凌雲の会/公明党議員団
合同行政視察報告
焼津市議会議長 松本修藏 様 凌雲の会会長 石田善秋 幹事長 渋谷英彦 石田江利子 松島和久 村松幸昌 鈴木功治 池谷和正 斎藤寛之 松本修藏 公明党議員団 川島 要 (報告者: 川島) 平成30年5月21日~23日にかけて、佐賀県唐津市、佐賀県武雄市 佐賀県鳥栖市に行政視察を行いましたので、その概要を報告いたします。 [期間] 平成30年5月21日(月)~23日(水) [参加者] 凌雲の会・・・石田善秋、渋谷英彦、石田江利子、松島和久 村松幸昌、鈴木功治、池谷和正、斎藤寛之、松本修藏 公明党議員団・・川島要 [視察場所と項目] 佐賀県唐津市: 唐津コスメティック構想 佐賀県武雄市: 武雄市図書館 佐賀県鳥栖市: 企業誘致戦略<佐賀県唐津市: 唐津コスメティック構想について> [市の概要] 唐津市は佐賀県の西北部に位置し、総面積は487.58㎢(全県比20.0%)。 美しく変化に富んだ自然と大陸との交流の歴史を背景に、農林水産業をはじめ とする産業や伝統的な地域文化が育ち、優れた観光地としても発展してきた。 明治22年4月に町制が施行され、唐津町、唐津村、満島村、鏡村、湊村等が それぞれ地方自治体として自治行政を行った。その後、近隣町村との合併を行い 昭和7年1月1日に市制が施行され、さらに唐津市と周辺6町2村が、平成の 大合併により人口13万4千人の新唐津市が誕生した。 (平成17年1月1日に8市町村、及び18年1月1日に1村が合併) [視察の目的] 唐津市では、市内を中心とする周辺エリアに化粧品関連企業を集積し、アジア 向け商品の製造・輸出拠点化をめざす「唐津コスメティック構想」を進めている。 産学官の連携組織、地場産業の強みを生かした新たな産業創出の取り組みから、 地域経済の活性化や雇用創出を目的とした事業展開を調査し参考とする。 [視察の概要] 「唐津コスメティック構想」は、世界最大規模の化粧品産業集積地であるフラ ンス中部・シャルトル市を中心としたコスメティックバレーの日本版を目指す 試みである。主導するのは、唐津市と地元の化粧品関連企業。産学官の連携組織 である一般社団法人「ジャパン・コスメティックセンター」(JCC)を推進母 体とし、佐賀県内外の関連194会社と14大学、県や周辺自治体など200団 体以上が加盟している。 同構想が生まれたきっかけは、2012年1月にフランスのコスメティック バレー協会名誉会長のアルバン・ミュラー氏が、急成長するアジア市場のビジネ スパートナーを探して唐津市を訪れたことであった。ミュラー氏は、唐津市が アジア市場に近い地理的条件や、化粧品の原料植物が豊富な自然環境であるこ とに着目。市内で化粧品の輸入代行・品質管理を手掛ける会社などと相談を重ね 構想が練り上がっていった。2013年11月にはJCCが設立され、活動が本 格化。海外の化粧品産業集積地と提携を進め、15年4月に一般社団法人へ移行 した。現在、コスメティックバレー協会を含む5カ国の企業などと協力連携協定 を締結し、新市場開拓、地域ブランドの構築、産業創出、産業集積の4分野で事 業展開している。昨年4月には、JCCの子会社として、地域商社「カラツスタ
イル」が誕生。商品の企画開発やJCC会員企業らの商品の売り込み、販路開拓 などに力を入れ、すでに韓国とシンガポールへの輸出が始まっている。 昨年開催された、全国の優れた美容健康商材が集まるコンテスト「ジャパンメ イド・ビューティーアワード」では、唐津産の商品3点が入賞した。洗顔石鹸や 健康飲料など、いずれもJCC会員企業が開発した商品であった。 「アジアでコスメビジネスをやるなら唐津で!と言われる街にしていきたい」 と唐津市のコスメティック産業推進室の担当者は語っている。 ―― 唐津コスメティック構想とは ―― 1. ビジョン 美容・健康・素材・交流の産業集積 国際的コスメティッククラスター実現を目指す 2. 唐津の強み ・アジア市場に近い地理的優位性 ・フランス・コスメティックバレーとの連携 ・化粧品の検査、製造、保税物流を行う企業群が存在 ・豊かな自然環境と農業技術による原料素材が豊富 3. 2013.11.11~唐津コスメティック構想が始動 ジャパン・コスメティックセンター(JCC)を設立 (代表理事・会長 アルバン・ロバート・ミュラー) 2015.4.1に一般社団法人へ移行 4. 国際取引 ・海外クラスターとの提携 ⇒ フランス、イタリア、スペイン 台湾、タイ ・商談会 2017年7月 海外バイヤー(タイ)による商談会 8月 台湾ビューティーバレーによる商談会 9月 海外バイヤー(シンガポール)による商談会 9月 台湾で対日ビジネスセミナー 10月 コスメティック360(パリ)に出展・商談会
5. 地域資源の活用 地産素材から化粧品原料サンプルを製造 サンプル数・・・120品目274サンプル 機能性評価・・・64品目126サンプル 6. 地域素材の供給 玄海町産トウキ・・・薬用植物 ⇒ 化粧品企業と栽培契約 唐津市加唐島産・・・ツバキ油 ⇒ 原料商社と取引開始 佐賀県産植物を化粧品原料へ ⇒ 化粧品産業技術展 「CITE JAPAN」出店 ⇒ 健康博覧会 出店 唐津・玄海産植物から抽出した エキスから化粧品原料を開発 ⇒ 仏企業が開発、会員企業販売 7. 商品開発の支援 ・川島豆腐の豆乳から生まれた品質の良い洗顔石鹸 ・唐津東高生のリッププロジェクト ・地産「みかん花」エキス使用 化粧品発売 ・地産「白いちご」使用 福岡女学院大学の化粧品発売 ・地産「ホーリーバジル」使用 化粧品発売 ほか 8. 地域商社設立 株式会社Karatsu Style を設立 2017.4.3 資本金300万円(JCCが100%出資) 事業内容・・・化粧品・健康食品の企画開発、販売 地域企業の商品販売斡旋、仲介及び卸売業 9. コスメ環境の整備 ・セッション(勉強会) ・大学、研究機関とのネットワーク ・化粧品について学ぶセミナー開催 「化粧品科学へのいざないセミナー」 「コスメ創業支援セミナー」、「コスメ商品開発セミナー」 ・学会の誘致 ・ビジネスマッチングサイトの開設
10.企業誘致、対日投資プロモーション ・対唐津投資セミナー in パリ ・化粧品フォーラム in バルセロナ ・対唐津投資セミナー in 台湾 11.唐津市への企業進出 ・化粧品メーカー「クレコス」が進出 ・化粧品原材料販売大手「コスファ」が保管倉庫を完成 [今後の参考になる事項] 1. 産学官の連携によるビジョンを立て、地域経済の活性化や雇用の創出を 目指していきたい。 2. 強いリーダーシップをとれる人材がいると事業の推進力が違う。 3. 唐津コスメティック構想は、化粧品という生活に無くてはならない商品 に着目し、コスメティックバレーまで目指していることは、まちづくりと 共に進むことであり、評価すべきだ。 4. 1つの出会い、チャンスをつかんだ先見性は素晴らしい。 5. 焼津であれば、漁業そのものではなく、関連事業の例えば超低温冷凍技術 の活用により、魚以外にこのような技術を活用できればと考える。 視点を変えて物を見る大切さを学んだ。 写真
<佐賀県武雄市: 武雄市図書館について> [市の概要] 武雄市は、佐賀県の西南部に位置し、東西19.4km、南北18.4km, 面積195.40km2の杵藤地区広域市町村圏域の中心都市となっている。 地勢は、市の北端八幡岳に源をおく川古川、西の黒髪山から流れる松浦川で山 内・武内・若木地区の盆地を形成し、また神六山に源をおく潮見川は六角川にそ そぎ、川登盆地をつくっている。また、本市の中央を東西に横切って流れる武雄 川、武雄・朝日地区を流れる甘久川、朝日地区を縦断する高橋川も橘町北端で六 角川に合流して武雄・北方地区の盆地を形成し、白石平野と連なり、土地は肥沃 で本市の穀倉地帯となっている。 平成18年3月に武雄市、山内町、北方町が新設合併し、現在の武雄市が誕生。 人口は、49,062人。なお、市議会議員の定数は20人。 [視察の目的] 市営図書館として直面する課題として、利用者の固定化、来館者数の伸び悩み、 子育て世代の利用しにくさ等といった現実を打開していくために、事業主体は 武雄市であるが、指定管理者制度を導入して民間の力を活用しながら「新しい図 書館づくり」を目指した取り組みについて調査し参考とする。 [視察の概要] 武雄市の新図書館構想 1. リニューアル前の課題 ・来館者数の伸び悩み、利用者の固定化 (開館日数増だけでは、来館者増に繋がらない) ・特に子育て世代(30~40代)の利用者の難しさ ・講座、イベントのノウハウ不足 ・限られた人員、運営予算 2. 目指す図書館像 「便利」で「役に立つ」図書館 ➡ いつでも利用できる、居心地の良い ・本の借用、読書以外の利用(地域コミュニティー、情報の拠点) ・特に図書館に縁遠い人の利用促進で、人が集う図書館へ ・利用者目線(市民要望)にこだわったサービス・運営
構想実現のために、武雄市は民間と手を組んで 「新しい図書館づくり」に取り組んだ ➡ 指定管理者制度 3. 図書館指定管理者の課題 ・これからの図書館運営には企画力も必要 (図書館の目指すべき姿、役割、目的) ・構想、企画の段階から民間が関わることができるか ・長期間の委託契約が可能か (長期的プラン、雇用面、安定的な運営など) ・行政に業者選定能力があるのか (経験、ノウハウがないため実績、金額で選定しがち) ・行政との連携、行政のチェック機能 (担当部署の指示、指導、定期的な報告、ノウハウ継承) ⇓ 指定管理者(CCC:カルチュア・コンビニエンス・クラブ) *武雄市図書館をより市民価値の高い施設として運営するにあたり CCCが運営する「代官山・蔦屋書店」のコンセプトやノウハウを 導入し企画する。 ⇓ 武雄市と指定管理者(CCC)が実現する「新しい公共施設」 4. 武雄市図書館で実現する9つの市民価値 ① 20万冊の知に出会える場所(開架10万冊から20万冊へ) ② 雑誌販売の導入(ライフスタイルの提案) ③ 映画・音楽の充実 ④ 文具販売の導入 ⑤ 電子端末を活用した検索サービス(i・pad) ⑥ カフェ・ダイニングの導入(スターバックスの出店) ⑦ 「代官山・蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービス導入 (自動貸出機、分類方式、デジタルサイネージ、空間など) ⑧ Tカード、Tポイントの導入(同意、選択制) ⑨ 365日、朝9時~夜9時までの開館時間 *指定管理者制度により、サービス拡充と行革を実現!
5.リニューアル後の実績 来館者数は、リニューアル前の平成23年は25万5千人でしたが リニューアル後の平成25年には92万3千人と急増した。直近の 平成29年度も91万人が来館しており、観光バスが毎日3~4台 来場し、また韓国からの訪日観光客も増加している。 [今後の参考になる事項] ・指定管理者によるユニークな市営図書館の運営は画期的だと感じます。 ・来館者をお客様と認識していること、これ自体が素晴らしい。 ・館内にはBGMが流れ、まさにカフェのような居心地の良さを感じた。 ・一度に10冊まで貸し出しを行い、宅急便(500円)で全国どこからでも 返却が可能なことも、借りる側としては助かるサービスであると思います。 ・コーヒーを飲みながら本を読める図書館は画期的だ。 ・発想の転換で、雰囲気がガラッと変わり、気軽に足を運びやすい場所にして しまえる。こうした視点が今後の行政には必要なのではないか。 「写真」 「写真」
<佐賀県鳥栖市 企業誘致戦略について> [市の概要] 鳥栖市は佐賀県の東端に位置し、北は脊振山地を隔てて福岡平野、南は筑後川 をはさんで久留米市に近接しており、面積は71.72㎢のコンパクトな町で あります。 九州を走る東西・南北の高速道路が交差をし、日本初の四つ葉のクローバー型 ジャンクションがあり、九州のクロスロードと呼ばれ、交通の要衝であります。 豊富な水資源に恵まれ、自然災害の少ない町です。 福岡の博多から車では20分圏内で、鉄道ではもっと近くなり、交通アクセス に恵まれています。 人口は平成22年の69,074人から平成27年は72,910人と5.5% 増加しており、本年4月末現在では、73,225人になり現在も増え続けて います。 [視察の目的] 鳥栖市は、地域の特性をうまく活かして企業誘致に積極的に取り組んでいる。 そして誘致企業への優遇措置として様々な奨励金制度を実施し、企業誘致に成 功している。その取り組みについて調査し参考とする。 [視察の概要] 1. 企業誘致の条件に適した地域 ・交通アクセスの良さ ・自然災害が少ない街 ・労働人口が充実している (15歳~64歳までの生産年齢人口構成比は61.1%) ・自然と豊富な水源に恵まれた地域 (九州一の大河・筑後川より取水) ・企業誘致への優遇措置 (昭和29年市制施行と同時に工場誘致条例を制定し、積極的な 企業誘致への施策の積み重ねが現在に至っている)
2. 誘致企業への優遇措置 ① 企業立地奨励金 ② ISO認証取得等奨励金 ③ 環境保全等奨励金 ④ 雇用奨励金 3. 企業誘致の基盤整備 昭和38年より計6つの工業地帯を整備し、200社に迫る企業が進出。 [今後の参考になる事項] ・地域の持つ強みを活かし、情報発信を続けていくことが大切である。 ・新たな整備事業として市街化調整区域内においても、農村地域工業等導入 促進法により産業団地特別会計にて整備予定の事業は、市街化調整区域内 の優良農地を整備するものであり参考にすべきである。 ・年に数回の行政と企業との交流会の実施をしていく。 「写真」 「写真」