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1_ 背景 1. 林業の現状 林業作業員の高齢化 立木価格低迷による採算性悪化 長期の資本回収期間 (50 年以上 ) 経営意欲減退 2. 木材加工業の現状 国内広葉樹資源の枯渇 環境保護により輸入広葉樹の確保が困難 違法伐採木材を排除する クリーンウッド法 の施行 天然広葉樹の代替材を模索 上記課

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Academic year: 2021

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(1)

企業ニーズを踏まえた早生樹植栽試験

(気候と施肥がセンダンの成長に与える影響調査)

平成30年4月

林野庁 近畿中国森林管理局

技術開発自主課題

(森林技術・支援センター、福井署、三重署、滋賀署

京都大阪所、和歌山署、兵庫署、岡山署)

(2)

・ 林業作業員の高齢化

・ 立木価格低迷による採算性悪化

・ 長期の資本回収期間(50年以上)

1.林業の現状

経営意欲減退

2.木材加工業の現状

・ 国内広葉樹資源の枯渇

・ 環境保護により輸入広葉樹の確保が困難

違法伐採木材を排除する「クリーンウッド法」の施行

天然広葉樹の

代替材を模索

①_背景

・旺盛な成長により短伐期(15~20年程度)で用材が収穫可能

・家具、造作材に適した材質(加工性、物理的性質、木目など美しい外観)

・合板・LVL(単板積層材)などエンジニアードウッド原料としての適性

◎上記課題への対応策として「早生樹」

今後、主伐・再造林の拡大が見込まれる中、スギ等従来樹種以外の植栽樹種の選択肢としても期待が高まりつつある

(3)

問題分析ツリー

早生樹材の

利用方法が

確立されていない

造林の実績・データがない

外材へ依存

造林の採算性が悪い

国産広葉樹の資材が入手出来ない

従来樹種(スギ・ヒノキ)による造林の

資本回収期間が長い

苗木の入手が

困難

早生樹材の

買い手がいない

山持ちや造林者に

早生樹の長所が

知られていない

育林技術が

確立されていない

把握できていない

植栽適地が

再造林が進まない

保育方法

が不明

保育経費

が不明

シカの嗜好性

が不明

気象条件

への適応

土壌条件

への適応

早生樹が

植栽されない

管内で苗木が

生産されない

産地毎の種子特性が

分からない

分からない

需要が

②_早生樹造林の課題

(4)

問 題 解 決 ツ リ ー

早生樹材の利用方法が

確立される

造林の実績・データがある

外材から国産材へ

造林の採算性が向上する

国産広葉樹の資材が確保出来る

資本回収期間が短くなる

苗木の入手が

容易になる

早生樹材の

買方が明らかになる

早生樹の長所を理解する

山持ちや造林者が

育林技術が

確立される

植栽適地が

把握される

再造林が進む

気象条件 への適応が 明らかになる 土壌条件 への適応が 明らかになる

早生樹が

植栽される

産地毎の種子特性が

明らかになる

●植栽試験データ ●早生樹セミナー ●情報の共有 (京大・京府大と早生植林材研究会 との間で研究協力) ●シンポジウム ●各府県林業普及員による普及 ●自生地調査データ ●植栽試験データ 保育経費が 明らかになる 明らかになる保育方法が シカの嗜好性が明らかになる

上位目標

プロジェクト目標

管内で苗木が

生産される

需要が

明らかになる

②_早生樹造林の課題

(5)

センダン科センダン属の落葉広葉樹

本州(伊豆半島以西)、四国、中国、九州、沖縄に分布

大きいものだと樹高25~30㍍、直径60~100㎝

日向があれば土質を問わず良く育つことが多い

古くから日本に移入、

在来種として位置づけ

造林は比較的容易だが、産業用木材としての造林は未開拓

用材収穫までの必要年数 15~20年(短伐期)

【公園に植栽されているセンダン】 5~6月に咲く。花は2cm程度と小さいが、 まとまって咲くため、花期には木全体が 薄紫色に見えるほどになる。

◆ 花

長楕円形の核果で、10月頃に淡黄色に熟す。 自然環境であれば落下した実から発芽する確率は高 い。果肉は銀杏(ぎんなん)の様に独特の臭いを放つ。

◆ 果実

お盆

国産センダン丸太の取引事例

単価:

40,000円/㎥

20年生、末口径46cm、長さ4m(福岡県大川市)

マホガニーやチークに匹敵する材質・美しさ

→ 将来は高級材として輸出の可能性も

日本では木目の美しさ・堅さから、ケヤキの代替品として有望

◆ 材

センダン【栴檀】

(

学名:Melia azedarach L. (Meliaceae) 英語名:Chinaberry)

名前の由来は、下記2説が有力とされている

秋にたくさんの実が鈴なりになり、落葉後も残って黄色く熟す。これを連ねた数珠に見立ててセンダマ(千珠)と呼んだものが転訛。

同じく実を「センダンゴ(千団子)」と呼んだものが短くなった。

(6)

平成28年7月 撮影 約 7 m 平成26年3月 撮影 約 70㎝

植栽

平成27年7月 撮影 約 4 m

1年4ヶ月後

2年4ヶ月後

大阪市での良好な成長例

樹高約9m・胸高直径14㎝

③_植栽樹種の選択(センダン)

平成29年7月 撮影

3年4ヶ月後

約 9 m

(7)

芽かきとは、頂芽だけを残し、それ以外の芽を取り除く作業。

熊本で開発され、現在のところ、芽かきは成立密度に関係なく樹幹を通直にする最も有効な方法。

枝打ちのように変色や腐朽が侵入する可能性が低い。

【一般的なセンダンの樹形】

幹が低い位置で分岐

芽かき未実施

芽かき実施

【熊本県芽かき展示林(樹齢15年生)】

枝下高約4mの通直な樹幹を形成

③_植栽樹種の選択(センダン)

センダンは芽かきにより通直な材の生産が可能!

※参考文献 センダンの育成方法 熊本県

【一般的なセンダンの樹形】

(8)

① 小沢国有林 (福井県/大野市) ② 大河内国有林 (福井県/南越前町) ③ 黒河山国有林 (福井県/敦賀市) ⑧ 深山国有林 (兵庫県/宍粟市) ⑩ 津川山国有林 (岡山県/津山市) ⑨ 竜ノ口山国有林 (岡山県/岡山市) ⑤ 宮城川国有林 (和歌山県/すさみ町) ④ 鍛冶屋又国有林 (三重県/紀北町) ⑥ 三郷山国有林 (滋賀県/甲賀市)

⑪ 三光山国有林 (岡山県/新見市) ⑦ 箕面国有林 (大阪府/箕面市)

日本海側気候 瀬戸内式気候 太平洋岸気候 気象庁:日本の気候区分

試験期間 : 平成27年4月~平成47年4月

生産目標 : 末口径30cm以上、材長4mの直材

容 : (1)

気象条件(気候帯)の違い

による生育状況比較

(2)

施肥の有無

による生育状況比較

(3)

シカ嗜好性の有無

を観察

(4) 通直材とするため芽かきを実施

④_植栽試験の概要

気候(気温・降水量等)・施業(施肥等)が成長に与える影響等その成長特性を明らかにする

開発目的

(9)

④_植栽試験の概要

施肥 あり (本) 施肥 なし (本) 施肥 あり (本) 施肥 なし (本) 1 小沢 福井県大野市 日本海側

600~620

2,112

13.1℃ (大野市)

0.05

20

5 5 5 5 2 大河内 福井県南越前町 日本海側

380~400

2,497

12.7℃ (南越前町)

0.05

20

5 5 5 5 3 黒河山 福井県敦賀市 日本海側

140~160

2,378

(敦賀市)15.4℃

0.05

20

5 5 5 5 4 鍛冶屋又 三重県紀北町 太平洋岸

200~230

3,234

15.9℃ (紀北町)

0.05

20

5 5 5 5 5 宮城川 和歌山県すさみ町 太平洋岸

260~280

3,038

(白浜町)16.8℃

0.06

22

22 6 三郷山 滋賀県甲賀市 瀬戸内式

265

1,550

12.2℃ (甲賀市)

0.03

10

5 5 7 箕面 大阪府箕面市 瀬戸内式

450

1,879

(能勢町)12.7℃

0.1

25

10 10 5 8 深山 兵庫県宍粟市 瀬戸内式

400~500

2,247

13.5℃ (宍粟市)

0.05

20

5 5 5 5 9 竜ノ口山 岡山県岡山市 瀬戸内式

50~60

1,334

16.2℃ (岡山市)

0.03

10

5 5 10 津川山 岡山県津山市 瀬戸内式

630

1,895

13.2℃ (奈義町)

0.01

10

5 5 11 三光山 岡山県新見市 瀬戸内式

600

2,247

12.1℃ (新見市)

0.05

18

9 9

単木ネット設置

あり なし

番号 国有林

所在地

気候帯

標高

(m)

年間

降水量

(㎖)

積雪

年平均気温

シカ

分布

植栽

面積

(㏊)

植栽

本数

(10)

樹高・根元径平均値は、太平洋側気候において高い数値を計測したが、他の2気候においても、

平均で2m近い樹高平均値が記録されるなど、多様な気候において旺盛な初期成長が確認された。

0

40

80

120

160

200

240

280

320

360

H27.5 H27.10 H28.10 H29.10

樹高平均値の推移

日本海側気候

太平洋側気候

瀬戸内式気候

0

4

8

12

16

20

24

28

32

36

40

H27.5 H27.10 H28.10 H29.10

根元径平均値の推移

日本海側気候

太平洋側気候

瀬戸内式気候

⑤_これまでの成果

植栽2年5ヶ月後(3成長期後)

【成長量調査】

※完全枯死した個体は数値に含まない

(11)

樹高

根元径

材積

液相率

細土率

礫率

平均気温

土壌硬度

降水量

土壌硬度

降水量

降水量

土壌硬度

注)①液相率:生土重量(採取した土壌の重量)ー乾土重量

②細土率:直径2ミリメートル 未満の粒子からなる土壌。すなわち、礫(れき)を含まない土。砂や粒土からなる土壌の含有率

⑤_これまでの成果

現時点で、降水量が多い、気温が高い、土壌が軟らかい、透水性が高い場所が、植栽に

向いていることが確認された。

【成長量調査・土壌調査】

(12)

樹高・根元径とも、施肥有りで初期成長が大きくなる傾向があるが、その差は3年目にはかなり縮小。

施肥なしでも下刈りの省略が検討できる個体もあり、林地の状況によっては施肥の省略も可能と思料。

伐期に達するまでの期間、材質への影響等、今後も調査を継続する。

60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 H27.5 H27.10 H28.10 H29.10

施肥の有無による「樹高」平均値の比較表

施肥あり 施肥なし 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 H27.5 H27.10 H28.10 H29.10

施肥の有無による「根元径」平均値の比較表

施肥あり 施肥なし

✓使用肥料・・・IB肥料 = チッソ(N):リンサン(P):カリ(K):マグネシウム 10 : 10 : 10 : 1 ✓施肥実施状況・・・植栽後3年間、年2回に分けて毎年実施 (1年目:250g/年、2年目:500g/年、3年目:1000g/年)

⑤_これまでの成果

【施肥の有無による成長比較】

(13)

健全木 52本 27% 被害木 143本 73%

被害有無の内訳

(軽微なものを含む)

シカの生息地では、食痕・剥皮・折損が報告されたことから、シカの嗜好性があると判断。

(被害木全体の約4割がシカ被害)

その他、晩霜(遅霜)による先端枯死、カミキリムシによる食害が報告された。

また、風・雪による折損も報告されたことから、折れやすい可能性が示唆された。

【風による折損】 【霜による先端枯死】 【シカ食害】 【シカ剥皮】 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 その他 折損(雪) 折損(風) カミキリ虫 先端枯死 シカ折損 シカ剥皮 シカ食害

種類別被害数

※被害個体の重複有り

⑤_これまでの成果

【植栽木への被害状況①】

【カミキリムシによる食害】

(14)

※著しい曲がりや先端が折損した個体について、放置すれば形質不良(通 直な材が取れない、樹皮に傷が残る、芯腐れ)となる恐れがあるため、形 質不良が見込まれる箇所より下部分を斜めに切断し優良木へ誘導する手法 切り戻し作業図

被害は受けるものの、切り戻し作業など、被害後の適切な処置により萌芽更新し、完全枯死を

防ぐことができる。

⑤_これまでの成果

【植栽木への被害状況②】

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 その他 折損(雪) 折損(風) カミキリ虫 先端枯死 シカ折損 シカ剥皮 シカ食害

種類別被害数

=回復した個体

(15)

切り戻し作業における、樹高及び根元径成長への影響は特段見受けられない。

センダンは6月~9月にかけて、急激に成長する傾向にあることから、切り戻し作業は4月~5月に行うのが望ましい。

ただし、材質への影響は不明なため、今後も調査を継続する。

⑤_これまでの成果

【植栽木への被害状況③】

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 H28.4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 切り戻し実施による「樹高」成長量の推移 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 H28.4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 切り戻し実施による「根元径」成長量の推移 ㎜ ㎝ 切り戻し 切り戻し ※三光山国有林試験地で最大樹高の試験木と 切り戻しを同時期に実行した3本の試験木 の成長量調査データを抽出 オ23(切り戻しを同時期に実施した個体) オ28(最大樹高の個体) オ21(切り戻しを同時期に実施した個体) オ22(切り戻しを同時期に実施した個体)

(16)

3成長期終了時で、太平洋側気候が最も旺盛な成長量を計測。

ただし、他2気候においても平均で2m近い樹高平均値が記録されるな

ど、多様な気候において旺盛な初期成長を確認。

降水量が多い、気温が高い、土壌が軟らかい、透水性が高い場所が植栽に

向いている。

施肥有無により初期成長の差はあるが、その差は3年目にはかなり縮小。

施肥無しでも下刈りの省略が検討できる個体もあり、林地の状況によって

施肥の省略も可能と思料。

シカの嗜好性があり、従来樹種と同様に被害対策が必要。

シカ以外にも被害は受けるものの、被害後の適切な処置により完全枯死を

防ぐことができる。

⑤_これまでの成果

【まとめ】

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