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レジリエンス教育の読み物教材としての空襲体験談の利用可能性

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地域安全学会論文集

No.32, 2018.3

1

レジリエンス教育の読み物教材としての空襲体験談の利用可能性

Availability of Air-Raid Victim’s Narratives

as Reading Materials for Resilience Education

藤本 一雄

1

,戸塚 唯氏

2

,坂巻 哲

3

Kazuo FUJIMOTO

1

, Tadashi TOZUKA

2

and Satoshi SAKAMAKI

3

1 千葉科学大学 危機管理システム学科

Department of Risk and Crisis Management System, Chiba Institute of Science

2 千葉科学大学 教職課程

Teacher-Training Course, Chiba Institute of Science

3 NTTファシリティーズ総合研究所

NTT Facilities Research Institute Inc.

Ther purpose of our study is to examine the availability of air-raid victim’s narratives to resilience education. First, we investigated resilience factor which is the ability to bounce back from adversity by using the victim’s narratives of air raid on 9 local cities in the Kanto region of Japan during World War II. The main results from the analysis on the narratives indicates that the reasons to bounce back from the adversity (sudden loss of life and/or property) are classified into five categories, “sense of purpose”, “empathy”, “inheritance of will”, “sense of well-being and security”, and “self-efficacy”. Next, we asked university and high-school students for feedback as to air-raid narratives. The results suggested that the air-raid narratives are available as reading material for resilience education.

Keywords: resilience, air-raid victim, narrative, adversity, education reading material

1.はじめに

東日本大震災以降,政府は,国土の強靭化(ナショナ ル・レジリエンス)を進めているが,その一方で,国民一 人ひとりのレジリエンスを高めることの重要性も指摘さ れている1)-3).国土や社会(組織・共同体)・システムのレ ジ リ エ ン ス の 要 素 と し て は ,Robustness( 頑 強 性 ) , Redundancy(冗長性),Resourcefulness(臨機応変性,代替 性),Rapidity(迅速性,即応性)の4つのRが挙げられてい る4).一方,個人のレジリエンスとは,「逆境に直面し, それを克服し,その経験によって強化される,また変容 される普遍的な人の許容力」「困難あるいは脅威的な状況 にもかかわらず,うまく適応する過程・能力」などと定義 されている5).レジリエンスに関しては,すでに様々な 分野での研究事例があるものの,そこで想定されている 逆境は,ネガティブライフイベント(日常生活で直面する ストレス・失敗など)が多く,自然災害によって人命・家 屋を突然喪失するといった極めて過酷な逆境に対する妥 当性は検証されていない5) また,より過酷な逆境を体験した者ほど,立ち直るま でには多くの年月を要することが予想される.例えば, 1995年の阪神・淡路大震災の調査事例では,「自分がもは や被災者ではない」とほとんどの被災者がそう思えるよう になるには10年以上の年月が必要であったとの知見が得 られている6).ただし,この知見は,様々な被災程度の 被災者を対象とした調査結果に基づくものであるため, 被災者の中でも極めて過酷な体験をした者ほど,立ち直 るまでにさらに多くの時間がかかる可能性も指摘されて いる7) 自然災害と同様に,多数の国民が人命・家屋を突然喪 失するという過酷な逆境に直面したものの,その状況か らすでに数十年以上が経過した出来事の一つとして,太 平洋戦争時の空襲(死者・行方不明者30~50万人)が挙げ られる.「爆撃は非対人的な戦争行為であり,特定の個人 の死を意図したものでないという意味で自然災害に近い」 との指摘8)を踏まえれば,空襲と自然災害とは共通する 部分が多いと見なすこともできるであろう. 空襲からの復興(立ち直り)を国全体のレベルで見ると, 朝鮮戦争による特需景気とその後の高度経済成長により 成し遂げられたため,「奇跡の復興」とも呼ばれ,その復 興過程はよく知られている.一方,個人のレベルで見た とき,空襲によって人命・家屋を突然喪失するという過 酷な逆境を体験した当時の人々が,戦後数十年の歳月を かけて,どのようにして立ち直ってきたのかについては あまり知られていない. レジリエントなロールモデルを真似ることは,レジリ エンスを高める効果があるとの指摘9)を踏まえれば,空 襲によって人命・家屋の喪失を体験した人々がその逆境 からいかにして立ち直ってきたのかを知り・学ぶ(参考に する)ことは,将来の大規模自然災害(南海トラフ地震, 首都直下地震など)の逆境から立ち直る力(レジリエンス) を高める上で有効であると考えられる.ところが,レジ

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リエンスを高める(育てる)ための既存の教材等10)-12)を概 観したところ,東日本大震災の事例やホロコーストの事 例(フランクル『夜と霧』)については扱われているもの の,太平洋戦争時の空襲の事例を扱っているものは見当 たらなかった.前述した通り,東日本大震災からは数年 しか経過しておらず,極めて過酷な逆境に遭遇した被災 者の方々は未だ立ち直りの過程にあるものと推察される. また,ホロコーストに関しては,海外の事例であり,身 近な自国の先人たちによる空襲の逆境からの立ち直りを 学ぶことは,郷土愛・愛国心を育てることにも繋がるも のと考えられる. 本研究では,空襲体験談を,レジリエンス教育へと導 入するための読み物教材として,まずは,小・中学校の 道徳の教科書・副読本において取り上げることを提案し たいと考えている.そこで,現行の道徳の副読本につい て調査した(1)ところ,戦争体験に関する教材としては, 杉原千畝,蜂谷弥三郎,白旗の少女(比嘉富子)などが「国 際理解・親善」のテーマで取り上げられていた.また,空 襲体験に関しては,東京大空襲において出産直後の母 親・赤ちゃんを14人の看護師が避難させたエピソード(テ ーマ:生命の尊重),大阪大空襲を受けた終戦後,家族に だまってパンをこっそり食べた子どものエピソード(テー マ:家族愛)が取り上げられていた.このように,戦争・ 空襲体験のエピソードは,レジリエンスに関連するテー マ(希望・勇気,強い意志)としては,現行の道徳の副読 本では取り上げられていないことを確認できた. 以上を踏まえて,本研究では,まず,空襲による逆境 からの立ち直り(レジリエンス)に関する個人的要因を明 らかにするために,関東地方の空襲体験談を用いて,人 命・家屋の喪失から立ち直ることができた理由を抽出・ 分類し,その結果を既往研究のレジリエンス要因と比較 する.つぎに,レジリエンス教育へと導入するための読 み物教材として空襲体験談が有効であるかを確認するた め,大学生・高校生を対象として,ある1編の空襲体験談 を読んでもらい,その感想について分析する.

2.関東地方の空襲とその体験談の収集

(1) 関東地方の空襲 空襲を受けた関東地方の都市は,表1 に示す 12 都市で ある.なお,同表の「順位」とは,アメリカ軍が空襲攻撃 目標として全国 180 都市を人口に基づいて順位付けした ものである13).東京(順位:1 位)は,1944 年 11 月以降, 130 回の空襲を受け,特に 3 月 10 日の「東京大空襲」では 8 万人以上が死亡した13).横浜(順位:5 位)では,1945 年 5 月 29 日の空襲により約 8 千から 1 万人の死者を生じた 14).川崎(順位:9 位)では,1945 年 4 月 15 日の空襲によ る死者は768 人~1,520 人と言われている.これらの主要 都市では,1944 年の本土空襲を受けて,同年 8 月から学 童疎開が始まっていた.このことから,関東地方の中で も,主要都市では空襲に対する危機感を抱いている一方 で,その他の地方都市では,危機感が相対的に低かった ことが予想される.地方都市での空襲に対する危機感が 低かった可能性を示唆する事実は,後述する各都市の空 襲体験談(文献 15~25)においても確認することができる (表2). 将来の自然災害に対する国民の危機感は概して低いと 考えられる.本研究では,レジリエンス教育への導入の ための読み物教材として空襲体験談を利用することを想 定している.そこで,自然災害への危機感が低いであろ う現代の国民(読者)にとって,より親近感を感じられる のは,空襲に対する危機感が低かった人の体験談である と考えた.そこで,自然災害に対する危機感との類似性 を確保するために,本研究では,表1 の 12 都市のうち, 空襲に対する危機感が相対的に低かったと推察される地 方都市9 都市(千葉,宇都宮,前橋,日立,水戸,八王子, 銚子,熊谷,平塚)を対象とすることとした.表1 の地方 都市の空襲被害を見ると,主要都市の被害に比べると小 さいものの,各都市において,数百人から千人以上の犠 牲者を生じ,数千戸から一万戸以上の焼失家屋を生じて 表 1 空襲を受けた関東地方の都市 表 2 空襲に対する危機感に関する証言の例 表 3 収集した関東地方の空襲体験記と体験談数 順位 都 市 人的・物的被害 1 東京 1944年11月以降,130回の空襲を受けた(3月10日の 空襲では8万人以上が死亡) 5 横浜 5月29日の空襲により約8千から1万人が死亡 9 川崎 4月15日の空襲による死者768人~1,520人 51 千葉 7月7日の空襲により,死者は約1000余名 55 宇都宮 7月12日の空襲により、市街地の約65%が被災,600余 名が死亡 57 前橋 8月5日の空襲により,被災面積は全市の22%,死者 は535人 61 日立 6月10日の空襲で死者1275人.7月19日の空襲で死者 143人 75 水戸 8月2日の空襲により,市街地の約八割が焼失し242人 が死亡 79 八王子 8月2日の空襲により,死者445人,焼失家屋14,000戸 81 銚子 3月10日・7月19日・8月1日の空襲により,死者380人 105 熊谷 8月15日の空襲により,死者266人,焼失家屋3,630戸 120 平塚 7月16・17日の空襲により,死者330人以上,罹災戸数7,678戸 都市 体験談 千葉 「だから,千葉の人達は ,まだ東京のほうが一部やられてい ないで残ってるしね,千葉まではまだ番が回って来ないって な気持でおったんですよ.」 前橋 「 殆どの人が前橋がやられるとは 実感していないようだっ た.」 日立 「『警戒警報発令』『 空襲警報発令』も日常化してくると,な れっこになり,さして緊迫感もないこのごろであった.」 八王子 「誰も空襲があるなどとは信用せず, 近所の人々にそのよう な話をしても,『まさかね』と言う程度であった.」 銚子 「たびたび空襲警報が発令されたが,敵機は 上空高く飛び すぎるだけであったので,何の軍備もない小都市である銚子 へは,まさか空襲をしかけもしまいと,一縷の望みをつないだ りもしていた.」 熊谷 「戦乱中といえ,まさか熊谷が空襲にやられるとは, 全く夢に も思って居りませんでしたね.」 都市 資料(空襲体験記) 発行年 体験談 千葉 『千葉市空襲の記録』 1980 140 宇都宮 『宇都宮空襲・戦災誌』 1975 96 『街角の証言-市民が語る前橋空襲』 1988 29 『街角の証言-市民が語る前橋空襲(第2集)』 1994 45 『戦災と生活 日立市民の記録』 1979 83 『日立の空襲―語りつぐ戦災体験』 2003 21 水戸 『水戸空襲戦災誌』 1981 190 八王子 『八王子の空襲と戦災の記録 市民の記録編』 1985 131 銚子 『市民の記録 銚子空襲』 1974 77 熊谷 『市民のつづる熊谷戦災の記録』 1975 171 平塚 『市民が探る平塚空襲 証言編』 1998 134 1,117 合計 前橋 日立

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いることがわかる. (2) 空襲体験談の収集 終戦(昭和20 年)から 20 年以上が経過した昭和 46・47 年頃,戦後30 年(昭和 50 年)を目指して,日本各地で空 襲戦災を記録する運動が活発化し,「○○市の空襲を記録 する会」などが設立され,各都市で空襲体験記が刊行され ている.そこで,各都市の空襲体験記を探す際,公立図 書館HPの検索サービスを用いて,「○○(市) 空襲」で検 索した.その検索結果の書誌情報から,多数の個人の体 験談が収録されていると予想される体験記を中心に,資 料の購入・借用を行った.その結果,表 3 に示す全 9 都 市の計11 冊の体験記15)-25)を収集することができた. 表3 を見ると,これらの体験記は,戦後 30 年以上が経 過してから発行されていることがわかる.これらの体験 談の中には,人命・家屋を喪失するという逆境に直面し たにも関わらず,数十年をかけて立ち直った人々の体験 談も含まれている可能性がある.以下では,これらの体 験記に収録されている計1,117 名の体験談を分析の対象と する.

3.空襲体験談の分析

「逆境」とは,一般に「苦労の多い境遇」「不運な境遇」「不 幸な境遇」と定義されるが,本研究では,空襲によって人 表 4 空襲による逆境からの立ち直りの過程を含む体験談 体験者 逆境(人命・身体・家屋の喪失) 体験談(太字:立ち直ることができた理由) 理由カテゴリー (レジリエンス要因) 銚子 女性 30歳 「わが家も,わずか十年足らずの 歳月でついに灰燼と化してしまっ たのだ.」 → 家屋の喪失 「離れて暮らしていたふたりの子が,『母ちゃん,母ちゃん』と,両方から走り 寄って来たのを,しっかりと両腕に抱きかかえて,しみじみと生きていた喜 びをかみしめた.それと同時に,どんな事があってもこの子らのために強く がんばらなければ,と決意を堅くした.」 日立 女性 16歳 6月10日のB29爆撃により父が死 亡.7月17日の艦砲射撃により母・ 兄・妹が死亡、妹は8月24日に死 亡.7月19日の空襲により自宅が 全焼. → 人命・家屋の喪失 「運命とはいえ,あまりの変わり果てた姿に,あのとき母といっしょに死んでし まえばよかったと,苦しさとさびしさのあまり,両親の墓の前で泣いたことも いくたびか,だがふたりの弟をみては,私がしっかりしなければと自分で 自分をはげましました.」 宇都宮 女性 27歳 夫:空襲により死亡 ,自 宅: 焼失 → 人命・家屋の喪失 「しかし,いくら叫んでみてももう主人は帰ってこない.寄りすがる唯一の柱 である主人を失ったのです.この先,子供と二人で生きてゆかなければな らない-こう思うと,何か悲しい気持ちも先立ちましたが,しかし,どこか心 の中で“強い”何かが込み上げてもきました.」 熊谷 男性 20歳 焼夷弾の破片により重傷を負い、 数ヶ月の療養生活を送る. → 身 体の喪失 「歴史に残る熊谷戦災に辛くも一命を落としそうになった私は,死んだ気に なって,市のため社会のために貢献すべく,今懸命の努力を捧げたいと, 誓いも新たにいたした次第である.」 銚子 女性 ?歳 家族:夫、長男(16歳).「私かた 隣家一帯たちまち火の海となり, 五 十 余棟 が焼 き払 われ てし まっ た.」 → 家屋の喪失 「戦死された御遺族のことを思えば,わが家の犠牲くらいで泣いてはなる まいと,心をとりなおし,翌日から再興日本建設の全国民の声に和し,努 力しようと決心をかため,今日にいたりました.」 熊谷 女性 29歳 空襲により自宅:全焼 → 家屋の 喪失 「でも私一人では無い,熊谷の七割の人達が皆同じだ.焼けないにしても 無きずと言う事はあり得ない.こうしてはおれない,後の事を考えなければ, という力が湧いて来た.」 千葉 女性 10歳 空襲により,左手:大火傷,自宅: 全焼 → 身体・家屋の喪失 「家は焼け,何一つ残らないのに,全然悲しいという気が起こりませんでし た.多分,おかあさん(自分)の心の中では,自分だけじゃないんだ,みん なもそうなんだという気持があったのではないかと思います.」 千葉 女性 16歳 空襲により,千葉師範学校女子部 の生徒8名,教職員2名が死亡. → 人命の喪失 「『友の死を無駄にしてはならない.』 今年も亦子供たちに語りながら,この 思いを抱いて,教師としての道を歩き続けているのです.」 日立 男性 41歳 B29爆撃により,防空壕が崩落し, 会社の先輩・同僚ら23名が生き埋 め・死亡. → 人命の喪失 「われわれの親しかった先輩や友人を多数,本当に残念であった.工場の 形骸をながめながら,これからいかなる荊の道があろうとも,犠牲になられ たかたがたのためにも努力しなければならないと肝に銘じたのであった.」 水戸 男性 28歳 空襲により,顔・手に重度の火傷 → 身体の喪失 「幸い口の中から内臓はやられず,目もまぶただけで眼球をやられません でしたから,不自由はありません.ですからやはり生きていてこうして生活 できたことは幸いだったとその後も私はずっとそう思っています.」 銚子 女性 ?歳 「いっさいの道具と 衣類 を灰 にし て」 → 家屋の喪失 「戦火に焼失したものは大きくとも,肉親をだれも失っていない大きな安心 感に,これからが本当の戦なのだ,しっかりしなくてはと,そのころのせい いっぱいの想いでした.」 銚子 女性 20歳 「焼けない人の家を見ると,うらや ましい.家がない.親類・両親の兄 弟も皆焼け出され,・・・」 → 家屋 の喪失 「戦争は終わっても,私の家の戦争はこれからだ,と自分で自分にむち打 ちながら,早く家がほしいと思う.」「よし,男がいなくとも,何年かかっても, いつかはできる.私の気持ちは燃え上がった.」 銚子 男性 12歳 「みじめな気持で,燃え 終わ った 家のあたりをうつろな気持ちで見 回った.」 → 家屋の喪失 「わたしおよび弟妹たちも,その間全部家庭をもち,精神的なしあわせの日 を送っていますが,豊かな生活にはほど遠いのが現実の姿です.でもわた しは自分に言い聞かせます.『与えられた環境下で,可能な限り最善をつ くせ』と.」 目的意識 (10名) 共感 (9名) 意志継承 (6名) 幸福感・ 安心感 (5名) 自己効力感 (3名)

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命・身体・家屋を喪失した体験と定義した.そこで,す べての体験談(1,117 名)を読み,人命・身体・家屋のうち, 1 つ以上を喪失した者の体験談のみを対象とした.また, これらの体験談の中には,逆境に関する体験のみが述べ られており,その逆境からの立ち直りの過程に関する体 験が述べられていないものが多数あった(2).そこで,本 研究では,立ち直りの過程を含む体験談のみを用いて, 逆境から立ち直ることができた理由についての分析を進 めることとした. まず,それぞれの体験談の中から,逆境からの立ち直 りに関連する意志(「強く生きようと思った」「決意した」 「覚悟した」など)や行動(「生きてきた」「働いた」など)を含 む箇所に着目し,その前後の文脈から立ち直ることがで きた理由を抜き出した.その際,1 人の体験談の中に複 数の理由が含まれている場合,それぞれを1つの理由と して抜き出した.また,外部からの人的・物的支援など の外的要因に関する理由(例えば,「本家や親戚の援助を 受けながら,一生懸命働きました」など)は除外し,主と して個人の内的要因に関する理由だけを抜き出した. 以上の結果,立ち直ることができた理由は,1,117 名の うち29 名の体験談において確認することができた.表 4 に,体験者の属性(都市,性別,当時の年齢),逆境の状 況(具体的な人命・身体・家屋の喪失の状況),体験談(立 ち直ることができた理由を含む)の一部を示す.なお,各 人の性別は,氏名や体験談の内容から判別することがで きたものの,各人の年齢は,明記されていない場合が多 く,すべてを特定するには至らなかった. つぎに,立ち直ることができた理由をカードに書き出 し,著者の 1 人が類似する内容ごとにグループ化し,そ の結果を共著者に提示した上で,最終的なグループを決 定するとともに,各グループにタイトルをつけた(表 5). なお,3 名以上の理由(カード)が集まったグループだけ にタイトルをつけた.その結果,立ち直ることができた 理由(レジリエンス要因)のタイトルとして,「目的意識」 「共感」「意志継承」「幸福感・安心感」「自己効力感」の大き く5 つに分類することができた(表 5 の「理由カテゴリー」 欄).以下では,それぞれの要因について詳しく述べる. (1) 目的意識 「目的意識」は,一般的には「行動の目的に対する明確な 自覚」と定義されるものである.その理由を見ると,「ど んな事があっても,この子らのために強くがんばらなけ れば」「この先,子供と二人で生きてゆかなければならな い」「我が娘のために生きなければならない」のように, 「子どものために」といった重要な他者(significant others) を目的とする内容が最も多かった.このことは,逆境か らの再起を図る上で,「自分のために」と利己的に考える だけでなく,「重要な他者のために」と利他的に考えるこ とが重要である可能性を示唆している. (2) 共感 「共感」は,一般的には「他人の体験する感情や心的状態, あるいは主張を,自分が全く同じように感じたり理解し たりすること」と定義されるものである.その理由の内容 は,「私一人では無い,熊谷の七割の人達が皆同じだ」「自 分だけじゃないんだ,みんなもそうなんだ」のように,自 表 5 空襲による逆境から立ち直ることができた理由の分類 体験談(太字:立ち直ることができた理由) 理由カテゴリー (レジリエンス要因) どんな事があっても、子どものために強く生きねばならぬと、涙をのんで、身を粉にしても、石にかじりついてもふたりの子どもを育てなけれ ばならぬのだと、・・・/どんな事があってもこの子らのために強くがんばらなければ、と決意を堅くした/それから再建の道をまっしぐらに歩 みつづけて今日まで来た私に、 戦火で失われたものに対する心残りはあったにせよ、 限りない勇気と、 大きな生活力を与えてくれたも の・・・わが子です。/死んだ気になって 市のため社会のために貢献すべく、今懸命の努力を捧げたいと、誓いも新たにいたした/ふた りの弟をみては、私がしっかりしなければと自分で自分をはげましました/この先、子供と二人で 生きてゆかなければならな い-こう思う と、何か悲しい気持ちも先立ちましたが、しかし、どこか心の中で“強い”何かが込み上げてもきました/女の役目は家を守ることと考え夢 中で頑張りました/歯をくいしばってでも生きよう、いや我が娘のために生きなければならない/主人が帰らぬ人になったと知らされ、これ から残された二人の子供を何とか女手一人で育てて行かなければならない/自分こそこの一家の責任者なのだ。 自分の力でどうにかし て人並みになりたい。・・・そうだ。家をどんなことをしても建てよう 目的意識 (10名) 自分ばかりがみじめではない、まだたくさんの人が困っている、強く生きようと考え直した/立ち上がらなくては、戦死したかたに申しわけ ないと思いながら、希望のないあすを考え、うらはらに空襲のない安心感をかかえた生活が始まりました。/他人様が腕を折ってもその痛さ は感じない。自分の指の傷の方の痛みは痛烈に感じる。被災ということもこれと同じこと。被災ということで同情を求めることは、むしろむだ だと思った。/戦死の兵隊さんを偲んで、三人が五人分生きて、五人分働くため、私は、がんばらなくてはいけない、と自分にいいきかせ た。/自分以上の最大の不幸にあわれた家庭は多数あることを聞き、深く同情すると同時に、今後いかなることをしても再起することを、 皆様に教訓され決心いたしました/戦死された御遺族のことを思えば、わが家の犠牲くらいで泣いてはなるまいと、心をとりなおし、 翌日 から再興日本建設の全国民の声に和し、努力しようと決心をかため、今日にいたりました/でも私一人では無い、熊谷の七割の人達が皆 同じだ。焼けないにしても無きずと言う事はあり得ない。こうしてはおれない、後の事を考えなければ、という力が湧いて来た/私の家ばか りが犠牲者ではない、もっと悲惨な家が沢山ある。しっかりしなくてはと思う。/自分だけじゃないんだ、みんな もそうなんだという気持が あったのではないかと思います。/ 共感 (9名) さぞ死にたくなかったであろう。死んだ人が口が聞けたら定めし「俺はまだ死にたくない。子供達の成長をみるまでは。 家も建直さなけれ ばまだ死ねないんだ」と、叫んでいることと思う。 /「友の死を無駄にしてはならない。 」 今年も亦子供たちに語りながら、この思いを抱い て、教師としての道を歩き続けているのです。/亡くなった友の分まで頑張らねば-。心の中で共に話し合い、共に生き続けてきている。 /教員生活を続けて来た。友の死を無駄にしてはならないと思いながら・・・・・・。/工場の形骸をながめながら、これからいかな る荊の道 があろうとも、犠牲になられたかたがたのためにも努力しなければならないと肝に銘じたのであった。 /これからの人生を、二人の分まで 精いっぱい力強く生きつづけようと誓ったのを忘れない。 意志継承 (6名) しっかりと両腕に(ふたりの子を)抱きかかえて、しみじみと生きていた喜びをかみしめた/戦火に焼失したものは 大きくとも、肉親をだれも 失っていない大きな安心感に、これからが本当の戦なのだ、しっかりしなくてはと、 そのころのせいいっぱいの想いでした。 /私たち 親子 六人は二度も家を焼き、何一つなく、どうすることもできませんが、幸い皆無事な ることです。 /生きていてこうして 生活できたことは幸い だったとその後も私はずっとそう思っています。/早く私どもも働かなくてはと。このたびは 生活戦です。 でも、夫のいることが、ものすごく 安心感をあたえてくれました。/ 幸福感・ 安心感 (5名) 昨日を思って悲しむより、明日に希望をもって、今日を、力いっぱい生きようと思った/よし、男がいなくとも、何年かかっても、いつかはで きる。私の気持ちは燃え上がった。/わたしは自分に言い聞かせます。「与えられた環境下で、可能な限り最善をつくせ」と。 自己効力感 (3名) 二十数年経た今、過去の日を振り返るとき、よくあのとき決意したと、最後まで銚子を捨てなかったのだと、大きな誇りを持っており ます。 / ○○町の稲荷さんのうかがいでは丈夫で生きているといわれ、それを信じて頑張り働いた。 その他

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分だけが逆境に置かれているわけではないと考える者と, 「自分以上の最大の不幸にあわれた家庭は多数あることを 聞き,深く同情する」「戦死されたご遺族のことを思えば, 我が家の犠牲くらいで泣いてはなるまい」「私の家ばかり が犠牲者ではない,もっと悲惨な家が沢山ある」のように, 自分よりもさらに過酷な逆境に置かれている人がいると 考える者の2 種類の傾向が見られた. (3) 意志継承 「意志継承」は,親族以外の人命を喪失した者に多く見 られた理由である.例えば,「友の死を無駄にしてはなら ない」「犠牲になられたかたがたのためにも努力しなけれ ばならない」などである.この「意志継承」は,災害時の 「生きる力」に関する探索的研究 26)での「意志のバトン」に 相当すると言える.その例として,本研究と同様に「妻の 死を経験し,死に際まで人助けをしていた妻の意志を継 ごうと考えた」のように犠牲者の意志(遺志)を遺族が継承 する事例がある一方で,「震災後,息子が家業(農家)を継 ぐと言って,そのために仕事を再開する意欲が湧いてき た」との事例も見られた 26).それゆえ,「意志継承」は, 人命の喪失を体験した者だけに限定される理由ではない 可能性が考えられる. (4) 幸福感・安心感 「幸福感・安心感」は,人命を喪失した者には見られず, 身体・家屋を喪失した者だけに見られた理由である.具 体的には,「家は焼けても,家族4 人,無事だった私たち は本当に幸せだった」「肉親の誰もが傷を負わず・・・不幸中 の幸いであった」のように,空襲による不幸に見舞われた ものの,自分だけでなく家族も生き残ったことに対して 幸福感・安心感を感じていた.この幸福感・安心感は, 1940 年ロンドン大空襲でのサバイバーの 1 人である若い 女性(空襲によって家屋は壊れたものの,恋人とその両親 は無事)の証言「多くの人が亡くなり負傷した夜に,不謹 慎かもしれないけれど,わたしの一生であれほど純粋で 一点の曇りもない幸せを感じたことはありません」27)とも 符合している. その一方で,体験談の中には「焼けない人の家をみると, うらやましい」「戦後の生活の折々に,家を失い焼け出さ れた者の辛さを何度となく味わい」「村の大半は焼けなか ったのです.その村にあって焼けだされた私たちは不幸 でした」などのように,「幸福感」を感じることが困難な者 もいた. (5) 自己効力感 「自己効力感」は,一般的には「目標達成のために必要な 行動を効果的に遂行できるという確信」と定義されるもの であり,それを生み出す要因として,「遂行行動の達成」 「代理的体験」「言語的説得」「情動的喚起」が挙げられてい る 28).今回収集できた体験談からは,言語的説得(「わた しは自分に言い聞かせます」など)が先行要因として確認 することができた. 空襲の逆境から立ち直ることができた理由として,「目 的意識」「共感」「意志継承」「幸福感・安心感」「自己効力感」 の5 つの要因が抽出された(図 1 中央).一方,先行研究 29)では,日常生活で直面する困難やストレスなどの逆境 から立ち直る力(レジリエンス)を構成する能力として, 「感情調整力」「衝動調整力」「楽観力」「原因分析力」「共感 力」「自己効力感」「リーチアウト力」(働きかける能力)が挙 げられている(図 1 左).また,別の先行研究 30)において は,復活力(レジリエンス)を「システム,企業,個人が極 度の状況変化に直面したとき,基本的な目的と健全性を 維持する能力」と定義している(図1 右).これらを比較す ると,「目的意識(目的維持)」「共感(共感力)」「自己効力 感」が共通していることから,これらの要因(能力)は逆境 の種類・程度によらないものと考えられる.これに対し て,「意志継承」と「幸福感・安心感」は,空襲の逆境から の立ち直りに特有の理由と見なせる.

4.読み物教材としての利用可能性に関する試行

ここまでの検討により,空襲によって人命・家屋を突 然失ったにもかかわらず,その逆境から長い年月をかけ て立ち直ってきた人々の体験談の中には,レジリエンス 要因が含まれている場合があることを確認した. この結果を踏まえて,つぎに,空襲体験談がレジリエ ンスを高めるための読み物教材として利用可能であるか について検討する.そこで,ある 1 編の体験談を題材と して,それを実際に読んでもらい,その感想について分 析することとした.本研究で題材として取り上げた体験 談は,銚子市の空襲体験記に収録されている図 2 に示す 体験談(文献23 の pp.317-327)である. この体験談の執筆者は,5 人の子ども(2 男 3 女)の母で ある.ただし,空襲当日は,長男は京都の学校に,次女 は東京の学校にいたため,自宅(銚子市)にいた家族は, 自分,夫,長女(18 歳),三女(14 歳),次男(12 歳)の 5 名 であった. この体験談の前半部分(約 3,700 字)には,1945 年 7 月 19 日深夜の空襲(図 3 の青色が焼失地域)により,まず, 長女が焼夷弾による火傷と機銃掃射により死亡したこと, 自宅が焼夷弾により焼失したこと,空襲からの避難の際 に行方不明になっていた次男が,空襲から約 2 週間後, 土の中に埋まって死亡しているのを飼い犬が発見したこ と,が綴られている. そして,体験談の後半部分(約 2,400 字)には,自分が 「子ども3 人が 5 人分生きて,5 人分働くため,私は,が んばらなくてはいけない」「昨日を思って悲しむより,明 日に希望をもって,今日を力いっぱい生きようと思った」 などの考えのもと,住宅の再建,子ども 3 人の教育費を 捻出するための苦労(貸家の売却,インフレ,製粉精米所 図 1 逆境から立ち直るための要因(能力) リーチアウト力 自己効力感 共感力 原因分析力 楽観力 衝動調整力 感情調整力

先行研究

27) 幸福感・安心感 意志継承 自己効力感 共感 目的意識

本研究

健全性維持 目的維持

先行研究

28)

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の新規事業など)が綴られている. なお,この体験談を取り上げた理由としては,空襲に よって人命と家屋の両方を喪失していること,終戦後の 立ち直りの過程が詳細かつ十分な量で記述されているこ と(3),が挙げられる. (1) 質問紙調査 著者らの1 人が担当する教職課程の授業科目「教育相談 の理論と方法」を履修している大学生(22 名)を対象とし て,「レジリエンス」に関する回の授業(2017 年 1 月 11 日) の時間を一部利用して,質問紙調査を実施した.調査の 手順は,まず,大学生(被調査者)に銚子空襲の概要を口 頭で説明した後,体験談(前半)を読んでもらい,質問紙 に回答してもらった(約20 分).その後,体験談(後半)を 読んでもらい,質問紙に回答してもらった(約20 分). 体験談(前半)は手記の筆者が受けた空襲被害について 描写されている.多くの戦争に関する読み物では被害を 受けた部分のみを描写していることが多いが,著者らは 読者のレジリエンス教育への導入を図るためには,それ だけでは不十分であり,登場人物がその後どのような苦 難をどのように乗り越えて行ったかという「立ち直りの過 程」を示すことが重要だと考えている.そこで,本研究で は,立ち直りの過程(体験談の後半)の部分の重要性を明 らかにするために,体験談(前半)の読後と体験談(後半) の読後の意識変化を比較することとした. なお,体験談の中には,「挺身隊」「予科練」などのわか りにくい用語が含まれているため,用語集も配布した. 質問項目は,体験談を読んだ感想,外傷体験後成長尺度 31)などである.感想については,文章完成形式の定型自 由文 32)の質問文を提示し,自由に理由・感想を記述して もらった. (2) 分析結果 体験談を読んだ感想に関して,「怖くて読み進めたくな かった」「考えさせられた」「難しかった」について,「とて もそう思う」から「全くそう思わない」の5 件法で尋ねた. その結果,「怖くて読み進めたくなかった」に関しては, 否定的な評価が 7 割を占めており,大学生にとっては怖 くて読めないことはなさそうである.「考えさせられた」 については,肯定的な評価で9 割を占めていた.「難しか った」に関しては,否定的な評価が4 割を占めることから, 中学生・高校生にとってはより難しい内容であると推測 できる. 体験談を読んだ感想を自由記述で回答してもらった結 果に関しては,筆者二人で内容によって分類した(表 6). まず,体験談(前半)については,「悲しい(悲惨・かわい そう)」の10 件,「驚いた」の 6 件,「怖い(不安)」の 5 件な どのマイナス感情を表すものが多くみられた.その他に は,「助け合いが大切」の 8 件,「戦争をしてはいけな い」の 5 件などがみられた.これに対して,体験談(後 半)では,「私も・・・しようと思った」の 9 件が最も多かっ たことから,空襲体験談には読者の意志・意欲を高める 効果があるように思われる.また,「子どもたちのための 努力」が8 件であり,これは利他的な目的意識の大切さを 感じ取っているものと判断される.その他には,自分の 親に対する「感謝」の 5 件,現在の平和に対する「幸福感」 の3 件などが挙げられていた. つぎに,外傷体験後成長尺度31)5 因子(1.人間的強さ, 2.他者とのつながり,3.新たな可能性,4.人生の再認識, 5.心の変化)の下位尺度(21 項目)を参考にして,1.「自分 は困難に対処することができると思う」,2.「人間関係を 良くする努力をするべきだと思う」,3.「人生は自分の力 でより良くすることができると思う」,4.「人生において 何が大切かを考えるべきだと思う」,5.「精神的なことが らへの理解を深めるべきだと思う」について,「とてもそ う思う」から「全くそう思わない」の 5 件法で尋ねた(表 7). なお,本来であれば,文献31)の 21 項目を尋ねるべきで あるが,回答時間の制約があったため,5 因子の中から 代表的な項目を1 つずつ尋ねた. 表 7 では,回答者数が最も多かったものを赤色で示し てある.体験談(前半)と体験談(後半)での回答者数を比 較すると,「精神的なことがらへの理解を深めるべきだと 思う」以外の質問に関しては,変化なしまたは肯定的な選 択肢へと移行している.また,前半と後半の回答の間に 差があるのかを確認するため,対応のあるt検定を行った 図 2 使用した体験談21)(一部抜粋) 図 3 銚子空襲による焼失地域17)

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ところ,「人生において何が大切かを考えるべきだと思 う」と「人間関係を良くする努力をするべきだと思う」につ い て は 有 意 な 差 を 確 認 す る こ と が で き た ( 前 者 は t(19)=2.67, p<0.05,後者は t(19)=2.18, p<0.05).「人生に おいて何が大切かを考えるべきだと思う」は,空襲体験談 から抽出されたレジリエンス要因のうち「目的意識」に対 応するものと考えられ,空襲体験談を読むことは「目的意 識」を自覚させる効果が期待できる. さらに,翌週の授業において,読み物教材としての利 用可能性について被調査者に話し合いをしてもらった. その結果,「レジリエンスの教材として良いと思う」「読ん でいて怖いということはなかった(中学生に読ませても大 丈夫だと思う)」などの肯定的な意見の一方で,「読むのに 時間がかかった(もっと短い方が良い)」「中学生の教材と して勧められない(特に前半部分の悲惨な描写)」など否定 的な意見も見られた.このため,空襲体験談を教材とし て利用する場合には,文章の量を少なくしたり,空襲時 の悲惨な描写を避けたりするといった配慮が必要な場合 があることを確認した.

5.読み物教材としての利用可能性に関する検証

前述の大学生を対象とした予備調査の結果を踏まえて, つぎに,中学生・高校生にとって空襲体験談がレジリエ ンス教育へと導入するための読み物教材として有効であ るのかを確認するため,千葉県銚子市の A 高等学校の 1 年生 163 名を対象として,空襲体験談に関する質問紙調 査を2017 年 7 月 22 日に実施した.使用した体験談は, 前述の体験談(図 2)と同じである.ただし,体験談のう ち前半部分に関しては,空襲時の悲惨な描写を含めない ため,また,文章の量を少なくするために,要約文(約 300 字)を作成した. (1) 質問紙調査 調査の手順として,まず,銚子空襲の概要,体験談(前 半)の要約文,体験談(後半)の原文,質問紙がセットにな った資料を高校生(被調査者)に配布した.その上で,著 者らの一人が銚子空襲の概要を読み上げた後,体験談(前 半)の要約文も読み上げ,引き続き,体験談(後半)を読み 写真 1 質問紙調査の様子 図 4 感想「怖くて読み進めたくなかった」の比較 図 5 感想「考えさせられた」の比較 図 6 感想「難しかった」の比較 4 47 11 58 4 36 2 16 0 1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大学生 高校生 全くそう思わない そう思わない どちらとも言えない そう思う とてもそう思う 1 2 9 10 69 10 80 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大学生 高校生 全くそう思わない そう思わない そう思わない そう思う とてもそう思う 3 10 5 44 5 47 8 48 1 9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大学生 高校生 全くそう思わない そう思わない どちらとも言えない そう思う とてもそう思う 表 6 体験談を読んだ感想の比較 表 7 外傷体験後成長尺度の変化 体験談(前半) 体験談(後半) 悲しい(悲惨・かわいそう) 10 私も・・・しようと思った 9 助け合いが大切 8 子どもたちのための努力 8 驚いた 6 感謝(自分の親に対する) 5 怖い(不安) 5 幸福感(現在の平和に対する) 3 戦争をしてはいけない 5 体験談(前半) ① ② ③ ④ ⑤ 自分は困難に対処することができると思う。 0 5 12 3 0 人間関係を良くする努力をするべきだと思う。 0 1 1 11 7 人生は自分の力でより良くすることができると思う。 0 1 2 14 3 人生において何が大切かを考えるべきだと思う。 0 2 1 11 6 精神的なことがらへの理解を深めるべきだと思う。 0 0 2 13 5 体験談(後半) ① ② ③ ④ ⑤ 自分は困難に対処することができると思う。 0 3 12 6 1 人間関係を良くする努力をするべきだと思う。 0 1 2 8 11 人生は自分の力でより良くすることができると思う。 0 1 2 11 8 人生において何が大切かを考えるべきだと思う。 0 2 3 5 12 精神的なことがらへの理解を深めるべきだと思う。 0 1 2 13 6 ①全くそう思わない、②そう思わない、③どちらとも言えない、④そう思う、⑤とてもそう思う

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上げた(約15 分).この間,被調査者には配布資料を見て もらいながら黙読してもらった.その後,被調査者に質 問紙に回答してもらった(約 5 分).質問項目は,体験談 を読んだ感想について,選択肢形式と自由記述形式で尋 ねた.なお,自由記述形式の感想については,文章完成 形式の定型自由文の質問文を提示し,自由に理由・感想 (1~3 個)を記述してもらった.その結果,159 名の被調 査者から回答を得ることができた. (2) 分析結果 まず,選択肢形式の感想の結果を,前述の大学生の結 果と比較して図 4~6 に示す.「怖くて読み進めたくなか った」(図 4)に関しては,大学生の結果に比べて,高校生 では「全くそう思わない」の割合が増えており,これは, 悲惨な描写を含む体験談の前半部分を要約文にしたため とも考えられる.ただし,高校生と大学生の回答の間に 差があるのかを確認するため,対応のないt検定を行った ところ,高校生と大学生の回答に有意差は見られなかっ た(t(177)=0.17, n.s.). 「考えさせられた」(図 5)については,高校生と大学生 の結果で大きな違いは見られなかった(t(179)=0.49, n.s.). 「難しかった」(図 6)に関しては,高校生・大学生ともに, 難しいと思う者の割合と難しいと思わない者の割合は同 程度であり,有意差は見られなかった(t(178)=0.24, n.s.). つぎに,自由記述形式での感想に関しては,158 名か ら回答が得られ,計 293 個の感想が得られた.感想の一 例を表 8 に示す.これらの自由記述の感想に対して,筆 者三人で内容によって分類した(図7).その際,1 人の感 想の中に複数の内容が含まれている場合,それぞれを1 つの内容として抽出した.また,被調査者自身の感想で はなく,執筆者の気持ちを代弁していると読み取れる感 想(例えば,「お母さんは家族が2人いなくなったので, とてもショックを受けている」など)については除外した. その結果,最も多かった感想は「悲しい」の31 件であり, 大学生を対象とした結果と同様であった.つぎに多かっ た感想は,「子ども(家族)のために」の29 件であり,これ は空襲体験談から抽出された「利他的な目的意識」に対応 するものと考えられる.「私も・・・しよう(したい)と思っ た」は24 件であり,これは空襲体験談から抽出された「自 己効力感」に通じるものと考えられる.その他に,大学生 の結果では見られなかった感想として,「前向き」の18 件 や「強い」の14 件が上位に挙げられている.「前向き」に関 しては,空襲体験談のレジリエンス要因としては抽出す ることができなかったものの,先行研究 25)のレジリエン ス要因のうち「楽観力」に相当するものと考えられる.そ の他には,「幸福感・安心感」に通じるであろう「良かっ た」6 件,「うれしい」4 件,「幸せ」3 件,安定した生活「2 件」,「安心」1 件,「平和」1 件,「喜び」1 件なども挙げられ ていた. 以上のとおり,空襲体験談を読んだ高校生の感想の中 には,レジリエンス要因に関連する内容が上位を占めて いることが確認できた.このことから,空襲体験談がレ ジリエンス教育へと導入するための読み物教材として利 用可能であるものと考えられる.

6.結論

本研究の目的は,太平洋戦争時の空襲の体験談がレジ リエンス教育へと導入するための読み物教材として利用 可能であるかを明らかにすることである.まず,空襲に よる逆境からの立ち直り(レジリエンス)に関する個人的 表 8 体験談を読んだ感想(一部抜粋) 図 7 体験談を読んだ感想の集計結果 体験談を読んだ感想 カテゴリー 5人の子どもが3人に減ってしまったので,悲しかった/大人 数だった家族が亡くなって少なくなってしまったので,とても かなしいと思いました/突然家族を2人失ったので,悲しい /ある日突然家族と自宅を失ってしまったので,悲しい 悲しい 母親が子どもたちのために努力していたので,いい母親だと 思った/自分の子ども達のためにお金を必死に増やしてい るので,子どものことをしっかりと考えている/家や製米機な どを売って子どもたちを進学させたりしたので,とても子ども 思いですごいと思った/子供のために頑張って働いている ので,とても尊敬した 子ども(家族)の ために 社会の片隅にいても、できることがあると思うので,私たちに できる小さな親切をしていきたい/兄、姉、妹のために自分 の身をけずっていたので,見習いたいと思った/家族全員 がお互いを思い合った行動をしていたので,自分もお手本 にしていきたい/どんな時も前向きに頑張っていたので,私 も頑張ろうと思ったし、はげみになった/わが子を2人と家を 失った方が「明日に希望をもっている」ので,私も前向きに昨 日のことを振り返らず頑張ろうと思った 私も・・・しよう(し たい)と思った どんなことがあっても前向きなので,すばらしいと思った/家 族を失っても前を向いていたので,すごいと思った/2人の 子と自宅を失ってしまったので,悲しいが,前向きに生きよう としていて感動した/前向きな気持ちが書かれていたので, 最後のページの文に感動した 前向き 空襲の被害を受けても前向きに物事を考えていたので,す ごく強い人だと思った/つらいことがあってもまっすぐ前を向 いていたので,母親の強さを感じることができた/どんなに 辛くてもお金をため子供を大学に行かせたので,芯の強い 人だと思った 強い 31 29 27 24 18 16 16 15 14 11 10 9 6 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 10 20 30 40 悲しい 子ども(家族)のために すごい 私も・・・しよう(したい)と思った 前向き 戦争をしてはいけない 大変 怖い 強い 家族の協力 かわいそう 考えさせられた 良かった 苦労 希望 うれしい 恐ろしい 驚いた 感動 すばらしい 辛い ・・・になってほしい(すべき) 幸せ 安定した生活 感謝 勇気 信じられない 生きる 家族の愛 かっこいい 寂しい 積極的 地域の協力 目的を持つ 酷い 応援 安心 平和 喜び 不安 努力 優しさ 件数

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要因を明らかにするために,関東地方の12 都市の空襲体 験談(1,117 名)を用いて,人命・身体・家屋の喪失から立 ち直ることができた理由を抽出・分類した.その結果, 空襲体験談から「目的意識」「共感」「意志継承」「幸福感・安 心感」「自己効力感」がレジリエンス要因として抽出され, 以下の知見が得られた. ・「目的意識」に関しては,「自分のために」ではなく,「他 者(例えば,子ども)のために」といった利他的な目的意識 がほとんどを占めていた. ・「共感」に関しては,「自分だけが逆境に置かれているわ けではない」と考える者と,「自分より過酷な逆境に置か れている人がいる」と考える者の2 種類が見られた. ・「意志継承」に関しては,親族以外の人命を喪失した者 に多く見られた. ・「幸福感・安心感」に関しては,人命を喪失した者には 見られず,身体・家屋の喪失(空襲による火傷・自宅の焼 失)を体験した者だけに見られた. これらのレジリエンス要因を,既往研究のレジリエン ス要因と比較したところ,おおむね整合する結果が得ら れた. つぎに,レジリエンス教育へと導入するための読み物 教材として空襲体験談が有効であるかを確認するため, 大学生・高校生を対象として,ある 1 編の空襲体験談を 読んでもらい,その感想について分析した. 大学生を対象とした予備調査を行ったところ,空襲体 験談を読むことで「目的意識」を自覚させる効果が期待で きること,空襲体験談を教材として利用する場合には, 文章の量を少なくしたり,空襲時の悲惨な描写を避けた りするといった配慮が必要な場合があることを確認した. この結果を踏まえて,高校生を対象とした調査を行っ た結果,「子ども(家族)のために」「私も・・・しよう(した い)と思った」「前向き」などレジリエンス要因に関連する 感想が多く見られることを確認した.以上の結果から, 空襲体験談がレジリエンス教育へと導入するための読み 物教材として利用可能であるものと結論づけた. なお,今後の課題として,今回使用した 1 編の体験談 は,銚子市のものであり,それを読んでもらった被調査 者も銚子市の大学生・高校生であった.このため,他地 域の体験談を読んでも,同じような結果が得られるのか について検討する必要がある.また,今回の体験談を読 んだ感想の中には,レジリエンス要因が数多く見られた が,その他の体験談でも同様の効果が得られるかは定か ではない.このため,他の体験談を読んでもらい,どの ような効果が得られるのかを確認することも必要と考え る. 最後に,本研究を遂行する中で気づいた点を付言する. まず,1 点目は,防災教育におけるレジリエンス教育の 重要性である.将来発生が懸念される大規模自然災害に 備えるために,国民(児童・生徒を含む)一人ひとりに対 する防災教育の重要性については論を俟たない.しかし ながら,従来の防災教育では,自然災害によって万が一 過酷な逆境に直面したとき,そこから立ち直ることにつ いてはあまり考慮されていなかったように思われる.防 災教育を通じて,日頃から個人のレジリエンスを高めて おくことは,日常生活でのネガティブライフイベントか らの立ち直りにも有効であると考えられる. 2 点目は,逆境から立ち直った人々の体験談を記録す ることの重要性である.本研究では,太平洋戦争時の空 襲による逆境(人命・身体・家屋の喪失)に遭遇しながら も,数十年の年月をかけて立ち直ってきた市井の人々の 体験談の中に,レジリエンス教育のロールモデルとすべ き事例が数多く含まれていることを確認した.今後は, 1995 年阪神・淡路大震災や 2011 年東日本大震災によって 過酷な逆境に直面した被災者のうち,その逆境から数十 年をかけて立ち直った人々に体験談を執筆してもらい, これらの記録を共有・継承していくことが必要と考える.

謝辞

本研究に取り組むきっかけは、2014 年 8 月,当時・千 葉科学大学学生(千葉県銚子市出身)の山口祐司氏から 『市民の記録 銚子空襲』(文献 23)の存在をご教示いただ いたことによるものである.また,本研究を遂行するに あたり,多数の執筆者・編集者の皆様のご尽力により作 成された空襲体験記を使用させていただいた。記して謝 意を表する.

補注

(1) 調査した道徳の副読本は,文溪堂,学研,教育出版,光村 図書,学校図書,東京書籍,日本文教出版が発行している 小学校5・6 年生と中学校 1~3 年生の副読本 26 冊である. (2) 紙面の都合上,戦後の体験談を省略している場合がみられ た.例えば,『水戸空襲戦災誌』21)の「戦中戦後の生活体験 記として秀れたもの,貴重なものもかなりあったが,それ らも特に水戸空襲前後にしぼるという編集の建前から割愛 せざるを得なかった.遺憾であったがやむを得なかった」 (p.614)や『八王子の空襲と戦災の記録 市民の記録』20) 「市民が戦時下を生きぬいてきた貴重なあかしであるため, 全て収録したかったが紙数の都合上一部内容を省略せざる をえなかった」(あとがき)などである. (3) 『市民の記録 銚子空襲』23)では,体験記の募集にあたり, 「主題 (1)わたしの空襲体験 (2)わたしの戦後の生活体 験 どちらでもかまいません.また両方でもかまいませ ん」(pp.4-5)としており,戦後の生活体験も記述されている 体験談が多く含まれている.

参考文献

1) 鈴木康弘:国民の災害レジリエンスを高めるための研究と 教育のあり方-地球人間圏の視点から-(日本学術会議公開 シンポジウム「東日本大震災を教訓とした安全安心で持続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け て 」 講 演 資 料 ) ; http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/140907j.pdf 閲覧 2017 年 2 月 2 日 2) 仁平義明:災害からのレジリエンス : 被災者側の視点,学術 の動向,2015 年 7 月号,pp.44-54,2015. 3) 目黒公郎:自助・共助と安全・安心なまちづくり,新都市, Vol.68,No.1,pp.13-20,2014. 4) 河田惠昭:新時代の企業防災~3.11 の教訓に学ぶ地震対策~, 中災防新書,2013 5) 齊藤和貴・岡安孝弘:最近のレジリエンス研究の動向と課題, 明治大学心理社会学研究,No.4,pp.72-84 ,2009. 6) 木村玲欧・田村圭子・井ノ口宗成・林 春男・立木茂雄:10 年 を超える生活再建過程における被災者の現状と課題―阪 神・淡路大震災から 16 年間を振り返る復興調査結果―,地 域安全学会論文集,No.27,pp.35-45,2015. 7) 立木茂雄:災害と復興の社会学,萌書房,p.183,2016 8) デーヴ・グロスマン:戦争における「人殺し」の心理学,筑摩 書房,p.192,2004. 9) スティーブン・M・サウスウィック,デニス・S・チャーニ ー:レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と

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10 の処方箋,岩崎学術出版社,p.277,2015. 10) イローナ・ボニウェル 監修:子どもの「逆境に負けない心」 を育てる本,法研,2014. 11) 深谷昌志 監修:「元気・しなやかな心」を育てるレジリエン ス教材集1,明治図書,2015. 12) 深谷昌志 監修:「へこたれない心」を育てるレジリエンス教 材集2,明治図書,2015. 13) NHK スペシャル取材班:ドキュメント 東京大空襲―発掘さ れた 583 枚の未公開写真を追う―,新潮社,pp.220-221, 2012. 14) 平塚柾緒:日本空襲の全貌,洋泉社,2015. 15) 千葉市空襲を記録する会編:千葉市空襲の記録,600p., 1980. 16) 宇都宮空襲・戦災誌編集部:宇都宮空襲・戦災誌,宇都宮 市戦災を調査する会,568p.,1975. 17) 前橋空襲を記録する会:街角の証言-市民が語る前橋空襲, 108p.,1988. 18) 前橋空襲を記録する会:街角の証言-市民が語る前橋空襲 (第2 集),145p.,1994. 19) 日立市の戦災と生活を記録する市民の会:戦災と生活 日立 市民の記録,日立市役所,601p.,1979. 20) 日立市郷土博物館:日立の空襲―語りつぐ戦災体験―,99p., 2003. 21) 水戸空襲戦災記録の会:水戸空襲戦災誌,水戸市,617p., 1981. 22) 八王子市郷土資料館編:八王子の空襲と戦災の記録 市民の 記録編,八王子市教育委員会,401p.,1985. 23) 銚子市役所企画調整部市史編さん室編:市民の記録 銚子空 襲,銚子市役所,678p.,1974. 24) 熊谷市文化連合:市民のつづる熊谷戦災の記録,487p., 1975. 25) 平塚の空襲と戦災を記録する会:市民が探る平塚空襲 証言 編,平塚市博物館,318p.,1998. 26) 佐藤翔輔・杉浦元亮・野内 類・邑本俊亮・阿部恒之・本多 明生・岩崎雅宏・今村文彦:災害時の「生きる力」に関する 探索的研究―東日本大震災の被災経験者の証言から―,地 域安全学会論文集,No.23,pp.1-9,2014. 27) レベッカ・ソルニット:災害ユートピア,亜紀書房,pp.141-160,2010. 28) 山内光哉・春木 豊:グラフィック学習心理学,サイエンス 社,2001. 29) カレン・ライビッチ, アンドリュー・シャテー:レジリエン スの教科書-逆境をはね返す世界最強トレーニング-,草 思社,pp.33-54,2015. 30) アンドリュー・ゾッリ:レジリエンス 復活力-あらゆるシ ステムの破綻と回復を分けるものは何か,ダイヤモンド社, p.10,2013.

31) Tedeshi, R.G. and Calhoun, L.G.: The posttraumatic growth inventory: Measuring the positive legacy of trauma, Journal of Traumatic Stress, 9(3), pp.455-471, 1996.

32) 林 俊克:Excel で学ぶテキストマイニング入門,オーム社, 237p.,2002.

(原稿受付 2017.9.9) (登載決定 2018.1.20)

参照

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