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溜池中の水草について I-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

第11巻 通巻第29琴(1959)

幣地中 の水草について、Ⅰ

梅 田

裕,玉 置 鷹 彦

Studies on chemicalcomponents ofsome aquatic plantsI

Yutaka UMEDA and Takahiko TAMAKI

(Labor・atOrIy Of Soiland Manur・e) (ReceivedJuly20,1959) 211 王緒 溜池泥土を水田の客土材と.して,水稲栽培上そのもつ肥料的効果を利肝することは以前より香川県の当業者間で行 われているが,この泥土の生成に関与する有機質材料として,溜池申に塵育する各種の水草の果す役割ほ大きいと考 えられる湖の水草については,従弟滋賀県立凝事試験場(4)の行った琵琶湖沿韓の水藻の利用とその肥効に関する研 究,また山口(7)に依る余呉潮の湖底堆積物と高等水生植物と.の関係等の報彗が見られ,水田の浮草に.関しては塩入 等(5)の研究があるが,香川県下の溜池に生育する水草に・ついてはこれまで何等の報菩も見当らないり よってて.れにつ いて実験を行ったのでここにその一部を報薯する… なお,本実験は当学部前川学部長を主任研兜者とする1958年度文部省科学研究掛こ.依って待った研究の一部であ るい また実験を行うに.当り協力された貢鍋忠君に感謝致します Ⅱ 試料の採取および調製 今回は国下,城他を除き,童として香川県惣歌那下の潤地中より試絆を採集した採萌した水草の積層およびそれ が生育していた溜地名を償1,2表に示す・鵠1表より採夜した水草の種類はシャジグモ科,ヒルムシロ科に鼠する もの各2碗,ヒシ科,ドチカガミ科,マツモ科,アリノダ■フグサ科,リソドゥ科,ホモノ科に属す−るもの各1種討10 種である,第2表より各溜池に塵育している水草の種類は聡隈池が3種で最も多く,これについで大窪,一博,徳利, 城,国下の各地が2種その他の池は1積であるしかしこれほ調査の対象とした溜地中に生育する水草の主要な種類 を掲げたもので,分析試陣を得ることのできぬような生育_盈僅少な積層は凍表中に掲げられていない.採取した水草 は唖煩別,溜池別に風電後,竃矧意想乾塊器中にて6〕OCで乾塊後乳鉢にて粉砕し供試した 第1襲 採取 した水草の穣類 草

名i科

員 】 学

ひ し 科 し ゃ じ く も 科 し ゃ じ く も 科 ど ち か が み 科 ひ る む し ろ 科 ひ・る む し ろ 科 ま つ も 科 あ り の たふぐさ科 り ん ど う 科

ほ も の 科

ひ・ Trapa natans L

Chara foetida ABr Chara coronata ABr HydIilla verticillata Casp Potamogeton pusillus L

Potamogeton cristatus Rep et n/laack Ceratophyllum derr)erSum L My’riophyllum spicatum L NymphoidesindicuTn OKuntze Leersia japonica Makino く さ し ゃ じ く も し ゃ じ く も く ろ も い と も いば のひ るむしろ ま つ も き ん ぎ ょ も か が ぷ た あ し か き l

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(2)

香川大学農学部学術報告 212 第2表 水草採砺地名および水草名 溜 地 名l 溜 地 所 在 鞄 水 草 名

新大大 山 上赦徳契大城国

池池池池 池池池池池池池

綾 歌 〃 〃 〃 〃 〃 ク 〃 〃 〃 田 〃 木 郡 岡 田 岡 田 滝 宵 滝 常 連 基 山 田 山 田 山 田 ひし くさしゃじくも,くろも くろも こばのひるむしろ,まつも こばのひるむしろ ひし かがぶた,こばのひるむしろ,まつも くさしゃじくも,きんぎょも かがぶた あしかき くさしゃじくも,くろも しゃじくも,ひL

区一院利光谷 下

綾 南 郡 東植田 井 戸 Ⅱ分析方法および分析結果 分析法に.ついて窒素ほ.ガソニソグ氏要港(3〉,その他の成分についてほ試料の−一億盈を秤塀し,灼熱灰化後塩酸匿溶 解し塩酸溶液についてりん酸はモリブディック法(3),加盟は過塩素酸旗(8),石灰は容盈旗($)に倣って待ったu分析結 果を第:3,4表に点す.筍3表より T−N(N昆8−N+・NO占−N,蚊下同じ)についてみると最高はマツ・モの3.14%, 最低はキ・ノダョモの151%で大部分のものは2%台で,水面に.生育するヒシ,カガ■70タ等は水底に.限をもつ他の水草 に比較してややN盈が多い傾向がうかがわれる‖:NO3−Nは何れも少く徳利,国下向瀞より得たシャジクモと大窪 弛のクpモがやや多いが何れも1%以下であるい 第3表 水 草 中 の T−N (NH8−N十 NO$−N) NO8−N 水 草 名 NH8−N

池池 池池 基地池

し もももも .\ 卜し ろ やろ つ し ののにが ヾホ“エ さ ひくくくま こ こ お か 窪 〃 区 〃 し し むむ る る ひ ひ ろ ろ し た も 主上倣 ひ ぶ 隈h〃 〃 利〃 光谷 ま こ ばの き ん し ゃ し む よく る っひぎし ろ も も

池 池池池

徳 実大域

たきももも し ,\ 、\ ぶかじ ひ やろ じ が し し に や さ かあくくし お 池

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(3)

鮨11巻 通巻窮29替(1959) 第4表 無 機 物 含 盈 213

草 名 =旨機物l灰 分IP206】K201CaO

ひ く し ろ も ま つ も こばのひ るむ しろ ひ し ま つ も

か が ぶ だ

き ん ぎ ょ も く ろ も お に ひ・ し 堵4表より供試水草の鮒薫物は仙区魔のマツモ2220%で虫高を示し紘隈池のマツモは7け71%で最低である.その 他は何れも10%台を示しておる・りん酸は0.04■−0.40%の範囲で概して少なく1%を超えるものはなかった.加里ほ 0.12一一348%と含有盈が水草の種類に・依って著しく異なるn石灰は114−2.39%で大部分2%前後の相近似した値を 示し■ているい 以上の諸成分の中窒素,りん酸,加腰の含盈を緑肥である紫雲英,菅刈大豆等のそれに比較すれば大略りん酸はゃ や少ないが窒素,加里笹ついてはむしろ含有盈が多い傾向を示している. Ⅳ 考 察 以上得られた結果について蔦干の考察を加えるならば,まずNに関してほわれわれの一人玉置(6)が替川県下の溜池 池泥について調査した縫果T−Nはつ1136−〇・929%平和1333%であることと比較してこれらの水草中にほかなり多 最のNが含まれている・・したがってこれらの水草が枯死して分解をうけその大部分が池泥の組成となるものとすれば 分解にあたり,溜池r二llの微生物の敦盛動こ利用される部分もあることと考えられるが水草体中のNの少なからぬ部分 は倉沢(2)が防火用水池の新生沈でん物で指摘しているように分解過健の進行とともに池水中に溶出し去ることが考え られる.またP206盈は供試水草中にほ多く含まれておらぬが,K20含盈ほ種類に.より大差が認められ,同一囁類 でもこれが生育する沼地に・よって新地,上他のヒシ,大池,佼隈他のマツモのように差異が甚しいい これほこれらの 水草の生育時期の差異に・基くこともあろうが,また脊川県下の沼地池水の組成(1)が加鬼に.関して差異が大きいことよ り池水の加里含盈が水草体中の加重故に・およぼす影響が著しいことに起因することも考えられる.この点に.関してほ 今後研究をつづけていく予憩である.またこれらの結果より前述のように水草の成分含鹿ほ肥料的にみて紫雲英,菅 刈大豆等の緑肥に劣らぬものが認められ加重含蕊は緑肥以上のものもあるのでその生産量が確保できるならば緑肥と してこれを利用することも可鰭であるように考えられる‖ Ⅴ 摘 要 香川県下12溜独特生育する水草10種19点笹ついて有機物,灰分,N,P205,K20,CaOを定盈してつぎの鰭果を 得た. 1い 水草の組成は調査試料の範囲内で有機物プア80−8997%,灰分10.0・3−22∩20%,T−Nlい77−3、41%(NO8 −N Oい01−0.78%),P205 0.04−0.40%。.K20 0.12−348%,CaOl.14−2.39%である. 2.調査水草ヰlには紫雲英,竃刈大豆に第らぬ成分藍をもつものがある・ Yt 引 用 文 献 (1)有川県立農業書敵場,香川県経済誹農業改良課:研 (3)京都大学農学部農芸化学教室編:農芸化学実験諾1 究戯凝摘膵;,㈲,(1953)∴二香川現題業改良課印 筑1巻,P237,243,244(.1957)‖ 蕗業図譜 刷物約55替〕 (4)滋賀県立農事試験場:琵琶湖沿岸濫.おける水藻の利 (2)倉沢秀夫‥陸水学雑誌,19,102(1957〕 用とその肥効(1939)..

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(4)

香川大学遊学溺学術或告

214

(5)塩入級≡郎,三井進午‥土肥,9,261(1935) (7)山口久直‥陸水学雑誌,17,81(1955). (6)玉置腐撃,星川玄児:承認,5,186(1953)。

Rるs u m昌

We determinedthe organic matter,aSh,Nr P205,K20,and CaO,Of aquatic plantsgrowninreservoirs

inKagawaprefectureand obtainedthe following results:Organic matter content 77..8つ 89h97%,aSh lO.03−22.20%,tOtalnitrogenl.77 3.41%(nitratenitrogen OOIT0.78%),P2060.040.40%トK20 0.12

−3い48%aェ1d CaOl〃14−2.39%〟

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