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ニューラルネットワークに基づく電力系統の過渡安定度推定

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Academic year: 2021

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(1)

愛知工業大学研究報告

第36号 B 平成 13年 1

ニューラルネットワークに基づく電力系統の過護安定度推定

Estimation of Power System T

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Neural Network

山 田 浩

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後 藤 泰 之

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一 柳 勝 宏

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Hiroshi Ya

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Kazuto Yukita

Yasuyuki Goto

Katsuhiro Ichiyanagi

田 端 康 人

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小 川 重 明

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Yasuhito Tabata,

Shigeaki Ogawa

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1.まえがき 近年,電力系統は大規模,複雑化し,大容量発電所は負 荷中心点から遠方になり,送電線は長距離化している。こ のような状況下では,故障様相によっては脱調を引き起こ し,さらに大規模な停電事故にまで波及することが懸念さ れる。このような系統崩壊を招かないためには,事故時に おける電源制限(1)ω,負荷遮断といった適切な安定化対策 が必要である。このため,想定される故障に対する正確な 安定度を高速に推定することが求められている。しかし, 過控安定度の計算は刻み時間ごとに連立微分方程式を解 く必要があり,膨大な計算時聞を要するので,実際の運用 においては問題となる。従って,オンラインでの計算を考 慮する場合などのように高速な演算が要求される時には, ニューラルネットワークを利用する方法が有効であると 考えられる。ニューラルネットワークによる方法は,現在 までに様々な検討がなされている。入力情報として発電機 の出力や角加速度などを用いると,大規模系統ではニュー ラルネットワークのユニット数が多くなり,学習が困難に なることが懸念されるω(心。そこで,本研究では故障除去 時のリアプノフ関数の値に着目し,これを入力情報とする 過渡安定度推定システムを提案する。串型状やループ状で 構成されている電気学会標準モデル系統を対象として,過 渡安定度推定のシミュレーションを実施した結果,比較的 愛知工業大学大学院電気電子工学専攻(豊田市〉 什 愛知工業大学電気工学科(豊田市〉

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中部電力(名古屋市) 良好な推定結果が得られた。また,過渡安定度推定により 得られた結果から電源制限を実施する場合を想定し,負荷 脱落事故時における電源制限のシミュレーションを実施 した。その結果,適切な解列発電機を選択することにより 安定度向上効果が得られることを確認した。

2

.

事事選電力来観の聾定度鏑域

2

1

系統轄約とりアプノフ関重量 電力系統事故時における安定判別にリアプノフの安定 理論を適用する場合, リアプノフ関数 Vとその安定限界 日lBXを求める際に,安定平衡点や不安定平衡点の値を算 出する必要がある。多機系統の場合には電力潮流の収束不 良現象や多根問題などのため,安定平衡点や不安定平衡点 の値を一意的に算出することは困難と考えられる(5)(6)。一 方,多機系統を1機無限大母線系統に締約することにより, 安定平衡点や不安定平衡点が容易に算出でき,リアプノフ 関数 Vや安定限界九四を簡単に得られることになる。そ こで本研究では,多機系統を1横無限大母線系統に縮約し て取り扱う。多機系統の全発電機について,各発電機動揺 を位相中心の考え方で表すと,リアプノフ関数は次式で表 される(7)(ω(9)。

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(2)

O:発電機位相,

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発電機角速度P M:発電機の慣性定数 Oo:安定平衡点 ここで,運動エネルギー日および位置エネルギーちをそ れぞれ次式で表す。 Fぺ=竺二 作 2

円=古川血

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:2 モデル莱離における費寵麗領職 2

2• 1 I臨

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韓議韓における費電車舗犠 図 1に,検討の対象とした IEEJWEST10機系統を示 す。この系統は東西に長く伸びた,いわゆる串型系統で構 成されており,送電線はすべて2回線で構成されている。 なお,同図における発電機 G10は無限大母線(基準母線) としている。表1および表 2に,潮流計算に用いた各発電 機の出力,各負荷の値をそれぞれ示す。 21' 図 1 モデル系統(IEEJWEST1 0機系統) 図1における Fl地点での故障を想定し,故障発生後の 各発電機の位相動揺曲線を求め,図2および図3に示す。 図2は故障除去後において系統が安定な場合,図3は不安 定な場合の例である。いずれの故障についてもGlOの発 電機位相の変動はほとんどなく,安定を維持している。し かし,その他の発電機においては故障発生と同時に位相は 表 1 各発電機の出力(IEEJWEST10機系統) 発電機 出力[p.u.] 発電機 出力[p.u.] Gl 13.5 G6 9.0 G2 9.0 G7 9.0 G3 9.0 G8 4.5 G4 9.0 G9 9.0 G5 9.0 GlO

1.0001¥日A

ベース

表 2 各負荷の大きさ(IEEJWEST10機系統〉 (2) 負荷 p [p.u.] Q [p.u.] 負荷 p [p.u.] Q [p.u.] Ll 12.0 2.438 L12 5.5 1.466 L2 3.5 0.0 L13 5.5 1.439 L3 3.5

L14 5.5 1.434 L4 3.5

L15 5.5 1.437 L5 3.5

L16 5.5 1.444 L6 3.5

L17 5.5 1.463 L7 5.25 0.0 L18 2.75 0.823 L8 3.5

L19 5.5 1.483 L9 28.3 4.76 (3) 1,000MVA

ベース

増大し,故障除去後も動揺するか,もしくは脱調に至って いる。本研究では,リアプノフ関数を導出する際において, 多機系統を 1横無限大母線系統に縮約して取り扱ってい る。安定な発電機を基準母線に相当するGl

O

とし,残り すべての発電機を不安定な発電機群として系統縮約を行 っている。 180 一 一 一 一 呈 電 機 1 一 一 圏 一 発 電 撞 6 ー ベ コ ー 尭 電 瞳 2 一一φ一 発 電 櫨 7 --<>一発電極3一一会一一量電櫨 8 - ー 企 一 発 竃 脅 4 一一曹一一尭電議 9 - 0 一 晃 童 謡 6 ー → ← 一 尭 電 議 10 150 n u n u n u n 4 n u c 口 。 } 句 嬰 胡 鎖 倒 戦

10 図2 安定な場合の位相動揺曲線 (故障点:図 1における Fl.故障継続時間:80ms) 360 300 。 ';;;' 240 120~ x 60

5 ー一一一一尭電視 1 ーー瞳トー尭電議 6 - 0 - 一 発 電 撞 2--+-一発電機7 -ー-<)-一発電極3-一嘘r一発電主題8 一 一 企 ー 尭 電 機4ー 母 一 発 電 櫨9 - 0 - 一 発 電 器 5 一一歩←ー尭電極 10 無限大骨組(基準母紛 15 _ __ _ _ 20 時間 [s] 10 図3 不安定な場合の位相動揺曲線 (故障点:図 1におけるFl.故障継続時間:120ms)

(3)

ニューラルネットワークに基づく電力系統の過渡安定度推定 図

1

において,ある負荷状態における

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地点での

1

回 線3相永久地絡故障を想定した。故障除去と同時に,その 時点で系統の安定判別を可能にすることを目的として,故 障送電線除去時刻らvにおけるリアプノフ関数日,ちの 値下生swおよびちswを算出した。ここで,系の不安定平衝 点QUにおけるリアプノフ関数の値を民間とし,正規化し たリアプノフ関数の値品swおよびEpswを次式より算出し fこ。 Eι=

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max E = Vp竺 psw T 7 mox 図1における

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地点での故障を想定しp 全系統の総負 荷 120p.u.(1,000MVAベース)を基準として,軽負荷(70%) から重負荷(115%)の間で変化させた。また,各々の負荷状 態に対して,故障継続時聞を不安定脱調となるまで 20ms 刻みで変化させた場合のリアプノフ関数の値品sw,Epsw を算出した。その結果を図 4に示す。同図において,故障 除去後の系統が安定な場合をO印,不安定な場合を鯵印で 示す。ここで,系統縮約前の 10機系統における過護安定 度シミュレーションを実施し,各発電機の位相動揺曲線の 収束状況から安定および、不安定の判別を行っている。すべ ての発電機が平衡点に収束する場合を安定, 1機でも脱調 に至る場合を不安定と判別した。 図 4から,故障送電線を一定とした場合,ある負荷状態 において,故障継続時間が長くなるに伴って運動エネルギ 一 品$ Wの値が大きくなり,不安定に至る領向が見られる。 また,軽負荷から重負荷になるに伴って,位置エネルギー Epswの値が大きくなり,不安定に至る傾向が見られる。以 上のことから,故障送電線が一定の場合,一定の安定度領 域がEkswおよびEpswlこより与えられると言える。 故障点を図 1における白地点およびF3地点と想定し, 同様の過渡安定度シミュレーションを実施した結果を図 5および図 6に示す。リアプノフ関数Eksw. Epswの値によ 1.5

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寺 長 荷 量 軽 2 9 6 2 i n u n U Ed│ 砕 ﹂ ﹃ d T H 額 欄 0.3 重 負 荷

0.10 0.15.-0.20 位置エネルギーE""w 図 4 過渡安定度シミュレーション結果 (故障点:図 lにおける

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3 1.5 一一定定一 安 一 ↑安不一 一 O @ 一 A E司 412

0.9 議 関0.6 長時間 0.3

0.10 0.15 0.20 位置エネルギーEp 3 W (4) (5) 図 5 過渡安定度シミュレーション結果 (故障点:図 1における F2) 1.5 軽 負 荷 .... 一日目ーー @ @ @ @ @ 時 間 @

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0.3

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重 負 荷 ③ ② o lIi 図6 過渡安定度シミュレーション結果 (故障点:図 1におけるF3) り与えられる安定度領域は,想定した故障点が Fl. F2. b 地点の順で大きくなっていることがわかる。これらの 結果からも,種々の負荷状態や故障継続時間に対して,一 定の安定度領域が品S WおよびEpswにより与えられると 言える。 : 2 . 2 • 2 I EEJ EASTl自韓系離における安定慶鏑韓 国7に,検討の対象としたIEEJEAST10機系統を示す。 この系統はループ系統が主体となっており,送電線はすべ て 2 回線で構成されている。なお,同図における発電機 G1は無限大母線(基準母線)としている。表3および表4 に,潮流計算に用いた各発電機の出力,各負荷の値をそれ ぞれ示す。 図 7における

F

l

地点で、の 1回線 3相永久地絡故障を想 定し,前節と同様の方法で,系統縮約前の 10機系統にお ける過渡安定度シミュレーションを実施した。さらに,安 定な発電機を基準母線に相当するGlとし,残りすべての 発電機を不安定な発電機群として系統縮約を行い,故障送 電線除去時刻 tswにおけるリアプノフ関数の Eksw(運動エ ネルギー)およびEpsw(位置エネルギー)を算出した。 故障点を図7における Fl地点と想定し,全系統の総負荷 80p.u.(1,000MVAベース)を基準として,軽負荷(60%)から 重負荷(85%)の聞でも変化させた。また,各々の負荷状態、に

(4)

が大きくなる傾向が見られる。以上のことから,故障送電 線が一定の場合,一定の安定度領域がEkswおよび

ιw

に より与えられると言える。 故障点を図7における F2地点および民地点と想定し, 同様の安定度シミュレーションを実施した結果を図 9お よび図10に示す。これらの結果からも,種々の負荷状態 や故障継続時間に対して,一定の安定度領域が Ekswおよ びEpswにより与えられると言える。

区冨

重 負 荷 長 時 間

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H 繭 捌 6~ 36 37 20 8 モデル系統(IEEJEAST10機系統〕 図7 4 2 各発電機の出力(IEEJEAST10機系統) ~4~ .~ 0.5 0.6 位置エネルギーEp_ 過渡安定度シミュレーション結果 (故障点:図7におけるFl) 図8

発電機 出力[p.u.l 発電機 出力[p.u.l 01

G6 9.0 G2 11.0 G7 9.0 G3 5.632 G8 4.5 G4 9.0 G9 9.0 G5 9.0 010

表3

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重 負 荷 0.4 0.5 ... -0.6 位置エネルギーEp_ 過渡安定度シミュレーション結果 (故障点:図 7における F2) 軽 負 荷 図9 @ 長 宅 問

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lJl < D ぺ o 111 .. 故 障 継 続 Q 0 ベ- @ 時 間 OCL L b @ ¥ @ も 0_ 0 ¥ 111 O

仁l.. ( ) 匂 ハ 111) 円 @ 短 時 間 n u o o 唱 i

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各負荷の大きさ (IEEJEAST10機系統〉 負荷 p [p.u.] Q [p.u.] 負荷 P [p.u.l Q [p.u.] Ll 5.0 -l.200 L7 5.0 ~~A99J L2 10.0 -2.416 L8 5.0 -2.480I L3 10.0 -2.671 L9 5.0 -2.532 L4 10.0 -2.593 L10 4.0 1.368 L5 10.0 -2.378 Lll 5.5 l.413 L6 5.0 ー1.260 L12 5.5 l.050 表4

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短 時 間 )00 0 ︿ ) O @ 仁 ︺ 00 @ ﹀ O E 。 ( コ a w C ︺ 00( @ ﹀ O 仁

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時 H 爾 附 8 4 6 2 δ;互 0.5 0.6 位置エネルギーEp_ 図10 過渡安定度シミュレーション結果 (故障点:図7における Fs) 江I

対して,故障継続時聞を不安定脱調となるまで20ms刻み で変化させた場合のリアプノフ関数の品sw,品'swを求め た。その結果を図8に示す。同図において,故障除去後の 系統が安定な場合を

O

印,不安定な場合を@印で示す。系 統縮約をせず, 10機系統における過捜安定度シミュレー ションを実施し,各発電機の位相動揺曲線の収束状況によ り安定および不安定の判別を行っている。 図8から,故障送電線を一定とした場合,ある負荷状態 において故障継続時間が長いほど運動エネルギー品S Wの 値が大きくなり,不安定に至る傾向が見られる。また,軽 負荷から重負荷になるに伴って,位置エネルギーf込町の値 1,000MVA

ベース

(5)

ニューラルネットワークに基づく電力系統の過渡安定度推定

3

.

霊童襲安定星電推定のシミュレーション : 3 . 1 遇襲撃量寵農薬量寵システム 前章の安定度シミュレーション結果によれば,個々の故 障送電線に対して一定の安定度領域が故障除去時のリア プノフ関数の Eksw,Epswで与えられることから,安定度 推定システムを図 11のように構築した。この推定システ ムは,中間層を 1層とした 3層階層型ニューラルネットワ ークで構築されている。入力層は故障送電線が除去された 時点におけるリアプノフ関数の値品SW~ Epswとし,想定 される様々な故障線路に対して適用できる推定システム とするため故障点情報 Fl~FN の計 N ユニットを追加した。 出力層は安定度の推定値(安定:O.不安定:1)を対応させ た。ここで故障点情報は,故障ありの場合を1,故障なし の場合を 1 として対応させ,想定した故障点 Fl~FN のう ち,必ず1ヶ所で-故障発生するという場合を想定した。 前 工

[

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ksw 室子

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w数、 r -日 紋降点情報

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1 F2

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λ力躍 中間層 図 11 過渡安定度推定システム

3

• 2

過震安定瞳推定の異体調

3

• 2

• 1 I

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日韓塁悪意棄における費建藍撞建 串型状で構成された系統における具体例として,図1に 示す

I

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機系統を対象として過渡安定度推定 のシミュレーションを実施した。予め想定した故障送電線 に対して過渡安定度シミュレーションを実施し,得られた 結果を教師データとしてニューラルネットワークの学習 を行った。学習方法として逆誤差伝播法(BP法 :Back Propagation Method)を用いた(10)(11)。なお,教師データは 安定の場合を

O

.

不安定の場合を

1

に対応させている。 具体的な方法として,故障点を図 1 における Fl~日地 点(N=3) のうちいずれか 1 ヶ所と想定し,図 4~ 図 6 にお ける故障除去時のリアプノフ関数の品SW~ ιsw に対する 安定,不安定の関係を,安定の場合を

O

.

不安定の場合を lとして図 11示す過渡安定度推定システムに学習させた。 学習誤差が1O.1~ 1O.2 となった時点で学習を終了した。 次に,学習を終えたニューラルネットワークを用いるこ とにより,故障除去時のリアプノフ関数の品"$W,Epswか

5

ら過捜安定度の推定が可能となる。そこで,学習に用いな かった系統状態における Eksw.

ι

'SWの値を用いて,故障 除去後における過渡安定度推定のシミュレーションを実 施した。その結果を図 12~ 図 14 に示す。同図の O 印およ び§印は,各発電機の位相動揺曲線の収束状況から判定し た安定,不安定状況をそれぞれ示し,同記号に隣接する( ) 内の数値は安定度推定値を示している。同数値は殆ど安定 =0.不安定=1に近い値で推定されているが,安定,不安 定の境界付近において,予め実施した過渡安定度シミュレ 1.0

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0.6 議 閥0.4 0.2

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) o m h u 窃 h u @ ⑧ E E E ﹁ ' ' Z S E t E E S L 5 2 9 6 唱 i 胃 A n u n u t d │ 砕 ﹂ ﹃ 品 川 H 議 関 0.3 ( )内数値は安定度推定値を示す 教師値は安定ニ O 不安定 ~lとする 推定値は安定く0.5.不安定主0.5とする 推定値と教締植が一致しない例を下様 付きで示す

図 12 過渡安定度推定結果 (故障点:図 1における Fl) ( )内数値は安定度推定値在示す 教師僅は安定 ~O. 不安定ニ 1とする 堆定値は安定く0.5.不安定;'0.5とする 准定値と教師値が一致しない倒を下韓 付吉で示す ~ (1.00) @(1.00) ~(0.95) 0(0.18) 0(0.01) 0(0.00)

一 安 時 ニ

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日 @

一 O ヰ 一量 一 位 加 川 川 凶

M M

M

0.02 0.04 図 13 過渡安定度推定結果 (故障点:図 1における日) GI(1.00) ( )内数置は安定度推定値を示す 教師値は安定二 O.不安定ニ 1とする 推定値は安定く0.5不安定孟0.5とする 推定値と教師値が一致しない例在下線 付きで示す GI(1.00) @ω92) 1¥1(1.00)

(0.00)

(0.00) 0(0.00) 111(0.43) 一ーて 、 . (1.00) 0¥0.00)

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加) 。刷~~)__,怜:安引

ω00)ω品。叫也主主目 0.10 0.15 0.20 位置エネルギーEpsw

0.05 図 14 過渡安定度推定結果 (故障点:図1における F3)

(6)

ーションの結果では安定であったにもかかわらず,不安定 と推定してしまった例やその逆を示す系統状態が数ヶ所 見られた(図中の推定値にアンダーラインで示す)。 3.2.2 I睦

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1

0機霊長鱗における安定重量盤音量 jレープ状で構成された系統における具体例として9 図7 に示す

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E

JEAST10

機系統を対象として過渡安定度推 定のシミュレーションを実施した。串型系統の場合と同様 に,教師データを準備するために予め想定した故障送電線 に対して過渡安定度シミュレーションを実施した。ニュー ラルネットワークの学習方法として逆誤差伝播法を用い9 教師データは安定の場合を0,不安定の場合を 1とした。 故障点を図 7 における Fl~Fs 地点(N=3) のうちいずれか 1 ヶ所と想定し故障除去時のリアプノフ関数の値品$ W, 品S Wに対する安定,不安定の関係を,安定の場合を O.不 安定の場合を1として図 11に示す過渡安定度推定システ ムに学習させた。 次

l

こ,学習を終えたニューラルネットワークに対して学 習に用いなかった系統状態における品sw,品S Wの値を用 いることにより,故障除去後における過渡安定度推定を実 施した。その結果を図 15~ 図 17 に示す。同図の O 印およ び鯵印は,各発電機の位相動揺曲線の収束状況から判定し た安定,不安定状況をそれぞれ示し,同記号に隣接する( ) 10 ( )内数値は安定度推定値を示す 誼師値は安定二 O. 不安定 ~1とする 推定値は安定く0.5.不安定量0.5とする 推定値と教師値が 致しない例を下穏 {誌で示す 8 6 4 t ぱ│砕会 M T H 議関 tiiI (l.00) liI(l.00) @む 00) 0包

ω

11)(l.00) @む 00)

ω01)

ω 01) il!l (1.00) 0包必j 0(0.01) 0(0.01) I¥l (1.00)

)

E

0.4佃O的 0.5 0.6 位置エネルギーEpow 2

0.1 0.2 0.3 図15 過護安定度推定結果 (故障点:図7における Fl)

1

0

( )内数値は安定度推定値を示す 教師値目安定 ~O. 不安定 ~lとする 推定値は安定<0.5不安定孟0.5とする 推定値と教師値が一致しない倒を下銀 付きで手す o o n h u

h h

d

-宝

H 商問 @l(1.00) " (

.

1.00) (0.77)

.

(1.00) oJ9"0).)

.

(l.00) O~(?~O:!, -@(0.56) 0(0 01) -0 '(O~ÖÍ) 。引0.01) U(O.OI)

区立

4

持~l)

2

0.1 02 0.3 0 .4 0.5 0.6 位置エネルギー E戸W 図16 過渡安定度推定結果 (故障点:国

7

における

F

z

)

10 ( )内数値は安定度推定値を示す 教師値は安定 ~O. 不安定 ~1とする 推定値は安定く0.5.不安定孟0.5とする 推定植と教師値が一致しない倒を下韓 (1きで示す

。 。

ρ 日 凋 笠

i h

H 議関 ~ (l.00) ⑧(1.00) 1!!(l.00) 曲(1.00) 0(0.01)

.

(l.00)

(0.01) 母(1.00) 0(0.01) 0 (0.00) 0(0.01) oω01) 2 @i!(1.0旧) @紅.00)

EE

0:1----0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 位置エネルギーEpsw

図17 過渡安定度推定結果 (故障点:図7における Fs) 内の数値は安定度推定値を示している。同数値は殆ど安定 =0.不安定=1に近い値で推定されているが,安定,不安 定の境界付近において,予め実施した過控安定度シミュレ ーションの結果と安定度推定値が一致しない系統状態が 数ヶ所見られた(図中の推定値にアンダーラインで示す)。

4

。負諦臨藩を額寵した電量車種事j離のシミュレーシ謡ン 検討の対象とした

IEEJWEST10

機系統を図

1

8

に示す。 同図における発電機G10は,無限大母線(基準母線)に相当 する発電機としている。連系線に接続された負荷が事故に より永久脱落したという想定で,電源制限のシミュレーシ ョンを実施した(図

1

8

中の×印で示す〉。例として,系統 中央部におけるノード6に接続された負荷 L6が永久脱落 した場合に,国 19に示すタイムシーケンスに従って発電 21 30 図

1

8

電源制限を想定したモデル系統

(

I

E

E

J

WEST10

機系統〉 事故発生 語障除去 負 荷 脱 落 電量軍樹穏対象 発 電 後 遼 断

Tf= 70ms ,Trip= 200ms 図 19 電源制限のタイムシーケンス

(7)

ニューラルネットワークに基づく電力系統の過渡安定度推定

7

機 G2~G9 のうち 1 機を解列した。電源制限実施後にお 0.6 ける各発電機の位相動揺曲線の一例を図 20~ 図 22 に示す。 図20は負荷脱落事故発生後,電源制限を実施しなかった 場合の位相動揺曲線であり,無限大母線に相当する発電機 とした G10を除くすべての発電機が脱調に至っている。 図21は,事故発生後G7を解列した場合である。 G7を除 くすべての発電機が平衡点に収束しており,電源制限の効 果が確認できたと言える。また図 22は,事故発生後 G8 を解列した場合で、ある。この場合, G10を除くすべての発 360 ーーー一一発電極 t 一一盛一ー発電誼 6 - ( コ 一 発 電 極 2 一 一 。 一 発 電 議 7 ー や 一 発 電 機 3 一 世 一 発 電 機 8 一 企 一 発 電 極 4 ー @ 一 発 電 極 9 一一0ーー発電器 5 一一同一一発電機 10 300

?

;

;

240 韓 胡180 懇

120 60 10 n u J Z 2 1 母 一 A U 4 準 一 L む ほ 一 関 輔 一 蒋 献 ﹂ 3 葉 中 ]

5 図20 L6負荷脱落時における位相動揺曲線 (電源制限なし〉 180 150 ';;' 120 思 羽 田 暴 露

60 30

6一無限大母線(基準母l~) 15 . __,_ 20 時間[51 5 10 図21 L6負荷脱落時における位相動揺曲線 (安定な場合:G7解列〉 360 一一一ー一発電掻 1 一一圏一一発電歯 6 - → コ 一 発 電 諮 2 一一φ一 発 電 謡 7 -一-<>-一発電溜 3 一一重「ー尭電櫨 8 一一合一一莞童謡 4 一一@一一発電認 9 一一0一一発電話 5ー~一一発電設 10 300 n u n u n U 4 8 2 0 4 τ i 司 1 0 } 句 嬰 胡 錯 騨 総 60 10 nu )EO 白 油 相 E 母 E J 司 瞳 E i u 基 調 町 一 一 時 監 5 無 四 ]

5 図22 L6負荷脱落時における位相動揺曲線 (不安定な場合:G8解列)

0.5

_

g

0.4 aも 世話0.3

2

0.1 総 題 。 跡0.1

.~

0.5 1.0 2.0

.2 等額発電機位相ψ[r"d] 図 23 L6負荷脱落時における等価位相面軌跡 (安定な場合:G7解列) 0.6

0.5

_

g

0.4 ーも 制0.3

21

-露

1 銀 題 。 事~・0.1 .0.2 1.5 2.0 0.5 1.0 等箇発電機位相ψ[""d] 図 24 L6負荷脱落時における等価位相面軌跡 (不安定な場合:G8解列〉 電機が脱調するに至っている。これは電源制限の効果がな かった場合の例である。このように事故発生後において, L、ずれの発電機を解列するかによって電源制限効果があ る場合とない場合が見られるため,解列発電機の選択が重 要となる。また,等価位相面軌跡から見た結果を図 23お よび図 24に示す。 L6 負荷脱落時において,解列する発電機を G2~G9 と 変化させた場合の電源、制限効果の有無を表 5iL6脱落」 の禰にまとめた。無限大母線G10から比較的遠方に設置 された発電機 G2~G7 を解列した場合,いずれも電源制限 効果が確認された。逆に無限大母線から比較的近い発電機 G8, G9を解列した場合,電源制限効果は見られず, GlO を除くすべての発電機が脱調するに至った。脱落負荷を L2, L8と想定し,同様のシミュレーションを実施した結 果を表5にあわせて示す。 L8負荷脱落時においては,い ずれの発電機を解列した場合も電源制限効果が確認され たが.L2負荷脱落時においては,いずれの場合も電源制 限効果は見られなかった。以上の結果より,想定した系統 条件においては,無限大母線に比較的近い負荷が脱落した 場合には解列発電機を選択することによって電源制限効 果が得られるが3無限大母線から遠方の負荷が脱落した場 合には,いずれの発電機を解列しようとも電源制限効果を 得ることができないと言える。また解列発電機を選択する

(8)

場合,無限大母線から比較的遠方の発電機を解列した場合 文 離

において,電源制限効果が得られると言える。 (1)y'Ohura, et alブ'Developmentof generator tripping system for transient stab出tyaugmentation based 表 5 脱落負荷別の電源制限効果の比較 on the energy function method", IEEEτransactions 解列発電機 電源制限効果の有無 L2脱落 L6脱落 L8脱落 G2 ×

。 。

G3 ×

。 。

G4 ×

。 。

G5 ×

。 。

G6 ×

。 。

G7 ×

。 。

G8 × ×

G9 × ×

解列なし × ×

5

0

あとカfき 故障除去時におけるリアプノフ関数から導出した運動 エネルギー関数値品S Wおよび位置エネルギー関数値

ι

'$W と,故障点情報と入力情報とするニューラルネットワーク による過控安定度推定システムを適用することによって, 電力系統事故後の過渡安定度推定のシミュレーションを 実施した。 IEEJWEST10 機系統(串型状)ならびに EAST10機系統(ループ状)を対象として過渡安定度推定の シミュレーションを実施したところ,比較的良好な推定結 果が得られ,提案した推定システムは適用するモデル系統 によらず有効であることを確認した。 また,負荷脱落事故を想定して,一部の発電機を一時的 に解列する電源制限の計算機シミュレーションを実施し た。 IEEJWEST10機系統を対象に検討した結果,無限大 母線に比較的近い負荷が脱落した場合においては,適切な 解列発電機を選択することによって電源制限効果が得ら れることを確認した。

今後の課題として, IEEJ WEST30機ならびに EAST30 機を対象として過渡安定度推定システムを適用するとと もに,電源制限を想定した最適解列発電機推定システムの 開発を目指すこととする。 on Power Delivery, Vol.PWRD-1, No.3, July 1986 (2)大浦,鈴木,柳橋,佐藤,津久井,松島,小俣:

I

電 源系統の事故波及防止システムの方式と構成j,電学 論B. 112, 593~60 1. 1992-7 (3) Dejan J.Sobajic, et al. :"Artificial neural-n巴tbased

dynamic s巴curity assessm巴nt for electric power

systems", IEEEτrans目 OnPower System, Vo1.4,

No.l, pp.220・228,1989.

(4) Qin Zhou, et al.:"Application of artificial neural networks in power system security and vulnerability assessment", IEEE Trans. On Power System, Vo1.9, No.1

pp.525-531

1994.

(5) 岡本:

I

電力潮流解の重根状態と定態安定度実測結果 の考察j. 電学論 B,101.727~734. 1981-12 (6)東,宮城,谷口:

I

多機電力系統のリアプノフ関数構

成J,電学論 B,102, 589~596, 1982-9

(7)Y.Xue, et al.:"A simpl巴 clirect method for fast

transient stability assessment of large power systems", IEEE Trans. Power System, p400・412,

Vo1.3, No.2, 1988守

(8)Y.Xue, et al. :"Dynamic extended equal area criterion, part 1 basic formulation", Athens Power Tech, September 1993. (9) 関根泰次:

I

電力系統解析理論j,電気書院. 1971 (10)馬場則夫,小島史男,小津誠一:

I

ニューラルネット の基礎と応用 j,共立出版. 1994-9 (11)中野馨,飯沼一之,ニューロネットグループ,桐谷滋: 「入門と実習,ニューロコンビュータj,技術評論社9 1889-9

(受理平成

1

3

3

月四日)

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