Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese
Sooiety for the Soienoe of
Design
特
集
:
手
か ら
手
ヘ
ー
日
々
の
く ら し を
つ
く り
、伝
え
、
残 す
On
the
Special
Issue
“
From
Hand
to
Hand
”
阿
部
眞 理
ABE Mari
白
石 照 美
SHIRAISHI
Terumi
特 集 号 編 集 委 員 長
Special
Issue Editor
特 集 号 編 集
・
出 版 委 員 会 委 員 長である岡 崎 章 先 生 よ り
、
特
集 号 を
1
報 お 任 せ し たいという お 話 をいた だいた 時
、
ふ とひと
つ の文 字 が 浮 か ん だ
。
そ れ は 「
手
」 とい う文 字 だっ た
。
学 生 が
レポ
ー
トを 書 く際 に 活 用 ? して いる ウィ キペ ディ ア で 「
手
」 を
調
べて みた。
手
は
、
腕
の
末端
にある
器 官
、
術
、
手段
、
方 法
の こ と
、
囲
碁
、
将 棋
などで
一
回の動
作
の
単 位
、
邦 楽
に お い
て
、
パ
ー
ト
、
器
楽 部分
、
楽
器の
旋律
、
旋 律型
、
およ び
技 法
を
指
す
、
な ど と
書
かれてあ る
。
ま た
、
日 本 語に おける手を含 む 言 葉
に は
、
「
手
間」 「手 配」 「
手
形」 「手
仕事
」 な ど
、
広 辞 苑
では
30
を超え る語 義が示され
、
さ ら に
、
「
手
」 は仕
事 (
職 業 や 生 業
)
を
象 徴
し
、
その
人 自身
を も
指
し 示 す
、
とあ る。 そ うか
、
ウィキ
ペ デ ィ ア も満 更では ない
、
と見 直し た
。
そ う だ
。
「
手ll は生 業
で あ り
、
人
自身
で あ るのだ
。
今
を
生
き る私 た ち が
忘
れて し まっ
たこと や 等 閑 に して いること の 中 に
、
「
毛 に よ
っ てつ く り
、
伝 え
、
残 すこと が 多 く ある こと を
、
こ の機 会 に 再 認 識 し たいと
思っ た
。
特
集 号のタ イ トル は 「手 か ら 手へ 」
。
何 ら かの形で手
によるものやこと に 関 わっ てい らっ しゃる方 々 に
e
’
執 筆いた だ
くこと に 決 め た
。
イン ド
、
西 ティ モ
ー
ルの手 仕 事 に よ る もの を 日 本 に 紹 介 して
い る
、
自 ら を
商
人と称 す る 人たち。
求
め る ものは 主に
布
だ。
纏
う
、
敷 く
、
掛 け る
、
包 む
。
そこに住 む 人た ち の生 活 用 具の基 本
は
一
枚の布
。
思い を込 めて丹 念 に 紡
ぎ
、
染 め
、
織 り
、
刺 す
。
そ
こに は 私 た ち が 忘 れて しまっ た
、
八 ッと す る よ う な 手 仕 事の世
界 が ある
。
今日も 彼 女 た ち は
、
1
人で海 を 渡 り
、
自分の目で見
て感 じ た 文
化
を 求 め
、
伝 えて いる
。
中 国 少 数 民 族の住 む 地へ足 を 運 び
、
そ こ で つくられ
、
使 わ れ
ている 収 納 具 を 紹 介 す る 研 究
者
。一
見
、
粗
く大
ざ
っ
ぱ
に見える
収 納 具の数々は
、
実 は 人 間 味 あふれ る 魅 力を持ち
、
生 活の中に
根 差 している
。
その不 便 な 地 に
何 度
訪 れ たこと
だ
ろう。
永 年
の
研 究 成 果 は
、
私た ち には 計 り知 れ ない
、
っ く り
、
く ら す と い う
思いを 伝 えている
。
日
本
の昔 な が らの生 活 を 見 直 す キュ レ
ー
タ
ー
や 経 営 者 た ち
。
掃 除 は 箒で掃 き
、
雑 巾が け
。
鰹 節 を 削っ て手 作 り味 噌で味 噌 汁
を
。
Z
’
は ん は ?お 米 の 砥
ぎ
方 か ら炊 き 方 まで
。
豆の
煮
方 は?干
し野 菜 をつく り ま しょう
。
ス ロ
ー
ラ イフ
、
スロ
ー
フ
ー
ドと ひ と
ことで言 う のでは な く
、
て いねいにつく り
美 味
し く
食
べる。 つ
ま り
、
手 を か け る
、
とい うことを 残 したいという
。
作 り手 に よる手 を か け た 生 活 道 具 を
、
ていねいな く ら しを 求
め る 使い手のも とへ 届 け る 仕 事 を す る 人
。
忙 しい日 々の中 に 少
しでも 心 休 まる時 間 を 提 供でき れ ば
、
という願いが ある
。
木でお も ちゃをっ くる デ ザ イ ナ
ー。
木のお も ちゃを 子 ど も た
ちに
与
え たい の では な く
、
手
でつ く り、
手
で
触 れ
る ことで生 ま
れ る プ リ ミ テ ィブな
世
界を
伝
え た い のだ。
渡
辺
力 氏
を
師
とす る プロ
ダ
ク トデ
ザ
イナ
ー
。 図 面
を描
くこ
と
、
模 型をつ く る こ と
、
それら を ど ん な道 具を
使
っ て描き
、
っ
く るの か。 その手
作 業
の
中
にあ る工
夫
を す る
楽
しさ を
、
今
、
デ
ザ インを学ぶ学 生に残し た い の だ
。
地域 振
興
計
画 や
伝 統
工
芸
品の
保
全
・
育 成
をテ
ー
マとす る研
究
者は
、
デ ザ イン と は
、
消
費 者では な く 生活 者の た め に あ る と い
う
。
こ の言
葉
を 若いデ
ザ
イナ
ー
や その
卵
は も とよ り
、
経 験
を
重
ね た デ ザ イ ナ
ー
に も 敢 えて伝 え たいのでは ないか
。
建 築
、
インテリアデ ザ インを 専 門とす る 研 究 者 は
、
後 ろ 向 き
の知 恵 と して では な く
、
新 しい未 来 的 な 室 内 意 匠の規 範 と して
継 承 していくべ き
、
「
しつ らい
」 の美 学 と美 意 識 を 説いている
。
「
しつ らい
」 という 言 葉 さ え 知 ら ないであ ろ う 若い世 代 に ぜ ひ
伝え
、
残し たい思いが込め られて い る
。
以上
、
IO
名
の執
筆
者に よっ て
書
かれた
特集
号 「手か ら 手へ 」。
こ の
特 集
号 は
、
白
石
、
阿
部
の
2
名
を
編 集
長と し た
。
私
たちは
時
間 を 見つ けては
、
手 に よ る ものや
素
材 を 探 し
、
見て 回 り
、
デ
ザ
イン教 育
・
研 究 に反 映 させてきた
。
研 究 室の中だけでは得られ
ない
、
今 の デ ザ インだ けで は 語 れ ない
事 物
を
、
こ の
特集
号で紹
介でき れば と思っ た次 第で あ る
。
忙しい 日々 に追わ れ
、
デジタ
ル
な生 活
に
慣 れ
て しまっ た
私
た ちに
、
人の手による
尊
さ
、
日 々
の く ら し をつ く り
、
伝
え
、
残す意
味
を気 づか せ て く れ る ぎっ か
け にな れ ば
、
と思う。
さい ご に
。
お
忙
し い
時 間
を
割
き
、
ご
執 筆
くだ さっ た
10
名の
「
手
」 へ 。
心 よ り 感 謝 申し上 げ ま す
。
鸛
鞭
:
1
:
1
糀
∴
1
1
_