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食品の遊離アミノ酸の研究 (第1報) : ビガイの脂肪,遊離アミノ酸の季節的変動

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(1)

昭 和46年11月(1971) 一19-一

食 品 の 遊 離 ア ミノ酸 の 研 究

(第1報)

ヒ ガ イ の脂 肪,遊 離 ア ミノ酸 の季 節 的 変 動

布浦

安 福 英子

野 口は るみ

Studies on the Free amino-acid in Foods. (Part I) Seasnal variations in the Fat and Free amino-acid

Contont of Higai flesh.

Hiroshi Nunoura Hidako Yasufuku Harumi Noguchi

た の で 報 告 す る。 L 緒 言 う ヒ ガイ は 学 名Sarcocheilichthys Ua「iegatusで コ イ 科 の 淡 水 魚 で あ る。 漢 字 で は 鯉 と書 く。 そ の 由 来 は 明 治 天 皇 が 大 変 ヒガ イ を 好 まれ た た め に,魚 へ ん に 皇 と い う字 が 使 わ れ る よ うに な った とい わ れ て い る。 原 産 地 は 琵 琶 湖 付 近 で あ った が 現 在 で は 我 国 中 部 以 南 の 河 川,湖 沼 の水 の 澄 ん だ 砂 底,砂 利 床 に 多 くす ん で い る。 体 は 銀 白 色 で 脊 ビ レに黒 い 斑 紋 が あ り,全 長25(皿 位 に な る。 ヒガ イ は 性 別,す む 場 所,時 季 に よ りか な り色 が 変 化 す る。 幼 魚 は うす い あ め 色 を して い て体 の 中 央 に1本 の黒 い 線 が 走 って い る。成 魚 に な る と雄 は 淡 い紅 色 と な り生 殖 期 に な る と顔 の 両 側 は 著 る し く美 しい 紅 色 に 変 じ黒 い 線 は,し だ い に 不 明瞭 とな り全 体 に 黒 ず ん で く る。 雌 に は こ の よ うな 変 化 は な く,あ め 色 の 明 るい 色 を し て い る。3月 ∼4月 が シ ュ ンで 骨 は か た い が 味 が よ く,と くに 小 さい もの が 好 まれ る。 塩 焼,照 り焼,か ら揚 げ,か ラ シ酢 み そ 和 え,南 蛮 漬 等 に して用 い られ る。 秋lyは 比 較 的 少 な い が 春 の シ ュ ン の 頃 に は 京 都 や 滋 賀 の 料 亭 で 高 級 な 魚 と して 使 わ れ て い る。 淡 水 魚 の研 究 は コイ に つ い て は 比 較 的 多 く研 究 され て 2) い るが,ヒ ガ イ の 成 分Y'`.関す る研 究 は,一 般 成 分 が 報 告 され て い る のみ で 他 は あ ま りみ られ な い 。 そ こで 著 者 らは 琵 琶 湖 の ヒ ガ イ の 旨 lr関 係 す る と思 わ れ る遊 離 ア ミノ酸,な らび に 粗 脂 肪),YYつい て 季 節 的 に 定 量 し II.実 験 の 部 *本 学食 品化学 研 究室 II-1.試 料 お よ び 試 料 の 調 整 滋 賀 県 南 郷 水 産 セ ン タ ー でi琵琶 湖 の 水 と配 合 飼 料 で 昭 和45年5月 ∼ 昭 和46年4月 ま で 育 て られ て い た ヒ ガ イ(体 長12∼15(皿,体 重20∼409)の2年 魚 を 毎 月1 回,20日 前 後 に捕 獲 し,酸 素 を 補 結 して 持 ち 帰 り使 用 した 。 す な わ ち 活 魚 の 頭 部,骨,ウ ロ コ,ヒ レ,皮 を 除 き (脂 肪 定 量 に は 皮 つ き の ま ま使 用)残 った 可 食 部50% を さ らに 背 と腹 の 部 位 に わ け 試 料 と した 。 た だ ち に 使 用 しな い時 は 急 速 凍 結 させ て 貯 蔵 し,実 験 の た びY'解 凍 して 用 い た 。 な お,11月,12月,1月 は1年 魚 しか 入 手 出 来 な か った の で,ま た9月 は 雄 の 成 魚 が 入 手 出 来 なか った の で 今 回 の報 告 か ら省 い た 。 定 量 は2検 体 を 用 い て 行 な い 平 均 して 実 験 値 と した 。 II-II.粗 脂 肪 の定 量 3) A.実 験 方 法 1.背 と腹 に わ け た ヒ ガ イ 魚 肉3∼59を 正 確 に秤 取 す る。 2.約10倍 量 の 無 水 硫 酸 ナ ト リウ ム と と も に乳 鉢 で よ くす りつ ぶ し円筒 炉 紙 に 入 れ,乳 鉢 付 着 物 は エ ーテ ルを 含 ませ た 脱 脂 綿 で ふ き と り ソ ー クス レー脂 肪 抽 出 器 に て17時 間(65。C)エ ー テ ル で 抽 出 した 。 B.実 験 結 果

(2)

- 20ー Teble I. ヒガイ月別粗脂肪含量 C%)

h

オ ス メ ス 背 腹 背 腹 2 3.90 4. 20 2. 15 3 3.86 5.42 4. 19 2.17 4 2.81 3.42 2.52 4. 10 5 1. 47 1. 58 0.91 0.82 6 0.58 0.80 1. 09 1.10 7 C*) 0.19

o

.

75 0.23 8 3.55 5.49 2. 76 4.17 9 2.12 3.63 10 5.13 8. 78 4. 78 6.36

c

*

)

微量につき測定不能 10 一 一 一 一 一 雌 月t -一一ー・一一ー此量背 ・ 一 一 ・ 一 雄 肯 Fー ← ー - - 雄 抜 マ c m w u 由 a. 4 5 6 一一一一ークmonths 10 Fig. 1 ヒガイ雌雄月別脂肪含量の変動 結果は Teble1, Fig. 1の通りである。ヒガイの脂 肪含量は0.19%----8.78%と季節的変動は大きい。 5月 ----7月は産卵期から産卵後にあたるため,脂肪量は次 第に減少しており雌雄とも 7月が季節的に最低値を示 している。(雌の6月の脂肪量が少し高いが, これは 個体差によるものと思われる〉そのやせた魚は夏から 秋に向うとともに体力を増し,脂肪量も急激に上昇し 10月の候には最高となり,その後冬から春に向つては 減少する傾向がみられる。 雌雄の脂肪含量の差をみると6月と7月を除き全体 的に雄の方が脂肪含量が高く,また季節的変動も激し い傾向を示している。また雌雄の背と腹を比べてみる と,雄はすべて腹の脂肪含量が高いのに対して,雌は 4月を除き産卵前は比較的腹の脂肪含量が低くなって 食物学会誌・第26号 いる。しかしその後は雌雄とも腹の脂肪含量が高くな り,とくに8月以後はその差が顕著である。 これらの現象は雌雄の差により脂肪の蓄積,消耗な ど代謝の違いが考えられるが,一般に腹の脂肪が増加 するころがシュンであるといわれているが,ヒガイの 秋に美味になるのは脂肪含量からみても考えられる。 しかし秋に比して春はそれほど顕著な差はみられない が雌の腹部位の脂肪含量が4月にやや高くなる現象か らみて,ヒガイの旨味は脂肪含量に関係するものと考 えられる。

1

1

-I

I

I. 遊離アミノ酸の定量

A

.

実験方法 1.背と腹の部位にわけた魚肉約 3g,凍結の状態 で細切し,正確に秤取する。 2. 1 %ピクリン酸 30mlとともに冷却しながら Homogeneous し,~過後沈でん物を除き除たんぱく する。 3. 1?液は 2X15佃かラムを用い, Dowex. 1 x 8 Cl 型樹脂にてピクリン酸を除き管壁と樹脂床を 4mlの 0.02N-HClで5回洗糠する。 4. 溶出液を減圧濃縮し, pH 2. 2クエン酸緩衝液に て 5mlに定容し,試料とする。 5.調整試料 0.5mlを KLA-3B型目立アミノ酸 分析計にて定量した。 分析条件 中性,酸性アミノ酸 カラム 0.9 x 50個 展開温度 550 C 塩基性アミノ酸 カラム 0.9

x

15個 展開温度 31---550 C 樹脂 AminexA-4

B

.

実験結果 分析結果17種のアミノ酸を定量した。定量値は Teble 2に示すとおりである。各アミノ酸含量を雌雄, 月別に図示すれば Fig.2,..._,18に示すとおりである。 ヒガイの遊離アミノ酸のうち比較的多量に含まれて いるのは His.,Gly.でつぎに Ala.,Lys., Thr., Ser., Glu., Arg.の順に多く含んでいる。一般に赤身魚肉に は His.が多く白身魚肉には Gly.が多いといわれて いるが,コイやフナ等の淡水魚には比較的 His.が多 いといわれており, コイ科に属するヒガイも His., Gly.の含有量が多い傾向を示している。 つぎにヒガイの遊離アミノ酸含量を同じコイ科のコ イ,フナと比較すると TeLle3のとおりである。 コ

(3)

昭和46年11月 (1971) ー 21ー Teble 2. ヒガイ雌雄月別遊離アミノ酸含量 μmolj100g 2 月 3 ~ 4 月 背 │ 腹 背 l腹 Lys. 264.071265.771211.731359.57 His. 552. 201 589. 871 499. 981 528. 06 514.

77 山:14:~. ~~l 4:~. ~:l 7~~. :;15~~. :~l 3:~. ~:13~~. ~:

Arg. 55. 681 63. 03/ 60. 701 58. 12 54.391 45.961 46.331 42.081 16.701 24.191 48.241 49.94 Asp. 7.831 *1 14.781 23.33 *1 *1 *1 *1 7.861 14.421 12.841 9.46 Thr. 80. 671 80. 971 106. 981 113. 91 114. 411 91.161 94. 461 94. 621 90. 881 74. 671 90. 251 94. 47 Ser. 70.37 66.38 88.23 105.60 109.98 94. 49 91.04 98.97 69.97 73.83 82.65 79.99 Glu. 38.02 39.90 52.58 54. 75 50.51 39.52 53.31 54.89 27.82 27.36 59.88 58.01 Pro. 15.06 11.82 25.36 26.86 40. 12 23.97 29. 13 23. 291 18. 26 16. 39: 40. 69 45.21 Gly. 970.45 986.45 901.48 821.15 853.31 682. 73 707.53 933. 151 621.89 550. 161 642. 35 669.36 Ala. 247.56 203.30 213. 46 263.33 377.08 267.87 265.27 227. 75 297.07 378.25 357.51 320. 13 Cys. 9.82 5.48 10.63 5.5 3. 71 9.02 6.16 6. 45 2. 71 7.02 12.48 14. 75 Val. 20.23 39.20 25.80 29.62 50.65 42.48 32.14 36.62 37.38 35.37 61.14 58.14 民1et. * * * * 20.64 20.66 11.2 16.03 25.02 22.56 Ileu. 14.25 14.37 21.56 23.62 42.24 36.03 30. 321 40. 26 26. 761 26. 34 50.27 47.65 Leu. 28.36 27.43 40.63 43.98 69.54 59.04 53.99 53.22 46. 371 45. 96 86.37 87. 15 Tyr. 7.12 7.57 10. 77 13. 18 21.02 18. 78 13. 76

山~i :~.:~

14.99 28. 15 25.01 Phe. 9.53 11.08 13.57 15.95 30.89 26.36 17.83 19. 59i 21.82 21.631 33. 621 33. 35 5 月 6 月 7 月 一 ー 一 回 』 一 一 一 一 一 一 戸 オ ス ( メ ス オ ス メ ス オ ス メ ス 背 │ 腹 背 腹 背 腹 背 腹 背 腹 背 腹 Lys. 65.42 68

79.87 94. 481 75. 001 94. 18 90. 671 149. 59 151.18 135.38 127.33 His. 431.84 386. 391 420. 74! 248. 05 214. 551 78. 53 75.98 136.91 136.66 Arg. 8.77 8. 431 25. 841 29. 84 26. 481 21.121 21.43 19. 801 39. 32 41.88 22.63 28. 77 Asp. 7.40 12.001 11.931 14. 48 5.63! *1 6.48 4.511 8.75 12.17 * 11.31 Thr. 91.14 82. 311 147. 161 135.82 141. 231 149. 391 94. 26 94.271 94.63 95.23 106.65 108. 76 Ser. 76.63 68.671 112.041 117.03 69. 141 73. 731 56. 74 63. 581 39. 88 50.40 53.32 45.20 Glu. 34.43 33. 981 71. 241 81.13 44. 401 52. 851 22. 22 299

50 53.24 37.33 51.43 Pro. 50.33

~~. ~~I_~~. ~~i

18.60 20. 28! 34. 62 28.21 19.54 17.32 Gly. 452.12 403. 581 536. 961 152. 74 384.381 372.191 207.06 239. 45! 155. 19 218.50 346.30 324.99 Ala. 578.53 488. 511 406. 031 326. 97 201.411208.9~ 183.08 180. 6,91 398. 04 177.82 197.38 203.03 Cys. 5.11 9.30 14.88 8.93

~~. ~~I ~:. ~~

14.23 3.02 16.98 13.25 13.83 14. 16 Val. 40.26 24.03 56.04 59. 99 24. 63: 24. 19 25.86 28.31 42.49 47.39 30.57 33.68 恥1et. 9. 77 10.33 12.74i 10.46 12.36 4.17 7.03 15.32 9. 48 11.70 Ileu. 14.58 14.31 32. 171 34. 19 20.84 20.92 15.43 17.20 36. 85 42.03 22.57 25.07 Leu. 29.35 27.68 64. 651 70. 57 33. 78 34.58 31.72 32.81 61.45 61. 77 40.23 44.50 Tyr. 8.44 9.56 14.601 17.97 7.58 8.47 14.22 9.64 11.85 Phe. 10.12 10.98 17.411 20.86 11. 981 12. 031 12. 88 10.86 22.32 22.26 12.05 13.95

(4)

22ー 食物学会誌・第26号 8 月 9 月 10 月 オ ス メ ス メ ス オ ス メ ス 背 腹 背 腹 背 腹 背 腹 背 腹 Lys. 218.81 274.83 195.38 163. 71 116.51 127.09 144. 44 153.16 105.34 92. 11 His. 658.31 591.05 595.05 528. 98 683.93 687.27 903. 13 924.68 951.93 835.93 Arg. 82.38 84.98 32. 13 32.04 29.23 29. 78 20.31 21.44 18.05 15.09 Asp. 11.86 16.33 12.37 12.29 38.57 25.38 17.93 11. 18 17.77 9.41 Thr. 193.65 178.03 127.51 119. 13 170.44 197.71 134.02 106. 73 164.69 151.00 Ser. 128.05 109.30 99.31 92.2 178.29 143. 86 152. 65 150.23 143.93 139.23 Glu. 67.98 79.34 70.70 67.94 69. 18 69. 13 49.03 59.41 54. 73 58.92 Pro. 43. 18 36.08 25.31 27.82 56.65 36.22 23.37 18.89 20. 62 21.28 Gly. 512.29 447.95 428.80 379.27 638. 41 829. 70 631.19 629.03 842.51 737.75 Ala. 355.53 280. 78 326.61 288. 71 164.88 165.59 225. 25 250.56 208. 45 132.58 Cys. 30.11 33.34 24.67 32.63 20.08 14. 46 29.21 24.07 23. 88 24.80 Va1. 63.24 37.52 33.53 30.43 20.98 26. 12 21.63 20.89 23. 60 20.08 Met. 19.68 18.28 10.97 8.26 16.29 17.68 11.74 11.91 10. 02 9.45 I1eu. 46.04 44.66 21.48 19.89 21.88 24. 13 22.92 22.24 17. 18 15. 75 Leu. 74.02 71.53 38.38 34.20 31.95 32.96 38.32 38.03 32. 78 30. 13 Tyr. 33.09 31.00 14. 25 11.62 19.11 14.32 12.83 14. 29 9. 28 8.69 Phe. 34.93 34.51 14.82 12. 10 21.55 22.21 9.82 11.68 8. 47 8. 00 *微量につき測定不能 IDOO, 此量月量 一 一 一 一 一 一 此 鍾 背 ゐo副 土量 ~'i 。ーーー 一 - 0一 雄 背 70D o E 。 ε 、 / 600 。 ' -ー

xj

仁。~ 仁 EJ500

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¥ミト ¥

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3回

¥

200ト 、、、、 J:J 1曲 ωG 4 一一一一→months 10 4_一一→5mon T h 6 s Fig. 2 Histidine Fig. 3 Lysine

(5)

昭和46年11月 (1971) 1000 ヲ 旧0 宮00

¥

'100 600 200

ν'

。/ 100 4一 一 ← う5monf 6h s 7 10 Fig. 4 Glycine ヘ ¥ 150 o E 」 E E口fωo 1・

¥ ρ

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し 一

4 E 一一一→m6onfhs マ 8 S 10 Fig. 5 Serine イと比較するとヒガイの遊離アミノ酸含有量はあまり 大差はないが,コイの Gly.含量が比較的多いのに対 して,ヒガイには約半分の合量しか含まれていない。 また,その他のアミノ酸のうちヒガイに多く含まれて いるアミノ酸としては The.,Ala., Leu. などがあげ られるが,これらは測定方法や個体差の違いによるも のとも考えられる。しかし Gly.,Glu. がコイに比し て少ないことはヒガイとコイの旨味の違いに関係する ものと思われる。 季節的変動をみると His.,Gly., Lys.が最も変動が 激しく,つぎに Ser.,Glu., Arg. も変動の激しいアミ - 23ー 百0 70 60 J0 ε 50 / 。 tEo L J AO z 10 2 斗一一一+司事-m〆onf6h s 7 10 Fig. 6 Glutamic acid

~C 70 60 口 正50 O L 長J40 20 10 斗 〆F m o n6f h s 7 10 Fig. 7 Arginine ノ酸である。これらのアミノ酸は5月, 6月, 7月に 最低値を示し,あと急激に増加している。 つぎに雌雄の差により変動の時期が異なっているの が大きな特徴である。すなわち雄は 4月頃より減少し 4月または5月に比較的低値を示すアミノ酸が多く, (Glu., Lys., Thr., Leu., I1eu., Arg., Tyr., Phe., Pro.) 増加する場合もピークを示すのは雌より 1カ月早く 3 月または8月に高いピークを示している。 CPhe.,Tyr., Val,.Leu., I1eu., The., Met.,雄の 9月は測定が出来 なかったので推測する〉 一方,雌の場合5月より減少し6月または7月に低

(6)

4一一→5monf6h s マ 01 Fig. 8 Threonine EDi 。 仁 』E J 20 1 0 '30 sOt r

:

¥

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♀ 4 E 5 '7 01 一一一う 打lOnths

ヘ,

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Fig.12 Methionine o b ε60

1

j

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60 E。50 。 20f 丘 u 同 2 4一ーータ打510nth 6 s

10 20.... Fig.9 Leucine z 4 一一一→EmonT 6h s T 01 Fiig.13 Valine

SD 。E~ol

¥

/ 40 L 口l) 。E E 3c ; : 仁EJ 30 1 0十 10 r 一 一 一 一 一 斗 E 6 マ 官 9 10 1,一一一一歩Ernon6 T h s 7 01 一一一一')months Eig.10 Isoleucine Fig.14 Tyrosine - 24ー o I~I E O ιJ E

1

/10 食物学会誌・第26号 0 0 0 5 l 一 OE22εfill-2 4 5 6 '7 -一一~ months IC Fig.11 Proline

(7)

昭和46年11月 (1971) 相 知 加 国 一Q E O L U 一に﹂小 1 1 1 1 Fig. 15 Phenyl alanine 4 !J 6 一一→months M 制 加 お M 一O E ﹄ O ﹄ U 戸 じ 小 1 1 1 1 ' 10 γ 。 司-0__

-3 " 5 ι 7 8 ヨ 10 一 一 ← → monlhs e n -4 t c d v d

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β o t i 仔 b z l F s o 6日 Eω 刷 川 叫 ω -a z 圃 4 4 3 E Q ﹄ U -E ﹂ 一 小 I l l l 100 - 25-' d d F L a C . 唱 目 a r t v ι 5 a 6 ﹄ 什 ι p ' ' G d m A E m 与 ﹂ 一 山 山 ︺ . ' 目 p A 10

-

9 10 " 一一一一ァ町" 10nthso Fig. 18 Alanine Teble 3. ヒガイ,コイ,フナ筋肉中の遊離アミノ酸 (mg/100g)

! ヒ ガ イ ( 雄 〉 lj ヒ ガ イ ( 雌 )

j

警 ¥ ト 最 低 値 │ 最 高 値 11最 低 値 │ 最 高 値

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Lys. 1 9. 57 1 40. 18 11 11.68 1 52. 57 11 His. 1 11.79 1 143.47 11 21.20 1 147. 70 11 Arg. 1 1.47 1 14.80 11 2.63 1 10. 57 Asp. 1 O. 75 1 2. 39 11 O. 60 1 5. 13 r 仁 u n 凶 R a & L 式 u u r 目 r l l y a L e e y h T a G P G A C V M H L T P 8.89 5.30 4.03 1.36 11.65 15.84 0.65 2.37 1.05 1.88 3.60 1.37 1.57 23.07 13. 45 11.67 5.79 74.05 51.54 7.24 7. 41 3.08 6.04 9.71 5.99 5. 71 8.87 4.12 2.78 1.52 11.47 11.81

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72 2.35 0.62 2.02 3.95 司 d q δ 噌 , E A 1.32 23.55 18.74 11.94 7.90 70.05 36. 17 7.84 6.57 3. 73 6.59 11.43 5.10 5.55 11 コ イ ナ 18.6'"'-' 41.0 32.7'"'-'133.0 5.8'"'-' 9.3 2.5'"'-' 3.3 4.9'"'-' 6.1 98.5 251. 0 18.7 10. 1 14. 1 15.5 7.3'"'-' 17.6 2.6'"'-' 6.3 125.3~198.3 11.9'"'-' 37.7 62.2 25.5 4.0'"'-' 5.0 3.3'"'-'11.6 3.4'"'-' 4.8 6.1'"'-' 8.1 2.1'"'-' 4.5 1. 8'"'-' 2.6 1.1 1.1 3.6 4.0

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26ー 値を示すアミノ酸が多い。 (Glu.,Ala., Arg., Val,. Leu., Ileu., Met., Pro., Phe., Tyr., Ser., Thr.)高い ピークも雌の場合, 4月, 5月または 9月で Val, L. eu., Ileuリ Met, P. ro., Glu., Phe., Tyr., Thr., Ser.のアミ ノ酸がこの傾向を示している。しかし Gly.だけは雌 雄まったく別で雌は 5月, 6月が最低{直を示している のに対して,雄は7月が最低値を示し,その後両者と も増加している。 ヒガイの中で一番含有量が多く変動の激しいアミノ 酸 His.は 7月を最低値として,その後急激に増加し ている。 このことは英国ニシンについて Hughesの 報告にもみられるごとく His.は産卵期から産卵後に 著るしく減少する傾向があるとのべているが,このよ うな現象は他の水産魚類一般にもみられ,ヒガイも同 じ傾向を示している。 さらに背と腹の部位別遊離アミノ酸含量を季節的に みたが,雌雄とも大差が認められなかった。しかし最 低値を示すのが腹部位に多く,最高値を示すのが背の 部位に多い傾向は,腹部位が比較的アミノ酸含量が低 いことを示しているものと考えられる。 つぎに水産物の旨味に関する因子は数多く明らかに されているが橋本氏はそれらをまとめてつぎのごとく のべている。旨味の中核は Glu. とヌクレオチドの相 剰作用によってっくり出され,そしてその中核は Gly., Ala., Pro.,ベタイン, コハク酸等のわき役の

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動きによ って,それぞれ水産物特有の持ち味をかもし出してい る。そしてそれは,さらにグリコーゲンや脂肪などで まとめられ引立てられているであろうとのべている。 ヒガイの旨味に関係すると思われる遊離アミノ酸含量 の変動をみると, Glu., Gly., Ala.は雌雄により多少 の差違はあるが比較的3月, 4月, 5月の春に高く 6 月が最低値を示し, 8月, 9月と次第に高くなり 10月 にはやや減少の傾向がみられる。これらの現象は個体 差によるものかは不明であるが,旨味の中核をなすイ ノシン酸の(今回定量出来なかったが,ベーパクロマ トグラフィーにて検出〉存在が認められたので,これ らのことからヒガイの春の旨味はアミノ酸相剰作用に より,さらに秋には脂肪含量増加により,ヒガイ特有 の旨味をかもし出しているものと考えられる。 111. 要約ならびに考察 (1)琵琶湖ヒガイの粗脂肪含量を月別に定量し, 7月 が最低値を示し,その後秋に向って急激に増加する傾 向がある。比較的背に比して腹の部位に脂肪含量が高 く,シュンになるにつれ,その差は顕著である。和田 食物学会誌・第26号 氏の研究によれば,朝鮮マイワシについてのべている ように水産物の脂肪は産卵後,体力を増し脂肪含量も 最高となったあと,蓄積された脂質は生殖線の発達に 向けられ,肥大時期がすぎると一斉に減じ最低になる とのべているが,ヒガイにおいても同様の傾向がみら れ,脂肪含量の高い時期がヒガイの旨味と関係し,多 くの料理に使われていることがうかがえる。 2. KLA-3B型目立アミノ酸分析計にて 17種の遊 離アミノ酸を定量し,含量の高いアミノ酸としては His., Gly., Lys. であったが,これらのアミノ酸は季 節的変動も激しい。 またアミノ酸含量をコイと比較すると,ほぼ等しい 含量を有しているが,旨味に関係すると思われる Gly. 含量がコイの約半量であることが注目される。 その他,遊離アミノ酸含量を性別にわけて月ごとに 定量した結果,多くのアミノ酸が雌雄により増減の時 期に差があることがわかった。これら雌雄により季節 的に消長の時期が違う現象や,特に His.の季節的変動 など坂口氏等がコイの筋肉中の遊離His.蓄積のメカ ニズムあるいは生理的意義について不明の点が多いと のべているごとく,脂肪と同様,雌雄の産卵におよぼ す生殖器の代謝機能,消耗の違いなどが何らかにおい て影響しているものと思われる。 魚、肉の旨味に関係するアミノ酸 Glu.,Gly., Ala.は 3月, 4月, 5月が比較的高く 6月が最低値を示して いるが,産卵期から産卵後にかけてヒガイがまずくな ることと一致する。 研究に際して毎月ヒガイ購入に便宜をはかつて下さ いました南郷水産センターの皆様方に深く感謝いたし ます。 参 考 文 献 1)桜井芳人:総合食品事典 同文書院 2)滋賀県彦根水産試験場調査 3)神立誠編:食品分析法 4) Duchateau, G. and Florkin, M.:Comp. Rend.

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, 148 1278 (1954) 5)清水豆:水産動物のエキス窒素 (1963)講演要旨 集 録 6) Hughes, R.B.: ].

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, 10 october, (1959) 7)橋本:F AO Symporium on the Significance of Fundamental Resarch in Utilization of Fish (1964) 8)和田正太:日農化 Vol29. No.5 339, 342(1955) 9) 坂口・河合:食料科学研究所報告第34号 28~ 51 (1971)

参照

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