• 検索結果がありません。

ios ios 4 ios ios SDK Apple iphone ipad UI Mt. Sinai Hospital Giancarlo De Lio ios FAQ ios D

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ios ios 4 ios ios SDK Apple iphone ipad UI Mt. Sinai Hospital Giancarlo De Lio ios FAQ ios D"

Copied!
30
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

社内向けアプリケーションの開発

アクセラレータガイド

(2)

社内向けアプリケーションのアイデアを現実のものに。その方法をご説明します。

仕事の内容は人それぞれ。それは、ユーザも同じことです。これまでの仕事のやり方を一変させる先進的なモバ イルアプリケーションには、そのような様々なニーズに応えられる可能性があります。多くの社内開発チームがそ うであるように、あなたにも様々な制約があることでしょう。それは財務的な制約であったり、組織的、あるい はリソース的な制約かもしれません。だからこそ、真の意味で業務上のニーズを満たすアプリケーションを提供 することに力を注ぐ必要があります。 iOSは、そのようなアプリケーションを提供するための優れたツールとなります。iOSを使えば、開発が速く進む だけでなく、大きな成果を得ることができます。ユーザにとって即戦力となる、そんなアプリケーションを提供で きることでしょう。業務の進め方を一変させるために、これまでの社内開発プロジェクトでの取り組みとは異なる 方向で努力しなければならなくなったとしても、面倒なプロセスや余計なリソースを準備する必要はありません。 このガイドは、そのような開発を進める手助けとなるものです。ユーザにとって最適な実践事例をたどり、プロジェ クトの効率を最大限に高めてくれるヒントや情報を提供します。 このガイドは、以下の4つのセクションで構成されています。 計画̶プロジェクトを定義し、必要な条件をまとめ、開発プロセスの計画を立てます。 デザイン̶iOSのインターフェイスデザインの概念を活用して、ユーザにとって使いやすい社内向け アプリケーションをデザインします。 開発̶iOS SDKなど、Appleから提供されているツールを最大限に活用して、社内向けアプリケー ションを開発します。 導入̶独自のワイヤレスアプリケーション配布サービスを構築して、社内向けアプリケーションを企業 内で配布します。 さあ、始めましょう。

概要

このガイドの使い方 チェックリスト。各章に用意され たチェックリストを使って、開発 プロセスで最も重要な手順を復習 し、理解度をチェックしましょう。 クイックヒント。開発プロセスに 欠かせない重要な情報が、ひと目 でわかるようにまとめられています。 例。お客様の事例を紹介しています。 他の企業ではどのようにして社内向 けiPhone&iPad用アプリケーショ ンを作成しているのかを参考にして、 アイデアを膨らませましょう。 クイックリンク。すぐに参照できる リンクを活用して、iOS社内向け アプリケーション開発の理解度を 深めましょう。 導入チェックリスト 導入段階の終了までに、以下の作業を完了しておく必要があります。 エンタープライズ証明書とプロビジョニングプロファイルの作成 ワイヤレスでアプリケーションを配布するための配布用ウェブサーバまたは ソリューションの構築 エンドユーザへのソリューションの公開 「アップデートや変更を本当にすば やく実行する方法を見つけなけれ ばならなかったんです。だから、 ハイブリッドな手法を取りました。 ネイティブなUI要素はそのまま デバイス上に表示されますが、 残りの部分はすべて実際のウェブ ページです」

̶Mt. Sinai Hospital、Giancarlo De Lio氏

クイックリンク プログラムへの参加に関する FAQ

http://developer.apple.com/jp/support/ios/enrollment.html

iOS Developer Enterprise Programに関する FAQ

http://developer.apple.com/jp/support/ios/enterprise.html クイックヒント:簡単なアプリケー ション • シンプルですぐに使えて頻繁に使うアプリ ケーションこそが社内での需要を生み出し、 作業範囲や投資を最小限に抑えてくれます。 • 全体を作り上げるのは、簡単なアプリケー ションの組み合わせです。ユーザは独自の 「ソリューション」を構築します。これこそが、 社員に柔軟性をもたらすということです。

(3)

優れたアプリケーションの作成には、優れた計画が欠かせません。プロジェクトの目標を社内の関係者と共有し、 計画を立てる時には積極的に参加してもらうことが重要です。チームメンバーのそれぞれが、プロセスを通じた 作業バランスと計画の実行に必要な手順を深く理解しているほど、より効率的に目覚ましい業績を残せることで しょう。 計画の一環として、チームで協力して以下の内容について調査します。 • 業務とユーザのニーズを探る。開発するソリューションが、ビジネスニーズに正しく応えるものであることを確認 してください。時間やコストの削減につながり、従業員の生産性を高め、ビジネスを発展させるための要求に 対処できるものになっていますか? • 既存のリソース/インフラストラクチャを評価する。これまでに開発してきたものに別の目的を持たせ、モバイル 環境で活用することによって、貴重なリソースを最大限に活用することができます。 • どの程度容易に導入できるかを調べる。「低い所まで垂れた果実を摘む」ということわざがあるように、まずは すぐに効果が得られるもの、つまり開発の成果としてすぐに実証できるものは何なのかを探しましょう。 上記のコンセプトを念頭に置きながら計画を立てれば、プロジェクトで集中すべきことがわかりやすくなります。 この章では、プロジェクトの準備を進め、順調なスタートを切るための手順について説明します。

ユーザの意見を取り入れる

ユーザの立場になって考えてみましょう。何度かミーティングに参加したり、実際に現場に出向いたりして、ユー ザの職場環境に少しだけ自分の身を置いてみてください。彼らの業務習慣やワークフローの障壁、さらには従業 員や顧客が抱える問題点が浮き彫りになり、これまでにない理解が得られるはずです。特に、鋭い意見を持つユー ザや熱心に仕事に取り組んでいるユーザをプロジェクトチームに迎え入れ、常に新鮮な意見を取り入れるように しましょう。 モバイルアプリケーションで、どのような問題を解決できるのか見極めてください。それが、最も短時間で最も 価値のある成果をユーザと企業に提供することにつながります。 モバイルアプリケーションの開発当初は、無理にたくさんの成果を上げようと考えてはいけません。「できること」 の範囲を「すべきこと」に絞り込むことが重要です。

計画

計画チェックリスト プロジェクトの計画段階を通じて、このチェックリストを参照してください。 計画段階の終了までに、以下のような作業範囲を決めておく必要があります。 潜在的なすべてのビジネスニーズ/要件のまとめ ビジネスの要件に合わせた、ユーザニーズのまとめ プロジェクトの作業を支援するITインフラストラクチャの要件 アプリケーションとソリューションの目的を記述したアプリケーション定義ステート メント 全般的なプロジェクトのタイムラインとマイルストーン 役割と担当が定義された関係者によるチームの編成

iOS Developer Enterprise Programへの参加プロセス

「当社では、デベロッパと営業チー

ムが直接やりとりしたんです。営業

先にも出向きましたよ。安全靴を

履いて、ヘルメットをかぶってね。

営業先まで出向き、営業チームが

何を必要としていて、どんなふうに

アプリケーションを使うか確認した

んです」

(4)

シンプルなタスクをいくつか挙げてみましょう。大半のユーザが、「モバイルアプリケーションがあれば簡単にで きるのに」とすぐに思い浮かべられるようなものでかまいません。例えば、以下のようなタスクが考えられます。 • 外出先からでも経費報告書や発注書を承認できるシンプルなアプリケーション • 従業員全員が使える社員名簿や社内マップ • 席を外している時でも簡単に使える会議室の空き状況検索アプリケーション • バックエンドの時間管理システムや請求システムと連携できるシンプルな時間追跡アプリケーション

既存のアセットをまとめる

多くの場合、社内向けアプリケーションを効率的に作成する最良の方法は、既存のテクノロジーを活用すること です。場合によっては、従業員が作成したウェブサイトの内容をまとめ、iPhoneやiPad用に最適化することが 有用かどうかを判断する必要があります。バックエンドシステムのデータが、簡単にモバイルコンテンツとして 活用できる形式になっている場合もあるからです。また、App Storeにアプリケーションが用意されていることも 忘れてはなりません。あなたの会社のニーズに応えるアプリケーションは、すでに手に入る状態かもしれません。 このページの右側には、「アセットのまとめ」の例が掲載されています。ここで挙げられている質問に答え、既存 の環境を調査する時に役立ててください。

アプリケーションの定義

ユーザのニーズと、そのニーズに応えられるモバイルソリューションの可能性をしっかりと把握したら、その コンセプトをプロジェクトの計画として簡潔にまとめ、プロジェクト関係者と共有しましょう。 プロジェクトの計画を定義するうえで最も重要な要素は、アプリケーション定義ステートメント、つまりアプリケー ションの目的を簡潔にまとめた定義です。アプリケーション定義ステートメントを作成することで、よく見られる 以下の2つの間違いを避けることができます。 • モバイルスペースへの移行を考えている既存のデスクトップアプリケーションがあるために、新しい環境に膨大な 量の機能を取り入れることになってしまった。 • 新しいモバイルアプリケーションについて優れたアイデアを持っているにもかかわらず、アプリケーションの中心 的な目的を仕上げる前に、多種多様な機能に飛躍しすぎてしまった。 例:アセットのまとめ 以下の質問に答えることで、既存のテクノロジーをモバイルアプリケーションで 再利用できるか判断するのに役立ちます。 • 移動が多い社員の中で大半の人たちが毎日使っているシステムは何ですか? • 移動が多い社員が最も必要としているものは何ですか? • モバイルアプリケーションによって自動化または簡素化できる手動プロセスは 何ですか? • 既存の非モバイルシステムの中で、移動が多い社員にとって便利にできるものは ありますか? • そのようなシステムの中で、最も頻繁に使用される機能は何ですか? • あなたの企業システムで提供しているデータアクセスは、どのような種類のものです か?データには、ウェブサービスから簡単にアクセスできますか? • 社員が毎日アクセスする社内ウェブサイトはありますか?それは、簡単にモバイル アプリケーションにできますか?

「色々な製品ラインについて検討し

ましたよ。そしてこう言ったんです。

"

モバイルが本当に意味を持つのは

どこだろう?一番人気があるのは何

だろう?最も力を入れるべきヒット

商品は何だろう?

"

そこから始まっ

たんです。当社の製品ポートフォリ

オについて検討しましたよ。そして

何が最も意味のあることかを理解で

きたのです」

(5)

アプリケーション定義ステートメントの作成 まず、以下の内容を記述したアプリケーション定義ステートメントを作成することから始めます。 • アプリケーションの目的 • 対象となるユーザと、ユーザによる使用方法 • 中心的な機能 定義ステートメントでは、ソリューションとその中心的な機能だけを定義してください。詳細な一連の機能を定義 する必要はありません。ある機能について持っている様々なアイデアを絞り込むためにも、強い目的意識を持って 定義ステートメントを作成する必要があります。各機能が、意図する目的に貢献するものかどうか、自問自答して みましょう。そのうえで、できる限り絞り込み、最もよく使われ、モバイルコンテキストとして最も適切な機能を 選択します。最終的に、実行が困難なばかりか、問題の解決にもつながらない、長々として焦点が定まっていな い機能のリストが作成されるようでは意味がありません。アプリケーションの目的をしっかりと持ち続けることで、 使いやすいパッケージに仕上がり、優れた生産性を提供することができます。

開発プロセスの計画

一般的なエンタープライズソフトウェアの開発プロジェクトでは、開発段階で膨大なリソースを消費します。iOS SDKとハイレベルなCocoa Touchフレームワークを使用すれば、開発チームがコーディングに費やす時間を短縮 し、より多くの時間を理想的なユーザエクスペリエンスのデザインに費やすことができます。このプロセスによって、 より迅速に従業員にアプリケーションを提供できるだけでなく、ユーザの期待を上回るソリューションを提供でき るようになるでしょう。 アジャイル開発プロセスまたは従来からあるウォーターフォールメソッドのどちらを採用する場合でも、アプリケー ション開発努力の中心的かつ継続的な部分として、デザインプロセスに時間とリソースを割り当てられるように 配分を行ってください。 頭に思い描く大まかなプロセスのタイムラインと、プロセスに沿った各手順でそれぞれの関係者に割り当てる役割 を整理しましょう。この時点で確定する必要はありませんが、プロジェクトに携わる全員にとって共通した基準と することができます。 例:アプリケーション定義ステートメント アプリケーション定義ステートメントとは、以下のようなものです。ここでは、 弁護士用の時間追跡アプリケーションを例にしています。 • 目的:クライアントの案件ごとに、費やした時間と課金できる時間を追跡する • 対象となるユーザ:課金できる時間を追跡する必要がある事務所の弁護士 • ユーザによる使用方法:クライアントとの面会ごとに、課金できる時間を開始 および終了する • 中心的な機能:費やした時間を追跡して、CRMシステムに報告する • 定義ステートメントのまとめ:クライアントごとに、費やした時間と課金できる 時間を追跡する弁護士用アプリケーション • 定義に沿った機能:タイマーの開始/停止、バックグラウンドでの追跡/処理、 CRMシステムとのサーバ統合、クライアントレコードをルックアップして追跡され た時間をクライアント/案件に関連づける、ネットワーク接続の状態に応じてオン ライン/オフラインでシンクする • 定義に沿っていない、またはプロジェクトの範囲を越えた機能の例:審理中の 新規案件について通知する、法務上の参照を目的とした文書のルックアップ、 クライアント所在地のマップ、特許権を調べるインターフェイス クイックヒント:クラウドソーシング Genentech社では、優れたアプリケーションのアイデアは様々な場所の様々な人々 から得られるものだと考えていたため、内部で開発するアプリケーションについて、

(6)

作業範囲の作成 プロジェクトの目的をしっかりと念頭に置き、プロセスの状況を把握しやすくするために、中心となる作業範囲 書を計画の一部として作成しておきましょう。この文書には、すべてのプロジェクトリソースや目標、目的、タイ ムライン、主な成果物などを記載しておきます。これは、すべての関係者にとって重要なプロジェクトのガイドと もいえるものです。作業範囲には、アプリケーション開発の前提となる技術要件や、フローチャートまたは図を使っ た説明を取り入れ、アプリケーションのコンセプトとして意図する内容を作業段階で伝えるのに役立てられるよう にします。 要件 • プロジェクトの調査 • 承認の獲得 • チームの編成 デザイン • アーキテクチャデザイン • 構築済みプロジェクト計画 • 初期ワイヤフレーム • デベロッパの規模の決定 コード • トレーニング • アプリケーションのコーディング • デザインとグラフィックス • テストケース • ユニットテスト 検証 • デバイスでのテスト • 自動 UI テスト • バグ修正 • デザインのレビュー / 微調整 • 関係者のウォークスルー リリース • アプリケーションの 社内向けリリース • 関係者による承認 • 保守計画

チームの編成

他のプロジェクトと同様に、あなたのアプリケーションプロジェクトの成功や成果を分かち合うメンバーを集め、 チームを編成する必要があります。メンバーの中には、事業部門の責任者やユーザグループなどの社内顧客もい れば、デザイナー、デベロッパ、テクニカルアーキテクトといった開発プロセス自体の具体的な作業を割り当て られる者もいることでしょう。最終的には、各メンバーの役割と担当作業を、前の手順で説明したプロジェクト のタイムラインやマイルストーンに割り当てていくことになります。例えば、iOS開発プロジェクトではデザインが 中心的な要素となるため、デザインチームやそれに適したリソースを確保しなければなりません。関与するポイ ントや成果に与える影響は、グループごとに異なります。そのため、プロジェクトの中で担当する範囲を全員が 把握できるように、そうした役割を文書化しておくとよいでしょう。 エグゼクティブスポンサー 戦略計画を練る主要な 関係者 プロジェクトマネージャー アプリケーションを配布し、 要件を管理し、ビジネス ニーズとソリューションを調整 プロジェクトリーダー スケジュール、タイムライン、 作業範囲全体を把握 ユーザーエクスペリエンスアーキテクト ユーザー操作モデルと ユーザープロセスのフロー/ 開発工程のフレームワークを担当 ITマネージャー アプリケーションの展開と ライフサイクル管理を担当 テクニカルアーキテクト インフラストラクチャ、 セキュリティ、データアクセス モデルを担当 デベロッパ テクニカルアーキテクチャと コーディング全般を担当 開発マネージャー 技術面でのリードと プロジェクトマネージャー 事業部門の責任者 主要な関係者であり、 アプリケーションユーザー ユーザーインターフェイスデザイナー アプリケーションの視覚的な デザイン、グラフィックス、 アイデンティティを担当 例:一般的なプロジェクトチーム

(7)

アウトソースによる開発 社内で十分なリソースを確保できない場合は、開発作業の全部または一部をアウトソースすることを検討してくだ さい。アウトソース先のデベロッパから提供された成果物がきっかけとなり、これまでにないアイデアが生まれる こともあり得ます。 もちろん、アウトソース先のチームも、あなたのプロジェクトについてしっかりと把握しなくてはなりません。計画 プロセスで決めたことをすべて伝え、あなたやあなたの社内チームとの定期的なやりとりについても打ち合わせて おきましょう。こちらのニーズを説明し、プロジェクトの目的について理解しているか確認してください。アプリケー ション定義ステートメントについて説明し、プロジェクトの詳細をきちんと伝えましょう。また、双方向のコミュ ニケーション方法と連絡プロセスについても、最初から明確に決めておいてください。 アウトソース先のプロバイダについては、社内チームと同じように、役割を定義する必要があります。どのような 側面からプロジェクトに貢献してほしいのかを明確に伝えられるように、プロバイダの役割と担当作業を、プロジェ クトの計画やタイムラインに割り当ててください。 デザイン コード 検証 要件 リリース 社内チームの責任範囲 アウトソース先のデベロッパの責任範囲 アウトソース先のパートナーによっては、初期の要件から最終的な導入まで、プロジェクトのすべての要素におい て力になってもらえるかもしれません。また、コードの記述だけに集中するパートナーもいるでしょう。そのため、 最終的に契約を交わすかどうかにかかわらず、アウトソース先のプロバイダが持つ能力や提供するサービスにつ いて調べておくのは重要なことです。このような作業は、各プロバイダの長所を評価したり、こちらとの関係につ いて具体的な構想を練ったりする場合に役立ちます。 クイックヒント:外部ベンダーの選択 • 複数のベンダーと接触します。 • これまでの作業実績を確認します。App Storeに登録されているアプリケーション については、アプリケーションランキングとユーザのコメントに注目します。 • スキルと能力を評価します。例えば、すべてのコーディングを社内で行っているか どうかを確認します。 • 推薦者の紹介を求めます。 • すべてのことを1つのものでまかなう考え方や、汎用のマルチプラットフォームによ るアプローチは軽視します。 • UIデザイン、高品質なアート、アプリケーションの「開発工程」を重視します。 • バージョン1.0以降のアプリケーションのメンテナンスとライフサイクルについて話 し合います。 • ITインフラストラクチャの経験について質問します。

「当社では、様々な部分で外部の請負業者を使いました。

アプリケーションのニーズについては、本当に頼りになりま

したね。例えば、細かい見た目と使い心地については、同じ

ようなものを作成したことがある業者に依頼するんです。その

分野に関しては、専門知識を持っていることがわかってい

ますからね。そのおかげで、スタッフやお客様に高品質な

製品を提供することができました」

(8)

iOS Developer Enterprise Program

への参加

必要な条件をまとめ、ユーザからの意見を取り入れ、アプリケーションとプロジェクトの計画を定義したら、iOS Developer Enterprise Programに参加しましょう。このステップが完了したら、デザインの段階へと進むことに なります。このプログラムでは、iOSアプリケーションの開発、テストから、組織内の従業員への配布まで、ひと とおりの統合プロセスが提供されています。プログラムに参加すると、このページの右側のリストに掲載されてい る各種ツールにアクセスできるようになります。 ここでは、プログラムへの参加プロセスと利用の開始について理解していただくために、概要を説明します。詳し くは、http://developer.apple.com/jp/programs/ios/enterpriseにアクセスしてください。 参加条件 プログラムに申し込む前に、以下の点を確認してください。

• iOSアプリケーションを企業または組織内だけに配布する予定であること。iOS Developer Enterprise Program は、自社または自組織内の従業員向けにiOSアプリケーションを開発し、配布するデベロッパを対象としています。 • あなたの会社にDun & Bradstreet Number (D-U-N-S)が付与されていること。D-U-N-Sは、参加プロセスで

Appleに提供する必要があります。また、正式な企業名または組織名がわかっていなければなりません。

D-U-N-S番号を申請または取得するには、https://eupdate.dnb.com/requestoptions.aspにアクセスしてください。 • あなたに、あなたの企業を代表して法的な契約を交わす権限があること。参加プロセスでは、あなたが会社を

代表してiOS Developer Program Enterprise License Agreementに同意する権限を持つことを証明できる法 務担当者の連絡先を提出する必要があります。 • Xcodeでアプリケーションに署名する技術的能力があること。あなたは会員としてチームの「エージェント」と なります。つまり、アプリケーションプロビジョニングや技術アカウントの管理といったタスクを担当することにな ります。 参加プロセスの概要 1. Appleデベロッパとして登録します。参加を始めるにあたり、このプログラム専用のApple IDを新たに作成 してAppleに登録する必要があります。必要に応じて組織内の別の担当者に割り当てられるように、このアカウ ント専用のEメールアドレスを設定しておくと便利です。 2. 会社名、連絡先、法的情報を入力します。この情報は、企業体としての状況を確認するために必要になります。 重要な条件は、有効なD-U-N-S番号です。会社名と住所の情報が、Dun & Bradstreetデータベースに登録さ れている情報と一致していることを確認してください。身元確認プロセスの一環として、設立定款、操業協定、 営業免許などの業務書類をAppleに提出する必要が生じる場合があります。

概要:iOS Developer Enterprise Programのリソース

iOS Developer Enterprise Programのメンバーシップを取得すると、以下のような 利点があります。

• iOS Dev Centerへのアクセス

• iOS SDKへのアクセス

• プレリリースバージョンのソフトウェアやツールの選択

• Member Centerの「チーム」セクションで、開発チームを設定

• Appleデベロッパフォーラムへのアクセス

• メンバーシッププログラムの年度ごとに2回のテクニカルサポートインシデント

• iPad、iPhone、iPod touchで、アプリケーションを直接テスト

• 最大100台の登録デバイスで、アプリケーションをアドホック配布

• 社員のデバイスに、無制限に社内向けアプリケーションを配布

クイックヒント:開発ツールキットの準備

iOS SDKの基本要件は、IntelベースのMacです。一般的にデベロッパは、持ち 運びができて、どこでも使える柔軟性があることから、MacBook AirやMacBook Proを選ぶ傾向があります。ただし、iMacやMac miniも同じくらい良い選択肢です。 特に、社内に開発室がある場合に適しているといえます。また、テストデバイスを 準備することも忘れないでください。完全な互換性を保つ場合は、iPhone 3GSや 初代iPadなど、旧世代のハードウェアが必要になります。

(9)

3. Appleに送信します。参加申請を送信したら、デベロッパのMember Center http://developer.apple.com/ membercenterにログインして、ステータスを確認することができます。手順1で作成したApple IDを使用して 認証してください。この手順の一環として、Appleは申請を確認し、必要に応じて、あなたまたはあなたの会社 の法務部門に連絡を取ります。

4. Enterprise Program License Agreementに同意します。参加手続きを進めるには、プログラムライセンス の条件に同意する必要があります。この時点で、ライセンスの条件を確認し、あなたの会社の法務部門と共有す ることができます。

5. プログラムを購入します。ライセンスの条件に同意すると、Apple Online Storeからメンバーシップを購入す る方法が通知されます。注文書の使用を希望する場合は、企業調達として購入できるかどうか、お近くのApple Storeまでお問い合わせください。 6. メンバーシップを有効化します。プログラムを購入すると、注文請書が送付されます。その24時間以内に、 Appleから利用開始を通知するEメールが送信されます。このEメールには、メンバーシップの有効化に使用する コードが記載されています。有効化が完了すると、プログラムで提供されているすべての情報にアクセスできるよ うになります。 チームの設定

iOS Developer Enterprise Programへの参加手続きが完了したら、Member Centerの「チーム」セクションで、 開発チームを設定する必要があります。

チームの役割と担当作業

開発チームは、以下の役割を持つ個人で構成されています。

エージェント。開発チームの主要な連絡先として、すべてのiOS Developer Programの契約に同意する役割を 担います。また、プログラムに参加する主要なユーザでもあります。従業員への広範囲な導入を目的としたアプ リケーションの提供に使用するエンタープライズ配布証明書の管理は、エージェントが担当します。 管理者。管理者は、各自が担当する開発チームと開発証明書を管理します。エンタープライズレベルでの配布 を管理するには、エージェントの関与が必要です。 メンバー。組織内の主要なデベロッパです。メンバーは、管理者の承認を受けて、テストや開発を目的としたア プリケーションとデバイスの提供を行います。エンタープライズレベルでの配布を管理するには、エージェントの 関与が必要です。 管理者 メンバー設定と承認 開発証明書 開発プロビジョニング エージェント 配布証明書 エンタープライズ プロビジョニング 管理者設定と配布 メンバー 開発証明書 開発プロビジョニング 開発 概要:チームの設定

エージェントと管理者は、AppleデベロッパのMember Centerにある「メンバー」 タブに移動して、新しいメンバーを追加することができます。このメンバーには、 管理者またはメンバーの役割を割り当てることができます。「招待」セクションに 移動して「メンバーを招待する」ボタンをクリックし、新しいメンバーをチームに 参加させてください。 クイックヒント:開発用デバイスの登録 管理者は、iPhone構成ユーティリティで生成した.deviceidsファイルをアップロー ドすれば、複数のデバイスIDを一度に入力できます。iPhone構成ユーティリティで、 アップロードするデバイスを選択して「エクスポート」ボタンをクリックしてください。 .deviceidsファイルが生成されます。 iPhone構成ユーティリティをダウンロードするには、 www.apple.com/jp/support/iphone/enterpriseにアクセスしてください。

(10)

知識の習得に役立つ情報

チームの設定が完了したら、http://developer.apple.com/devcenter/iosからiOS Dev Centerにアクセスして みましょう。様々な情報が用意されています。開発に関連するあらゆる情報をブックマークすることはもちろん、 ホームページに設定することもできます。ここでは、このサイトで入手できる有益な情報の一部をご紹介します。 フォーラム 他のエンタープライズデベロッパとコミュニケーションを取り、アイデアや実践事例を共有できます。 同じような目的を持つデベロッパでコミュニティを作り、いつでも連絡できるようにしておくと便利です。 参考資料ライブラリ 百科事典やテキストブック、シラバスをひとつにまとめたようなものと考えてください。各情報は検索 に対応しており、カテゴリ別に分類されています。アプリケーションの作成に必要な、すぐに役立つ 情報が手に入るはずです。 サンプルコード サンプルを使って、独自のアプリケーション開発に応用しましょう。サンプルコードをコピー&ペースト して、自分のプロジェクトでそのまま使うこともできます。 はじめての方を対象とした各種ガイド iOS開発がはじめての場合は、このようなガイドを活用しましょう。iOS開発の根本的な概念や実践 事例を、チーム全員で習得するのに役立ちます。

次のステップ

計画プロセスが完了したら、この章の最初に記載されている計画チェックリストを確認してみましょう。各手順が 完了していれば、チームによるプロジェクトへの対応や取り組みがしっかりと形作られているだけでなく、チーム 全員にとって基準となる明確なプロジェクト計画ができあがっていることでしょう。開発プロセスの次の段階では、 デザインと開発の実践事例をたどりながら、iOS開発の概念について基本的な理解を確立します。 クイックリンク プログラムへの参加に関するFAQ http://developer.apple.com/jp/support/ios/enrollment.html

iOS Developer Enterprise Programに関するFAQ

http://developer.apple.com/jp/support/ios/enterprise.html

Apple.com

のサンプルは、ドリル

ダウンやマップ、ローカルの

SQL

デー

タベースとの統合など、具体的な機

能を確認するのに本当に役に立ち

ます」

̶ JM Family Enterprises, Inc.社、 Keith Debickes氏

(11)

デザインは重要な要素です。基本的なiPhoneまたはiPadアプリケーションを作成するのは簡単です。しかし、 完成度の高いアプリケーションを作成するには、少し苦労するかもしれません。完成度の高いアプリケーション の決め手となるものは何でしょうか?目を引くデザインと優れたカラーやオーディオの使い方、使いやすく期待ど おりの動作をすること、ユーザが手離せなくなる使い心地。ユーザが何度も使いたくなるアプリケーションには、 そのような要素が詰まっています。新しいアプリケーションを作成する場合や既存のアプリケーションを拡張する 場合は、デザインに力を注ぐことでより魅力的なアプリケーションになり、優れたユーザエクスペリエンスを提供 できるだけでなく、使いやすいアプリケーションに仕上がることでしょう。 この章では、アイデアを練り直し、デザインの選択肢を確認して、ユーザの生産性を向上させるアプリケーショ ンデザインを決定するまでの段取りについて説明します。

タッチのデザイン

マウス操作を前提としたユーザインターフェイスのデザインとタッチを前提としたデザインはまったく異なるもので す。アプリケーションのデザインを始めるにあたり、まずはiOSデバイスの独自性について理解する必要があります。 iPhoneまたはiPadを用意し、ユーザ操作とインターフェイスのデザインについて、一般的な慣習に慣れておきま しょう。 基本的なところでは、タッチ操作用に指で選択するボタンを描画するには、デスクトップ環境でマウス操作する ボタンよりも、多くのピクセル数が必要になります。例えば、タップできるUI要素を快適に操作するには、最低 でも44 x 44ポイントの領域が必要です。また、デスクトップでは一般的なプルダウンメニューやスクロールバー などの要素は、タッチ用にデザインされたモバイルデバイスでは快適に操作できません。 『ヒューマンインターフェイスガイドライン』の参照 『iOSヒューマンインターフェイスガイドライン』では、iOS用の優れたユーザインターフェイスとユーザエクスペリ エンスをデザインするのに役立つ原則について説明しています。ここで説明されている原則は、企業が社内向け アプリケーションを開発する場合でも、App Storeで販売されているアプリケーションを開発する場合でも同じです。

デザイン

デザインチェックリスト デザイン段階の終了までに、以下の作業を完了しておく必要があります。 Appleの『iOSヒューマンインターフェイスガイドライン』を読んでおく プロジェクトの中心となるアプリケーション定義ステートメントをそのまま反映 した簡潔な機能リストを作成しておく 目的、タスク、概念のリストに優先順位を付け、それらがどのように関係し合う かをまとめておく ベースラインとなるワイヤフレームのセットと大まかな構図を作成し、アプリケー ションの開発工程を視覚的に把握できるようにしておく

「アプリケーションの一貫性を保つ手段として、当社では

Apple

の『ヒューマンインターフェイスガイドライン』に

従うことにしました。アプリケーション間の一貫性を保つう

えで、本当に役に立つ一冊だと感じましたよ。もちろん、

デザインスタイルの選択肢は色々とありますし、そのような

デザインが統一したテーマを保てているかは、ひととおり確

認します。でも、

『ヒューマンインターフェイスガイドライン』

に従うことが非常に大切なのです」

(12)

シンプルに

企業が社内向けアプリケーションを開発する場合、既存のデスクトップアプリケーションの環境から派生したも のであったり、ユーザが業務で中心的に使用している事業部門のシステムに基づいたものであったりすることが 数多く見られます。これは、デスクトップアプリケーションのあらゆる機能をモバイルデバイスにも持ち込もうとい う考えに陥りやすいためです。しかし、このアプローチで、モバイルデバイスに求められるエクスペリエンスを再 現できることはほとんどありません。ユーザがモバイルデバイスで遂行するタスクは別のものであり、タスクによっ ては、モバイルタスクでの実行がまったく実務的でない場合があることを念頭に置く必要があります。モバイル 開発に適しているのは、小さく、簡単に片づけられるタスクです。アプリケーション開発を練り直す時に、アプリ ケーション定義ステートメントに記載する機能を常に絞り込むことが重要な理由はここにあります。 アプリケーションのユーザインターフェイス要素について、次の質問を自問自答してみましょう。デザインをシン プルにするうえで、きっと役に立つはずです。 • その要素をスクリーンに表示する意味があるか? • その要素は、重要な機能へのアクセスを提供しているか? • 頻繁に使うものか?日常的に使うものか? • 選択を行うたびに、ユーザにとってその要素が必要か? • アプリケーションのフローを考えた場合に、その要素をここで表示することが重要か? いずれかの質問の答えが「いいえ」の場合は、その要素がなくても問題ありません。また、その機能を別の 機能と組み合わせることも検討してください。 iPhoneとiPadのユーザは、デバイスに付属する内蔵アプリケーションの外観や動作に慣れています。内蔵アプ リケーションを真似るのを嫌うかもしれませんが、ユーザがたどるデザインパターンを理解し、そのようなパター ンを独自のアプリケーションに、シンプルで機能的で使いやすいデザインとして取り入れる方法を考えるのに役立 つことでしょう。このようなアプリケーションで一般的に使われている操作や、ピンチ、ズームといったタッチイベ ント、アニメーションをよく調べ、そのような概念との一貫性を保ちながら、どうやって独自のアプリケーション に取り入れられるのかを考えてみましょう。 クイックヒント:簡単なアプリケーション • シンプルですぐに使えて頻繁に使うアプリケー ションこそが社内での需要を生み出し、作業範 囲や投資を最小限に抑えてくれます。 • 全体を作り上げるのは、簡単なアプリケーション の組み合わせです。ユーザは独自の「ソリューショ ン」を構築します。これこそが、社員に柔軟性を もたらすということです。

「社内向けアプリケーションは、優れ

た商用アプリケーションと同じくらい

エレガントで美しくなければならない

というのが、わが社のモットーです。

ですから、まずは

UI

のデザインから

始めました。機能的な問題の解決に

終始するようなことはしたくなかった

のです。解決しなければならない問

題はほかにありますからね。それも、

本当にスマートな方法で」

(13)

何を優先させるか

主に目的とするタスクを決め、そこに重点を置き続けることで、十分な機能を提供する使いやすいiOSアプリケー ションになります。アプリケーションの各部は、目的に沿うように練り直さなければなりません。目的、タスク、 概念のリストを作成し、開発するアプリケーションの主要な目的やタスクとの関係性に基づいて並べ替えてみま しょう。きちんと整理され、目標の定まったユーザインターフェイスを完成させるのに役立つはずです。また、ア プリケーションとの対話で発生するワークフローやプロセスについても考えてみましょう。そこから、ユーザインター フェイスのデザインを決定する手がかりがつかめるはずです。 目的、タスク、概念のリストを作成する • 目的。アプリケーションの主な機能的要素です。例えば、カレンダーアプリケーションの場合、日付、月、予定、 忘れないためのメモなどの要素で構成されています。 • タスク。一般的には、目的に対して実行するアクションです。例えば、フィルタ、スケジュール、編集、作成な どが挙げられます。 • 概念。場合によっては、ワークフローと考えることができます。つまり、より大きな概念から発生する連続した 関連タスクです。カレンダーの例では、検索が概念の場合、複数のタスクを伴うことになります。 検索 日 週 月 リマインダ タスク スケジュール 概念 目的 編集 検索 カレンダー 検索 フィルタ 作成 予定 このようなリストを作成すると、各カテゴリの中でアイテム同士に何らかの関連性があることに気づくはずです。 これは、関連する目的、タスク、概念を階層構造にグループ化し、ユーザに対してどのように表示されるのかを わかりやすくまとめるのに役立ちます。 クイックヒント:Retinaディスプレイ iPhone 4のRetinaディスプレイでは、アートワークや アイコンを高解像度で表示できます。既存のアートワークを 単に拡大しただけでは、ユーザが期待する美しくて目を 引くような画像を提供する機会を失うことになります。 既存の画像リソースを作り直し、大きくて高品質で、 質感に優れ、細部までこだわった、よりリアルなものに 仕上げましょう。

(14)

上から下に考える 最もよく使う要素は、一般的には最上位レベルの要素になります。このような要素は、最も見やすく手が届きや すい、スクリーンの最上部付近に配置します。ユーザはスクリーンの情報を上から下に向かって読み取るため、 以下の条件に従った順序で要素を配置してください。 • 使用頻度:最もよく使う要素は上に、あまり使わない要素は下に配置します。 • ユーザにとっての重要度:重要な要素ほど上に配置します。 • ビジュアルによる強調:デザインの中で目立たせたい要素ほど上に配置します。 アプリケーションの中で表示する情報についても、同じことが言えます。より全般的な情報ほど上に配置し、 具体的な情報ほど下に配置しましょう。

最適化する

優れたデザインとは、繰り返しのプロセスから生まれます。インターフェイスデザインの概念を早い段階、つまり コードを記述する前から練り直していくほど、最終的な結果も優れたものになります。 また、対象となるユーザやデバイスに合わせてデザインを最適化することも重要です。秀作と呼ばれるアプリケー ションでは、デバイス独自の特性によって変化するユーザとの対話の概念が考慮されています。アプリケーション の最適化とは、最終的な成果物がユーザにとって使いやすいものになるように、このような概念を練り直し、反 復する作業にほかなりません。 繰り返し考える 良いアプリケーションを作成するには、しっかりとした設計図が欠かせません。まずはラフスケッチを描き、繰り 返しアイデアを練り直す作業から始めましょう。繰り返し考える中で、ユーザがアプリケーションと対話を行う方 法について新しい発見をしたり、新しいアイデアを組み込むことができるようになるでしょう。これらはすべて、 実際の開発作業において時間も予算もリソースも消費するわけではありません。アプリケーション全体のフロー を最初から最後まで想像し、スケッチしてみましょう。デザインから生まれる機能性だけでなく、ユーザエクスペ リエンス全体の感触をつかめるはずです。 クイックヒント:アプリケーションのスケッチ 紙の上で繰り返し練り直してみ ましょう。デザインのビジョン をはっきりと目に見える形で表 現する最適な方法は、デザイン プロセスの早い段階でラフス ケッチを描いてみることです。 これにより、コード開発に無駄 なコストをかけることなく、デザ インを具体化し、練り直すこと ができます。オンラインでは、 簡単なスケッチをきれいに仕上 げるための便利なテンプレート を入手できます。 アプリケーションを使って繰り返し練り直してみましょう。App Storeには、

iMockupやApp Layoutなどのアプリケーションが用意されています。このような アプリケーションを使えば、標準コントロールやビューを使用して、iOS用ユーザ インターフェイスのモックアップを作成できます。

(15)

iPad

iPhone

iPhoneとiPadの両方で動作するアプリケーションを開発する場合は、それぞれのデバイスに合わせたデザイン にしなければなりません。個別のUI要素のほとんどは、すべてのデバイスで使用できます。しかし、全体的なレ イアウトは大幅に異なる場合がほとんどです。例えば、ユーザには、iPhone用アプリケーションよりもiPad用ア プリケーションのほうに忠実性の高いアートワークを求める傾向があります。iPadのスクリーンに合わせて、 iPhone用アプリケーションを単純に拡大するような作り方はお勧めしません。iPad用アプリケーションを作成す る場合は、その大画面と機能を十分に発揮して、ユーザの期待に応えなければなりません。また、iPhone 4に はRetinaディスプレイが搭載されており、高解像度グラフィックスに対応しています。つまり、アートワークの解 像度を上げる必要があるということを念頭に置いてください。さらに、使えるジェスチャーの種類や、スクリーン の回転を処理する方法も異なります。対応するUI要素にも、デバイスごとの違いがある点に注意してください。 例えば、ポップオーバーコントローラやスプリットビューコントローラは、iPad独自のUI要素です。

Universal

アプリケーション

iOS SDKは、Universalアプリケーションの開発に対応しています。Universalアプリケーションは、すべてのiOS デバイスで動作するように最適化されています。原則として、iPhone用アプリケーションもiPad用アプリケーショ ンも同じバイナリです。 Universalアプリケーションは、実行するデバイスを判断して、そのデバイスに適したエクスペリエンスを提供し ます。優れたデザインのUniversalアプリケーションとは、デバイス独自のハードウェア機能を活用し、適切なユー ザインターフェイス要素を提供し、そのデバイスに対応した機能だけを使ったアプリケーションです。 iOS用Universalアプリケーションをデザインする場合は、ユーザの対話とその基礎となるアプリケーションコー ドをどのように切り離すか考えることが重要です。iOS SDKのクラスとAPIでは、モデルビューコントローラ(MVC) の概念が取り入れられているため、アプリケーションのデータとロジックを、そのデータの表示に使用するビュー と明確に分けることが推奨されます。例えば、Interface Builderを使用してUIを作成することで、プロジェクト にこのような柔軟性が生まれます。これについては、次の章を参照してください。

Universalアプリケーションを作成する最初の手順は、iPadデバイスとiPhone/iPodタッチデバイスそれぞれの フォームファクタ用に、ユーザインターフェイスのデザインを作成することです。デザインの多くは、各フォームファ クタに取り入れる機能によって影響を受けます。ユーザがそれぞれ異なる向きやジェスチャーで使用する可能性 について考えてみましょう。また、カメラなど、各デバイスのハードウェア機能についても考慮してください。ユー ザにおけるデバイスの使い方の違いを考えることで、それぞれに一貫したデザインを提供するアプローチや、どの 部分に条件に応じたコーディングを使うべきかがわかるはずです。

iPad

は、文字通り広いスペースを提供してくれるデバイス

です。これこそが、われわれが有効に活用すべき点であり、

重要な点なのです。すべて

3

倍の大きさにしたり、ピクセル

数を増やせばいいというものではありません。スペースを

適切に使えるかどうか。この点が重要なのです。

iPhone

アプリケーションを

iPad

用に移植する時は、その点を考え

直します。おそらく、中心となる機能の

60

パーセントは

そのままでしょう。でも、そのほかの部分はどうするか?

どうすれば、もっと使いやすく、クリックの回数を減らして、

すべての情報を確認するために必要な画面数を減らせるの

か?そういう風に考えるんです」

(16)

アクセシビリティ ビジネス環境では、すべてのユーザが、モバイルツールやモバイルテクノロジーに同じようにアクセスできること が重要です。iOSには、すぐに使える複数の機能が用意されており、デバイスのアクセシビリティや誰にとっても 使いやすい環境を実現することができます。ただし、視覚、聴覚、身体に障がいを持つユーザにとって使いやす いアプリケーションになるように、社内向けアプリケーションのアクセシビリティを最適化することも忘れてはなり ません。

iOSには、UI Accessibilityプログラミングインターフェイスが用意されています。これは軽量なAPIであり、視覚 に障がいを持つユーザがアプリケーションを使えるように、VoiceOverによる読み上げが必要なインターフェイス に関するすべての情報を提供します。UI Accessibilityプログラミングインターフェイスを使用することで、機能の シンレイヤを追加することができます。これにより、アプリケーションの外観が変わってしまったり、主要なロジッ クに干渉したりすることはありません。つまり、標準的なコントロールやビューを使用する場合は、アプリケーショ ンのアクセシビリティを確保する作業の大半は完了していることになります。アプリケーションのカスタマイズのレ ベルによっては、アクセシビリティを確保する作業が、アクセスできるユーザインターフェイス要素について正確 で有用な説明を提供する作業と同じくらいシンプルになる場合もあります。 iOS SDKには、アプリケーションのアクセシビリティを確保するのに役立つ以下のツールも用意されています。

• Interface Builderのインスペクタウインドウを使用することで、nibファイルをデザインしながら、説明的なアクセ シビリティ情報を容易に提供することができます。 • Accessibility Inspectorには、アプリケーションのユーザインターフェイスに埋め込まれたアクセシビリティ情報 が表示され、iOS Simulatorでアプリケーションを実行する時に、その情報を確認することができます。 また、VoiceOver自体を使って、アプリケーションのアクセシビリティをテストすることもできます。

次のステップ

実践事例によってUIデザインの基礎が固まれば、プロジェクトの開発段階に進む準備が整ったといえます。ただ し、計画の章で説明したように、デザインとは繰り返しのプロセスであり、アプリケーション開発のライフサイク ル全体を通して続くものです。開発チームがコードの記述を開始した後でも、ユーザエクスペリエンスに重点を 置いた優れたデザインの実現を意識してプロジェクトを進める必要があります。次の章で説明するツールセットと 概念は、そのような方針に役立つものとなるでしょう。信頼性の高いコードを作成しながら、優れたデザインの アプリケーションをユーザに提供することができるはずです。 クイックヒント:VoiceOverに対応したアプリケーションの作成 iOSアプリケーションをVoiceOverユーザ からもアクセスできるようにすることは、 正しい選択肢といえるでしょう。様々な自 治体が定めるアクセシビリティのガイドラ インへの対処にも役立ちます。 VoiceOverユーザがアプリケーションを使 えるようにするために、何らかの方法でイ ンターフェイスの視覚的なデザインを 変更する必要はありません。標準的な要 素を使用する場合、必要となる追加作業 はほとんどありません。 ただし、場合によっては、ユーザインターフェイスのビューとコントロールに関する 何らかの説明的な情報を提供する必要があります。VoiceOverがアプリケーション を正確に説明できるようにするためには、ユーザインターフェイスを多くカスタマイ ズするほど、提供しなければならないカスタム情報が多くなります。

(17)

iOSを使えば、シンプルでありながらパワフルな新しい方法で、コンテンツや情報を提供できます。従業員の 生産性を向上させるのに役立つことでしょう。iOS SDKを利用することで、あなたの開発チームでも、Appleの エンジニアがOSの開発やiPhoneとiPadに付属するアプリケーションの作成に使っているツールと同じものを使 用することができます。これにより、外観や使用感に優れ、ユーザへの応答もエレガントにこなし、作業効率を 最大限に高めてくれるアプリケーションを作成できるようになります。 iOSの各ツールを使用することで、プラットフォームの利点を最大限に生かせるハイレベルなフレームワークを 活用できます。ここでは、社内での開発に欠かせない各種APIについて説明し、その機能を社内向けアプリケーショ ンに組み込むアイデアを提供します。また、HTML5、CSS、JavaScriptを使用して、ウェブテクノロジーを活用 する方法についても説明します。適切なセキュリティ機能をソリューションに組み込むことで、これらのテクノロ ジーが相互に連携しあい、様々なビジネスニーズに応える強力で安全な基盤が構築されます。 最後に、開発したアプリケーションをユーザに配布する前に、ひととおりテストを実行してデバッグを行う必要が あります。また、様々なデバイスでパフォーマンスを検証する必要もあるでしょう。ここでは、このようなタスク の実行にiOSのツールがどのように役立つかについて説明し、アプリケーションが意図したように動作することを 確認するための実践事例を提案します。

ネイティブ開発

社内開発については、アプリケーションデザインを頭に描き、デバイスの機能を最大限に活用し、きちんと整理 された効率的な環境でそれを実現することがすべてです。iOS SDKには、アプリケーションのコーディング、ビルド、 デバッグ用のIDEとしてXcodeが、UIの作成用にInterface Builderが、動作やパフォーマンスの分析用に

Instrumentsがそれぞれ用意されているほか、様々な各種ツールが含まれています。

Xcodeは、開発工程のハブとしての役割を果たします。Xcodeを使えば、コードを記述できるだけで

なく、リアルタイムな静的分析を実行したり、デバイス上でのデバッグをすぐに実行したりできます。

Interface Builderを使えば、アプリケーションの試作品を簡単に作成できます。必要な操作は、

各要素をユーザインターフェイスにドラッグするだけです。コードを記述する必要はありません。 Xcode 4では、Interface BuilderがXcode IDEに緊密に統合されています。

Instrumentsは、ディスクやメモリ、CPUなどの使用量をリアルタイムで収集して表示します。これに より、問題の種類を簡単に絞り込むことができます。 Simulatorは、開発したアプリケーションをiOSデバイスと同じ方法で実行します。そのため、記述

開発

開発チェックリスト 開発段階の終了までに、以下のことについて基本的な知識を持っておく 必要があります。

Xcode、Interface Builder、Instruments、Simulatorなど、iOS SDKのツール群 企業の社内向けアプリケーション開発で使用する主要なAPIとフレームワーク ウェブアプリケーション開発 バックオフィスシステムのデータへのアクセスに使用するiOSアーキテクチャ 社内向けアプリケーションのセキュリティを確保する実践事例 アプリケーションのテスト、デバッグ、パフォーマンスの検証

「チームとしての感想は、

SDK

Xcode

が素晴らしい

プログラミングツールだということです。

Mac

のバック

グラウンドを持たないデベロッパにとっても、非常に

使いやすいツールです」

(18)

社内開発に不可欠な

API

あなたがアプリケーションに組み込もうとしている機能は、どのようなものでしょうか。iOS SDKには、そのよう なアプリケーション機能のほとんどを記述する時に役立つツール群が用意されています。このようなツールの多く にはサンプルコードやリソースも含まれているため、すぐに使うことができます。ここでは、iOS SDKに用意され た数あるAPIの中でも、ほんの一部だけご紹介いたします。少し読んでいただければ、様々な機能を社内向け アプリケーションに簡単に組み込めることがわかり、さらにイメージを膨らませることができるかもしれません。 マルチタスキング。デベロッパは、7つのマルチタスキングサービスにアクセスできます。これにより、 パフォーマンスとバッテリー駆動時間を保ちながら、バックグラウンドでタスクを実行することができ ます。このようなタスクとして、Voice over IP、バックグラウンドオーディオ、バックグラウンドの位 置情報サービス、プッシュ通知とローカル通知、タスクの完了、高速アプリケーション切り替えなど が挙げられます。

プッシュ通知。Apple Push Notificationサービスは、アプリケーションが実行していない時でも、ユー ザに新しい情報があることを通知する手段を提供します。このサービスを使用することで、テキスト通 知を送信したり、音声アラートを発生させたり、アプリケーションアイコンに番号のバッジを追加した りできます。 アクセサリ。アプリケーションは、30ピンのDockコネクタか、Bluetoothを使用したワイヤレスを 経由してアクセサリと通信できます。外部センサーからデータを取得するだけでなく、高度なマルチ タッチインターフェイスを使用してアクセサリを制御するアプリケーションを作成することもできます。 例えば、バーコードリーダーに対応した在庫管理アプリケーションや、接続されている心拍数モニタ の読み取り値を記録し、追跡するアプリケーションなどの用途が考えられるでしょう。また、独自の カスタムプロトコルを作成して、アプリケーションとデータやコマンドを交換することもできます。アク セサリをiOSアプリケーションに対応させる方法については、http://developer.apple.com/jp/ programs/mfiにアクセスして、MFiライセンスプログラムの説明を参照してください。 位置情報サービス。デバイスの現在の緯度と経度を特定し、位置関連のイベントの発生をスケジュー ルするには、Core Locationフレームワークを使用します。このフレームワークは、付近の信号情報 に基づき、利用できるハードウェアを使用してユーザの位置を三角測量します。iOSでは、MapKit APIによってマッピング機能が拡張されています。MapKitは、パンやズーム、カスタムアノテーション、 現在位置の表示に対応しているほか、地図上の領域を強調表示するジオコーディングや追加情報の 表示にも対応しています。 Xcodeは、開発工程のハブとしての役割を果たします。コードを記述できるだけでなく、 リアルタイムな静的分析を実行したり、デバイス上でのデバッグをすぐに実行したりできます。

(19)

共有データの統合。iOSには、アプリケーション間で情報を共有するためのパワフルな接続オプショ ンが用意されています。URLベースの構文を使って、ウェブからデータにアクセスできるだけなく、 Mailやカレンダー、連絡先など、インストールされているほかのアプリケーションでアクションを発生 させることもできます。また、アプリケーションで独自のURLスキームを宣言できるため、ほかのアプ リケーションから独自に開発したアプリケーションを起動することもできます。

• Mail。iOSでは、独自に作成したアプリケーションから、標準のMailやSMSを組み込んだインター フェイスを表示できます。どちらの場合も、受信者や送信内容をプログラムで事前に設定すること ができます。ユーザは、これらの項目を編集してから送信できます。送信されるメールやSMSメッセー ジは、システムのメールキューやメッセージキューによって自動的に処理されます。 連絡先。共有データでアドレスブックAPIを使用すれば、独自に作成したアプリケーションで新しい 連絡先を作成したり、既存の連絡先情報を取得したりできます。内蔵の連絡先リストにアクセスす ることで、ユーザは連絡先や勤務先住所をアプリケーションのタスクやプロセスに関連づけることが できます。

カレンダー。Event Kitを使用すれば、iOSアプリケーションが、ユーザのカレンダーデータベース のイベント情報にアクセスできるようになります。日付範囲または独自の識別子に基づいてイベント をフェッチし、イベントレコードが変更された場合は通知を受け取ります。また、ユーザは、各自の カレンダーについてイベントを作成したり、編集したりできます。Event Kitを使ってユーザのカレン ダーデータベースのイベントに加えられた変更は、CalDAVやExchangeサーバでホストされている ビジネスカレンダーなど、該当するカレンダーと自動的にシンクされます。 写真。UIKitでは、ユーザのフォトライブラリへのアクセスが提供されます。フォトピッカーインターフェ イスには、ユーザのフォトライブラリを操作し、画像を選択してアプリケーションに戻るためのコン トロールが用意されています。また、ユーザによる編集用のコントロールを有効にすることもできます。 このコントロールを使用して、ユーザは選択した画像をパンしたり、切り取ったりできます。このコ ントロールはカメラにインターフェイスを提供する目的で使用することもできるため、撮った写真を そのままアプリケーションに読み込むことができます。 オーディオとビデオ。iOS SDKのマルチメディアテクノロジーを使えば、独自に開発したアプリケーショ ンに、高度なオーディオ&ビデオ機能を導入することができます。メディアプレイヤフレームワークは、 ビデオファイルのフルスクリーン再生に対応しているほか、HTTPライブストリーミングに標準で対応 しているため、標準的なウェブサーバを使った高品質なオーディオ&ビデオコンテンツのストリーミン グをワイヤレスで簡単に実現できます。また、Core Audioを利用すれば、独自のアプリケーションで オーディオを生成、録音、ミキシング、処理、再生することもできます。ユーザインターフェイスに、 Core Animation

Interface BuilderはXcode 4 IDEに緊密に統合されており、アプリケーションの試作品を 簡単に作成できます。必要な操作は、各要素をユーザインターフェイスにドラッグするだけ です。コードを記述する必要はありません。

参照

関連したドキュメント

「第 3 章 SAS/ACCESS Interface to R/3 のインストール」では、SAS/ACCESS Interface to R/3 のインストールについて順を追って説明します。SAS Data Surveyor for

携帯端末が iPhone および iPad などの場合は App Store から、 Android 端末の場合は Google Play TM から「 GENNECT Cross 」を検索します。 GENNECT

 ESET PROTECT から iOS 端末にポリシーを配布しても Safari の Cookie の設定 を正しく変更できない現象について. 本製品で iOS

メモ  : 権利の詳細な管理は、 BlackBerry WorkspacesEnterprise ES モード BlackBerry Workspaces およ. び Enterprise ES ( 制限付きフルアクセス )

サーバー API 複雑化 iOS&Android 間で複雑な API

Cisco IOS ® XE ソフトウェアを搭載する Cisco ® 1000 シリーズ

えて リア 会を設 したのです そして、 リア で 会を開 して、そこに 者を 込 ような仕 けをしました そして 会を必 開 して、オブザーバーにも必 の けをし ます

従来から iOS(iPhone など)はアプリケーションでの電話 API(Application Program