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地域企業でのインターンシップの現状と課題

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Academic year: 2021

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要旨  就職活動時期の短期化に伴い,インターンシップ(以下インターン)の役割が重要視されている。大学生 を学業に専念させたいとの安倍内閣の要請を受け,経団連は採用活動の解禁を 3 年次の 12 月から 3 月,採用 試験の開始を 4 年次の 4 月から 6 月に後ろ倒しをする指針を示した。実質的な就職活動期間が短期化され, 学生は自らの志望を固める意味で積極的にインターンの参加を考え,企業は優秀な学生との早期の接触の意 図からもインターンに力を入れている。しかしながら地方大学の学生がインターンに参加する場合,都市部 の大手企業のインターン参加は交通費,宿泊費の負担が必要なことから大学の立地地域での参加が多くなる。 地方企業でのインターンは日程が短い,内容が充実していない,希望する企業を選択できないなど学生から の不満も多い。本研究は福井県立大学経済学部・生物資源学部の学生を対象に福井県企業で実施されるイン ターン参加の現状と効果を調査分析し,地方大学の留学生のインターン参加並びに就職意識も踏まえ,地方 企業で行われるインターンの課題を抽出したものである。 キーワード:インターンシップ,地域企業,就業体験型,プロジェクト型,留学生

Ⅰ.はじめに

 本研究は,2016 年度福井県立大学特別研究(地域 貢献型)に採択を受けた「地方大学留学生のキャリア 形成と地元定着に関する研究―インターンシップの効 果分析を中心として―」の成果の一部である。  就職活動時期の短期化に伴い,インターンの役割が 重要視されている。学生は企業での就業体験を通し自 分の適性や就職の方向性を見極めたいと考え,企業は 自社を志望する優秀な学生と早期に接触を図り自社の 志望者を増やしたいという意図があるからと言われて いる。また,地方では少子化の進展に伴い若年労働人 口の減少を抑制する意図からも,行政が中心となり地 方企業のインターンに力を入れ地元への就職を促進し ている。グローバル化は地方企業でも進み,アジア地 域へ事業展開している企業は多い。それらの企業に とってはアジア地域からの留学生は魅力的な人材であ る。地方大学の留学生の地元企業就職に対する支援の 一つとして,留学生のインターン参加も増加させよう としている。  インターンの起源には諸説あるが , 一般的にはシン シナティ大学(米国)において開始された“coopera-tive education”(産学連携教育)が最初であると言わ れている。日本におけるインターンの導入は、1997 年に「『教育立国』をめざして」という教育改革プロ グラムの中でインターンの総合的な導入が謳われたこ とによる。それを受けて,当時の文部省(現文部科学 省),労働省(現厚生労働省),通産省(現経済産業 省)が議論を重ね「インターンシップ推進に当たって の基本的考え方」を同年 9 月に発表している(田中: 2007)。この中ではインターンを「学生が在学中に自 らの専攻,将来のキャリアに関連した就業体験を行う こと」と定義づけている。  米国のインターンの場合,企業と大学が連携して実 施する教育の側面が強く半年以上の長期間にわたり実 施されるが,日本においてはバブル崩壊後の就職難, 早期離職者の増加を背景として取り入れられ,就職へ

地域企業での

インターンシップの現状と課題

―留学生の意識との比較も含めて―

The Journal of Economic Education No.36, September, 2017

The Present State of Internship in Local Companies and Related Issues

NAKAZATO, Hiroho

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の意識付けという側面が強いという特徴がある。また, 米国のインターンは長期にわたるため有給であるが日 本の場合多くは無給で,インターン参加のための交通 費・宿泊費も参加学生が負担する場合が多い。  現在のように売手市場と言われる新規学卒者の就職 活動において,企業や地域もインターン参加に力を入 れているが,地方大学の学生の場合,都市部の大手企 業のインターンや充実した内容のインターンに参加す ることは旅費・宿泊費がかかることから難しい状況に ある。よって地方大学の学生は,在籍する大学の地域 企業でのインターンに参加することが多くなる。しか しながら学生からは,地域企業のインターンは参加企 業を自由に選択できない,日程が短い,見学・講義の 内容が多く就業体験が少ないなど不満も上がっている。  本研究では福井県立大学,経済学部・生物資源学部 3 年生のインターン授業の履修学生を対象に,参加前 と終了後さらに就職活動時期の意識の変化を継続的に 調査することで,地域企業で行われるインターンの現 状と効果を分析するとともに,地域企業で行われるイ ンターンの課題を明確にする。併せて地方大学の留学 生の就職やインターンに対する意識も考察する。

Ⅱ.インターンシップの概要

 インターンを実施する大学は,年々増加している。 文部科学省の調査によれば1996年にはわずかに104校 (17.7%) で の 実 施 で あ っ た が,2007 年 に は 504 校 (67.7%)が実施している。日本学生支援機構の調査 (2014 年)によればインターンの参加学生は 3 年次生 が 61.2% と多数を占め,実施時期も 8 月 9 月が 70.9% と夏季休業中に集中している。実施期間も 1 週間未満 が 25.3%,1 〜 2 週間未満が 44.8% であり,1 か月以上 の長期間の実施は9.9%と1割にも満たない。米国に比 べ日本の大学ではやはり短期での実施が多いと言える。  インターンは就業体験であると言っても,実際には 様々な研修形式で実施されている。古閑は日本のイン ターンの研修形式を(1)実践タイプ,(2)プロジェ クト課題解決タイプ,(3)見学・体験タイプ,(4)講 義タイプの 4 つに分けている(古閑:2004)。(1)実 践タイプは販売体験や接客体験,イベントの設営・受 付業務体験,製造工程の体験など,体験先企業の社員 の方のサポートを受けながら実際に業務を行うイン ターンである。(2)プロジェクト課題解決タイプは新 製品の企画など企業側から示された課題に対してグ ループで調査・討議を重ね提案を行うインターンであ る。(3)見学・体験タイプは職場や事業所の見学が中 心で一部体験なども取り入れているインターンであ る。 (4)講義タイプは研修室の中などで事業概要や業 界の現状など講義が中心のタイプである。  福井県のインターンは福井県経営者協会が受託事業 者となり,県内 5 大学の学生が参加する。本研究では, インターンの形式を募集案内及び前年度の実施報告か ら概ね (1)講義・見学型,(2)就業体験型,(3)プ ロジェクト型の 3 つに分類し分析した。(1)講義・見 学型は,研修室内での事業内容の説明,事業所や就業 現場の見学,業務の模擬的体験などの内容のインター ンである。(2)就業体験型は,古閑の実践タイプと同 じである。(3)プロジェクト型は古閑のプロジェクト 課題解決タイプと同じであるが,期間が短いため本格 的な調査や分析は行われていない場合も多い。提案・ 発表を行うことは同じである。

Ⅲ.インターン先の選択

 本学で授業として実施しているインターンは,基本 的に福井県経営者協会が事務局となり福井県企業・団 体で実施するインターンに参加することで単位が認定 される。インターン参加の前に 10 時間ほどの授業が あり,福井県経営者協会が主催する事前研修会および 事後研修会への参加が義務付けられている。福井県内 5 大学の学生と福井県出身の U ターン学生が対象とな り,同協会が受け入れ企業と参加学生の募集並びに学 生と企業のマッチングを行う。2 週間以上の長期コー スと呼ばれるインターンもあるが多くは 2 日〜 5 日と 研修期間も短く, 500 名以上が参加するために必ずし も希望の企業や体験内容で研修できるとは限らない。  学生はどのような意識や目的を持ち参加するのであ ろうか。今回 2014 年,15 年,16 年と本学の授業受講 学生にインターンの参加前に質問票調査を実施した。 2016 年の場合,有効回答数は経済学科 3 年生 46 名, 経営学科 3 年生 39 名,生物資源学科 3 年生 29 名であ る。授業の履修登録者が全員インターンに参加するわ けではなく,日程の関係で最終的に参加しない学生も 出てくる。主な質問項目は,「インターンについての イメージ」「研修先の選択基準」「インターンへの効果 期待」などである。  学生の参加目的は,「職場を理解したい」(2014 年 15年の合算47.4%,16年43.9%)「志望業種で体験し自 分の適性を知りたい」(同 41.2%,45.6%)「志望職種・ 業種の仕事内容を知りたい」(同 36.0%,28.9%)など

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が上位になった(図 1)。2016 年の調査ではこれまで 上位にならなかった「自分の志望企業で体験し就職に つなげたい」(30.7%)が高い数値となったことが特徴 的である。  これらの調査結果からインターンに参加する場合に, 志望業種や職種で研修することで自分の適性を把握し 志望を確実にしたいという目的と,就職活動の前に職 場や仕事を理解し就職活動に役立てたいという二つの 目的が推測できる。

Ⅳ.留学生のインターン参加動機

 グローバル化の進展に伴い,地方の大学でも留学生 の受け入れに積極的である。留学生はどのような目的 で日本に留学しているのか。  本学の留学生 21 名の調査(2016 年 10 月,国籍中国, 韓国,ベトナム)では,「日本語の能力を伸ばしたい」 (81.0%)「日本への留学経験があると就職に有利だか ら」(66.7%)「日本に興味があったから」(57.1%)な どの回答割合が高かった(図 2)。勉学ももちろんで あるが,留学当初から就職への意識を保持しているこ とが推測できる。卒業後の進路については母国での勤 務を希望する学生が約半数であった。その中で福井県 での就職を希望している留学生が 2 人いる。卒業後の 勤務地選択理由としては,「母国の生活習慣になじみ があるから」(52.4%)「両親や家族と一緒に暮らした いから」(43.0%)が高く,日本での就職を考えてい る留学生は,「日本企業は給料が高いから」「母国では 大学卒の仕事が少ないから」という理由を挙げている。  愛知県の留学生調査(愛知県地域振興部国際課 2009 年,回答数 2,237 名)では約 6 割の留学生が日本 での就職を希望している。回答学生の 8 割は中国,韓 国,ベトナムからの留学生である。日本での就職希望 者の内,更に約 6 割が留学先の愛知県での就職を希望 しており,その理由として「生活に慣れているから」 (35.0%)「友人・知人が多くいるから」(26.5%)を挙 げている。立命館アジア国際大学が立地するところか ら留学生が多い大分県の留学生支援センターを訪問し た折にも,「留学生は来日当初は日本語力を磨いて都 市部の大手企業への就職を考える学生が多いが,留学 先の生活環境が良く留学先に馴染むとその地域での就 職を考える」との説明を聞いた。海外に広く展開して いる大手企業が少ない福井県に就職したいと答えた留 学生は,おそらく留学先の福井県に好感を持っている からであろう。  留学した地域への就職を促進する意味では,地域企 業でのインターンは有効であろう。留学生は日本企業 でのインターン参加についてどのように考えているの か。留学中にインターンに参加したいと答えた留学生 は,81.0%であった。参加理由は,日本人学生と少し 違いがみられる。「日本企業で体験して仕事内容を知 りたい」(38.1%)「自分の志望業種ではどのような仕 事をするのか知りたい」(同)「日本の職場ではどのよ うな能力が求められるか知りたい」(同)「自分の日本 語が職場で通用するか確かめたい」(33.3%)などの 割合が高くなった。日本人学生の場合,自分の適性把 自分の適性を知りたい 職場を理解したい 参加が就職にプラスとなるから 志望業種の仕事内容を知りたい 職場での仕事のやり方を知りたい 2014年と15年の合算 2016年 0% 10% 20% 30% 40% 50% 図 1 インターンの参加目的 出所:インターン受講者アンケート(2015, 16 年 4 月実施)より筆者作成

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握と職場理解の 2 点が参加動機になるが,留学生の場 合は「日本企業の仕事のやり方を知りたい」という動 機が大きいようである。  残念ながら福井県企業のインターンにおける留学生 の受け入れはまだ少数で,福井県経営者協会が事務局 となっているインターンでは参加者約 500 名の内 , 留 学生は 3 〜 5 名である。経営者協会の説明によれば, 留学生のインターン参加が少ない理由としては,受入 れ企業の日本語によるコミュニケーションの不安,留 学生の採用予定がないからということである。

Ⅴ.インターン先の選定

 インターン終了後にその効果について,改めて質問 票による調査を行った。希望の企業でインターンがで きない,集中講義と重なるなどの理由で実際にイン ターンに参加する学生は毎年 60 名前後である。また インターンが夏季休業期間中に行われるために,終了 後の調査回答数は 2015 年度が 48 名,2016 年度が 32 名と参加前に比べ大きく減少している。  福井県で実施されるインターンは,2 週間以上の長 期コースと 2 日から 5 日の短期コースがあり、長期 コースは製造業が多いことから本学の学生の多くは短 期コースに参加する。学生は第 1 希望から第 5 希望ま での研修先を記入した申込書を提出し,事務局である 福井県経営者協会がマッチングを行い研修先が決定す る。当然ながら人気のある企業のインターンは,希望 する学生が多くなり希望の企業でのインターができな いという不満が学生に生じている。  学生が体験したインターンはどのような内容であっ たのか。2015 年度は講義見学型が 44.0%,就業体験型 が 42.0%,プロジェクト型が 14.0% であり,2016 年度 は講義・見学型が 43.8%,就業体験型が 43.8%,プロ ジェクト型が 12.5% となった2)。プロジェクト型の参 加者が少ない理由は,実施する企業が少ないためであ り,研修期間が 2 日から 5 日と短いことに加え,地方 企業では受け入れ側にノウハウと指導人材がいないこ とが考えられる。  また,インターンに参加する学生にも問題があり, 学生が希望する研修先が自分のインターン参加動機と 合致していない場合が生じている。2015 年度の場合, 参 加 目 的 を 体 験 に 主 眼 を 置 い て い る 学 生 は 31 名 (62.0%)いるが,その内 17 名が体験型、12 名が講 義・見学型,2 名がプロジェクト型を第 1 希望の研修 先として記入している。同様に職場理解を参加目的と している学生は19名(38.0%)いるが,その内10名が 体験型、9 名が講義・見学型を第 1 希望の研修先とし て記入している。実際に決まった研修先は体験型が 42.0%,講義・見学型が 44.0%,プロジェクト型が 14.0%となり,就業体験型のインターンを希望しなが ら講義・見学型やプロジェクト型のインターンに参加 した学生が約 2 割いることになる(中里:2016)。こ れは学生が企業名に囚われ,研修内容を十分に把握せ ずに申し込むことにも原因がある。しかしながら地方 企業では就業体験型の場合も施設の関係で受入れ人数 は限られているのが現状であり,学生の希望に十分に 図 2 福井県留学生の日本への留学目的 出所:福井県立大学留学生アンケート(2016 年 7 月実施)より筆者作成 2)日本語の能力を伸ばしたいから 4)日本への留学経験があると就職に有利だから 1)日本に興味があったから 5)将来母国の日系の企業で働きたいから 3)日本のビジネスを学び、 母国で仕事をするときに活かしたいから 全体 中国 韓国 ベトナム 0% 20% 40% 60% 80% 100%

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応えるのは難しい。

Ⅵ.インターンの効果

 上述のように福井県で実施されるインターンは受入 れ規模は大きいものの,学生は希望する内容のイン ターンに必ずしも参加できない現状がある。そのよう な状況でどのような効果があるのであろうか。  インターンに期待される効果について木村は「就業 能力の向上」「就業意識の向上」「学習意欲の喚起」を 挙げている(木村:2015)。今回 2016 年度のインター ン参加者に終了後質問票による調査を行い分析した (有効回答数 32 名)。「職場や職種で求められる能力や 態度が理解できた」(59.4%)「働くことの意味や就職 に対する考え方が理解できた」(50.0%)「参加した業 種の仕事の流れ,やり方が理解できた」(43.8%)「就 職活動の方向性が理解できた」(31.3%)が上位に挙 がった回答である。2014 年 2015 年もほぼ同じような 回答が得られている。この中で「職場や職種で求めら れる能力や態度が理解できた」「働くことの意味や就 職に対する考え方が理解できた」は木村の述べる「就 業意識の向上」に該当するであろう。残念ながら短期 間のインターン参加では「就業能力の向上」までは期 待できないのではないか。新潟大学の高澤は 1,2 年 生を対象とした半年以上にわたる企業課題探求型の長 期インターンを実施し,学習意欲の向上が見られたと 報告している(高澤:2015)。  学生が感じているインターンの効果は参加した研修 内容により違いがみられる。「職場や職種で求められ る能力や態度が理解できた」についてはプロジェクト 型が 75.0%, 体験型が 71.4%と高いが講義・見学型は 42.9%とそれほど高くない。「参加した業種の仕事の 流れ,やり方が理解できた」についてもプロジェクト 型が 50.0%, 体験型が 50.0%に対して講義・見学型は 35.7%にとどまる。「参加により主体性や行動力,コ ミュニケーション能力が向上した」は平均では 25.0% となるがプロジェクト型の参加者は 75.0% が回答して いる。「体験した職種に対する自分の適性・不適正が 理解できた」については , プロジェクト型は回答無し であるが体験型は 35.7%が講義・見学型は 28.6%が該 当すると選択している。  学生の回答で見る限り短期間のインターンであって もその内容は大きく異なり効果にも差が生ずると言え よう。インターンの効果を測定する尺度として経済産 業省が提唱している社会人基礎力もよく使用される。 社会人基礎力とは職場で必要な能力を「前に踏み出す 力」「考え抜く力」「チームで働く力」の 3 つの能力と それぞれの要素を「主体性」「働きかけ性」「実行力」 「課題発見力」など 12 の能力要素として示したもので ある。眞鍋は長期の課題設定型のインターンと短期の 日常業務型のインターン参加学生の社会人基礎力の伸 長に注目し,課題設定型の参加者では「発信力」「課 題発見力」「主体性」の伸長が大きいと述べている (眞鍋:2010)。  2015 年度に,インターンの授業が始まった 4 月中旬 に社会人基礎力について簡単な解説を行った後,自己 表 1 インターン体験による社会人基礎力の向上 参加前 講義・見学型 就業体験型 プロジェクト型 1 主体性 5.8 6.5 6.4 6.3 2 働きかけ性 5.1 5.3 5.6 6.3 3 実行力 5.7 6.2 5.9 6.5 4 課題発見力 5.3 6.3 5.9 6.9 5 計画力 5.6 5.2 5.1 6.4 6 創造力 4.7 4.0 4.9 5.7 7 発信力 4.8 5.5 5.7 6.1 8 傾聴力 7.3 7.4 7.5 7.5 9 柔軟性 6.5 6.8 6.5 6.7 10 状況把握力 6.1 6.3 6.2 6.7 11 規律性 7.9 7.9 8.1 7.9 12 ストレスコントロール 6.7 6.4 6.7 6.3 平  均 6.0 6.2 6.2 6.6 出所:インターン受講者アンケート(2015 年 9 月実施)より筆者作成

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採点でそれぞれの要素について 10 点満点で記入を求 めた。インターン終了後の 9 月下旬にまた記入を求め, その伸長度を調べた。その結果が表 1 である。講義・ 見学型,就業体験型,プロジェクト型ともそれぞれ社 会人基礎力の能力要素には伸びが見られるが,その中 でもプロジェクト型の伸びが大きい。  インターンの参加は就職活動にどのような影響を与 えるのか。就職活動の時期に改めてインターンの効果 を尋ねた。「職場が理解でき就職活動に前向きに取り 組めた」(27.6%)「インターンに参加した業種・企業 への魅力が増した」(19.0%)「自分の適性が分かり, 志望業種や職種の選択に役立った」(19.0%)との回答 が上位を占めた。その一方で「適性が異なると思い志 望業種を変更した」という学生が 8.6% 存在した。参 加したインターンの形式によっても違いが見られ,志 望業種や職種の選択には「就業体験型」「プロジェク ト型」のインターンが適しているという結果になった。 これらの結果から,短期間のインターンであっても就 職活動の方向性が分かり,自分の適性についても把握 できるなどインターン参加の効果は大きいと思われる。

Ⅶ.まとめ

 福井県のように地元の経営者協会等が事務局となり, 県内の大学生の多くが参加するインターンにおいては, 学生が希望の業種・企業で研修をすることが難しく多 くの制約が存在する。今回の調査からは,研修の形式 により参加学生が得られる効果にも差異が見られた。 「体験職種に対する適性の把握」や「仕事の流れやり 方の理解」は「就業体験型」で高いが,講義・見学型 ではそれほど高くない。インターン内容により効果に 差が出る現状を理解したうえでの研修先選択が必要で あろう。しかしながら「職場で求められる能力や考え 方の理解」「働くことの意味や就職に対する考え方の 理解」はどのタイプのインターンに参加しても得られ ると言える。自分の志望する業種・職種が確定してい ない場合でもインターンに参加することは意義がある のではないか。  留学生のインターン参加や地方企業への就職は,ま だ受入れが少ないのが現状である。福井県立大学の合 同企業説明会に参加した企業・団体 196 社への調査で は,「留学生の採用を考えている」と回答した企業団 体はわずかに 10 社のみであった。しかもベトナムに 進出している企業はベトナム人留学生の採用を望み, タイへ進出している企業はタイ人留学生のみの採用を 考えている。留学生を出身国にこだわり採用をする限 り,地方での就職機会は限定されてしまう。広島県留 学生支援センターでは,出身国や海外事業展開の有無 にかかわらず留学生の地元中小企業への就職を支援し ている。その結果,住宅設備メーカーや船舶修理業な どその地域だけでの事業展開をしている企業での留学 生採用も進み,地方の中小企業の人材不足解消に役 立っているという。  留学生が,留学地域への就職理由としてその地域で の生活に馴染む,地域への好印象を持つことを挙げる ように,日本人学生にとってもインターン経験の好印 象,成果は地元就職者の増加につながることが期待で きるのではないか。 (本稿は中里弘穂「地域企業でのインターンシップ体 験の効果と就職活動への影響」2016 年に新たな調査を 加え加筆修正したものである) 註 1) 日本経済団体連合会は,2013 年 9 月に採用選考に関する 指針を示し採用広報活動の開始を大学 3 年次の 3 月に採 用選考の開始を卒業年次の 8 月以降としたが,2015 年に は採用選考の開始を 6 月以降に変更した。 2) 終了後のアンケート調査で学生が回答したインターンの 形式を基に経営者協会作成のインターン報告書と照合し, 参加したインターンの形式を確定したものである。 参考文献 [1] 木村元子「大学におけるインターンシップの現状と課題」 折戸晴雄他編『インターンシップ入門』pp.76-80 玉川大 学出版部 2015 年 [2] 古閑博美編著『インターンシップ―キャリア教育として の就業体験―』pp.8-28 学文社 2011 年 [3] 高澤陽二郎「教育効果の高い中長期インターンシップの 実践―「企業課題探求型 長期・有償型インターンシッ プ」取り組み― 『新潟大学高等教育研究』第 3 巻 pp.33 〜 38  2015 年 [4] 田 中 宜 秀『 イ ン タ ー ン シ ッ プ と キ ャ リ ア 』pp.16-17 pp.24-30 学文社 2011 年 他 [5] 中里弘穂「地域企業でのインターンシップ体験の効果と 就 職 活 動 へ の 影 響 」『 ふ く い 地 域 経 済 研 究 』 第 23 号  pp.55-71 2016 年 [6] 眞鍋和博「インターンシップタイプによる基礎力向上効 果と就職活動への影響」『インターンシップ年報』13 号  pp.41-44 2010 年

参照

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