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ICリードフレーム用“YEF42”合金

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Academic year: 2021

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小特集・材 料 ∪.D,C.るる9.15′24-418:る21.3.049.774_217

lCリードフレーム用"YEF42”合金

、、YEF42′′AlloYforlC

Lead

Frames

日立金属株式会社では,ICリードフレーム柑として,めっき性が良く,かつ打 抜き加工やボンディング工程の際,変形の小さい材料を目標に表面形態と残留ひず みの低i戒に及ぼす製造工程上の因子について検討を行なった。そグ)結果,金めっき の耐熱性と表面性二状の関係,及び組めっきふくれを起こす表面欠陥のi成少に及ぼす 製造上の管理ポイントが明らかとなった。また,条柑の残留ひずみに及ほすスり、ソ ティング条件とひずみ取り焼鈍の≧;をラ懲を調在し,仙_l二件を害さずに残留ひずみを小さ くする条件が判明L7こ。その結果を製造工程にフイ【トバックL,高品位で安志し た特性をもつ"YEF42◆'合金を生産するに至っている。 l】

言 1Cリーードフレームは,図1にホすような形状の金属製リ ボンで,ICチップのマウント部,ワイヤボンディ ング部, 外部リード部及び連結部かごブ構成されている。 リードフレーム材料の歴史をみると,ICやプ期には素子を 外部環ゴ克から保護する外国器にセラミックを使用したため, セラミ ックと熱膨脹特惟かよく-一致するコバール合金(29Ni-17Co-Fe)か川し-られた1)。その後,パソナーージグ)主流が梓川行 モールドに棺行したことをはじめ,ボンディング法の多様化, 素子の高山プJ化,あるいはCo価格の高騰したこともあり,現 時点では42合食(41Ni-Fe)と銅†㌻金・が約50クらずつ材料特性に 応じて使いう†けられている。大略,MOS(MetalOxide Semi-conductor)用にはt榛度,熱膨張の融か⊥>-j42fナ金か,バイポ【 ラには熟放散のノ.1丈で銅合金かイ如肖されている(つ 素材メーカ円から出荷されたストリップは,図2に示すよ うな_11不二よを経て殺終製品となるか,スタンヒングあるいはIC

製造メーカーから見たとき,(1)めっき欠陥を起こさない表何

をもつ材料,(2)貴金属グ)高騰に伴いめっき悼みを減少させて

も,従来とト司じ機能を果たすめ/ノきか付〈材料,(3)めっき荊

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図lリードフレームの形状(一例) リードフレーム中央の島部に. 1Cチップがマウントされる。 素材ストリップn 乾 勉*

佐々木

計* 坂本大司* 仙田嘉美** 板厚0.25mm 打抜き又はホトエッチング加エ めっき 金あるいは銀 ダイボンディ ング ワイヤボンディング シーリング 金線 樹脂あるいはセラミック 外部リードのめっき lC製品 スズ T5〟云om加 ゎ上〟∠ 〟αたαr〟 5【‡ざαんf βαgノ∼5α丘αmOJo yoざん∠mf Se氾dα 図2 1Cリードフレーム材の工程 素材ストリップがリードフレーム に成形され,lCに組み込まれて最終製品となるまでに至るエ程を示す〔, 処理を簡略化Lても,めっき性が良い材料及び(4)打抜き加工 やパッケージングニ工程での局部加熱で変形を起こさない材料 であることか要求される。 42合金H体は1930年代にガラス封着合金として開発された 材料〔U.S.Pat.2065404(1936)〕であるが,日立金属株式会 社はり-ドフレーム用として上記要求項目に関連して表面性 二伏と残留ひずみに着日L,"YEF42”合金の開発を行ない, 視力三溶解から冷間圧延まで一貫した品質管理のもとで生産す るに至っている。 `-YEF42”合金はキュリー点以下の温度で大きい正石姦わいを もっため,熱膨張が′トさく図3に示すようにICチップであ るSiとほとんど同じ挙動を示す。そのため,チップはAu-Si の共晶合金法で直接リードフレームに強固にi容着することが できる。表lに,"YEF42''合金の諸特性を銅合金を代表す る194合金と対比して示す。 * 日立金属株式全祉安来+二場冶金研究所 **【+立金属株式会社安来⊥場紫朗工場 39

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264 日立評論 VOL.63 No.4(198卜4) 0.6 0・5 0・4 0・3 0・2 (訳)ヱ\苗。併 快 速 Cu 樹脂 キュリー点 Fe 42合金 コパール合金 Si U lOO 200 300 400 500 温 度(¢c) 図3 各種材料の熱膨張曲線 42合金,コパールは熱膨張が小さく, lCチップの木オ料であるSiとよく一致Lている。 固

めっき特性と素材の表面形態

リードフレームは,通常,金あるいは組めっきが施される。 金めっきは高価であるため,特別に信相性を要求される用途 以外は,部分めっきが普通である。一方,組めっきの場合, 全面めっきが多いが,最近部分めっきが積極的に検討され, 一部移行しつつある。 めっき機能の一つとして,ダイ及びワイヤボンディング性 の良いことが要求される。そのために,10年ぐらい前は約3/∠ 以上の金めっき厚みが必要とされていたが2)・3),めっき方法の 改善により最近では1.5/ノ〈やらいが多くなっている。更に,1/′ 以下でも同等の機能を果たすめっきが素材表面を含め検討さ れている。また,銀めっきの厚みも以前の7/∠ぐらいから約 半分ぐらいまでi成少してきている。一方,めっき前処]璽の点 からみると,以前は加工された材料の表面には,加工異常層 や酸化物が形成されており,めっき性を害するものとして, 例えば酢酸系の光沢酸洗液で表面層を1∼2〟除去すること が多かった。しかし,最近は環境問題を含めて,単純な酸処 表l`■YEF42”合金及びCA194合金の各種特性 "YEF42・一合金は 熱膨張が小さく高強度であること.銅合金は電気伝導が良いことが特長である。 特 性 ``YEF42合金'■ CA194合金 物理的性質 比 重 8.2 8.9 固有抵抗(〃〔いcm) 58 2.7 平均熱膨張係数(/℃) (30∼300℃) 43×10 ̄7 174×10 ̄ ̄7 変移点(℃) 330 機械的性質 引張強さ(kg/mm2) 65 45 伸 び(%) 6 2 ピッカース硬さ(り 210 140 降伏点(kg/mm2) 60 43 理だけで摘ます事例も多く,めっき特性に及ほサ素材表面の 影響はますます大きくなってきている。 2.1金めっき性と素材表面 金めっきは42合金に対し密着性が非常に良く,外観上の欠 陥であるめっきふくれ,はがれをほとんど生じない。主に機 能面のボンディング性に関連して,めっきの耐熱性,すなわ ち大気中4800cぐらいに加熱したとき,金めっきが変色しない ことか要求される。 そのため日立金属株式会社は,耐熱性と素材表面性二状の相 関を調べるため,最終の焼鈍及び圧延条件を変え,図4に示 すような表軸をもつストリップを製造した。同図は典骨相勺な 事例を示したものであるが,試料Aは若干凹凸があり,結晶 粒界が観察されるのに対し,試料Bは粒界が観察されない特 徴を示す。これらの試料を脱脂,塩酸処理後1/∠の部分めっ き(めっき液:テンペレックス702,温度:700c,電流密度: 5A/dIn2)を施し大気中加熱したところ,試料Aのめっきは黄 金色のままであるのに対し,試料Bは茶色に変色してしまっ た。このときの金めっき表面,及び裏面の写真を表2にホす か,試料Aでは,地金の表面組織が転写された形態でめっき が付着しているのに対し,試料Bでは,粒状に付着している。 そして加熱すると粒界が乱れ,同表で金めっき裏側の白く見 える枇界部を分析するとFeが検出される。すなわち,42合金 中の酸素と親和力の強いFeがめっき粒界を拡散して,表面で 酸化したため変色を起こしたものである。したがって,素材 表面としては試料Aのように,表面結晶粒が大きく,粒界が 観察されるタイプが望ましい。また,めっき0.5〃で実験した 場合にも同様の結果が得られた。 日立金属株式会社はこのような表面はだが焼鈍条件(i且度・ (a)試料A (b)試料B 卜】▲ ̄一 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄1 5/∠ 図4 供試材の表面形態 試料Aは結晶粒界が観察されるが,試料Bではそれが観察されない。 40

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lCリードフレーム用``YEF42■'合金 265 表2 金めっき表面及び裏面の形態(加熱:480℃×3min大気中) 試料Bは金めっきの粒子が細かく,加熱により酸化される面積比が大きい。めっ き裏面の粒界の白い部分には,Feが検出される。 状態観察部 試料 A B 加熱前 加熱後 金めっき表面 金めっき表面 金めっき裏面

底意(瀞′二軍義三菱≡、′、vj≡、、諾鹿撃墜警私選攣′Jた、㌻、ギ

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養蚕深き熟ミニ窒。,∧て言;漂や賢′′甥 ̄ぎ野琶謂′環芝′芸蒜、魂∧鎚∨鶴

賀 ′草ご 時間・雰囲気露点)と圧延条件(ロール耐糊_度・圧延油・圧延 速度など)の組合せで得られることを確認し,■-YEF42''合金 グ)製造にフイ】ドバックしている。 2.2 銀めっき性と素材表面 鋭めっきは下地納めっきの上にめっきされるのが一般的で あるか,金めっきに比べ密着性の点で劣っている。したがっ て,外観上の欠陥であるめっきふくれを生じやすい。これは, めっき後400∼500℃に加熱したとき,多くは直径0.05∼0.1mm のふくれを生ずる現象である。J東関としては,めっき前処理 を含めためっき工程による場合も多い4)が,素材の表面欠陥 に起因することも多い。

素材の表面欠陥は,(1)はがれ,かぶり,異物の付着及びす

りきずのように外来的なものと,(2)材料内部に有力三する非金

属介在物が表面に出現するような材質的なものに分けられる。 外来的なきずは熱間圧延後のスケール除去とi合間圧延・中間 焼鈍サイクルの間に形成される。 日立金属株式会社は脱スケール方法,中間焼鈍条件,酸i先 方法などを適切に組み合わせることによって,枇J享0.25mmの 鼓終製品に仕上げたとき,壬毒さ50/J以上の外来きずを大幅に i成少させることができた。一プア,非金属介ホ二物については, 特殊精錬による真空溶解法を行なうことによって,"YEF42 合金''の介イモ三物レベルを秘めて低く管理することか可能とな っている。 田

フレームの変形と残留応力

打抜きあるいはホトエ、ソナング加工のときの変形やICボン ディング加工のときの変形は,材料の残留ひずみに起因する。 現在,ダイ及びワイヤボンディングはほとんど自動化され, しかも,高速化,多ピン化の傾向にあるため,リードフレー ムの形状,寸法に対する仕様はしだいに厳しくなっている。 H 5/ノ 3.1 スリッティングの影響 リードフレームに打抜き加工される条柑は,通′常板J亨は0.25 mmで,枇幅は多様であるか,大体14∼16ビンで25mm,24∼28 ヒンで40mmぐらいである。そして,条村の残留ひずみに及ぼ す凶子としては,圧延条件を含めて数多くそえられるが,経 験的にスりソティ ング条件か大きな岩き響をもつことが知られ ている。 境近,打抜きひずみに【対してリードとチップを接着させる ノ\■ソトとのコープラナりティ(同一軸内性)を問題にするケー スか多く,仕様的には枇帖の5%以内が多いとみられる。そ して,リードフレⅥムでのコ】フラナリティは,条材でのデ ィッシュ(枇帖方「「りの槌二伏曲Ij)とも相関がある。粂柑では, 図5にホすようにエ、ソナングで長手方向にiこ†ってスり、ソティ ングしたときの脚の広かり及び形寸犬から定性的に評価できる。

スリソティング条件としては,(1)クリアランス,(2)ラソ

フ1;=丘,(3)根押えの有無,(4)匂J断速度,(5)カッタ材質と刃先

形状などが挙げられる。条材のディ ッシュは,これらの条什 によって変化する。例えば、図6にホすようにディ ッシュを 克之小にするために,クリアランスを狭い範囲で管】空しなけれ ばならない。 3.2 ひずみ取り焼鈍の影響 J壬延及びスリソティング条件をかなり厳重に管理しても, 残留ひずみの分布にある程度の不#J一性は避けられず,特に 幅40mⅡl以上の多ピンで問題となる。そのため,仕様によって は更にひずみ1枚り焼鈍を行なって,ひずみを低i成させることが 必要な場合がある。 残留ひずみをⅩ線による(311)面の半価幅,及び図5のよう にスリットしたときの鼓大そり(カール量)で表わしたとき, 残留ひずみは焼鈍i且度によって図7にホすように変化する。 条柑の硬さは打抜き一性からピッカース硬さで190以上が一般 41

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266 日立評論 VOL.63 No.4(柑8l-4) 図5 エッチングによるスリット晶の形状と打抜きひずみの関係(板厚0.25mmX幅25mm) スリット晶の両端の脚が内側に曲がるものは,打抜 き後のコープラナリティが悪い。 nU O (U O O 80 6 4 2 (∈∈凸守\ヱりふへ∴丁恥 ラップ0.1,板押え なし

/

×〆×

ラップ0.1,板押え あり

占一婦く

ラップ0.2,板押えあり 0 20 30 40 50 クリアランス(〟) 図6 クリアランスとディッシュとの関係 ディッシュには,ラッ プや板押えの有無よりもクリアランスの影響が大きい。 的に要求されており,碩さと残留ひずみの低i成度合から焼鈍 温度の設定を行なっている。

"YEF42''合金は,特に,(1)「HCミル+楽1)による仕上圧延

条件,(2)スリッティング条件及び(3)ひずみ取焼鈍条件を管

理することによって残留ひずみが小さく,しかも均一と■なっ ている。 臼

製造工程と品質管理

リードフレーム材として要求される特性を安定して得るた めには,各製造工程で厳しい品質管理が必要である。以下特 に重要なi容解と冷延工程の管理ポイントについて述べる。

(1)溶

解 "YEF42''合金は2枚はがれのような重大欠陥を防止する ため,精選されたJ京料を真空誘導炉で特殊精錬し,極めて低 い介在物品位に管理している。また,熱膨張係数のばらつき を最小に抑えるため,多元素同時分析装置で炉申分析を行な い,成分を厳重に制御している。

(2)冷延工程

表面欠陥及び残留ひずみの低f成に対する製造上のポイント 戎1) HCミル(▲-HitaehiHigllCrolVn ControIMill'') 42 三)仙勝代l弔卜冶

;;;蔓

0 2 00 90 80 祁 80

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㌔_▲力Iル量

「トキ⊥立_人.鳩匝折ピーク半偶

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旭 川冷 500 600 700 800 980 温 度(Oc) (軸)璧苧卦へⅠ加島回浩× 0 9 8 7 8U 5 4 3 2 ]J lh O ∧U O O (U (U O ハU ∧U つ巨E)咄卓-弔 5 八u 5 図了 ひずみ取り焼鈍温度と残留ひずみ,硬さとの関係(加熱保持 時間:2min) 適切なひずみ取り焼鈍を行なうことにより.硬さを下げず にカール量を減らすことができる。 については,2,3章で報告したので,ここでは検査につい て述べる。表面欠陥は従来目視によっていたが,現在ではレ ーザによる自動化を検討している。また,残留ひずみについ ては,特にディッシュ,カール,蛇行にポイントをおいて管理 している。 8 結 富 めっき性と表面形態及び残留ひずみの低ざ成に対する製造工 程因子の影響を調査し,"YEF42”合金の生産にフィードバ ックすることができた。得られた主な事柄は以下に述べると おりである。

(1)金めっき厚みの低減に対し,表面に結晶粒界が観察される

材料は耐熱性が良く,焼鈍及び仕上圧延条件の影響が大きい。

(2)銀めっきふくれの原因となる表面欠陥は,脱スケール法,

中間焼鈍及び酸洗方法の組合せで大幅に低減できる。

(3)残留ひずみはスリソティング及びひずみ取り焼鈍条件の組

合せで,打抜き加工性を害さずに低i成できる。 参考文献 1)鈴木:電子材料,10,154(1971-8) 2)浅香:ボンディング技術,p.73 日刊工業新聞社(1970-3) 3)本多,外:電子材料,11,152(1972-12) 4)本郷:表面処理ジャーナル,2,12(1970-11)

参照

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