DP
RIETI Discussion Paper Series 11-J-050
派遣労働者の生活と就業−RIETI アンケート調査から
大竹 文雄
大阪大学
奥平 寛子
岡山大学
久米 功一
名古屋商科大学
鶴 光太郎
経済産業研究所
独立行政法人経済産業研究所 http://www.rieti.go.jp/jp/1
RIETI Discussion Paper Series 11-J-050 2011 年 4 月
派 遣 労 働 者 の 生 活 と 就 業 -
RIETI アンケート調査から
大 竹 文 雄*(大 阪 大 学 ) 奥 平 寛 子†(岡 山 大 学 ) 久 米 功 一‡(名 古 屋 商 科 大 学 ) 鶴 光 太 郎(経 済 産 業 研 究 所 ) 要 旨 本 稿 で は 、非 正 規 労 働 者( 派 遣 労 働 者 中 心 )を 主 た る 対 象 と し て 実 施 さ れ た Web ア ン ケー ト 調 査( RIETI「 派 遣 労 働 者の 生 活 と 求職 行 動 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 」) に 基 づ き 、 派 遣 労 働 者 を パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 、 契 約 社 員 と 比 較 し な が ら 、 そ の 属 性 、 就 業 ・ 生 活 実 態 、 就 業 形 態 の 変 化 な ど に つ い て 分 析 し た 。そ の 結 果 、製 造 業 派 遣 労 働 者 や 契 約 社 員 は 、家 計 支 持 者 で あ り 、正 社 員 を 望 み な が ら や む を 得 ず 非 正 規 雇 用 に 就 業 し て い る「 非 自 発 的 」非 正 規 労 働 者 が 多 い 一 方 、パ ー ト・ア ル バ イ ト は 主 婦 で 家 計 の 補 助 、自 分 の 都 合 に 合 わ せ て 働 き 方 を 選 ん で い る「 自 発 的 」非 正 規 労 働 者 が 少 な く な く 、満 足 度 や 幸 福 度 も 高 め で あ っ た 。ま た 、日 雇 い 派 遣 、製 造 業 派 遣 は 同 じ 雇 用 形 態 に 留 ま る 定 着 率 も 低 く 、今 回 の 経 済 危 機 で も 他 の 雇 用 形 態 に 比 べ マ イ ナ ス の 影 響 を よ り 強 く 受 け た 。 RIETI ディスカッション・ペーパーは、専門論文の形式でまとめられた研究成果を公開し、活発な 議論を喚起することを目的としています。論文に述べられている見解は執筆者個人の責任で発表する ものであり、(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。 * 大 阪 大 学 社 会 経 済 研 究 所 教 授 † 岡 山 大 学 大 学 院 社 会 文 化 科 学 研 究 科 准 教 授 ‡ 名 古 屋 商 科 大 学 経 済 学 部 准 教 授2 1 ア ン ケ ー ト 調 査 の 目 的 9 0 年 代 以 降 の 着 実 な 増 加 で 非 正 規 労 働 者 は 既 に 雇 用 者 の 三 分 の 一 を 占 め 、 正 規 労 働 者 と の 格 差 や 労 働 市 場 の 二 極 化 が 大 き な 問 題 と な っ て い る 。 特 に 、 ネ ッ ト 難 民 や ワ ー キ ン グ ・ プ ア の 実 態 が メ デ ィ ア に よ っ て 報 道 さ れ て 以 降 、 こ う し た 労 働 者 の 就 業 状 態 を 改 善 す る た め の 議 論 が 活 発 に な っ て い る 。と り わ け 、2008 年 秋 の 経 済 危 機 後 に 発 生 し た 「 派 遣 切 り 」 と 呼 ば れ る 雇 止 め を き っ か け に 、 派 遣 労 働 へ の 規 制 強 化 が 議 論 さ れ 、 法 案 化 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 そ う し た 政 策 バ ッ ク ボ ー ン と な る べ き 各 種 派 遣 労 働 者 の 属 性 、 就 業 ・ 生 活 実 態 な ど に つ い て は 、 デ ー タ の 制 約 等 か ら 必 ず し も 明 ら か と な っ て い な い4。労 働 市 場 の 二 極 化 の 解 消 や 格 差 是 正 に 向 け て 、派 遣 労 働 者 を 始 め と す る 非 正 規 労 働 者 に つ い て の 包 括 的 な 実 態 調 査 及 び 分 析 は 重 要 な 政 策 イ ン プ リ ケ ー シ ョ ン を 持 つ は ず で あ る 。 ( 独 ) 経 済 産 業 研 究 所(RIETI)で は 、 日 雇 派 遣 労 働 者 、 製 造 業 派 遣 労 働 者 、 そ の 他 の 登 録 型 派 遣 労 働 者 等 を 含 む 非 正 規 労 働 者 を 主 な 対 象 と し て 、4 回 に わ た る Web 追 跡 調 査 「 派 遣 労 働 者 の 生 活 と 求 職 行 動 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 ( 以 下 、 「RIETI ア ン ケ ー ト 調 査 」( 委 託 先 : 株 式 会 社 イ ン テ ー ジ ) を 実 施 し て 、 彼 ら の 属 性 、就 業・生 活 状 況 や 就 業 形 態 の 変 化 に つ い て デ ー タ を 収 集 し て 分 析 し た5。本 稿 は 、 こ の ア ン ケ ー ト 調 査 に 基 づ き 、 派 遣 労 働 者 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 、 契 約 社 員 の 雇 用 形 態 や 雇 用 契 約 期 間 の 違 い に 着 目 し て 、彼 ら の 勤 務 や 生 活 の 実 態 、 4 な お 、 日 本 に お け る 派 遣 労 働 者 の 調 査 例 と し て 、 厚 生 労 働 省( 2007)「 日 雇 い 派 遣 労 働 者 の 実 態 に 関 す る 調 査 」、 厚 生 労 働 省( 2008 年 )「 派 遣 労 働 者 実 態 調 査 」、 厚 生 労 働 省( 2009 年 ) 「 有 期 労 働 契 約 に 関 す る 実 態 調 査 ( 個 人 調 査 )」 、 東 京 大 学 社 会 科 学 研 究 所 ( 2010 年 )「 請 負 社 員 ・ 派 遣 社 員 の 働 き 方 と キ ャ リ ア に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 」 、 地 方 自 治 体 に よ る 調 査 例 で は 、 東 京 都 産 業 労 働 局 ( 2009 年 )「 派 遣 労 働 に 関 す る 実 態 調 査 」 、 新 潟 県 産 業 労 働 観 光 部 労 政 雇 用 課( 2008 年 )「 派 遣 労 働 者 の 意 識 ア ン ケ ー ト 調 査 」、 団 体 ・ NPO 法 人 に よ る 調 査 で は 、 連 合 ・ 非 正 規 労 働 セ ン タ ー( 2008)「 派 遣 等 労 働 者 生 活 ア ン ケ ー ト 」、 NPO 法 人 派 遣 労 働 ネ ッ ト ワ ー ク ( 2008)「 2008 年 派 遣 ス タ ッ フ ア ン ケ ー ト 」 等 が あ る 。 こ れ ら の 調 査 の 多 く は 、 事 業 所 や 派 遣 会 社 を 通 じ て 労 働 者 本 人 に 回 答 依 頼 し た も の で あ り 、 職 務 タ イ プ ( 正 社 員 と の 比 較 、 技 能 水 準 等 ) に よ る 分 析 や 派 遣 労 働 者 の 実 態 ( 時 給 、 労 働 時 間 等 ) の 把 握 に 主 眼 を お い て い る 。 こ れ に 対 し て 、「 RIETI ア ン ケ ー ト 調 査 」 は 、 派 遣 労 働 者 を は じ め と す る 非 正 規 雇 用 労 働 者 の 雇 用 形 態 や 契 約 期 間 の 違 い 、 労 働 者 個 人 の 特 性 、 主 観 的 な 幸 福 度 等 に つ い て 、 労 働 者 自 身 に 直 接 質 問 し て 、 同 一 個 人 を 複 数 時 点 で 継 続 的 に 調 査 し て い る 点 に 特 長 が あ る 。 5 「 RIETI ア ン ケ ー ト 調 査 」の 詳 細 は 、経 済 産 業 研 究 所 ホ ー ム ペ ー ジ http://www.rieti.go.jp/jp/ projects/research_activity/temporary-worker/01.html を 参 照 さ れ た い 。
3 就 業 理 由 や 正 社 員 の 希 望 の 有 無 、 満 足 度 や 幸 福 度 、 過 去 の 雇 用 形 態 の 変 化 を 分 析 し 、 そ の 政 策 的 な イ ン プ リ ケ ー シ ョ ン を 考 え て み た い 。 2 「RIETI ア ン ケ ー ト 調 査 」 の サ ン プ ル 及 び 手 法 「RIETI ア ン ケ ート 調 査」で は、当 初、派 遣 労 働 者の 中 で も 日雇 い 派 遣 労働 者 を 主 た る グ ル ー プ と し て 、 そ の 比 較 グ ル ー プ か ら な る サ ン プ ル を 想 定 し た 上 で 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 会 社 が 保 有 す る 登 録 モ ニ タ ー か ら 、 全 国 の 年 齢 18 歳 以上 の 男 女 で 安 定 し た 職 に つ い て い な い 人 を 無 作 為 に 抽 出 し た6。雇 用 形 態 別 に 、① 日 雇 い 派 遣 労 働 者 、 ② 製 造 業 派 遣 、 ③ そ の 他 登 録 型 派 遣 、 ④ 雇 用 契 約 期 間 1 か 月 未 満 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 、 ⑤ 雇 用 契 約 期 間 1 か 月 以 上 のパ ー ト・ア ル バ イ ト、⑥ 雇 用 契 約 期 間 の 定 め の な い パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 、 ⑦ 契 約 社 員 、 ⑧ 失 業 、 ⑨ 自 由 業 ・ フ リ ー ラ ン ス ・ 内 職 ・ 個 人 請 負 の 9 つ の グル ー プ に 分類 さ れ る7。2009 年 1 月 に 第 1 回 本 調 査 を 実 施し た 。 第 1 回 調 査 で の回 答 者 を 対象 と し て 、6 か 月 お きに 追 跡 調 査 を 行 い 、 先 月 1 か 月 間 の 就 業 状 態 や 生 活 状 況 に つ い て 質 問 し た8。 Web ア ン ケ ー ト の特 性 を 活 かし て 、 第 1 回 調 査 で は約 2000 人 、 第 2 回 以 降は 約 1000 人 の 情 報 を収 集 で き た時 点 で 調 査を 終 了 す るこ と と し た。そ の 結 果、ア ン ケ ー ト 調 査 と 雇 用 形 態 別 の サ ン プ ル 数 は 表 1 の 通 り とな っ た 。第 1 回 調 査 では 、日 雇 い 派 遣 労 働 者 グ ル ー プ を 主 と す る 派 遣 労 働 者 が 約 50% を 占め た が 、ア ンケ ー ト 6 安 定 し た 職 に つ い て い な い 人 と は 、 次 の 条 件 「 学 生 で は な い 」「 主 婦 ま た は 主 夫 で は な い 」 「 正 社 員 で は な い 」「 退 職 ・ 引 退 し て い な い 」 を す べ て 満 た す 人 で あ る 。 7 詳 細 は 次 の 通 り で あ る 。 日 雇 い 派 遣 労 働 者 : 就 業 状 態 が「 派 遣 労 働 者( 1 日 ご と の 有 期 雇 用 が 中 心 )」で あ り 、 か つ 、 派 遣 形 態 を「 派 遣 会 社 に 登 録 を し て お り 、 派 遣 の 度 に 派 遣 期 間 だ け の 労 働 契 約 を 結 ん で い る 」ま た は「 分 か ら な い 」と 回 答 し た 人 。 製 造 業 派 遣 : 就 業 状 態 が「 派 遣 労 働 者 ( 1 か 月 以 上 の 有 期 雇 用 が 中 心 )」 で あ り 、 か つ 、 「 製 品 の 製 造 や 加 工 業 務 」 を 行 っ て い た 人 。 そ の 他 登 録 型 派 遣 : 就 業 状 態 が 「 派 遣 労 働 者 ( 1 か 月 以 上 の 有 期 雇 用 が 中 心 )」 で あ り 、 か つ 、 派 遣 形 態 を 「 派 遣 会 社 に 登 録 を し て お り 、 派 遣 の 度 に 派 遣 期 間 だ け の 労 働 契 約 を 結 ん で い る 」ま た は「 分 か ら な い 」と 回 答 し た 労 働 者 。 雇 用 契 約 期 間 1 か 月 未 満 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト : 就 業 形 態 に つ い て 「 派 遣 以 外 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト ( 1 日 ご と の 有 期 雇 用 が 中 心 )」ま た は「 派 遣 以 外 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト( 2 日 以 上 ~ 1 か 月 未 満 の 有 期 雇 用 が 中 心 )」と 回 答 し た 人 。 雇 用 契 約 期 間 1 か 月 以 上 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト : 就 業 形 態 に つ い て 「 派 遣 以 外 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト ( 1 か 月 以 上 の 有 期 雇 用 が 中 心 )」 と 回 答 し た 人 。 雇 用 契 約 期 間 の 定 め の な い パ ー ト ・ ア ル バ イ ト : 就 業 形 態 に つ い て 「 派 遣 以 外 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト ( 雇 用 期 間 の 定 め な し )」 と 回 答 し た 人 。 失 業 : 就 業 形 態 に つ い て 「 無 業 ( 仕 事 を 探 し て い る )」 と 回 答 し た 人 。 自 由 業 : 就 業 形 態 に つ い て 「 自 由 業 ・ フ リ ー ラ ン ス ・ 内 職 ・ 個 人 請 負 」 と 回 答 し た 人 。 8 2008 年 12 月 に 予 備 調 査 を 行 い 、 登 録 モ ニ タ ー の 利 用 可 能 性 を 確 認 し た 後 、 本 調 査 を 実 施 し た 。 本 調 査 の 調 査 時 点 は 、2009 年 1 月 末 、 7 月 末 、 2010 年 1 月 末 、 7 月 末 で あ り 、 そ れ ぞ れ2008 年 12 月 、 2009 年 6 月 、 12 月 、 2010 年 6 月 末 の 状 態 を 質 問 し た 。
4 回 収 の 全 体 数 を 減 ら し た 第 2 回 調 査 以 降は 、派 遣 労働 者 の 割 合 は 25% 程 度 と な り、 正 社 員 等 の 安 定 し た 職 に 移 動 す る 労 働 者 が い た こ と が 確 認 さ れ た 。 度数 (人) 比率 (%) 度数 (人) 比率 (%) 度数 (人) 比率 (%) 度数 (人) 比率 (%) 合計 2028 100.0 1391 100.0 1014 100.0 1049 100.0 日雇い派遣労働者 522 25.7 130 9.3 95 9.4 72 6.9 製造業派遣労働者 133 6.6 44 3.2 30 3.0 22 2.1 その他の登録型派遣労働者 418 20.6 265 19.1 166 16.4 158 15.1 1日+1か月未満のパート・アルバイト 209 10.3 45 3.2 33 3.3 37 3.5 1か月以上のパート・アルバイト 165 8.1 152 10.9 127 12.5 140 13.4 期間の定めのないパート・アルバイト 141 7.0 164 11.8 125 12.3 120 11.4 契約社員 139 6.9 144 10.4 110 10.9 120 11.4 失業者 204 10.1 153 11.0 108 1.7 94 9.0 自由業 97 4.8 65 4.7 52 5.1 57 5.4 正社員 62 4.5 57 5.6 75 7.2 期間の定めのない派遣労働者 37 2.7 28 2.8 25 2.4 自営業 17 1.2 17 1.7 20 1.9 その他 113 8.1 66 6.5 109 10.4 男性 606 29.9 439 31.6 313 30.9 339 32.3 女性 1422 70.1 952 68.4 701 69.1 710 67.7 第3回調査 (2009.12時点) 第4回調査 (2010.6時点) 第1回調査 (2008.12時点) 第2回調査 (2009.6時点) 3 雇 用 形 態 別 の 特 徴 本 節 で は 、 雇 用 形 態 別 に み た 非 正 規 労 働 者 の 属 性 に つ い て 、 ア ン ケ ー ト 結 果 を 用 い て 整 理 す る 。 具 体 的 に は 、 第 1 回調 査 ( 2008 年 12 月) と 第 4 回 調 査 ( 2010 年 6 月 )の 二 時 点を 比 較 す る。比 較 に あた っ て、転 職 等 に よ って グ ル ー プを 構 成 す る サ ン プ ル の 入 れ 替 え を 考 慮 す る 必 要 が あ る が 、 こ こ で は 、 単 純 に 、 各 調 査 時 点 で の グ ル ー プ の 平 均 値 を 用 い て 比 較 す る 。 以 下 、 派 遣 労 働 者 と パ ー ト ・ ア ル バ イ ト ・ 契 約 社 員 を 対 比 し て 、 基 本 属 性 、 労 働 条 件 ・ 待 遇 、 働 く 理 由 、 正 社 員 へ の 希 望 、 満 足 度 に 注 目 し な が ら 、 そ れ ぞ れ の 特 徴 を 検 討 し て み よ う 。 未 婚 比 率 が 高 い 派 遣 労 働 者 ア ン ケ ー ト 回 答 者 の 基 本 属 性 を み る と 、 第 1 回 調 査 時 点 で の 平 均 年 齢 は 38.1 歳 、 男 性 が 約 3 割 、 女 性 は 約 7 割 で あ る 。 非 正 規 労 働 者 は 通 常 、 女 性 の 割 合 が 高 く 、 そ の 他 登 録 型 派 遣 の 女 性 比 率 は 約 8 割 に 達 す る が 、 製 造 業 派 遣 で は 逆 に 男 性 比 率 の 方 が 高 く な っ て い る( 約 6 割 )。家 族 形 態 を み る と 、派 遣 労 働 者 の 既 婚 比 率 は 約 3 割 に 過 ぎ ず 、 日 雇 い 派 遣 は 親 と の 同 居 、 製 造 業 派 遣 や そ の 他 登 録 型 派 遣 は 単 身 世 帯 が 多 い( 図 1)。一 方 、1 か月 以 上 のパ ー ト・ア ルバ イ ト の女 性 比 率 は約 8 割 で あ り 、 既 婚 比 率 は 約 6 割 と 高 く 、 夫 婦 と 子 ど も の 世 帯 が 多 か っ た 。 こ の よ う に 派 遣 労 働 者 は 総 じ て 未 婚 比 率 が 高 い が 、 親 と 同 居 す る 日 雇 い 派 遣 、 男 表1 ア ン ケ ー ト 調 査 ( 4 回 分 ) と 雇 用 形 態
5 性 ・ 単 身 の 多 い 製 造 業 派 遣 、 女 性 比 率 の 高 い そ の 他 登 録 型 派 遣 と 多 種 多 様 で あ る の に 対 し て 、1 か 月 以 上 の パ ー ト・ア ル バ イ ト は 子 供 の い る 既 婚 女 性 が 多 か っ た 。 0.19 0.27 0.24 0.10 0.07 0.18 0.18 0.18 0.50 0.25 0.19 0.11 0.21 0.19 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 単身世帯(=1) 2008.12 2010.6 0.28 0.24 0.22 0.27 0.13 0.22 0.24 0.19 0.18 0.23 0.32 0.18 0.34 0.26 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 本人と親の世帯(=1) 2008.12 2010.6 0.18 0.14 0.22 0.14 0.21 0.15 0.16 0.28 0.18 0.18 0.16 0.19 0.17 0.16 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 夫婦のみの世帯(=1) 2008.12 2010.6 0.14 0.17 0.14 0.32 0.41 0.26 0.21 0.15 0.05 0.14 0.24 0.32 0.13 0.20 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 夫婦と子どもの世帯(=1) 2008.12 2010.6 相 対 的 に 労 働 時 間 が 長 く 収 入 が 高 い 製 造 業 派 遣 ・ 契 約 社 員 派 遣 労 働 者 ( そ の 他 登 録 型 派 遣 、 製 造 業 派 遣 ) や 契 約 社 員 の 勤 め 先 の 企 業 規 模 は 平 均 で 2 千 人 以 上 と 大 き く 、 雇 用 保 険 の 加 入 率 も 約 8 割 と 高 い ( 平 均 加 入 率 は 55% )。一 月 あ たり の 平 均 労働 日 数 は、契 約 社 員、製 造 業 派 遣 は 20 日 前 後 の 労 働 日 数 で あ る が 、 日 雇 い 派 遣 は 12~ 14 日 と 短 い 。週 当 た り の平 均 労 働 時間 は 製 造 業 派 遣 が 最 も 長 く(38.9 時 間 )、 契 約 社員 、 そ の 他派 遣 が こ れに 続 く 。 平均 通 勤 時 間 は 、 勤 務 先 が 変 わ る 日 雇 い 派 遣 労 働 が 最 も 長 く 、 約 46 分 であ る 。 平 均月 収 は 約 15 万 円 で あ り( 図 2)、 製 造 業 派遣 、 そ の 他登 録 型 派 遣、 契 約 社 員が 比 較 的 高 い 18~19 万 円 であ る 一 方 、日 雇 い 派 遣の 月 収 は 低く 、9~ 12 万 円 程 度 であ る 。こ の よ う に 、 製 造 業 派 遣 や 契 約 社 員 は 相 対 的 に 労 働 時 間 が 長 く 、 収 入 が 高 い こ と が わ か る 。 図1 家 族 形 態 ・ 雇 用 形 態 別
6 こ れ に 比 べ て 、 1 か 月 以 上 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト の 勤 務 先 の 企 業 規 模 は 約 1600 人 程 度 、雇 用 保 険 の 平 均 加 入 率 が 約 6 割 で あ り 、週 当 た り の 労 働 時 間 約 27 時 間 、 通 勤 時 間 約 30 分 、月 収 約 12 万 円 であ っ た 。つ まり 、パ ー ト・ア ル バイ ト 労 働 者 は 、製 造 業 派 遣 や 契 約 社 員 に 比 べ て 、雇 用 保 険 の 加 入 率 が 低 く 、収 入 も 少 な い が 、 労 働 時 間 や 通 勤 時 間 が 短 い 。 つ ま り 、 育 児 や 余 暇 等 そ の 他 の 活 動 の た め に 利 用 可 能 な 時 間 が 多 い 。 こ う し た 違 い は 、 以 下 で み る よ う に 働 い て い る 理 由 や 非 正 規 雇 用 を 選 択 し た 理 由 の 違 い を 反 映 し て い る と み ら れ る 。 12.1 19.1 18.7 10.2 12.4 18.4 14.8 9.1 19.0 18.4 11.7 11.7 17.8 14.5 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 月収(万円) 2008.12 2010.6 家 計 の 主 た る 稼 ぎ 手 で あ る 製 造 業 派 遣 、 契 約 社 員 働 い て い る 理 由 と し て 「 家 計 の 主 た る 稼 ぎ 手 と し て 、 生 活 を 維 持 す る た め 」 と 答 え た 比 率 、 つ ま り 、 家 計 支 持 者 比 率 を み る と 、 製 造 業 派 遣 、 契 約 社 員 で は 5 割 程 度 と 高 い 一 方 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト で は 2 割 程 度 と 低 い ( 図 3)。 0.33 0.53 0.41 0.22 0.21 0.50 0.31 0.25 0.68 0.47 0.22 0.22 0.50 0.31 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 家計支持者(=1) 2008.12 2010.6 非 自 発 的 な 選 択 で あ る 製 造 業 派 遣 、 そ の 他 登 録 型 派 遣 、 契 約 社 員 一 方 、 非 正 規 雇 用 選 択 の 理 由 を み る と 、 日 雇 い 派 遣 や パ ー ト ・ ア ル バ イ ト で は 、 図2 月 収 ・ 雇 用 形 態 別 図 3 家 計 支 持 者 比 率 ・ 雇 用 形 態 別
7 自 分 の 都 合 の 良 い 時 間 で 働 い た い か ら 、 製 造 業 派 遣 、 そ の 他 登 録 型 派 遣 、 契 約 社 員 は 、正 社 員 と し て 働 け な い か ら 、現 在 の 就 業 形 態 を 選 ん で い る 者 が 多 い( 図 4)。 53.3 10.5 26.1 51.2 42.4 19.4 66.2 12.5 28.7 51.3 41.8 12.9 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 自分の都合の良い時間(日)に働きたいから 2008.12 2010.6 24.7 7.5 13.2 32.1 32.7 8.6 36.5 4.2 16.5 28.2 26.2 10.5 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 勤務時間、日数が短いから 2008.12 2010.6 28.0 54.1 43.3 13.9 24.8 35.3 35.1 54.2 51.8 35.9 25.5 57.3 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 正社員として働ける会社がないから 2008.12 2010.6 22.0 29.3 21.3 12.9 7.3 16.5 20.3 29.2 23.8 20.5 12.8 15.3 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 自分の希望する職種では正社員として就職するのが 難しく、就職活動中の繫ぎの仕事として適当だから 2008.12 2010.6 さ ら に 、正 社 員 へ の 希 望 を み る と( 図 5)、製 造 業 派遣 、そ の 他登 録 型 派 遣 、契 約 社 員 の う ち 約 6 ~ 8 割 は 、 正 社 員 と し て の 就 職 を 希 望 し て い る 一 方 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト で は 正 社 員 へ の 希 望 は 相 対 的 に 低 い ( 3 ~ 5 割 程 度 )。 つ ま り 、 製 造 業 派 遣 、 そ の 他 登 録 型 派 遣 、 契 約 社 員 は 、 正 社 員 と し て の 職 を 見 つ け ら れ な か っ た が 、 正 社 員 へ の 希 望 を 持 つ 「 非 自 発 的 」 な 非 正 規 労 働 者 で あ る の に 対 し て 、 日 雇 い 派 遣 や パ ー ト ・ ア ル バ イ ト は 自 分 の 都 合 や 勤 務 時 間 ・ 日 数 の 好 み に 合 わ せ て そ の 雇 用 形 態 を 選 ん で い る 「 自 発 的 」 な 非 正 規 労 働 者 で あ る と い え る 。 図4 非 正 規 雇 用 選 択 の 理 由 ・ 雇 用 形 態 別
8 0.43 0.64 0.41 0.30 0.27 0.35 0.40 0.50 0.82 0.70 0.51 0.49 0.73 0.59 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 正社員への希望(あり=1) 2008.12 2010.6 安 定 し た 雇 用 、 正 社 員 並 み の 福 利 厚 生 ・ 昇 進 機 会 を 求 め る 派 遣 労 働 者 先 月 1 か 月 の 主 な勤 務 先 で 不満 を 質 問 した と こ ろ 、賃 金 が 安 いこ と 、雇 用が 不 安 定 な こ と へ の 不 満 が 雇 用 形 態 に か か わ ら ず 高 か っ た( 図 6)。賃 金 が 安 い こと に 対 す る 不 満 は 契 約 社 員 、 製 造 業 派 遣 で 相 対 的 に 高 い が 、 雇 用 の 不 安 定 に 関 す る 不 満 は 、 製 造 業 派 遣 や 日 雇 い 派 遣 で 特 に 大 き い 。 ま た 、 製 造 業 派 遣 、 そ の 他 登 録 型 派 遣 で は 、 福 利 厚 生 が 正 社 員 と 同 等 で は な い 、 昇 進 機 会 に 恵 ま れ な い と い う 不 満 が 多 い 。 一 方 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 で は 、 約 3 割 は 「 特 に 不 満 は な い 」 と 答 え て い る 。 図5 正 社 員 へ の 希 望
9 33.0 45.9 29.9 31.6 41.8 48.9 40.5 62.5 39.0 33.3 45.4 61.3 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 賃金が安い 2008.12 2010.6 39.5 51.1 32.1 23.9 13.9 19.4 45.9 50.0 38.4 46.2 21.3 39.5 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 雇用が不安定 2008.12 2010.6 12.8 30.1 25.6 11.0 18.8 15.8 12.2 33.3 26.8 12.8 15.6 26.6 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 福利厚生が正社員と同様の扱いではない 2008.12 2010.6 4.2 20.3 11.7 2.9 15.2 12.9 6.8 25.0 12.8 2.6 18.4 18.5 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 有給休暇がとりにくい 2008.12 2010.6 7.7 26.3 19.4 4.3 11.5 16.5 8.1 16.7 18.3 5.1 9.2 29.8 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 昇進機会に恵まれない 2008.12 2010.6 27.0 15.8 23.2 32.1 28.5 28.1 28.4 8.3 18.9 23.1 20.6 12.9 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 特に不満はない 2008.12 2010.6 全 般 的 な 幸 福 度 に つ い て は9、そ の 他 登 録 型 派 遣 、1 か 月 以 上 のパ ー ト・ア ル バ イ ト の 幸 福 度 が や や 高 い 。 総 じ て 、 派 遣 労 働 者 よ り も パ ー ト ・ ア ル バ イ ト の 方 が 、 ま た 、雇 用 契 約 期 間 が 長 い ほ ど 、幸 福 度 が 高 い と い え る( 図 7)。つ ま り 、派遣 労 働 者 は 、 不 安 定 な 雇 用 、 正 社 員 と の 処 遇 の 違 い が 、 そ の 幸 福 度 に マ イ ナ ス に 影 響 す る 可 能 性 が 示 唆 さ れ る 一 方 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト は 不 満 の 程 度 が 相 対 的 に 小 さ 9 「 全 体 と し て 、 あ な た は ふ だ ん ど の 程 度 幸 福 だ と 感 じ て い ま す か 。「 非 常 に 幸 福 」を 10 点 、 「 非 常 に 不 幸 」を 0 点 と し て 、 あ な た は 何 点 く ら い に あ る と 思 い ま す か( 単 一 選 択 )」と 質 問 し て 、0 点 か ら 10 点 に 1 点 ず つ で 刻 ま れ た 幸 福 度 か ら 1 つ を 回 答 し て も ら っ た 。 図6 先 月 1 か 月 の 主 な 勤 務 先 で 不 満 に 思 っ て い る こ と ( 複 数 回 答 )
10 い 。 5.5 5.1 6.1 5.6 6.3 5.7 5.7 5.2 5.2 5.7 4.5 5.5 4.8 5.2 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 幸福度(0~10) 2008.12 2010.6 雇 用 形 態 別 特 徴 の ま と め 以 上 の 結 果 を ま と め る と 、総 括 表( 表 2)の 通 り であ る 。派 遣 労 働 者 は、総 じ て 、 未 婚 比 率 が 高 く 、 雇 用 の 不 安 定 に 対 す る 不 満 が 大 き い 。 日 雇 い 派 遣 労 働 者 は 、 親 と 同 居 し 、 娯 楽 費 や 学 費 の た め に 、 自 分 の 都 合 に 合 わ せ て 働 い て い る10。 通 勤 時 間 が 長 く 、 雇 用 保 険 の 加 入 率 が 低 い 。 製 造 業 派 遣 労 働 者 や そ の 他 登 録 型 派 遣 労 働 者 は 、大 き な 企 業 に 勤 め て 、労 働 時 間 、労 働 日 数 と も 長 い 。製 造 業 派 遣 労 働 者 は 、 未 婚 ・ 単 身 世 帯 ・ 男 性 が 多 く 、 家 計 支 持 者 で あ る 。 そ の 他 登 録 型 派 遣 労 働 者 は 女 性 比 率 が や や 高 く 、家 計 の 足 し に す る た め に 働 い て い る 。こ れ ら の 派 遣 労 働 者 は 、 正 社 員 と し て の 就 職 を 希 望 し な が ら も 、 正 社 員 と し て 働 け る 会 社 が な か っ た 。 こ の た め 、 福 利 厚 生 や 昇 進 で 正 社 員 並 み の 待 遇 を 望 む 声 が 大 き い 。 こ れ が 幸 福 度 の 低 さ に つ な が っ て い る 。 こ れ に 対 し て 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 (1 か 月以 上 ) は 、夫 婦 と 子 ども の 世 帯 が 多 く 、 未 婚 比 率 は 低 い 。 通 勤 時 間 は 短 く 、 自 分 以 外 が 家 計 を 支 え て お り 、 家 計 の 足 し に す る べ く 働 い て い る 場 合 が 多 い 。自 分 の 都 合 に 合 わ せ て 働 き た い の で 、 こ の 働 き 方 を 選 ん で お り 、 正 社 員 と し て の 就 業 希 望 を あ ま り 持 っ て い な い 。 主 観 的 幸 福 度 は や や 高 い 。 ま た 、 契 約 社 員 に つ い て は 、 未 婚 比 率 は 低 く 、 労 働 時 間 が 長 く 、 労 働 日 数 も 多 い 。 家 計 の 主 た る 稼 ぎ 手 と し て 働 い て い る 。 正 社 員 と し て 働 10 日 雇 い 派 遣 労 働 者 の 約 3 割 が 家 計 支 持 者 と し て 働 い て い る 。 他 の 雇 用 形 態 と 比 較 し て 高 い 比 率 で は な い も の の 、 厳 し い 労 働 条 件 で 家 計 を 支 え て い る 労 働 者 が 存 在 し て い る こ と は 特 記 し て お く 必 要 が あ る 。 図 7 幸 福 度 ・ 雇 用 形 態 別
11 け な い 、 他 に 選 択 肢 が な い た め 、 契 約 社 員 の 職 に 就 い て い る 場 合 が 多 い 。 特 に 、 賃 金 が 安 い こ と に 不 満 を も っ て い る 。 日雇い派遣 製造業派遣 その他登録型派遣 1か月未満の パート・アルバ イト 1か月以上の パート・アルバ イト 期間の定めの ないパート・ア ルバイト 契約社員 失業者 自由業 男性 女性 性別 男性比率高い 男性比率がやや高い 年齢 やや高め平均より やや高め平均より やや高め平均より 家族形態 親との同居 単身世帯 単身世帯、夫婦のみ 夫婦・子ども 夫婦・子ども 親との同居 夫婦・子ども 未婚比率 高い 高い 高い 低い 低い 高い 高い 最終学歴 高校卒多い 大学卒多い 高校卒多い 高校卒、短期大学卒多い 高校卒多い 大学卒多い 大学卒多い 高校卒、短期大学卒多い 企業規模 小さい 大きい 大きい 小さい 小さい 大きい 小さい 雇用保険加入 低い 低い 労働時間 長い 長い 短い 短い 長い 通勤時間 長い 長い 長い 短い 短い 労働日数 少ない 多い 多い 少ない 多い 月収 低い 高め 高め 低い 低い 高め 高い 低め 家計支持 自分以外 自分が比較的多い 自分以外 自分以外 自分以外 自分以外 自分が比較的多い 自分以外 自分が比較的多い 自分が比較的多い 自分以外 働く理由 娯楽費・将来の 学費、家計の足 し 家計の主たる 稼ぎ手 家計の主たる 稼ぎ手、家計の 足し 家計の足し 家計の足し 家計の足し 家計の主たる稼ぎ手 家計の足し 家計の主たる稼ぎ手 家計の主たる稼ぎ手 家計の足し 非正規選択の理由 自分の都合に合わせる 正社員として働けない 正社員として働けない 自分の都合に合わせる 自分の都合に合わせる 自分の都合に合わせる 正社員として働けない 正社員として働けない 自分の都合に合わせる 正社員として働けない 自分の都合に合わせる 正社員の勤務経験 高め 高め 正社員を辞めた理由 結婚・出産・育 児・介護 人間関係、仕事 内容、会社の将 来への不安 仕事内容、労働 条件(賃金以 外) 結婚・出産・育 児・介護 結婚・出産・育 児・介護 結婚・出産・育 児・介護 仕事内容 人間関係、仕事 内容 結婚・出産・育 児・介護 正社員への希望 高い 低い 低い 低い 高い 高い 不満 雇用の不安定、賃金 多い(雇用の不 安定、賃金、昇進 機会) 多い(雇用の不 安定、賃金、昇進 機会) 不満少ない 不満少ない 賃金が安い 不満少ない ストレス 高め 高い 低い 高め 失業不安 高め 高い 低い 低い 高め 主観的幸福度 低い 高い 低い 高い 高い 低い 高い 低い 高い 主観的生活水準 低い 高い 低い 高い 高い 低い 高い 低い 正社員への希望 満足度 基本的な属性 条件・待遇 働く理由 4 雇 用 形 態 の 変 化 RIETI ア ン ケ ー ト調 査 で は、継 続 調 査 によ っ て 雇 用形 態 の 変 化を 追 跡 す ると と も に 、 第 2 回 調 査 では 過 去 の 雇用 形 態 に つい て 質 問 して い る。本 節 で は、過 去 の 雇 用 形 態 、第 1 回 調 査 か ら 第 4 回 調 査 へ の雇 用 形 態 の変 化 、第 2 回 調 査 か ら 第 4 回 調 査 ま で に 正 社 員 に 転 換 し た 労 働 者 の 特 徴 を 述 べ て 、 派 遣 労 働 者 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 、 契 約 社 員 の 雇 用 形 態 の 転 換 の 実 態 を 検 討 し て み よ う 。 表2 総 括 表
12 過 去 の 雇 用 形 態 (※2008 年 12 月 調 査 は 非 正 規 労 働 者 を 対 象 と し て い る 点 に 注 意) 第 2 回 調 査 で は 、 そ の 時 点 で 非 正 規 雇 用 で あ っ た ア ン ケ ー ト 対 象 者 に 対 し 過 去 に 遡 っ て 雇 用 形 態 を 聞 く 質 問 を 行 っ た 。 具 体 的 に は 、 派 遣 業 拡 大 前 (26 業 種 ) の 1999 年 6 月 頃( 10 年 前)、製 造 業 派遣 開 始 前 の 2002 年 6 月 頃( 7 年 前 )、派 遣 期 間 延 長 前 の 2004 年 6 月 頃 ( 5 年 前)、 景 気 拡 大期 の 2007 年 6 月 頃 ( 2 年 前 ) に 該 当 し 、 こ れ を 第 1 回 調 査 の 2008 年 12 月 時 点 の雇 用 形 態 に接 続 し た 。 2008 年 12 月 の 非 正 規 労 働者 の サ ブ サン プ ル に つい て11、 過 去 の 雇 用 形 態 に さ か の ぼ っ て み る と 、1999 年 時 点 で は 正 社員 が 42%を 占 め て いた ( 図 8)。 過 去 の 方 が 非 労 働 力 ( そ の 他 ) の 割 合 が 高 く 、 非 労 働 力 の 労 働 力 化 が 進 ん で き た こ と が わ か る 。 派 遣 労 働 者 は 2008 年 に 45% に ま で 拡 大 した が 、パ ー ト・ア ル バイ ト の 割 合 は 比 較 的 安 定 的 に 増 加 し た 。 雇 用 形 態 の 変 化 を み る と 、 こ の サ ン プ ル で み る 限 り 、1999 年 か ら 2002 年 で は 、失 業 者や 契 約 社 員の 正 社 員 化が あ る 程 度可 能 で あ っ た 。2002 年 ま では 正 社 員 が正 社 員 の まま で あ る 割合 は 6 割 程 度 だ っ たが 、2004 年 か ら2007 年 に か け て 3 割 程 度 に 低 下し 、正 社 員の 全 体 に 占め る 割 合 は低 下 し 、 契 約 社 員 ・ 派 遣 労 働 化 が 進 ん だ こ と が わ か る 。 0.8% 6.5% 9.7% 12.7% 14.7% 9.9% 7.2% 4.5% 3.7% 1.5% 6.2% 6.9% 7.8% 7.8% 6.2% 27.5% 25.6% 23.6% 21.8% 17.9% 45.5% 35.5% 25.6% 17.8% 9.6% 10.0% 11.7% 10.1% 8.0% 8.1% 0.0% 6.6% 18.8% 28.3% 42.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2008 2007 2004 2002 1999 過去の雇用形態(2008‐1999、就業者951人に占める割合) 正社員 契約社員 派遣労働者 パート・アルバイト 自由業等 失業 その他 雇 用 形 態 の 変 化 (第 1 回 調 査 2008.12 か ら 第 4 回 調 査 2010.6 の 変 化) 第 1 回 調 査 と 第 4 回 調 査 を 比 較 し て 、 雇 用 形 態 別 で み た 定 着 率 ( 同 じ 雇 用 形 態 に 11 過 去 の 雇 用 状 態 を 考 え る 場 合 、10 年 前 は 学 生 で 就 業 し て い な か っ た 人 が 予 想 さ れ る こ と か ら 、2008 年 時 点 で 33 歳 以 下 の サ ン プ ル を 除 外 し て 残 っ た サ ブ サ ン プ ル 951 人 を 分 析 し た 。 図8 過 去 の 雇 用 形 態
13 留 ま っ て い た 割 合12)、正 社 員 化 率( 非 正 規 雇 用 か ら 正 社 員 に 転 じ た 比 率 )を 比 較 し て み よ う( 図 9)。ま ず 、定 着 率 は 、契 約 社 員( 59.2%)、1 か 月 以 上 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト (57.1% ) が 高 く 、 1 日 あ る い は 1 か 月 未 満 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト (15.0%)、製 造業 派 遣( 19.0%)、日 雇 い 派 遣 労働( 23.6%)で 低 い 。日 雇 い 派 遣 や 1 か 月 未 満 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト の 雇 用 の 不 安 定 さ が 浮 き 彫 り と な っ て い る 。 正 社 員 化 率 を み る と 、 製 造 業 派 遣 で 最 も 高 く 25.9%、 次 い で、 契 約 社 員 (14.1%)、 失 業 グ ル ー プ(9.3%)で あ る が 、 1 か 月 未 満 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト で は 2 % 、 日 雇 い 派 遣 は 5.5% 程 度 と ご く わ ず か で あ っ た 。 な お 、 正 社 員 に な り や す い 属 性 と し て は 、 男 性 ・ 大 学 院 卒 、 正 社 員 に な っ た 人 の 現 在 の 企 業 規 模 は 比 較 的 小 規 模 (6 ~29 人 、 30~ 99 人 ) の 場 合が 多 か っ た。 以 上 を ま と め る と 、1 か 月 未満 の パ ー ト・ ア ル バ イト 、 日 雇 い派 遣 、 製 造業 派 遣 の 定 着 率 は 低 く 、 か な り 出 入 り の 大 き い 雇 用 形 態 と い え る 。 し か し 、1 か月 未 満 の パ ー ト ・ ア ル バ イ ト や 日 雇 い 派 遣 で は 正 社 員 へ の 道 は ほ ぼ 閉 ざ さ れ て い る 。 一 方 、 製 造 業 派 遣 の 正 社 員 化 率 は 高 い が 定 着 率 は 低 く 、 不 安 定 な 雇 用 形 態 で あ る 。 契 約 社 員 は 定 着 率 が 高 い の み な ら ず 、 正 社 員 化 率 も 比 較 的 高 い た め 、 比 較 的 安 定 し た 正 社 員 化 へ の 「 踏 み 石 」 と し て の 役 割 を 果 た し て い る と い え よ う 。 23.6% 19.0% 47.3% 15.0% 57.1% 59.2% 42.1% 64.0% 定着率 定着率(2008.12から2010.06の雇用形態の変化) (1)日雇い派遣 (2)製造業派遣 (3)その他の登録型派遣 (4)1か月未満のパート・アルバイト (5)1か月以上のパート・アルバイト (6)契約社員 (7)失業者 (8)自由業 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) 64人 11人 104人 15人 56人 42人 45人 32人 5.5% 25.9% 5.5% 2.0% 5.1% 14.1% 9.3% 4.0% 正社員化率 正社員化率(2008.12から2010.06の雇用形態の変化) (1)日雇い派遣 (2)製造業派遣 (3)その他の登録型派遣 (4)1か月未満のパート・アルバイト (5)1か月以上のパート・アルバイト (6)契約社員 (7)失業者 (8)自由業 (5) (6) (7) (8) (4) (3) (2) (1) 2人 10人 10人 5人 2人 12人 15人 15人 12 こ こ で の 定 着 率 は 、第 1 回 調 査 か ら 第 4 回 調 査 ま で 同 じ 雇 用 形 態 に 留 ま っ て い た 割 合 で は な く 、 第1 回 と 第 4 回 の 2 つ の 調 査 時 点 を 比 較 し て 、 い ず れ の 調 査 に お い て も 同 じ 雇 用 形 態 に あ っ た 人 の 割 合 で あ る 点 に 注 意 さ れ た い 。 図 9 雇 用 形 態 の 変 化 ( 第 1 回 調 査 2008.12 か ら 第 4 回 調 査 2010.6 の 変 化 )
14 5 経 済 危 機 の 影 響 最 後 に 、2008 年 秋 の リ ー マン・シ ョ ック に 端 を 発す る 経 済 危機 は 、非 正 規 労 働 者 の 就 業 ・ 生 活 環 境 に ど の よ う な 影 響 を 与 え た の だ ろ う か13。 こ こ で も 、 単 純 に 、 調 査 時 点 で の グ ル ー プ 別 の 平 均 値 を 用 い て 比 較 す る 。 ア ン ケ ー ト 調 査 で は 、「 前 回 の 調 査 以 降 で 今 回 の 調 査 ま で に 起 き た こ と 」を 質 問 し て 、 ア ン ケ ー ト 調 査 時 点 間 に お け る 、 労 働 者 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 に つ い て の 把 握 を 行 っ た 。 第 1 回 調 査 と第 2 回 調 査 の間 に 当 たる 2009 年 前 半は 経 済 危機 に よ り 雇 用 情 勢 が 急 速 に 悪 化 を 続 け た た め 、 調 査 対 象 と な る 非 正 規 雇 用 労 働 者 の 雇 用 環 境 や 生 活 状 況 も 大 き く 悪 化 し た 。 こ の た め 3 回 に わ た る 継 続 調 査 に よ っ て 、 経 済 危 機 が 与 え る 影 響 の 継 続 的 変 化 に つ い て 雇 用 形 態 別 に 把 握 す る こ と が で き た 。 こ こ で は 特 に 、 以 下 の 4 つ の 項 目 、 す な わ ち 、 職 探 し ( 以 前 よ り も 仕 事 が 見 つ け に く く な っ た )、 労 働 時 間 ( 以 前 よ り も 労 働 時 間 が 減 っ た )、 月 収 ( 以 前 よ り も 月 収 が 減 っ た )、 支 出 ( 支 出 ( 出 費 ) を 減 ら し た ) に 着 目 し て み よ う 。 図 9 を み る と、支 出 減 、労 働 時 間 減、月 収 減 の 人 の割 合 は、日 雇 い 派 遣 労働 や 製 造 業 派 遣 に お い て 、他 の 派 遣 労 働 や パ ー ト・ア ル バ イ ト よ り 相 当 高 く な っ て い る 。 つ ま り 、 日 雇 い 派 遣 や 製 造 業 派 遣 は 雇 用 調 整 コ ス ト が 低 い た め 、 景 気 悪 化 の 影 響 を よ り 強 く 受 け た と い え る 。 ま た 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 の 中 で は 、1 か 月 未 満 の パ ー ト・ア ル バ イ ト に 対 す る 影 響 が 最 も 大 き く 、同 じ 雇 用 形 態 で あ っ て も 、 雇 用 契 約 期 間 の 長 さ に よ っ て 景 気 悪 化 の 影 響 の 大 き さ が 異 な る こ と を 示 し て い る 。 第 3 回 調 査 の 2009 年 末 は 景気 回 復 が 明確 に な る 中で 雇 用 情 勢の 悪 化 に も歯 止 め が か か っ て き た 時 期 に 当 た り 、多 く の 調 査 項 目 で 最 悪 期 を 脱 す る 動 き が み ら れ た 。 と り わ け 、製 造 業 派 遣 で は 、負 の 影 響 が 急 速 に 低 下 し た 。2010 年 央 の 第 4 回 調 査 に お い て も 、 月 収 、 労 働 時 間 と い っ た 労 働 条 件 に つ い て は 、 第 3 回 調 査 から わ ず か な が ら 改 善 傾 向 に あ る が 、 主 観 的 幸 福 度 や 将 来 の 失 業 不 安 の 改 善 は み ら れ な か 13 経 済 危 機 直 後 の 2008 年 10 月 の 完 全 失 業 率 、 完 全 失 業 者 数 、 お よ び 、 有 効 求 人 倍 率 は 、 3.7% 、 255 万 人 、 0.78 で あ り 、 そ の 後 、 本 調 査 の 調 査 時 点 に お い て 、 2008 年 12 月( 4.4% 、 270 万 人 、 0.70)、 2009 年 6 月( 5.4% 、 348 万 人 、 0.45)、 12 月( 5.1% 、 317 万 人 、 0.43)、 2010 年 6 月 ( 5.3% 、 344 万 人 、 0.52) で あ っ た 。
15 っ た 。 こ れ は 2008 年 秋 の リー マ ン ・ ショ ッ ク か らの 景 気 回 復が 一 段 落 した も の の 、 人 び と が 生 活 の 改 善 を 必 ず し も 実 感 で き て い な い こ と を 反 映 し て い る と み ら れ る 。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 以前よりも仕事が見つけにくくなった 2009.6 2009.12 2010.6 0% 10% 20% 30% 40% 50% 以前よりも労働時間が減った 2009.6 2009.12 2010.6 0% 10% 20% 30% 40% 50% 以前よりも月収が減った 2009.6 2009.12 2010.6 0% 10% 20% 30% 40% 支出(出費)を減らした 2009.6 2009.12 2010.6 6 ま と め 本 稿 で は 、「RIETI ア ン ケ ー ト 調 査 」 に 基 づ き 、 派 遣 労 働 者 と パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 、 契 約 社 員 を 比 較 し な が ら 、 そ の 属 性 、 就 業 ・ 生 活 実 態 、 就 業 形 態 の 変 化 な ど を 分 析 し た 。 そ の 主 な 結 果 と 政 策 的 な イ ン プ リ ケ ー シ ョ ン は 以 下 の 通 り で あ る 。 第 一 は 、 様 々 な 形 態 の 非 正 規 雇 用 者 の 満 足 度 を 考 え る 場 合 、 彼 ら が 正 社 員 を 希 望 し て い る が 職 を 見 つ け ら れ ず 現 在 の 雇 用 形 態 を 選 ん で い る と い う 「 非 自 発 的 」 非 正 規 雇 用 な の か 、 自 己 の 都 合 や ラ イ フ ス タ イ ル に 合 わ せ て 現 在 の 雇 用 形 態 を 選 ん で い る 「 自 発 的 」 非 正 規 雇 用 で あ る の か の 区 別 が 重 要 で あ る こ と で あ る 。 前 者 の 典 型 例 は 製 造 業 派 遣 、後 者 の 典 型 例 は パ ー ト・ア ル バ イ ト で あ り 、「 非 自 発 的 」グ ル ー プ は 「 自 発 的 グ ル ー プ 」 に 比 べ 、 収 入 が 高 い 場 合 で も 満 足 度 は 低 く な っ て い る 。 図 10 前 回 調 査 と の 比 較
16 し た が っ て 、「 非 自 発 的 」非 正 規 雇 用 の グ ル ー プ の 満 足 度 を 高 め る に は 希 望 す る 者 の 正 社 員 へ の 転 換 を サ ポ ー ト す る よ う な 基 盤 整 備 や 取 組 み が 必 要 で あ る 。一 方「 自 発 的 」に 非 正 規 雇 用 を 選 択 し て い る グ ル ー プ に つ い て も 、雇 用 期 間 が 1 か 月 未 満 の 日 雇 い 派 遣 や パ ー ト ・ ア ル バ イ ト な ど は 雇 用 が 不 安 定 で あ る こ と は も と よ り 、 技 能 の 蓄 積 や 能 力 開 発 の 機 会 が 乏 し く 、 そ う し た 生 産 性 の 低 い 職 ・ 仕 事 が 増 え て し ま う こ と は 経 済 の 活 力 維 持 の 観 点 か ら も 必 ず し も 望 ま し く な い と い え る 。 第 二 は 、 非 正 規 の 形 態 に 関 わ ら ず 、 過 去 に 正 社 員 を 経 験 し て い る 非 正 規 労 働 者 が 多 く 、 正 社 員 と の 様 々 な 待 遇 格 差 を よ り 敏 感 に 意 識 し て い る こ と で あ る 。 そ の 場 合 、 賃 金 や 待 遇 ( 雇 用 の 安 定 さ 等 ) に お い て 合 理 的 な 説 明 の で き な い よ う な 雇 用 形 態 間 の 差 別 解 消 を 進 め 、 労 使 対 話 の 下 で 均 衡 処 遇 へ の 努 力 が 積 み 重 ね ら れ る べ き で あ る 。 第 三 は 、 特 に 、 パ ー ト ・ ア ル バ イ ト 労 働 者 に お い て 、 雇 用 契 約 期 間 の 長 さ が 非 正 規 雇 用 者 の 満 足 度 や 幸 福 度 に 影 響 を 与 え て い る こ と で あ る14。 例 え ば 、 期 間 に 定 め の な い 者 、 雇 用 契 約 期 間 が 1 か 月 以 上 の 者 は 雇 用 契 約 期 間 が 1 か 月 未 満 の 者 に 比 べ 、 失 業 の 不 安 や 仕 事 の ス ト レ ス は 小 さ く 、 主 観 的 幸 福 度 が 高 い 。 い ず れ の 非 正 規 雇 用 グ ル ー プ に お い て も 雇 用 不 安 が 大 き な 不 満 材 料 と な っ て い る こ と 考 慮 す る と 、 労 使 双 方 が 希 望 す れ ば 、 契 約 期 間 の 長 期 化 を 図 り 、 雇 用 を 少 し で も 安 定 さ せ る こ と が 非 正 規 雇 用 者 の 満 足 度 を 高 め る こ と に つ な が る と 考 え ら れ る 。 14 大 竹・奥 平・久 米・鶴 (2011)で は 、本 ア ン ケ ー ト 調 査 の 結 果 を 使 っ て 幸 福 度 の 推 計 を 行 い 、 労 働 者 の 属 性 、 所 得 ・ 資 産 、 雇 用 形 態 な ど を コ ン ト ロ ー ル し た 上 で 、 雇 用 契 約 期 間 と 幸 福 度 に 正 の 相 関 が あ る こ と を 見 い だ し た 。 概 要 は 、 鶴(2011)参 照 。
17 参 考 文 献
大 竹 文 雄・奥 平 寛 子・久 米 功 一・鶴 光 太 郎(2011)「 非 正 規 労 働者 の 幸 福 度 」RIETI Discussion Paper Series 11-J-061.
鶴 光 太 郎(2011)「 非 正 規 雇 用 問 題 解 決 た め の 鳥 瞰 図 - 有 期 雇 用 改 革 に 向 け て 」 RIETI Discussion Paper Series 11-J-049.