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非鉄金属市況と需給動向平成30年10月レビュー

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Academic year: 2021

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(1)

非鉄金属市況と需給動向

平成30年10月(銅、亜鉛、ニッケル、金・白金)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行っ てはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執

(2)

■LME価格

① 中国経済減速懸念と貿易摩擦緩和:1日、6,172.0US$/tで開始。9月30日発表の中 国9月製造業PMI(50.8)が市場予想を下回る結果だったことを受け、同国経済の鈍 化が懸念されたものの、9月30日には米加間のNAFTA交渉が妥結したこともあり貿 易摩擦懸念緩和、LME在庫の減少等もあり小幅に推移。 ② 中国経済減速懸念も中国政府の経済政策に期待:11日に発生した世界同時株安によ り、価格を下げたものの、12日のアジアでの株価回復により価格も回復した。ま た、16日発表の中国9月卸売物価指数(PPI)の前年同月比3.6%が8月と比較して鈍 化したこと等が、中国経済の減速懸念で価格が下がる材料となるが、その後の中国 国務院や中国人民銀行による民間企業支援方針の表明等による中国の銅需要拡大へ の期待感から、価格は横ばいで推移。 ③ 実需は逼迫している:LME在庫は減少傾向であり、10日~15日及び19日以降は、3 か月先物価格に対して現物価格が高いバックワーデーションとなったことから足元 での銅の供給は逼迫しているとみられる。価格は、概ね6,100.0US$/t~ 6,300.0US$/tの間を推移。29日、トランプ米大統領による11月の米中首脳会談の 結果次第で対中追加関税措置をとるという警告により、価格が下落6.073.0US$/tで 越月。LME在庫は31日に137.6千tと2008年7月28日以来の低水準となった。

■需給動向

✍ 国際銅研究会(ICSG)(秋季)予測は2018年9.2万tの供給不足、2019年は6.5万tの供 給不足。また、2017年は26.1万tの供給不足と発表。 ✍ BHPは、2018/2019 年の同社年間銅生産量について以前の見込み1,675千t~ 1,770千tを下方修正し、1,620 千t~1,705 千tと見込む(2018年10月17日)。

(出典:ICSG) 当該期間の値動き LME価格(US$/t) LME在庫(千t) 銅地金の需給バランスと在庫の動き

中国経済減速懸念も中国政府の政策に期待、LME在庫は10年振りの低水準

120 140 160 180 200 5,600 5,800 6,000 6,200 6,400 6,600 6,800 7,000 LME在庫 LME価格

(3)

非鉄金属市況と需給動向

亜鉛

■LME価格

① 上海在庫の増加で需給逼迫感緩和:2,619.0US$/tでスタートし、10月前半は小幅 な値動きで横ばい推移した。LME在庫は10月4日に5,000tほどの積み増しがあった ものの概ね減少傾向を辿っている一方、中国市場の主要取引所である上海期貨交易 所(Shanghai Futures Exchange; SHFE)の在庫は10月半ばまでの半月で2.5万t 程増加したことで需給逼迫感が緩和しつつあり、2,600.0~2,700.0US$/tのレンジ で価格は安定した。 ② 中国景気刺激策で需要拡大期待:LME在庫が急減、月初には20万t超あったところ 17日には18万tを下回り、価格は緩やかに上昇傾向を辿った。19日には中国政府が 資金の流動性に問題を抱えている上場企業に対し支援する方針を表明し、同国内需 要の拡大が期待されたことも支援材料となり、24日には2,740.0US$/tの値をつけ た。またLME在庫はその後も搬出が続き、月末には15万t水準まで減少した。 ③ 中国製造業の停滞が懸念材料:30日及び31日に財新、中国国家統計局が発表した中 国製造業PMIが低水準だったことから同国需要への懸念が拡大。価格は2,700US$/t 弱から2,500US$/t台へ急落し、2,590.0US$/tで越月した。

■需給動向

✍ 国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)(秋季)の予測では2018年は322千tの供給不足、2019年 は72千tの供給不足。 ✍ 主要鉱山操業状況:New Century社は、精鉱品位が契約条件に合わなかったこと から豪・Century鉱山の長契出荷開始を10月から12月に延期(2018年10月2日)。 Titan Mining社の手がける米・Empire State鉱山は、10月2日の鉱山内死亡事故に より同月22日まで操業停止した(同10月22日)。 当該期間の値動き LME価格(US$/t) LME在庫(千t) SHFE在庫(千t) SHFE在庫の推移 (2017年11月~2018年10月)

LME在庫の急減や中国景気刺激策を好感し上昇傾向、月末は中国需要減退懸念で急落

140 150 160 170 180 190 200 210 2,300 2,400 2,500 2,600 2,700 2,800 2,900 3,000 LME在庫 LME価格 0 50 100 150 200 2017 年 11 月 2017 年 12 月 2018 年 1 月 2018 年 2 月 2018 年 3 月 2018 年 4 月 2018 年 5 月 2018 年 6 月 2018 年 7 月 2018 年 8 月 2018 年 9 月 2018 年 10 月

(4)

ニッケル

■LME価格

① 中国製造業PMIの結果を受け低調なスタート:9月30日発表の中国9月製造業PMI が予想を下回る結果であったことが弱材料となり、1日は前日より値を下げ 12,325.0US$/tでスタート。その後はLME在庫の減少等が材料視され上昇、10日 に当該期間最高値の12,775.0US$/tを付けた。 ② 株安や中国経済指標の低調な結果等を背景に下落:10日の米国株大幅安を受け11 日には世界的に株安となり、世界経済の先行き不安からニッケル価格も下落。12日 にアジア市場での株価回復を受けニッケル価格も上昇するが、その後16日発表の中 国9月卸売物価指数(PPI)上昇率の低調な結果や米連邦公開市場委員会(FOMC) による年内追加利上げの示唆等を受けたドル高傾向が弱材料となり下落基調に。 ③ 中国需要減退への懸念から下落傾向、年初来最安値で越月:19日に中国当局が民間 企業に対する支援方針等を表明し中国におけるベースメタル需要増が期待され値を 上げたが、その後中国の需要減退への懸念が拭えず月末は下落傾向に。31日には年 初来最安値を更新し、11,625.0US$/tで越月。

■需給動向

✍ 国際ニッケル研究会(INSG)(秋季)予測では2018年は14.6万tの供給不足、2019年 は3.3万tの供給不足。 ✍ 主要鉱山操業状況:SLN社はニューカレドニア・Kouaoua鉱山の操業の無期限休止を 発表(2018年8月14日)。フィリピン環境天然資源省鉱山地質局によると、2018年 上期ニッケル精鉱生産は前年同期比9.7%減の943万t(同9月6日)。Consolidated Nickel Mines社はザンビア・Munali鉱山(2011年精鉱生産実績56千t)の2019年Q1 再開計画を発表(同10月8日)。 需給バランス LME価格(US$/t) LME在庫(千t) (出典:INSG) 需給バランス(千t) 当該期間の値動き

世界的な株安や中国の景気減退懸念から下落基調となり、年初来最安値を更新

180 190 200 210 220 230 240 11,000 11,500 12,000 12,500 13,000 13,500 14,000 LME在庫 LME価格

(5)

非鉄金属市況と需給動向 15.0 16.0 17.0 18.0 1.10 1.12 1.14 1.16 1.18 1.20 10/1 10/3 10/5 10/7 10/9 1 0 /11 1 0 /13 1 0 /15 10/17 10 /19 1 0 /21 1 0 /23 1 0 /25 1 0 /27 1 0 /29 1 0 /31 USD ZAR 外貨高・ユーロ安

金・プラチナ・パラジウム

当該期間の値動き (AM/PM平均価格) (US$/oz) ユーロに対する為替の値動き (米ドル・南アランド) (US$/€) (R/€)

米国株安・ドル安に下支えされ堅調な値動き、パラジウムは史上最高値に達する

■金

① イタリア財政不安に下支えされ1,200US$/oz台へ:当該期間1,187.3US$/ozでス タートした金は、イタリア財政を巡る混乱を背景に上昇傾向を辿り、10/3には 1,200US$/oz台を回復した。しかしドル高が進んだことに圧迫され、その後の価格は 軟調な動きに転じ、8日には再び1,200US$/tを割り込んだ。 ② ドル安で3ヶ月ぶり高値へ急伸:11日には米国消費者物価指数(CPI)が市場予想を下 回ったことから米国利上げペースが緩やかになるとの観測が広がり、また米国株価急落 によりドル相場も下落して割安感が出て、金は反発。その後もドル安傾向を支援材料に 価格は続伸し、15日には1,231.5US$/ozの3ヶ月ぶり高値をつけた。 ③ 米国株価下落で安全資産需要拡大:10月後半はドル高が進んだものの、米国株価下落 への懸念で安全資産需要が高まったことが買い材料となり、金は1,220US$/oz台で横 ばい推移した。月末はドル高が進んだことに下押しされ、1,216US$/ozで越月。

■プラチナ・パラジウム

① プラチナ:815.0US$/ozでスタート。10月上旬はドル高傾向に圧迫されたものの、中 旬に入り米国株価安によりドル安が進み、安全資産需要の高まりと割安感で買いの動き が広がった。15日には844.5US$/ozと3ヶ月ぶり高値をつけ、その後も米国経済に対 する懸念に下支えされ830US$/oz台を維持、832.5US$/ozで越月した。 ② パラジウム:1,059.0US$/ozでスタート。ガソリン車の排ガス浄化触媒に用いられる パラジウムは、底堅い自動車需要と足元の供給不足から堅調に推移。22日、中国政府 が民間企業への支援方針を表明し同国需要拡大期待により23日には史上最高値となる 1,138.5US$/ozへ急伸した。その後は価格急伸の反動やドル高に下押しされ軟調に推

移し、1,077.0US$/ozで越月した。 (European Central Bank)

700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1 0 /1 1 0 /2 1 0 /3 1 0 /4 1 0 /5 1 0 /8 1 0 /9 1 0 /1 0 1 0 /1 1 1 0 /1 2 1 0 /1 5 1 0 /1 6 1 0 /1 7 1 0 /1 8 1 0 /1 9 1 0 /2 2 1 0 /2 3 1 0 /2 4 1 0 /2 5 1 0 /2 6 1 0 /2 9 1 0 /3 0 1 0 /3 1 金 プラチナ パラジウム

(6)

米国経済 10月の製造業PMIの確定値は55.7(前月:55.6)とわずかに上昇した。11/2労働省発表の10月非農業部門雇用者数は前月比+25.0万人(前 月:+13.4万人)と市場予想の20.0万人増を上回る結果となった。失業率は3.7%(前月:3.7%)と横ばい。 中国経済 10月製造業PMIは、国家統計局発表が50.2(前月:50.8)と前月より低下、財新発表が50.1(前月:50.0)と微増した。 欧州経済 10月製造業PMIは、確定値52.0(前月:53.2、予想:52.1)と前月よりわずかに低下した。 (JOGMEC作成)

(参考)

亜鉛 ニッケル プラチナ パラジウム

LME現物 LME現物 LME現物 AM・PM平均 AM・PM平均 AM・PM平均 (US$/t) (US$/t) (US$/t) (US$/oz) (US$/oz) (US$/oz) 本報告期 期 初 6,172.0 2,619.0 12,325.0 1,187.3 815.0 1,059.0 期 末 6,073.0 2,590.0 11,625.0 1,216.3 832.5 1,077.0 最高値 6,325.0 2,573.0 12,775.0 1,235.8 844.5 1,138.5 10月12日 10月24日 10月10日 10月23日 10月15日 10月23日 最安値 6,073.0 2,590.0 11,625.0 1,186.5 814.5 1,050.0 10月31日 10月31日 10月31日 10月9日 10月8日 10月3日 平 均 6,215.9 2,671.9 12,327.2 1,215.1 829.1 1,082.9 先物 (9月28日) 3か月 6,017.0 2,529.0 11,675.0 - - - Dec 1 6,010.0 2,470.0 11,940.0 - - - Dec 2 6,010.0 2,395.0 12,135.0 - - - 2018年 期 初 7,181.0 3,377.0 12,690.0 1,312.4 936.5 1,079.0 (当年) 期 末 6,073.0 2,590.0 11,625.0 1,216.3 832.5 1,077.0 最高値 7,262.5 3,618.0 15,750.0 1,357.6 1,020.0 1,138.5 6月8日 2月16日 6月7日 1月25日 1月25日 10月23日 最安値 5,823.0 2,287.0 11,625.0 1,177.6 774.5 869.5 9月4日 9月17日 10月31日 8月17日 9月5日 8月15日 平 均 6,595.7 2,982.7 13,521.0 1,275.3 890.7 998.7 主要非鉄金属の価格推移 (2003年5月=1) 製造業購買担当者景況指数(PMI)

参照

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