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2 改善前のくらげ侵入防止対策 る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い くらげ 襲来による出力抑制の回避に努めてきた 2 回実施し その調査結果をユニッ 2回実施し その調査結果をユニッ 2 回実施し その調査結果をユニッ 回実施し その調査結果をユニッ 222回実施し その調査結果をユニッ

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(1)

くらげ侵入防止対策として,船舶スクリューの旋廻力 で生じる潮流(以下,「人工潮流」という)によるくら げの押し出しやロータリースクリーンの連続運転等を実 施してきたが,短時間で多量にくらげが襲来する突発 ケースでは,対応遅れから出力抑制を回避できない状況 もあった。 このため,人工潮流の有無で取水口周辺の地形に基づ いた潮流が,どのような挙動等を示すのか,調査・解析 を行い検証したことで,効果的なくらげ侵入防止対策の 改善ができたので紹介する。

論 文

くらげ侵入防止対策の改善について

(The Improvement of Countermeasure for Preventing Intrusion of Jellyfish)

新 正幸

・藤井 博之

・林田 高志

・宮園 芳和

** 

(M.Shin) (H.Fujii) (T.Hayashida) (Y.Miyazono)

豊前発電所では,夏季にくらげ襲来によるユニットの出力抑制が問題となっていたことか ら,人工潮流等による,くらげ侵入防止対策を実施してきた。

しかしながら,対策を実施中にくらげ襲来による出力抑制が発生したことから,取水口周 辺の地形に基づいた潮流の挙動等について調査・解析を行い,くらげ侵入防止対策の改善を 図った。

Buzen thermal power station had taken measures by artificial tidal current for preventing intrusion of jellyfish into a seawater intake part, because output suppression by intrusion of them in summer season had become a problem. However, output restriction has occurred in spite of taking measures for preventing it. Then, we improved that countermeasure for preventing intrusion of them by surveying and analyzing such as tidal current behavior based on the topographical features around a seawater intake part.

1.はじめに

豊前発電所は,石油火力発電所として昭和52年12月に 1号機,昭和55年6月に2号機(ともに定格500MW)が運 開し35年以上の高経年発電所である。運開当初は,高稼 働で運転していたが,地球環境・エネルギー問題等の社 会情勢の変化や高効率火力機の導入に伴い,発電所利用 率は年々低下傾向となった。しかしながら,平成23年3 月の東日本大震災以降,ミドル火力として再び設備利用 率が上昇した。(図1,表1) このような状況下から,夏季重負荷期には安定かつ高 出力が求められるなか,当発電所では突発的なくらげ襲 来によるユニットの出力抑制が問題となっていた。 ● ● *九州電力株式会社

(Kyusyu Electric Power Co., Inc.)

**株式会社千葉袖ケ浦エナジー (Chiba-Sodegaura Energy Co., Ltd.)

原稿提出日 平成27年11月16日 表1 豊前発電所の設備概要

平成 27 年度大会論文集

くらげ侵入防止対策の改善について

The Improvement of Countermeasure for Preventing Intrusion of Jellyfish)

豊前発電所では,夏季にくらげ襲来によるユニットの出力抑制が問題となっていたことから,人工潮 流等による,くらげ侵入防止対策を実施してきた。

しかしながら,対策を実施中にくらげ襲来による出力抑制が発生したことから,取水口周辺の地形に 基づいた潮流の挙動等について調査・解析を行い,くらげ侵入防止対策の改善を図った。

Buzen thermal power station had taken measures by artificial tidal current for preventing intrusion of jellyfish into a seawater intake part, because output suppression by intrusion of them in summer season had become a problem. However, output restriction has occurred in spite of taking measures for preventing it. Then, we improved that countermeasure for preventing intrusion of them by surveying and analyzing such as tidal current behavior based on the topographical features around a seawater intake part.

1. はじめに

豊前発電所は,石油火力発電所として昭和 52 年 12 月 に 1 号機,昭和 55 年 6 月に 2 号機(ともに定格 500MW) が運開し 35 年以上の高経年発電所である。運開当初は, 高稼働で運転していたが,地球環境・エネルギー問題等 の社会情勢の変化や高効率火力機の導入に伴い,発電所 利用率は年々低下傾向となった。しかしながら,平成 23 年 3 月の東日本大震災以降,ミドル火力として再び設備 利用率が上昇した。(図1,表1) 図1 豊前発電所の設備利用率推移 このような状況下から,夏季重負荷期には安定かつ高 出力が求められるなか,当発電所では突発的なくらげ襲 来によるユニットの出力抑制が問題となっていた。 くらげ侵入防止対策として,船舶スクリューの旋廻力 で生じる潮流(以下,「人工潮流」という)によるくら げの押し出しやロータリースクリーンの連続運転等を実 施してきたが,短時間で多量にくらげが襲来する突発ケ ースでは,対応遅れから出力抑制を回避できない状況も あった。 このため,人工潮流の有無で取水口周辺の地形に基づ いた潮流が,どのような挙動等を示すのか,調査・解析 を行い検証したことで,効果的なくらげ侵入防止対策の 改善ができたので紹介する。 表1 豊前発電所の設備概要 1号機 2号機 運 転 開 始 昭和 52 年 12 月 昭和 55 年 6 月 定 格 出 力 500MW 500MW 主 蒸 気 圧 力 24.12MPa 24.12MPa 主 蒸 気 温 度 538℃ 538℃ 再 熱 蒸 気 温 度 538℃ 538℃ 使 用 燃 料 重原油 重原油 累積運転時間 (平成 27 年 9 月末) 124,278 時間 112,722 時間 累積起動回数 (平成 27 年 9 月末) 506 回 503 回 製 造 者 ボイラ IHI 日立 タービン 東芝 東芝 発電機 東芝 東芝 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 S52S54S56S58S60S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11H13H15H17H19H21H23H25 年 度 利 用 率 ( % ) 1号機 2号機 図1 豊前発電所の設備利用率推移

平成 27 年度大会論文集

くらげ侵入防止対策の改善について

The Improvement of Countermeasure for Preventing Intrusion of Jellyfish)

豊前発電所では,夏季にくらげ襲来によるユニットの出力抑制が問題となっていたことから,人工潮 流等による,くらげ侵入防止対策を実施してきた。

しかしながら,対策を実施中にくらげ襲来による出力抑制が発生したことから,取水口周辺の地形に 基づいた潮流の挙動等について調査・解析を行い,くらげ侵入防止対策の改善を図った。

Buzen thermal power station had taken measures by artificial tidal current for preventing intrusion of jellyfish into a seawater intake part, because output suppression by intrusion of them in summer season had become a problem. However, output restriction has occurred in spite of taking measures for preventing it. Then, we improved that countermeasure for preventing intrusion of them by surveying and analyzing such as tidal current behavior based on the topographical features around a seawater intake part.

1. はじめに

豊前発電所は,石油火力発電所として昭和 52 年 12 月 に 1 号機,昭和 55 年 6 月に 2 号機(ともに定格 500MW) が運開し 35 年以上の高経年発電所である。運開当初は, 高稼働で運転していたが,地球環境・エネルギー問題等 の社会情勢の変化や高効率火力機の導入に伴い,発電所 利用率は年々低下傾向となった。しかしながら,平成 23 年 3 月の東日本大震災以降,ミドル火力として再び設備 利用率が上昇した。(図1,表1) 図1 豊前発電所の設備利用率推移 このような状況下から,夏季重負荷期には安定かつ高 出力が求められるなか,当発電所では突発的なくらげ襲 来によるユニットの出力抑制が問題となっていた。 くらげ侵入防止対策として,船舶スクリューの旋廻力 で生じる潮流(以下,「人工潮流」という)によるくら げの押し出しやロータリースクリーンの連続運転等を実 施してきたが,短時間で多量にくらげが襲来する突発ケ ースでは,対応遅れから出力抑制を回避できない状況も あった。 このため,人工潮流の有無で取水口周辺の地形に基づ いた潮流が,どのような挙動等を示すのか,調査・解析 を行い検証したことで,効果的なくらげ侵入防止対策の 改善ができたので紹介する。 表1 豊前発電所の設備概要 1号機 2号機 運 転 開 始 昭和 52 年 12 月 昭和 55 年 6 月 定 格 出 力 500MW 500MW 主 蒸 気 圧 力 24.12MPa 24.12MPa 主 蒸 気 温 度 538℃ 538℃ 再 熱 蒸 気 温 度 538℃ 538℃ 使 用 燃 料 重原油 重原油 累積運転時間 (平成 27 年 9 月末) 124,278 時間 112,722 時間 累積起動回数 (平成 27 年 9 月末) 506 回 503 回 製 造 者 ボイラ IHI 日立 タービン 東芝 東芝 発電機 東芝 東芝 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 S52S54S56S58S60S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11H13H15H17H19H21H23H25 年 度 利 用 率 ( % ) 1号機 2号機

(2)

くらげ侵入防止対策の改善について

2.改善前のくらげ侵入防止対策

改善前のくらげ侵入防止対策は,くらげの襲来が始ま る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い,くらげ 襲来による出力抑制の回避に努めてきた。 2.1 くらげ分布調査 発電所周辺海域でのくらげ発生状況を確認するため, くらげ分布調査を週2回実施し,その調査結果をユニッ トの運転業務を担当する発電グループへ連絡して注意を 促す。(図2) 2.2 小型船舶による人工潮流 発電所取水口周辺の荷揚岸壁に小型船舶を配置し,そ の船舶からの人工潮流で,くらげを取水口へ近づけな いように,西1号防波堤と2号防波堤の間から押し出す。 (図3,写真1) この人工潮流の実施条件は予めルール化しており, ロータリースクリーン高速運転中かつスクリーン水位差 が0.5mを超えた場合,または予防運転条件(大潮期間 の潮位250cm以下かつ取水口付近くらげ多数確認ほか) が成立した場合に実施する。(図4) 2.3 ロータリースクリーン連続運転 ロータリースクリーンは,突発的なくらげ襲来の予防 および,取水口からのくらげ侵入時の処理量分散化を目 的に,下げ潮時の潮位250cmから上げ潮時の潮位250cm の間で連続運転を実施する。(図5)

2.改善前のくらげ侵入防止対策

改善前のくらげ侵入防止対策は,くらげの襲来が始ま る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い,くら げ襲来による出力抑制の回避に努めてきた。 2.1 くらげ分布調査 発電所周辺海域でのくらげ発生状況を確認するため, くらげ分布調査を週 2 回実施し,その調査結果をユニッ トの運転業務を担当する発電グループへ連絡して注意を 促す。(図2) 図2 くらげ分布調査表 2.2 小型船舶による人工潮流 発電所取水口周辺の荷揚岸壁に小型船舶を配置し,そ の船舶からの人工潮流で,くらげを取水口へ近づけない ように,西1号防波堤と2号防波堤の間から押し出す。 (図3,写真1) この人工潮流の実施条件は予めルール化しており,ロ ータリースクリーン高速運転中かつスクリーン水位差が 0.5m を超えた場合,または予防運転条件(大潮期間の潮 位 250cm 以下かつ取水口付近くらげ多数確認ほか)が成 立した場合に実施する。(図4) 図3 人工潮流実施場所 写真1 人工潮流の実施状況 図4 人工潮流の実施条件 2.3 ロータリースクリーン連続運転 ロータリースクリーンは,突発的なくらげ襲来の予防 および,取水口からのくらげ侵入時の処理量分散化を目 的に,下げ潮時の潮位 250cm から上げ潮時の潮位 250cm の間で連続運転を実施する。(図5) 図5 ロータリースクリーン運転 公共岸 公   共   岸   壁 西1号 防波堤 西2号 防波堤 揚油桟橋 取水口 豊前発電所 1号2号 ① 取水口 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑮ ⑭ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 500m 500m 500m 500m 500m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 豊前発電所 N E W S 【凡例】 上段(赤字):赤くらげ 全体 下段(黒字):白くらげ 0匹 1~2匹 3~6匹 6~10匹 10~20匹 判断基準 6-多い 7-非常に多い 20~30匹 30~ 匹 5-だいぶいる 1-いない 2-1~2匹いる 3-数匹いる 4-少しいる 大潮期間中 潮位250cm以下 平日昼間帯 (ピーク時) くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.3m (連続運転中) くらげが 多数存在 取水口付近にくらげ多数 (直近の分布調査結果4以上) 厳しい需給状況での 負荷抑制の可能性あり 人 工 潮 流 実 施 予防運転条件 スクリーン水位差>0.5m (高速運転中) -50 0 200 150 100 50 400 350 300 250 潮 位 cm 連続運転期間 連続運転期間 潮位250cm 以下 で連続運転 人工潮流 荷揚 岸壁 西2号防波堤 西1号防波堤 小型船舶

2.改善前のくらげ侵入防止対策

改善前のくらげ侵入防止対策は,くらげの襲来が始ま る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い,くら げ襲来による出力抑制の回避に努めてきた。 2.1 くらげ分布調査 発電所周辺海域でのくらげ発生状況を確認するため, くらげ分布調査を週 2 回実施し,その調査結果をユニッ トの運転業務を担当する発電グループへ連絡して注意を 促す。(図2) 図2 くらげ分布調査表 2.2 小型船舶による人工潮流 発電所取水口周辺の荷揚岸壁に小型船舶を配置し,そ の船舶からの人工潮流で,くらげを取水口へ近づけない ように,西1号防波堤と2号防波堤の間から押し出す。 (図3,写真1) この人工潮流の実施条件は予めルール化しており,ロ ータリースクリーン高速運転中かつスクリーン水位差が 0.5m を超えた場合,または予防運転条件(大潮期間の潮 位 250cm 以下かつ取水口付近くらげ多数確認ほか)が成 立した場合に実施する。(図4) 図3 人工潮流実施場所 写真1 人工潮流の実施状況 図4 人工潮流の実施条件 2.3 ロータリースクリーン連続運転 ロータリースクリーンは,突発的なくらげ襲来の予防 および,取水口からのくらげ侵入時の処理量分散化を目 的に,下げ潮時の潮位 250cm から上げ潮時の潮位 250cm の間で連続運転を実施する。(図5) 図5 ロータリースクリーン運転 公共岸 公   共   岸   壁 西1号 防波堤 西2号 防波堤 揚油桟橋 取水口 豊前発電所 1号2号 ① 取水口 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑮ ⑭ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 500m 500m 500m 500m 500m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 豊前発電所 N E W S 【凡例】 上段(赤字):赤くらげ 全体 下段(黒字):白くらげ 0匹 1~2匹 3~6匹 6~10匹 10~20匹 判断基準 6-多い 7-非常に多い 20~30匹 30~ 匹 5-だいぶいる 1-いない 2-1~2匹いる 3-数匹いる 4-少しいる 大潮期間中 潮位250cm以下 平日昼間帯 (ピーク時) くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.3m (連続運転中) くらげが 多数存在 取水口付近にくらげ多数 (直近の分布調査結果4以上) 厳しい需給状況での 負荷抑制の可能性あり 人 工 潮 流 実 施 予防運転条件 スクリーン水位差>0.5m (高速運転中) -50 0 200 150 100 50 400 350 300 250 潮 位 cm 連続運転期間 連続運転期間 潮位250cm 以下 で連続運転 人工潮流 荷揚 岸壁 西2号防波堤 西1号防波堤 小型船舶 図3 人工潮流実施場所

2.改善前のくらげ侵入防止対策

改善前のくらげ侵入防止対策は,くらげの襲来が始ま る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い,くら げ襲来による出力抑制の回避に努めてきた。 2.1 くらげ分布調査 発電所周辺海域でのくらげ発生状況を確認するため, くらげ分布調査を週 2 回実施し,その調査結果をユニッ トの運転業務を担当する発電グループへ連絡して注意を 促す。(図2) 図2 くらげ分布調査表 2.2 小型船舶による人工潮流 発電所取水口周辺の荷揚岸壁に小型船舶を配置し,そ の船舶からの人工潮流で,くらげを取水口へ近づけない ように,西1号防波堤と2号防波堤の間から押し出す。 (図3,写真1) この人工潮流の実施条件は予めルール化しており,ロ ータリースクリーン高速運転中かつスクリーン水位差が 0.5m を超えた場合,または予防運転条件(大潮期間の潮 位 250cm 以下かつ取水口付近くらげ多数確認ほか)が成 立した場合に実施する。(図4) 図3 人工潮流実施場所 写真1 人工潮流の実施状況 図4 人工潮流の実施条件 2.3 ロータリースクリーン連続運転 ロータリースクリーンは,突発的なくらげ襲来の予防 および,取水口からのくらげ侵入時の処理量分散化を目 的に,下げ潮時の潮位 250cm から上げ潮時の潮位 250cm の間で連続運転を実施する。(図5) 図5 ロータリースクリーン運転 公共岸 公   共   岸   壁 西1号 防波堤 西2号 防波堤 揚油桟橋 取水口 豊前発電所 1号2号 ① 取水口 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑮ ⑭ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 500m 500m 500m 500m 500m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 豊前発電所 N E W S 【凡例】 上段(赤字):赤くらげ 全体 下段(黒字):白くらげ 0匹 1~2匹 3~6匹 6~10匹 10~20匹 判断基準 6-多い 7-非常に多い 20~30匹 30~ 匹 5-だいぶいる 1-いない 2-1~2匹いる 3-数匹いる 4-少しいる 大潮期間中 潮位250cm以下 平日昼間帯 (ピーク時) くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.3m (連続運転中) くらげが 多数存在 取水口付近にくらげ多数 (直近の分布調査結果4以上) 厳しい需給状況での 負荷抑制の可能性あり 人 工 潮 流 実 施 予防運転条件 スクリーン水位差>0.5m (高速運転中) -50 0 200 150 100 50 400 350 300 250 潮 位 cm 連続運転期間 連続運転期間 潮位250cm 以下 で連続運転 人工潮流 荷揚 岸壁 西2号防波堤 西1号防波堤 小型船舶 図2 くらげ分布調査表

2.改善前のくらげ侵入防止対策

改善前のくらげ侵入防止対策は,くらげの襲来が始ま る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い,くら げ襲来による出力抑制の回避に努めてきた。 2.1 くらげ分布調査 発電所周辺海域でのくらげ発生状況を確認するため, くらげ分布調査を週 2 回実施し,その調査結果をユニッ トの運転業務を担当する発電グループへ連絡して注意を 促す。(図2) 図2 くらげ分布調査表 2.2 小型船舶による人工潮流 発電所取水口周辺の荷揚岸壁に小型船舶を配置し,そ の船舶からの人工潮流で,くらげを取水口へ近づけない ように,西1号防波堤と2号防波堤の間から押し出す。 (図3,写真1) この人工潮流の実施条件は予めルール化しており,ロ ータリースクリーン高速運転中かつスクリーン水位差が 0.5m を超えた場合,または予防運転条件(大潮期間の潮 位 250cm 以下かつ取水口付近くらげ多数確認ほか)が成 立した場合に実施する。(図4) 図3 人工潮流実施場所 写真1 人工潮流の実施状況 図4 人工潮流の実施条件 2.3 ロータリースクリーン連続運転 ロータリースクリーンは,突発的なくらげ襲来の予防 および,取水口からのくらげ侵入時の処理量分散化を目 的に,下げ潮時の潮位 250cm から上げ潮時の潮位 250cm の間で連続運転を実施する。(図5) 図5 ロータリースクリーン運転 公共岸 公   共   岸   壁 西1号 防波堤 西2号 防波堤 揚油桟橋 取水口 豊前発電所 1号2号 ① 取水口 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑮ ⑭ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 500m 500m 500m 500m 500m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 豊前発電所 N E W S 【凡例】 上段(赤字):赤くらげ 全体 下段(黒字):白くらげ 0匹 1~2匹 3~6匹 6~10匹 10~20匹 判断基準 6-多い 7-非常に多い 20~30匹 30~ 匹 5-だいぶいる 1-いない 2-1~2匹いる 3-数匹いる 4-少しいる 大潮期間中 潮位250cm以下 平日昼間帯 (ピーク時) くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.3m (連続運転中) くらげが 多数存在 取水口付近にくらげ多数 (直近の分布調査結果4以上) 厳しい需給状況での 負荷抑制の可能性あり 人 工 潮 流 実 施 予防運転条件 スクリーン水位差>0.5m (高速運転中) -50 0 200 150 100 50 400 350 300 250 潮 位 cm 連続運転期間 連続運転期間 潮位250cm 以下 で連続運転 人工潮流 荷揚 岸壁 西2号防波堤 西1号防波堤 小型船舶 写真1 人工潮流の実施状況 図5 ロータリースクリーン運転

2.改善前のくらげ侵入防止対策

改善前のくらげ侵入防止対策は,くらげの襲来が始ま る6月中旬から9月下旬の間に以下の対策を行い,くら げ襲来による出力抑制の回避に努めてきた。 2.1 くらげ分布調査 発電所周辺海域でのくらげ発生状況を確認するため, くらげ分布調査を週 2 回実施し,その調査結果をユニッ トの運転業務を担当する発電グループへ連絡して注意を 促す。(図2) 図2 くらげ分布調査表 2.2 小型船舶による人工潮流 発電所取水口周辺の荷揚岸壁に小型船舶を配置し,そ の船舶からの人工潮流で,くらげを取水口へ近づけない ように,西1号防波堤と2号防波堤の間から押し出す。 (図3,写真1) この人工潮流の実施条件は予めルール化しており,ロ ータリースクリーン高速運転中かつスクリーン水位差が 0.5m を超えた場合,または予防運転条件(大潮期間の潮 位 250cm 以下かつ取水口付近くらげ多数確認ほか)が成 立した場合に実施する。(図4) 図3 人工潮流実施場所 写真1 人工潮流の実施状況 図4 人工潮流の実施条件 2.3 ロータリースクリーン連続運転 ロータリースクリーンは,突発的なくらげ襲来の予防 および,取水口からのくらげ侵入時の処理量分散化を目 的に,下げ潮時の潮位 250cm から上げ潮時の潮位 250cm の間で連続運転を実施する。(図5) 図5 ロータリースクリーン運転 公共岸 公   共   岸   壁 西1号 防波堤 西2号 防波堤 揚油桟橋 取水口 豊前発電所 1号2号 ① 取水口 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑮ ⑭ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 500m 500m 500m 500m 500m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 250m 豊前発電所 N E W S 【凡例】 上段(赤字):赤くらげ 全体 下段(黒字):白くらげ 0匹 1~2匹 3~6匹 6~10匹 10~20匹 判断基準 6-多い 7-非常に多い 20~30匹 30~ 匹 5-だいぶいる 1-いない 2-1~2匹いる 3-数匹いる 4-少しいる 大潮期間中 潮位250cm以下 平日昼間帯 (ピーク時) くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.3m (連続運転中) くらげが 多数存在 取水口付近にくらげ多数 (直近の分布調査結果4以上) 厳しい需給状況での 負荷抑制の可能性あり 人 工 潮 流 実 施 予防運転条件 スクリーン水位差>0.5m (高速運転中) -50 0 200 150 100 50 400 350 300 250 潮 位 cm 連続運転期間 連続運転期間 潮位250cm 以下 で連続運転 人工潮流 荷揚 岸壁 西2号防波堤 西1号防波堤 小型船舶 図4 人工潮流の実施条件

(3)

くらげ侵入防止対策の改善について

3.くらげ侵入防止対策実施中の出力抑制

3.1 出力抑制の事象 改善前のくらげ侵入防止対策を実施中に,ロータリー スクリーンの水位差が急上昇し,1号で▲120MW,2号 で▲125MWの出力抑制を行った。(図6) このときの出力抑制は,ロータリースクリーン水位差 上昇に伴う取水の海水流量低減操作によるもので,安定 運転のため減じた海水流量相当まで出力抑制を行った事 象である。 〔出力抑制の経緯〕  (1) 大潮の下げ潮時(潮位250cm)にくらげ処理量の 分散化で,ロータリースクリーンを連続運転  (2) くらげ襲来(多数)を確認し,人工潮流を開始  (3) 2号ロータリースクリーン水位差急上昇  (4) 2号出力抑制(475→350MW)  (5) 人工潮流開始後にロータリースクリーン水位差 が急上昇したことから,*人工潮流停止 *人工潮流が逆効果になっている可能性がある ため  (6) 1号ロータリースクリーン水位差急上昇  (7) 1号出力抑制(470→350MW) 3.2 くらげの侵入状況 出力抑制の事象から,現状の対策(取水口周辺へのく らげ襲来時の人工潮流)では不十分ではないかとの疑問 をいだき,取水口からのくらげ侵入状況について調査を 行った。 調査結果,くらげ侵入によるロータリースクリーンの 水位差上昇には規則性があることが判明した。水位差上 昇は潮位の干満差が大きい大潮の干潮時に,突発的に上 昇する傾向が確認できた。(図7)

4.取水口周辺の潮流・地形調査

くらげ侵入防止対策をより効果的なものにするため, 取水口周辺の地形に基づき,取水口へのくらげ侵入のメ カニズムを調査した。まず,取水口周辺の潮流を3次元 的に解析するため,人工潮流の有無の状態で,各代表潮 位(満潮時,下げ潮時,干潮時,上げ潮時)の4点を海 面下1mから海底間を50cm刻みで潮流調査を実施すると ともに,くらげ侵入状況の確認を行った。また,海域の 流れは海底地形の影響を受けることから,周辺海域の深 浅調査も実施した。(図8) 4.1 海底地形の調査 深浅調査結果,海底は取水口付近がすり鉢状に深く なっており,人工潮流の出口となる西1号防波堤と2号防 波堤間は,取水口周辺の海底より水深が3mほど浅くなっ ていることを確認した。(図8) 4.2 各潮位における人工潮流の効果 取水口周辺(人工潮流のない場合)の潮汐による潮の 流れは上げ潮,下げ潮とも,10cm/s前後の流れで明瞭 な流れパターンは見られなかった。一方,人工潮流があ る場合は船舶後方の流れ(初期流速30cm/s)が対岸ま で到達するパターンがみられた。また,各潮位での人工 潮流の効果は,以下のとおりであった。(図9) (1) 満潮時:防波堤間からのくらげ押し出しが可能 (2) 下げ潮時(潮位200cm):潮位の低下に伴い,防波 堤間の浅瀬の影響から,取水口周辺の一部で時計 回りの循環潮流を形成 (3) 干潮時:取水口周辺のほぼ全ての流れが循環潮流 を形成(ここでの人工潮流は,くらげ侵入防止(押 し出し)に対して逆効果) (4) 上げ潮時(潮位160cm):自然潮流の流速影響で, 西防波堤間からのくらげ押し出しが不可能 3. くらげ侵入防止対策実施中の出力抑制 3.1 出力抑制の事象 改善前のくらげ侵入防止対策を実施中に,ロータリー スクリーンの水位差が急上昇し,1号で▲120MW,2号で ▲125MW の出力抑制を行った。(図6) このときの出力抑制は,ロータリースクリーン水位差 上昇に伴う取水の海水流量低減操作によるもので,安定 運転のため減じた海水流量相当まで出力抑制を行った事 象である。 図6 出力抑制の事象 〔出力抑制の経緯〕 (1) 大潮の下げ潮時(潮位 250cm)にくらげ処理量の 分散化で,ロータリースクリーンを連続運転 (2) くらげ襲来(多数)を確認し,人工潮流を開始 (3) 2号ロータリースクリーン水位差急上昇 (4) 2号出力抑制(475→350MW) (5) 人工潮流開始後にロータリースクリーン水位差 が急上昇したことから,*人工潮流停止 *人工潮流が逆効果になっている可能性がある ため (6) 1号ロータリースクリーン水位差急上昇 (7) 1号出力抑制(470→350MW) 3.2 くらげの侵入状況 出力抑制の事象から,現状の対策(取水口周辺へのく らげ襲来時の人工潮流)では不十分ではないかとの疑問 をいだき,取水口からのくらげ侵入状況について調査を 行った。 調査結果,くらげ侵入によるロータリースクリーンの 水位差上昇には規則性があることが判明した。水位差上 昇は潮位の干満差が大きい大潮の干潮時に,突発的に上 昇する傾向が確認できた。(図7) 図7 スクリーン水位差上昇調査 4. 取水口周辺の潮流・地形調査 くらげ侵入防止対策をより効果的なものにするため, 取水口周辺の地形に基づき,取水口へのくらげ侵入のメ カニズムを調査した。まず,取水口周辺の潮流を3次元 的に解析するため,人工潮流の有無の状態で,各代表潮 位(満潮時,下げ潮時,干潮時,上げ潮時)の4点を海 面下1mから海底間を 50cm 刻みで潮流調査を実施する とともに,くらげ侵入状況の確認を行った。また,海域 の流れは海底地形の影響を受けることから,周辺海域の 深浅調査も実施した。(図8) 4.1 海底地形の調査 深浅調査結果,海底は取水口付近がすり鉢状に深くな っており,人工潮流の出口となる西1号防波堤と2号防 波堤間は,取水口周辺の海底より水深が 3mほど浅くな っていることを確認した。(図8) 4.2 各潮位における人工潮流の効果 取水口周辺(人工潮流のない場合)の潮汐による潮の 流れは上げ潮,下げ潮とも,10cm/s 前後の流れで明瞭な 流れパターンは見られなかった。一方,人工潮流がある 場合は船舶後方の流れ(初期流速 30cm/s)が対岸まで到 達するパターンがみられた。また,各潮位での人工潮流 の効果は,以下のとおりであった。(図9) (1) 満潮時:防波堤間からのくらげ押し出しが可能 (2) 下げ潮時(潮位 200cm):潮位の低下に伴い,防波 堤間の浅瀬の影響から,取水口周辺の一部で時計 回りの循環潮流を形成 (3) 干潮時:取水口周辺のほぼ全ての流れが循環潮流 を形成(ここでの人工潮流は,くらげ侵入防止(押 し出し)に対して逆効果) (4) 上げ潮時(潮位 160cm):自然潮流の流速影響で, 西防波堤間からのくらげ押し出しが不可能 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 7/23 0:00 7/23 6:00 7/23 12:00 7/23 18:00 7/24 0:00 1号スクリーン水位差 2号スクリーン水位差 潮位 1号機出力 2号機出力 人工潮流実施 12:15~13:05 スクリーン水位差 (m) 平成25年7月23日 スクリーン水位差変動実績 0 100 200 300 400 500 発電機出力 (MW) ロータリースクリーン運転 10:55~ 1U 2U 潮位 (cm) 2号 ▲125MW ▲120MW1号 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 7/1 7/2 7/3 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 400 300 200   0 100 潮位(cm) 水位差 (m) 小 潮 長 潮 若 潮 長 潮 大 潮 中 潮 潮位とスクリーン水位差の関係(H25.7.1~H25.7.10) 1号スクリーン水位差(m) 2号スクリーン水位差(m) 宇島港潮位(cm) 図6 出力抑制の事象 図7 スクリーン水位差上昇調査

3. くらげ侵入防止対策実施中の出力抑制

3.1 出力抑制の事象 改善前のくらげ侵入防止対策を実施中に,ロータリー スクリーンの水位差が急上昇し,1号で▲120MW,2号で ▲125MW の出力抑制を行った。(図6) このときの出力抑制は,ロータリースクリーン水位差 上昇に伴う取水の海水流量低減操作によるもので,安定 運転のため減じた海水流量相当まで出力抑制を行った事 象である。 図6 出力抑制の事象 〔出力抑制の経緯〕 (1) 大潮の下げ潮時(潮位 250cm)にくらげ処理量の 分散化で,ロータリースクリーンを連続運転 (2) くらげ襲来(多数)を確認し,人工潮流を開始 (3) 2号ロータリースクリーン水位差急上昇 (4) 2号出力抑制(475→350MW) (5) 人工潮流開始後にロータリースクリーン水位差 が急上昇したことから,*人工潮流停止 *人工潮流が逆効果になっている可能性がある ため (6) 1号ロータリースクリーン水位差急上昇 (7) 1号出力抑制(470→350MW) 3.2 くらげの侵入状況 出力抑制の事象から,現状の対策(取水口周辺へのく らげ襲来時の人工潮流)では不十分ではないかとの疑問 をいだき,取水口からのくらげ侵入状況について調査を 行った。 調査結果,くらげ侵入によるロータリースクリーンの 水位差上昇には規則性があることが判明した。水位差上 昇は潮位の干満差が大きい大潮の干潮時に,突発的に上 昇する傾向が確認できた。(図7) 図7 スクリーン水位差上昇調査

4. 取水口周辺の潮流・地形調査

くらげ侵入防止対策をより効果的なものにするため, 取水口周辺の地形に基づき,取水口へのくらげ侵入のメ カニズムを調査した。まず,取水口周辺の潮流を3次元 的に解析するため,人工潮流の有無の状態で,各代表潮 位(満潮時,下げ潮時,干潮時,上げ潮時)の4点を海 面下1mから海底間を 50cm 刻みで潮流調査を実施する とともに,くらげ侵入状況の確認を行った。また,海域 の流れは海底地形の影響を受けることから,周辺海域の 深浅調査も実施した。(図8) 4.1 海底地形の調査 深浅調査結果,海底は取水口付近がすり鉢状に深くな っており,人工潮流の出口となる西1号防波堤と2号防 波堤間は,取水口周辺の海底より水深が 3mほど浅くな っていることを確認した。(図8) 4.2 各潮位における人工潮流の効果 取水口周辺(人工潮流のない場合)の潮汐による潮の 流れは上げ潮,下げ潮とも,10cm/s 前後の流れで明瞭な 流れパターンは見られなかった。一方,人工潮流がある 場合は船舶後方の流れ(初期流速 30cm/s)が対岸まで到 達するパターンがみられた。また,各潮位での人工潮流 の効果は,以下のとおりであった。(図9) (1) 満潮時:防波堤間からのくらげ押し出しが可能 (2) 下げ潮時(潮位 200cm):潮位の低下に伴い,防波 堤間の浅瀬の影響から,取水口周辺の一部で時計 回りの循環潮流を形成 (3) 干潮時:取水口周辺のほぼ全ての流れが循環潮流 を形成(ここでの人工潮流は,くらげ侵入防止(押 し出し)に対して逆効果) (4) 上げ潮時(潮位 160cm):自然潮流の流速影響で, 西防波堤間からのくらげ押し出しが不可能 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 7/23 0:00 7/23 6:00 7/23 12:00 7/23 18:00 7/24 0:00 1号スクリーン水位差 2号スクリーン水位差 潮位 1号機出力 2号機出力 人工潮流実施 12:15~13:05 スクリーン水位差 (m) 平成25年7月23日 スクリーン水位差変動実績 0 100 200 300 400 500 発電機出力 (MW) ロータリースクリーン運転 10:55~ 1U 2U 潮位 (cm) 2号 ▲125MW ▲120MW1号 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 7/1 7/2 7/3 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 400 300 200   0 100 潮位(cm) 水位差 (m) 小 潮 長 潮 若 潮 長 潮 大 潮 中 潮 潮位とスクリーン水位差の関係(H25.7.1~H25.7.10) 1号スクリーン水位差(m) 2号スクリーン水位差(m) 宇島港潮位(cm)

(4)

くらげ侵入防止対策の改善について 4.3 船舶位置(人工潮流実施場所)変更による効果 人工潮流の船舶位置を護岸先端部から護岸中央へ変更 し潮流を測定したところ,潮流は護岸中央よりに配置し たほうが,西防波堤間からの流出を促進しやすいことが 確認できた。(図8) 4.4 人工潮流による海水温度への影響 取水口付近の海水温度を鉛直方向に測定した結果,人 工潮流実施時は潮流の変化に伴い,人工潮流を実施し ない場合と比べ満潮時に低層部の水温上昇が見られた。 但し,ユニット運転に支障のない範囲の上昇であった。 (図10) 4.3 船舶位置(人工潮流実施場所)変更による効果 人工潮流の船舶位置を護岸先端部から護岸中央へ変更 し潮流を測定したところ,潮流は護岸中央よりに配置し たほうが,西防波堤間からの流出を促進しやすいことが 確認できた。(図8) 4.4 人工潮流による海水温度への影響 取水口付近の海水温度を鉛直方向に測定した結果, 人工潮流実施時は潮流の変化に伴い,人工潮流を実施し ない場合と比べ満潮時に低層部の水温上昇が見られた。 但し,ユニット運転に支障のない範囲の上昇であった。 (図 10) 図 10 取水口周辺海水温度測定結果 人工潮流なし 人工潮流あり 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 満潮(潮位350cm) 下げ潮(潮位200cm) 干潮(潮位20cm) 上げ潮(潮位160cm) 0 50 100m :取水口 :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m 300 潮位 cm 人 工 潮 流 実 施 時 人 工 潮 流 未 実 施 時 200 100  0 図8 取水口周辺の海底地形及び潮流調査結果 西2号 防波堤 西1号 防波堤 豊 豊前前発発電電所所 取水口 0 50 100m :取水口 実 施 場 所 変 更 後 移動 :船舶位置 取水口周辺水深図(干潮時) *潮流ベクトルは, 海面下2mを表示 満 潮 時 約8m 取水口 防波堤間 約6m L.W.L 荷揚 岸壁 満潮:L.W.L + 350cm くらげの群れを 人工潮流で排除する 干 潮 時 干潮:L.W.L + 20cm 約5m 取水口 防波堤間 約3m L.W.L 干潮時は循環流となる 荷揚 岸壁 図9 人工潮流の効果 約3m 下げ潮時 取水口 防波堤間 L.W.L 石膏  岸壁 潮位の低下に伴い、防波堤間の 浅瀬の影響から、取水口周辺に 循環潮流が形成され始める 約6m 約4m 図8 取水口周辺の海底地形及び潮流調査結果 4.3 船舶位置(人工潮流実施場所)変更による効果 人工潮流の船舶位置を護岸先端部から護岸中央へ変更 し潮流を測定したところ,潮流は護岸中央よりに配置し たほうが,西防波堤間からの流出を促進しやすいことが 確認できた。(図8) 4.4 人工潮流による海水温度への影響 取水口付近の海水温度を鉛直方向に測定した結果, 人工潮流実施時は潮流の変化に伴い,人工潮流を実施し ない場合と比べ満潮時に低層部の水温上昇が見られた。 但し,ユニット運転に支障のない範囲の上昇であった。 (図 10) 図 10 取水口周辺海水温度測定結果 人工潮流なし 人工潮流あり 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 満潮(潮位350cm) 下げ潮(潮位200cm) 干潮(潮位20cm) 上げ潮(潮位160cm) 0 50 100m :取水口 :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m 300 潮位 cm 人 工 潮 流 実 施 時 人 工 潮 流 未 実 施 時 200 100  0 図8 取水口周辺の海底地形及び潮流調査結果 西2号 防波堤 西1号 防波堤 豊 豊前前発発電電所所 取水口 0 50 100m :取水口 実 施 場 所 変 更 後 移動 :船舶位置 取水口周辺水深図(干潮時) *潮流ベクトルは, 海面下2mを表示 満 潮 時 約8m 取水口 防波堤間 約6m L.W.L 荷揚 岸壁 満潮:L.W.L + 350cm くらげの群れを 人工潮流で排除する 干 潮 時 干潮:L.W.L + 20cm 約5m 取水口 防波堤間 約3m L.W.L 干潮時は循環流となる 荷揚 岸壁 図9 人工潮流の効果 約3m 下げ潮時 取水口 防波堤間 L.W.L 石膏  岸壁 潮位の低下に伴い、防波堤間の 浅瀬の影響から、取水口周辺に 循環潮流が形成され始める 約6m 約4m 図10 取水口周辺海水温度測定結果 4.3 船舶位置(人工潮流実施場所)変更による効果 人工潮流の船舶位置を護岸先端部から護岸中央へ変更 し潮流を測定したところ,潮流は護岸中央よりに配置し たほうが,西防波堤間からの流出を促進しやすいことが 確認できた。(図8) 4.4 人工潮流による海水温度への影響 取水口付近の海水温度を鉛直方向に測定した結果, 人工潮流実施時は潮流の変化に伴い,人工潮流を実施し ない場合と比べ満潮時に低層部の水温上昇が見られた。 但し,ユニット運転に支障のない範囲の上昇であった。 (図 10) 図 10 取水口周辺海水温度測定結果 人工潮流なし 人工潮流あり 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 :取水口 0 50 100m 0 50 100m :取水口 満潮(潮位350cm) 下げ潮(潮位200cm) 干潮(潮位20cm) 上げ潮(潮位160cm) 0 50 100m :取水口 :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m :取水口 0 50 100m 300 潮位 cm 人 工 潮 流 実 施 時 人 工 潮 流 未 実 施 時 200 100  0 図8 取水口周辺の海底地形及び潮流調査結果 西2号 防波堤 西1号 防波堤 豊 豊前前発発電電所所 取水口 0 50 100m :取水口 実 施 場 所 変 更 後 移動 :船舶位置 取水口周辺水深図(干潮時) *潮流ベクトルは, 海面下2mを表示 満 潮 時 約8m 取水口 防波堤間 約6m L.W.L 荷揚 岸壁 満潮:L.W.L + 350cm くらげの群れを 人工潮流で排除する 干 潮 時 干潮:L.W.L + 20cm 約5m 取水口 防波堤間 約3m L.W.L 干潮時は循環流となる 荷揚 岸壁 図9 人工潮流の効果 約3m 下げ潮時 取水口 防波堤間 L.W.L 石膏  岸壁 潮位の低下に伴い、防波堤間の 浅瀬の影響から、取水口周辺に 循環潮流が形成され始める 約6m 約4m 図9 人工潮流の効果

(5)

くらげ侵入防止対策の改善について

5.改善後のくらげ侵入防止対策

取水口周辺の潮流及び地形調査結果をもとに,くらげ 侵入防止対策の改善策を検討し,以下のとおり侵入防止 対策の変更を行った。 5.1 人工潮流を発生箇所の船舶位置変更 船舶位置変更の調査結果から,くらげの押し出し効果 を促進しやすい,護岸中央よりに配置するよう船舶の位 置を変更した。(図8) 5.2 人工潮流の実施条件変更 (1) 人工潮流の実施潮位の下限値設定 各潮位における人工潮流の調査結果から,人工潮流に よる防波堤間からのくらげ押し出しが可能な潮位200cm に下限値設定し,人工潮流は押し出し効果が有効な満潮 時から下げ潮時の潮位200cmまでの間で実施する(潮位 200cm未満は逆効果のため厳禁)ことに変更した。(図11) (2) 予防運転条件の見直し 改善前のスクリーン水位差高とくらげ襲来を多数確認 した場合では取水口まで既にくらげが侵入しており手遅 れ状態にあったことと,その際人工潮流が有効な潮位と は限らないことから,ユニット安定運転のもと潮見表か ら計画的に人工潮流を実施するよう変更した。なお,実 施日については,調査でスクリーンの水位差上昇が確認 された大潮の干潮時にあたる潮位50cm以下かつ,需給 がひっ迫する平日の昼間帯に限定した。(図11) 5.3 ロータリースクリーン連続運転の期間拡大 更なるくらげ処理量の分散化を図るため,ロータリー スクリーンの運転開始タイミングを,下げ潮時の250cm から満潮に変更し,連続運転期間を大潮期間中の満潮か ら上げ潮時の潮位250cmの間に拡大した。 5.4 くらげ襲来対策カレンダーの作成 人工潮流の実施条件やロータリースクリーンの連続運 転等の改善策を踏まえ,くらげ侵入防止運用の指標とな る潮位をはじめ,人工潮流とロータリースクリーン連続 運転の実施計画を明瞭化したくらげ襲来対策カレンダー を作成した。このカレンダーにより,関係者間での共有 化を図るとともに,突発的なくらげ襲来時の対応遅れ解 消や,効果的な人工潮流に資して,出力抑制の回避に取 り組んだ。(図12) 5. 改善後のくらげ侵入防止対策 取水口周辺の潮流及び地形調査結果をもとに,くらげ 侵入防止対策の改善策を検討し,以下のとおり侵入防止 対策の変更を行った。 5.1 人工潮流を発生箇所の船舶位置変更 船舶位置変更の調査結果から,くらげの押し出し効果 を促進しやすい,護岸中央よりに配置するよう船舶の位 置を変更した。(図8) 5.2 人工潮流の実施条件変更 (1) 人工潮流の実施潮位の下限値設定 各潮位における人工潮流の調査結果から,人工潮流に よる防波堤間からのくらげ押し出しが可能な潮位 200cm に下限値設定し,人工潮流は押し出し効果が有効な満潮 時から下げ潮時の潮位 200cm までの間で実施する(潮位 200cm 未満は逆効果のため厳禁)ことに変更した。(図 11) (2) 予防運転条件の見直し 改善前のスクリーン水位差高とくらげ襲来を多数確認 した場合では取水口まで既にくらげが侵入しており手遅 れ状態にあったことと,その際人工潮流が有効な潮位と は限らないことから,ユニット安定運転のもと潮見表か ら計画的に人工潮流を実施するよう変更した。なお,計 画的実施の範囲は費用と需給面から,需給がひっ迫する 平日の昼間帯に限定した。(図 11) 図11 人工潮流の実施条件変更 5.3 ロータリースクリーン連続運転の期間拡大 更なるくらげ処理量の分散化を図るため,ロータリー スクリーンの運転開始タイミングを,下げ潮時の 250cm から満潮に変更し,連続運転期間を大潮期間中の満潮か ら上げ潮時の潮位 250cm の間に拡大した。 5.4 くらげ襲来対策カレンダーの作成 人工潮流の実施条件やロータリースクリーンの連続運 転等の改善策を踏まえ,くらげ侵入防止運用の指標とな る潮位をはじめ,人工潮流とロータリースクリーン連続 運転の実施計画を明瞭化したくらげ襲来対策カレンダー を作成した。このカレンダーにより,関係者間での共有 化を図るとともに,突発的なくらげ襲来時の対応遅れ解 消や,効果的な人工潮流に資して,出力抑制の回避に取 り組んだ。(図 12) 厳しい需給状況 での負荷抑制の 可能性あり 大潮期間中 満潮ピーク時から潮位200cmまで 平日昼間帯に 潮位<50cmが 予想される場合 くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.5m  (高速運転中) 人工潮流 実施 予防運転条件 図 12 くらげ襲来対策カレンダー 7月3日(木) 小潮 7月1日(火) 中潮 7月2日(水) 中潮 7月4日(金) 小潮 7月5日(土) 小潮 6月30日(月) 中潮 7月10日(木) 大潮 7月8日(火) 中潮 7月9日(水) 中潮 7月11日(金) 大潮 7月12日(土) 大潮 7月7日(月) 若潮 7月6日(日) 長潮 11:10~14:10 7月17日(木) 中潮 7月15日(火) 中潮 7月16日(水) 中潮 7月18日(金) 小潮 7月19日(土) 小潮 7月14日(月) 中潮 7月13日(日) 大潮 :潮位250cm :潮位200cm :潮位 50cm :人工潮流実施 :スクリーン連続運転実施 7:40~10:40 20:30 ~ 5:30 8:00 ~ 18:30 7:00 ~ 10:00 19:30 ~ 4:30 9:00 ~ 19:30 11:00 ~ 21:00 23:00 ~ 8:30 11:00 ~ 21:00 7:10~10:10 7月24日(木) 中潮 7月22日(火) 若潮 7月23日(水) 中潮 7月25日(金) 大潮 7月26日(土) 大潮 7月21日(月) 長潮 7月20日(日) 小潮 20:00 ~ 5:00 7:30 ~ 18:00 20:30 ~ 5:30 8:00 ~ 18:30 10:00~13:00 9:20~12:20 7月31日(木) 中潮 7月29日(火) 中潮 7月30日(水) 中潮 7月28日(月) 大潮 7月27日(日) 大潮 ~ 6:30 9:00 ~ 19:00 9:30 ~ 19:30 22:00 ~ 7:30 10:00 ~ 20:00 11:00~14:00 10:00~13:00 ~ 8:00 10:00 ~ 20:30 7:00 ~ 17:30 21:00 ~ 6:00 8:30 ~ 19:0021:30~6:30 21:30~6:30 22:00 ~ 7:30 10:00 ~ 20:00 22:30 ~ 8:00 10:30 ~ 20:30 23:30 ~ 9:00 9:50~12:40 10:30~13:30 21:00~6:30 22:00 ~ 7:00 23:00 ~ 8:30 10:30 ~ 20:30 10:40~13:40 8月1日(金) 中潮 8月2日(土) 小潮 :潮位250cm :潮位200cm :潮位 50cm :人工潮流実施 :スクリーン連続運転実施 :潮位250cm :潮位200cm :潮位 50cm :人工潮流実施 :スクリーン連続運転実施 :潮位250cm :潮位200cm :潮位 50cm :人工潮流実施 :スクリーン連続運転実施 :潮位250cm :潮位200cm :潮位 50cm :人工潮流実施 :スクリーン連続運転実施 200 250  50 潮位 cm 200 250  50 潮位 cm 200 250  50 潮位 cm 200 250  50 潮位 cm 200 250  50 潮位 cm 平成26年度 図12 くらげ襲来対策カレンダー くらげ侵入宇防止対策の改善について 図11 厳しい需給状況 での負荷抑制の 可能性あり 大潮・中潮期間中 満潮ピーク時から潮位200cmまで 平日昼間帯に 潮位<50cmが 予想される場合 くらげ大量流入 の可能性大 スクリーン水位差>0.5m  (高速運転中) 人工潮流 実施 予防運転条件 図11 人工潮流の実施条件変更

(6)

くらげ侵入防止対策の改善について 5.5 改善策を実施した結果 下表のとおり,改善前は出力抑制が発生していたが, 改善後は需給がひっ迫する平日の昼間帯での出力抑制を 回避することができた。(表2)

6.まとめ

これまで実施してきた対策が必ずしも十分ではないと いう思いから,今回の運用改善に取り組み,潮流という 見えないものを可視化したことで,くらげ侵入防止対策 をより効果的なものにすることができた。その結果,改 善目的である「需給ひっ迫時のくらげ襲来によるユニッ トの出力抑制回避」を達成するに至り,電力の安定供給 に貢献できた。 今後も,積極的に運用改善に取り組み,ユニットの安 全・安定運転に努める所存である。 5.5 改善策を実施した結果 下表のとおり,改善前は出力抑制が発生していたが,改善後 は需給がひっ迫する平日の昼間帯での出力抑制を回避すること ができた。(表2) 表2 平日昼間帯での出力抑制実績 1号機 2号機 改 善 前 平成 24 年度 1回 0回 平成 25 年度 2回 5回 改 善 後 平成 26 年度 0回 0回 平成 27 年度 0回 0回

6. まとめ

これまで実施してきた対策が必ずしも十分ではないという思 いから,今回の運用改善に取り組み,潮流という見えないもの を可視化したことで,くらげ侵入防止対策をより効果的なもの にすることができた。その結果,改善目的である「需給ひっ迫 時のくらげ襲来によるユニットの出力抑制回避」を達成するに 至り,電力の安定供給に貢献できた。 今後も,積極的に運用改善に取り組み,ユニットの安全・安 定運転に努める所存である。 新 正幸(M.Shin) 藤井 博之(H.Fujii) 林田 高志(T.Hayashida) 九州電力株式会社

(Kyusyu Electric Power Co.,Inc.)

宮園 芳和(Y.Miyazono) 株式会社千葉袖ケ浦エナジー

(Chiba-Sodegaura Energy Co.,Ltd.)

原稿受付:平成 27 年 11 月 16 日

参照

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