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輸出先国の残留農薬基準値の調査方法 と結果及び今後の留意点 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所金谷茶業研究拠点 石川浩一 1

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全文

(1)

輸出先国の残留農薬基準値の調査方法

と結果及び今後の留意点

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点 石川浩一

(2)

農林水産物・食品の品目別輸出戦略

品 目 2012年 2020年まで 水産物 1,700億円 → 3,500億円 加工食品 1,300億円 → 5,000億円 コメ・コメ加工品 130億円 → 600億円 林産物 120億円 → 250億円 花き 80億円 → 150億円 青果物 80億円 → 250億円 牛肉 50億円 → 250億円

(3)

ポジティブリスト制度とは

原則規制(禁止)された状態で、残留する可能性のあ る全成分をリスト化して残留基準値を設定する制度。 基準値が未設定の物質には一律基準値(0.01ppm) が適用される。 参考) ネガティブリスト制度:原則規制がない状態で、残留 を規制する成分だけをリスト化する制度。 基準値が未設定の物質は残留程度にかかわらず規 制の対象外とされる。

(4)

農薬残留基準値とは

食品衛生法第7条に基づく食品の規格基準で農産物 中に残留する農薬の最大上限を設定。農産物1kgに 残留する量(mg) で表示。 残留農薬基準値は、薬事・食品衛生審議会が、 ・農薬成分ごとの体重1kg当たりの1日摂取許容量 (ADI:acceptable daily intake)

・1日当たりに摂取する農産物量 をもとに設定。

(5)

残留基準値の設定法

毒性試験により、無毒性量(mg/kg/日)を設定 無毒性量に不確実係数(通常1/100)を乗じて人体に 影響のない量(ADI)を決定 ADIに平均体重を乗じた値が摂取許容量 残留試験による各作物での最大残留量から暫定基 準値を設定 フードファクターをもとに、平均的な各作物摂食量から 農薬推定摂取量を算出 算出値が摂取許容量に0.8を乗じた値以内であれば 残留基準値として設定

(6)

残留基準値がなぜ国によって異なるのか

使用している農薬の種類が異なる

栽培のない作物には残留基準値が未設定

食文化の違いからADIの作物への配分比が

異なる

(7)

輸出想定国の残留農薬基準値の調査

平成25年度において、 農林水産省消費・安全局植物防疫課の事業として調 査研究を実施 事 業 名:農産物輸出促進のための新たな防除体系 の確立に必要な輸出相手国の残留農薬基 準値の調査 担当機関:(独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所・野菜茶業研究所 対象作物:リンゴ、カンキツ、ナシ、茶 結果については、下記サイトで公表 http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/g_zanryuu/ kijyunti.html

(8)

調査実施作物及び輸出重点国

青果物 (リンゴ、 カンキツ、 ナシ) 新興市場 シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシア 、マレーシア、カナダ、米国、EU、ロシア、中 東(EAU、カタール、サウジアラビア、バーレ ーン、オマーン 安定市場 台湾、香港 茶 新興市場 EU、ロシア 安定市場 米国、台湾、香港、シンガポール

(9)

調査農薬の選定

一つの作物に登録されている農薬数は多数。しかし、使用 頻度の高い農薬は比較的限定される。 品 目 登録農薬成分数 殺虫剤 殺菌剤 リンゴ 約90 約50 カンキツ 約80 約50 ナシ 約80 約50 茶 約90 約30 製剤の形態、有効成分含量等の違いに より、農薬種数は膨大になる

(10)

防除暦を調査した自治体

リンゴ 青森県、秋田県、岩手県、福島県、 長野県 カンキツ 静岡県、和歌山県、愛媛県、福岡県、 熊本県、 ナシ 福島県、茨城県、長野県、鳥取県、 福岡県、熊本県 茶 埼玉県、静岡県、愛知県、三重県、 京都府、福岡県、鹿児島県 産地の防除暦から使用頻度の高い農薬を選定

(11)

使用農薬のリスト化

品 目 リスト化農薬数 殺虫剤 殺菌剤 リンゴ 63 53 カンキツ(みかん) 17 18 カンキツ(みかん以外) 42 18 ナシ 60 45 茶 112 38 茶においては、殺虫剤としてマシン油、生物農薬、 殺菌剤として銅剤を含む

(12)

使用農薬のリスト化

調査項目 有効成分名及び含量 農薬系統名(種類) 対象病害虫 使用希釈倍数 使用回数 収穫前日数

(13)

残留農薬基準値のリスト化

検索サイト FAS

http://www.mrldatabase.com/ Foreign Agriculdtural Service

437作物、352成分、66ヵ国を対象として調査可能 CODEX http://www.codexalimentarius.net/pestres/data/pesticid es/index.html 186成分について国際基準(Codex MRL)の調査可能 EU http://ec.europa.eu/sanco_pesticides/public/?event= homepage EU基準値の調査可能

(14)
(15)

農薬成分名を選択

(16)
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(18)
(19)
(20)
(21)
(22)

残留農薬基準値のリスト化

他の検索サイト 米国 http://www.ecfr.gov/cgi-bin/text-idx?SID=3008b9fbdbcf07fd098faca25362e0a1&node=pt40.24. 180&rgn=div5 台湾 http://law.moj.gov.tw/Eng/LawClass/LawAll.aspx?PCode=L0040083 香港 http://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fstr/whatsnew_fstr_21_Pesticide.html シンガポール http://www.ava.gov.sg/Legislation/ListOfLegislation/ 上記サイトからSale of Food Acts → Food Regulationsを選択、

PDFファイルのP94-112を参照

(23)
(24)

諸外国のMRL利用にあたっての留意点(1)

表中の「-」は、一律基準(0.01ppm)適用、または不 検出を指す 「不検出」とは、検出限界値未満を意味する 「0.05*」のアスタリスクは、この値が暫定基準値で あることを意味し、検出限界値を適用している場合 が多い 「許容値設定除外」とは、 ・ポジティブリスト制度の対象外物質(特定農薬等 全65物質)で、ある程度残留しても健康を損なう 恐れのないことが明らかなため除外。また、特定 農薬のうち、天敵、微生物は対象外物質でもない

(25)

諸外国のMRL利用にあたっての留意点(2)

残留農薬基準値は、不定期に更新される

・リンゴ、カンキツ及びナシは、平成25年

11月6日時点での基準値

・茶は、平成25年12月31日時点での基

準値

定期的に最新の基準値を把握することが必要

(26)

残留基準値調査後の変更事例

成分 作物 MRL 備考 日本 ビフェントリン 茶 25 → 30 H26.4.24 ブプロフェジン 茶 25 → 30 H26.8.8 エトキサゾール 茶 10 → 15 H26.10.3 シアントラニリプロール みかん 0.1 リンゴ 0.5 日本なし 西洋なし 1 2 茶 30 フェンピロキシメート 茶 10 → 40 台湾 チアクロプリド 茶 - → 0.1* H26.6

(27)

諸外国のMRL利用にあたっての留意点(3)

検出限界値、定量限界値は国によって、

また分析機関によって異なる

自主検査等にあたっては、輸出先を定めて

相手国に対応した分析を実施することが必

(28)

自主検査における注意点

A社定量限界値 0.02 0.02 0.01 0.02 0.02 0.01 試料(a) 0.07 0.03 ND 0.04 0.05 0.03 試料(b) 0.1 0.3 0.05 0.07 0.08 0.06 B社定量限界値 0.05 0.05 - 0.05 0.05 0.05 試料(a) 0.07 ND ND ND 0.05 ND 農薬成分 成分1 成分2 成分3 成分4 成分5 成分6 日本 MRLs 10 50 30 30 50 10 米国 MRLs - 70 40 - - - EU MRLs 0.1 0.7 50 10 0.05 0.02 台湾 MRLs 5 5 - 0.1 10 5 EUへ輸出の場合 A社分析 B社分析 試料(a) ×→× ○→× 試料(b) ×→× ×→× 台湾へ輸出の場合 A社分析 B社分析 試料(a) ○→○ ○→○ 試料(b) ×→× ○→×

(29)

諸外国のMRL利用にあたっての留意点(4)

輸出相手国の残留農薬基準値が日本と比

べて低い農薬成分が必ずしも使用困難な

わけではない。実際の残留濃度は基準値

よりもかなり低い。

農薬散布時期の検討等により、輸出相手国

の残留基準値に対応できる可能性がある。

(30)

0 0.04 0.08 0.12 0.16 0.2 0 10 20 30 40 50 検出 濃度 (p pm ) n=66

茶葉における農薬成分Aの減衰パターン

MRL 日本 10 CODEX 米国 EU 0.1 台湾 2

(31)

おわりに(防除体系の構築にあって)

海外における日本産農産物の評価は、「安全」であると ともに「高品質」である。そのような状況下において、使 用農薬数が制限される農薬残留基準値に対応した病 害虫防除体系を構築していくためには、 耐性菌、感受性低下個体群の出現の抑制 (IRAC、FRACの活用) 代替防除技術の開発 についての取り組みが不可欠であり、これまで以上に IPMの推進を図ることが重要 また、インポートトレランスによる使用農薬種の拡大を 期待

参照

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