公 開 」『 企 業 会 計 』 第33 巻 第6 号 ,70 頁 。 … ……2 ) 中 央 会 計 事 務 所 編 「 昭 和56 年 商 法 等 改 正 関 係 衆 参 両 院 法 務 委 員 会 議 録 」 『 別 冊 商 事 法 務 第52 号 』,:243 頁 。 レ3 ) 拙 稿 「 改 正 商 法 の 論 理 と 制 度 会 計 上 め 問 題 」 東 洋 大 学 『 経 営 論 集 』 第20 号,17 頁 。 ト \ 十 レ4 ) 何 故 不 適 切 か に つ い て は , 拙 稿 「 制 度 会 計 の 基 本 思 考 」 『 北 見 大 学 論 集 』 第6 号,31 頁 を 参 照 さ れ た い 。 ・。 ・ 。 ・ ・・- ・・I ・汽・ う り り う u r a ? £ ) c -0 0 り う り り 。 りO501(MCO1111 0 印0 石 印 助111111 北 野 弘 久 『 税 法 講 義 丿 中 央 経 済 社 , 昭 和56 年,141 頁 . 『 同 書 』,151 ∼152 頁 . / ‥ ‥ .・・・ .・ . ・・ ・ .・ ・・ へ % ・ ・ ・ ・ .1. . ・●’ 『 同 書J,152 頁 .丿 犬 ニ …… ………/・ ・・ . ・. ・・ =… …I ‥ ‥‥ 大 迫 勝 丁 国 際 科 学 技 術 博 覧 会 出 展 費 用 の 会 計 処 理 に つ い て 」 『 企 業 会 計 』 第35 巻 第4 号,115 頁 ○ .’ ./ ・・.・ .. .. ‥‥‥‥ 『 同 書 』,116 頁 .  ̄ ニ 矢 沢 惇 『 企 業 会 計 法 の 理 論J 有 斐 閣 , 昭 和56 年 ,125 頁 . コ 『 同 書 』,125 頁 .4 ・ ・・ ・. ・ . .・. ・.・ ・ ・ 沼 田 嘉 穂 『 企 業 会 計 原 則 を 裁 く 』 同 文 舘 , 昭 和57 年,179 頁 .1964ConceptsandStandardsResearchStudyCommittee,"TheMatchingConcept,"AccountingReview (April,1965 ),p.370 レ 大 迫 勝 『 前 掲 書 』,119 頁 . \ 武 田 隆 二 『 法 人 税 法 精 説 』 森 山 書 店 . 昭 和57 年 ,451 頁 . 『 同 書 』,481 頁 . 村 山 徳 五 郎 「 計 算 ・ 公 開 」 『 企 業 会 計 』 第33 巻 第6 号 ,71 ∼72 頁 . 金 子 宏 『 租 税 法 』 弘 文 堂 , 昭 和58 年,224 頁 。FASBStatementNo.5,"AccountingContingencies, ”paragraph86.