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「かばんの中にかばんを入れて」の異同について

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(1)Title. 「かばんの中にかばんを入れて」の異同について. Author(s). 佐野, 比呂己. Citation. 国語論集, 7: 36-48. Issue Date. 2010-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2395. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) ﹁か ば ん の 中 に か ば ん を 入 れ て ﹂ の 異 同 に つ い て. 北 海道 教育 大学 釧 路校. 国語教 育講 座. 佐 野 比呂己. 小 学 館 文 学 賞 、昭 和 五 十 七 年 (一九 八 二 )﹃遠 い野 ば ら の村 ﹄で野 間. 児 童 文 芸 賞 、昭 和 六 十 年 (一九 八 五 )﹃風 のロー ラ ー スケ ー ト ﹄で新. 一 はじめに 本 稿 は 、教 材 ﹁ か ば ん の中 に かば んを 入 れ て ﹂と 原 典 と の異 同 を. 美 南 吉 児 童 文 学 賞 を 受 賞 、 一貫 し て幻 想 的 な 作 品 を 発 表 した 。平.  . 確 認 し、教 材 化 に際 し て の工 夫 と 課 題 を 抽 出 しよ う と す るも ので. 成 五 年 (一九 九 三 )二 月 二 十 五 日、五 十 歳 の若 さ で逝 去 した 。. ﹁ かば ん の中 に かば ん を 入 れ て﹂の原 典 は、﹃ゆ め みる ト ラ ンク. 一一 原 典 と 教 材 本 文 の異 同 に ついて. ある。 本 稿 で取 り上 げ る ﹁ か ば ん の中 に かば んを 入 れ て ﹂は 、平 成 十 七 年 度 (二 〇 〇 五 )に 初 め て小 学 校 教 科 書 に 所 収 さ れ た教 材 であ る 。 大 阪 書 籍 の小 学 校 第 五 学 年 上 巻 に 掲 載 さ れ ている が 、管 見 では こ. 北 の町 のかば ん 屋 さ ん の話 ﹄( 講談社. 平 成 三 年 (一九 九 一)九 月 ). れ ま で教 材 研 究 がな さ れ たも のは 教 師 用 指 導 書 以 外 は 皆 無 であ り 、. であ り 、安 房 直 子に と っては晩 年 の作 品 にあ たる 。. 平 成 五 年 (一九 九 三 )十 月. 日本 児 童 文学 者協 会. 五 ニー 五 六 頁 )、及 び 藤 澤 成 光 が 自. ツォ﹂( ﹃日本 児 童 文 学 ﹄第 三 十 九 巻 第 十 号. ﹃おし ゃべり な カー テン﹄と の共 通 性 に ついて述 べた ﹁ 安 房 さ ん のスケ ル. ﹃ゆ めみ るト ラ ンク﹄に ついても 、先 行 研 究 は 少 な く 、き ど のりこが. 加 え て実 践 研 究 に ついても 中 心 教 材 と し て取 り 組 んだ も のは 見 あ た ら な い。 作 者 は 、児 童 文 学 作 家 の安 房 直 子 で あ る 。直 子 は 昭 和 十 八 年 (一九 四 三 )一月 五 日 東 京 都 に 生 ま れ た 。日 本 女 子 大 学 に在 学 中 から 山 室 静 に 師 事 す る。昭 和 四 十 八 年 (一九 七 三 )﹃風 と 木 の歌 ﹄で. ω④ ω⑤.

(3) 安 房 直 子 の領 域 ﹄( てら いん. 略 した 箇 所 はな く 、表 現 の異 同 も 一カ 所 のみ 確 認 す る こと が でき る. と ころ であ る。ま た 、表 記 に ついては多 く の異 同 が 確 認 でき る 。ここ. 著 ﹃こころ が 織 り な す ファンタ ジ ー く. で、左 記 のよ う な 異 同 表 を 作 成 し 、教 材 化 に際 し ての表 記 ・表 現 の. 平 成 十 六 年 (二 〇 〇 四 )六 月 )の中 で ﹁ く る わ 、く る わ ﹂と いう. 表 現 に着 目 し、﹁ ねこ﹂と ﹁ ト ラ ンク ﹂の関 係 性 に ついて考 察 しているも. 異 同 に ついて検 討 す る こと と す る 。この異 同 表 は教 材 本 文 の記 述 か. ら だ け では 理 解 し得 な い基 礎 資 料 と な る も のであ り 教 材 と し て ﹁か. のが 見 ら れ る程 度 であ る。 ﹃ゆ め み る ト ランク ﹄には 十 の小 話 が 収 めら れ てお り 、﹁ かば ん の中. ば ん の中 にかば ん を 入 れ て﹂を 検 討 す る 上 で、不 可 欠 な も のであ る 。. へ. 安房 直 チ. 護 土牟. 者でしたが り っぱな. らし いかば んを次々に こしら えるこ♪が. この店の=代目の主人は 上原 一 郎さんといいまし為 ま象. 渥 はん ・製 造 ・修 理. ( 一一 8 四 一一月. 原 典 の該 当 部 分 を ゴシック体 と した 。. な お 、﹁ 教 科 書 ﹂枠 内 の○ 数 字 は 行 数 を 示 し 、異 同 のあ る 部 分 は. にか ば んを 入 れ て﹂は ﹁かば ん の中 にかば んを いれ て﹂( 稿者 注 ⋮ 傍点 は稿 者 が 附 し た。以 下 同 様 。)と し てそ の冒 頭 に 置 かれ ている。 原 典 ﹃ゆ め み る ト ラ ンク ﹄に は す べて の漢 字 に ルビが 附 さ れ 、教 材. 籍 ① かばんの中にかばんを入れて. ︻一 八夏. ﹃坐 里 叩 至 ﹄・ 亟. 本 文 よ り も 読 点 が 多 用 さ れ て いる 。し か し、表 現 に ついては 特 に 省. ﹃ ゆめみるトランク﹄講 諌社 平成三年 (一九 九 一)九月. 1 かば んの中にかば んを いれ て. ② 北の町外れに 小 さなかばん屋奮 りまし為. いま では く るお客 もなくな って ﹃か ③ ゴ代 甑続 いた古い店でしたが 今では 来るお客 もなくな って. 北 の町は すれに 小 さなかばん屋があ りま した. 三代 も 2ついた古 い店 でしたが. 上原 一郎 さんと いいました.ま だ若者 でした ⑤. ばん ・製 造 ・修 理 ロと 書かれ た木 の看 板だけが : ハタ ンパタ ンと 風に鳴 って ④ と書かれた木の看板だけが、パタンパタンと風に鳴っていました刃 いました。 この店 の、 =代 目 の主人は. が、り っぱ な腕 をも っていて 革 とミシンさ えあれば すば らしいかばんを ⑥ ユぐを も って いて 革 どミ シンさ えあれば 蔭. たい へん下手でした.かばん. た い へん へた でした。かば ん屋 のシ ョー ウイ ンドーには、金 の ⑧ 屋のシ ョーウインドーには 金 のび ょう の ついた 、見 るからにが んじ ょうそう な上 フンク. つぎ つぎにこしらえることができ ました .けれ ども 、で さあが ったかばんを ⑦ でさ ました。けれ ども で さあが ったかば んを売ることは 売る ことは. ほこりをかぶ って いた ⑩ たのです. び ょう の ついた 見 るからにがんじょう そ 是 ド ラ ンクや わに革 の、り っ ⑨ 黎 わに革 のり っぱな ハンドバ ッグ がかざ ってありま したが、ど れも ほこり をかぶ ってい ぱな ハンドバ ッグ がかざ ってありましたが .ど れも. く.  . 畠.

(4) ので篤 ひと 月に せ いぜ いふ た つ、かば ん塑 冗れればそれで いいと 、 一郎 さんは ⑪. 甲をききました。. ﹂. 一郎さんは と きどき末由窪肇 黒 聞 きました。. のんきなかばん屋だったのです けれども 古 い店の中で仕事をしています. ひと月にせいぜい二つかばんが売れればそれでいいと、 一 郎 さんは思っていました刃あ. ①ζ. ︻一九 頁 ︼. 思 って いま したコあ きれるほど、のんきなかばん屋だ った のです .けれど も,⑫きれるほど 古 い店 の中 で仕事をして いま す. ・ 韮. ② 萌 けてもくれても ガラスの霜. と、 一郎 さんは、と 嚢 明 けてもくれ ても 、ガ ラ スの中 だ. ﹂. ③ だ いく つで. ンド. い つも知ち んふり を していま し. の中 のかばんが、 つぶや いていた. たいく つで や りき れな い。 ﹂. だ いく つで、た いく つで や りきれな い。 ﹂ ④. シ ョー 早. シ ョーウイ ンドー の中 のかばんが、 つぶや いていた. 一郎 さんは. ⑤ のです. いつも 、知ちんふりを していまし. のです . 一郎さ んは. それを. こんなところ に、 い つ. は っきりと言 った のですっ. シ ョ← イ ンド ー. おど ろきまし鵡 いや 丸 ﹂ ミシンをやめにして. いや だ 一郎 さんは. ⑩ の内側から のぞきこみました.す ると﹁トラ ンクは. の内 側から、 のぞ き ⑨. ⑧ ﹁ あ顔. ⑦ さな  罪 あ けた のには. ⑥ たが、ある 朝 古 いトラ ンクがぱ く っと 口を 開けて大. シ ョー ワイ ンド. たのには おどろきまし為. たが .あ ゑ 朝 古 い上 フンクが、ぱく っと 口を あ けて 大. き塗舞 ミシンを やめ にして. あ あ いやに いや ζ﹂ 一郎 さんは. は っきりと い った のです. ⑪ ﹁ かばんは. こみました.す ると、トランクは ﹁ が ばんは、かばんらし いくらしがしたいよ . ﹂. ⑫ ぶ ばんらし いぐら しだ って2. かば んらし いくらしが した いよ. ﹂. ﹁ かばんらしいくらしだ って2. こん ⑬ ぞ % かば んは 中 に物 を入れ て運 ふためにあ るのです. とじこめら れているんじゃ や り されません。息 ⑭ までも とじこめら れているんじゃ、や りされま せん。息 が つま って 死にそ ユぐす L. ぞ 晃 かば んは 中 にも のをいれて運ふためにある のですりそ れを な ところに、 い つま でも が つま って 死 にそ ユですっ ﹂. るんだなあ ζ 感 心しました。すると、トランクは、ゆめみ ⑯る霧. 感心しました。すると トランクは一夢見るよ つに言いました。. ふうん⋮ ・と 、 一郎 さんはぐ 是 ずき ました刃そ して、かば んには、かば ⑮ 々 つん・⋮ と 、 一郎 さんは う なずきました。そして かばんにはかばん の考 え方 があ ん の考 嚢. る ようにいいま し為. く.  . 晶.

(5) [ わたしは. ︻ 二〇豆. いっ. へん竃車に乗 ってみたいのですっ飛鑓. ふんふんと. 乗 ってみた いのですっ. だあれもいないの. 一郎 さんは フなず いてから、ゆ っ誘 と 上 フンクに言 い聞 かせましζ. ② 甲にいろんな物を 入れ て 旅 に出だ いのです . ﹂. いっ. へん蚕 卑にの ってみたいのですっ 飛 行機 にも 、船にも .の ① お たしは. ってみたいのです 中 に いろ んな ものをいれ て、旅 にでたいのです ﹂ ふんふんと 、 一郎 さんは、う なず いてから 、ゆ つくり ζ トラ ンクにい い ③ き かせました。. いま、ぜ んぜんは やら な い ⑤ さ.; つい・ ユアザイ ンのかば んは、今 全 然はやら ないんだ って. ﹂. そ の気 持ちは よ つくわかるよ。だけど 、き みを買 ってくれ る人が .だ あ ④ そ の気持ちは よ ∼ わかる占 だけど、き ¢ 買 っ桑 れ もいな いのざ .こう い・ ユ アザイ ンのかばんは んだ って℃ ﹂ ⑥. これを聞 いて 上 フンクは ま た木 さな 口を ぱく んと 開け て. これをきいて、上 フンクは ま た﹁大 きな口を ぱ くんとあ σて、. ⑦ あ め そんな曳 ﹂.  . しゃべり. ⑨ ぞ んな ら、あ なたどぼくとで旅 に出ましよy %﹂. 一郎 さんは あ っけ にと られて目を 丸てじ ま した.おしゃべり 冷下 ラ ンクは. 39 倒 く おしゃ べりなトラ ⑪. 攣. ⑩ 7⋮ ⋮ 三. ⑧ とさ けびまし丸. あ め そんな ら. ﹂ とさけびま した。. ﹂. ぞ んなら、あ なたどぼくと で旅 にでましよ・ %﹂ ﹁. しゃべり つづけますり. 一郎さんは.あ っけ にとられて、目を まるくしまし為 ンクは. 一郎 さんは思 ってしま つので亥. い つしょに、あ ったか い所 へ行 きましょ・ 鬼 春 をむ. そ んな毒 つにせきたてられると そ れも いいな あと. 旅 行だ なんて-何年ぶり でしょ・ 鬼 ② ﹁ よ し! そ つしよ 見 ﹂. ①そ れに. ︻ 二 一頁︼. 一郎 さんは思 って ⑯. ⑮ か えに行き ましょ・ %﹂. い っしょに、あ った ⑭ たんじゃ 幸 せにな れません。ね. だ まには あ なたも 、ど こか へでかけ なけりゃ. いい若 煮 映 毎 旦母日へ ⑬ だ まには あ なたもど こか へ出か けなけりゃ。いいわか煮 映 毎 旦 母日せなか丸め てい 北早 甲 まる めて いたんじゃ し あ わせにな れません。ね. か いと ころ へ婁 ましょ・ λ 春 をむか えにいきまし ょ・ %﹂ そんな毒 つに、 せき たてられると、それも いいな あζ しま つので篤. そ つしよ 晃﹂. そ れに 旅 行だな んて 何年 ぶり でしょ・ λ ﹁ よし!.

(6) 一郎 さんは 決 心Lま した。それから、さ つと身 したくを して +ぎな ト ③. 一列に打 ち つけられて ぴかび. 一郎 さんは 決 心し ました。それから、さ つと 暑 したくをして 太 さなトラ ンクを シ ョー. トランクが 言いました∼. いった い何 を入れよ つかと⋮ も. 一郎 さんは 上 フンクの口湯開けて考えました.. ラ ンク を、 ショー ワインドーからおろしま した .たくさ ん の金 のび ょうが 、 ④ ワインド ーか ら下ろしました.たくさ んの金 のび ょ・ 遼. いっ⑥ ﹂ の中 に. 一列にう ち つけ られて ピ カピ力光 っているむ かしふ つのみごとなトラ ンク ⑤ か光 っている昔風の見 事なトラ ンクです です . 一郎 さんは トラ ンク の口を あ σてか んが えました。この中に た い、な にを いれようか と ;も す ると. ⑦. 一郎 さんは ま た. すると、上 フンクがい いま した。. そんな ことしてど つするんだと. ⑩ 右えました.上 フンクは楽しそ つに言いました∼. ⑨. ⑧ 溶 店 のかば んを 、み いんな入れ ≦ ださ いよ. ﹂ また. ﹁ お店 のかば んを、み ーんな 人れ てぐだ さいよ . ﹂ そんなこと してど ?丁るんだ ? と、 一郎 さんは か んが えました .上 フンクは た のしそ つにいいました .. かばん の中 にかばん を入れて 南 の町 へ ⑫ 売りに行 くんですり ほら、 ショー ウインド. ⑪ ﹁つまりね. 売 りにいぐん です. ⑬ ドバ ッグを 二つ、 ここに入れてぐださ い。 そこのた. かば んの中 に かばんを いれて 南 の町 へ、. ドバ ッグ を 二つ、 ここにいれてぐだ さ い。 そこのた. ⑭ なのボ スト ンバ ッグも 入れてくださ い。それか ら、. ﹁つまりね. な の、ボ スト ンバ ッグ もーいれ て ください。それ から、. ⑮ 口だなの中窪 生かばんも人れで ∼ ださい。きのう. の ハン. 戸だ な の中の学 生かば んも いれ てぐ ださ い。き のう. ⑯ 作ったさ いふも人れてくださ い。 ﹂. ほら、シ ョー ワイ ンド ーの ハン. つく った さ いふも いれてくださ い。 ﹂. ︻ 二二夏. 初 めはぼんやりと つっ立 っていた 一郎さんも いつの間にかトランクの号. つぎ つぎ に トラ ンク の中 ② ハ 梁 [ わせて 店の晶物を 次 々に上 フンクの中 に入れていったので実 そ つして トラ. ふ しぎ で 冗 は じめは ぼ んやワ ど つっ立 って いた 一郎 さんも、い つのま ① 不畢 肇 にか、トラ ンク の口 天 アにあ わせて、店 の品物を. ⑤ れから、 ス仁 ブ の火 を消して さ あ-出発ですり ﹂. 一郎 さん の体 は トラ ンク の口天 Rどおりに動 き士亡 鵡. いよ いよ 詮 出て. かぎ をかけ てぐだ さ い。そ. に いれてい った ので冗 そ つして、ト ランクが、かばんでい っぱ いにな ると、 ③ ンクがかばんでい っぱ いにな ると トラ ンクは満足 そ つに言 いま した. 上 フンクは ま んぞ くそうにいいまし た.. ストーブ の火をけして さ あ 出 発で 冗 ﹂. ⑥. そ つして. そ つそ 鬼 そ れでよろしい。あ とは ぼくを パタ ンとしめて かぎ をかけ ④ そ つそ 鬼 それでよろし い。後 は ぼくをパタンとしめて てくだ さい。そ れか う. 一郎 さん のか bだは トラ ンク の口天 Rどおりに玄 ﹂ き まし為 そ つして. く.  . 品.

(7) いよいよ外にでて、店のかさをか箋. が. まぎ 直しまし為 そ つして 太 さな上 フンクをし つかり持 って 駅 へ. コー トのえりを. 一 郎 さんは思いまし為 きさ 久 ⑦ 店のかぎ をかけるとき、 一郎 さんは思いました∼A召R 旅に出る なんて-夢 にも田漿. マZ工. 北 風が、ヒ ユー ッとふ いて、雪 の粉 をまき散 らしました. 一郎 さんは. ⑧ った なと ;も ⑨. マフラ⊥ を ま きなおしました.そ Z て 大きな ⑲ 立てて. ま きちらしま した刃 一郎 さんは. 旅 にでるなんて、ゆめにも 思わな か ったなと ・ -も. のえ り 窒 立てて. 北風が ,ひゅ つっと とふいて、雪 肇 コれ. 一郎 さんは 呈ち 上か って そ っと上 フン. 一郎 さんは 南 の町 へ行 く列車に乗 っていました。. 太 さなトラ ンクは 列軍 のあ みだ な の上です. それかち 二十 分後 に. ⑪ 回 かって歩 いていき ました。. ⑬. ぎなトランクは 何蒔間も列卑にゆ. しゃべらな いんだなと、 一郎 さんは思 ⑯ べら ないんだなと、 一郎さんは思 いました.. ︻ 二三夏 一 郎 さ窒. それは 海 のほと りの沫町 でし為. 一郎 さんの住ん でいる町. ② bれて、 日のしず むころ、遠 い南 の町 に着 いたのです .. ① こうして. ほか の人間 かいるところでは. しや. お い。 ﹂ とよんでみ ましたが、上 フンクは まる でねむ っているように、 ま ⑭ クを たた いて ー﹁. 一郎 さんは一 耳ちあ か って. 一郎 さんは、南 の町 へいく列 更に の っていました。 ⑫. トラ ンクを し つかりも って、駅 へむ か って歩いていきました。 それから 一 丁 分後に 大き なトランクは 列 車のあみだ なの上 です そ っと 上 フンクをたた いて、 ﹁ おい。 ﹂と よん でみま したが、トラ ンクは. ほか の人間 かいる ところでは. る でねむ っているよ つに、な にも い いま せん でした.な るほど、 このトラ ン ⑮ 何も言いませんでした.なるほど 、この上 フンクは クは いました。. こうして - 一郎 さん ・ ど大きな上 フンクは 何時 間も.列 車にゆ ら れて、日のしず む ころ、遠 い南 の町 についた のです .. ③. ④ よりもず っとあ たたかく て、広 場には 黄 色いスイ センの花 が. それは 海 のほとり の港 町でした。 一郎 さんの住んで いる町 より 職 ず っと あたたかく て 広 揚には 黄 色い水 仙の花 が. 一郎 さんは 海 の見 えるホテルにとまる ことにし ました.ホ. ⑤ さいていました。 ⑥. さ いて いま した刃 一郎 さんは 海 の見 えるホテルにとまることにしました。ホ. 一 郎 さんは トランクのかぎ. ⑦ アルの小さな馨. 暑 ぐと. テ ルの小さな へや にお ちつく と、 一郎 さんは トラ ンク のかぎ. ⑨ ﹁ お い、や っと 看いたぞ .お つかれさ 美 ﹂. ⑧ 葎開け て ト ントンたた さなが ら話 しかけました.. お い、や っと ついたぞ.お つかれ さま。 ﹂. ⑩. を あ けて、ト ント ンたたきながう 話 しかけ ました.. トラ ンクは ふわー っと 、あ くび をしま した。それから、. ⑪ ﹁ はろぼる萎 したね ろ﹂. 上 フンクは ふわあ つと、あ ぐびをしまし為 そ れか 良. ぼ るばるきまLだ ね ろ﹂. く.  . 温.

(8) お ちついた いい町だ . ﹂. と いいました︺ ﹁ ああ. 蒼. ⑫ と言いました。 ⑬ あ あ 落 ち着いた いい町だ . ﹂. にぎ や かです 海岸通 りには. お店. ち ゃ、商 売はで さませ越 ﹂. そ の中 に かばん屋は、三げんあ り. ⑭ そ れに な ん老 い っても ⑮ がたくさんありま し為. そ れに な んと い っても、にぎ やか です 海岸通 りには がたく さんあ りました.その中 に かば ん屋は、ゴ軒 あり ⑯ ました。 ﹂ ︻ 二四 昌 ① ﹁ ほ灸. ちゃんと数 えていた のかい。 ﹂. ました。 ﹂. ﹁ ほ 父 ち ゃん とかぞ えていた のか い。 ﹂. これを聞 いて. 一郎 さんは. ゆ りつつにな りました .貝 刀のこしら えたかばんを 売 って. あしたは このトランクの中のかばんを 売りに行くんじやありません. でき ませ ② あ たりま えですりそれ っぐら いの気配曇. ③ 商 売だ って2. ゆ 2つつにな りまし為 自 分のこしらえたか ⑥. ⑤ 恥﹂. このトランク の中 のかば んを、売 りに いくん じ ④ ぞ 薫. あ たりまえです.それ っくら いの気 丸はりが なくち ゃ、商 士 鴛 ん。 ﹂ 二 曲売だ って2 そ つですとも .あ したは ゃありま せん か。 ﹂ これ をき いて、 一郎さ んは. ⑧ クは言 つのです. ばんを、売 って歩くな んて⋮ も そんなはすかし いこと、でき るだう つかと ⑦ 歩くなんて⋮ も そんな はすかしいこと、でき 金だう つかと 思いました。すると、トラ ン 思 いました.す ると﹁トランクは い つのです. せなかをひんとのば して売 りに行 くのです. ひ どつ、わたしがおまじないをして. ⑩ あなた のこしらえたかばんは ど れも これも 一級 品です . ﹂. ﹁ 勇 気をだしてぐだ さいよ.胸 をは って、北日 田・ を、ぴんと のばし て売りにい ⑨ ﹁ 勇 気を出して くだ さ いよ.むねを は って く のです .あ なたのこしらえたかばんは ど れもこれも 一級品 ですり ﹂ 一郎 さんは 首 をかしげま し鵡. 一 郎さんは 白をかしげまし鵡. そ ?かなあと. おじけつ いち ゃ いけ ません。ど れ ひと つ、わたしがおま ⑫ ﹁ ここま で来 て おじは ついち ゃいけません。ど れ. ⑪ そ フ釜. ﹁ ここまできて. 変 なことを考 えるな砂 思 いな から. 一郎 さんは. 上 フンクの言 つとおりにLま した∼. じな いをしてあげま しよ・ λ ちょ つと 、トラ ンク の中にはい ってごらんな さ ⑬ 為げ まし よ・ % ち ょ つと トラ ンクの中に 入 ってごら んな さい。 ﹂ い。﹂ へんなこと をかんが えるな あと思 いな がら、 一郎 さんは、トラ ンク のいう ⑭ とおりにしま した。. く.  . 畠.

(9) トランク の中 に入りま し為. 一郎 さん にと って 小 さなゆワ な ﹂ のよ つにな りました.. ト ランク の中 の物 を全部外 に出 して それから、そ っと. ⑯ 足をちぢめると、上 フンクは. トラ ンク の中 のも のを 、ぜ んぶ外にだ してーそれから、そ っと ートラ ンク ⑮. あ よ ρになりまし為 ︻ 二五頁 ︼ ① 百 を つぶ っで∼ だ さ い。 ﹂. すると、トラ ② ζ 上 フンクは言 いました刃 一郎 さんは、目を つぶりました。す ると 上 フンクは 本当. の中 に はいりました .足を ちぢ めると 上 フンクは、 一郎 さんにと って. 小さなゆ塾. 百 を つぶ ってぐ ださ い。 ﹂ と 、 ト ラ ンク は い いま した 。 一郎 さ ん は、目を つぶ りま し為. ④. ぼぐほ かばん屋. かばん屋 かばん屋. ﹂ のよ つにゆれて こんな歌葎歌 いました.. ⑤. 世界 一のかばん屋だ. ﹂ のよ つにゆれて、 こんな歌を つたいました。 ③に ゆ塾. ぼぐほ. ⑥. 世界 一のかばん屋が. ンクは、ほんと つに ゆ塾. 世 界 一のかばん屋だ. ⑦. とび っきりのかばんを売りに来た. かばん 屋 かば ん屋. 世 界 一のかばん屋 が. ⑧. そ の歌 をきいている つち に、 一郎 さんは、. ⑩ すっかり いい気持ちにな りました.本当に. ⑨ その歌を聞いている つちに、 一郎さんは. かばん屋. とび っき りのかばんを 売りにき た. す っかりいい気 持ちにな りま した.ほんと つに. ぐ っす りねむ って 旅 の つ. ⑪ 自分は世 界 一のかばん屋だと忠 えるよう にな. 一郎 さんは. 自分 は一世 界 一のかば ん屋 だ泥思 えるよ つにな. その伐. この町 の=げん のかばん屋を回り歩 いた のですり. かば んのたく さん入 った上 フンクを 持 って、海毘通 りに出がけていき まし. ⑮ すと 、 一郎 さんのむ ねの中は一勇 気と目信ではちき. ⑭ かれを いやLま した .そ つして 羽朝 日葎覚 ましま. ⑬. ⑫ りま し丸 一郎 さんは ぐ っす りねむ って 旅 の つ. りました。 そ の伐. 箋. ⑯ れそ %. 一郎 さんは. ︻ 二六頁︼ かば んのた∼き んはい ったトラ ンクをも って 海岸 通りにで ①. 一郎 さんの胸 の甲は 勇 気と目信で. かれを いやし ました.そ つして よく朝目をさましま すと れそ λ. 一郎 さんは. かけて いきました。そ つして、 こ の町の 一 軒 のかばん屋を、ま わり歩 いた の ② 丸 そ つして. く.  . 畠.

(10) 需 ご めんぐだ さ い。わたし のつく ったか. 一郎 さんが. ④ てみて くだ さ い。 ﹂ ⑤ そ つ言いな が良. い。 よろしか ったら、お店 に置 い. れる のですりな んと 見事な ⋮ ・ と 、思 つので 篤 革 の つや. 一郎 さんが 町 のかば ん 屋の店に入 って いき ますと そ の店 の主 人は. い。よ ろしか った ③ ご めんぐださ い。わたし の作 った か. 町 のかばん屋 の店 には い っていき ますと. ら 、お店 にお いてみて ぐだ さい。 ﹂ そ ついいな が良. そ の店 の主 人は まず あのトラ ンクに目を ユはわ れる のですっな んとみ こと ⑥ まずあ のトラ ンクに目を 嚢. な ⋮ と 、思 りのです 革 の つや と いい、正確なミ シン目といい、金 のびょ ⑦ といい、正確 な ミシン目と いい、金 のび ょう の光 り旦谷 といい、 このトラ ンクを 作 った人. そ つして 上 フンク の中 かち つぎ つぎ にと り ⑨ に取 り出 された ハンドバ ッグ や ボ スト ンバ ッグ や 学 生かば んや さ いふや -小 籔人れ. う の光険ぐあいと いい、 このトラ ンクを つく った人 の仕 事なら、も つま ちが ⑧ の什事 なら も 2まちが いな いと 思 ってしま つので究 そ つして トラ ンク の中 から 次々 いな いと思 ってしま つのです だされた ハンドバ ッグ や ボ スト ンバ ッグ や 学 生かば んや さ いふ や 小. 一 郎 さんが 町のかばん屋を 二 げん回ると﹁トランクの中の・ 朋ぼ. 銭入 れまで、ため つす がめ つながめた す えに、あれを 二つ、 これ を五 つと、 ⑩ まで ため つす がめ つながめた末に あれを 二つ、 これ を五 つと 買 ってく れました .ζ つ 町 のかば ん屋を 二軒 まわるとハ ⑪ して. みんな売れて. 一郎 さんが. 買 ってくれ ました.こ・ E て. 一郎 さんは、そ. ⑭ こうして. 一 郎 さんのトランクは空っぽにな臥 か 霞. そ れを ことわる のにこ ⑬ れを 断るのにこま りまし為. かわり に、さ いふは. ⑮ ました.. ぜ ん雨 埜 冗れる なん て、しんじら れな いな あ . ﹂. ② すると 上 フンクは言いまし為. ① 杢 部売れるなんて 信じられないな碗 ﹂. 一 郎 さんは トランクをなでながらご 薪 しそ ρに言いまし為. さいふは 丁っかり重て なり. 上 フンク の中 の品 物は み んな売れてしま いました .さ いこ の店 の主人は、 ⑫ しま いました.最 後の店 の主 人は 入れ物 の上 フンクま でほしが るので いれ もの の上 フンクま でほしがる ので、 一郎 さんは まりまし為 こう して、 一郎 さんのトラ ンクはから っぽにな咳 す っかり重ぐ なりまし為. 広 場のベ ンチにすわ って、 一郎 さんは、トラ ンクをなでながら ご 2 孔し そ ⑯ 広場のベンチにすわ って. するど ート ランクはい いま した。. ③ [ あ冷だ のうでがいいからです鬼 ﹂. うに いいました .. ﹁ あなたの腕 がいいからですよ。 ﹂. ④ も つ夕ぐれでした。. ︻ 二七夏. も つ刃で れ でし丸. く.  . 品.

(11) 夕日がま ぶしくさして 広場 の水 仙の花 が、. ⑤. 夕 日が まぶしぐさ し て 広 場 のスイセ ンの花 が. あ の花 を買 って帰りま せんか。 ﹂. ⑥ かが やいて見 κまし為 ⑦ ﹁ ね. か かや いて見 えまし為 ﹁ ね あ の花 を買 っで帰 りませんか。 ﹂ ⑧. のこ っている殺凧景 な北 の町にhあ の花 を、ど つさ り. それは いい、と 、 一郎 さんは思 いました。ま だ雪の. ⑪ 買 って帰りた い。それを店 のシ ョー ワイ ンド ーに. ⑩ 残 っている殺 凧景 な北 の町 にhあ の花 をど つさ り. ⑨ それは いいと、 一郎 さんは思 いま した。まだ雪の. ふ いに、トランクが、そんなこと を言いましζ. ふ いに、上 フンクが、 そんな ことをい いま した.. 買 って 帰りた い。それ を 店 のシ ョー ワイ ンド ーに. ⑫ かぎ りた い ;も そ っだ. そ つして 水 仙の花を ひとかか 島貝った のです .. 一郎 さんは トラ ンクを かかえ て、駅前 の花屋 にかけこみま した.. ⑮ なを すばbしい春のかたまり!. ⑭. ⑬. そ つして. 一郎 さんは 上 フンク をかか えて 駅 前の花 屋にかけ こみま しζ. そ ユ礁 そ つしよ つ!. か さりた い⋮ も そ つだ 、そ つだ、そ つしよう!. なんとすばら しい春 のかたまり1. ⑯. 一郎 さんは 言いました。. だ いじょうぶ と 渥 ず いて. スイセ ン@ 化束を上 フンクに入れる とさ. スイセン@ 化を ひと かか 島貝った のです. 水 仙の花 たはを、上 フンクに いれるとき. 一郎さ んはいいま した。. ① そ つつと運ぶからね。 ﹂. ︻ 二△ 昌 そ つっど運ぶから穐 ﹂. ②. ト ランクは だ いじ ょ・ 蕊. トラ ンクは だ いじよ ユ条 だ いじょうぶと つな ず いて. ③ ﹁ 南 の風と日 の光 もい っし ょに入りました .だ か良 花は. ④ 伏してしおれません。さあ 、ふたを しめ て、 かぎをかけ. いっし ょにはいりま した。だから 花 は. け っしてしおれません。さ あ ふたをしめて な さをかけ. ⑤ てぐだ さ い。 ﹂. ﹁ 南 の風と、日の光 職. てください。 ﹂. スイ てンQ 化のたく さん入 った トランクをかか えて駅 へ. ⑥ と言いました。 ⑦. と いいまし為 水 仙の花 のた くさんはい った下ラ ンクをかか えて駅 へ. ⑧ 行くと. 北 へ向か つ列 車にゆ bれ ながら 、 一郎 さんは思いまし為. 一郎 さんは、帰 りのき っぷ を買いました。帰 りは. いく と、 一郎 さんは 帰 りのき っぷを買いま した刃帰&. ⑨ しんだ い車 です ⑩. 寝ハ 量 で冗 北に向か つ列 車にゆ られながら 、 一郎 さんは思 いました .. く.  . 鵡.

(12) 花 をかぎろ 2塩 そ してまた 新℃ い革 をたぐさ ん仕入れ. あ したは、店 のシ ョー ワイ ンド ーい っぱ いに水 仙の. ⑫ 花 をかぎろ 2 塩 そしてまた、新 しい革をたくさ ん仕人れ. ⑪ あしたは 店のショー 旱 ンド いっぱ いにスイセンの. ゆりかご のよ つにや さしくゆれ て 星空. ⑬ て とび きり のかばんを作う つζ しんだ い車 は. ︻ 一九 ⑬ ︼. ︻二 〇 ② ︼. ︻二 四 ⑮ ︼. ① ∼ ③ 全 て に、原 典 で は ﹁ 物 ﹂の部 分 は ﹁も の﹂と ひ ら が な 表 記 が. ンク の 中 に 入 り ま し た 。. ③ ト ラ ンク の 中 の物 を 全 部 外 に 出 し て 、そ れ か ら 、そ っと 、ト ラ. ② 中 に いろ ん な 物 を 入 れ て 、旅 に 出 た いので す 。. ⑮ の下を、北 へ北 へと 走 ってゆき ました。. ⑭. て とびきりのかばんを つくろ 2 塩 寝 台量・ は ゆ りかご のよ つにやさしくゆれて 星空 の下を、北 へ北 へと 走 ってゆ きました。. 一 一 一 表記・ 表 現 の 異 同 か ら わ か る こと 表記 ・ 表 現 の異 同 を 確 認 していく と 、教 材 化 にあ た って のいく つか の特 徴 が 見え てく る。. ① 原 典 と 比 較 し、読 点 が 少 な い。 ② 原 典 と 比 較 し 、ひら が な か ら 漢 字 への書 き 替 え が 多 く 見 ら. な さ れ ている 。ト ランク の中 に 入 る ﹁ も の﹂は、﹁ かば ん ﹂のよ う な 単 な. ﹃ゆ め み る ト ラ ンク﹄は ﹁小 学 校 2、3年 生 から ﹂と あ る 。 一方 、教. 仙 の花 を 北 の町 のかば ん 屋 のショー ウ インド ー に 飾 ること に より 、水. 後 重 要 な 要 素 と な る 水 仙 の花 束 も 入 った り す ること に な る 。この水. れ る。. 科 書 は 小 学 校 五 年 上 巻 に掲 載 さ れ てお り 、対 象 年 齢 ・ 学 年が異 な. 仙 の花 のよ う な 娘 ・ゆき 子 さ ん と 出 会 い、かば んづく りを き っかけ に. る物 質 的な ﹁ 物 ﹂では な い。主 人 公 であ る 一郎 さ ん が 入 った り 、こ の. っている 。対 象 年 齢 ・ 学 年 を 高 く 設 定 し ている 教 科 書 に 漢 字 表 記 が. 一郎 さ んは ゆ き 子 さ ん と 結 婚 す る 。﹁ も の﹂を わ ざ わ ざ ひ ら が な で. 表 記 した 意 図 を 思 わ ず にはいら れ な い。. 次 に 、﹁ 夢 ﹂と いう 漢 字 表 記 に ついて注 目 して みよ う 。. ① す る と 、ト ラ ンク は 、夢 見 る よ う に 言 い ま し た 。. ② 今 日 、旅 に 出 る な ん て 、夢 に も 思 わ な か った な と ⋮ ⋮ 。. ︻ 一九 ⑯ ︼. 多 く な り、読 点 が 少 な く な る のは当 然 のこと と 言 え よう 。 但 し 、漢 字 で表 記 す ること によ って、安 房 直 子 の意 図 を 消 してし ま う ケ ー スも 見 ら れ る。 ﹁ 物 ﹂と いう 漢 字 表 記 に ついて注 目 してみ よ う 。. ① そ う 。かば ん は、中 に物 を 入 れ て運 ぶ ため にあ る のです 。. ω④ qq.

(13) ︻二 二 ⑦ 1 ⑧ ︼. ① 、② と も に 、原 典 では ﹁ 夢 ﹂の部 分 は ﹁ ゆ め ﹂と ひ ら が な 表 記 が な さ れ ている。原 典 のタ イ ト ル自 体 が ﹃ゆ め み る ト ランク﹄であ り 、あ え てひら が な 表 記 を 用 いる のは何 ら か の意 図 が あ る よ う に 思 わ れ る特. の中 に かば んを いれて ﹂以 降 に お いても 重 要 な 要 素 と な る 。. ま た、漢 字 表 記 を ひ ら が な 表 記 に書 き 替 え たも のも 見 ら れ る。こ. 三げ ん ( 三軒 ). さんげ ん. のう ち 次 の語 は 原 典 を 生 かし、ルビ 付 き 漢 字 表 記 が適 当 であ ると 考 え るが いかが だ ろ う か 。. せ なか. せなか ( 背中 ). わ か者 ( 若 者). わ かも の. に、① は 原 典 に ﹁ す る と 、ト ラ ンクは 、ゆ め み るよ う に いいま した 。﹂. しんだ い車 ( 寝 台車 ). る。. 郎 さ ん は 思 いま し た 。. ︻二 八 ⑫ ︼. 以 上 、﹁かば ん の中 に か ば ん を 入 れ て﹂の教 科 書 本 文 と 原 典 の異. き 替 え がな さ れ た のだ ろ う か 。. した 。﹂と あ る。教 材 化 の際 に 北 と いう 方 向 性 を 意 識 して、助 詞 の書. 原 典 では 、﹁ 北 に 向 かう 列 車 にゆ ら れ な が ら 、 一郎 さ んは 思 いま. へ. 北 へ向 か う 列 車 に ゆ ら れ な が ら 、. 表 記 以 外 にも 表 現 そ のも のが 書 き 替 え ら れ ている箇 所 も 見 ら れ. しんだ いし や. と あ り 、原 典 のタイ ト ルと そ のま ま 重 な る 表 現 であ る と も いえ る だ ろう 。 実 は 、原 典 に お いては 、﹁ か ば ん の中 に かば ん を いれ て﹂以 降 にも 重 要 と 思 わ れ る 箇 所 にト ラ ンクが ﹁ ゆ め み る ﹂と 表 記 さ れ ている 部 分 が 散 見 さ れ る。 但 し 、教 科 書 に お いては ﹁ 夢 ﹂が 新 出 漢 字 と して扱 わ れ ている 点 を 見 逃 し ては な ら な い。﹁学 年 別 漢 字 配 当 表 ﹂の第 五 学 年 に ﹁ 夢 ﹂が 配 当 さ れ て いる のだ 。教 材 化 に際 し 、筆 者 の意 図 と ﹁ 学 年 別 漢字 配当 表 ﹂の狭 間 に 揺 れ る編 集 者 の姿 が 目 に 浮 かぶ。 漢 字 表 記 を カタ カ ナ 表 記 に 書 き 替 え た も のも 見 ら れ る 。﹁ 水仙﹂ と いう 漢 字 表 記 を 教 材 化 に 際 し﹁スイ セン﹂ と カ タカ ナ 表 記 が 用 いら す いせん. れ ている 。﹁ 水 仙 ﹂のよう に ルビ付 き 漢 字 表 記 が 可 能 であ る と 思 わ れ. か。ひ ら が な 表 記 でも な く 、ルビ 付 き 漢 字 表 記 でも な く 、あ え てカ. カナ 表 記 だ と 植 物 学 的 要 素 が 加 わ る と 感 じ る のは 稿 者 だ け だ ろ う. てのト ー タ ルと し て教 科 書 づく り を す る 上 で、表 記 の統 一性 が 保 た. は 仕 方 が な いと ころ であ る。ま た 、学 年 を 通 して、六 年 間 を 見 通 し. 教 科 書 編 集 の際 、対 象 学 年 に 合 わ せ て、教 材 化 が な さ れ る こと. 同 を み てき た。. タカ ナ 表 記 にし た 編 集 者 の意 図 はど のよ う な も のであ った のだ ろ う. れ な いと いう こと も あ る のだろ う 。. るが 、な ぜ カ タカ ナ 表 記 に した のであ ろ う 。﹁ スイ セン﹂のよう にカ タ. か。前 述 のよ う に ﹁ 水 仙 ﹂は 原 典 ﹃ゆ め み る ト ランク﹄に おいて ﹁ かば ん. のの qq.

(14) し かし 、筆 者 の意 図 を でき る 限 り 損 な わ な いよ う 配 慮 す ること も 文 学 教 材 を 読 む 上 で大 切 なこと であ ると 考 え る 次 第 であ る。. 注 1平 成 二十 一年 度 ( 二 〇 〇 九 ) よ り 日本 文教 出版 社 。 教師 用指導書. 昭 和 か ら 平 成 時 代 に か け て の文 芸 評. 平 成 十 七 年 (二〇 〇 五 ). 2 ﹁小学 国 語 ﹂ 指 導 書 編 集 委 員 会 編 ﹃小 学 国 語 5年 ﹄ 大 阪 書 籍 山室静. 7 9. しか. 鹿 のか ば ん. 8. ちい. ちい. え ほん. 10 春 風 の ポ シ ェ ッ ト. はるかぜ. 小 さ い 小 さ い絵 本 れい. は り ねず み のお 礼. ﹁ホ ー ム ラ ン な ん か 狙 わ な い で 、 ど ん ど ん 思 い 切 っ て 振 っ て い った ほ う が い い よ 。﹂. 論 文 執 筆 の心 得 と し て 、 野 球 を 例 に し て 比 良 先 生 に 教 え を 受 け た た こと が あ る。. ホ ー ム ラ ン のよ う な 大 研 究 を 狙 って論 文 と し て世 に 問 う こ と を. 3や ま む う しず か 論 家 。 明 治 三 十 九 年 十 二月 十 五 日鳥 取 県 生 ま れ 。 東 北 帝 大 卒 。. は じ め か ら 大 研 究 を で き る 人 間 は いな い。 的 外 れ でも 構 わ な い. しな いよ り も 、 三 振 し て も 構 わ な い から 研 究 した こ と を ど ん ど ん. ヒ ュー マ ニズ ム の視 点 か ら 内 面的 な 価 値 を 追 求 す る 文 芸 批 評 を. か ら 論 文 を 出 し 続 け る こ と に よ って大 研 究 の素 地 が でき る と いう. 昭 和 十 一年 (一九 三 六 ) 本 多 秋 五 ら と ﹃批 評 ﹄ を 、 昭 和 二 十 一. 展 開 。 北 欧 文 学 、 ヤ ン ソ ン の童 話 シリ ー ズ ﹃ムー ミ ン物 語 ﹄ の. の だ 。 誤 り を 指 摘 さ れ た な ら 、 そ の こ と に 関 す る 論 文 を も う 一本. 論 文 と し て 世 に 問 う た 方 が よ いと いう 意 味 であ る 。. 翻 訳 ・紹 介 で 知 ら れ る。 昭 和 五 十 年 (一九 七 五 ) ﹃ア ンデ ル セ. 書 け る で はな いか 。 時 に は ポ テ ン ヒ ット を 打 つこ と だ って で き る. 年 (一九 四 六 ) 平 野 謙 、 埴 谷 雄 高 ら と ﹃近 代 文 学 ﹄ を 創 刊 し 、. ン の生 涯 ﹄ で 毎 日出 版 文 化 賞 を 受 賞 。 日 本 女 子 大 教 授 も つと め. で は な い か 。 ポ テ ン ヒ ッ ト も 連 続 す れ ば ホ ー ム イ ン で き る 。 一本. ゆう そら いろ. 夕 空 色 の かば ん ま じゆ つ し. 魔 術 師 の かば ん. 持 って ⋮ ⋮。. 教 え を 信 じ 、 研 究 に力 を 注 ぐ 。 比 良 輝 夫 か ら 教 え を 受 け た 誇 り を. 私 は 、 こ れ か ら も 三 振 覚 悟 で バ ット を 振 り 続 け る 。 比 良 輝 夫 の. る か。. 振 り 切 った 論 文 で あ る 。 三 振 と な る か 。 そ れ と も ポ テ ン ヒ ッ ト な. 本 稿 は 、 決 し て ホ ー ム ラ ン の論 文 で はな い。 思 い切 り バ ット を. の ホー ム ラ ンと 同 じ では な い か。. た。 平成 十 二年 (二〇 〇 〇) 三 月 二十 三 日死 去 。 九 十 三歳 。. 平成十三年 ( 二 〇 〇 一)十 一月. 4上 田 正 昭 ・ 西 澤 潤 一・ 平 山郁夫 ・ 三 浦 朱 門 監 修 ﹃日本 人 名 大 辞 典 ﹄ 講談 社. 6. ね こと ト ラ ン ク. 2. 5 ﹃ゆ め み る ト ラ ン ク﹄ に 収 め ら れ て い る 十 の小 話 は 次 の 通 り であ る。 か ば ん の中 に かば ん を いれ て. なか. ー. 夜 空 の ハ ン ド バ ッグ. 4. 3. は り ね ず み の ラ ンド セ ル. よ そら. 5. く.  . 畠.

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