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2A-1102-ii 2. 研究開発目的 いぶき は 対流圏までの温室効果ガスを専用に観測する世界初かつ世界唯一の衛星であり 定常運用が終了後の現在も観測を継続している その解析結果には従来の大気組成成分観測衛星に求められている精度 ( 数 % 程度 ) をはるかに超える 1% 以下の精度が要求され

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Academic year: 2021

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研 究 課 題 代 表 者 名 森 野 勇 (独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境 研 究 センター衛 星 観 測 研 究 室 ) 研 究 実 施 期 間 平 成 23~25年 度 累 計 予 算 額 191,492千 円 (うち25年 度 58,169千 円 ) 予 算 額 は、間 接 経 費 を含 む。 本 研 究 のキー ワード 温 室 効 果 ガス観 測 技 術 衛 星 、「いぶき」、GOSAT、二 酸 化 炭 素 、メタン、解 析 アルゴリズム、 検 証 、エアロゾル、巻 雲 、ライダー、放 射 計 、高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 研 究 体 制 (1)長 期 間 検 証 データの評 価 、「いぶき」データ検 証 とアルゴリズム改 良 に関 する研 究 ((独 )国 立 環 境 研 究 所 ) (2)重 点 サイトにおける巻 雲 ・エアロゾル光 学 特 性 観 測 に関 する研 究 (国 土 交 通 省 気 象 庁 気 象 研 究 所 ) (3)重 点 サイトにおける高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 に関 する研 究 ((独 )宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 ) 研 究 概 要 1.はじめに(研 究 背 景 等 ) 地 球 温 暖 化 は最 も重 要 な環 境 問 題 の一 つであり、原 因 となる温 室 効 果 ガス濃 度 の実 態 把 握 、地 球 温 暖 化 に よる自 然 生 態 系 ・人 間 社 会 への影 響 評 価 、温 暖 化 対 策 が必 要 である。全 球 の温 室 効 果 ガスの時 間 ・空 間 変 動 を把 握 するためには、全 球 にわたり高 頻 度 の観 測 が可 能 な人 工 衛 星 を用 いた分 光 観 測 が最 も有 効 である。この ため環 境 省 、国 立 環 境 研 究 所 (NIES)、宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 (JAXA)は、温 室 効 果 ガスの状 況 を把 握 する「温 室 効 果 ガス観 測 技 術 衛 星 (GOSAT)プロジェクト」を共 同 で実 施 することとなった。本 プロジェクトは、地 球 大 気 中 の二 酸 化 炭 素 やメタンの高 精 度 観 測 を本 格 的 に目 指 すもので、この衛 星 (「いぶき」)に搭 載 されたフーリエ変 換 分 光 計 (TANSO-FTS)で観 測 されたスペクトルの解 析 によって温 室 効 果 ガス濃 度 を推 定 するが、地 表 面 反 射 率 、 巻 雲 ・エアロゾルの光 学 的 厚 さ・分 布 ・種 類 等 から生 じる系 統 的 な誤 差 (バイアス)を補 正 する必 要 がある。 「いぶき」は2009年 1月 23日 に、宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 種 子 島 宇 宙 センターから打 ち上 げられた。「いぶき」打 ち上 げ後 、衛 星 及 び観 測 装 置 の動 作 確 認 が行 われ、初 期 校 正 検 証 観 測 期 間 を経 て通 常 観 測 モードに移 行 し、 2014年 5月 現 在 も順 調 に全 球 観 測 を継 続 している。「いぶき」の推 定 結 果 には最 初 15 ppm程 度 の負 のバイアス が見 られたが、TANSO-FTSの装 置 関 数 補 正 や輝 度 精 度 向 上 、アルゴリズム改 良 及 び初 期 値 改 訂 と初 期 検 証 を繰 り返 すことにより、明 らかに異 常 値 である温 室 効 果 ガス濃 度 データの数 は飛 躍 的 に減 少 した。初 期 検 証 結 果 により、二 酸 化 炭 素 (CO2)の場 合 9 ppm程 度 の負 のバイアスと4 ppm程 度 のばらつきが存 在 すること(不 確 かさ で10 ppm程 度 )が明 らかとなり、「いぶき」の温 室 効 果 ガス濃 度 データは一 般 に公 開 された。しかしながらこれでは 世 界 研 究 者 の高 い評 価 には至 らない精 度 であり、インバースモデル解 析 による温 室 効 果 ガス収 支 を含 む科 学 的 利 用 に活 用 されるためには不 十 分 である。 そこでより高 い精 度 の実 現 を目 指 すには、より長 期 間 の検 証 データを取 得 しそれらを用 いた継 続 的 な検 証 を行 って季 節 変 動 や経 年 変 動 についても評 価 する 必 要 がある。また地 上 設 置 高 分 解 能 FTSによる観 測 と同 時 に地 上 の高 精 度 観 測 装 置 を用 いて巻 雲 ・エアロゾル光 学 特 性 を取 得 し、「いぶき」の温 室 効 果 ガス濃 度 データとの相 関 解 析 等 を行 い、この結 果 を解 析 アルゴリズムの改 良 と初 期 値 の改 良 などに反 映 させ、「いぶき」観 測 データの 解 析 により得 られた温 室 効 果 ガス濃 度 の高 精 度 化 を行 うことが必 要 である。

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2A-1102-ii 2.研 究 開 発 目 的 「いぶき」は、対 流 圏 までの温 室 効 果 ガスを専 用 に観 測 する世 界 初 かつ世 界 唯 一 の衛 星 であり、定 常 運 用 が 終 了 後 の現 在 も観 測 を継 続 している。その解 析 結 果 には従 来 の大 気 組 成 成 分 観 測 衛 星 に求 められている精 度 (数 %程 度 )をはるかに超 える1%以 下 の精 度 が要 求 されている。「いぶき」に搭 載 された TANSO-FTSの校 正 、解 析 処 理 アルゴリズムの改 良 と初 期 値 の改 訂 、検 証 作 業 を繰 り返 すことにより、 2010年 秋 までにCO2の場 合 、9 ppm 程 度 の負 のバイアスと4 ppm程 度 のばらつき(不 確 かさで10 ppm程 度 )に抑 えることに成 功 している。 一 方 、観 測 データのインバースモデル解 析 による温 室 効 果 ガス収 支 の研 究 利 用 については、温 室 効 果 ガス濃 度 の更 なる高 精 度 化 が要 求 されている。濃 度 データ解 析 における誤 差 要 因 は、観 測 装 置 (特 性 )の校 正 、解 析 ア ルゴリズムの不 完 全 性 、初 期 値 誤 差 等 であるが、これまで研 究 的 要 素 が低 い業 務 は既 に実 施 した。 本 研 究 ではより高 度 な検 証 と解 析 アルゴリズムの改 良 を行 って、「いぶき」観 測 データの解 析 から得 られた温 室 効 果 ガス濃 度 の高 精 度 化 を目 的 とする。目 標 として、CO2の場 合 2 ppm程 度 のバイアス、ばらつき2 ppm(不 確 か さで3 ppm)と、現 在 の不 確 かさ(推 定 誤 差 )の半 減 を目 指 す。 3.研 究 開 発 の方 法 研 究 開 発 方 法 は図 1に示 し、サブテーマにそって以 下 に記 載 する。 図 1 本 研 究 の概 念 図 (1)長 期 間 検 証 データの評 価 、「いぶき」データ検 証 とアルゴリズム改 良 に関 する研 究 3年 以 上 の長 期 間 検 証 データの解 析 を行 い、そのデータ質 を評 価 する。 長 期 間 検 証 データを用 いた「いぶき」デ ータの検 証 、更 に、サブテーマ(2)、(3)と協 力 して重 点 サイトにおける 「いぶき」データの検 証 を実 施 する。感 度 解 析 結 果 と検 証 結 果 をもとに、解 析 アルゴリズムの改 良 と初 期 値 の改 訂 を行 い、「いぶき」観 測 データの再 解 析 を実 施 する。この結 果 をサブテーマ(2)、(3)と協 力 して検 証 し、「いぶき」データの高 精 度 化 の確 認 をする。 (2)重 点 サイトにおける巻 雲 ・エアロゾル光 学 特 性 観 測 に関 する研 究 重 点 サイトにおいて地 上 高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 装 置 に同 期 してライダー及 び放 射 計 による観 測 体 制 を構 築 する。観 測 を実 施 し、取 得 データの解 析 を行 い、それらのデータ質 を評 価 する。この研 究 によって得 られた巻 雲 ・ エアロゾル光 学 特 性 データはサブテーマ(1)を中 心 とした検 証 に活 用 される。更 に、サブテーマ(1)の重 点 サイト における「いぶき」データの検 証 と高 精 度 化 の確 認 を協 力 して実 施 する。 (3)重 点 サイトにおける高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 に関 する研 究 重 点 サイトにおいて地 上 設 置 高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 装 置 を用 いた観 測 体 制 を構 築 する。観 測 を実 施 し、解

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る。 4.結 果 及 び考 察 (1)長 期 間 検 証 データの評 価 、「いぶき」データ検 証 とアルゴリズム改 良 に関 する研 究 「いぶき」観 測 データの解 析 より得 られた温 室 効 果 ガスのデータ質 を評 価 するために、 3年 以 上 の長 期 間 検 証 デ ータを用 いて季 節 変 動 成 分 や経 年 変 動 成 分 等 の大 気 化 学 的 視 点 を考 慮 した検 証 、重 点 サイトにおける検 証 と 誤 差 要 因 の特 定 を実 施 した (重 点 サイトにおける検 証 と誤 差 要 因 の特 定 は(2)に記 載 )。感 度 解 析 結 果 と上 記 検 証 結 果 をもとに、解 析 アルゴリズムの改 良 と初 期 値 の改 訂 を行 い、「 いぶき」観 測 データの再 解 析 を実 施 し高 精 度 化 を確 認 した。多 くの結 果 を得 たが顕 著 なものは下 記 の通 りである。 1)長 期 間 検 証 データの評 価 と「いぶき」データ検 証 改 善 された「いぶき」データに対 して長 期 間 検 証 データを用 いた季 節 変 動 ・経 年 変 動 などの大 気 化 学 的 検 証 を 行 い、バイアスの特 徴 を明 らかにした。航 空 機 観 測 データを用 いて検 証 を行 い、 TCCON(Total Carbon Column Observing Network)データによる検 証 と同 様 の結 果 を得 た。殆 どバイアスはなくなったが完 全 にゼロではなかった。 このためTCCONデータを用 いたバイアスの経 験 的 補 正 手 法 を開 発 し、経 験 的 補 正 を行 い、独 立 した検 証 データ の航 空 機 観 測 データを用 いて、補 正 後 の「いぶき」データ質 の改 善 を確 認 した。

補 正 法 は、次 の手 順 で行 った。「いぶき」データとTCCONデータの差 (二 酸 化 炭 素 の場 合 ΔXCO2)と、各 物 理 量 との相 関 を調 べた。調 査 した物 理 量 は、地 表 面 気 圧 の導 出 値 、地 表 面 気 圧 の先 験 値 と導 出 値 の差 (地 表 面 気 圧 差 )、エアマス、O2吸 収 バンドにおけるアルベド、CO2吸 収 バンドにおけるアルベド、O2吸 収 バンドにおける信 号

雑 音 比 (SNR)、CO2吸 収 バンドにおけるSNR、エアロゾル光 学 的 厚 さ(AOD)などである。これらのうち相 関 が大 きく、 二 酸 化 炭 素 とメタンに共 通 である4物 理 量 、地 表 面 気 圧 差 、AOD、エアマス、O2吸 収 バンドにおけるアルベドを採 用 し補 正 を行 い、補 正 後 は物 理 量 の相 関 が無 くなったことを確 認 した。なお、メタンの場 合 も同 様 の結 果 を得 るこ とができた。つぎに、補 正 結 果 を確 認 するために、補 正 前 後 の「いぶき」データと航 空 機 観 測 データ の比 較 を行 っ た。図 2に散 布 図 を示 す。二 酸 化 炭 素 の場 合 は、補 正 後 「いぶき」時 系 列 データは 航 空 機 観 測 データに対 して一 致 度 が改 善 されたことが分 かった。更 に、散 布 図 を比 較 したところバイアスと ばらつきともに改 善 された ことが確 認 できた。一 方 メタンの場 合 は、陸 域 でバイアスが小 さくなったが、海 域 は大 きな変 化 はなかった。陸 域 の相 関 係 数 は変 化 しなかった。 図 2 補 正 前 後 の「いぶき」データと航 空 機 観 測 データの散 布 図 陸 域 306、海 域 50等 は「いぶき」データの検 証 に用 いたデータセット数 である。

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2A-1102-iv 2)アルゴリズム改 良 と初 期 値 改 良 本 推 進 費 の研 究 開 始 時 における前 バージョンのアルゴリズムを用 いた「いぶき」の二 酸 化 炭 素 カラム平 均 濃 度 (XCO2)のデータ質 は、バイアス−9 ppm程 度 (−2 %程 度 )、バラツキ4 ppm程 度 (1 %程 度 )であったが、下 記 のつくば におけるケーススタディと連 携 しながら解 析 アルゴリズム改 良 と参 照 値 の改 良 を 行 った結 果 、バイアス−1.48 ppm (-0.3 %程 度 )、ばらつき2.1 ppm(0.5 %程 度 )まで改 善 し、本 推 進 費 の目 標 を達 成 した。主 な改 善 項 目 を表 1にまと めた。 表 1 主 な改 訂 項 目 とTCCONデータを用 いて評 価 した「いぶき」データのバイアスの変 化 [注 ]V01.xx, V02.00: TCCON データ (2009 年 公 開 版 ) を使 用 。V02.xx: TCCON データ (2012 年 公 開 版 ) を 使 用 。V02.00 : 2009/06〜2010/07 観 測 分 。V02.xx: 2009/06〜2012/11 観 測 分 。

更 なる改 善 を目 指 して、FTS SWIR L2 (Short Wave InfraRed レベル2) Ver. 02.11プロダクトの実 態 把 握 、およ び、雲 の影 響 が比 較 的 小 さい事 例 に対 する検 討 を実 施 した。雲 の影 響 が「いぶき」推 定 結 果 にどのように影 響 す るかについては、雲 の割 合 が1 %よりも小 さい場 合 は、影 響 が無 視 できることを明 らかにした。また、巻 雲 の存 在 する場 合 の同 時 推 定 を試 みた結 果 、バイアス・ばらつきは改 善 された「いぶき」データと概 ね一 致 した。

3)重 点 サイトTsukubaにおけるケーススタディ

重 点 サイトの1つであるつくばにおける高 精 度 温 室 効 果 ガスと巻 雲 ・エアロゾル光 学 特 性 の観 測 結 果 を用 いた ケ ー ス ス タ デ ィ を 行 っ た 。 エ ア ロ ゾ ル の 高 度 分 布 と し て SPRINTARS(Spectral Radiation-Transport Model for Aerosol Species)のシミュレーション値 を先 験 値 として、またToonの太 陽 スペクトルを用 いて、バンド1、バンド2に 加 えてバンド3の観 測 スペクトルに対 してエアロゾルと巻 雲 も同 時 推 定 した結 果 、図 3に示 すようにXCO2のTCCON データに対 するバイアスは、0.17 ppm (0.04 %)と大 幅 に改 善 することを確 認 した。 図 3 「いぶき」の観 測 による解 析 で最 も現 実 的 な条 件 で推 定 した「いぶき」データ (青▲: Case 3)のTsukuba地 上 設 置 高 分 解 能 FTSデータ(赤●: Tsukuba TCCON)を用 いた評 価 。緑▲は先 験 値 である。 ( 2 ) 重 点 サ イ ト に お け る 巻 雲 ・ エ ア ロ ゾ ル 光 学 特 性 観 測 に 関 す る 研 究 「いぶき」で観 測 する二 酸 化 炭 素 とメタンの観 測 データの高 精 度 化 のため、巻 雲 やエアロゾルの高 度 分 布 が測 定 できるライダーと、精 密 な光 学 特 性 が観 測 可 能 な放 射 計 (スカイラジオメータ ー)を、「いぶき」データの検 証 の ために設 定 された重 点 サイト4地 点 (Moshiri、Tsukuba、Saga、Lauder)に展 開 し、「いぶき」に同 期 した検 証 観 測

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表 2 重 点 4サイトにおけるライダーデータ取 得 状 況 (2013年 10月 17日 現 在 ) 地 上 FTS、ライダー、スカイラジオメーター、「いぶき」のデータを比 較 することにより、1) 巻 雲 のスクリーニング・ 解 析 方 法 を改 善 することによりデータ数 を増 加 させることが可 能 なこと、 2) 図 4に示 すように下 層 エアロゾルの過 小 評 価 によりXCO2データに誤 差 が生 じる可 能 性 があること、3) 成 層 圏 エアロゾルの影 響 は無 視 できないことな どを示 した。また、放 射 計 観 測 からは、1) 1年 に1回 程 度 は放 射 計 の正 確 な検 定 を行 う必 要 があること、2) 可 降 水 量 を推 定 することにより水 蒸 気 の影 響 を考 慮 した光 学 的 厚 さの推 定 が可 能 になったこと、 3) 近 赤 外 の波 長 域 でエアロゾル光 学 特 性 が分 かるようになりエアロゾルの誤 差 への影 響 をより正 確 に評 価 できるようになったこと、 などの成 果 があった。 図 4 Sagaで観 測 された高 濃 度 エアロゾルの事 例 (2012年 5月 29日 、図 左 赤 丸 で囲 んだデータ)。図 右 上 :同 時 刻 にライダーで観 測 した後 方 散 乱 比 (青 線 )と偏 光 解 消 度 (緑 線 )、後 方 散 乱 係 数 の波 長 依 存 性 (マゼンタ 線 )の高 度 プロファイル。図 右 下 :同 時 刻 におけるスカイビューカメラの画 像 。 (3)重 点 サイトにおける高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 に関 する研 究 「いぶき」の観 測 は、大 気 中 に存 在 する巻 雲 やエアロゾルが二 酸 化 炭 素 とメタンの測 定 結 果 に大 きな影 響 を及 ぼすことが知 られている。これらの影 響 を取 り除 き「いぶき」の観 測 データの精 度 を向 上 させ るためには、巻 雲 や エアロゾルの影 響 が少 ない二 酸 化 炭 素 のカラム量 の地 上 観 測 データで検 証 する必 要 がある。このため、重 点 サ イトを設 け、地 上 設 置 高 精 度 温 室 効 果 ガス観 測 装 置 の整 備 および観 測 を実 施 した。「いぶき」に同 期 した観 測 を 実 施 し、スペクトルや解 析 に必 要 な気 温 、湿 度 、日 射 データ等 の付 随 データを取 得 し、データ質 の確 認 と整 理 を 行 い、検 証 に利 用 可 能 なデータセットを作 成 した。このデータとサブテーマ(2)のライダーデータ等 を用 いて、サブ テーマ(1)に記 載 された 重 点 サイトTsukubaにおけるケーススタディ(全 サブテーマ共 同 で実 施 )やサブテーマ(1) に記 載 された 地 上 FTS、ライダー、スカイラジオメーター、「いぶき」のデータ を比 較 (全 サブテーマ共 同 で実 施 )に 使 用 した。 観測点 母子里 (44N) つくば (36N) 佐賀 (33N) Lauder (45S) 観測開始日 09/4/14 09/2/2 11/3/23 09/2/18 オーバー パス日数 550 574 312 569 観測日数 109 510 167 272 データ取得 率(%) 20 89 54 48 0 5 10 0 5 10 R, Dep (%), Alp Al tit u d e (k m ) R Dep. Alp 2012/5/29 13:10:48-13:41:00 AOT: 1.28 375 380 385 390 395 400 405 Date X C O 2 ( p p m ) FTS TropoAerosol(AOT>0.1) LowCloud Cirrus Blue: GU Green: RA Brown: PSN

1Oct 1Jan 1Apr 1Jul 1Oct 1Jan 1Apr 1Jul 1Oct 1Jan 1Apr 1Jul 1Oct 2009 2010 2011 2012

Saga

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2A-1102-vi 表 3 重 点 4サイトにおけるFTSデータの取 得 状 況 (2013年 12月 31日 現 在 )

更 に、Saga、Tsukuba、Lauderサイトにおける地 上 FTSと「いぶき」XCO2の推 定 結 果 、スカイラジオメーターのデ ー タ か ら 推 定 し た 760 nm の エ ア ロ ゾ ル の 光 学 的 厚 さ を 比 較 し た 。 図 5 に Saga サ イ ト の 場 合 を 示 す 。 Tsukuba 、 Lauderサイトでの地 上 FTSと「いぶき」 FTS SWIRからの推 定 値 を比 較 した場 合 、SagaサイトでのGOSATデータの ばらつきが地 上 FTSより大 きく見 える。Sagaサイトのエアロゾルの光 学 的 厚 さは、Tsukuba、Lauderと比 較 して、高 くばらつきも大 きい。このことから、サブテーマ「長 期 間 検 証 データの評 価 、「いぶき」データ検 証 とアルゴリズム改 良 に関 する研 究 」において、「いぶき」のアルゴリズム改 良 を実 施 することにより精 度 向 上 しているが、 更 にエアロ ゾルの扱 いを適 切 にすることにより精 度 向 上 が見 込 まれることが示 唆 される。 図 5 Sagaサイトにおける地 上 設 置 FTS (黒 ) と「いぶき」 (緑 ) によって観 測 されたXCO2の時 系 列 (下 図 )。スカ イラジオメーターから推 定 した760 nmのエアロゾルの光 学 的 厚 さ(黒 ) と「いぶき」 FTS SWIRから推 定 した エアロゾルの光 学 的 厚 さ(緑 ) (上 図 ) 5.本 研 究 により得 られた主 な成 果 (1)科 学 的 意 義 1)「いぶき」観 測 データの解 析 より得 られた温 室 効 果 ガスのデータ質 を評 価 するために必 要 な長 期 検 証 データの 確 保 とそのデータ質 の確 認 を行 った。長 期 間 検 証 データを用 いた季 節 変 動 ・経 年 変 動 などの大 気 科 学 的 検 証 を 行 い、バイアスの特 徴 を明 らかにすることができた。航 空 機 観 測 データを用 いて改 善 された「いぶき」データの検 証 を行 い、TCCONデータによる検 証 と同 様 の結 果 、つまり殆 どバイアスがないことを確 認 できたが、バイアスは完 全 にゼロではなかった。このためTCCONデータを用 いたバイアスの経 験 的 補 正 手 法 を開 発 し、経 験 的 補 正 を行 い、独 立 した検 証 データである航 空 機 観 測 データを用 いて、補 正 後 の「いぶき」データ質 の改 善 を確 認 した。 2)本 推 進 費 の研 究 開 始 時 における前 バージョンのアルゴリズムを用 いた「いぶき」の XCO2は、バイアス−9 ppm

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程 度 )まで改 善 し、目 標 を達 成 することが出 来 た。 更 なる改 善 を目 指 して、FTS SWIR L2 Ver. 02.11 プロダクトの実 態 把 握 、および、雲 の影 響 が比 較 的 小 さい事 例 に対 する検 討 を実 施 した。雲 の影 響 が「いぶき」推 定 結 果 にどのように影 響 するかについては、雲 の割 合 が 1 % よりも小 さい場 合 は、影 響 が無 視 できることを明 らかにした。また、巻 雲 の存 在 する場 合 の同 時 推 定 を試 みた結 果 、バイアス・ばらつきは改 善 された「いぶき」データと概 ね一 致 した。 3)重 点 サイトにおける高 精 度 温 室 効 果 ガスと巻 雲 ・エアロゾル光 学 特 性 の観 測 の観 測 を行 い、地 上 FTS、ライダ ー、スカイラジオメーター、「いぶき」のデータを比 較 することにより、a)巻 雲 スクリーニング・解 析 方 法 を改 善 するこ とによりXCO2データ数 を増 加 させることが可 能 であること、b)下 層 エアロゾル過 小 評 価 によりXCO2データ誤 差 が 生 じる可 能 性 の例 示 、c)成 層 圏 エアロゾルの影 響 は無 視 できないこと、を明 らかにした。 また放 射 計 観 測 からは、d)スカイラジオメーターの検 定 定 数 が経 年 変 化 をしており、1年 に1回 程 度 は正 確 な検 定 を行 う必 要 があること、e)940 nmチャンネルから可 降 水 量 を推 定 することにより、1627 nmや2200 nmで水 蒸 気 の影 響 を考 慮 した光 学 的 厚 さの推 定 が可 能 になった こと、f)温 室 効 果 ガスの量 を推 定 するために使 われる近 赤 外 の波 長 域 でのエアロゾルの特 性 が直 接 分 かるようになり、より正 確 にエアロゾルの誤 差 への影 響 を評 価 できる ようになったこと、を明 らかにした。 4)重 点 サイトの1つであるつくばにおける高 精 度 温 室 効 果 ガスと巻 雲 ・エアロゾル光 学 特 性 の観 測 結 果 を用 いた ケ ー ス ス タ デ ィ を 行 っ た 。 エ ア ロ ゾ ル の 高 度 分 布 と し て SPRINTARS の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 値 を 先 験 値 と し て 、 ま た Toonの太 陽 スペクトルを用 いて、バンド1、バンド2に加 えてバンド3の観 測 スペクトルに対 してエアロゾルと巻 雲 も 同 時 推 定 した結 果 、二 酸 化 炭 素 カラム平 均 濃 度 はTCCONデータに対 してバイアス0.17 ppm (0.04 %)と改 善 する ことを確 認 できた。 (2)環 境 政 策 への貢 献 <行 政 が既 に活 用 した成 果 > 1)GOSAT中 間 総 括 会 議 における本 推 進 費 の成 果 の活 用 (2012年 1月 〜3月 ) GOSAT後 継 機 への反 映 事 項 を提 言 することを目 的 にGOSAT中 間 総 括 会 議 が3回 開 催 され、本 研 究 の成 果 で ある解 析 アルゴリズム改 良 と参 照 値 の改 良 による「いぶき」データ改 善 の見 通 しを示 し、 GOSAT後 継 機 を推 進 す る環 境 省 、JAXA及 びNIESに重 要 な知 見 を与 えることができた。 2)「いぶき」データ FTS SWIR Ver. 02.xxデータの一 般 公 開 (2012年 6月 ) 本 研 究 の成 果 である解 析 アルゴリズムと参 照 値 の改 良 結 果 を反 映 した「いぶき」データの再 処 理 が行 われ、そ のデータ質 の大 幅 な改 善 が確 認 された。この結 果 を基 に新 バージョンプロダクトが公 開 された。 3)第 4回 研 究 公 募 課 題 代 表 者 会 合 での国 際 アピール(2012年 6月 ) GOSATプロジェクトから得 られる成 果 をさらに豊 かに有 効 なものとするため、一 般 からの研 究 公 募 を実 施 してい る。米 国 カリフォルニア工 科 大 学 で 、環 境 省 、NIES、JAXAの主 催 で研 究 公 募 課 題 代 表 者 会 合 が行 われ、本 研 究 の成 果 である解 析 アルゴリズムと参 照 値 の改 良 結 果 を用 いて再 処 理 された「いぶき」データの改 善 結 果 を報 告 した。 4)第 5回 研 究 公 募 課 題 代 表 者 会 合 での国 際 アピール(2013年 6月 ) GOSATプロジェクトから得 られる成 果 をさらに豊 かに有 効 なものとするため、一 般 からの研 究 公 募 を実 施 してい る。横 浜 シンポジアで、環 境 省 、NIES、JAXAの主 催 で研 究 公 募 課 題 代 表 者 会 合 が行 われ、本 研 究 の成 果 であ る解 析 アルゴリズムと参 照 値 の改 良 結 果 を用 いて再 処 理 された「いぶき」データの改 善 結 果 を報 告 した。 5)GOSATサイエンスチーム会 合 における研 究 成 果 の発 表 (2013年 10月 ) 環 境 省 、NIES、JAXAよって設 置 され定 期 的 に開 催 されているGOSATサイエンスチーム会 合 で、本 推 進 費 の研 究 成 果 である航 空 機 観 測 データを用 いた検 証 解 析 について、情 報 を提 供 し、議 論 を行 った。 6)温 室 効 果 ガス観 測 技 術 衛 星 定 常 運 用 終 了 審 査 会 における本 推 進 費 の成 果 の活 用 (平 成 26年 2月 14日 ) 温 室 効 果 ガス観 測 技 術 衛 星 定 常 運 用 終 了 審 査 会 が行 われ、環 境 省 、NIES、JAXAの作 成 した資 料 を用 いて 発 表 が行 われた。本 研 究 の研 究 成 果 である解 析 アルゴリズムと参 照 値 の改 良 結 果 を用 いて再 処 理 された「いぶ き」データを用 いた成 果 が報 告 された。 <行 政 が活 用 することが見 込 まれる成 果 > 1)第 6回 研 究 公 募 課 題 代 表 者 会 合 での国 際 アピール(2014年 6月 ) 本 会 合 はつくば市 つくば国 際 会 議 場 で、環 境 省 、NIES、JAXAの主 催 で行 われ、本 研 究 の成 果 である解 析 アル ゴリズムと参 照 値 の改 良 結 果 を用 いて再 処 理 された「いぶき」データの 研 究 結 果 が活 用 される予 定 である。

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2A-1102-viii 6.研 究 成 果 の主 な発 表 状 況

(1)主 な誌 上 発 表 <査 読 付 き論 文 >

1) Y. Yoshida, N. Kikuchi, T. Yokota: Atmospheric Measurement Techniques, 5, 2515 –2523 (2012) “On-orbit radiometric calibration of SWIR bands of TANSO -FTS onboard GOSAT”

2) O. Uchino, N. Kikuchi, T. Sakai, I. Morino, Y. Yoshida, T. Nagai, A. Shimizu, T. Shibata, A. Yamazaki, A. Uchiyama, N. Kikuchi, S. Oshchepkov, A. Bril, T. Yokota: Atmospheric Chemistry and Physics, 1 2, 3393-3404 (2012)

“Influence of aerosols and thin cirrus clouds on the GOSAT -observed CO2: a case study over Tsukuba” 3) O. Uchino, T. Sakai, T. Nagai, K. Nakamae, I. Morino, K. Arai, H. Okumura, S. Takubo, T. Kawasaki, Y. Mano,

T. Matsunaga, T. Yokota: Atmospheric Chemistry and Physics, 12, 11975–11984 (2012) “On recent (2008–2012) stratospheric aerosols observed by lidar over Japan”

4) Y. Yoshida, N. Kikuchi, I. Morino, O. Uchino, S. Oshchepkov, A. Bril, T. Saeki, N. Schutgens, G. C. Toon, D. Wunch, C. M. Roehl, P. O. Wennberg, D. W. T. Griffith, N. M. Deutscher, T. Warneke, J. Notholt, J. Robinson, V. Sherlock, B. Connor, M. Rettinger, R. Sussmann, P. Ahonen, P. Heikkinen, E. Kyrö, J. Mendonca, K. Strong, F. Hase, S. Dohe, and T. Yokota: Atmospheri c Measurement Techniques, 6, 1533 -1547 (2013) “Improvement of the retrieval algorithm for GOSAT SWIR XCO2 and XCH4 and their validation using TCCON

data”

5) Y. Miyamoto, M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, T. Yokota, T. Machida, Y. Sawa, H. Matsueda, C. Sweene y, P. P. Tans, A. E. Andrews, S. C. Biraud, P. K. Patra: Atmospheric Chemistry and Physics, 13, 5265 -5275 (2013)

“Atmospheric column-averaged mole fractions of carbon dioxide at 53 aircraft measurement sites” 6) M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, Y. Miyamoto, Y. Yoshida, T. Yokota, T. Machida, Y. Sawa, H. Matsueda, C.

Sweeney, P. P. Tans, A. E. Andrews, S. C. Biraud, T. Tanaka, S. Kawakami, and P. K. Patra: Atmospheric Chemistry and Physics, 13, 9771 -9788 (2013)

“Validation of XCO2 derived from SWIR spectra of GOSAT TANSO -FTS with aircraft measurement data”

7) 酒 井 哲 、内 野 修 、森 野 勇 、永 井 智 広 、赤 穂 大 河 、川 崎 健 、奥 村 浩 、新 井 康 平 、内 山 明 博 、山 崎 明 宏 、松 永 恒 雄 、横 田 達 也 : 日 本 リモートセンシング学 会 誌 (2013年 3月 19日 受 理 ) 「佐 賀 のライダーとスカイラジオメータによって検 出 された桜 島 の火 山 灰 の高 度 分 布 と光 学 特 性 」 <査 読 付 論 文 に準 ずる成 果 発 表 > (対 象 :社 会 ・政 策 研 究 の分 野 ) 特 に記 載 すべき事 項 はない。 (2)主 な口 頭 発 表 (学 会 等 ) 1) 内 野 修 、菊 地 信 弘 、森 野 勇 、吉 田 幸 生 、横 田 達 也 、酒 井 哲 、永 井 智 広 、真 野 裕 三 、清 水 厚 、柴 田 隆 、山 崎 明 宏 、内 山 明 博 、菊 地 信 行 : 第 29回 レーザセンシングシンポジウム (2011) 「GOSATプロダクト改 良 に向 けたライダーとスカイラジオメータデータの利 用 」 2) 森 野 勇 、井 上 誠 、宮 本 祐 樹 、菊 地 信 弘 、吉 田 幸 生 、内 野 修 、町 田 敏 暢 、横 田 達 也 、澤 庸 介 、松 枝 秀 和 、 C. Sweeney、P. P. Tans、A. E. Andrews、P. K. Patra: 第 17回 大 気 化 学 討 論 会 (2011)

「GOSAT TANSO-FTS SWIRによる温 室 効 果 ガスの観 測 と検 証 の進 捗 状 況 」

3) 内 野 修 、永 井 智 広 、酒 井 哲 、真 野 裕 三 、Ben Liley、柴 田 隆 、森 野 勇 、横 田 達 也 、田 久 保 祥 一 郎 、奥 村 浩 、 新 井 康 平 : 第 17回 大 気 化 学 討 論 会 (2011)

「ライダーで観 測 された成 層 圏 エアロゾルの変 動 について」

4) 井 上 誠 、森 野 勇 、内 野 修 、宮 本 祐 樹 、吉 田 幸 生 、横 田 達 也 、町 田 敏 暢 、澤 庸 介 、松 枝 秀 和 、 C. Sweeney、 P. P. Tans、A. E. Andrews、P. K. Patra: 第 17回 大 気 化 学 討 論 会 (2011)

「航 空 機 観 測 データを用 いたGOSAT TANSO-FTS SWIR XCO2プロダクトの検 証 」

5) 川 上 修 司 、大 山 博 史 、塩 見 慶 、田 浦 朝 陽 、深 町 拓 也 、奥 村 浩 、新 井 康 平 、田 中 智 章 、森 野 勇 、内 野 修 : 日 本 気 象 学 会 2011年 度 秋 季 大 会 (2011)

「GOSATデータ検 証 のための地 上 高 分 解 能 FTSによる二 酸 化 炭 素 およびメタンの気 柱 量 の長 期 観 測 」 6) O. Uchino, N. Kikuchi, T. Sakai, I. Morino, Y. Yoshida, T. N agai, A. Shimizu, T. Shibata, A. Yamazaki, A.

Uchiyama, S. Oshchepkov, A. Bril, T. Yokota: AGU Fall Meeting 2011 (2011)

“Influence of aerosols and thin cirrus clouds on the GOSAT TANSO -FTS SWIR XCO2 and a strategy for

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2011 (2011)

“Validation of XCO2 derived from SWIR of GOSAT TANSO-FTS with aircraft measurement data”

8) Y. Yoshida, N. Kikuchi, M. Inoue, N. Kikuchi, I. Morino, O. Uchino, S. Oshchepkov, A. Bril, T. Yokota :AGU Fall Meeting 2011 (2011).

“Study on the retrieval biases appeared in the GOSAT TANSO -FTS SWIR L2 V01.xx Product”

9) O. Uchino, I. Morino, Y. Yoshida, N. Kikuchi, M. Inoue, K. Nakamae, T. Yokota, D. Wunch, P. Wennberg, G. Toon, J. Notholt, V. Sherlock, B. Liley, D. Griffith, S. Kawakami, H. Ohyama, T. Nagai, T. Sakai, K. Arai, H. Okumura: EGU General Assembly 2012 (2012)

“Advanced validation of the GOSAT-observed CO2 and CH4 at TCCON and prioritized observation sites”

10) Y. Yoshida, N. Kikuchi, M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, S. Oshchepkov, A. Bril, T. Yokota: EGU General Assembly 2012 (2012)

“Preliminary results of the improved GOSAT TANSO -FTS SWIR XCO2 and XCH4 retrievals”

11) M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, Y. Miyamoto, Y. Yoshida, T. Yokota, C. Sweeney, P. P. Tans, T. Machida: EGU General Assembly 2012 (2012)

“Validation of XCH4 derived from SWIR spectra of GOSAT TANSO-FTS with aircraft measurement data”

12) 菊 地 信 弘 、吉 田 幸 生 、内 野 修 、森 野 勇 、横 田 達 也 、竹 村 俊 彦 : 日 本 気 象 学 会 2012年 度 春 季 大 会 (2012) 「SPRINTARSを利 用 したGOSAT SWIRエアロゾル補 正 アルゴリズム」

13) 吉 田 幸 生 、菊 地 信 弘 、井 上 誠 、森 野 勇 、内 野 修 、横 田 達 也 : 日 本 気 象 学 会 2012年 度 春 季 大 会 (2012) 「GOSAT TANSO-FTS SWIR L2カラム量 プロダクトの改 訂 」

14) 山 崎 明 宏 、内 山 明 博 、上 沢 大 作 、工 藤 玲 :日 本 気 象 学 会 2012年 度 秋 季 大 会 (2012) 「比 較 検 定 とImproved Langley法 で決 められたスカイラジオメーターの検 定 定 数 について」 15) 内 山 明 博 、山 崎 明 宏 、工 藤 玲 、上 沢 大 作 :日 本 気 象 学 会 2012年 度 秋 季 大 会 (2012) 「スカイラジオメーターの940nmチャンネルによる水 蒸 気 量 の推 定 」 16) 井 上 誠 、森 野 勇 、内 野 修 、宮 本 祐 樹 、佐 伯 田 鶴 、吉 田 幸 生 、横 田 達 也 、町 田 敏 暢 、澤 庸 介 、松 枝 秀 和 : 第 18回 大 気 化 学 討 論 会 (2012)

「航 空 機 観 測 データを用 いたGOSAT TANSO-FTS SWIR XCO2とXCH4の検 証 」

17) 森 野 勇 、井 上 誠 、中 前 久 美 、宮 本 祐 樹 、菊 地 信 弘 、吉 田 幸 生 、内 野 修 、町 田 敏 暢 、横 田 達 也 、澤 庸 介 : 第 18回 大 気 化 学 討 論 会 (2012)

「改 良 した解 析 アルゴリズムで導 出 した GOSAT TANSO-FTS SWIRプロダクトとその検 証 解 析 」

18) Y. Yoshida, N. Kikuchi, M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, T. Yokota: AGU Fall Meetin g 2012, Abstracts (2012) “GOSAT TANSO-FTS SWIR L2 Version 02 Product and its Validation”

19) I. Morino, O. Uchino, Y. Yoshida, N. Kikuchi, M. Inoue, K. Nakamae, T. Yokota, S. Kawakami, T. Nagai, K. Arai: AGU Fall Meeting 2012 (2012)

“Extended validation of the GOSAT-observed CO2 and CH4 at TCCON sites with co-located aerosol profiling” 20) 菊 地 信 弘 、吉 田 幸 生 、内 野 修 、森 野 勇 、横 田 達 也 : 日 本 気 象 学 会 2013年 度 春 季 大 会 (2013) 「GOSAT SWIR温 室 効 果 ガス濃 度 導 出 精 度 に対 するBRDFの影 響 」 21) 中 前 久 美 、内 野 修 、森 野 勇 、B. Liley、酒 井 哲 、永 井 智 広 、横 田 達 也 : 日 本 気 象 学 会 2013年 度 春 季 大 会 、 同 予 稿 集 、322 (2013) 「Lauderにおけるプジェウエ火 山 噴 火 によるエアロゾル層 のライダー観 測 結 果 について」 22) 菊 地 信 弘 、吉 田 幸 生 、内 野 修 、森 野 勇 、横 田 達 也 : 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2013年 大 会 (2013) 「温 室 効 果 ガス観 測 技 術 衛 星 GOSATによる植 生 の観 測 」

23) N. Kikuchi, Y. Yoshida, O. Uchino, I. Morino, and T. Yokota: The 9th International Workshop on Greenhouse Gas Measurements from Space (2013)

“An Algorithm for Greenhouse Gas Retrievals Using Polarization Information Measured by GOSAT TANSO-FTS”

24) T. Sakai, O. Uchino, I. Morino, T. Nagai, S. Kawakami, H. Ohyama, A. Uchiyama, A. Yamazaki, K. Arai, H. Okumura, Y. Takubo, K. Kawasaki, T. Akaho, T. Shibata, T. Nagahama, Y. Yoshida, N. Kikuchi, B. Liley, V. Sherlock, J. Robinson, T. Yokota: The 9th International Workshop on Greenhouse Gas Measurements from Space (2013)

(10)

2A-1102-x lidar, skyradiometer and FTS data at prioritized observation sites”

25) Y. Yoshida, N. Kikuchi, M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, T. Yokota, TCCON partners: The 9th International Workshop on Greenhouse Gas Measurements from Space (2013)

“Extension of the targets for the GOSAT SWIR XCO2 and XCH4 retrievals”

26) H. Ohyama, S. Kawakami, T. Fukamachi, K. Arai, H. Okumura: NDACC IRWG/TCCON Meeting 2013 (2013) “Status of Saga site”

27) I. Morino, T. Matsuzaki, H. Ikegami, H. Ohyam a, N. Yokozeki: NDACC IRWG/TCCON Meeting 2013 (2013) “Status of Tsukuba and Rikubetsu TCCON sites”

28) 吉 田 幸 生 、菊 地 信 弘 、井 上 誠 、森 野 勇 、内 野 修 、横 田 達 也 : 日 本 気 象 学 会 2013年 度 秋 季 大 会 (2013) 「GOSAT TANSO-FTS SWIR L2 カラム量 プロダクト-次 期 バージョン(V03)へ向 けた検 討 -」

29) S. Kawakami, H. Ohyama, K. Shiomi, F. Fukamachi, C. Taura, K. Arai, H. Okumura: International Symposium on Remote Sensing 2013 (2013)

“Observations of Carbon dioxide and Methane column amounts measured by high resolution FTIR at Saga in 2011-2012”

30) M. Inoue, I. Morino, O. Uchino, Y. Miyamot o, T. Saeki, Y. Yoshida, T. Yokota, T. Machida, Y. Sawa, H. Matsueda, C. Sweeney, P. P. Tans, A. E. Andrews, S. Biraud, T. Tanaka, S. Kawakami: 2013 AGU Fall Meeting (2013)

“Validation of GOSAT SWIR XCO2 and XCH4 using TCCON data and aircraft mea surements: Parameter dependency of GOSAT biases and the bias correction”

7.研 究 者 略 歴 課 題 代 表 者 :森 野 勇 総 合 研 究 大 学 院 大 学 数 物 科 学 研 究 科 修 了 (博 士 課 程 )、博 士 (理 学 )、 現 在 、(独 )国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境 研 究 センター主 任 研 究 員 研 究 分 担 者 1) 永 井 智 広 名 古 屋 大 学 大 学 院 環 境 学 研 究 科 (博 士 課 程 )修 了 、博 士 (理 学 )、 国 土 交 通 省 気 象 庁 気 象 研 究 所 気 象 衛 星 ・観 測 システム研 究 部 主 任 研 究 官 、 現 在 、同 室 長 2) 川 上 修 司 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 (博 士 課 程 )修 了 、博 士 (理 学 )、 独 立 行 政 法 人 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 第 一 衛 星 利 用 ミッション本 部 地 球 観 測 研 究 センター主 任 開 発 員

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2A-1102 「いぶき」観測データ解析により得られた温室効果ガス濃度の高精度化に関する研究 (1)長期間検証データの評価、「いぶき」データ検証とアルゴリズム改良に関する研究 (独)国立環境研究所 地球環境研究センター 衛星観測研究室 森野 勇、吉田 幸生、横田 達也 平成23~25年度累計予算額:130,169千円 (うち、平成25年度予算額:40,752千円) 予算額は、間接経費を含む。 [要旨] 「いぶき」観測データの解析より得られた温室効果ガスのデータ質を評価するために、3年以上 の長期間検証データを用いて季節変動成分や経年変動成分等の大気化学的視点を考慮した検証、 重点サイトにお ける検証 と誤差要因の特 定 を実施 した (重点サイトにおけ る検証 と誤差要因 の特 定はサブテ-マ(2)に記載)。感度解析結果と上記検証結果をもとに、解析アルゴリズムの改良 と初期値の改訂を行い、「いぶき」観測データの再解析を実施し高精度化 を確認した。多くの研 究成果を得たが顕著なものは下記の通りである。 改善された「いぶき」データに対して長期間検証データを用いた季節変動・経年変動などの大 気化学的検証を行い、バイアスの特徴を明らかにした。航空機観測データを用いて検証を行い、 TCCONデータによる検証と同様の結果を得た。殆どバイアスはなくなった が完全にゼロではなかっ た。このためTCCONデータを用いたバイアスの経験的補正手法を 開発し、経験的補正を行い、独立 した検証データの航空機観測データを用いて、補正後の「いぶき」データ質の改善を確認した。 本推進費の研究開始時における前バージョンのアルゴリズムを用いた「いぶき」の 二酸化炭素 カラム平均濃度(XCO2)のデータ質は、バイアス−9 ppm程度(−2 %程度)、バラツキ4 ppm程度(1 %程 度)であったが、下記のつくばにおけるケーススタディと連携しながら 解析アルゴリズム改良と参 照値の改良を行った結果 、バイアス−1.48 ppm (-0.3 %程度)、ばらつき2.1 ppm(0.5 %程度)まで 改善し、本推進費の目標を達成した。 重点サイトの1つであるつくばにおける高精度温室効果ガスと巻雲・エアロゾル光学特性の観 測結果を用いたケーススタディを行った。エアロゾルの高度分布として SPRINTARSのシミュレーシ ョン値を先験値として、またToonの太陽スペクトルを用いて、バンド1、バンド2に加えてバンド3 の観測スペクトルに対してエアロゾルと巻雲も同時推定した結果、 XCO2のTCCONデータに対するバ イアスは、0.17 ppm (0.04 %)と大幅に改善することを確認した。 [キーワード] 温室効果ガス観測技術衛星、二酸化炭素、メタン、解析アルゴリズム、検証

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2A-1102-2 1.はじめに 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」は 、2009年1月23日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島 宇宙センターから打ち上げられ、5年間の定常観測運用が終了し後期利用運用に移行した。現在も 順調に全球観測を継続しており、対流圏までの温室効果ガスを観測する世界唯一の衛星である。 その解析結果には従来 の 大気組成成分観測衛星 に 求められている精度 (数%程度)をはるかに超え る1%以下の精度が要求されていた 。「いぶき」に搭載されたTANSO-FTS(Thermal And Near-infrared Sensor for carbon Observation-Fourier Transform Spectrometer)の校正、解析処理アルゴリズ ムの改良と初期値の改訂、検証作業を繰り返すことにより明らかに異常値である温室効果ガス濃 度データの数は飛躍的に減少し、2010年秋までに二酸化炭素の場合、9 ppm程度の負のバイアスと 4 ppm程度のばらつき(不確かさで10 ppm程度)に抑えることに成功した。 しかしながら、衛星観測データのインバースモデル解析による温室効果ガス収支 推定等の科学 研究のためには、温室効果ガス濃度の更なる高精度化が要求されていた 。「いぶき」観測データ の解析における誤差要因は、観測装置(特性)の校正、解析アルゴリズムの不完全性(巻雲やエアロ ゾルなどの影響を完全に記述出来ない)、初期値誤差などであるが、これまで推進費等の研究成果 に基づく研究的要素が低い業務は既に実施していたが、これだけでは不十分であった 。 2.研究開発目的 「いぶき」観測データの解析から得られた温室効果ガス濃度の更なる高精度化を目的とした。 具体的には、長期間の検証データを取得 しそれらを用いた継続的な検証を行って季節変動や経年 変動について評価し、また地上設置高分解能FTSによる観測と同時に地上の高精度観測装置を用い て巻雲・エアロゾル光学特性を取得し、「いぶき」の温室効果ガス濃度データとの相関解析等を 行う。並行して感度解析により解析アルゴリズムの改良と初期値の改訂の検討を行う。これらの 結果を解析アルゴリズムの改良と初期値の改訂などに反映させ、「いぶき」観測データの解析 に より得られた温室効果ガス濃度の高精度化を行う 。目標として、二酸化炭素の場合2 ppm程度のバ イアス、ばらつき2 ppm(不確かさで3 ppm)と、推進費開始時の不確かさ(推定誤差)の半減を目標 とした。 3.研究開発方法

地上設置高分解能フーリエ変換分光計観測網(Total Carbon Column Observing Network, TCCON データ)、CONTRAIL(Comprehensive Observation Network for Trace gases by AIrLiner) データ、 NOAA (National Oceanic and Atmospheric Administration) データ等の3年以上の長期間検証デー タの解析を行いそのデータ質を評価し、これらのデータを用いて季節変動成分や経年変動成分等 の大気化学的視点を考慮した「いぶき」観測データの解析より得られた温室効果ガスの検証を実 施する。更に、サブテーマ(2)、(3)と協力して重点サイトにおける検証 と誤差要因の特定 を実施する。 感度解析により解析アルゴリズムの改良や初期値の改訂を実施する。感度解析結果と上記検証 結果をもとに、解析アルゴリズムの改良と初期値の改訂を行い、「いぶき」観測データの再解析 を実施する。この結果をサブテーマ(2)、(3)と協力して検証し、「いぶき」データの高精度 化の確認を行う。

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4.結果及び考察 (1)長期間検証データの評価と「いぶき」データ検証 1)長期間検証データの評価 長期間検証データを用いた検証解析に使用するTCCONデータ、CONTRAILデータ、NOAA等の航空機 観測データなどの解析を行いデータ質の評価を行った。 TCCONデータは、「いぶき」の短波長赤外領域(SWIR)データと同じ物理量であるために直接検証 が可能で、3年以上のデータを蓄積することが出来た。航空機観測による検定後の XCO2(二酸化炭素 のカラム平均濃度)の不確かさは、概ね1 ppm 弱で、環太平洋のTCCON検定論文とほぼ同様の結果 となった。更に、TCCONサイト毎の違いを確認した結果、つくばのように都市近郊のサイトは不確 かさが1 ppmを越える場合があることが確認できた。検証解析を行う際はこのような特徴を踏まえ る必要があることが分かった。 航空機観測データを用いた検証は、「いぶき」データの検証が可能な期間として 2年程度のデー タを蓄積することが出来た。航空機観測データは高度 プロファイルであるため、「いぶき」のSWIR デ ー タ つ ま り 、 XCO2を 直 接 検 証 す る こ と が 出 来 な い 。 そ の た め 乾 燥 空 気 数 密 度 プ ロ フ ァ イ ル (CIRA86)を用いてXCO2の計算を行った。この際、航空機観測データの存在しない低い高度及び高い 高度は何らかの仮定が必要となる。航空機観測最低高度より低い高度のデータは、タワー観測が 行われている所はタワー観測のデータを用い、存在しない場合は航 空機の最低観測高度の値を地 表まで一定とする。航空機観測最高高度より高い高度のデータは、圏界面より低い場合は観測最 高高度の値を圏界面まで一定とする。成層圏のプロファイルは全球大気輸送モデル (ACTM, Patra et al.1))により計算されたair age(大気の年齢)データを用い、世界気象機関温室効果ガス年報2)

を参考に、CO2の混合比を計算した。CH4については、CO2の場合とほぼ同様であるが、成層圏・中

間圏(~85km)のプロファイルにはHALOE (Grooß and Russell3))またはACE (Jones et al.4))の気候

値を用いた。 航空機観測データは必ずしも「いぶき」と同期して取得されたものではないため、検証可能な 期間が短い間は「いぶき」データとの同期数が少なく統計的に有意な検証解析が出来なかった。 このため、航空機観測から計算したXCO2及びXCH4に対して経年変動、年変動、半年変動を考慮した カーブフィッテングを行い、この計算値を用いて検証解析を行ってきた。この方法は、統計的に 有意なデータセット数を得ることができるが、総観スケールの情報が抜け落ちる欠点がある。こ のため、見かけより不確かさの小さい検証結果となる可能性がある。本推進費実施期間中に「い ぶき」データの検証が可能な期間が2年程度となったため、統計的に航空機観測データと「いぶき」 データが直接検証を行える状況になった。一方、直接検証を行うときは、カラムアベレージング カーネル(Column Averaging Kernel, CAK)を考慮することが可能で必須である。CAKとはリモート センシングデータ解析を行うときに使用する高度に対する感度を示す指標で、一般的にはこれを 正しく取り扱わないと高精度な検証解析を行うことが出来ない。しかしながら解析手順が複雑に なるため、CAKを考慮するかしないかで検証結果が統計的に有意に変化するか検討した。CAKを適 用するかしないかの差はXCO2の場合+0.022±0.088 ppmとなり、原則CAKを適用しなくても検証解析 で評価されるバイアスに大きな差が生じないことが分かった。これにより、カーブフィッテング による計算値を用いた検証解析には大きな問題がないことが分かった。

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2A-1102-4 2)長期検証データを用いた大気化学的検証 解析により得ることが期待される知見の検討 長期検証データを用いた大気化学的検証解析を行うことによりどのような情報を得ることがで き、「いぶき」の解析アルゴリズムの改良や初期値の改訂に役立てることが出来るか検討を行っ た。まず、時系列プロットと散布図からは、バイアスの季節変動・経年変動及び緯度依存性を明 らかにすることができる。更に、バイアスの成分分析により特定できる誤差要因として以下のよ うに考えることが出来る。全球に一様なバイアス成分は、温室効果ガスの分光パラメータ及び観 測装置の感度特性による可能性がある。バイアスの経年変動成分は、装置の感度劣化によると考 えられる。季節変動又は太陽天頂角に依存する場合、先験値や観測モードによる影響が考えられ る。一方、気圧依存性は、酸素の分光パラメータの誤差による可能性が考えられる。その他エア ロゾル光学的厚さ、アルベド、スペクトルオフセット等の依存性についても調査することが有効 であると考えられる。 これらの解析をもとに解析アルゴリズムの改良や初期値の改訂を行うことになるが、原因がど うしても分からない場合は、バイアスの成分分析を基にバイアスの経験的補正を行うことが有効 である。一例としてNASA/JPLのACOSチームによる方法が報告されている(Wunch et al.5))。本研究 においても、解析アルゴリズムの改良や初期値の改訂 を反映した再解析データ (Ver. 02.xx)を用 いて、5)、6)に示すように同様の補正手法を開発し有効性を示した。 3)TCCONデータを用いた「いぶき」データの検証によるバイアス特徴の解明 本作業では「いぶき」データは現在一般に公開されている FTS SWIR L2 (レベル2) Ver. 02.xx を用いた。TCCONデータは解析手法が更新され再解析された最新データ (GGG 2012解析版)を用いた。 解析は、(a)「いぶき」の月別緯度分布のTCCON及び航空機観測データとの比較、(b)「いぶき」の 各緯度における帯状月平均値の時間変動の TCCONデータとの比較、(c) TCCON地点における「いぶ き」の月平均値の時間変動のTCCONデータとの比較を行うことにより、バイアスの特徴を解明する ことを試みた。 (a)「いぶき」データの月別緯度分布は、全期間で検証データと概ね良い一致を示した。 月別緯度 分布の例を図(1)-1、図(1)-2に示す。前バージョンVer. 01.xxに対して、特にXCO2のデータ質が大 幅に改善されていることがこの解析でも明らかとなった。 (b)この比較は、(a)における「いぶき」データを、ある緯度幅でまとめて時間軸方向に図示化す ることにより評価した。図(1)-3と図(1)-4にそれぞれ二酸化炭素、メタンの例を示す。これによ り、バイアスの緯度や時間による変化が明らかとなったが、帯状平均であるため解釈が容易でな いことが分かった。 (c)TCCON地点における±5度以内の「いぶき」の月平均値の時間変動を TCCONデータと比較するこ とにより、バイアスの季節変動や経年変化が存在することを明らかにすることができた。 その例 を図(1)-5 (Park Falls)、図(1)-6 (Tsukuba)、図(1)-7 (Lamont)、図(1)-8 (Wollongong)、図(1)-9 (Lauder)に示す。季節変動成分は、観測方式、太陽天頂角、先験値等の誤差によると考えた 。一 方、経年変化成分は、「いぶき」センサの劣化係数や先験値等の誤差によると考えた 。

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図(1)-1 「いぶき」二酸化炭素データの月別緯度分布と TCCON及び航空機観測データの比較の例 北半球の夏期、秋期、冬期、春期について示した。縦軸はXCO2、横軸は緯度である。黒丸(●)と緑 丸(●)は、「いぶき」の陸域及び海域データで、青三角 (▲)はTCCONデータ、赤四角(■)は航空機 データである。エラーバーは平均時の標準偏差である。 図(1)-2 「いぶき」メタンデータの月別緯度分布とTCCON及び航空機観測データの比較の例 北半球の夏期、秋期、冬期、春期について示した。縦軸はXCH4、横軸は緯度である。黒丸(●)と緑 丸(●)は、「いぶき」の陸域及び海域データで、青三角 (▲)はTCCONデータ、赤四角(■)は航空機 データである。エラーバーは平均時 の標準偏差である。

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図(1)-3 「いぶき」二酸化炭素データの各緯度における帯状月平均値の時間変動の TCCONデータ との比較。縦軸はXCO2、横軸は時間で年と月(英語の頭文字)である。黒丸(●)と緑丸(●)は、「い

ぶき」の陸域及び海域データで、それぞれの三角はそれぞれのサイトの TCCONデータである。エラ ーバーは平均時の標準偏差である。

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図(1)-4 「いぶき」メタンデータの各緯度における帯状月平均値の時間変動の TCCONデータとの 比較。縦軸はXCH4、横軸は時間で年と月(英語の頭文字)である。黒丸(●)は、「いぶき」の陸域及

び海域データで、それぞれの三角はそれぞれのサイトの TCCONデータである。エラーバーは平均時 の標準偏差である。

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図(1)-5 TCCON地点(Park Falls)における±5度以内の「いぶき」の月平均値の時間変動 のTCCON データとの比較。左は二酸化炭素、右はメタンで、上図の縦軸はXCO2及びXCH4、下図の縦軸は「い ぶき」データとTCCONデータの差、横軸は時間で年と月(英語の頭文字)である。黒丸(●)と緑丸(●) は、「いぶき」の陸域及び海域データで、青 三角(▲)はPark FallsのTCCONデータである。上図の エラーバーは平均時の標準偏差で、下図のエラーバーは「いぶき」データとTCCONデータの差の平 均時の標準偏差である。上図のrは相関係数、Nはデータセット数、下図はバイアスの平均とその ばらつきである。 図(1)-6 TCCON地点(Tsukuba)における±5度以内の「いぶき」の月平均値の時間変動 のTCCONデー タとの比較。左は二酸化炭素、右はメタンで、上図の縦軸は XCO2及びXCH4、下図の縦軸は「いぶき」 データとTCCONデータの差、横軸は時間で年と月 (英語の頭文字)である。黒丸(●)と緑丸(●)は、 「いぶき」の陸域及び海域データで、青三角(▲)はTsukubaのTCCONデータである。上図のエラー バーは平均時の標準偏差で、下図のエラーバーは「いぶき」データ とTCCONデータの差の平均時の 標準偏差である。上図のrは相関係数、Nはデータセット数、下図はバイアスの平均とそのばらつ きである。

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図(1)-7 TCCON地点(Lamont)における±5度以内の「いぶき」の月平均値の時間変動のTCCONデー タとの比較。左は二酸化炭素、右はメタンで、上図の縦軸は XCO2及びXCH4、下図の縦軸は「いぶき」 データとTCCONデータの差、横軸は時間で年と月 (英語の頭文字)である。黒丸(●)は、「いぶき」 の陸域及び海域データで、青三角(▲)はLamontのTCCONデータである。上図のエラーバーは平均時 の標準偏差で、下図のエラーバーは「いぶき」データ とTCCONデータの差の平均時の標準偏差であ る。上図のrは相関係数、Nはデータセット数、下図はバイアスの平均とそのばらつきである。 図(1)-8 TCCON地点(Wollongong)における±5度以内の「いぶき」の月平均値の時間変動 のTCCON データとの比較。左は二酸化炭素、右はメタンで、上図の縦軸は XCO2及びXCH4、下図の縦軸は「い ぶき」データとTCCONデータの差、横軸は時間で年と月(英語の頭文字)である。黒丸(●)と緑丸(●) は、「いぶき」の陸域及び海域データで、青三角 (▲)はWollongongのTCCONデータである。上図の エラーバーは平均時の標準偏差で、下図のエラーバーは「いぶき」データ とTCCONデータの差の平 均時の標準偏差である。上図のrは相関係数、Nはデータセット数、下図はバイアスの平均とその ばらつきである。

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2A-1102-10 図(1)-9 TCCON地点(Lauder)における±5度以内の「いぶき」の月平均値の時間変動のTCCONデー タとの比較。 左は二酸化炭素、右はメタンで、上図の縦軸はXCO2及びXCH4、下図の縦軸は「いぶき」データとTCCON データの差、横軸は時間で年と月(英語の頭文字)である。黒丸(●)と緑丸(●)は、「いぶき」の 陸域及び海域データで、青三角(▲)はLauderのTCCONデータである。上図のエラーバーは平均時の 標準偏差で、下図のエラーバーは「いぶき」データ とTCCONデータの差の平均時の標準偏差である。 上図のrは相関係数、Nはデータセット数、下図はバイアスの平均とそのばらつきである。 4)航空機観測データを用いた「いぶき」データの検証 「いぶき」データはFTS SWIR L2 Ver. 02.00を用いた。航空機観測データは、二酸化炭素では 47サイト(CONTRAIL、NOAA、DOE(US Department of Energy)、NIES、HIPPO(HIAPER Pole-to-Pole Observations)、NIES(国立環境研究所)-JAXAキャンペーン)、メタンでは、28サイト(NOAA、DOE、 NIES、HIPPO、NIES-JAXAキャンペーン)で取得した高度分布データを用いて、高度分布データの存 在しないところはモデルデータ、衛星データ、地上データ等を用いてカラム平均濃度を算出した。 比較期間は1年2ヶ月である。 検証解析では航空機観測サイトを中心に±2度、±5度以内に存在する「いぶき」データと 、(a) 同 一 観 測 日 に 得 ら れ た 航 空 機 観 測 デ ー タ か ら CAKを 考 慮 し て 算 出 し た カ ラ ム 平 均 濃 度 と の 比 較 (direct comparison)、(b)サイト毎の全航空機観測データから算出したカラム平均濃度を用いて 季節変動及び経年変動を考慮した曲線にフィットし、決定した係数を用いて計算した「いぶき」 観測日の航空機カラム平均濃度データを比較(curve fitting)する二種類の方法で行った。航空機 観測データは必ずしも「いぶき」と同期して取得されたものではないため、後者の方法は比較す るデータセットを増やすという観点で有用である。 二酸化炭素の結果を図 (1)-10に示す。(a)の場合±5度のデータセット数は陸域の「いぶき」デ ータで182、海域の「いぶき」データで 40となり、(b)の場合陸域は11146、海域で708となった。 バイアス±ばらつきは、(a)の場合、陸域で-0.99±2.51 ppm、海域で-2.27±1.79 ppm、(b)の場合、 陸域で-1.81±2.37 ppm、海域で-1.73±2.35 ppmとなった。相関係数は海陸ともにR=0.8程度であ

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った。誤差範囲内で両方法は同じ結果を得ることができ た。メタンの場合を図(1)-11に示す。(a) の場合±5度のデータセット数は陸域で 102、海域で10となり、(b)の場合陸域は8060、海域で207 となった。バイアス±ばらつきは、(a)の場合、陸域で2.0±16.0 ppb、海域で6.5±8.8 ppb、(b) の場合陸域で1.5±15.3 ppb、海域で8.4±14.0 ppbとなった。相関係数は陸域で R=0.5〜0.6、海 域でR=0.8程度であった。誤差範囲内で両方法は同じ結果を得ることが出来た。「いぶき」データ の取得範囲による違いは、二酸化炭素とメタン共にばらつきの範囲内であったため、ないと判断 できる。結果はTCCONデータを用いた場合と同じで、上記通り前バージョンVer. 01.xxに対して、 特に二酸化炭素が大幅に改善されていることが、本解析でも明らかとなった。 図(1)-10 2010年までのデータセットに対する航空機観測データを用いた「いぶき」二酸化炭素 データの散布図

上2枚はdirect comparison、下2枚はcurve fittingによる方法である。左は航空機観測サイトを 中心に±2度以内、右は航空機観測サイトを中心に±5度以内に一致した 「いぶき」データの比較 である。陸域データを緑、海域データを青で示した。縦軸は「いぶき」データ、横軸は航空機観 測データである。「Land:」と「Ocean:」の後に記載した数字は、比較したデータセット数を示し、 その下の数字はバイアス±ばらつきである。

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図(1)-11 2010年までのデータセットに対する航空機観測データを用いた「いぶき」メタンデー タの散布図

上2枚はdirect comparison、下2枚はcurve fittingによる方法である。左は航空機観測サイトを 中心に±2度以内、右は航空機観測サイトを中心に±5度以内に一致した 「いぶき」データの比較 である。陸域データを緑、海域データを青で示した。縦軸は「いぶき」データ、横軸は航空機観 測データである。「Land:」と「Ocean:」の後に記載した数字は、比較したデータセット数を示し、 その下の数字はバイアス±ばらつきである。 5)「いぶき」データのバイアスの経験的補正法の開発:その1 GOSATプロジェクトは、TCCONデータを用いて評価したバイアス値を定数として明記した検証結 果文書を付して「いぶき」データを公開している。大気輸送モデルの逆計算による地域フラック ス推定の誤差を一層低減させるためには、「いぶき」データのより詳細なバイアスを明らかにす ることとその補正が必要であることが明らかとなっ てきた。これを実現するためには、「いぶき」 データと各物理量の相関解析を基にバイアスの経験的補正を行う方法をあげることができる。先 行研究例としてNASA/JPLのACOS(Atmospheric CO2 Observations from Space)チームによる方法が

報告されている(Wunch et al.5))。ここでは、TCCONデータを用いたバイアスの経験的補正手法を

検討し、経験的補正を行い、補正後の「いぶき」データ質の改善を TCCONデータを用いて確認した。 まず「いぶき」データとTCCONデータの差(二酸化炭素の場合ΔXCO2)と、各物理量との相関を調

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べた。調査した物理量は、地表面気圧の導出値、地表面気圧の先験値と導出値の差 (地表面気圧差)、 エアマス、O2吸収バンドにおけるアルベド、 CO2吸収バンドにおけるアルベド、 O2吸収バンドにお ける信号雑音比(SNR)、CO2吸収バンドにおけるSNR、エアロゾル光学的厚さ(AOD)などである。これ らのうち相関が大きく、二酸化炭素とメタンに共通である4物理量、地表面気圧差、 AOD、エアマ ス、O2吸収バンドにおけるアルベドを採用し補正を行い、補正後は物理量 との相関が無くなったこ とを確認した。なお、メタンの場合も同様の結果を得ることができた。これらの結果を図(1)-12、 図(1)-13に示す。 次に補正前後で「いぶき」データのデータ質がどの程度改善されたのか、 (a)TCCONサイトであ るPark Fallsにおける時系列と散布図、(b)全TCCONサイトにおける散布図、(c)水平分布による確 認を行った。 (a)二酸化炭素とメタンともに補正後、「いぶき」時系列データはTCCONデータに対して一致度が 改善されたことが分かった。更に、散布図を比較したところバイアスとばらつきともに改善され たことが確認できた。相関係数も補正後大きくなった。 (b)全TCCONサイトにおける散布図を比較したところバイアスとばらつきともに改善されたことが 確認できた。相関係数も補正後大きくなった。図 (1)-14に二酸化炭素の散布図を示す。ただし、 本解析では北大西洋カナリア諸島の Izanaは解析から除外する必要があった。 Izana周辺の「いぶ き」データは海面反射の観測データである。一方、 Izanaサイトは大西洋上の島の海抜2000 m以上 の山頂、つまり接地境界層以下の情報が含まれていないことが多いTCCONデータであり、「いぶき」 データとそのまま比べることは誤解を招くためである 。 (c)水平分布による比較を行ったところ、補正の効果は地域性があることが分かった。図(1)-15〜 図(1)-22に例を示す。前半は二酸化炭素、後半はメタンで、 北半球の夏期、秋期、冬期、春期 の 結果である。その地域の詳細な要因解析を行うことが必要である。これにより、バイアスの地域 性の解明又は何らかの現象の発見につながると考えられる。 本作業では、TCCONデータを基準に補正を行い、補正後の確認を TCCONデータより行った。TCCON データを基準と評価に重用することは、客観性として不満が残る。本推進費の研究では1)に示 したように、長期にわたり取得した航空機観測データを「いぶき」データと比較可能なデータに 変換し、そのデータ質を明らかにしている。そこで、このデータを用いて補正後の「いぶき」デ ータをより客観的に評価した結果を次に示す。

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2A-1102-14 図(1)-12 補正前後のΔXCO2と各物理量の相関図。2009〜2012年の3年間の「いぶき」データに対 して補正を行った。データセット数は陸域 3721、海域33である。上図は補正前、下図 は補正後の相関図である。縦軸は「いぶき」と TCCONデータの差、横軸は左から「いぶ き」で導出した地表面気圧と先験値地表面気圧の差、同時推定されたエアロゾルの光 学的厚さ、エアマス、同時推定されたband 1の地表面アルベドである。緑は陸域の「い ぶき」データ、青は海域の「いぶき」データである。rは相関係数である。補正後相関 係数がゼロになっていることが分かる。

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図(1)-13 補正前後のΔXCH4と各物理量の相関図 2009〜2012年の3年間の「いぶき」データに対して補正を行った。デー タセット数は陸域3721、海 域33である。上図は補正前、下図は補正後の相関図である。縦軸は「いぶき」と TCCONデータの差、 横軸は左から「いぶき」で導出した地表面気圧と先験値地表面気圧の差、同時推定されたエアロ ゾルの光学的厚さ、エアマス、同時推定された band 1の地表面アルベドである。緑は陸域の「い ぶき」データ、青は海域の「いぶき」データである。rは相関係数である。補正後相関係数がゼロ になっていることが分かる。

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2A-1102-16 図(1)-14 補正前後の「いぶき」データと TCCONデータの散布図。2009〜2012年の3年間の「いぶ き」データに対して補正を行った。データセット数(N)は陸域3721、海域33である。補 正と散布図作成ではIzanaのTCCONデータを除外した。それぞれの散布図の縦軸は「い ぶき」データ、横軸はTCCON データである。図中の緑色は陸域の「いぶき」データ、 青色は海域の「いぶき」データで、 図の下の数字は航空機観測データを用いて検証し た「いぶき」データのバイアス±ばらつきである。 rは相関係数である。左は補正前、 右は補正後の散布図である。

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図(1)-15 2009年7月における二酸化炭素の補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

図(1)-16 2009年10月における二酸化炭素の補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

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図(1)-17 2010年1月における二酸化炭素の補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

図(1)-18 2010年4月における二酸化炭素の補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

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図(1)-19 2009年7月におけるメタンの補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

図(1)-20 2009年10月におけるメタンの補正前後の水平分布比較。上図の左が補正前、右が補正 後、下図がその差(補正前—補正後)である。

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図(1)-21 2010年1月におけるメタンの補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

図(1)-22 2010年4月におけるメタンの補正前後の水平分布比較 上図の左が補正前、右が補正後、下図がその差 (補正前—補正後)である。

表 2  重 点 4サイトにおけるライダーデータ取 得 状 況 (2013年 10月 17日 現 在 )    地 上 FTS、ライダー、スカイラジオメーター、「いぶき」のデータを比 較 することにより、1)  巻 雲 のスクリーニング・ 解 析 方 法 を改 善 することによりデータ数 を増 加 させることが可 能 なこと、 2)  図 4に示 すように下 層 エアロゾルの過 小 評 価 によりXCO 2 データに誤 差 が生 じる可 能 性 があること、3)  成 層 圏 エアロゾルの影 響 は無 視
図  (1)-25  太 陽 照 度 デ ー タ ベ ー ス の 改 訂 に 伴 う  (左 ) XCO 2 、 (右 ) XCH 4  の 変 化 。 Case1-1 で は  Kurucz の太陽照度データベースを、 Case1-2 では Toon の太陽照度データベースを 使用した。Kurucz の太陽照度データベースに残っている吸収構造に相当する光路長 の影響はエアマスが大きいほど (光路長が長いほど) 相対的に小さくなる。  3)エアロゾルの光学特性(参照値)、高度分布の扱い(アル ゴリズム)の改

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