目 次
はじめに
抗がん剤治療は、患者さんの身体的、精神的な負担に
加えて、医療費も大きな負担の一つとなっているのでは
ないでしょうか。
本邦では、患者さんの経済的負担を軽減するための健康
保険制度が設けられています。この冊子は、医療費が一定
額以上になった場合に支給を受けられる「高額療養費」
についてまとめています。
ジェブタナ
®
による治療を受けられる患者さんにも、是非
知っていただきたいものです。この冊子をお読みいただく
ことで、医療費に対する患者さんの不安が少しでも軽減
され、安心して治療に取り組んでいただけることを願って
います。
・2017年8月現在の制度に基づいて作成しています。
・本冊子で紹介する制度は、加入されている健康保険、市区町村によって内容が異なる場合が
あります。
詳しくは、保険加入先(健康保険証をご確認ください)にお問い合わせください。
1.高額療養費制度とは
2.高額療養費制度を利用するには
①限度額適用認定証を提示すると、
窓口での支払いが自己負担限度額までとなります
②高額療養費の払い戻し
参考
自己負担限度額を計算してみましょう
参考
ジェブタナ
®
の事例
3.自己負担額を軽減できる場合があります
4.手続きチェックシート
5.高額療養費についてどこに相談すればよいですか?
あなたの利用可能な制度と手続きについて確認してみましょう
自己負担限度額を 計算してみましょう
参 考
■医療費の自己負担は、年齢と所得区分によって計算式が決まってい
ます。
所得区分
1ヵ月の負担の上限額(世帯ごと)
多数回該当
252,600円+(医療費-842,000)×1%
167,400円+(医療費-558,000)×1%
80,100円+(医療費-267,000)×1%
57,600円
35,400円
140,100円
93,000円
44,400円
44,400円
24,600円
現役並み所得者とは下記の条件のいずれかに当てはまる方です。
①国民健康保険及び後期高齢者医療制度に加入している方
市(区)町村民税の課税標準金額が145万円以上かつ年収が複数世帯で520万
円(単身者は383万円)以上の方とその扶養者
②健康保険に加入している方
被保険者の月収(標準報酬月額)が28万円以上
厚生労働省保険局資料より
外来
(個人ごと)
多数回該当:ここ1年間で3回以上高額療養費の払い戻しがあった場合
69歳以下の場合
年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
年収約770万~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
年収約370万~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
住民税非課税者
所得区分
1ヵ月の負担の上限額
(世帯ごと)
多数回
該当
80,100円+(医療費-267,000)×1%
57,600円
24,600円
15,000円
44,400円
44,400円
-
-
厚生労働省保険局資料より
70歳以上の場合
現
役
並
み
一
般
住
民
税
非
課
税
等
年収約370万円~
標報28万円以上
課税所得145万円以上
年収約156万円~約370万円
標報26万円以下
課税所得145万円未満等
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
Ⅱ 住民税非課税世帯
平成29年8月~平成30年7月診療分まで
57,600円
14,000円
年間上限
14万4,000円
8,000円
外来
(個人ごと)
所得区分
1ヵ月の負担の上限額
(世帯ごと)
多数回
該当
252,600円+(医療費-842,000)×1%
167,400円+(医療費-558,000)×1%
80,100円+(医療費-267,000)×1%
140,100円
93,000円
44,400円
44,400円
-
-
厚生労働省保険局資料より
現
役
並
み
一
般
住
民
税
非
課
税
等
年収約1,160万円~
標報83万円以上
課税所得690万円以上
年収約156万円~約370万円
標報26万円以下
課税所得145万円未満等
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
Ⅱ 住民税非課税世帯
平成30年8月診療分から
18,000円
年間上限
14万4,000円
8,000円
年収約770万~約1,160万円
標報53万~79万円
課税所得380万円以上
年収約370万~約770万円
標報28万円~50万円
課税所得145万円以上
57,600円
24,600円
15,000円
ジェブタ ナ
®
の事例
70歳以上の場合
70歳で所得区分が一般の方が、入院してジェブタナ
®
による
治療を開始した場合(概算)
69歳以下の場合
65歳で所得区分が年収約370万~約770万円の方が、入院し
てジェブタナ
®
による治療を開始した場合(概算)
69歳以下の
通常の窓口負担
健康保険7割
医療費 1,000,000円
自己負担
300,000円
(3割負担)
入院医療費
(お薬の費用も含まれます)
1,000,000円
80,100円+(
医療費
-267,000円)×1%=87,430円
窓口で支払った後で高額療養費の払い戻しを受ける場合
限度額適用認定を受けた場合
300,000円
87,430円
参 考
(9ページ参照) (6ページ 注意2、9~10ページ参照)
窓口での支払い金額
入院医療費
(お薬の費用も含まれます)
自己負担
70歳以上の
通常の窓口負担
200,000円
(2割負担)
57,600円
自己負担額
57,600円
1,000,000円
医療費 1,000,000円
高額療養費
健康保険8割
高額療養費
窓口での支払い金額
70歳以上の方は限度額適用認定証を
提示しなくても窓口での支払いは自己
負担限度額までとなります。
標準報酬月額(健保)28万~50万円の場合
1人の1回分の窓口負担では、高額療養費の支給対象とはならなく
ても、複数の受診や同一世帯の他の方(同じ健康保険に加入して
いる場合)の受診について、それぞれ支払った自己負担額をひと月
(1日~月末)単位で合算することができます。
・複数の医療機関で支払った自己負担額を合算して、自己負担限度額を
超えている分が高額療養費として支給されます。
・入院で支払った自己負担額と外来で支払った自己負担額を合算して、自
己負担限度額を超えている分が高額療養費として支給されます。
・同じ世帯で、同じ月に2人以上がそれぞれ21,000円以上の一部負担金
を支払い、その合計が自己負担限度額を超える場合は、高額療養費とし
て支給されます。
自己負担額を軽減 できる場合があります
● 世帯合算
同一世帯で1年間(直近12ヵ月間)に、3回以上高額療養費の支給を
受けている場合、4回目からは自己負担限度額が下がります。
● 多数回該当
自己負担
払
い
戻
し
被
保
険
者
A
被
保
険
者
B
甲病院 自己負担額
24,000円
(医療費:240,000円)
世帯合算後の
自己負担額
世帯合算
丙薬局 自己負担額
42,000円
(医療費:420,000円)
厚生労働省保険局資料より
乙病院 自己負担額
8,000円
(医療費:80,000円)
+24,000円
+8,000円
+42,000円
=74,000円
高額療養費の
支給対象となる
4回目から
基準額が下がる
基準額
8月
医療費
(一部負担金)
9月
10月
11月
12月
所得区分
本来の負担の上限額
多数回該当の場合
<69歳以下の場合>
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
57,600円
35,400円
140,100円
93,000円
44,400円
44,400円
24,600円
所得区分
「現役並み」区分の方
「一般」区分の方
年収約1,160万円~
の方
年収約770万~
約1,160万円の方
年収約370万~
約770万円の方
~年収約370万円
住民税非課税者
本来の負担の上限額
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
57,600円
多数回該当の場合
44,400円
44,400円
<70歳以上の場合(平成29年8月~平成30年7月診療分まで)>
(注)「住民税非課税」の区分の方については、多数回該当の適用はありません。
1回
2回
3回
4回
〈75歳以上/AさんとBさんが同じ世帯にいる場合〉
厚生労働省保険局資料より
あなたの利用可能な 制度と手続きについて
確認して みましょう
手続きチェックシート
69歳以下の場合
70歳以上の場合
これから治療・支払いをする
入院
のみ
通院
のみ
合算不可
入院費・通院費を
分けて計算
限度額適用認定証
の交付申請
世帯合算
高額療養費の
払い戻し申請
(5~6ページ)
(13ページ)
治療を受けた方ごとに 計算して高額療養費の払い戻し申請
手続きは不要
いいえ
(すでに治療・支払いが終了)
はい
はい
同月内に
入院と通院両方
通院
のみ
入院費・通院費を
分ける必要なし
同月内に
入院と通院両方
高額療養費の払い戻しが3回以上(1年以内)
多数回該当高額療養費が適用
(14ページ)
病院ごと・
診療科ごとに
分けて計算
69歳以下のみの
世帯で同じ月に
自己負担額
21,000円以上が
2件以上
病院ごと・
診療科ごとに
分ける必要なし
住民税非課税
世帯などの方は
手続きが必要
いいえ
(すでに治療・支払いが終了)
入院
のみ
これから治療・支払いをする