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日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与(第5報) : 昭和時代における労働者の栄養状態

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(1)Title. 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与(第5報) : 昭和時代におけ る労働者の栄養状態. Author(s). 細井, 敬三. Citation. 北海道学芸大学紀要. 第二部. C, 家庭・体育編, 14(2): 1-12. Issue Date. 1963-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5843. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第14巻 第2号. 北海道学芸大学紀要 (第二部C). 昭和3 8年12月. 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与 第5報. 昭和時代における労働者の栄養状態 細. 井. 敬. 北海道学芸大学札幌分校生活科学研究室 Ke izo Hosol: Contr ibut ion to the Problems of Nutr i ion of 訳ァorking t People i n Japan Report 5. on the Nut i ionaI Status o f the japanese 駅′orkers t r in dle sh( iod ) \ Va Per. The purpose ofthe present . i )aper i s mainly to su. f nmar ze the reports on the Surveys o the nutritional status ofthe Japanese workers in the Showa per i 1927- ) od ( , The nutritional i l ing workers in japan remains fundamental status of the vast major ty of the toi ly almost iod. unchanged on a very low level in the showa per 工n the prewar per iod t he nutrient intakes of workwomen( ll hand f emal spinning‐mi ) set c .. areverypoorIn animalprotein,fatand vi tamins io of animalprotein to total protein . The rat. i s very low. on the other hand their foods are rich in carbohydrates.. The amount and. i i ty of bas i inc iples of rat ional nutr c nut th the pr r ents are not ・n accord wi qual t 1 ・on and do i th the not comply wi r heavy Work, The aggres ive war against China lowered the nut i ional level of the Workers t r . A1most al l the wokers came to starvat ion dur ing the SecondJ Wr ld 頓′ar period and for or af f ew yearsafterthe War i eat of the Japanese in・perial sn ・ . Aboutten years later after the de i i the nutr t ion of the Workers recovered to aln h onal condi t l l i h ・ost t e same eve n t e prewar iod. per The nutr i fthe Japanese Workers in the Showa period as \vel. as in the entintakes o iod are poor in prote Tai in espec ly in anin ial in,and poorin fat cal sho per ・al prote ta‐ ciun ・ , , , v1 B income workerS and unen mi n A, B. v‐ ・ployed ones suHer , 2 and C. A great number of lo・ fron i ional di t ・ malnutr sease , The lo・ i ional level ofthe ・ t v nutr ioned by thei t vorkers 1 s co1 ・di r low incomes and unen} ployment .. 緒. 言. 明治・大正時代低賃金で有名な日本の労働者は欠 陥の多い低栄養状態におかれていた この約半 . 世紀のあいだ労→動者階 級の低栄養状態は基本上改善されないままであった .. 昭和時代の初期の経 済不況,恐慌,昭和6年( 1931 )満洲事変の勃発以 来, 中日戦争( 19 ) 36一194 5 , 太平洋戦争 ( 1941一194 ) とあいつく帝国主義侵略戦争, 194 5 5年日 (帝国主義の敗北, 外国軍によ. る日本占領, いまだかつてない民族独立の喪失, 次いでサンフランシスコ条約成立後のなかば独立 (ヱ). 34.

(3) . 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与. 状態, 国際帝国主 義の従属の下における復興, 生産力の発展およ び軍国主義の復活, これ ら日本歴 史上かつて類を見ない 大事件がひきつづき 起こった30数年間の歴史的過程のなかで, 労働者の栄養 摂取状態は改善向上の道をたどったか, それとも労働者コ階級全体として見る な らば, 逆に後退の道. をあるいたか. 昭和時代における労働者の栄養状 態の推移の過程を資料にもとづいて具体的に明 ら かにし, そこか ら教訓をくみとり, 労働者の食 生活向上に奉仕したい と思う. 本報は昭和時代にお ける労働者階級の栄養状態の簡略な総括である.. 昭和初期 から日本 帝国主義 敗北まで. 第1部. 19 29年, 全工業) のために以前よりも一段と 昭和初期における労働者の生活は経済不況, 恐慌 ( えて, 恐慌による失業者の 増加 金 苛酷な労働条件に加 か 窮乏化した. 明治・大正時代 らの低賃 , 00一2 50万人) ( 1929年失業者数2 , 実質賃 金の低下などによって労働者階級の生活は一層 苦 し く な. り, 低い食生活はますます切りつめられ ざる を得なかった. ・の栄養摂取の低 昭和初期における繊維工業労働者 (主として女工) の工場食調査資料は, 労働者 9 ) 福島市の製糸工場の工場食 192 水準, とりわけ蛋白質の半飢餓状態を実証 している. 昭和4年 ( )は次のように報告している 1 朝夕食は麦飯, みそ汁, (寄宿舎食) を1 ( ) o日間調 査した井上兼雄ー . . みそ汁の中味は日 によ って多少異なるが, たくあんづけ, 昼食は麦飯, みそ汁に煮村の1品料理. 2 . ど の I Hをとって みても, 朝昼晩3食ともみな同 じである. 献立は単調で変化性にとぼしい. 第1. 表は10日間分の献立の1例である. 3 .動物性食品は安い魚 (に しん, 塩にしん, いわし) ばかりで あり, 肉類や卵などはない. 4 .栄養摂取量は 第2表に示すように極端に低い水準であり, 欠陥が多 10日分) 第1表 製糸工場の女工食の献立 (. ク. ヶ (か ぶ な) ,. ク ク ク ク ク ク ク ク. 5 6 7 8. みそ汁, 酢たこ, だいこんおろし村 ク , うずら豆煮つけ, こんぶみそ漬 ヶ , ほうれんそうの煮あげ ク , に しんの煮つけ ク , いわしの煮つけ ヶ , ごほうの煮つけ ヶ , 塩にしんの煮つけ ク , さといもの煮つけ, こんぷのみそ漬 ク , もやしとこうやとうふの煮こみ. たくあん潰. みそ汁(だいこん) ,. ましだいこん) (きりを ,ク ク (ね ぎ) , (だいこん) , (こまつな) , (だいこん) , (わかめ) , し・もがら) ( , (こまつな) ,. ク , ほうれんそうの煮あげ. みそ 汁 のか っ こ内 は みを 示 す, み そ 汁 の みは 朝 昼夕 同 じ.. 注. 第2表 製糸女工1人1日当り栄養摂取量 ー 熱. は ,日当り t. 量: Cal. 1877. g % g g. 47. 蛋 白 質 動 蛋 比 肪 脂 炭水 化物. 3 .6 7 ,6. 9 .9 399. 備. 30Cal 下回る 80-4 不足, 13-25才の女子の所要量より1 0-68% 同年令層の所要量70-95gの5 極端な不足 極めて貧 しい食 極端な不足. 1:0 蛋白質, 脂肪, 炭水化物の重量比 ,4 .2:8 8 5 5 ク の熱量比(%) 10 ク ク , , 35. 考. ( 2).

(4) . 細. 井. 三. 敬. い, 5 ,本工場食では動物は標準に成長しなかったが, この工場食に卵を加えて蛋白質の 重 量 比 を 10%から13%に引き上げると, 標準成長が見 られた. 6 ,動物実験と同様に行なった人体実験によれ ば, 6 ヶ月後試験組の女工の 体重は対照組に比較して2 2 g増した. .k. 蛋白質のなかば飢餓状態, 熱量と脂肪の不足, 栄養の不均衡 単調な献立などを主要な欠 陥とす , る上述の工場食は, 女工の労働力 を完全に回復しえず 体力を保持しえず 栄養欠陥 による疾病の , , 主要因となっていた. 苛酷な長時間労働は女工の健 康を害した . 当時井上の助言による工場食の一部の改善, すなわち卵の添加はかなりの栄養効果をあげたとい う. この改善は, 今日の栄養理論か ら考察すれば 米食依存度の高い人びとには通常不足が ちの ト , リ プ トフ ァ ソや り ジ ンを補 な う と い う 効 果 を あ た え ア ミノ 酸 の 栄 養 理 論 に 合 致 して い た , .. 昭和6年 ( ) 大阪府内の紡績工場5 1931 )によって調査された 第1 3ヶ所の工場食が助川と茶珍2 . 期調査は5月1日-7日, 第2期調査は7月1日-10月末日 調査対象のベ約95000人 (男子12 , , ,. 974 人, 女 子 82 ,489 人, 計 95 ,463人), 食 費 1 日 男 子20銭, 女 子12一18銭, 女 工 を 主 と した 労 働 者. の工場食は第3表の通りである 〔 )各工場食間の差異は著 しい.{ 2 )ごく1部をのぞいては, 一般に .1 工場食の第一の欠陥は蛋白質摂取不足 動蛋の著 しい不足である 蛋白質摂取量60g以下の工場食 , , が約20%もあり, 長時間労働に対Lて著しく不足のものは約50%に達する 圏脂 肪不足もはな はだ , Lい.{ 4 }一般に動蛋比が 低値である. 以上が調査成績の概要である . 第3表 大阪府紡績工場の工場食調査成績. 第. 1. 期調査. (5月1日-マ日) 最 小 1690 50 4 ,7 9. 蛋,脂,炭の重量比 ク 熱量比(%). 最. 大. 第 2 期 調 (7月1日-10上祭日 ). 2838. 2315. 2400. 85. 94. 69. 79. lo. 34 ,4. 13 ,5. 22 ,O. 37. 5. 24. 336. 576. 全工場に 対する比. 平 均 助言後 増加分 増加率 平 均 %. 1:0 .2;6 ,8. 12 ,1 ,7 ,5 , 82 .1. 20. 14 ,4 46 ,5. 28 18 465. 8 ,5 3 ,6. 1:0 ,2:5 ,8. 13 ,6 ,6 ,9 ,5 , 79. 4 14 63 25. %. 熱量2 2 00Ca l以下. 30. 蛋白質60g以下 61一7 0g未満. 22. 70g以上. 56. 動蛋比(%)1 0以下 11--15 16--20 21--25 26一‐30. 34 53. g 5 9 当. 亘 ;. 工場経営者側に対して工場食の改 善の必要性が助言されたが 第3表に示すように 改善さ れた , , 点は, 栄養摂取方面か ら見れば 動蛋の増加量85g(増加率63%) 総 蛋白質の増加量log , ( 増加 , , 率14%) 脂肪のわずかの 増加にとどま り 食品摂取 方面か ら見れば 安い魚 , を 助言前よ りも少し , , 多く与えたという点にすぎない. この程度の改善ではこの種の繊維労働者にとっては極 めて不十 分 であり, 上か らのおなさけの栄養改善はほんの申しわけ程度であった . 以上に挙げた調査資料は, 製糸工場や紡績工場の青年女子労働者が栄養上劣悪な工場食 (寄宿舎 食) を給与されて いたことを証 明してし・る 栄養の極端な低水準と欠陥 長時間労働 職場での職 . , , 制の圧迫, 非民主的な管理制度下にある自由のない寄宿 舎生活などは女工 を肉体的に精神的に苦 し めており, 青年女子労働者の心身の正常発達を妨げていた 栄養欠陥を一も 、と したこ れ らの 要 素 は .. 労働者の呼吸器系, 消化器系, 循環器系の疾患をおこす原因となっていた , )は紡績女工の工場食の改善のために心を配り 努力した 苛酷な労働条件 昭和8年( 1 )松島3 93 3 , . の下 たえず死と負傷の危険にさ らされていた炭鉱夫の栄養状態については 昭和初期武内の 報告4 ) , がある, 炭鉱夫6名の尿Nを測定し 4日間食物脂肪を 測定した結果 蛋白質摂取量平均715g , , . , (3). 、. 36.

(5) . 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与. 脂肪摂取量16 .5gは, 労作の程度 (重い労作とすれば, 蛋白 .3gを得た. 炭鉱夫の蛋白質摂取量71 ら考察すれを, きわめて低い水準 であり, 0%などか 白質消化吸収率8 質1 10g) や日本食の平均蛋 また脂肪摂取量16 .3gもきわめて少ない, 0 ) といえ ば太平洋戦争の前年であり, 中日戦争が持久戦化した時期であり, 労働 昭和15年 ( 194 者の食生活はかなり圧迫され, 悪化の傾向を た ど っ ていた時期である, この年東京都内6工場の ) 5 寮, 商店の青年寮, 青年学校2ヶ所 (都内1 , 近郊1) について 高木和男のなした調査 の成績は 1 )青年労働者の栄養摂取上 十分なも 第4表に示す通りである. 高木の指摘した諸点はこうである.{ 4 5 が少ない 2 )蛋白質の飢餓水準の もの ( のは1ヶ所もない. 一般に熱量,蛋白質,脂肪の摂取量 .1 .{ 養摂取上の不均衡と g, 58 .2g) 2工場.(引穀類偏重, 動物性食品と油脂食品の摂取不足による栄 欠陥が著 しい, 栄養指導によって主として副食 がいく らか増加され, 蛋白質, 脂肪の摂取量がわず かに増加した. しか し中日戦争か ら第二次大戦への発展はこのわ ずかな栄養改善も無に したばかり でなく, さ らに労働者を飢餓におとしいれた. )は各地の工場食の材料食品の種類と調理 法を1ヶ月間調査し, 次のように報告して 有本邦太郎6 1 )材料食品使用 の最も多い食品の順序 (多一少) みそ, だいこん, 白菜, とうふ, 鮮魚, な いる.{ す, わかめ, に ばし, これ らの材料食品 類はどこの工 場でもほとん ど同じで, 安価なものを かりで }調理法は簡易であり, 献立は単調で変化性がない. 11ヶ処の工場での調理 2 ある. 卵は使わない,{ 8 0%以上) が, 5-44%, 汁物35一52%であり, 煮物と汁物が圧倒的に多い ( 回数の比率では煮物3 焼物, あげ物, 酢物, 苑物の回数は きわめて少ない, ‐ 8 ) 大戦期間の1942一1944年 に お ける 工場食の栄養 第二次大戦直 前の時期工場食の栄養調査5 , ) 1 8 - i 2 ) 9 べ 養摂取量 が低く, かつ多くの栄養欠陥を有す は て労働者の栄 す 調査 炭山での栄養 調査 , , 1 )の成績は第5表に示す通 0ヶ処の工場寄宿舎食の調 査1 ることを指摘している. たとえば, 高木の1 りである. 分析による栄 養価は献立面か ら算出した栄養価 よりも常に約10%低く, また結核予防上 第4表 東京都居住の青年労働者の栄養摂取量 工 場. 熱. 量 l Ca. No . l. 2346. 2. ‘〉1487. 3. 1737. 4. 02560. 5. 2266. 6. 1887. 7. 2266. 平 均. 2078. 指導後. 2487. 蛋白質 脂. 肪. g. g. 70 ,9 乙>45一. 13 ,8 ‘ 9 ,3 14 ,3. 61 ,O 081 ,1 76 ,O. 58 ,3 76 ,3 67 ,O. Ca. Fe. g. g. n lg. 485 ‘)291 391. 10 ,6 12 ,2. 5 053. 12 ,3. 386. 020 ,3 13 ,3. 443 428. 23 ,8. 70 .2. 炭水化物. 463. 508. 0 .55 ‘〉0 ,36. 0 ,57 0 ,74. 00 ,93 0 ,49. 0 .63 0 ,61 0 .89. 41. ‘ 21 36. 060 36 29. 考. 備. 平均値から算出 した蛋白質, 脂 肪, 炭水化物の重量比 1:0 ,2 :6 ,8 ,7 ,5 , .4 , 熱量比(%)12. 81 .5 ,. △印 0印. 最 低 最 高. 34 37 34. 第5表 工 場 寄 宿 舎 食 の 栄 養 量 越 妄. 栄養素 数. 蛋. 量. 白. 脂. 無 機. g. 48-‐97. 肪. g. 5一‐15. g. 10一-44. 塩 類. 量. 1415--3672. 質. レ ツ ウ ム カ ノ 37. Cal. 坂. 準. 標 達するもの. ( ソ ム “ 、 ノ ハ U / b. 達しないもの 8 7 lo 4. 不足. 備 献立から計算 分析による. ;. 計算による. 考.

(6) . 細. 井. 敬. 三. カルシウムと脂 肪の摂取量を増加すべきである と調査者は強 調している , . 2 )は1942年11月-194 宮崎卓爾1 3年4月まで毎月1 0日間 (実際調査日数計6 0日) ある工場の特設食 堂の工場食について 副食の使用食品と 調理方法を調査した その成績の概要:{ 1 )使用食品の種類 . 動物性食品25種 (魚介類1 肉類3 5 その他7 ) 植物性食品 1 種 ( 葉菜類 3 根菜類 , , , , , 茎菜類, 豆 類とそ の製品おのおの6 2 )食品使用回数 414回, うち動物性食品89回 , その他7) , 計56種. {. (21 .5%), 植 物 性 食 品 325 回 (78 .5%), そ の 他 に 香 の 物112回. 使 用 回 数 の 多 い 魚 は い わ し, か れ. い, たら. ( 3 )1人1日当り動物性食品58 11 57 8 8 .5g( ,6%) , 植物性食品4 .6g( .4%) . 雑調理方 法 煮物と汁物が多く, 総回数のそれぞれ4 9 5 %と 3 4 8 %であり その他は 15 5 )栄養量は . , , .7%である.{ 第6表の通りである. 第6表 某工場食の1人1日当り栄養量 熱. 量 Ca l 426 ,7. 1815. 蛋 白 質 g 31 .4 61 ,O. 脂. 肪 g 7 ,l ‐ 15 ,9. 炭水化物 g 55 ,0 344 ,4. 主食熱量比 % 76 ,5. 備. 考. 副食 主食十副食・ 9 0g/日 , 米配給量3. このエ場食は労働者の栄養必要量をみたさず 栄養上極めて危険であり 緊急対策が必要で ある , , と, 宮崎は強調 している. 中日戦争の拡大とその持久戦化は, 労働者の食生活を圧迫し ますます低下させた さ らに第二 , . 次世界大戦は労働者の食生活を徹底的に破壊した. この大戦の時期には労働者を初めとする勤労人. 民のあいだに 生理的必要量を下回る 飢餓状態が現出 し, 拡大 していった し・わゆる 食糧暗黒時代 , (米の配給統制のは じまった194 0年か ら1 94 6年までの7年間) 勤労人民は飢え, 栄養 失調および疾 病にひどく苦 しめ られた.. 第2部. 戦後の時期 ( 1945一1963 ). 敗戦後数年間の勤労人民の栄養摂取状態の変動は飢餓状態か らの漸進的回復の過程であった 労 . 働者は極端な食糧難に直面 し, このため百方手段をつく し 死活問題としての食糧獲得闘争に立ち , 上がり, たたかいつづけた. たたかいの成果はあがった .. I本人1人1日当り熱量, 蛋白質, 動蛋, 脂肪の摂取量は 第7表に示すように 昭和21年の飢 E , , 餓状態を底と してそれ以後年を逐うて漸次回復の道を進んだ 資料ャこよれば 都市勤労者は敗戦の . , 翌年1946年に摂取熱量1人1日当 り平均1 lであったが, 年年回復に向い 昭和29年 ( 00Ca 7 1 954 ) , に 2000Cal に 達 し た, 蛋 白 質 摂取 量 は 1946一1950 年 の 4 年 間 に60g 一65g一68g と い う よ う に 回. 復してきたが, 低蛋白質水準 の域を脱し切れず 動蛋の回復状態は11g( 194 6年)一1 7g( 1950年)→ ,. 22g(1954年)と い う 推 移 を 示 した. 脂 肪 摂 取 量 の 著 しい 低水 準 は1954年 に お い て さ え わ ず か に21g. で あ っ た, 無 機 質, ビタ ミ ンの摂 取量 に つ い て, 戦 後 9 年間 を 通 じて み る と カ ル シウ ム は 依然と ,. して低く, 生理的基準値のわずか ← ★をみたすにすぎない. ビタミンA摂取量は基準値をはるか に 下 回 り, しか も 摂 取 量 の90% 以 上 が カ ロ チ ンで あ る . ビ タ ミ ンB・ , B2 , C な どの 摂 取 量 は す べ. て基準値に達しない. 以上は戦後数年間における勤労人民 (労働者を含む) の栄養摂取状態1 4 1めの概要である ’ . 厚生省は栄養欠陥 と栄養不足症候との関連性について次のように述べている 「栄養摂取不足 . , 食生活の欠陥はさまざまの栄養不足 症候を現わす. 貧血 角膜乾燥 浮腫 徐脈などのよ うな食糧 , , , 不足と直接関連のある症候が顕著に現われ たが, 戦後3-4年経 過するうちに次第に減少していっ た, 毛孔性角化症, 口角炎, 舌炎および口内炎, 鷹反射消失 慢性下痢 月経異常 母乳不足な ど , , , 38.

(7) . 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与 第7表 戦後国民の栄養摂取量の推移. 年 1946. 熱量平均 都 市 蛋g 都 質 動 l Ca Cl 蛋 白 g . 1900. 1700. 2000. 11. ‘ 7. ”. ↓. 15. 18 .3. 肪g. ソ. ↓. 16. 25 ,O. 18. 27 ,9. 18. 22 .6. 32 .3. 20 ,i. 68 ,7. 22 .I. 32 ,2. 20 .I. 68 ,9. 22 ,I. 32 .I. 20 ,9. 2104. 69 ,7. 22 ,3. 32 .O. 20 .3. 2092. 69 .I. 22 .6. 32 ,7. 21 .8. 2089. 69 .6. 23 ,2. 33 ,3. 21 ,9. 68. 17. 68. 19. 2109. 69 .9. 2068. 2098 2125. 2074. ↓. 2000. 考. 13. 21 .5. 14. 上昇. 備. 13. ‘ 7. 2017. 57. 60. 65. 2000. 54. 市g 動 蛋比% 脂. a. 上昇 ↓. 24. の症候は 大体一定の頻度をもって出現 しており, 戦後数年を経てのちは大体一定の出現率となって いる. 上記のような栄養欠陥は, 日本のような食糧構成と食習 慣には恒常的なものである, たとえ ば, 米の消費が高まれば, 一般の米の消費方法は, かな らず白米の常用に移ってゆ き, BIの 不足 の 度 合 は 次 第 に 大 きく な る. こ の こ と は ま た B2 の不足を誘発 し, これ らの症候の出現は跡をたた な い.」. 敗戦後労・働者は飢餓状態か ら戦前の栄養水準へと長期間を経て 漸次回復してきたが, すべての労 働者が回復したというのではない. 失業労働者, ボーダーライ ン層の労働者, さ らに生活 保護を受 けている労働者が多数存在 しており, これ らの労働者のある部分は最低生存線以下であり, 他の部 0余年経て生産 分はこの線すれすれであり, 多数のものが生きる自由さえも奪われている. 敗戦後1. 力は戦前水準以上に回復 し, さ らに発展 している. 労働者は生産力の発達水準に照応 した生活をし ているだろうか, この時期になってもなお見捨て られている多数の低所得層の労働者や失業者が存 在する. これらの労働者の低い食生活は戦後日本の労働者階級の食生活水準の向上を引き止めてい る.. 賃金は労働者の生活水準を決定する最大要素であり, 労働者の生活水準はまた食生活水準を決定 的に左右する. 1958年前後の労れ働者の生活水準, 栄養状態を資料にもと づいて検討しよう, 1 7 )は 6 ’ 58年東京都居住のり外勤者の消費生活に関す る調査1 19 58年前後のララ働者の消費生活水準 19. 次のように述べている. 消費単位あたり 生活費の最も多いものは民間大企業頭脳労働者 (職員) で あり, 最低のものは日雇労働者である, 第8表は勤務先別労働者の消費単位あたり平均生活費, 最 低生活費を満たすものの割合な どを示す. 一般に職員の生活費は労務者よりも 多く, 大企業の職員 や労務者はそれぞれそれに対応する中小企業の職員や労務者 よりも生活費が高い. 労務者で最低生 蜜である. 大部分の日雇労務者は 最低生活費を満たさない・ 最 ( ) ( ) 0円) 以下の生きてさえゆけないものは肉体労働者に多く15 4 低生存費 ( .7%も存在している. 頭脳労働者と肉体労働者の摂取食品を比 較すれば, 第9表に示す通りである. 賃金の多寡, 実収. 活費 (獅o円) を満たすものは約. 入の多寡, したがって消費単位あたり生活費の 多いか少ないかは, 動物性食品摂取量の 多寡に現わ 剥. (6).

(8) . 細. 井. 敬. 三. れ, 特に肉類, 卵, 牛乳, 乳製品に顕著に 現われる. 肉体労働者は 頭脳労働者に比較して動物性食 品摂取量が少なく, 特に肉類, 卵, 牛乳, 乳製品では一段と少ない. 勤務先別労働者の動物性食品消費量 (消費単位当 り) は第1 0表に, 日雇労務者と失対労務者 1人 1日当り動物性食品摂取量は第11表にそれぞれ示す, 第8表 労働者の生活費 (東京都, 19 58年) 生 活 費 \\\. 勤務先別. 民 間 大 企 業 職 員 官 公 庁 ク 民 間 中 小 企 業 ヶ. 最低生活費 最低生存費 消費単位当り 実 生活費平均円 収入 比較 生活費比 較 (8000円)を満た (4000円)以下の すもの % もの % 11647. 100. 9986. 80. 10085. 民 間 大 企 業労 務者. 8824. 官 公 庁 ク 民間中小企業 ヶ. 7507. 日. 5432. 雇. 100. }4 8. 36 ,8 36 ,3. 5 1 ,7 」. 55 ,8. 7395. ヶ. 76 ,9 66 .4 68 .5. 43. 62. 12 ,5. 第9表 頭脳労働者と肉体労働者の摂取食品の比較 食. 品. 頭脳労働者. 肉体労働者. 食. 品. 頭脳労働者 肉 ・ 体労働者. l 多い1241Ca 少 な い1115Ca 穀 類 l く じ ら 肉, も つ 肉 少 な い 米, 押 麦, め ん 類 多 少 な い い 鳥 l 肉 外 食 多 い 少 な い 7 牛乳(月1人平均 本) ,4 、 パ ン 類(全体として) 多 い 少 な い ノミ タ ー, チ ー ズ l パ 食 ン 多 い 少 な い l 添 加 食 品 コツペ, ジ’ムパン,ノ くタ チーズ, マーガリン以外の 多 少 な い い 100 付パン 合計 優 る 動物性食品 劣 る 11 パンl o ogに対する添加食品 .2g 魚 介 類 やや優る ややおとる 価格の高い食品 ま さ る 肉 100 類, 卵 約7 0 100 魚 介, 肉, 卵の合計 86. 第地表 労働者の動物性食品摂取量 (消費単位あたり, 1日, 東京都, 195 8年) 職 民 官. 間. 大 企 公 民 間 中 小 企 日 雇 労 務. 業 庁 業 者. 員. g. 労務者. g. 120. 1lo. 120. 107. 117. 107 73. 多. 1 / 3. い. 3 ,I. 1 / 3 約1 / 2 37. 8 ,5g お と る. 第11表 日雇労務者と失対労務者の1人1日当り 動物性食品摂取量 ( 1 958-1 959年) 摂取量 日雇労務者 民間大企業失対労務者 ( 19 58年, 労務者に対 ( 1 59年, 9 動物性食品 \\ 東京都) g する割合 % 札幌市) g 介 36 魚 78 56 類 48 牛, 豚, 鳥 肉 7 肉 18 50 8 類 計 10 54 卵 9 64 67 73 合 計 \\. 動物性食品摂取量については民間大企業職員と官公庁職員は同 じであるが, 後者は鯨肉の消費量 がやや多い. 労務者の動物性食品摂取量と肉卵摂取量は職員よりも少ない. 労務者のなかでも日雇 労務者, 失対労務者の動物性食品摂取量は全労働者のなかで最下位にある. 札幌 小 樽地区の中小 企業労働者の約言o ま夕食で1 0日に1回以下と り 割合で肉類を摂取 してぃ ) 1 ヶ 月 肉 類 摂 取 回 数 は工 員 3 0 回 職 員 4 6 回 で あ り 月 収 25000 円までは増大するが そ 8 る1 . . , . , ,. れ以上では増大せず, また家族5人以上になると減少するという. 労イ動者の低賃金は動物性食品の摂取量を少なくする要因であり, 収入の多寡に応じてその摂取量 (7). 40.

(9) . 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与. の大小がブ(体決まる.. 日本の労働者階級のなかには数百万の 低所得階層の労働者 が存在 している. 生産力は戦前水準の 2倍以上に も達 したにもかかわ らず, いわゆるボーダーライ ン層の労働者は減少せ ず, 反対に増大 の傾向さえある. 低所得階層の労 働者の極度に低い栄養状態は日本の労働者階級の低栄養水準を引 き下げる役割を果 している. 次に低所得階層の労働者の栄養状態を明 らかに しよう. ‐ ) 2 1 9 低所得階層- ボーダーライ ン層の労働者の栄養状態i ) 東京都の失対, 日雇労 務者, 小企業労働者, 生活保護者な どの 1959 栄養摂取状態 昭和34年 ( 100世帯の食品摂取量を第12表に, 栄養摂取量を第13表に示す. 第12 , 13表は収入階層別の調査 資料であり, 低所得階層の収入と栄養摂取量との密接な関係を現わす資料で ある. 調査は次の諸点 を指摘してい る.(“摂取食品の種類と数量は 収入を反映す る. 労働者の収入が多くなれば, 彼の栄 2 }食生活が正常状態に達す る階 養状態がよくな る. 賃金は労働者の栄養状態の決定的 条件である.{ 000円~5999円はV階層) 以上であり, Wの階層以上にな 層は▽の階層 (世帯収入成人1人当り月5 mの階層以上では 食生活は 一段と高くなる. W以下の階層の栄養摂取 れば, 明らかに正 常になり, V 状態は極めて低劣である,. 第12表. 本. 日 外. 生 鳥. 淡. 鮮 魚 介 肉 獣 卵 乳 野 色. 果. 階層別食品摂取量 (成人1日g). I 1. 皿. nア. V. \江. W一区. 3. 16. 24. 23. 13. 5. 米. 267. 316. 338. 369. 365. 379. 米. 51. 32. 23. 4. 0. 0. 類 類. 41. 59. 65. 66. 85. 95. 皿. 3000 --3999. 14. 12. 12. 17. 20. 37. 1V. 4000 --4999. 3. 12. 14. 12. 22. 22. V. 5000 --5999. lo. 8. 23. 48. 28. 32. 江 \. 6000 --6999. 149. 173. 124. 94. 108. 菜. 35. 実. 40. 29. 46. 68. 105. 96. 0. I. 5. 19. 14. 45. 酒. 階層 亘. 収入成人当り月. 2000一2999 円. 班以上の階層はW以下の階層 区分に準じて区分する.. 第13表 階層別栄養摂取量 (成人1日当り) 熱 量 蛋白質 動 Cal 1 l. 3. 皿. 16. IV. 24. V. 23. 晒. 13. ′ m以上. 5. g. 蛋 脂 肪糖 質 g. g. 2132 64 ,O .8 24 ,5 14 2160 64 ,8 ,6 30 ,6 19 2190 66 .4 ,O 28 ,2 20 4 3 3 8 2380 73 ,4 ,O 2.. 2360 80 .8 ,I 36 ,O 28 3 8 3 5 O 8 4 6 5 5 21 ,5 , ,. g. Q 曜. 417. 302. 400. 291. 417. 312. 438. 376. 431. 448. 438. 422. P g. 艶. 哩. 1 .8 ,3 15 1 3 1 5 ,2 , 3 1 4 1 ,O ,. ビ A 1 .U.. タ Bー mg. ミ. ン. B2 mg. C mg. 655 1 ,56 ,02 0 0 0 3 602 1 ,63 , 0 0 6 744 i ,63 ,. 1 ,78 ,15 0 .4 15 ,9 1020 1 0 1 1 9 7 8 2 1 3 1 5 1 9 ,83 . , , 0 6 1 2 2 1 2 4 O 1 6 1 8 . .82 . .. 動蛋比 %. 28 22 ,9 79 .4 3 5 7 47 30 , ,7 46 30 .2 77 ,4 60 32 .O .6 74. 73 35 ,5 .I 71 70 41 ,4 68 ,O. 失対労 務者は米食偏重で あり, 動物性食品や野菜果物の摂取不足で あり, 摂取食品の種類は比較 的に少ない. 失対労 務者世帯の栄養摂取量は第14表に示すように, はなはだ低い. 蛋白質不足, 特 に 動 蛋 の 著 しい 不 足 カ ル シウ ム ビタ ミ ン類 (特 に A, C) , 脂肪などの著 しい不足は失対労務 ,. ,. 者の栄養摂取上の欠陥である, 失対労務者世帯の必須ア ミノ酸摂取 量は第15表に示す通りであり,. 全 国 平 均 の 約79% で あ り, 摂 取 量 の 特 に 少 な い ア ミ ノ 酸 は メ チ オ ニ ソ, リ ジ ソ, トリ プ トフ ァ ソで. 41. ( 8).

(10) . 細. 井. 三. 敬. ある, 摂取蛋白質は蛋白価が60であるから, 質的に劣悪である, 以上に挙げた資料は, 低所得階層の労働者の栄養摂取状態が極度に低く, 欠陥が多いことを実証 してし・る.. 2 ) 第14表 失対労務者世帯1人1日当り栄養摂取量2 熱 量. 蛋白質. 動 蛋. 動蛋比. QI. g. “. %. 65 .2 69 ,4. 17 ,2 18 .3. 26 ,4 26 ,4. 1992 2236. 脂. m. “. 金 .. 23. 381. 326. 1365. 26. 431. 247. 1365. 蛋白質, 脂肪, 炭水化物の重量比 ク. ビ. 肪 炭水化物 カルシウ. タ. ミ. 量・. 盗. 1 .28. 0 ,65 0 ,78. 1 ,46. ソ. 品 56 1人1日当り 54. 成人単位. 5:5 1:0 ,3 .84. の 熱 量 比(%) 13 .1 , 10 ,4 .5 , 76. 3 } 第15表 失対労務者世帯1人と日本人平均との比較2 須. 必 ト. ア プ. リ. イ. ト. イ. ソ. シ. ソ ソ. ニ. 均. 平. 76 ,33. 82 ,33 80 .65. 3 .224 4 .659. 88 ,60. 3 ,726 1 ,524. 2 ,312 3 ,162. フ ェ ニ ー ノレ ア ラ ニ ン バ リ ソ. 晶晶% 全. g. 0 ,735 2 ,563. 2 .789 1 ,007. ソ. オ. チ. メ. 日 本 人 平 均. 2 ,600 4 ,128. ソ. ツ. g. 0 .561 2 .110. ソ. ァ. ジ. リ. 失 対 世 帯1人. 酸. ニ イ. ロ. ン. ロ. フ. オ. レ. ス. ノ. ミ. 74 ,85 66 ,08. 2 ,957 3 ,694. 78 ,19 85 ,60 79 .08. 192 0年か ら19 59年までのあいだ労働者の栄養摂取量の推移は第16表に示す通りである. この表か. らわかるように, 労働者特に低所得層労働者の栄養摂取量は3 0数年間根本的には少しも改 善されて おらず, 大体同じ栄養摂取水準を僅かの幅で上下している実態である. 第16表 昭和時代の労働者の栄養摂取量. 蛋白質 動 蛋 動蛋比 脂 肪 炭水化物 カノレシ ウム. g 1790. 65. 2279. 71 ,5. 1877. 47. g. 12 ,9 3 .6. % 18 7 ,6. ミ. ン. A B. B2 C mg 1 lg mg mg .U n. g. g. lo. 360. 13 ,4. 467 .9. 9 ,9. ビ タ. 紡績女工 476. 07 8 平均2. 67 45 .l. 1415^ - 48( )97 3672 61 1815. 6 清水 紡績女工(大阪)192 製糸女工(福島)1929 井上. 399. 13 14 17 69 平均23 ,5 20 ,4 465 (1690~ 4 7~ ( 9~ 6~ ( 3 , 5 4 5 4 0 ~ 9 ) ( ~ 2 )(3 2837)( 34 576) ) 3 7 ) ,4 16 71 ,5 ,3. 87 最低14. 1920 松島. 31 助川,茶珍 紡績女工(大阪)19 同上, 摂取量の範囲 30 武内 19 炭 鉱 夫. 13 .3. 428. 610. 9 ,3. 291. 360. 5^ )15. 1 4 o高木 喜 一(東京都) 9 7. 工 場 食. 1943 高木. 2一43 宮崎 工 場 食 194. 15 ,9. 344 ,4. 2132. 64 .5. 14 ,8. 22 ,9. 24 ,O. 417. 302 6551 .020 ,56 28. 2190. 66 .2. 20 ,O. 30 ,2. 28 ,4. 417. 312 7441 ,060 ,63 46. 2236. 69 .4. 18 ,3. 26 .4. 26. 431. 247 13651 78 54 ,460 , .. (9). 959 労研 収入成人当り月 1. 2000~2999円. ク. 5000~5999円. 5 9細井 1 瀞峯 輩鞭 札幌 9 養 考( ) 成. 42.

(11) . 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与. 低所得階層の労働 者の身体症候 栄養欠陥のために 低所得階層の労働者には さまざまの身体症状が見られる, 蛋白質不足, ビタミ ンA, B複合体の不足に基因する症状が多い, 低所得階層のなかでも特に収入の少ない階層に 多く. 0%以上のものは次のようである. 舌炎, 皮膚の光沢・乾燥度色調の異常, 見 られる症候で, 発現率1 皮下栄養不良 慢性胃腸障害, , 口角炎, 口唇辺縁部の炎症, 眼験結膜の貧血, フル ソクローシス.. また浮腫, 脚気症状, 肝臓異状, 高血圧, 騰反射異状が多く見られる. ) 国民栄養白書はこう述 べている, 「国民の食生活は, 戦 争 終 了前 後に著 し 1 957 昭和32年度 ( 0年逆もどり した感を与えたが, 逐年食糧水準 く 低下 し, そのため国民の体位も 戦時の数年で30一4 9年以降は一般 および体位が向上し, 特に昭和27 , 28年の而年には著 しく改善されている が, 昭和2 0年頃には国民の体位も戦前の水準に達し, それ以後比較的着実な足 に伸 びは鈍化している, 昭和3 どりで向上している. しか し国民の食生活は全般的にみて 穀類特に米食依存度が高いた め 良 質 蛋 白, 脂 肪, ビタ ミ ンA, BI , B2 , カ ル シウ ム 等 に 欠 け や す く, こ の た め こ れ ら の 栄 養 素 の 不足 か. らくる身体症候がかなりみ られる. 昭和31 年以来 ビタ ミンBI不足による臆反射消失と緋腸筋圧痛 などの著 しい増加は, 米食偏重の食生活の不合理性を端的に示 している.」該白書はまた指摘してい. る。 「栄養欠陥による身体症候を持つ者の数は数年来の22一23%を上回り, 25 .9%に達している.. 特 に 脂 肪, カ ル シウ ム, ビタ ミ ン類 の 不 足 は 著 しい. 日 雇 お よ び 家 内 労 働 者 世 帯 の 食 費 は 89 .82 円. (昭和32年,1人1日当り) で消費者世帯中最も少なく, 動物性食品, 油脂, 野菜, 果実, 調味噌好 品等の消費が極めて少ない. これ ら世帯の栄養摂取状態は ビタミン B, を除き勤労者の中で最低で あり, 有症率は26%以上であり, ビタ ミンB2欠乏症候が多発している. これ ら世帯の栄養水準は 極 め て 低 い.」. 上述の国民栄養の問題点はその後数次の国民栄養白書の論点と基本上 一致 している. 労働者を初. め勤労人民の低栄養水準は政府でさえ認めざるをえない実情である. 4 )に よ れを 昭 和36年 (1961) 内 田 の 資 料2 , 失対労務者の自覚症の訴えは, 他の労働者よりもはる かに多く見 られ, 自覚症の発生頻度も高い. 疲れやすい, 肩がこる, 腰痛, 体が弱った, やせた, 体の調子がよくないな どの発生頻度は50%以上である. 失対労務者の半数以上のもの が何等かの疾. 病を有 し, 緊急対策を必要としている. 女子に自覚症が 圧倒的に多い. 母子家庭の主婦に特に多く 見 られるのは, 女子労務者の負担の過重のためである.. 総 括 と 結 語 1 . 大正時代にひきつ づき昭和初期の労働者の栄養摂取状態は, 穀類依存度が大で副食が少ないた め, 低蛋白質, 特に動蛋の著 しい不足, 極端 に低い動蛋比, 低脂肪, ビタミ ンの少ないこと, つま ・の低栄養水準をさ らに低下させ り栄養の不足 と不均衡である. 昭和初期の経済不況, 恐慌は労働者. た. 日本の工業の代表, 繊維工業の女工の工場食は日本の労働者の低栄養水準の典型であり, この 時期における労働者の低い食生活を代表している. 驚くべき低賃金, 苛酷な長時間労4動, 寄宿舎で の自由のない生活のもとに, 女工は欠陥の多い低栄養の工場食をとっていた. このため青年女工は. 体重の減少をきたし, 健康を害 した. 2 . 満洲事変を襖機と した中国に対する帝国主 義侵略戦争↓ま労働者の栄養改善どころか, 労働者を 0年の資料によ なかば飢餓状態におしやった. 第二次大戦は労イ動者を飢餓状態におとしいれた, 194 れば, 青年労働者は蛋白質を多く必要とするにもかかわ らず, 数ヶ処の工場食の蛋白質量は1人1 日 当 り 平 均67g で あ り, 最 低 の45g か ら58g, 61g と い う 極 端 に 低い も の が あ り, 青 年 労働 者 の 生. 理的蛋白質必要量を満たす工場食は一つも見 られなかった. 太平洋戦争時期における調査は工場食 43. (ヱ〇).

(12) . 細. 井. 三. 敬. の厳重な欠陥と 労働者の劣悪な 栄養摂取状態を指摘してし・る. 工場食の蛋白質量は 一段と低下し. た. ある工場食の蛋白質量は平均61gであり, 別の調査では10工場食のうち7工場食が標 準以下で あり, 最低のものは蛋白質4 8gであった. 動蛋の不足ははなはだ しく, 脂肪の摂取も少なく 5-15 g程度であり, 工場食によっては油脂食品のないものが少なくなかった, カルシウムを初め無機塩 類や ビタ ミ ンの 摂 取 量 も 一 段 と 低下 した. ビタ ミ ン BI , C の 不 足 は血 清 中 のこ れ ら ビ タ ミ ン含 有 量. の測定によってでも実証された. 中国に対する長期の侵略戦争と第二次大戦は労働者を初め勤労人民を半飢餓状態か ら飢餓状態に おとしいれた. 飢えは労働者を苦 しめた. 勤労人民にとっての食糧暗黒時代が食糧配給統制以後現 出し, 敗戦後数年継続した,. 3 0年のあいだ勤労人民は自分の力量で飢餓状態か ら漸 . 敗戦後労働者の栄養状態 1945年以後約1 次回復の道をあるいた, 日本の敗北による混乱, 支配階級の無策, 外国軍による日本占領は食糧暗 黒時代をひきのばし, 数年間も継続させた, 勤労人民は自らの労働によって食糧暗黒時 代 を 克 服 し, 栄養摂取状態を戦前水準に大体回復するのに約10年も要した. 1954-5年には国民1人1日平. 均熱量 2000余 Cal,. 蛋 白 質 約70g, 動 蛋 約22g, 脂 肪 約20g と い う 水 準 に ま で 回 復 した. しか しこ. の時期になっても日雇労務者, 失対労務者, 生活保護者を初めとする1 000万人以上にも達する低所 得階層の人びとは,なかば飢餓状態であり,沈澱したままでかえりみ られず, 回復の跡は きわめて少. ない. これらの人びとは大部分最低生活費以下の生活水準であり, 最低生存線すれすれのものや最 低生存線以下のものさえ少なか らず見 られる, これが社会の物質的生産力が戦前水準の2倍以上に 増大した時期における労働者の実情である. この事情は今日までもつ づいている. 低所得階層の労 働者の動蛋の半飢餓状態, 蛋白質の不足は恒常的であり, 慢性的であり, 今日では逆に悪化の傾向. さえ見られる. 労働者の栄養不足と欠陥は劣悪な労働条件とともに, さまざまな身体症候を発生させている. 栄 養欠陥による身体症候は低所得階層ほど多く, 特に中小企業労務者, 失対労務者, 日雇労務者, 生 活保護の労働者にきわめて多い. しかも女性は男性よりも一般に多い. 女性労働者の職場や家庭内 での負担と労苦が男性労働者よりも依然として過重である,. ここ数年来産業の合理化, 貿易の自由化, 首切り, 物価値上がり, 実質賃 金の低下などは労働者 の栄養摂取量の格差をますます助長している, すなわち, 一方の側に大企業頭脳労働者 (職員) の. 比較的に低くない水準 (最低生活費を満たす水準以上) と, 他方の側に失対や日雇労務者, 中小企 業労務者の極めて低い水準 (最低生存線の上下附近) との格差は増大している. 結語 昭和時代3 0数年の間労働者階級の栄養状態は低水準のままであり, 多くの欠陥を有してお. り, 基本上改善されていなし・ . 労働者の階層間の栄養摂取量はかなり格差があり, この格差は少な くなるどころかむ しろ増大の傾向が見 られる. 低賃金と失業は労働者階級全体の栄養改善と向上の 障害物であり, 労働者に栄養の不足と欠陥をもたらし, したがってまた栄養欠陥による疾病を恒常 的に多発させている.. 献. 文 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 ) 6 ). 1 92 9 9( ) 井上兼雄:農化, 5 , , 43 7;93 9( 1932 ) 助川浩, 茶珍俊夫:醸学,ID , 83 . 1 1 9 3 3 ) 3 9( 松島周蔵:労研, 10 , , 1 93 0) 武内大三郎:生化学, 3 , 27( . 5 2 0( 1 9 40 高木和男:産業医学,17 ) , , 8 8 8( 1 9 4 1 ) 有本邦太郎: 労研,18 , , ヱヱ. 44.

(13) . 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与 7 ) 8 ) 9 ) 10 ) 11 ) 12 ) 13) 1 14 ) 15 ) 6 1 ) 17 ) 18 ) 1 9 ) 2 0 ) 21 ) 22 ) 23 ) 24 ). 45. 高木和男:醸学,18 1 0 7( 94 ) , 36 , 有本邦太郎, 他:労研, 18 9 1 1( 1941 ) , . 1 0 7 1 1 7;i1 有本邦太郎, 他:労研, 19 9 0 2 0( 1942 ) ; , . 2 4 5( i 4 2 川城巌, 他;衛生化学, 14 9 ) , . 高木和男:醸学, 2 1 1;37 1( 1 943 ) , i7 , 7 3( 宮崎卓爾:慶応医, 2 2 1 9 4 4 4 ) , . 062( 1942 有本邦太郎, 他:労研,19 ) ,1 . 第14回日本医学会総会特別講演集, 日本人の栄養, 2-3 5年度) 厚生省:国民栄養白書 (昭和3 . 労働科学研究所:最低生活費に関する一研究, :主食消費の階層別分析, 第3年度 ( 同 1 957 ); 第4年度 ( 1 59年度 ( 958 195 );19 9 ) , 菊地平明:北海道労働研究,12 1 961 ) .2 , No , 15( . 労働科学研究所:低所得階層を中心とする栄養欠陥による身体症候に関する研究, 昭和34年度 ( 1 95 9); 昭和 35年度 ( i 960 ) . 3( 高木和男:労働科学, 38 1962 ) .8 , No , 43 . 9 1( 1 9 6 2 長嶺晋吉:栄養学雑誌, 20 ) , . 細井敬三:北海道学大紀要 (第2部) C,11 60 1( 1 9 ) .1 , No ,2 . N 細井敬三:同誌 (第2部) C, 12 1 4 0( 6 1 1 9 ) o , ., . 6 内田敬止, 他4名:医学懇話会誌, No 19 61 ) ,1 , 15( .. (ヱ2).

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