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エンド・ツー・エンド暗号化に対応したオーバーレイに基づくHTTPおよびHTTPS DDoS攻撃緩和手法 : 設計と概念実証実装

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Academic year: 2021

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審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 モハマド サミル アビデラヒマン エイド

本論文は End-to-End Encryption Enabled Overlay-based Mitigation of HTTP and HTTPS DDoS Attacks: Design and Proof of Concept Implementation(エンド・ツー・エンド暗号化に対応したオーバーレイに基づ くHTTP および HTTPS DDoS 攻撃緩和手法:設計と概念実証実装)と題し、 エンド・ツー・エンドで暗号化された通信を扱うことができ、かつ、同一IP ア ドレスを有する複数のクライアントが存在する場合に、クライアントごとの挙 動を監視して識別することのできる DDoS 攻撃緩和手法について論じたもので あり、英文で書かれ、6 章で構成されている。 第 1 章 Introduction(序論)では、インターネットが情報社会の基盤となっ ている一方でサイバー攻撃も急速に増えており、その中でもインターネットを 流れるトラフィックの 80%を占める HTTP(S)プロトコルを用いた DDoS (Distributed Denial of Service: 分散サービス妨害)攻撃が最大の脅威である こと、また、中小規模の企業にとって DDoS 攻撃緩和策を自前で用意するのは 困難なので、インターネットプロバイダなどが遠隔緩和策を提供しているが、 現在提供されている暗号化されたHTTPS プロトコルを用いた DDoS に対する 遠隔緩和策は、提供側で暗号を一旦復号して再暗号化するものであり、金融サ ービス業者の 76%は暗号鍵の外部提供に懸念を示していることを挙げて、本論 文の研究目標を示している。

第2 章 Related Works on Overlay-based HTTP-DDoS Mitigation(オーバレ イに基づくHTTP DDoS 緩和手法に関する関連研究)では、本論文の研究内容 に関連した近年の研究事例について、利用者のエンド・ツー・エンド通信にお けるプライバシー保護とWeb サーバ保護の両面から優劣比較をしている。

第3 章 Proposed Method and Prototype Implementation(提案手法ならびに プロトタイプ実装)では、DDoS 攻撃に対処するための具体的な手法を提案す るとともに、そのプロトタイプ実装について述べている。まず、同一IP アドレ スを有する複数のクライアントが存在する場合に対処するために、クライアン トからのリクエストは、公開サーバが受け付けてIP アドレスごとの reputation

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(評判)を確認した後、一定時間のみアクセス可能なアクセスノードのポート 番号を割り当てられてリダイレクトされ、アクセスノード経由で真のサーバと 通信する。この間、クライアントの IP アドレス、クライアントとサーバの IP アドレス対、アクセスノードに割り当てられたポート番号、TCP コネクション の 4 つのレベルで毎秒あたりのリクエスト数といった指標が閾値を超えたか否 かの「例外」の履歴を記録することで、クライアントの評判を形成する。そし て、評判の悪いクライアントに対しては、リクエストを受け取った後、真のサ ーバにリクエストを転送する前にダミーの応答を少しずつ送ることで、リクエ スト送信後直ちにコネクションをクローズするクライアントに対処するととも に、評判の良いクライアントと評判の悪いクライアントの間でサービスの差別 化を行っている。 第 4 章 Evaluation(評価)では、DeterLab と呼ばれるテストベッド上に提 案システムのプロトタイプを実装し、よく用いられる攻撃ツールで用いられて いる攻撃法や、原理的に検出が最も困難と考えられる攻撃法など、7 種類の異な る DDoS 攻撃シナリオにおける提案システムの動作を検証している。検証の結 果、パラメータの最適化をそれほど行っていないにもかかわらず、ほとんどの シナリオにおいて、提案システムは3 分以内に DDoS 攻撃を検出して対処する ことができ、攻撃を行っているクライアント以外に対するサービス率は 95%以 上を維持することができた。 第5 章 Discussion(議論)では、提案システムのサービス時間の増加および スケーラビリティについて考察を行った後、従来の手法との比較を行い、提案 手法は、エンド・ツー・エンドの暗号化に対応し、同一IP アドレスを有する複 数のクライアントが存在する場合にもそれらのクライアントの挙動を識別する ことができる一方で運用コストやスケーラビリティの点でも優れており、従来 サーバで取られていた対策と遠隔で取られていた対策の利点を併せ持っている ことを述べている。また、第 4 章で行った評価の信頼性や他の攻撃シナリオに 対する耐性、本格的実装に向けての考慮点などについても論じている。 第6 章 Conclusion(結論)では、本論文で得られた成果をまとめている。 以上のように本論文は近年深刻な問題となっている DDoS 攻撃に対する緩和 手法として、エンド・ツー・エンドの暗号化に対応し、同一IP アドレスを有す る複数のクライアントが存在する場合にもそれらのクライアントの挙動を識別 することができる方式を提案し、そのプロトタイプをテストベッド上に実装し て、各種の攻撃シナリオに対して、緩和率や緩和に要する時間などの性能が、 復号−再暗号化を行う従来方式と遜色がないことを実証したものであって、電子 情報工学に貢献するところが少なくない。 よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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