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巻頭言

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Academic year: 2021

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(1)Title. 巻頭言. Author(s). 安川, 禎亮. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 11. Issue Date. 2021-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11675. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 巻頭言 北海道教育大学 教職大学院長 安 川 禎 亮 本学教職大学院は、教育現場の諸課題に対応する実践力のある教員の養成を目指しています。学校 現場あるいは地域が、現在の教育に関わる教員に求める実践的能力、問題解決能力を身につけ、学校 現場に生起する課題を解決へと導く力を養成することを目標としています。 また、 大学院生同士が様々 な経験や事例を持ち寄り、理論的な検討を加え、理論と実践を往還しながら学校全体で、さらには学 校と地域で力を結集し、解決への道を探るという、より高度な研究を目指すという目標も持っていま す。こうした研究実践活動を通して、学生は、授業実践力、学級・学校経営力、生徒指導力、教育相 談力、協働遂行力、地域教育連携力を身につけ、学校現場に生起する問題を解決する資質・能力を培 うことができます。すなわち、実践的な指導力を備え、新しい学校づくりの有力な一員となる新人教 員の養成と、確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えた中核的中堅教員の養成という二つの使 命を担っています。 本研究紀要に、その研究の結実を見ることができます。特集「コロナ禍における教育」では4本の 論文、自由投稿7本の論文が掲載されています。専任教員によるものもあれば、専任教員と現院生の 共同研究もあります。また、教員と修了生の共同研究もあり、まさに学び続ける教員の育成の場とも なっています。 国の緊急事態宣言の発令、外出禁止、日本中が不安と閉塞感に包まれました。中でも教育機関の休 校措置は、前例のない非日常体験として児童・生徒の心身に大きな影響を及ぼしました。 「なかなか ねむれない」 「いらいらする」 「食欲がおちる」 「集中できない」 「何だか悲しい気持ちになる」 「頭痛 がする」等々、子どもたちは、ストレスによって心身に変調をきたしています。このような子どもた ちのストレスの原因をコロナ・ショックによる休校の影響という視点で分析していくと、三つの特徴 が考えられます。 一つ目は、生活リズムの変化によるものです。体力が落ち、ストレス発散できない状態は共通とし ても、家庭状況によっては、生活リズムが大きく崩れた子どもたちもいたことでしょう。自律神経が バランスを保てず、心身に大きな負荷がかかったことが懸念されます。 二つ目は、人間関係の変化によるものです。友だちと他愛のない話をして、 笑いあったり励ましあっ たり、触れ合ったりする時間が減り「何だかつまらない」と無力感を感じた子も少なくないと思われ ます。加えて、家族間の緊張状態(言い争い・暴力・虐待等)に巻き込まれ、心を痛める日々を送っ た子どもたちの存在も懸念されます。 三つ目は、まさに感染への恐怖によるものです。社会全体が対応に苦慮している感染症の報道は、 連日メディアを通じて流れ込んできます。 子供たちは 「コロナにかかったらどうしよう」 「コロナになっ たらいじめられるかも」と、言い知れぬ不安・恐怖を抱きながら過ごしていたと思います。 コロナという目に見えないものに世界中が圧迫されているような状況下、子どもたちの心をどうケ アしていけばよいのでしょうか。危機対応の面から考えると、まず現状を把握し、それに対する手立 てを講じ、効果のある事をフィードバックすることです。児童・生徒の心の状態を把握し、それに対 応した教育実践を積み、教育効果を分析し、取り組みを定着していく必要があります。 その課題について、実践と研究の融合された論文から、何らかの示唆が得られると考えています。 ───────────────────── *1. 北海道教育大学ホームページ http://www.hokkyodai.ac.jp/intro/h31-newyear.html.

(3) 教職大学院での学びは、教員としての資質の向上とともに、人間性を高める期間でもあります。院 生同士、お互いの課題を自分のこととして受け止め、理論と実践を往還しながら研究することによっ て、視野が広がっていきます。多様な考え方を受け入れながら、確固たる理論に基づいて実践力を高 めていく、そのような教員は、子供たちにとって頼もしい存在であり、学校・地域を支えるリーダー として、成長し続けると確信しています。 すでに高度な専門性を身に着けた400名を超える修了生が、教育現場で中核的な役割を担い、全道 各地で活躍しています。さらに、自主的な研究会を立ち上げ、修了後も研究仲間としてお互いを支え あい、切磋琢磨しあう場を築いている修了生達もいます。教職大学院での深い学びを次につなげ、継 続発展するには、一人でも多くの仲間と連携することが重要です。 それを実現するためのステップとして、本研究紀要が活かされることを願っています。.

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