• 検索結果がありません。

第14回日本助産学会学術集会集録 一般演題 (口頭発表) 第5群

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "第14回日本助産学会学術集会集録 一般演題 (口頭発表) 第5群"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

14.体 温 の 上 昇 と分 娩 経 過 の 関 連

―38℃

以 上 の 上昇 例 に焦 点 を 当て て―

○聖路加看護大学 岡村晴子 I.は じめ に 体 温 の 上昇 は感 染 の指 標 と して重 視 され る こ と が 多 いが,助 産 婦 は臨床 実 践 上,正 常 経 過 の 分娩 中 に産 婦 に 体温 変 動 が あ る こ とを認 めて い る。 陣 痛 が強 ま る と体熱 感 を訴 え る産婦 が多 く,実 際 に 産 婦 の身 体 に 触 れ て 熱 い と感 じ る事 も 少 な く な い。 腋 窩 検 温 で は,37.5℃ 前 後 に な る こ と も珍 し くな く,時 に は他 に感 染 徴 候 が な くて も38℃ を 超 え る こ と もあ る。 分娩 中 の 体温 につ い て産 科 学 のテ キス トで は, 真柄1)が 「体 温 上 昇 は0,1∼0.2℃ に過 ぎな い。0.3 ℃ 以 上 の 体 温 の 上 昇 は,感 染 を 考 え る。」 と述 べ て い る。 ま た坂 元2)も,娩 出期 に は感 染 が 目立つ よ うに な るか ら,遷 延 す る場 合 に は少 な く と も1 時 間毎 に 測 定す る必 要 が あ る と述 べ,さ らに正 常 範 囲 につ い て,腋 窩 で37.3∼37.5℃ は生 理 的 で あ るが,体 温 が38℃ 以 上 の場 合 は例 外 な く病 的 で あ る と して い る。分 娩 中の 体 温 の 上昇 につ い て, 感 染 の 他 に 分娩 に伴 う筋 肉 労 作 と子 宮 内 ま た は産 道 か らの 蛋 白分 解 産 物 な どの 吸収 に よ る生理 的 な もの と して捉 え た見 解 や,身 体 疲 労 の 徴候,分 娩 に 向か う産 婦 の体 力 の 指標 な ど と位 置 づ け られ て い るが,具 体的 な温 度 の 指標 は示 され て い な い。 これ ま で,産 婦 の 体 温 変動 に つい て 調 査 した研 究 は少 な い。 特 に分 娩進 行 中 の体 温 を継続 測 定 し た研 究 は わず か で あ る。 研 究者 は33例 の 産婦 の 体温 を継続 的 に測 定 し,正 常 分娩 時 の 体 温 変動 範 囲や 温 度 変化 パ ター ンに4つ の タイ プ が あ る こ と 3)4)などを これ まで に 報告 した 。 今 回 は さ らに,腋 窩検 温 で38℃ 以 上 を 記録 した5例 の 分 娩 経過 と 体 温 変 動 の 関連 につ い て報 告 す る。 な お,本 研 究 で使 用す る “体 温 ” は,腋 窩 検 温 や 皮 膚 深 部 温 な どの 皮 膚 温 を 目安 に して い る。 Ⅱ.研 究 方 法 正 期 産 で 経腟 分 娩 を 目的 に 入 院 し,自 然 陣痛 発 来 してい る者 を対 象 に 温 度 測 定 と陣 痛 強 度や 温 度 環 境,体 位,自 覚 症 状 等 を 参加 観 察 で情 報 収 集 し た 。 子 宮 口開 大5cm以 内 の 時 点 か ら承 諾 を得 て 測 定 を行 った。 体 温 の 測 定 は,通 常 の 予測 式 電 子 体 温 計 を使 用 した腋 窩 検 温 の他 に,深 部 温 モ ニ タ ー:コ ア テ ン プCTM,205(テ ル モ 社 製)を 使 用 した 。 深 部温 モ ニ ター で測 定 した前 額 深 部 温 は, 食 道 や肺 動 脈 な どの核 心 温 を反 映 す る と言 わ れ て い る。 そ こで 中枢 温 の指 標 を前 額 で 測 定 し,さ ら に循 環 動 態 を知 る 目的 か ら足 背 で末 梢 温 を同 時 に 測 定 した。 測 定時 間帯 は 日内変 動 を考 慮 し,原 則 的 に 体 温 上昇 期 の6:00∼14:00に 測 定 を 開始 し, 児 娩 出 時 点 ま で継 続 した。 調 査 は都 内総 合 病 院1施 設 で 行 い,調 査 期 間 は 1998年6月19日 ∼11月1日 で あ った 。 分析 に は,統 計 ソフ トHALBAU5.22を 用 い て 時 間経 過 と温 度 変 化 の相 関 を求 め た他,エ クセ ル97を 使 用 し,事 例 ご とに分 娩 経 過 と温 度 変 化 の グ ラフ を 作 成 して検 討 した。 Ⅲ.結 果 分 娩 ま で継 続 で き た の は33例 で あ った 。 そ の うち腋 窩 検 温 で38℃ 以 上 を記 録 した の は(例 だ っ た。38℃ 以 上 の ケ ー ス の 特徴 を表1に 示 す。 caselで は,予 防 的 に抗 生物 質 の 点 滴 が 行 わ れ たが,他 の4例 で は 特 に感 染 に対 応 した 医療 処 置 は行 わ れ な か っ た。全 例 産 後12時 間 以 内 に は37.5 ℃ 以 下 に解 熱 し,以 降再 び 上昇 は 見 られ なか った。 中枢 温 は最 高 で37.9℃(caselで あ っ た。 腋 窩検 温が38℃ 以上 に な っ た ケー ス の変 動 幅 は0.6 ∼2 .2℃ の範囲であった。 中枢 ・末梢温の関連 で

(2)

は,中 枢 ・末梢 ともに 上 昇傾 向 に あ った 者 と,中 枢 が 上昇 し末梢 は下 降 して い た者 が認 め られ た。 表138℃ 以 上 に な っ た ケ ー ス の腋 窩 温 変化 Ⅳ.考 察 38℃ 以上 の 体温 の上 昇 を発 熱 と して 考 える と, Acker5)らやHerbst6)ら は麻 酔 分 娩 や 初 産 婦,遷 延 分娩,破 水 後24時 間 以上 経 過,潜 伏 期 の8時 間 以 上 を発 熱 の リス ク フ ァ ク タ ー と して 挙 げ て い る。 麻酔 分 娩,遷 延 分 娩 は本 研 究 対象 には含 まれ てい ない。 調 査 対象33例 中,破 水 後24時 間以 上 経過 した のは1例,確 認 で き た範 囲 で 潜伏 期 が8 時 間以 上経 過 した の は1例 で,と もに38℃ 以 上 にな って い た。 今 回38℃ 以 上 を記録 した の は全 員 初産 婦 で あ り,既 存 の研 究 を支 持す る結 果 で あ った。 ま た,促 進剤 使 用 例 が 多 く見 られ た。 前述 の よ うに38℃ 以 上 は病 的 と言 われ て い る が,今 回 の調 査 か らは,38℃ 以 上 で も状 況 に よ り必 ず しも病 的 で は な い と考 え られ た。38℃ 以 上 に なっ た5例 は,全 例 分娩 後 に は解 熱 し,胎 児 感 染 も見 られ なか った 。caselで は予 防 的 に 投 薬 が行 われ たが,そ の 他 の ケー スで は 特別 な医 療 処 置 を必 要 と しなか った 。 つ ま り,正 常 で も38℃ 以上 にな る こ とは あ る と考 え られ る。 また,通 常,生 理 的 な体 温 の 日内 変動 はせ いぜ い1℃ 程 度 と考 え られ てお り,そ れ を超 え る体 温 の 上 昇 は 生理 的 範 囲 を 逸 脱 す る もの と捉 え られ る。 しか し運 動 時 に は 「2℃ 以 上 の 上 昇 は容 易 に 起 こ る」7)とい う体 温 の 特 性 が あ り,分 娩 を 運 動 と して 考 えた 場 合 に は,2℃ 以 上 の 変動 も生 理 的 な体 温 の変 動 と受 け とめ られ る。 中枢 ・末 梢 温 の 関連 か らは,前 述 した岡 村 の 報 告4)の うち,「 中 枢 ・末 梢 と も に上 昇 」,「中枢 上 昇 ・末 梢 下 降 」 が認 め られ た。 「中枢 ・末 梢 と も に 上 昇 」 で は,分 娩 に よ る運 動 性 が 大 き く熱 産 生 自体 が増 加 した こ とが考 え られ,こ の ケー スに は クー リン グ が有 効 で あ る と思 わ れ る。 一 方 「中枢 上 昇 ・末梢 下降 」 で は,分 娩 や 痛 み に よ る緊 張 な どか ら末梢 血 管 が収 縮 し,中 枢 温 が上 昇 した こ と が体 温 上 昇 の原 因 と考 え られ,ク ー リン グ よ りも 末 梢 循 環 を促 す ケ ア が必 要 で あ る と思 われ る。 以 上 よ り,38℃ 以 上 に 体 温 が 上 昇 した場 合 で も タ イ プ に よっ て対 応 が 異 な る と考 え る。 V.結 論 今 回 の研 究 か らは,分 娩 中の 腋 窩温 が38℃ 以 上 に な って も状 況 に よ り必 ず しも病 的 では な い と 考 え られ た。 正 常 異 常 の判 断 は,単 純 に体 温 の測 定値 か ら評 価 す るの で は な く,陣 痛 強 度 や 努 責時 間,補 助 動 作 な どの 産婦 の運 動 量や 末 梢 循 環 な ど を 考慮 して 対応 す る必要 が あ る。 <引 用 ・参 考 文 献> 1)真 柄 正 直 著,室 岡 一 改 訂:最 新 産 科 学― 正 常 編 ― 改 訂 第20版 ,229,文 光 堂,1993. 2)坂 元 正 一 監 修:産 科 臨 床 プ ラ ク テ ィ ス,212, 西 村 書 店,1994. 3)岡 村 晴 子:分 娩 進 行 中 の 体 温 変 動 に 関 す る 基 礎 研 究,聖 路 加 看 護 学 会 誌 第4回 学 術 大 会 講 演 集, 30,1999. 4)岡 村 晴 子:分 娩 進 行 中 の 体 温 変 動 パ タ ー ン と 分 娩 経 過 の 特 徴,第19回 日本 看 護 科 学 学 会 学 術 集 会 講 演 集,608-609,1999.

5) Acker,David B. et.al. : The Normal Parturient' s Admission Temperature, American Journal of Obstetrics and Gynecology, 157(2), 308-311, 1987. 6) Herbst,Andreas et.al. : Risk Factors for Fever in Labor, Obstetrics and Gynecology, 86(5), 790-794, 1995.

7)小 幡 邦 彦 他:新 生 理 学 第2版,482,文 光 堂, 1996.

(3)

15.産 後2カ

月 まで の

会 陰切 開 お よ び会 陰 裂 傷 の評価

京都大学医療技術短期大学部 堀内 寛子 三重大学医学部看護学科 我部山キヨ子 高槻赤十字病院 入澤 みち子 奈良県立医科大学看護短期大学部 脇田 満里子 Iは じめに 施設分娩 が99%を 占める現在において医療介 入のない分娩をめざ す施設も増えてきた。しか しその中に おいて も会陰切開は分娩第2期 の短縮,児 へのス トレス回 避など分娩時の必要な処置の一つ として日常的に行われて いるのが現状である。女性に とって会陰切開に伴う苦痛 は デ リケー トな部位であることや傷が見えにくいこともあり 表現し難いものであると思わ れる。そこで我々は産褥期に ある女 性を対象 に日常生活行動 特に外陰部に直接刺激が 加わ る排泄行動,夫 婦生活にまつわる不快感の頻度とその 程度 さらに会陰切開に伴 う不快の性質 を明 らかにする目 的で調査を行った. Ⅱ方法:平 成9年9月 および平成11年11月 に京都府下 の病院 で出産した褥婦224名 を対象に自己記入式 質問紙法 により行った。アンケー ト項 目は表1の 通 りである。分析 方法は会陰 切開,会 陰裂傷の2群 に分類 し,日常生活行動 における不快の頻度,程 度,不 快の性質を単純集計および 頻度の出現についてはx2検定,程 度については順位和 検定 を行った 表1調 査項 目 表2対 象属性 Ⅲ結果 1対 象の背景 224名 のうち,回収数は150名(67%)で 有効回答は131 名(回 収率58.5%)で あった そのうち切開群は83名(1 カ月27名,2カ 月56名),裂 傷群38名(1カ 月11名, 2カ月27名),無 傷群10名(1カ 月5名.2カ 月5名)で あ った 初 ・経産別の背景は表2の 通りである。 2会 陰切開群と会陰裂傷群の不快の頻度 (1)か 月と2か 月の比較 図1図2 切開群においては2か 月目には夫婦 生活を除く全項目に おいて不快なしが有意に増加した 裂傷群においても不快 なしが増加し,「排 尿時の腹圧」「入浴時 に陰部を洗 う」 の不快が有意に減少した。 (2)切開群と裂傷群 との比鮫 切開群が裂傷 群よりも有意 に多か った不快ありの項目は 2か 月後の「入浴時に陰部を洗 う」で1か 月後 「トイ レ でしゃが む姿勢」の不快は有意に多い傾向 であった。 3会陰切開群と会陰裂傷群の不快 の程度 (1)1か月と2か 月の比較 図3図4 切開群では 「排便時の息み」「紙 で拭く」「入浴時に 陰 部 を洗う」の不快の程 度が2か 月時には有意 に減少した。 裂傷群 では 「排尿時の腹圧」 「排梗時の息み」「紙で拭く」 「入浴時に陰部 を洗 う」ことの不快の程度が2か 月時 には 有意に減 少した。 (2)切開 と裂傷との比較 「強 い不快」を示 したのは切開群に多く,裂傷 群では2カ 月の夫婦生活を除いて「強 い不快」は無かった。

(4)

4会陰切開と会陰裂傷の不快の 性質 切開群はひきつれ感 チクチク感 かゆみなど不快の性質 は多様であった。一方 裂傷群はひきつれ感 チクチク感 こ ほぼ限局していた Ⅳ考察 会陰切開群も会陰裂傷群も2か 月時 には不快なしが増加 した これは傷の治癒経過に伴って 日常生活への不快感が減 少していくという当然の結果であろう。その不快の出現頻度 も切開群においては有意な減少が見られたことからも1か 月までの日常生活動作 こおける苦痛の頻度は裂傷群よりも より強い事が示唆された。また,不快の程度は会陰切開群は 裂傷群よりもより強い不快 を感 じてお り,また不快の性質も 裂傷群のようにひきつれ感に限局されたもので まなく,加え てかゆみ ひりひり感 圧迫感など多岐にわたることがわか った つまり,切開群では裂傷群と比較して日常生活の中で 不快 と感 じる頻度が多く,不快の程度が強く,不快の性質は 多様で かつ不快が長く残存する(2カ 月でも排泄行動 には 半数が不快感を遺残)ことが示唆された。産褥期は身体回復 過程にある上に慣れない育児に心身 ともに疲労が増す時 期 であることからも,切開に伴う苦痛が長期にわたることを避 けなければならないと考える。同時に外陰部というデリケー トな部分の不快感は医療従 事者にさえ訴えにくいものであ ることか ら,助産婦は2か 月時においても縫合部の不快が持 続することを念頭に産褥期の ケアにあたることが重要であ ると思われた。 V結 果 1.不 快の出現頻度は2か 月目には切開群において夫婦生 活を除く全項目において有意に減少した。裂傷群においては 「排尿時の腹圧」 「紙 で拭く」 「入浴時に陰部を洗う」こと の不快の出現頻度が有意に減少した。 2.不快 の程度 では切開群 ・裂傷群とも 「排便時の息み」 「紙で拭く」 「入浴時に陰部を洗う」ことが2か 月時には有 意に減少した。加えて裂傷群では 「排尿時の腹圧」の不快が 2か 月時には有意に減少した 3.不 快の性質 では,切 開群はひきつれ感 チクチク感 か ゆみ ひりひり感など多様で あったが,裂傷群はひきつれ感 チクチク感にほぼ限局していた。 Ⅵ参考文献 1.Muray Enkinetal;;妊 娠 ・出産ケアガイ ド,監訳 北井啓勝,医学 書院MYW,1997 2.千 村哲朗;会 院切開そ の歴史 と概 観,助 産婦雑 誌 VoL.44No.9,1999 3.小島 泰代;産婦 とスタッフの納得のいく会陰切開, 助産婦雑誌VoL.44No.9,1999 図1不 快の頻度(会陰切開) 図2不 快の頻度(会陰裂傷) 図3不 快の程度(会陰切開) 図4不 快の程度(会陰裂傷)

(5)

16.上 子 を 家 族 立 ち 会 い 出 産 に 参 加 させ た

母 親 の 体 験 に 関 す る研 究

―妊 娠 末期 か ら産 後1カ 月 ま で 追 跡 して―

福井県立大学看護福祉 学部看護学科 ○月僧 厚子 I.は じめ に 今 日母 子 保 健 に お い て家族 を含 めた 援助 の重 要 性 が見 直 され て お り,そ の 一 例 と して,わ が 国 に お い て も女性 とそ の家 族 の 要 求 に応 じて 夫 立 ち会 い 出産 が一 般 化 しつつ あ る。そ の よ うな潮 流 の 中, 全体 に 占め る割 合 は少 ない が 上子 の出 産 へ の参 加 もみ られ る よ うになっ た。 上 子 の 出産 へ の 参加 を 受 け入 れ る た めに は,上 子 を含 め た家 族 立 ち会 い 出産 に対 す る援 助 の あ り方 を検討 す る必 要 が あ る と考 え るが,わ が国 に お いて 基礎 資料 とな る上子 の 出 産 へ の 参 加 に 関 す る調 査 報 告 は ほ とん ど な い。 そ こで,出 産 の主 体 で あ る母親 の視 点 か ら上子 を 出 産 に参 加 させ る こ と に 関 連 す る要 素 を 抽 出 し,上 子 を出産 に参加 させ た 母親 の体 験 の構 造 と そ の意 味 を明 らか にす るこ と を 目的 と して 本研 究 を行 った。 Ⅱ.用 語 の 定義 母親 の体 験:上 子 を出 産 に立 ち会 わせ る こ とに 関 連 した母 親 の認識,感 情,行 為 とす る。 上子:誕 生 した 次子 の 同胞 とな る もの で あ り,就 学 前 の もの とす る。 出産 へ の 参加:分 娩 開 始 か ら終 了 ま で の全 過 程, あ るい は分 娩 の過 程 の 一 部 に 上子 が母 親 の側 にい る こ と とす る。 Ⅲ.研 究 方法 1.研 究 対 象:医 学 的 に ロー リス クで あ り,妊 娠 末期 の 時 点 で家 族 立 ち会 い 出 産 に 就学 前 の 上 子 を参 加 させ る こ とを希 望 し,家 族 と して 研 究 へ の協 力 を承 諾 した 経 産 婦9名。 2.研 究期 間:1998年5月 か ら1998年11月 上 旬 ま で の約6カ 月。 3.研 究場 所:F県 内 の 家 族 立 ち会 い 出産 を実施 して い る助 産 院。 4.デ ー タ収 集 及 び 分 析 方 法:デ ー タ収 集 方 法 は,半 構 成 的 面接 法 を 中心 と した フ ィー ル ド 調 査 の方 法 を採用 し,妊 娠 末 期,出 産,産 後 1カ 月 の3場 面 に お い てデ ー タ収 集 を行 っ た。 面 接 内 容 は録 音 テ ー プ に収 録 し逐 語 的 に 記 述 して,質 的分 析 を行 った 。 IV.結 果 及 び 考 察 1.対 象 者 の 特 徴 年 齢 は27歳 か ら35歳 まで で,平 均30.8歳 で あっ た。 職 業 は専 業 主婦 が5名 で あ り,保 母 が1 名,老 人施 設 の 寮 母 が1名,教 員 が2名 で あ っ た。 全 員 が 自然 分 娩 で あ り,母 児 共 に異 常 無 く,産 褥 経 過 も良好 で あ った 。 2.上 子 を 家族 立 ち会 い 出 産 に 参加 させ た母 親 の 体 験 の概 要 上 子 を家族 立 ち会 い 出産 に 参加 させ た母 親 の 体 験 は,『 上 子 参 加 を 決 定 す る段 階』 『上 子参 加 へ の 方策 を講 じ る段 階 』『上子 参 加 の評 価 をす る段 階』 の3つ の 性 質 の異 な る段 階 か ら構 成 され,互 いに 密接 に関 連 し合 い上 子 を家 族 立 ち会 い 出 産 に参 加 させ る とい う目標 を達 成 した。 3.上 子 を家 族 立 ち会 い 出産 に参 加 させ た 母 親 の 体験 の各 段 階

(6)

第1の 段 階 で あ る 『上 子参 加 を決 定す る段 階』 は,〔 上 子参 加 へ の 動機 〕 〔動 機 づ け の強 化 〕 〔達 成 の可 能性 の 吟 味 〕 と命 名 で き る大 カ テ ゴ リー に 分類 で きた。 第2の 段 階 で あ る 『上 子 参加 へ の方 策 を講 じる 段 階』 は,〔 上 子 へ の準備 〕 〔柔軟 な構 え〕 と命 名 で きる大 カ テ ゴ リー に分 類 で きた。 第3の 段 階 で あ る『上 子 参加 の評 価 を す る段 階 』 は,〔出産 体 験 に よ る満 足感 〕 〔上 子 への 影 響 〕〔体 験 に付 随 した気 づ き〕 と命 名 で きる大 カテ ゴ リー に分 類 で きた。 また,そ れ ぞれ の大 カテ ゴ リー は,表 に 示す よ うに 中カ テ ゴ リー に分 類 で き,そ れ ぞれ の 中 カ テ ゴ リー は,さ らに 具体 的 内容 で あ る小 カテ ゴ リー に分類 で き た。 表.上 子 を家族立ち会 い出産に参加 させた母親 の体験 のカテ ゴリ一階層 4.上 子 を家 族 立 ち会 い 出産 に参 加 させ た 母親 の 体 験 の構 造 3つ の段 階 及 び 大 ・中 ・小 の カ テ ゴ リー を検 討 した 結 果,上 子 を家 族 立 ち会 い 出 産 に参 加 させ た 母 親 の体 験 の構 造 が 明 らか にな っ た。 上 子 を家 族 立 ち会 い 出 産 に参 加 させ る とい う 目標 を達 成す る た め に,母 親 の体 験 は,妊 娠 期 間 中 に第1の 段 階 で あ る 『上 子参 加 を決 定す る段 階』 か ら,第2の 段 階 で あ る 『上子 参 加 へ の方 策 を 講 じる段 階』 へ と移 行 し,次 いで 出 産 の開 始 と同 時 に第3の 段 階 で あ る 『上 子参 加 の評 価 をす る段 階』 へ と移 行 し た。 但 し,上 子 を出 産 に参 加 させ る とい う 目標 は 家族 の発 達 や 上子 へ の 教育 的 な 効果 を動機 と して い るに もか か わ らず,上 子 の 出 産 への 適応 につ い て は 事前 に掌握 で きな い た め,目 標 達 成 を 途 中で 断 念 す る こ と も含 めて,上 子 の 反応 に応 じて参 加 の させ方 を状 況判 断 し よ う とい う柔軟 な構 え が も たれ た。 ま た,上 子 を家 族 立 ち会 い出 産 に参 加 させ た母 親 の 体 験 の3つ の 段 階 に 共 通 す る軸 と して,『 上 子 を家族 立 ち会 い 出産 に参 加 させ る』 とい う達 成 目標 と,母 親 の活 動 を 目標 達 成 へ と方 向づ け発 動 させ た 《家 族 の 出来 事 と して の 出 産 体験 》《上 子 への 良 い影 響 》 とい う2つ の動機 が存 在 した。 以 上 よ り,上 子 を家 族 立 ち会 い 出産 に参 加 させ た母 親 の 体験 の構 造 は,既 に子 ど もを持 つ 母親 が 次子 の出 産 に直 面 し出産 を 媒介 と して家 族 の発 達 お よび 上 子 の成 長 を促 進 しよ うと試 み た一 連 の過 程 を示 して い る と考 え る。 ま た,こ れ らの 体 験 は 「子 ど もの社 会 化 」 と 「年長 の子 ど もの ニー ドを 満 た しな が ら新 しい家 族 成 員 を統 合 して い く方 法 を 見 出 して い く こ と」(Fdedman,1986)と い う 就学 前 の 子 ど もを もつ 家 族 の課 題 を達 成す る過 程 で あ った と も捉 え る こ とが で き,母 親 の成 長 に資 す る とい う意 味 にお い て も意 義 を認 め る こ とがで き るで あ ろ う。 本研 究 は,上 子 を出 産 に参 加 させ る こ と を通 し て家 族 の発 達及 び 成員 個 々の 成長 を支 援 す るた め の 有 効 な基礎 資料 とな る と考 える。

参照

関連したドキュメント

詳細情報: 発がん物質, 「第 1 群」はヒトに対して発がん性があ ると判断できる物質である.この群に分類される物質は,疫学研 究からの十分な証拠がある.. TWA

 TV会議やハンズフリー電話においては、音声のスピーカからマイク

それでは,従来一般的であった見方はどのように正されるべきか。焦点を

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

これは, 無限群の作用による商多様体の特異点解消が不変 Hilbert スキームによって与えられる新たな具体例となる... G- 作用付き多様体は

問題例 問題 1 この行為は不正行為である。 問題 2 この行為を見つかったら、マスコミに告発すべき。 問題 3 この行為は不正行為である。 問題

*② 陽性または陰性コントロールスワブのアルミパウチを開封 し、開封した抽出用バッファーに浸します。抽出用バッ

水問題について議論した最初の大きな国際会議であり、その後も、これまで様々な会議が開 催されてきた(参考7-2-1)。 2000