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アメリカ・フランス・スウェーデン・韓国における青少年のインターネット環境整備状況等調査報告書

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(4)青少年のインターネット利用に伴う青少年の生活等への影響 ア インターネット依存

(ア)具体的な兆候

前述の「EU Kids Online 調査」(2010 年実施)によると、フランスの青少年(11∼16 歳)

のインターネット依存は図 57 のような状況であった。

図 57 フランスの青少年のインターネット依存の状況(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書282をもとに作成。

インターネット依存の原因については、娯楽目的より現実逃避目的がきっかけとなる 場合が多く、心的外傷を伴う出来事(校内暴力、離婚、深刻な家庭問題、近親者の死な ど)や精神障害(ノイローゼ、自尊心喪失、社会不安障害)に関係した問題が背後に潜 んでいることが指摘されている283 282

Catherine Blaya et al. (EU Kids Online), “Risques et sécurité des enfants sur Internet : rapport pour la France – Résultats de l’enquête EU Kids Online menée auprès des 9-16 ans et de leurs parents en France,” January, 2012, p.22.: http://eprints.lse.ac.uk/46443/1/FranceReportFrench.pd

283

Académie des sciences, “L'enfant et les écrans,” January 17, 2013, p.51.: http://www.academie-sciences.fr/activite/rapport/avis0113.pdf 2% 10% 16% 10% 11% 8% 28% 37% 26% 24% 90% 62% 57% 64% 65% 0% 20% 40% 60% 80% 100% インターネットが原因で 食事や睡眠を取らないことがある インターネットを利用していないと 落ち着かないことがある 実質的な興味がないままに インターネットを利用している インターネットが原因で したいことに費やす時間が減っている インターネットの利用時間を減らそうと 努力するが、実現できない 非常に頻繁にある又は頻繁にある ときどきある ない

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(イ)対処法

2013 年1月に科学アカデミー(Académie des sciences)が発表した報告書『子供とディ

スプレイ284』では、青少年の過度なインターネット利用について以下のような提言がな されている。  インターネットの利用を禁じるよりも親子間の話し合いを大切にする(イン ターネット利用時間帯、利用時間数、利用内容など)。  「3-6-9-12 ルール」を守る。3歳未満の子供を画面に向かわせない。3歳以上 6歳未満は1日1時間、6歳以上9歳未満は1日2時間、9歳以上は1日3 時間までに制限する。なお、この場合には、テレビ、パソコン、ゲーム機、 タブレット端末機、携帯電話などすべてを含めた時間を指す。  子供部屋でのインターネットの利用を避ける。  インターネットの夜間利用を制限する。  食事中はテレビを見ない、携帯電話は使わない。  睡眠障害、精神不安及び協調性の低下といった子供の変化に注意する。 イ スマートフォン依存 (ア)具体的な兆候 Ifop 社が、2013 年1月 24 日から 25 日にかけて 18 歳以上の 995 人(内 携帯電話所有 者 947 人)を対象に実施した調査によると、スマートフォン所持者の 58%が「携帯電話 に依存している」と答えた285 また、図 58 のように、さまざまな場面でスマートフォンを利用する「ながらスマホ」 の実態も明らかにされた。 284 同上、185∼186 頁。 285

Ifop / ROOMn, “Les Français et la dépendance au téléphone portable,” February, 2013, p.6.: http://www.ifop.com/media/poll/2167-1-study_file.pdf

(3)

図 58 フランスにおける携帯電話の利用状況(2013 年)

出典:Ifop 社の報告書286をもとに作成。

2011 年の CALYSTO の「Génération numérique バロメータ調査」では、11∼12 歳の 34%、 13∼14 歳の 40%、15∼17 歳の 35%が携帯電話を枕元に置いて眠っており、携帯電話を 片時も手放せない状態にあることが報告されている287 TNS Sofres 社が、2013 年9月 10 日から 13 日にかけて 18 歳以上の 950 人を対象に運転 中のスマートフォン利用に関するアンケート調査を実施した。主な結果は、以下のとお りである288  運転中に SMS や電話などの着信音が聞こえた場合には、38%がそれに反応し、35 歳未満では 67%に達する。  31%(35 歳未満では 61%)が運転中に SMS を読み、13%(同 32%)が運転中に SMS を送信する。 286 同上、9頁。 287

CALYSTO. “«Enfant et Internet» Baromètre 2011 de l'opération nationale de sensibilisation: Génération numérique,” February, 2012, p.35.:

http://www.generationnumerique.com/wp-content/uploads/2012/02/Barometre-Calysto-F%C3%A9vrier-2012-BD. pdf

288

TNS-Sofres, “Texting au volant,” September, 2013, pp.5-8.:

http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2013.10.11-texting_au_volant.pdf 9% 18% 29% 30% 37% 43% 48% 54% 5% 8% 12% 11% 11% 20% 20% 25% 0% 20% 40% 60% 映画館での映画の鑑賞中 運転中 人との食事中 人との会話中 トイレで 朝の起床時にベッドの中で 夜の就寝前にベッドの中で テレビの視聴中 スマートフォン以外の携帯電話所有者 スマートフォン所有者

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(イ)対処法

2013 年の TNS Sofres 社の調査結果を受けて、道路安全局(Sécurité routière)はスマー トフォンの使用によって視覚・聴覚・認知・身体の4要素における運転手の注意が散漫 になり、大事故につながることを憂慮し、2013 年 10 月 13 日に「運転中のスマートフォ ン使用禁止」を掲げた広報・啓発活動を開始した。「運転中にスマートフォンを見たら、 道路は誰が見るの?(Quand vous regardez votre smartphone qui regarde la route?)」というキ ャッチフレーズでテレビ、ラジオ及びインターネットでキャンペーン放送が放映されて いる。また、道路安全局のウェブサイト289では運転中のスマートフォン使用の危険を啓 発する情報を提供し、「運転中はスマートフォンの電源を切る」「ドライブモードにする」 「スマートフォンを手にしない」「スマートフォンを運転手に渡さない」「運転休憩を入 れる」ことを推奨している(図 59 参照)。 なお、フランスでは「道路法典(Code de la route)」第 R412-6-1 条により、運転中に運 転手が電話機を手にもって使用することは禁じられており、135 ユーロの罰金及び3ポイ ントの減点が科される。 図 59 フランス道路安全局による運転中のスマートフォン使用禁止キャンペーンビデオ 注:「この絵を見て」と話しかけた子供に対して、運転席の親が「運転中だからダメ」と答える。しかし、 運転席横に置いたスマートフォンが鳴るとそれを手にして受信したメッセージを読む。そこで前方の 走行車が停止したことに気づかず、衝突事故を起こすという内容である。 出典:道路安全局のプレスリリース290 289

Sécurité Routière, “Smartphone au volant, attention danger,”:

http://www.securite-routiere.gouv.fr/conseils-pour-une-route-plus-sure/dossiers-thematiques/smartphone-au-volant -attention-danger

290

Sécurité routière, “Sondage exclusif TNS-Sofres/Sécurité routière : 61% des conducteurs âgés de moins de 35 ans lisent leurs SMS en conduisant (et 32% en écrivent),” October 11, 2013.:

(5)

(5)インターネット上のウェブサイトを利用して児童買春などの犯罪被害に遭った青 少年の数・実態

国立高等安全司法研究所(Institut national des hautes études de la sécurité et de la justice: INHESJ)の 2013 年報告書によれば、2012 年に国家警察及び憲兵隊の業務システムに記 録されたインターネットを利用した(犯人がインターネットを利用、あるいはインター ネットを介して被害者に接触する場合)性的侵害は 455 件で、それらの 80%(362 件) はポルノの性質を有する未成年者の画像を配信又は保持したものである291 性的侵害とは、その性質も非常に多様であり、主にインターネット上での性的露出、 客引き・誘引、暴力を伴わない性的攻撃、強制又は威嚇による性的攻撃といった犯罪あ るいは、オンライン児童ポルノ(未成年者のポルノの性質を有する画像を配信又は保持) に関する犯罪を総称する。国家警察及び憲兵隊によって記録されたインターネットを利 用した性的侵害は 2009 年の 385 件から 2011 年には 263 件に減少したが、2012 年に 455 件(73%増)となった(図 60 参照)。 図 60 フランスにおけるインターネットを介した性的侵害の件数の推移(2009∼2012 年) 注:フランス国家警察及び憲兵隊に記録された件数を対象としている。 出典:国立高等安全司法研究所/国立軽罪処罰監視機構の報告書292をもとに作成。

前述の「EU Kids online 調査」(2010 年実施)によると、11∼16 歳の青少年の 20%が性 的な内容のメッセージを受信したことがある。性別及び年齢層別のデータは図 61 のとお りである。

291

Jorick Guillaneuf (ONDRP), “La cybercriminalité et les infractions liées à l'utilisation frauduleuse d'internet : éléments de mesure et d'analyse,” INHESJ / ONDRP, Rapport annuel 2013: La criminalité en France, p.7.: http://www.inhesj.fr/sites/default/files/files/ondrp_ra-2013/dii_cybercriminalite_cr.pdf 292 同上。 385件 330件 263件 455件 277件 226件 194件 362件 0件 100件 200件 300件 400件 500件 2009年 2010年 2011年 2012年 インターネットを介した 性的侵害 うち、未成年者のポルノ 画像の頒布又は所持

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図 61 フランスの青少年が過去 12 か月間に性的なメッセージを受信した経験(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書293をもとに作成。

図 62 フランスの青少年が過去 12 か月間に接した性的なメッセージの内容(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書294をもとに作成。

293

Catherine Blaya et al. (EU Kids Online), “Risques et sécurité des enfants sur Internet : rapport pour la France – Résultats de l’enquête EU Kids Online menée auprès des 9-16 ans et de leurs parents en France,” January, 2012, p.39.: http://eprints.lse.ac.uk/46443/1/FranceReportFrench.pd 294 同上 P.40 4% 4% 5% 3% 6% 5% 6% 5% 7% 6% 10% 10% 8% 10% 9% 80% 80% 81% 80% 80% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 15∼16歳 13∼14歳 11∼12歳 女子 男子 一週間に1∼2回ある 一か月に1∼2回ある まれにある 一度もない 5% 3% 2% 1% 3% 9% 8% 2% 1% 1% 1% 8% 4% 1% 1% 0% 1% 3% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 性的なメッセージを見たことがある インターネットで性行為について 話すように要求されたことがある インターネットで性的部位の画像 又は動画を要求されたことがある インターネットで誰かが性的関係を 結んでいるのを見たことがある インターネットに投稿された誰でも見られる 性的なメッセージを見たことがある インターネットで性的なメッセージが 送信されてきたことがある 11∼12歳 13∼14歳 15∼16歳

(7)

また、同調査によると、11∼16 歳の 12%がインターネットで知り合った人と実際に会 ったことがある。性別では男子・女子それぞれ6%、年齢別では、15∼16 歳では6%、 13∼14 歳では5%、11∼12 歳では1%、9∼10 歳では1%である295。 2013 年9月に Ifop 社が 15∼24 歳の 1,021 人を対象に実施した調査からも、インターネ ット、特に出会い系サイトを通じて知り合った人と実際に会うケースが年々増加してい ることが確認された(図 63 参照)。 図 63 フランスの青少年のインターネットを介した出会いの経験(2013 年) 出典:Ifop 社の報告書296をもとに作成。 295 同上、42 頁。 296

Ifop, “Génération YouPorn : mythe ou réalité ? – Enquête sur l’influence des nouvelles technologies sur les comportements sexuels des jeunes,” October 16, 2013, p.17.:

http://www.ifop.com/media/poll/2367-1-study_file.pdf 38% 29% 20% 21% 14% 8% 29% 36% 23% 24% 9% 14% 54% 50% 38% 41% 11% 17% 0% 20% 40% 60% 20∼24歳・女子 20∼24歳・男子 18∼19歳・女子 18∼19歳・男子 15∼17歳・女子 15∼17歳・男子 出会い系サイトを閲覧したことがある 実際に会ったことのない人と卑猥な会 話をしたことがある(インターネッ ト、電話などを介して) インターネット(出会い系サイト、 SNSなど)で知り合った人と会ったこ とがある

(8)

図 64 フランスの青少年の出会い系サイトを利用した経験の推移(2006 年・2013 年) 出典:Ifop 社の報告書297をもとに作成。 同調査によると、15∼24 歳の 17%(男子 19%、女子 15%)がインターネットで知り 合った人と性的関係を持ったことがある(図 65 参照)。 図 65 フランスの青少年のインターネットで知り合った人と性的関係を持った経験の推移 (2006 年・2013 年) 出典:Ifop 社の報告書298をもとに作成。 297 同上、18 頁。 298 同上、20 頁。 54% 50% 38% 41% 17% 11% 28% 30% 36% 24% 0% 20% 40% 60% 20∼24歳・女子 20∼24歳・男子 18∼19歳・女子 18∼19歳・男子 15∼17歳・女子 15∼17歳・男子 2006年 2013年 データなし データなし 23% 27% 13% 22% 4% 3% 6% 11% 4% 7% 0% 20% 40% 20∼24歳・女子 20∼24歳・男子 18∼19歳・女子 18∼19歳・男子 15∼17歳・女子 15∼17歳・男子 2006年 2013年 データなし データなし

(9)

(6)青少年の間のネットいじめ

国民教育省(Ministère de l'Éducation nationale)によると、フランスの青少年の間にみら れるネットいじめの内容は表 25 のとおりである。 表 25 フランスの青少年の間のネットいじめ 手段 いじめの内容 SNS  掲示板に侮辱的なコメント、噂の投稿。  屈辱的な画像や不快なコメントの投稿。  被害者の名前を盗用し虚偽のアカウント作成、その名前を利用した不適 切なコンテンツ(ポルノ、人種差別、侮辱)の投稿。  アカウントの盗用、被害者の名前を利用した不適切なコンテンツの投稿。  被害者への身体的攻撃、その映像の録画・投稿。  いやがらせのためのウェブページの作成、不快なコメントや画像の投稿。  侮辱、脅迫などによる望まない発言の強制、その私的メッセージの投稿。 フォーラム  匿名による侮辱的な質問。  匿名による相手を傷付けるメッセージの投稿。  他のユーザーに名前を特定して暴力を働くように扇動、匿名による侮辱 的なメッセージの送信。 携帯電話  脅迫、相手を傷付ける SNS の送信。  電話番号を非表示にしたうえで、匿名による侮辱的な電話、脅迫電話、 無言電話を立て続けにかける。  内輪の画像の SMS による送信。 ビデオ共有サイト  被害者への身体的攻撃、その映像の録画・投稿。  ウェブカメラの前で衣服を脱ぐように説得、その映像の録画・投稿。  被害者を侮辱する偽造ビデオの制作・投稿。 オンラインゲーム  オンラインゲームにおける侮辱、脅迫。  アカウントを盗用し、被害者の名前で不適切なコンテンツの投稿  アカウントの盗用、被害者のクレジットの利用。  仲間外れ、無視。 電子メール  侮辱や脅迫する電子メールの送信。  ポルノコンテンツやウイルスの送信。  アカウントを盗用し、被害者の名前で不適切なコンテンツの送信。 出典:国民教育省の報告書299をもとに作成。 299

Ministère de l'Éducation nationale, “Guide de prévention de la cyberviolence entre élèves,” November , 2013.:

http://cache.media.education.gouv.fr/file/11_Novembre/26/4/DP-Agir-contre-le-harcelement-a-l-ecole-Guide_284 264.pdf

(10)

2013 年に実施された C. Blaya 氏の調査によると、フランスでは、中学生・高校生の 40% がオンラインで攻撃された又はいじめにあった経験がある。最も多いのが「SMS による いじめ」が 20.3%で、「電話によるいじめ」が 13.9%、「個人情報の盗用」が 12.1%、「イ ンターネット上で仲間外れにされる」が 11.6%と続く。このように携帯電話を使用した ネットいじめが頻繁に行われていることが確認された。SNS でいじめにあった経験は 4.8%である。なお、「ハッピースラッピング(Happy slapping;見知らぬ他人に暴行を加 えたりその光景を撮影した映像を公開したりする行為)」はそれほど広く行われてはい ないという300

前述の「EU Kids Online 調査」(2010 年実施)によると、9∼16 歳の5%がインターネ

ットで毎週いじめ被害に遭っていた301。性別 及び 年齢層別のデータは、図 66 のとおり

である。

図 66 フランスの青少年が過去 12 か月間にオンライン・オフラインでいじめ被害に遭った 経験及び頻度(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書302をもとに作成。

300

Ministère de l'Éducation nationale, “Agir contre le harcèlement à l'École – Le cyber-harcèlement.”: http://www.agircontreleharcelementalecole.gouv.fr/quest-ce-que-le-harcelement/le-cyberharcelement/

301

Catherine Blaya et al. (EU Kids Online), Risques et sécurité des enfants sur Internet : rapport pour la France – Résultats de l enquête EU Kids Online menée auprès des 9-16 ans et de leurs parents en France, January, 2012, p.36.: http://eprints.lse.ac.uk/46443/1/FranceReportFrench.pdf 302 同上。 6% 6% 4% 4% 5% 4% 6% 7% 7% 6% 8% 5% 20% 16% 12% 13% 16% 13% 69% 74% 77% 76% 71% 77% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 15∼16歳 13∼14歳 11∼12歳 9∼10歳 女子 男子 一週間に1∼2回ある 一か月に1∼2回ある まれにある 一度もない

(11)

図 67 フランスの青少年が過去 12 か月間に経験したいじめ被害の手段(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書303をもとに作成。

図 68 フランスの青少年が過去 12 か月間に経験したネットいじめの被害内容(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書304をもとに作成。

303 同上、37 頁。 304 同上、37 頁。 6% 4% 10% 2% 1% 10% 12% 0% 3% 9% 1% 1% 0% 4% 8% 12% 16% 携帯電話の通話・ SMS・ 画像・動画 インターネット上 対面 9∼12歳・男子 9∼12歳・女子 13∼16歳・男子 13∼16歳・女子 1% 3% 1% 3% 9% 12% 2% 1% 1% 3% 4% 5% 1% 1% 1% 1% 2% 5% 0% 5% 10% 15% その他 オンライン活動で仲間外れにされた インターネット上で脅迫された インターネット上で中傷的・意地悪なことをされた 自分に関する中傷的・意地悪なメッセージを 他の人が見られる場所に投稿された 中傷的・意地悪なメッセージが送信されてきた 11∼12歳 13∼14歳 15∼16歳

(12)

TNS Sofres 社が、2011 年6月 10 日から 17 日にかけて8∼17 歳の 1,200 人を対象に SNS 利用に関するアンケート調査を実施したところ、18%が SNS 上で侮辱された経験があり、 13%が SNS 上で自分に関する虚偽の情報や噂を広められた経験がある。また、男女別で は、女子の 33%が侮辱の被害及び虚偽の情報や噂の被害に遭っている305 図 69 フランスの青少年の SNS 上の画像・動画に関するいじめの経験(2010 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書306をもとに作成。 (7)青少年の個人情報保護 EU における個人情報保護は、以下のような条約及び指令にもとづいて行われている。 それぞれの主な内容については、表 26 にまとめた。  1980 年に欧州評議会の閣僚委員会によって採択された「個人データ自動処理に係 る個人の保護に関する条約第 108 号(欧州評議会条約第 108 号)」  1995 年の「個人データの取扱いに係る個人の保護及び当該データの自由な移動に 関する 1995 年 10 月 24 日欧州議会及び理事会 95/46/EC 指令307」(以下、「1995 年 データ保護指令」という。)なお、当該指令を遵守するために必要な国内法の整備 を加盟国に対して義務付けている。 305

TNS Sofres, “L'usage des réseaux sociaux chez les 8-17 ans,” June, 2011, p.26.: http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2011.07.04-reseaux-sociaux.pdf

306

同上、25 頁。

307

“Directive 95/46/CE du Parlement européen et du Conseil, du 24 octobre 1995, relative à la protection des personnes physiques à l'égard du traitement des données à caractère personnel et à la libre circulation de ces données.”: http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CELEX:31995L0046:fr:HTML 4% 7% 9% 16% 96% 93% 91% 84% 0% 50% 100% 誰かを非難・中傷するグループが作成された 又は加入させられた 仲間の誰かに関して中傷的・意地悪なことを言われた 仲間の誰かを揶揄する画像・動画が投稿された 無断で個人的な画像・動画を投稿された ある ない

(13)

 2002 年に採択され、2009 年に改正された「電子通信部門における個人データ処理 とプライバシーの保護に関する 2002 年7月 12 日欧州議会及び理事会 2002/58/EC 指令308」(以下、「2002 年電子通信プライバシー指令」という。) なお、フランスでは、以下に詳述する「個人情報保護法」を 2004 年に改正し、EU 指 令の国内法化を図った。 フランスにおける個人情報保護に関する基本法は、「情報処理、情報ファイル及び自由 に関する 1978 年1月6日法律第 78-17 号(Loi n°78-17 du 6 janvier 1978 relative à l'informatique, aux fichiers et aux libertés)」(以下、「個人情報保護法」という。)である。

同法は、「個人情報のデータ処理に関する個人保護について 1978 年法を改正する 2004 年8月6日法律第 2004-801 号(Loi n°2004-801 du 6 août 2004 relative à la protection des personnes physiques à l'égard des traitements de données à caractère personnel et modifiant la loi n°78-17 du 6 janvier 1978 relative à l'informatique, aux fichiers et aux liberté)」によって大きく 改正された(現行法は、2013 年 10 月改正版である)。

1978 年の「個人情報保護法」第1条において、「情報処理は、市民のそれぞれに奉仕す

るものでなければならない。その促進は国際協力の枠内で行わなければならない。情報 処理が人間のアイデンティティや人権、私生活、さらには個人的又は公的な自由を侵害 するものであってはならない」という基本原則が定められている。

「個人情報(donnée à caractère personnel)」とは、同法第2条により「一般人に関する あらゆる情報の中で、識別番号又は個人固有の一つ又は複数の要素を参照することによ って、直接又は間接に個人を識別する、又は、識別可能なもの」と定義されている。 また、同法第5条に規定される、フランス領内に存在する個人情報処理責任者309 又は フランス領内に設置された処理手段によって、①個人情報の自動処理、②情報ファイル に記載されている又は記載を予定されている個人情報の非自動処理のいずれかの方法で、 専ら個人的な行為を目的とする処理を除いたものを個人情報保護の適用範囲と規定して いる310 同法第4条は、ISP がプロキシサーバにアクセスした際に生じる一時的な情報の複写等 は本法の適用除外と規定する。 308

“Directive 2002/58/CE du parlement européen et du Conseil du 12 juillet 2002 concernant le traitement des données à caractère personnel et la protection de la vie privée dans le secteur des communications électronique.”: http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CELEX:32002L0058:FR:HTML 309 同法第3条において、本処理に関する法令の規定が明示的に指定する場合を除き、処理の目的及び 方法を決定する個人、行政当局、役務又は機関と定義される。 310 同法第2条において、個人情報処理とは、「手段のいかんを問わず、個人情報に対して行われるあ らゆる操作又は操作の全体、特に収集・記録・編成・保存・適用・修正、又は抽出・閲覧・利用・転送 及び配布、その他のあらゆる形態の伝達・結合・相互接続・アクセス停止・消去・破棄」と定義される。

(14)

表 26 EU の個人情報保護に関する条約及び指令 条約・指令 主な内容 「個人データ自動処理に係 る個人の保護に関する条約 第 108 号」  データ内容(データ内容の原則、目的明確化の原則、収集制 限の原則、利用制限の原則)。  特別の種類のデータ(人種、政治的意見又は宗教、その他の 信条を明らかにする個人データ及び健康又は性生活に関する 個人データ)。  データの安全保護。  データ主体のための追加的保護措置(公開の原則、個人参加 の原則)。  個人データの越境流通。  非加盟国の加入。 「1995 年データ保護指令」  データ内容に関する原則。  データ取扱いの正当性の基準。  特別な種類(人種又は民族、政治的見解、宗教的又は思想的 信条、労働組合への加入、健康又は性生活に関するデータ) の取扱い。  データ主体に提供されなければならない情報。  データ主体のデータへのアクセス権。  適用除外及び制限。  データ主体の異議申立権。  取扱いの機密性及び安全性。  通知(監督機関への通知義務)。  第三国への個人データの移転に関する規律。  独立した監督機関及び個人データ取扱いに係る個人の保護に 関する作業部会。 「2002 年電子通信プライ バシー指令」  通信の秘密保持。  Cookie の利用にあたって内容を明示しオプトインによる利用 者同意を求める。  位置情報データを利用する際にオプトインによる利用者同意 を求める。

(15)

個人情報処理にあたっては、同法第7条の規定に従い、関係人の同意を得ることが原 則とされるが、以下の適法要件の一つを満たすことによって同意を得ずに処理すること が許される。 【個人情報処理の適法要件】(個人情報保護法第7条)  処理責任者に課せられる法的義務の遵守。  関係人の生命の保護。  処理責任者又は名宛人の担当する公的役務上の任務遂行。  関係人が当事者となる契約又は関係人の要請にもとづく契約前の措置の遂行。  関係人の基本的利益、権利及び自由を尊重するという留保の下での、処理責 任者又は名宛人の追求する正当な利益の実現。 ただし、特定の情報(センシティブ情報)については、その重要性から別に規定が定 められる(同法第8条及び次条により、「人種的又は民族的起源」「政治的、哲学的又は 宗教的見解」「労働組合への所属」が直接的又は間接的に明らかになる個人情報、さらに は「健康又は性生活」に関する個人情報については原則として収集・処理が禁じられる)。 個人情報処理責任者には、同法第 32 条及び次条の規定により、以下の法的義務が課せ られる。 【情報提供者への告知義務】(個人情報保護法第 32 条)  処理責任者又は代理人による情報収集の対象者への告知義務:処理責任者又は代 理人の身元、処理目的、回答が義務的又は任意的であるか、回答拒否の場合の影 響、情報の名宛人又はその範疇、アクセス権などの権利、EU 域外への情報の転送。  処理責任者又は代理人による電子通信サービスの利用者への明確かつ完全な告知 義務:電子通信端末にストックされる情報に電子転送手段によってアクセスする あらゆる行為、又は端末に情報を記録するあらゆる行為の目的、利用者が拒否す るために行うことができる手段について。 情報を収集しない場合でも、情報を記録又は第三者に伝達することが想定されている 場合には、遅くとも最初の伝達の時に、上記の告知義務が課せられる。ただし、国家安 全、国防、公安に関わる国家のための処理又は刑罰の執行又は保安処分の執行を目的と する処理においては、当該目的に必要な範囲で告知義務が免除される。 なお、犯罪の予防、捜査、立証又は起訴を目的とする処理に対しては、告知義務の諸 規定は適用されない。

(16)

個人情報保護法第 34 条の規定により、個人情報処理責任者は個人情報の安全を確保す るため、特に歪曲、破損又は無許可の第三者アクセスを排除するために、あらゆる有効 な予防措置を講じることが義務付けられている。 個人情報に係る権利として、「拒否権」、「質問権」、「訂正、補完、更新、停止又は消去 にかかる請求権」が認められている。 「個人情報保護法」第 38 条の規定により、正当な理由をもって、個人情報が処理の対 象となること、また、市場調査、商業目的のために個人情報が利用されることを拒否す ることができる。 同法第 39 条において、本人であると証明された個人が個人情報の取扱いについて情報 処理責任者に質問する権利及び複写を要求する権利、処理責任者の拒否権行使が規定さ れる。また、同法第 40 条の規定により、本人であると証明された個人は、当該個人情報 が不正確・不完全・不明瞭・過去のものである場合、若しくは、当該個人情報が収集・ 利用・伝達・保存されたくない場合に、個人情報処理責任者に対して、当該個人情報を 訂正・補完・更新・停止・消去するように要請することができる。 2012 年 11 月に権利擁護機関が発表した報告書『子供とディスプレイ:デジタル世界で 育つこと』で指摘されているように、個人情報に係る権利は青少年に限定されたもので はなく、広く一般を対象とし、また、個人情報保護法より未成年者は権利行使において 無能力であることから、青少年は法定代理人を介さなければ上記権利を行使することは できない。そこで、個人情報保護における監督機関である CNiL(情報処理及び自由に関 する全国委員会)では、青少年が法定代理人を介して拒否権や情報消去権などを行使で きるように、請求文書の定型をウェブサイトで紹介している311 フランスでは、個人情報保護違反に対して、「個人情報保護法」及び「刑法典」にもと づいて刑事制裁・罰則が規定される。特に、「国内安全の成果のための方針及び計画 2011

年3月 14 日法律第 2011-267 号(Loi n°2011-267 du 14 mars 2011 d'orientation et de programmation pour la performance de la sécurité intérieur:LOPPSI)」第2条は、インターネ ットによる公衆向け通信ネットワークで第三者の個人情報を詐取する行為が処罰の対象 (1年間の禁固刑又は1万 5,000 ユーロの罰金)として規定しており、同条文は「刑法典」 第 226-4-1 条に組み込まれた。なお、以前は不正支払等の金銭被害が発生した場合のみに 取締りを行っていたが、同法により金銭被害が発生しない場合でも処罰の対象となった。 311

CNiL, “Le droit d'opposition.”: http://www.jeunes.cnil.fr/tes-droits/le-droit-dopposition/

清田雄治「フランスにおける個人情報保護法制と第三者機関:CNIL による治安・警察ファイルに対す る統制」: http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/05-23/kiyota.pdf

(17)

情報処理及び自由に関する全国委員会(Commission nationale de l'informatique et des libertés:CNiL; http://www.cnil.fr/)

「個人情報保護法」第 11 条の規定により、フランスにおける個人情報保護にお ける監督機関・独立行政機関として設置された。同法第 13 条の規定により、国民 議会議員2名、元老院議員2名、経済社会環境評議会(Conseil économique, social et environnemental)委員2名、国務院(Conseil d'Etat)裁判官2名(現職又は退職者)、 破棄院(Cour de cassation)裁判官2名(現職又は退職者)、会計院(Cour des comptes) 顧問2名(現職又は退職者)、IT 専門家5名の計 17 名の委員で構成され、任期は 5年で1回に限り再任が可能である。 また、インターネットにおける青少年の個人情報保護を目的とした専用ウェブ サイト(http://www.jeunes.cnil.fr/)を開設し、青少年、保護者及び教育者に対して 個人情報保護に係る情報提供を行っている CNiL の任務は個人情報保護法第 11 条に規定され、以下のとおりである。  関係者及び情報処理責任者に義務及び権利を知らせる。  個人情報処理において法規定を遵守しているか監視する。 a. 情報処理の許可、情報処理に関する意見、情報処理の届出受理。 b. 安全システムの標準化に係る規則の制定。 c. 個人情報処理に関する請求や苦情の処理。 d. 公権力や司法機関の諮問に対する回答、自動処理を実施する個人又 は組織に対する助言。 e. 違法行為の通報。 f. 委員会の代理による情報処理の査察、文書及び媒体の複写。 g. アクセス請求に対する回答。  情報処理責任者から構成される職業団体などからの請求に応じて、 a. 個人情報処理に対する個人保護又は情報の匿名化のための、職業規 則案及び製造物並びに手続きが個人情報保護法の規定に準拠してい るかの意見表明。 b. 職業規則の個人保護に対する評価。 c. 個人情報保護のための製造物及び手続に対するラベル交付。  情報技術の発展に伴う情報提供。 a. 自動情報処理に対する個人保護のための法案又はデクレ案に対する 諮問。 b. 情報技術の発展に対応して自由を保障するための立法・行政措置の 政府への提案。

(18)

c. 他の独立行政機関からの請求に応じての、個人情報保護に関する協 力 d. 首相の要請にもとづく、個人情報保護に関する外交交渉におけるフ ランスの立場表明の準備並びに決定への参加及びフランス代表とし て国際組織への参加。  任務遂行のための勧告、個別決定又は規則制定。  大統領、首相及び国会への年次報告書の提出。 個人情報保護に関する CNiL の主な啓発活動については、以下のとおりである312  2012 年3月に、13∼18 歳を対象に、SNS 上に情報を投稿することによる 影響及びインターネット利用に際したプライバシーの保護について理解

を深めることを目的にインタラクティブビデオ Share The Party の配信

を開始した313

 2011 年1月に、6∼14 歳を対象とする iPhone アプリケーションをリリー

スし、「クイズ」「アドバイス」「ネット用語集」の3つのテーマを通じて、

インターネットにおける個人情報保護のためのルールを説明している314

 小学生及び中学生を対象とした日刊紙に「インターネットでプライバシ ー保護(Protège ta vie privée sur Internet)」と題する CNiL 特別号を発行し、

インターネット上に情報を配信する際の注意を喚起した315

 国民教育省と提携を図り、市民教育科目の学習内容に「プライバシー及 び個人情報の保護」を組み込み、青少年のリテラシー向上を推進してい る316

312 Défenseur des droits, “Enfants et écrans: grandir dans le monde numérique,” November, 2012, pp.103-104.:

http://www.ladocumentationfrancaise.fr/var/storage/rapports-publics/124000617/0000.pdf

313

CNiL, “Share The Party.”: http://www.jeunes.cnil.fr/espace-jeunes/share-the-party/

314

CNIL, “Appli iPhone.”: http://www.jeunes.cnil.fr/espace-jeunes/appli-iphone/

315

Play Bac 社が刊行する 10∼14 歳を対象とした日刊 紙 Mon Quotidien

(http://www.jeunes.cnil.fr/espace-jeunes/mon-quotidien/)と 14∼18 歳を対象とした日刊紙 L’actu (http://www.jeunes.cnil.fr/espace-jeunes/le-clip/)。

316

「2011 年3月 22 日法律第 2011-302 号(Loi n°2011-302 du 22 mars 2011 portant diverses dispositions d'adaptation de la législation au droit de l'Union européenne en matière de santé, de travail et de communications électroniques)」により「教育法典(Code de l’éducation)」第 L312-15 条が改正され、道徳・市民教育 (enseignement moral et civique)の一環で、公衆向けオンライン通信サービスの利用に際して、インタラ クティブツール利用における責任ある行動を獲得し、公共のイメージを制御する方法、自己及び他者の 露出の危険、「1978 年個人情報保護法」が定める拒否権、削除権、アクセス権、訂正権について情報を 得ることが規定された。

(19)

インターネット上の個人情報に対するフランスの青少年の認識に関する統計を以下に 紹介する。 2011 年の TNS Sofres 社の調査によると、8∼17 歳の 92%が実際の個人情報を用いてプ ロフィールを作成していることが明らかとなった317。また、情報配信を制限するプライ バシー設定について、「プライバシー設定のことを知らない」が 18%(13 歳以下では 33%)、 「プライバシー設定の存在を知っているが設定の仕方がわからない」が 11%(13 歳以下 では 16%)であり、情報配信の保護が徹底されていないことがわかった318 図 70 フランスの青少年が SNS のプロフィール開設時に提供した情報(2011 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書319をもとに作成。 317

TNS Sofres, “L'usage des réseaux sociaux chez les 8-17 ans,” June, 2011, p.19.: http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2011.07.04-reseaux-sociaux.pdf 318 同上、37 頁。 319 同上、20 頁。 5% 7% 9% 18% 27% 36% 58% 67% 67% 68% 69% 77% 88% 90% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 固定電話番号 政治的見解又は宗教的見解 携帯電話番号 架空の個人情報(年齢、好みなど) 住所 好きなブランド名又は商品名 交際状態 好きな映画又は音楽グループ 通学する学校名 電子メールアドレス又はインスタントメッセージ 趣味・関心 年齢又は生年月日 個人画像 氏名 男子:83% 女子:92% 13歳以上の男子:71%

(20)

図 71 フランスの青少年の SNS のプライバシー設定に対する認識(2011 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書320をもとに作成。 図 72 フランスの青少年がプライバシー設定を変更した経験(2011 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書321をもとに作成。 そのほか、インターネット上での個人情報の悪用被害に関する統計(11∼16 歳)及びス マートフォンから個人情報を送受信することに抵抗を感じる内容に関する統計(15∼17 歳) は、それぞれ図 73・図 74 のとおりである。 320 同上、37 頁。 321 同上、38 頁。 81% 51% 8% 16% 11% 33% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 14∼17歳 8∼13歳 存在・設定の仕方・変更の仕 方を知っている 存在は知っているが設定の仕 方を知らない 存在も知らなかった 61% 69% 66% 6% 11% 9% 32% 20% 25% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 14歳∼17歳 8∼13歳 全体(8∼17歳) ある・自分一人で ある・親と一緒に ない

(21)

図 73 フランスの青少年が過去 12 か月間にインターネット上で個人情報を 悪用された経験(2010 年)

出典:EU Kids Online の報告書322をもとに作成。

図 74 フランスの青少年がスマートフォンから個人情報を送受信することに 抵抗を感じる内容(2011 年)

出典:CNiL のスライド323をもとに作成。

322

Catherine Blaya et al. (EU Kids Online), “Risques et sécurité des enfants sur Internet : rapport pour la France – Résultats de l’enquête EU Kids Online menée auprès des 9-16 ans et de leurs parents en France,” January, 2012, p.44.: http://eprints.lse.ac.uk/46443/1/FranceReportFrench.pdf

323

CNiL, “Smartphones et vie privée,” 2011, p.29:

http://www.cnil.fr/fileadmin/documents/La_CNIL/publications/DEIP/CNIL-Etude-SMARTPHONES-2011.pdf 1% 1% 2% 3% 1% 0% 1% 2% 0% 1% 1% 1% 0% 1% 1% 1% 0% 2% 4% インターネットで金銭をだまし取られた 好ましくない方法で自分の情報を 誰かに使用された 誰かが自分の情報にアクセスするために パスワードを使用したり 自分になりすましたりした 個人情報を悪用された経験がある 11∼13歳・男子 11∼13歳・女子 14∼16歳・男子 14∼16歳・女子 38% 45% 49% 51% 59% 74% 76% 84% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 氏名 個人連絡先 生年月日 医療情報 住所 機密ファイル 暗号(パスワード) 銀行口座情報

(22)

(8)青少年のインターネット利用の際のフィルタリング利用率

2011 年の CALYSTO の「Génération numérique バロメータ調査」の結果は、図 75 のとお りであり、特に携帯電話におけるペアレンタルコントロールの実施率がきわめて低いこ とがわかる。 図 75 フランスにおけるペアレンタルコントロールの実施率(2011 年) 出典:CALYSTO の報告書324をもとに作成。 TNS Sofres 社が、2012 年9月に携帯電話を所有する 10∼15 歳の子供を持つ親 1,000 人 を対象に実施したアンケート調査によると、携帯電話におけるペアレンタルコントロー ルの利用率は7%であった325 (9)青少年のインターネット利用に関する親子間の話し合い並びにルール設定の有無及 び内容 2012 年6月に生活環境調査観察研究所(CREDOC)が 20 歳未満の子供を持つ親に対し て実施した調査によると、「青少年がインターネットを利用する時間」を制限するルール を設定しているのは約半数で、「通話や SMS を送信する時間」を制限するルールを設定 しているのは およそ3人に1人であった(図 76・図 77 参照)。 324

CALYSTO. “«Enfant et Internet» Baromètre 2011 de l'opération nationale de sensibilisation: Génération numérique,” February, 2012, p.4, 36.:

http://www.generationnumerique.com/wp-content/uploads/2012/02/Barometre-Calysto-F%C3%A9vrier-2012-BD. pdf

325

TNS Sofres, “Action Innocence et UNAF: Le rôle des parents face à l utilisation du téléphone portable chez leurs enfants,” October, 2012, p.32.:

http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2012.10.16-telephone.pdf 4% 6% 3% 21% 6% 26% 0% 10% 20% 30% 携帯電話でペアレンタルコントロールが 機能するように設定されている 自宅で子供と共有して利用するPCに ペアレンタルコントロールソフトウェアが インストールされている 11∼12歳 13∼14歳 15∼17歳

(23)

図 76 フランスにおける青少年の利用時間に関する親子間のルール設定の有無(2012 年) 出典:CREDOC の報告書326をもとに作成。 図 77 フランスにおいて青少年の利用時間に関して親子間のルールを設定している 親の割合(2012 年) 出典:CREDOC の報告書327をもとに作成。 また、親が利用時間に関するルールを設定している場合、ルール設定がない場合に比 べて、12∼17 歳の青少年のテレビの視聴時間は2時間少なく、インターネット利用時間 326

Régis Bigot et al. (CREDOC), “La diffusion des technologies de l'information et de la communication dans la société française (2012),” October, 2012, p.157.:

http://www.credoc.fr/pdf/Sou/Credoc_DiffusiondesTIC_2012.pdf 327 同上、263 頁。 49% 49% 47% 32% 49% 51% 51% 66% 2% 2% 2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ビデオゲームの実施 テレビの視聴 インターネットの利用 通話又はSMSの送信 ルールがある ルールがない わからない 18% 0% 18% 0% 9% 18% 9% 9% 47% 46% 45% 30% 61% 62% 55% 37% 20% 54% 11% 8% 39% 36% 44% 32% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ビデオゲームの実施 テレビの視聴 インターネットの利用 通話・SMSの送信 12∼17歳 18∼24歳 25∼39歳 40∼59歳 60∼69歳 70歳以上

(24)

は6時間少ない(図 78 参照)。 図 78 フランスの親による利用時間制限のルール設定の有無による青少年の テレビ及びインターネットの利用時間の比較(2012 年) 出典:CREDOC の報告書328をもとに作成。 SNS 利用時のルール設定については、2011 年に TNS Sofres 社が8∼17 歳を対象に実施 した SNS 利用に関するアンケート調査によると、SNS の利用時間帯や利用時間数につい て親子間で制限ルールが少なからず設けられていることが分かる。特に 13 歳未満の利用 については、親の監視が強い(図 79 参照)。 328 同上、158 頁。 12時間 12時間 14時間 18時間 0時間 5時間 10時間 15時間 20時間 テレビ インターネット ルール設定あり ルール設定なし

(25)

図 79 フランスの青少年の SNS 利用制限ルールの設定状況(2011 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書329をもとに作成。 携帯電話の利用については、2012 年に TNS Sofres 社が、携帯電話を所有する 10∼15 歳の子供を持つ親 1,000 人を対象に実施した調査がある。同調査によると、携帯電話の利 用時間を制限しているのは全体の 44%であった。また、「(前略)時間帯によって携帯電 話に応答することを禁止している」「知らない人からのメッセージに応答することを禁止 している」などのルールを設けている親が多い一方で、通話時間や SMS の送信数につい てはあまりルールが設けられていないことが分かる(図 80 参照)。なお、同調査による と、携帯電話をめぐる親子間の衝突の原因の第1位は、親子で設定したルールを子供が 守らないことである(図 81 参照)。また、親の 69%が「携帯電話の利用料金」、51%が「携 帯電話の利用内容」を監視している330 329

TNS Sofres, “L'usage des réseaux sociaux chez les 8-17 ans,” June, 2011, p.14.: http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2011.07.04-reseaux-sociaux.pdf

330

TNS Sofres, “Action Innocence et UNAF: Le rôle des parents face à l utilisation du téléphone portable chez leurs enfants,” October, 2012, p.28.:

http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2012.10.16-telephone.pdf 1% 3% 5% 7% 17% 13% 20% 7% 4% 11% 37% 34% 42% 45% 0% 20% 40% 60% 親が同じ部屋にいない場合には 接続が禁止されている SNSにプロフィールを持つことが 禁止されている ペアレンタルコントロールで 接続をブロックする 親がプロフィールに承認する 友人を監督する 親が接続時間を制限する 親が内容を確認する 親が接続可能時間帯を制限する 8∼12歳 13歳∼17歳

(26)

図 80 フランスにおける携帯電話の利用制限ルールの設定状況(2012 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書331をもとに作成。 図 81 フランスにおける子供の携帯電話の利用をめぐる親子間の衝突の原因(2012 年) 出典:TNS Sofres 社の報告書332をもとに作成。 331

TNS Sofres, Action Innocence et UNAF: Le rôle des parents face à l utilisation du téléphone portable chez leurs enfants, October, 2012, p.26.:

http://www.tns-sofres.com///sites/default/files/2012.10.16-telephone.pdf 332 同上、14 頁。 18% 44% 60% 68% 82% 56% 40% 32% 0% 50% 100% 接続条件でブロックしている (通話分数、SMS送信数) 利用時間を制限している 知らない人からのメッセージに 応答することを禁止している 家族での食事中、宿題・勉強中など 時間帯によって携帯電話に 応答することを禁止している ルールがある ルールがない 3% 1% 3% 6% 7% 13% 18% 28% 29% 29% 48% 0% 10% 20% 30% 40% 50% その他 失礼な態度(知らない間に動画を撮影するなど) 不適切なサイトへの接続 成績の低下 SNSに費やす時間 話しかけても携帯電話に夢中 パッケージ料金の超過 SMSの文面 SMS送信に費やす時間 電話に出ない ルールを守らない

(27)

2011 年 11 月の CNiL(情報処理及び自由に関する国家委員会)の調査によると、スマ ートフォンにおけるペアレンタルコントロールに関して、スマートフォンを使用する子 供を持つ親の 33%が「子供の携帯電話利用を監視しない」、33%が「定期的に携帯電話利 用を監視する」、15%が「携帯電話の利用を制限する」、10%が「厳しい利用規則を設定 している」、10%が「考えたことがない」と回答した333 BVA 社が、2013 年1月 31 日から2月1日にかけて 15 歳以上の 1,079 人を対象に実施 したアンケート調査において、子供のスマートフォン・タブレットの利用について質問 したところ、図 82 のような結果が得られた。 図 82 フランスの子供のスマートフォン・タブレットの利用に対する親の認識(2013 年) 出典:BVA のスライド資料334をもとに作成。 2012 年に Viavoice 社が、インターネットの危険について親子間で話し合う頻度につい て9∼16 歳の子供を持つ親を対象に実施したアンケート調査の結果は、図 83 のとおりで ある。 また、9∼16 歳の子供がインターネットで行っていることを親に話すかどうかについ ては、「親に隠し事はせず、すべて話す」が 59%(9∼12 歳で 70%、13∼16 歳で 49%)、 「親と頻繁に話し合うが、隠し事もある」が 33%、「親と話し合わない、親に知られたく ない」が8%であった335 333

CNiL, “Smartphones et vie privée,” 2011, p.22:

http://www.cnil.fr/fileadmin/documents/La_CNIL/publications/DEIP/CNIL-Etude-SMARTPHONES-2011.pdf

334

BVA, “L'utilisation des Smartphones et tablettes par les enfants,” February, 2013, p.5.:

http://www.bva.fr/data/sondage/sondage_fiche/1230/fichier_la_question_nouvelles_technologies_du_mois_-_fevri er_2013ace63.pdf

335

Viavoice, “Les pratiques des 9-16 ans sur Internet: Regards croisés entre parents et enfants,” December,2012, p.12.: http://www.institut-viavoice.com/docs/Les-pratiques-des-9-16-ans-sur-Internet_Decembre2012.pdf 48% 79% 85% 50% 20% 14% 2% 1% 1% 0% 50% 100% 子供の知性を磨く 子供が家族から孤立する スポーツや読書などの趣味を奪 う そう思う そう思わない 回答なし

(28)

図 83 フランスの親子がインターネットの危険について話し合う頻度(2012 年) 出典:Viavoice 社の報告書336をもとに作成。 子供がインターネット関連の話題を親に話すかどうかについては、2011 年の CALYSTO の「Génération numérique バロメータ調査」がある。同調査の結果は図 84 のとおりであり、 あまり話さないことがわかる。 図 84 フランスの青少年がインターネットについて親に話す内容(2011 年) 出典:CALYSTO の報告書337をもとに作成。

前述の「EU Kids Online 調査」(2010 年実施)の結果によると、9∼16 歳の 73%がイン

ターネットで何をしているかを親と話し合う338一方で、9∼16 歳の 46%がインターネッ

336

同上、11 頁。

337

CALYSTO. “«Enfant et Internet» Baromètre 2011 de l'opération nationale de sensibilisation: Génération numérique,” February, 2012, p.5.:

http://www.generationnumerique.com/wp-content/uploads/2012/02/Barometre-Calysto-F%C3%A9vrier-2012-BD. pdf

338

Catherine Blaya et al. (EU Kids Online), “Risques et sécurité des enfants sur Internet : rapport pour la France – Résultats de l’enquête EU Kids Online menée auprès des 9-16 ans et de leurs parents en France,” January, 2012, p.46.: http://eprints.lse.ac.uk/46443/1/FranceReportFrench.pd 32% 25% 26% 24% 19% 23% 8% 10% 8% 9% 4% 5% 3% 4% 0% 50% 100% 2012年 2011年 1週間に1回 3週間に1回 1か月に1回 半年に3回 半年に1回 1年に1回 一度もない 8% 20% 18% 28% 12% 22% 0% 10% 20% 30% 見たショッキングなコンテンツ インターネットの利用内容 11∼12歳 13∼14歳 15∼17歳

(29)

ト利用中に親から話しかけられたときに無視したことがある(15∼16 歳:51%、13∼14 歳:47%、9∼10 歳:35%)339

図 85 フランスにおける子供のインターネット利用に対する親の介入状況(2012 年)

出典:EU Kids Online の報告書340をもとに作成。

339 同上、57 頁。 340 同上、43 頁。 28% 30% 47% 41% 65% 34% 33% 52% 42% 68% 56% 67% 59% 78% 80% 60% 62% 61% 74% 79% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% インターネットの活用状況を親と共有する インターネットをする際に親がすぐ横にいる インターネットの活用・習得を親が支援する インターネットをする際に親が近くにいる インターネットで行うことを親と話し合う 9∼12歳・男子 9∼12歳・女子 13∼16歳・男子 13∼16歳・女子

図 57  フランスの青少年のインターネット依存の状況(2010 年)
図 58  フランスにおける携帯電話の利用状況(2013 年)
図 61  フランスの青少年が過去 12 か月間に性的なメッセージを受信した経験(2010 年)
図 64  フランスの青少年の出会い系サイトを利用した経験の推移(2006 年・2013 年)  出典:Ifop 社の報告書 297 をもとに作成。  同調査によると、15∼24 歳の 17%(男子 19%、女子 15%)がインターネットで知り 合った人と性的関係を持ったことがある(図 65 参照)。  図 65  フランスの青少年のインターネットで知り合った人と性的関係を持った経験の推移 (2006 年・2013 年)  出典:Ifop 社の報告書 298 をもとに作成。
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参照

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