色覚異常のある人の心理的な変化に関する研究
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(2) 目次. は. じ. め. に. ・. 弟1早. ・. 問. ・. 題. ・. の. ・. 所. ・. 在. ・. ・. ・. と. 研. 究. ぐ. る. 第1節. 色. 覚. 異. 常. 第2節. 色. 覚. 検. 査. 第3節. 生. 活. 上. の. 制. 第4節. 色. 覚. 異. 常. の. あ. る. 人. の. 第5節. 色. 覚. 異. 常. の. あ. る. 人. に. 第6節. 研. 究. 第2章. 目. ・. ・. め. ・. 約. ・. 社. ・. 目. 会. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …1. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …4. 的. 体. 制. の. 変. 化. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …5. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …7. ・. ・. ・. …9. ・. …11. ・. …16. ・. ・. ・. 自 叙. 対. ・. す. ・. 伝. か. ら. 見. る. 心. 理. 的. 側. 面. る 社. 会. の. 理. 解. に. 関. す. る. ・. ・. ・. 研. 究. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 研 究方 法. 第1節. 対. 象. 第2節. 調. 査 方. 第3節. 質 問. 第4節. 分. 第3章. 的. を. ・. ・ ・. 法. ・. 内 容. ・. 析 方. 結. ・ ・ ・. 法. .18. ・ …. .18 .19 .20. ・ ・ ・ …. 果. 第1節. Aさ. ん. の. 事. 例. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …25. 第2節. Bさ. ん. の. 事. 例. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …32. 第3節. Cさ. ん. の. 事. 例. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …39.
(3) 第4章. 考. 第1節. Aさ. ん の 事. 例. ・ ・ ・ ・ …. ・49. 第2節. Bさ. ん の 事. 例. ・ ・ ・ ・ …. ・51. 第3節. Cさ. ん の 事. 例. ・ ・ ・ ・ …. ・54. 弟5早. 総. 察. 合. 考. 察. 第1節. 色. 覚. 検. 査. で. の. 心. 理. 的. な. ダ. メ. ー. ジ. 第2節. 母. 親. の. 色. 覚. 異. 常. に. 対. す. る. 受. け. 止. 第3節. 第3者. の. 肯. 定. 的. な. か. か. わ. 第4節. 色. を. 見. た. い. と. い. う 思. い. 第5節. マ. イ. ノ. リ テ. ィ. ー. と. マ. 第6節. 結. 論. お. よ. 今. 後. の. ・. ・. ・. お. わ. り. に. ・. ・. 引 用 ・参 考 文 献. 謝 辞. び. ・. ・. ・. ・. め. ・. 方. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …57. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …58. り. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …58. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …59. ジ. ョ. リ テ. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …59. 課. 題. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …60. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …62. ィ. ー.
(4) は じめ に. 1.色. 覚 異 常 の 名 称 に つ い て. 色 覚 異 常 を 個 性 と捉 え る. と捉 え る. 「色 覚 特 性 」 や 、 色 覚 の 偏 位(ズ. 「色 覚 偏 位 」、 色 覚 異 常 研 究 を 始 め た. の 名 前 を と っ た. 「 ドル. ト ニ ズ ム 」(Daltonism)等. ドル. レ)で. あ る. ト ン(JohnDalton). 、 そ の 名 称 に つ い て は. 考 え が い く つ か あ る 。. 眼 科 色 覚 研 究 者 は 、 長 年 、 適 切 な 表 現 を 模 索 し続 け て お り 、 事 態 を 重 く 見 た 日本 眼 科 学 会 用 語 委 員 会 で も 用 語 改 訂 を 検 討 して い る 。 しか し 、 学 術 的 に 正 し く 、か つ 、誰 に も 精 神 的 負 担 を 感 じ さ せ な い 新 用 語 体 系 は 、 い ま だ 実 現 に至 って い な い。 従 っ て 、現 在 の 学 術 用 語 を用 い る ほ か ない (中 村 ら,2003)。 こ れ を 受 け 、 本 研 究 で は 、 日本 眼 科 学 会 に お い て 定 め ら れ て い る 学 術 用 語 で あ る. 2.色 1)色. 「色 覚 異 常 」 を 用 い る 。. 覚 異 常 に つ い て 覚 異 常. 色 覚 異 常 と は 、 色 の 見 え 方 ・感 じ 方 が 、 色 覚 正 常 で あ る 人 と 異 な っ て い る 状 態 を 言 う 。 そ の ほ と ん どが 、 先 天 性 の も の で あ る 。 色 盲 とは 、赤. ・緑 ・ 青 を 感 じ る 視 物 質 の い ず れ か が 欠 け て い る 状 態 を. 言 う。 色 弱 と は 、 そ れ ぞ れ の 視 物 質 は あ っ て も 十 分 な 働 き を し な い 状 態 を 言 う。 日 本 眼 科 学 会 は2005年. 度 、 眼科 用 語 集 の改 訂 を行 い 、 こ の 中で 色 覚. 用 語 が 改 訂 され た。 総 称 と して. 「色 覚 異 常 」 ・ 「先 天 色 覚 異 常 」 ・「後 天 色. 覚 異 常 」 は 残 っ た が 、 これ ま で使 われ て き た. 1. 「色 盲 」 ・「異 常 」 を 含 む 語.
(5) 句 が 少 な くな っ た。 2)色. を感 じる仕 組 み. 眼 底 に は 、 網 膜 と い う光 を 感 じ る 神 経 の 膜 が あ る 。 こ の 網 膜 に は 、 明 るい 場 所 で の 視 力 や 色 の判 別 を担 当 して い る錐 体 細 胞 と 、 暗 い 場 所 で の 見 え方 を担 当 して い る杵 体 細胞 が あ る。 錐 体 細 胞 で捕 え られ た 色 の 情報 は 脳 へ 伝 え られ 、 色 と し て 認 識 さ れ る 。 こ の う ち 色 の 判 別 を 担 当 し て い る錐 体 細 胞 に 生 まれ つ き 異 常 が あ る場 合 を先 天 色 覚 異 常 、 目の病 気 や脳 の病 気 な どが 先 行 した結 果 、 色 の 判 別 が っ き に く く な っ た 状 態 を 後 天 色 覚 異 常 と 言 う。 3)先. 天 色 覚 異 常 の分 類. 先 天色 覚 異 常 は 、 錐 体 細 胞 の異 常 に よ っ て 生 じ る。 錐 体 細 胞 は 、 光 の 波 長 の 強 い 感 度 を 持 つ 場 所 に よ っ て 、 主 に ①1型 覚 、 ③1色 ①1型. ・2型. 色 覚 、 ②3型. 色. 覚 に 分 類 され る 。. ・2型. 色 覚(旧:赤. 緑 色 覚 異 常). 長 波 長 側 に 感 度 の 頂 点 を 持 っ 赤 錐 体 系 に 異 常 の あ る も の を1型 中 波 長 領 域 に 頂 点 を 持 つ 緑 錐 体 系 に 異 常 の あ る も の を2型. 色 覚 、. 色 覚 と 言 う。. 伴 性 劣 性 遺 伝 と 言 う 遺 伝 形 式 で 伝 わ る 。 日 本 人 の 場 合 、 男 性 の20人 1人. 、 女 性 の500人. ②3型. 色 覚(旧:青. に1人. に. が 赤 緑 色 覚 異 常 と言 わ れ て い る 。. 黄 色 覚 異 常). 短 波 長 側 に 頂 点 を 持 つ 青 錐 体 系 に 異 常 の あ る も の を 、3型. 色 覚 と言 う。. 常 染 色 体 優 性 遺 伝 と 言 う遺 伝 形 式 で 伝 わ る 。 ③1色 3種 以 下)、. 覚(旧:全. 色 盲). 類 の 錐 体 が 全 て 欠 け て い る も の を 、1色 差 明 、 眼 振 を 併 発 す る010万. 人 ∼20万. 2. 覚 と言 人 に1人. う 。 視 力 低 下(0.1 と 言 わ れ て い る 。.
(6) 4)伴. 性 劣性 遺伝. 人 の 性 を 決 め る 染 色 体 に は 、X染 性 はX染. 色 体 を2っ. れ る 。 男 性 はX染 X染. 持 ち 、1っ 色 体 とY染. 色 体 とY染. 色 体 の2種. は 父 親 か ら 、 も う1っ 色 体 を1ず. っ 持 ち 、Y染. 類 が あ る。 女. は 母 親 か ら伝 達 さ 色 体 は父 親 か ら、. 色 体 は 母 親 か ら伝 達 され る 。. 色 覚 正 常 の 遺 伝 子 を持 っ て いれ ば 、 色 覚 正 常 の遺 伝 子 が色 覚 異 常 の遺 伝 子 の発 現 を抑 制 す る た め 、 色覚 異 常 は 現 わ れ な い。 男 性 は 色 覚 を 決 め る 遺 伝 子 が1つ. しか な い た め 、 そ れ が 異 常 の 遺 伝 子. で あ れ ば 、 必 ず 色 覚 異 常 に な る 。 一 方 、 女 性 は 遺 伝 子 を2っ た め 、 ど ち ら か1つ. 持 っ て い る. が 異 常 で も色 覚 は 正 常 で あ る 。 異 常 の 遺 伝 子 を 持 っ. て い る た め 、色 覚 異 常 の 子 ど も を 生 む 可 能 性 が あ り 、保 因 者 と 呼 ば れ る 。 保 因 者 は 、 日 本 人 女 性 の10人 伝 子 が2つ. に1人. い る と言 わ れ て い る 。 女 性 は 、 遺. と も 異 常 の 場 合 のみ 色 覚 異 常 に な る。. 3.
(7) 第1章. 第1節. 1980年. 問 題 の 所 在 と研 究 目的. 色 覚 異 常 を め ぐる社 会 体 制 の 変 化. 代 後 半 ま で は 、色 覚 異 常 の あ る 人 に 対 す る 社 会 の 理 解 は 不 十 分. で あ り、 色 覚 異 常 の あ る人 は不 当 な 差 別 を受 け て き た。 例 えば 、色 覚 異 常 の あ る人 を 受 け入 れ な い 大 学 が ま だ 多 く、 就 職 時 も、 色 覚 異 常 の あ る 人 を 一 切 採 用 しな い 企 業 等 が 少 な くな か った 。 これ は 、 彼 らが 全 く色 を 理 解 で き な い と か 、 普 通 運 転 免 許 も 取 得 で き な い 等 とい う誤 解 に よ る と こ ろ が 大 き く 、 制 限 の 根 拠 も 明確 で な い 場 合 が ほ とん ど で あ っ た 。 しか し 、 近 年 で は 、 色 覚 異 常 の あ る 人 に 対 す る 不 当 な 差 別 を な く そ う と す る 運 動 が 活 発 化 し た の に 伴 い 、様 々 な 制 限 が 大 幅 に 緩 和 さ れ て き た 。 1993年. の 文 部 省(当. 時)通. 達 に よ り、大 学 入 学 時 の 進 学 調 査 書 か ら 色 覚. の 項 目 が 削 除 さ れ た 。 厚 生 労 働 省 は 、2001年. よ り 、雇 入 時 健 康 診 断 に お. け る 色 覚 検 査 を 廃 止 す る と と も に 、 「色 覚 異 常 の あ る 人 は 不 可 」 と い う 求 人 条 件 は 出 さ な い よ う、 根 拠 の な い 採 用 制 限 を 行 わ な い よ う指 導 を 始 め た(中. 村 ら,2003)。. 更 に 、 厚 生 労 働 省 発 行 の リー フ レ ッ トに. 「色 覚 検 査. は 現 場 に お け る職 務 遂 行 能 力 を反 映す る も の で は ない こ と に 十 分 な 注意 が 必 要 で す 。 検 査 を 行 う場 合 で も 、 各 事 業 場 で 用 い られ て い る 色 の 判 別 が 可 能 か 否 か を 確 認 す る こ と で 十 分 で す 。」 と 明 記 し た(高. 柳 ら,2006)。. こ の よ う に、 色 覚 異 常 を め ぐる社 会 の体 制 は 変 化 して き た。 し か し 、 多 く の 企 業 で い ま だ に 色 覚 検 査 が 行 わ れ 、 日本 色 覚 差 別 撤 廃 の 会 に は 多 く の 相 談 が 寄 せ ら れ て い る 現 状 が あ り(高. 柳 ら2006)、. 異 常 の あ る人 に 対 す る社会 の 理 解 は ま だ 十 分 とは 言 え な い 。. 4. 色 覚.
(8) 第2節. 色 覚 検査. ・ 色 覚 検 査 は 学 校 保 健 法 の 改 訂 と 共 に そ の 内 容 が 変 化 し 、2003年. に廃 止. され た 。 以 下 に 色 覚 検 査 の 変 遷 を 示 し 、 問 題 点 を 整 理 す る 。. 1.色. 覚 検 査 の 変 遷. 1920年(T9年):文. 部 省 学 校 生徒. 色 神 検 査 は 在 学 中1回 1944年(S19年):戦. ・児 童 身 体 検 査 規 定. 行 い 、色 盲 及 び 色 弱 を 区別 す る。. 時 の特 例. 検 査 規 定 か ら色神 検 査 を 外 す 。 1949年(S24年):文. 部 省 学 校 生 徒 ・児 童 身 体 検 査 規 定. 色 神 検 査 の 復 活 。 1958年(S33年):学 色 神 は 毎 年1回 1973年(S48年):学. 校 保 健 法 制 定 、 色 盲 検 査 表 を用 い て 検 査 す る。 校 保 健 法 一 部 改 正. 就 学 時 の 検 査 規 定 か ら色 神 検 査 を 外 し 、 定 期 健 康 診 断 の 色 神 検 査 は 色 覚 検 査 と 改 め 、 小 学 校 は 第1・. 第4学. 年 、 中 学 校 及 び 高 等 学 校 は 第1学. 年 に そ れ ぞ れ 実 施 す る 。 色 覚 異 常 検 査 表 を 用 い て 、 異 常 の 有 無 と程 度 を 明 らか に す る。 1978年(S53年):学. 校 保 健 法 一部 改 正. 程 度 の 判 定 を 取 り止 め る 。 1995年(H7年):学 小 学 校 第4学. 校 保 健 法 一 部 改 正 年 のみ 実施 す る。 プ ライ バ シー を保 護 す る た め 、 個 室 で. 養 護 教 員 が 実 施 す る 。 目 的 と 意 義 を 、「児 童 生 徒 が 学 習 す る 上 で 支 障 が あ る か 、 あ る い は 色 彩 に 関 わ る 学 習 に 配 慮 が 必 要 か 等 を 知 る た め に 行 う。. 5.
(9) し た が っ て 、 色 覚 異 常 を 検 出 す る こ と の み を 目 的 と す る も の で は な い 。」 とす る。 検 査 表 は 、学 習 す る上 で 配 慮 を 必 要 とす る色 覚 異 常 の有 無 を検 査 で き る 色 覚 検 査 表 を使 用 す る。 2003年(H15年):学. 校 保 健 法 一 部 改 正. 定 期 健 康 診 断 の 項 目 か ら、 色 覚 の 項 を 削 除 す る 。. 2.実. 施 上 の 問 題 点. 学 校 現 場 で は 事 後 措 置 が な く、遺 伝 の 問 題 だ けで 悩 む 保 護 者 、 教 師 が 多 い(高. 柳,2000)。. 全 て の 検 査 項 目に は 目的 が あ る はず だ が 、 健 康 診 断 書 の記 載 項 目の 「色 覚 検 査 」 の 目 的 は 、 職 業 適 性 を 判 定 す る た め と い う 錯 誤 か ら な る 。 本 来 こ れ は 色 覚 異 常 の 疑 い の 有 無 の み が 分 か る 検 査 で あ る(高. 3.石. 柳,2006)。. 原 式 色 覚 検 査 表 の 問 題 点 「色 覚 検 査 表 」 と 言 え ば. 「石 原 式 色 覚 検 査 表 」 と 同 義 語 と 理 解 さ れ る. く ら い に 、 日本 で は こ の 検 査 表 が 普 及 し て い る 。 検 査 表 を 鋭 敏 に す る た め の努 力 の 結 果 、 日常 生活 の色 彩 環 境 に 対 す る適 否 を判 定す る に は 、 あ ま り に も懲 りす ぎ た 検 査 表 に な っ て し ま っ た 。 こ の 検 査 表 は 、 旧 軍 隊 の 徴 兵 検 査 表 に 使 用 さ れ て い た(村. 上,1995)。. 特 に 一 般 に使 われ て い る石 原 式 色 覚 検 査 表 で は 、 色 彩 識 別 能 力 を判 定 す る こ と は で き な い 上 に 、 特 に 女 子 色 覚 異 常 に 関 し て は 誤 診 率 が 約50 パ ー セ ン ト で あ る(高 1973年. 柳 ,1998)。. 以 来 、学 校 保 健 法 に 即 っ て. 「色 覚 異 常 」 と 判 定 さ れ た 児 童 生 徒. の 実 社 会 に お け る様 々 な 色 彩 識 別 能 力 を 調 査 研 究 し た 結 果 、 眼 科 学 的 色 覚 検 査 結 果 と 、 個 人 の 色 彩 識 別 能 力 と は 違 う こ と が 証 明 さ れ た(高. 6.
(10) 柳,2000)。. 4.ま. と め. 問題 点 を ま と め る と、 以 下 の よ うに な る 。 ① 事 後 措 置 が な か っ た こ と。 ② 色 覚 検 査 の 目 的 が 十 分 に 理 解 さ れ て い な か っ こ と。 ③ 徴 兵 検 査 用 に 作 ら れ た 石 原 式 色 覚 検 査 表 は 、 そ の 精 度 の 高 さ故 に 誤 診 が 多 い こ と。 ④ 日常 生 活 の 色 彩 環 境 に対 す る色 彩 識 別 能 力 を判 定 す る こ とは で き な い こ と。 これ らの 問 題 点 が 、 色 覚 異 常 の あ る人 へ の 不 当 な差 別 を助 長 し、 現在 で も 理 解 が 不 十 分 で あ る 原 因 の1つ. 第3節. に な っ た と考 え ら れ る 。. 生 活 上 の制 約. 色 覚 異 常 の あ る 人 が 色 に 関 して 大 な り小 な り 問 題 を 抱 え て い る こ とは 紛 れ も な い 事 実 で あ る。 日常 生 活 に 問 題 は な く て も 、 些 細 な 色 の 誤 り を 時 々 生 じ、 状 況 に よ って は 、 軽 度 の色 覚 異 常 の あ る人 に と って も、 職 務 の 遂 行 に 差 し 支 え る こ と も あ る(中 本 田(2007)は. 村 ら,2003)。. 、 色 覚 異 常 の あ る 人 の 体 験 談 と して 、 以 下 の エ ピ ソー. ドを 紹 介 し て い る 。. 「あ る 日 、 家 庭 教 師 を し て い た 生 徒 の 家 で 、 夕 食 を ご 馳 走 に な っ た 。 す きや き鍋 の 肉 をつ まみ あ げ て食 べ よ う と した ら、 『そ れ は ま だ 食 べ ら れ な い 』 と側 に い た 母 親 が あ わ て て 止 め た 。 そ の 肉 は 、 ま だ 赤 い ま ま だ っ た ら しい 。 彼 は 、 食 い意 地 が 張 っ て い る と思 われ た の で は な い か とた い. 7.
(11) へ ん 恥 ず か し か っ た 。」(p40). 「あ る 日 子 ど も の 靴 を 買 い に 行 っ た 時 、 棚 の 上 の 黄 色 の 靴 が 目 に と ま っ て 、 店 員 を 呼 ん だ 。 対 応 に 困 って い る店 員 の様 子 を妻 が あ わ て て 駆 け 寄 っ て 来 た 。そ の 靴 は 黄 色 で は な く 、明 る い 緑 色 だ っ た の で あ る 。」(p41) 「あ る 日 の こ と 、 妻 が う っ か り 誤 っ て 、 色 落 ち す る 赤 い 衣 類 と 白 い シ ャ ツ を 一 緒 に 洗 濯 し て し ま っ た 。 白 の シ ャ ツ は ピ ン ク に 染 ま っ て し ま っ た 。 妻 は そ の 失 敗 を 悔 や ん だ が 、 彼 に は ピ ン ク に は ど う し て も見 え ず 、 白 い ま ま の よ う に 感. じ ら れ た 。」(p41). 「数 年 前 、 車 を 買 い に 行 っ た 。 中 古 の 予 定 が 販 売 員 の 上 手 な 説 明 が 功 を 奏 し て 、 新 車 を 買 う こ と に な っ た 。 展 示 場 に 並 ん だ 車 か ら気 に 入 っ た 車 を選 ぶ こ と に な った 。 無 難 な グ レー の 車 を選 ん で 、 す ぐに それ に決 め た 。 し ば ら く し て 、 あ ま り見 か け な い 色 だ と い う妻 の 声 が 聞 こ え た 。 妻 の 話 で は 、 そ れ は 濃 い 緑 色 な の だ そ うだ 。 今 に な っ て も 、 彼 に は ど う し て も そ の 色 が 緑 に は 見 え な い 。」(p41) 「時 に は 、 交 通 信 号 の 区 別 が つ か な い こ と が あ る 。 青 は 分 か る 。 し か し 、 赤 と 黄 色 は 見 分 られ な い 。 し い て 言 え ば 、 黄 色 の 方 が 赤 よ り も わ ず か に 明 る く 見 え る 。 普 段 は3っ. 並 ん だ 信 号 灯 の 位 置 か ら 、 赤 と黄 色 は 区. 別 で き る の で 問 題 は な い 。 困 る の は 、 夜 間 に1つ 黄 色)だ. の 信 号 灯(赤. あ る い は. け が 点 滅 し て い る 時 だ 。 暗 い の で 、 信 号 灯 の 位 置(右. 端 か 、 真. ん 中 か 、 左 端 か)が. 分 か らない 。 こ の た め 、 赤 い 信 号 な の か 、 黄 色 の信. 号 な の か 分 か ら な い。 同様 な こ とは 日中 で も起 こ る。 道 路状 況 に よ って は 、 赤 あ る い は 黄 色 の 信 号 灯 が1つ. だ け 取 り付 け られ て い て 、 点 滅 して. い る場 所 が あ る。 停 止 す べ き か徐 行 す べ きか 、彼 に は判 断 で き な い 。 助 手 席 に 妻 が い れ ば 、 点 滅 し て い る 信 号 灯 の 色 を 教 え て く れ る 。1人. の 時. は 、周 囲 を 注 意 深 く 見 な が ら 判 断 す る 。迷 っ た ら 、一 旦 停 止 す れ ば よ い 。」. 8.
(12) (p42) 「一 番 困 っ た の は 、 東 京 の 地 下 鉄 やJRの. 路 線 案 内 図 だ.た. く さん の. 色 を 使 っ て 路 線 を 色 分 け し て あ る 。 誰 か に 尋 ね る の も恥 ず か し い の で 、 初 め か ら 案 内 図 は あ て に し な い こ と に し て い る 。」(p42) 現 在 、厚 生 労 働 省 は 、等 級 と 生 活 上 の 制 約 が 同 等 で な い こ と を 理 由 に 、 色 覚 異 常 を 障 害 と 認 定 し て い な い 。 し か し 、中 村 ら(2003)と. 本 田(2007). が 示 す よ うに 、 な ん らか の 生 活 上 の制 約 を感 じて い る 、 色 覚 異 常 の あ る 人 が い る 。. 第4節. 色 覚 異 常 の あ る 人 の 自 叙 伝 か ら見 る 心 理 的 側 面. 自 叙 伝 の う ち 、 心 情 の 変 化 が 記 述 さ れ て い る3冊. 1.村. 上 元 彦(1995)「. を 取 り上 げ る。. ど う して も の が 見 え る の か 」. 子 ども の 頃 は 時 と して劣 等 感 に 落 ち込 み 、 ま た 当 時 の入 学試 験 で は 差 別 さ れ て 、 色 覚 検 査 表 を 暗 記 し て す り抜 け る な ど 、 い ろ い ろ と 苦 労 し た と して い る。 これ らは 、 自身 が色 覚 異 常 で あ る こ とに劣 等 感 を感 じる人 が い る こ と と、 色 覚差 別 を受 け る 人 が い る こ と を示 唆 してい る。 保 因 者 の 母 親 と 家 族 へ の ア ド バ イ ス と し て 、「た と え 子 ど も に 色 覚 異 常 が あ っ た と して も、 そ のた め に子 ど もの 将 来 が 絶 望 だ な ど と短 絡 す るの は と ん で も な い こ と だ 。 人 間 が も つ 多 種 多 様 な 能 力 の 中 の た っ た1っ 多 少 不 自 由 な だ け で は な い か 。」(p185)と. 2.若. 林 良 一(2005)「. 小 学 校5年. が. 述 べ て い る。. 月 の 色 、 彩 虹 の 橋 」. 生 の 時 の色 覚 検 査 で 担任 か ら. 9. 「色 盲 」 と 言 わ れ て シ ョ ッ ク.
(13) を 受 け 、 ま た そ れ 以 上 に 先 生 や 同 級 生 ら に祭 りの 見 せ 物 を 見 る よ う な 顔 っ き で 見 られ た こ と が も っ と嫌 だ っ た と して い る 。 こ れ ら は 、 自 身 が 色 覚 異 常 だ と分 か っ て シ ョ ッ ク を 受 け る 人 が い る こ と と 、 色 覚 検 査 で 嫌 な 思 い を した 人 が い る こ と を示 唆 して い る。 後 書 き の 中 で は 、 「健 康 な 方 で あ っ て も 、 い っ な ん ど き 障 害 や 病 気 、 さま ざま な 逆 境 に 見 舞 わ れ る か分 か らな い。 で も、 どん な っ らい 立 場 に お か れ て も 、 乗 り 越 え ら れ る 。」(p141)と. 3.浅. 見 孝 雄(2005)「. 述 べ て い る。. グ ミ の 実 の 熟 れ る 頃 」. 進 学 で も 職 業 選 択 の 上 で も 選 抜 ・ 差 別 さ れ 、 幼 少 時 代 か ら20代. 前 半. ま で と い う の は 、 自 ら の 遺 伝 的 不 可 で あ る 色 覚 異 常 と の 葛 藤 で あ り、 運 命 に く じ けそ うに な って は 絶 望感 に さい な ま れ た歳 月 で あ っ た と して い る。 こ の こ とは 、色 覚 異 常 に対す る差 別 が 原 因 で 心 の 中 に 葛 藤 を生 じる 人 が い る こ とを 示 唆 して い る。 色 覚 異 常 の あ る 医 大 生 だ っ た 頃 を 振 り 返 り 、「む し ろ 色 覚 異 常 で 悩 ん だ こ と で 、 人 の 心 の 痛 み を 良 く 理 解 で き る とい う 立 場 に な る 。 そ れ を 生 か す も 殺 す も 私 の 心 が け 次 第 で あ る 。」(p34)と. 4.ま. 述 べ て い る。. と め. 村 上(1995)の. 言 葉. 「人 間 が も つ 多 種 多 様 な 能 力 の 中 の た っ た1っ. 多 少 不 自 由 な だ け で は な い か 。」(p185)と. 、 若 林(2005)の. 言 葉. が. 「健 康. な 方 で あ っ て も 、 い つ な ん どき障 害 や 病 気 、 さま ざま な 逆 境 に 見 舞 われ る か 分 か ら な い 。 で も 、 ど ん な っ ら い 立 場 に お か れ て も 、 乗 り越 え ら れ る 。」(p141)、. そ し て 、 浅 見(2005)の. 言 葉. 「む し ろ 色 覚 異 常 で 悩 ん だ. こ と で 、 人 の 心 の 痛 み を 良 く 理 解 で き る と い う 立 場 に な る 。」(p34)か. 10.
(14) ら は 、 子 ど も か ら大 人 へ と 成 長 し て い く過 程 で 、 色 覚 異 常 を 受 け 入 れ る と い う 、 心 理 的 な 変 化 が 見 て とれ る。 佐 藤(1995)は. 、 弱 視者 は全 盲 で は な い が 、晴 眼者 で も な い 、 中間 的. 集 団 で あ る と し て い る 。 弱 視 者 は 周 囲 か ら十 分 な 認 識 や 適 切 な 対 応 が な さ れ に く く 、 そ れ が 心 理 的 な ス ト レ ス と な っ て し ま う(芝 上(1995)と. 若 林(2005)、. そ し て 浅 見(2005)の. 田,2007)。. 村. 事 例 を 照 ら し合 わ せ 、. 中 間 的 集 団 と い う視 点 か ら 考 え る と 、 こ れ は 色 覚 異 常 の あ る 人 に も 当 て は ま る と 言 え る だ ろ う。. 第5節. 色 覚 異 常 の あ る 人 に 対 す る社 会 の 理 解 に 関 す る 研 究. 我 が 国 に お け る 、 色 覚 異 常 の あ る 人 に 対 す る 社 会 の 理 解 に 関 す る研 究 の 動 向 を 確 認 す る 。 文 献 検 索 サ イ トCiNiiで. 検 索 した 結 果 、 色 覚 異 常 の. あ る 人 に 対 す る 社 会 の 理 解 に 関 す る 研 究 論 文 が1998年 に18件. 存 在 した 。 そ れ ら を. か ら2006年. の間. 「色 覚 異 常 の あ る 人 の 進 学 ・就 労 と 人 権 を. 考 察 し た 研 究 」 と 、 「色 彩 の バ リ ア フ リ ー を 提 唱 し た 研 究 」 の 大 き く2種 類 に 分 類 し 、 そ れ ぞ れ 表 に ま と め た(Tablel,Tablet)。 各3件. ず つ紹 介 す る 。. 11.
(15) Table1色. 覚 異 常 の あ る 人 の 進 学 ・就 労 と 人 権 を 考 察 し た 研 究. 出版 年 1998. 著 者 高 柳 泰 世. 「タ イ ト ル 」 雑 誌. 「女 子 色 覚 異 常 者 の 就 労 と 人 権 」. 産 業 衛 生 学 会. 誌,40(2),46. 1998. 高 柳 泰 世. 「色 覚 障 害 者 の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 」. ー シ ョ ン 医 学. 2004. 高 柳 泰 世. リハ ビ リテ. ,35(12),1031.. ・宮 尾 克. 「欠 格 条 項 と し て の 色 覚 の 見 直 し 」. 産 業. 衛 生 学 会 誌,42(2),76-77. 2004. 高 柳 泰 世. 「色 覚 検 査 の バ イ オ エ シ ッ ク ス 」. リハ ビ リ テ ー シ. ョ ン 医 学,37(12),114g, 2004. 高 柳 泰 世. 「色 覚 検 査 が バ リ ア を 作 っ て い る 」. リハ ビ リテ ー. シ ョ ン 医 学,41(10),702. 2005. 高 柳 泰 世 ・宮 尾 克 ・石 原 伸 哉 直 しの 歴 史 に つ い て 」. 2005. 高 柳 泰 世 ・宮 尾 克 し:警. 2006. 産 業 衛 生 学 会 誌,47(1),46.. 「一 般 健 康 診 断 に 含 ま れ る 色 覚 検 査 の 見 直. 察 官 、 自 衛 官 、JR職. 産 業 衛 生 学 会 誌,47(臨 高 柳 泰 世 ・宮 尾 克. 「小 型 船 舶 操 縦 士 の 弁 別 力 の 見. 員 、 国 家公 務 員 採 用 時 の 色 覚 検 奪 」. 時 増 刊),486. 「色 覚 異 常 者 検 査 表 誤 認 者 の 就 労 と 人 権 」. 産 業 衛 生 学 会 誌,48(1),34, 2006. 高 柳 泰 世. ・宮 尾 克. 「船 舶 操 縦 免 許 取 得 試 験 と 弁 色 力 判 定 基 準. に 関 す る 産 業 委 の 役 割.」. 産 業 衛=生 学 会 誌,48(臨. 12. 時 増 刊)420..
(16) Tablet色. 彩 の バ. リア フ リー を 提 唱 し た 研 究. 出版 年 1998. 著者 長 澤 和 弘. 「タ イ トル 」 雑 誌. 「色 覚 異 常 に 優 し い 色 使 い を 」. 日本 色 彩 学 会. 誌,22(3),115, 1999. 高 柳 泰 世. 「色 覚 障 害 者 の バ. ー シ ョ ン 医 学. 2004. 近 藤 昭 治. リア フ リー の 方 策 」. リ ハ ビ リテ. ,36(12),999. 「色 覚 異 常 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 」. 日本 色 彩 学 会. 誌,25(3),205 2001. 中 村 か お る. ・岡 島 修. 「色 覚 異 常 と ス ラ イ. ド使 用 色 」. 日本 色. 彩 学 会 誌,25(3),212, 2003. 中 村 か お る ・岡 島 修. 「色 覚 異 常 と プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 使 用 色 」. 電 子 情 報 通 信 学 会 誌,86(1),29-32. 2004. 目 黒 光 彦 ・高 橋 知 紘 ・古 閑 敏 夫 .「. 混 同 色 線 理 論 と色 覚 モ デ ル. に 基 づ くカ ラー 画 像 か らの弁 別 困難 色 の 検 出 と弁 別 しや す い色 へ の 変 換 」 2005. 鈴 木 卓 治. 電 子 情 報 通 信 学 会 技 術 研 究 報 告 ,104(363),19-24. 「黄 色LEDの. 見 え 方 に 関 す る 報 告 書 」. 日本 色 彩. 学 会 誌,29,124-125, ,2005. 市 原 恭 世 系 の 色 覚:日. 「長 谷 川 等 伯 障 壁 画. 「桜 楓 図 」 顔 料 分 析 に み る 赤 色. 本 の 色 彩 文 化 に お け るユ ニ バ ー サ ル カ ラ ー 」. 日. 本 色 彩 学 会 誌,29,124-125, 2005. 金 珠 年. ・矢 口 博 久. ー シ ョ ン 」. ・塩 入 諭. 「色 覚 異 常 者 の 色 弁 別 の シ ミ ュ レ. 日本 色 彩 学 会 誌. 13. ,29,116-117..
(17) 1.色. 覚 異 常 の あ る 人 の 進 学 ・就 労 と 人 権 を 考 察 し た 研 究. 1)高. 柳 泰 世(1998)「. 女 子 色 覚 異 常 者 の 就 労 と人 権 」. 一 般 に使 われ て い る石原 式 色 覚 検 査 表 で は. 、色 彩 識 別 能 力 を判 定 す る. こ と は で き な い 上 に 、色 覚 異 常 の あ る 女 子 に 関 し て は 誤 診 率 が 約50%で あ る 。1980年. 以 来 毎 年 約2万. 人 の 女 子 児 童 生 徒 を 対 象 に 検 診 を 行 い 、女. 子 の 中 に は 就 労 上 注 意 を 要 す る 強 度 色 覚 異 常 の あ る 女 は 約10%以. 下 で. あ る こ と を 示 し た 。 色 覚 異 常 の あ る 女 子 の 労 働 能 力 の 評 価 と個 人 の 尊 重 を維 持 す る た め に 、 色 覚 検 査 を 見 直 す 必 要 が あ る。 2)高. 柳 泰 世 ・ 宮 尾 克(2004)「. 欠 格 条 項 と して の 色 覚 の 見 直 し」. 日 本 で は 、 「色 覚 異 常 」 と 判 定 さ れ た 人 た ち の 社 会 適 応 能 力 は 過 小 評 価 さ れ て き て い る 。 多 く の 学 部 学 科 に お い て1986年 欠 格 条 項 で あ っ た が 、 年 々 急 速 に 改 善 さ れ 、1999年. まで は 色 覚 異 常 は に は1%と. な った 。. 日 本 欠 格 条 項 を な く す 会 に よ る 世 界 の プ レ ジ ャ ー ボ ー ド制 限 調 査 に よ る と、 先 進 諸 外 国 で色 覚 の制 限 を加 えて い る と こ ろは な い。 3)高. 柳 泰 世(2006)「. 船 舶 操 縦 免 許 取 得 試 験 と弁 色 力 判 定 基 準 に 関 す. る産 業 委 の役 割 」 航 海 士 の 身 体 検 査 基 準 の う ち 弁 別 力 に つ い て は 、 「色 盲 又 は 強 度 の 色 弱 で な い こ と」 と定 め られ て お り、 医 師 に よ る 検 査 結 果 を 記 載 し た 証 明 書 の 提 出 が 義 務 付 け られ て い る が 、 検 査 方 法 に つ い て は 法 令 上 特 段 の 規 定 は な い 。 産 業 医 の先 生方 に よ る労 働 者 の 就 業 上 の配 慮 の 指 導 に際 して は 、 作 業 現 場 を 知 らな い 眼 科 医 に診 断 を 委 ね る こ とな く、 それ ぞ れ の企 業 現 場 に 必 要 な 色 識 別 テ ス ト を 工 夫 ・考 案 し て 、 そ の 実 際 的 な 検 査 で の 判 定 ・配 慮 を 行 う こ と が 求 め ら れ て い る 。. 14.
(18) 2.色. 彩 の バ リ ァ フ リー を 提 唱 し た 研 究. 1)金. 珠 年. ・矢 口 博 久. ・ 塩 入 諭(2005)「. 色 覚 異 常 者 の 色 弁 別 の シ ミ ュ. レ ー シ ョ ン 」. 現 代 社 会 で は 色 彩 を 積 極 的 に 活 用 し、 様 々 な 分 野 で 有 効 な 視 覚 情 報 の 呈 示 に 役 立 て て い る 。 しか し 、 そ の 色 彩 デ ザ イ ン は 基 本 的 に 色 覚 正 常 で あ る 人 を 対 象 に して お り 、 色 覚 異 常 の あ る 人 へ の 十 分 な 配 慮 が な さ れ て い る と は 言 え な い の が現 状 で あ る。 高 い 割 合 を 占 め て い る色 覚 異 常 の あ る 人 へ の 対 応 を 考 慮 し な い わ け に は い か な い 。2色. 覚 の 色 覚 異 常 の あ る. 人 の 色 の 見 え方 の シ ミュ レー シ ョ ンを用 い て 色 弁 別 を調 べ る こ とで 、 実 際 の 見 え 方 を 完 壁 に 再 現 し て い る と は 限 ら な い が 、 シ ミ ュ レー シ ョ ン 方 法 と し て は 妥 当 で あ る こ と が 確 認 で き た 。 これ に 基 づ き 、 色 覚 異 常 の あ る 人 に も 分 か りや す い ユ ニ バ ー サ ル な 色 彩 表 現 が 実 現 で き る よ うな 有 効 的 方 法 を 見 つ け る こ と も 期 待 され る 。 2)目. 黒 光 彦 ・ 高 橋 知 紘 ・ 古 閑 敏 夫(2004)「. 混 同 色 線 理 論 と色 覚 モ デ. ル に 基 づ く カ ラ ー 画 像 か ら の 弁 別 困 難 色 の 検 出 と 弁 別 しや す い 色 へ の 変 換 」 色 覚 異 常 に よ り色 の 区 別 が 難 し い ユ ー ザ ー 向 け に 、 カ ラ ー 画 像 中 の 色 を 弁 別 しや す い よ う に 色 の 修 正 を 施 す こ と で 、 見 や す い カ ラ ー 画 像 を 作 成 す る方 法 を提 案 す る。 提 案 手 法 は、 処 理 対 象 の カ ラー 画像 を色 に よ り 領 域 分 割 を行 い 、 そ れ ぞ れ の領 域 の代 表 色 同 士 の 色 弁 別 が しや す い か否 か を 判 定 し 、 弁 別 が 難 しい 領 域 の 色 の 値 を 変 換 さ せ る こ と で 、 知 覚 しや す い カ ラ ー 画 像 を 生 成 す る も の で あ る 。 こ れ に よ り、 色 覚 に お け る バ リ ア フ リー を 実 現 す る 一 手 法 が 実 現 され る 。 3)中. 村 か お る ・ 岡 島 修(2001)「. パ ー ソ ナ ル. 色 覚 異 常 と ス ラ イ ド使 用 色 」. ・コ ン ピ ュ ー タ の 普 及 に よ っ て 製 作 が 容 易 と な っ た 結 果 、. 15.
(19) プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に 用 い られ る ス ラ イ ドは カ ラ フ ル で 凝 っ た ス ラ イ ド が 急 増 した 。 しか し一 方 で 、色 情 報 が 多 す ぎ て 特 に色 覚 異 常 の あ る人 に と っ て は 判 読 し づ ら い ス ラ イ ドも 増 え て い る 。 日本 眼 科 学 会 、 目本 臨 床 眼 科 学 会 を 始 め 、 多 く の 眼 科 学 会 で は ス ラ イ ド 規 定 に3点. の 内 容(①. 使. 用 色 の 数 は 最 小 限 に と ど め る 、 ② 黒 ・ 青 ・ 白 ・黄 を 基 本 と す る 、 ③ 赤 と 緑 の 同 時 使 用 は 避 け る)が. 盛 り込 ま れ た 結 果 、 見 づ ら い ス ラ イ ドが 激 減. した。 今 後 さ らに 多 方 面 の 学 会 に 向 けて 啓 蒙 を拡 大 した い。. 第6節. 研 究 目的. 問 題 の 所 在 を ま と め る と、 以 下 の よ うに な る 。 ① 社 会 の 体 制 は 変 化 して き た が 、 色 覚 異 常 の あ る 人 に 対 す る 社 会 の 理 解 は まだ 十 分 とは 言 え ない 。 ② 色 覚 検 査 と石 原 式 色 覚 検 査 表 の 問題 点 が 、 色 覚 異 常 の あ る人 へ の 不 当 な 差 別 を 助 長 し 、 現 在 で も 理 解 が 不 十 分 で あ る 原 因 の1つ. に な っ た と考. え られ る 。 ③ 厚 生 労 働 省 は 、 等 級 と生 活 上 の 制 約 が 同 等 で な い こ と を 理 由 に 、 色 覚 異 常 を 障 害 と 認 定 し て い な い が 、な ん ら か の 生 活 上 の 制 約 を 感 じ て い る 、 色 覚 異 常 の あ る 人 が い る。 ④ 色 覚 異 常 の あ る 人 は 、 周 囲 か ら 十 分 な 認 識 や 適 切 な 対 応 が な され に く く 、 そ れ が 心 理 的 な ス ト レス とな っ て し ま う と考 え られ る 。. 色 覚 異 常 の あ る 人 の 進 学 ・就 労 と 人 権 を 考 察 し た 研 究 は な さ れ て い る (高 柳,2006;高. 柳,2004;高. 柳,1998)。. ま た 、色 覚 異 常 の あ る人 の 見 え. 方 に 関 す る 課 題 を 考 察 し、 色 彩 の バ リ ア フ リ ー を 提 唱 し た 研 究 も な され. 16.
(20) て い る(金. ら,2005;目. 黒 ら,2004;中. 村 ら,2001)。. し か し 、 色 覚 異 常 の. あ る 人 の 心 理 面 に 着 目 し 、 事 例 的 に 研 究 し た も の は 見 当 た ら な い 。. 広 く 社 会 に 認 知 され て お ら ず 、 十 分 に 理 解 さ れ に く い か ら こ そ 、 色 覚 異 常 の あ る 人 の 心 理 面 を 明 らか に す る こ とが 、 社 会 の 理 解 に っ な が る と 考 え る。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、 例 え ば 色 覚 異 常 と分 か っ て か ら ど の よ うな 葛 藤 が 見 られ た か 等 、色 覚 異 常 の あ る人 が 自 己肯 定 に 至 る心 理 的 な変 化 を明 らか に し、 そ の 変 化 に影 響 を与 え る要 因 を検 討 す る こ とを 目的 とす る。. 17.
(21) 第2章. 第1節. 研究方法. 対 象'. 色 覚 異 常 の あ る 男 性3名. Table3対. を 対 象 と す る(Table3)。. 象 者 の プ ロ フ ィ ー ル. 年齢. 仮名. 職 業. 当 時 の診 断名. 改訂 後 の 名 称. Aさ. ん. 49歳. 中学校 教 員. 赤緑色盲. 1型. ・2型2色. 覚. Bさ. ん. 47歳. 中学校 教 員. 赤緑色 弱. 1型. ・2型3色. 覚. Cさ. ん. 34歳. 高等学校教員. 赤緑色 盲. 1型. ・2型2色. 覚. 第2節. Aさ. 調 査 方法. ん 、Bさ. ん 、Cさ. ん 及 び 調 査 者 に よ る 、4者. 面 談 を 実 施 し た 。4. 者 面 談 は 、 ① 他 者 の 回答 に触 発 され て 対 象 者 自信 の 考 え方 等 を 相 対 化 ・ 客 観 化 で き る 、② 特 定 の 話 題 に つ い て 対 象 者 の 理 念 ・感 情 ・受 け 止 め 方 ・ 考 え 方 を 引 き 出 す こ と が で き る 、 と い う2点. の長 所 を持 ち 、 本 研 究 の 目. 的 を 達 成 す る た め に 有 効 で あ る と 考 え た 。 調 査 者 が 注 意 深 く進 行 を コ ン トロ ー ル し な け れ ば 特 定 の 対 象 者 の 話 に 偏 る とい う短 所 を 持 っ た め 、 そ の 短 所 を 補 う た め に 偏 り気 味 な 箇 所 に っ い て 個 別 の イ ン タ ビ ュ ー を 後 日 実 施 した 。 対 象 者 に は 、 事 前 に 本 研 究 の 目的 を 説 明 し た 上 で 参 加 し て い た だ い た 。 調 査 者 が 質 問 内 容 を 提 示 し 、 自 由 に 語 っ て も ら う こ と を 原 則 と し た 。4 者 面 談 及 び 個 別 の イ ン タ ビ ュー の 内容 は 、 対 象 者 に了 解 を得 て テ ー プ レ. 18.
(22) コ ー ダ ー に 記 録. 第3節. し た 。. 質 問 内容. 色 覚 異 常 に 関 す る 先 行 研 究 と、 色 覚 異 常 の あ る 人 の 自 叙 伝 を 参 考 に 、 心 情 に 強 く影 響 を 及 ぼ す と考 え られ る 質 問 内 容 を 作 成 し た 。 そ し て そ れ ら を 妥 当 な も の に す る た め 、 色 覚 異 常 の あ る 男 性1名(対. 象 者 以 外)に. 見 て も らい 、 助 言 を受 け た。 ① 色 覚 異 常 だ と分 か っ た 時 の経 緯 や 様 子 ・分 か っ た き っ か け ・家 族 の 反 応 ② 印 象 に 残 っ て い る エ ピ ソー ド ・小 学 校 、 中 学 校 、 高 等 学 校 、 大 学 、 就 職 、 結 婚 等 、 そ れ ぞ れ の 時 期 に 印 象 に残 っ て い る エ ピ ソー ド ・ 図 工/美. 術 の 時 間 の様 子. ③ 周 囲 の 人 々 の 様 子 ・家 族 と の か か わ り に つ い て ・友 人 と の か か わ り に つ い て ④ 色 覚 異 常 に対 す る思 い ・ど の よ う な 葛 藤 や 心 の 変 化 が あ っ た か ・何 を 機 に 受 け 入 れ る こ と が で た か ・現 在 ど う 思 っ て い る か ・厚 生 労 働 省 が 色 覚 異 常 を 障 害 と 認 定 し て い な い こ と に っ い て ⑤ 日常 生 活 ・ 日常 生 活 に お い て 困 る こ と. 19.
(23) ⑥ 名 称 に つ い て ・「色 覚 異 常 」 よ り も 「色 覚 特 性 」 や. 「色 覚 偏 位 」 等 の 名 称 が ふ さ わ し い. と い う意 見 が あ る こ と に つ い て ⑦ 色 覚 検 査 に つ い て ・学 校 で の 色 覚 検 査 の 必 要 性 に つ い て ⑧ 遺 伝 に つ い て ⑨ 学 校 の 現 状 ・現 任 校 に お い て 色 覚 異 常 に 対 す る 認 識. ・配 慮 は さ れ て い る か. ⑩ 教 員 に な っ た 理 由. 第4節. 1.分. 分析方法. 析 手 順. 分 析 は 、 以 下 の 手 順 で 行 っ た 。 ま ず 著 者1名. で ラ ベ ル 名. ・カ テ ゴ リ ー. 名 を っ け 、 次 に小 児 科 医 で あ る発 達 臨床 心 理 士 と共 にデ ー タ を読 み 直 し な が ら分 析 を 行 っ た 。 ① 録 音 した デ ー タ を全 て文 字化 す る ② 文 字 化 し た デ ー タ を 切 片 化 して ラ ベ ル 名 を つ け る 切 片 化 と は 、 情 報 の ま と ま り ご と に 区 切 る こ と で あ る 。1つ. の言 葉 ご. とに 区 切 る 、 文 章 や 段 落 ご とに 区切 る等 、含 ま れ て い る情 報 の 量 に よっ て 、 区 切 る 大 き さを 分 け る。 ラベ ル 名 は 、 抽 象 度 を上 げ た名 前 をつ け て 、 デ ー タ に書 い て あ る こ と を 表 した もの で あ る。. 20.
(24) ③ カ テ ゴ リー に 分 類 し て カ テ ゴ リー 名 を つ け る カ テ ゴ リ ー に 分 類 す る と は 、 ラ ベ ル 名 を 見 な が ら似 て い る ラ ベ ル を 同 じ グル ー プ に 分 類 す る こ とで あ る。 カ テ ゴ リ ー 名 は 、 グ ル ー プ の ラ ベ ル を 包 括 し た 名 前 で あ る0ラ. ベ ル 名. の 中 に適 当 な も の が あれ ば 、 それ を選 ぶ 。 ④ カ テ ゴ リー 関 連 図 を 描 く カ テ ゴ リ ー 関 連 図 は 、カ テ ゴ リ ー 同 士 の 関 連 を 図 で 表 し た も の で あ る 。 ⑤ ス. トー. り一 ラ イ ン を 書 く. ス. トー. リー ラ イ ン は 、 ラ ベ ル 名 と カ テ ゴ リー 名 を 用 い て 、 カ テ ゴ リー. そ の も の や カ テ ゴ リー 同 士 の 関 連 を 記 述 し た も の で あ る 。 、. 2.分. 析 手 順 の モ デ ル. 発 話 デ ー タ の 一 部 を 取 り上 げ て 、 デ ー タ を 文 字 化 して か ら カ テ ゴ リー に分 類 す る ま で の分 析 手順 のモ デ ル を示 す 。 表 記 に 関 し て 、 以 下 の5点 ① ラ ベ ル 名 は. を断 って お き た い。. 〈〉 内 に 示 す 。. ② カ テ ゴ リ ー 名 は 《》 内 に 示 す 。 ③. 「そ こ で 」 や. 「そ ん な こ と 」 等 、 指 示 代 名 詞 が 意 味 す る 内 容 や 、 語 り. の 中 で 省 略 さ れ た 主 語 や 修 飾 語 は 、O内 ④AはAさ. ん 、BはBさ. ん 、CはCさ. ん 、Rは. に示 す 。 調 査 者 を 表 す 。. ⑤ 数 字 は 発 言 の順 番 を表 す 。. /)発. 話 デ ー タ の 一 部. 文 字 化 した 発 話 デ ー タ を切 片化 し、 そ れ ぞれ に ラベ ル 名 をっ け た 。. 21.
(25) A6:あ. れ(色. 覚 検 査)な. 、 色 覚 異 常 み た い な 毎 年 一 緒 で し ょ う?変. われ. へ ん の に ね 。 な ぜ 何 回 も す る の か 分 か り ま せ ん で し た 。 〈毎 年 実 施 さ れ る色 覚 検 査 に対 す る疑 問〉 B6:す. うね ん 、 毎 年 ね 。 僕 も. 「何 回 し て も 、 分 か ら な い の に 、 見 え な. い の に 。 な ぜ 何 回 も す る の だ ろ う?」. と 思 っ て い ま し た 。 〈色 覚 検 査. の 実 施 ご とに感 じる疑 問〉 C6:並. ぶ ん で す よ ね 、 色 覚 検 査 っ て 。. A7:み. ん な の い る 前 で い つ も は じ か れ て 、 横 に ね 。 「立 っ と き 。」 っ て. 言 わ れ て 。 〈排 斥 さ れ て い る と い う 意 識 〉 そ れ が す ご く 屈 辱 で し た 。 〈色 覚 検 査 ご と に 味 わ う 屈 辱 感 〉 毎 年 の よ うに色 覚検 査 が あ って 、 コ ン プ レ ッ ク ス と思 う よ うにな り ま し た ね 。 〈色 覚 検 査 に よ る コ ン プ レ ッ ク ス の 芽 生 え 〉 僕 の マ イ ノ リテ ィ ー の あれ は 、 そ こで 培 われ た と思 っ て い ま す 。 〈色 覚 検 査 に よ る マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 の 形 成 〉 C7:検. 査 の 時 は 、 と りあ え ず 並 ん で る ん で 、 僕 も う見 え へ ん の 分 か っ て る か ら 、 こ う や っ て(前. を 見 る ジ ェ ス チ ャ ー)予. 習 す る ん で す よ。. 〈色 覚 検 査 で 分 か ら な い こ と へ の 対 処 法 〉 R2:前 C8:そ. の 人 を 見 て? う。周. り も 僕 が 見 え へ ん の 分 か っ て い る か ら 、珍 し が っ て い た 。. 自分 の番 が き た 時 に 、 後 ろか ら. 「お い 、 分 か れ へ ん の?」. っ て 言 わ. れ ま し た ね 。 〈色 覚 検 査 が 分 か ら な い 〉 B7:反. 対 も あ る で し ょ?「. な ん で 見 え る の?」. と友 達 か ら言 わ れ る よ. う な 問 題 が 。 〈色 覚 検 査 に 対 す る 不 満 〉 A8:そ. う そ う そ う 、 そ う い う い や ら し い 検 査 で し た ね 。 〈色 覚 検 査 に 対 す る 不満 〉. 22.
(26) 2)対. 処 者 ご と の ラ ベ ル と カ テ ゴ リー. ラ ベ ル を 対 象 者 ご と に 取 り出 し 、 カ テ ゴ リー に 分 類 し て カ テ ゴ リ ー 名 を っ け た 。. (1)Aさ. ん. 《色 覚 検 査 で の 心 理 的 な ダ メ ー ジ 》 ・み ん な の い る 前 で 「立 っ と き 。」 と(先. 生 に)言. わ れ て 、 い っ も横 に は. じ か れ る 。 〈排 斥 さ れ て い る と い う 意 識 〉 ・(再 検 査 の た め)み. ん な の い る 前 で い つ も横 に は じ か れ て 、そ れ が す ご. く 屈 辱 だ っ た 。 〈色 覚 検 査 ご と に 味 わ う 屈 辱 感 〉 ・毎 年 の よ う に 色 覚 検 査 が あ っ て 、(色 覚 異 常 を)コ. ン プ レ ッ ク ス と思 う. よ う に な っ た 。 〈色 覚 検 査 に よ る コ ン プ レ ッ ク ス の 芽 生 え 〉 ・色 覚 異 常 だ と 分 か る 問 題 も あ り 、 い や ら し い 検 査 だ っ た 。 〈色 覚 検 査 に 対 す る 不 満 〉 ・見 え 方 は 変 わ ら な い の に 、 な ぜ 何 回 も す る の か 分 か ら な か っ た 。 〈毎 年 実 施 され る色 覚 検 査 に対 す る疑 問 〉 《マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 の 形 成 》 ・ 自 分 の マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 は そ こ で(色 て)培. 覚 検 査 で 体 験 した こ とを 通 し. わ れ た と 思 っ て い る 。〈色 覚 検 査 に よ る マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 の 形 成 〉. (2)Bさ. ん. 《色 覚 検 査 で の 心 理 的 な ダ メ ー ジ 》 ・「な ん で 見 え る の?」 人 の み 分 か る 問 題)が ・何 回 も(色. と 友 達 か ら 言 わ れ る よ う な 問 題(色. 覚 異 常 の あ る. あ っ た 。 〈色 覚 検 査 に 対 す る 不 満 〉. 覚 検 査 を)す. る 。 「何 回 し て も 、 分 か ら な い の に 、 見 え な い. 23.
(27) の に 。 な ぜ 何 回 も す る の だ ろ う?」. と 思 っ て い た 。 〈色 覚 検 査 の 実 施 ご と. に感 じ る疑 問 〉. (3)Cさ. ん. 《自 分 な り の 対 処 法 》 ・(色 覚 検 査 で 前 の 子 が 検 査 を し て い る 時 に)こ ス チ ャ ー)予. う ,や っ て(前. を 見 る ジ ェ. 習 す る 。 〈色 覚 検 査 で 分 か ら な い こ と へ の 対 処 法 〉. 《色 覚 検 査 で の 分 か ら な い 体 験 》 ・周 り も 僕 が 見 え な い こ と を 分 か っ て い る か ら 、 珍 し が っ て い た 。 自 分 の 番 が き た 時 に 、 後 ろ か ら 「お い 、 分 か れ へ ん の?」 検 査 が分 か ら な い〉. 24. と 言 わ れ た 。 〈色 覚.
(28) 第3章. 第2章. 第4節. 結果. で 述 べ た 分 析 方 法 に 基 づ い て 、 事 例 ご と に 分 析 した 結 果. を 示 す 。 カ テ ゴ リ ー 関 連 図 と ス ト ー リ ー ラ イ ン に 関 し て は 、「色 覚 異 常 の あ る 人 が 自 己肯 定 に至 る心 理 的 な 変 化 」 に 焦 点 を 当 て て 示 した 。 表 記 に 関 し て 、 以 下 の3点 ① ラ ベ ル 名 は. を断 っ て お き た い。. 〈〉 内 に 示 す 。. ② カ テ ゴ リ ー 名 は 《》 内 に 示 す 。 ③. 「そ こ で 」 や. 「そ ん な こ と 」 等 、 指 示 代 名 詞 が 意 味 す る 内 容 や 、 語 り. の 中 で 省 略 さ れ た 主 語 や 修 飾 語 は 、O内. 第1節Aさ. 111の. 1.ラ. に示 す 。. ん の 事 例. 発 話 か ら 、44の. ラ ベ ル と19の. カ テ ゴ リー が 得 ら れ た 。. ベ ル と カ テ ゴ リー. 《母 親 の 心 理 的 な ダ メ ー ジ 》 ・母 さ ん の 「(兄 弟 親 戚 の 中 で)1番 覚 異 常 が)出. 勉 強 で き る の に 、な ん で あ ん た に(色. た ん や 。」 と い う 言 葉 が 忘 れ ら れ な い 。 〈母 親 の 色 覚 異 常 に. 対 す る 否 定 的 な 受 け止 め〉 ・お 医 者 さ ん に 「色 覚 異 常 は 治 り ま せ ん 。」 と 言 わ れ て 、 自 分 以 上 に 母 さ ん が シ ョ ッ ク を 受 け て い た 。〈色 覚 異 常 に 対 す る 否 定 的 な 受 け 止 め か ら 母 親 が 受 け る 心理 的 な ダメー ジ〉. 25.
(29) 《家 族 の 理 解 の な さ や 配 慮 の 不 十 分 さ 》 ・一 般 的 な 家 庭 で は 、 色 覚 異 常 に っ い て 詳 し く 知 ら な い 。 〈家 族 の 色 覚 異 常 に 関 す る知 識 の な さ〉 ・父 の 系 列 だ と か 、 母 の 系 列 だ と か 、 責 め 合 い が 出 て く る 。 そ の 中 で 小 さ く な り な が ら 、 申 し 訳 な い と 思 っ て い た 。 〈自 責 の 念 に 駆 ら れ る 〉 ・「何 色 に 見 え る の?」. と 、 家 族 中 か ら 聞 か れ る こ と が 嫌 だ っ た 。 〈家 族. の 色 覚 異 常 に 対 す る 配 慮 の 不 十 分 さ〉. 《色 覚 検 査 で の 心 理 的 な ダ メ ー ジ 》 ・み ん な の い る 前 で. 「立 っ と き 。」 と(先. 生 に)言. わ れ て 、 い つ も横 に は. じ か れ る 。 〈排 斥 さ れ て い る と い う 意 識 〉 ・(再 検 査 の た め)み. ん な の い る 前 で い つ も横 に は じ か れ て. 、そ れ が す ご. く 屈 辱 だ っ た 。 〈色 覚 検 査 ご と に 味 わ う 屈 辱 感 〉 ・毎 年 の よ う に 色 覚 検 査 が あ っ て 、(色 覚 異 常 を)コ. ン プ レ ッ ク ス と思 う. よ う に な っ た 。 〈色 覚 検 査 に よ る コ ン プ レ ッ ク ス の 芽 生 え 〉 ・色 覚 異 常 だ と 分 か る 問 題 も あ り. 、 い や ら し い 検 査 だ っ た 。 〈色 覚 検 査 に. 対 す る 不 満 〉 ・見 え 方 は 変 わ ら な い の に 、 な ぜ 何 回 も す る の か 分 か ら な か っ た 。 〈毎 年 実 施 され る 色 覚 検 査 に 対 す る 疑 問 〉. 《マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 の 形 成 》 ・ 自 分 の マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 は そ こ で(色 て)培. 覚 検査 で体 験 した こ とを通 し. わ れ た と 思 っ て い る 。〈色 覚 検 査 に よ る マ イ ノ リ テ ィ ー 精 神 の 形 成 〉. ・ 人 と は 違 う と い う 、 原 点 は そ こ(色 と 思 う 。 〈人 と 違 う と い う 意 識 〉. 26. 覚 検 査 で 排 斥 さ れ た 体 験)に. あ る.
(30) 《マ イ ノ リ テ ィ ー と マ ジ ョ リ テ ィ ー 》 ・4人. 君(イ. 中3人. が 分 か らな い か ら、 俺 た ち が こ れ は 赤 色 だ と言 っ た 時 に 、. ン タ ビ ュ ア ー)が. マ イ ノ リ テ ィ ー に な る 。 〈マ イ ノ リ テ ィ ー と マ ジ. ョ リテ ィ ー の 関 係 〉 ・世 間 で は 、 マ ジ ョ リ テ ィ ー が 正 し い か ら 。 〈マ ジ ョ リ テ ィ ー が 正. しい と. さ れ る 世 間 〉. 《色 覚 異 常 の 否 定 》 ・色 覚 異 常 が 嫌 で 、悩 ん で い た 時 期 が あ っ た 。〈色 覚 異 常 を 否 定 す る 思 い 〉 ・も の す ご く コ ン プ レ ッ ク ス だ っ た 。〈人 よ り 劣 っ て い る と い う 強 い 意 識 〉. 《恩 師 の 肯 定 的 な か か わ り 》 ・ 中 学 校3年. 生 の 時 、 担 任 の 先 生(恩. 師)が. 「そ ん な こ と(色. 覚 異 常). で 悩 ん で い た ら い け な い 。」 と 言 っ て く れ た 。 〈恩 師 の 励 ま し 〉 ・悩 み を 聞 い て く れ た し 、(学 校 生 活 全 般 に わ た っ て)熱. 心 に 指 導 して く. れ た 。 〈恩 師 の 積 極 的 な か か わ り 〉 ・ 工 業 高 校 の 受 験 を 応 援 し て く れ た 。 〈恩 師 の 進 路 指 導 〉. 《自 己 肯 定 の 芽 生 え 》 ・ こ れ(色. 覚 異 常 の あ る 自 分)で. 良 い の だ と 、 初 め て 思 え た 。 〈色 覚 異 常. の あ る 自分 を 肯 定す る思 い 〉. 《制 約 の な い 部 分 で の 努 力 》 ・努 力 し な い と だ め だ と 、 ず っ と 思 っ て い る 。 〈努 力 し 続 け る こ と の 重 要 性 〉. 27.
(31) ・受 け 入 れ る き っ か け と い う か 、 学 生 の 頃 は そ の 他 の と こ ろ(色 を 要 し な い 科 目)で. の 判 別. 努 力 し て 、 自 信 を 培 っ て き た 。 〈色 覚 異 常 に よ る 制 約. の な い 部 分 で の 努 力 〉. 《遺 伝 の 肯 定 》 ・ 俺 は 色 覚 異 常 だ か ら 色 々 な 良 い も の(身. 長 や 体 力)を. 貰 った と、 そ う. 思 っ て 生 き る よ う に な っ た 。 〈良 い も の を 遺 伝 し た と い う 思 い 〉. 《自 己 肯 定 》 ・今 の 自 分 は こ れ(色. 覚 異 常 の あ る 自 分)で. 良 い 。 〈色 覚 異 常 の あ る 自 己. を 肯 定 す る 思 い 〉. 《教 育 場 面 で の 困 難 》 ・何 色 を 塗 っ た ら い い か 分 か ら な い 時 、 先 生 か ら の ア ドバ イ ス は な か っ た 。 〈図 画 工 作 で の 教 師 の 配 慮 の 不 十 分 さ 〉. 《日 常 生 活 で の 困 難 》 ・青 色 発 光 ダ イ オ ー ド が で き て い る の に 、 緑 色 の 信 号 が あ る 。 太 陽 が 当 た っ て い る 西 日 の 時 は 、特 に 分 か り く に く い 。〈信 号 の 色 の 分 か り に く さ 〉 ・旅 行 し た 時 、 地 方 は 緑 色 の 信 号 が 多 い 。 〈地 方 の 緑 色 信 号 の 多 さ に よ る 困難 〉 ・ 夜 の 点 滅 信 号 も 分 か り に く い 。 〈点 滅 信 号 の 分 か り に く さ 〉 ・俺 ら が ど ん な 風 に 見 え て い る か を 、 み ん な は 知 ら な い か ら 。 〈色 覚 異 常 の あ る人 の 見 え 方 の認 識 不 足 〉. 28.
(32) 《理 解 の 必 要 性 》 ・教 師 が 子 ど も に 応 じ た 支 援 を 考 え る べ き だ 。 〈子 ど も に 応 じ た 支 援 の 必 要 性 〉 ・ 世 間 の 配 慮 は 足 り て い な い と 思 う 。 〈世 間 の 配 慮 の 不 十 分 さ 〉 ・脳 性 麻 痺 の 友 人 が ど(ト. イ レ 等)、. 「足 の 不 自 由 な 人 に は ど ん ど ん 便 利 に な っ て い る け. 手 の 不 自 由 な 人 に は 何 も な い 。」 と 言 っ て い た 。 〈世 間 の. 配 慮 の 不 十 分 さ〉. 《色 覚 検 査 の 必 要 性 》 ・ 教 師 が 子 ど も に 応 じ た 支 援 を 考 え る た め に 、 学 校 で1回 〈1回. す るべ きだ 。. の み 色 覚 検 査 を す る こ との 必 要 性 〉. 《進 学 時 に 体 験 し た 制 限 と 困 難 》 ・色 覚 異 常 が 原 因 で 工 業 高 校 は 補 欠 合 格 だ っ た が. 、 不合 格 で は な い こ と. が 大 き か っ た 。 〈色 覚 異 常 が 原 因 の 補 欠 合 格 〉 ・ 教 育 大 に 電 話 し た が 、 「色 覚 異 常 は 駄 目 だ 」 と 言 わ れ た 。 〈教 育 大 入 学 時 の 受 験 制 限〉. 《就 職 時 に 体 験 し た 制 限 と 困 難 》 ・ パ イ ロ ッ ト に 憧 れ て い た 。 〈就 き た か っ た 職 業 〉 ・ 勉 強 し た け ど 、 医 者 の 道 は 閉 ざ さ れ て 行 く 。 〈医 者 に は な れ な い 〉 ・物 を 書 こ う と 思 っ て 文 学 部 に 入 学 し た が. 、 新 聞 社 に も 錫 行 に も就 職 で. き な か っ た 。 〈職 業 選 択 の 制 限 〉 ・な り た い 職 業 の う ち 、 そ れ(国. 語 の 教 員)し. の 教 員 に な っ た 理 由〉. 29. か 仕 事 が な か っ た 。 〈国 語.
(33) 《遺 伝 す る こ と へ の 配 慮 と 不 安 》 ・結 婚 す る 時 は 、 「こ れ か ら 子 々 孫 々 に 渡 っ て 、(色. 覚 異 常 が)出. る こ と. は あ る よ 。」 と 妻 に 言 っ た 。 〈遺 伝 す る 可 能 性 に つ い て 配 偶 者 へ の 告 知 〉 ・娘 に は 色 覚 異 常 の 男 性 と 結 婚 し て ほ し く な い と 思 う 。 〈遺 伝 す る こ と へ の不 安 〉. 《色 を 見 た い と い う 思 い 》 ・俺 は 俺 な り に 綺 麗 に 見 え て い る 。 正 常 な 人 は も っ と 綺 麗 に 見 え る の か と 思 っ た ら 、 そ れ は 見 た い 。 〈色 覚 正 常 の 人 の よ う に 綺 麗 な 色 を 見 た い と い う思 い 〉 ・桜 の 色 が ピ ン ク 色 と い う こ と を 初 め て 知 っ た 時 、 感 動 し た と 共 に と て も衝 撃 を受 け た 。 だ か ら、 そ の 色 に 見 え た い とそ の 時 に 初 め て 思 った 。 〈色 覚 正 常 の 色 を 見 た い と 思 う よ う に な っ た き っ か け 〉 ・夕 日 が す ご く 綺 麗 で 泣 き そ う な 時 が あ る 。 こ の 俺 で こ ん な に 綺 麗 に 見 え る の な ら 、 ど ん な に も っ と 感 動 で き る の だ ろ う?見. え た ら絶 対 も っ と. 綺 麗 な の だ ろ う と 思 っ た 瞬 間 に は 、見 た い と は 思 う 。 〈よ り 綺 麗 に 見 え て よ り感 動 し た い と い う思 い 〉. 2.カ Aさ. テ ゴ リ ー 関 連 図 ん の カ テ ゴ リ ー 関 連 図 を 、Fig.1'に. 30. 示 す 。.
(34) 色 覚 検 査 での 心理 的 なダメー ジ. 家族の理解のなさや 配慮の不十 分さ. 母親 の 心理 的 なダメー ジ. F. F. マイノリティー 精 神 の形 成. 色覚異 常の否定. -冒 恩師の肯定的な かかわり. マ イノリテ ィー と マ ジ ョリテ ィー. 「F. 自己肯定の芽生え. i. ri. 年. 制約のない部分での努 力. 遺伝の 肯定. i. G,. 遺 伝 すること への不安. i 「「. 自己 肯定. FiglAさ. 嘲,. 色 を見 たいという思 い. ん の カ テ ゴ リー 関 連 図. 31.
(35) 3.ス. ト ー. リ ー. ラ イ. ン. 母 親 が 心 理 的 な ダ メー ジ を 受 け た こ と、 家 族 の色 覚 異 常 に 対 す る理 解 の な さや 配 慮 の 不 十 分 さ、 そ して 、色 覚 検 査 で 心 理 的 な ダ メ ー ジ を 受 け た こ とが 、 色 覚 異 常 を 否 定 す る 思 い に 繋 が っ た 。 し か し 、 励 ま しや 積 極 的 な か か わ り と い う 、 恩 師 の 肯 定 的 な か か わ り に よ っ て 自 己 肯 定 が 芽 生 え 、 色 覚 異 常 に よ る 制 約 の な い 部 分 で 努 力 した こ と と、 遺 伝 を 肯 定 す る思 い が 、 自己肯 定 に 繋 が っ た。 色 覚 検 査 で 心 理 的 な ダ メ ー ジ を 受 け た こ と に よ っ て マ イ ノ リテ ィ ー 精 神(自. 分 が マ イ ノ リ テ ィ ー で あ る と い う 認 識)が. 形 成 され 、 色 覚 正 常. と色 覚 異 常 の 関 係 を 、 マ ジ ョ リテ ィ ー と マ イ ノ リ テ ィ ー の 関 係 で 捉 え る よ うに な っ た 。 遺 伝 を 肯 定 しっ つ も こ 子 孫 に 遺 伝 す る こ と に 不 安 を 感 じ る と い う思 い と、 色 覚 異 常 の あ る 自己 を肯 定 しっ つ も 、色 覚 正 常 の色 を見 た い とい う 思 い が あ る 。. 第2節Bさ. 118の. 1.ラ. ん の事 例. 発 話 か ら 、36の. ラ ベ ル と15の. カ テ ゴ リ ー が 得 られ た 。. ベ ル と カ テ ゴ リ ー. 《色 覚 検 査 で の 心 理 的 な ダ メ ー ジ 》 ・「な ん で 見 え る の?」 人 の み 分 か る 問 題)が ・何 回 も(色. と 友 達 か ら 言 わ れ る よ う な 問 題(色. 覚 異 常 の あ る. あ っ た 。 〈色 覚 検 査 に 対 す る 不 満 〉. 覚 検 査 を)す. る 。 「何 回 し て も 、 分 か ら な い の に 、 見 え な い. 32.
(36) の に 。 な ぜ 何 回 も す る の だ ろ う?」. と 思 っ て い た 。 〈色 覚 検 査 の 実 施 ご と. に感 じる 疑 問 〉 ・俺 は 小 学 校 高 学 年 の 頃 、 友 達 に. 「こ れ 何 色?」. と聞 か れ て 嫌 だ っ た 。. 〈同 級 生 の 色 覚 異 常 に 対 す る 無 知 故 の 無 理 解 か ら く る 対 応 へ の 嫌 悪 感 〉. 《色 を 正 確 に 識 別 で き な い こ と で の 心 理 的 な ダ メ ー ジ 》 ・何 故 ち ・ や ん と 見 え な い の だ ろ う?描. け な い の だ ろ う?と. 思 っ て い た 。. 〈色 を 正 確 に 識 別 で き な い こ と へ の も ど か し さ 〉 ・(悔. し く て)た. ま ら な か っ た 。 〈色 を 正 確 に 識 別 で き な い こ と へ の 悔 し. さ〉 ・ ど の 色 を 塗 っ た ら い い の だ ろ う?俺 ろ う か?と. は これ に見 え る け ど、 正 解 な の だ. 思 っ た 。 〈色 を 塗 る 時 の 自 信 の な さ や 不 安 〉. ・ も う 絵 は 描 き た く な い と 思 っ た 。 〈困 難 か ら 感 じ る 図 画 へ の 拒 否 感 〉 ・図 工/美. 術 の 時 間 が 非 常 に 嫌 い に な っ た 。 〈困 難 か ら 感 じ る 図 工/美. 術. へ の 嫌 悪 感 〉 《コ ン プ レ ッ ク ス 》 ・ 俺 、(色. 覚 異 常 が)コ. ン プ レ ッ ク ス だ っ た 。 〈色 覚 異 常 を コ ン プ レ ッ ク. ス と捉 え て い た 〉. 《担 任 の 肯 定 的 な か か わ り 》 ・6年. 生 の 時 の 担 任 の 先 生 が 、 「君 は 少 数 者 だ 。 ど ち ら の 見 え 方 が 正 し い. と は 言 え な い 。 見 え 方 が 多 い 人 と 少 な い 人 が い る か ら、 君 の 見 え 方 が 正 し い か も しれ な い 。 た だ 君 の 見 え 方 と違 う人 が 多 い だ け で 、 そ れ が 中 心 に な っ て い る だ け だ 。」 と 言 っ て く れ た 。 〈色 覚 異 常 を マ イ ノ リ テ ィ ー と 捉 え る担 任 〉. 33.
(37) ・ 面 白 い 先 生 だ と 思 っ た 。 〈担 任 へ の 好 意 〉. 《マ イ ノ リ テ ィ ー の 肯 定 》 ・少 数 者 が い て 、 多 数 者 が い て 、 多 数 者 が み ん な 正 し い と 思 っ て い る だ け の 話 だ 。 〈マ ジ ョ リ テ ィ ー が 正 し い と さ れ る 社 会 へ の 疑 問 〉 ・も し か し た ら 、 少 数 者 が 崇 高 さ れ る か も 分 か ら な い 。 〈マ イ ノ リ テ ィ ー の 肯 定 〉. 《色 覚 異 常 に 捕 わ れ な い と い う 思 い 》 ・高 校 生 に な っ た ら 、「そ ん な こ と(色. 覚 異 常)に. い ち い ち捕 われ な い で 、. も っ と 生 き る 道 が あ る だ ろ う 」 と 思 う よ う に な っ た 。 〈色 覚 異 常 に 捕 わ れ な い と い う思 い の 芽 生 え 〉. 《自 己 肯 定 》 ・ 男 性 が100人 ら は そ の5パ. い た ら 、 色 覚 異 常 の あ る 人 は5人. い る と言 うけれ ど、俺. ー セ ン ト の 中 に 逆 に 選 ば れ て い る 人 間 だ と 思 う 。〈色 覚 異 常. の あ る 自 己 を肯 定 す る思 い 〉. 《教 育 場 面 で の 困 難 》 ・絵 の 具 の 色 が た く さ ん あ っ て 困 っ た 。 〈多 彩 な 絵 の 具 は 識 別 困 難 〉 ・ 先 生 か ら ア ド バ イ ス と か 助 言 と か 、 し て も ら っ た こ と は1回 〈図 工/美. も な い。. 術 で の教 師 の配 慮 の不 十分 さ〉. 《仕 事 場 面 で の 困 難 》 ・職 業 柄 、 色 覚 異 常 を 問 わ ず や っ て い る 職 業 の 中 で も 困 っ て い る 部 分 が. 34.
(38) あ る 。 〈色 覚 異 常 に よ る 制 約 の な い 職 場 で の 困 難 〉 ・地 図 帳 の 配 色 が 非 常 に 中 間 色 で 見 に く い 。 〈中 間 色 に よ る 配 色 故 の 地 図 帳 の 見 え に く さ〉. 《社 会 の 理 解 の な さ や 配 慮 の 不 十 分 さ 》 ・ 色 覚 異 常 の あ る 人 が 世 間 に い る と 分 か ら な い で 物 を 出 し て い る(識 困 難 な 出 版 物 が あ る)。. 別. 〈世 間 の 認 識 不 足 〉. \. ・ 配 慮 さ れ て い な い 。 〈世 間 の 配 慮 の 不 十 分 さ 〉 ・そ う い. の 低 さ. う と こ ろ(バ. リ ア フ リ ー)ま. で 浸 透 は し て い な い 。 〈世 間 の 認 識. ・理 解 の な さ 〉. ・時 々 、 新 聞 の 下 に わ け あ る か い1デ 理 解 へ の 怒. 「色 盲 が 治 っ た 。」 と か 書 い て あ る 。 「嘘 つ け!治. マ 言 い や が っ て!」. る. と 思 い な が ら 見 て い る 。 〈世 間 の 無. り〉. 《社 会 へ の 要 望 》 ・ も っ と 分 か り や す い 色 で(地. 図 帳 等 を)作. 成 す る こ と が 、 い わ ゆ るバ. リ ア フ リ ー に な る と 思 う 。 〈バ リ ア フ リ ー の 社 会 を 望 む 〉 ・色 覚 異 常 の 人 が 医 者 に な っ て も や っ て い け る と い う 記 事 を 見 た. 。 そ う. い う 社 会 で あ っ て ほ し い と 思 う。 ひ ら け て い け ば い い な と 思 っ て い る 。 〈色 覚 異 常 に よ る 職 業 制 限 の な い 社 会 を 目 指 す 〉 ・ 教 科(数. 学 等)を. 教 え る時 に グ ラ フ が 出 て くる か ら. す い 色 に し て ほ し い と 思 う 。 〈見 え や す さ の 要 望 〉. 35. 、 も っ と 分 か りや.
(39) 《学 校 の 現 状 》 ・(色 覚 異 常 の 生 徒 に 対 す る 配 慮 は)全. 然 な い 。 〈教 員 の 色 覚 異 常 の 生 徒. に 対 す る 配 慮 の な さ〉. 《色 覚 検 査 の 必 要 性 》 ・検 査 す る 時 期 を 考 え て 、 学 校 で す る べ き だ 。 〈学 校 で 色 覚 検 査 を す る こ との 必 要 性 〉 ・学 校 以 外 で 、 発 見 さ れ る と こ ろ は な い 。 〈学 校 で の 色 覚 異 常 の 発 見 の し や す さ〉 ド 小 学 校 低 学 年 で は な く 、 分 別 が つ く 年 齢(小. 学 校 低 学 年 か 中 学 生)に. な っ て か ら し た ら い い と 思 う 。〈分 別 が っ く 年 齢 で 色 覚 検 査 を す る こ と の 必 要 性 〉. 《遺 伝 す る こ と へ の 心 苦 し さ 》 ・確 立 は 知 ら な い が 、 娘 の 子 ど も 忙 出 る 可 能 性 が 高 い 。 私 の 娘 の 子 ど も だ か ら(っ. ま り)孫. に は 出 る。 男 の 子 が 産 まれ た ら、 出 る確 率 は 高 い。. す ま な い と 思 う 。 〈子 孫 に 遺 伝 す る こ と へ の 心 苦 し さ 〉. 《色 を 見 た い と い う 思 い 》 ・ち ょ っ と で も た ま に 、 あ の 人 達 の 世 界 の 色 見 て み た い な と 思 う 。 〈色 覚 正 常 の 色 を た ま に 見 た い と い う思 い 〉 ・い や 、 多 数 派 の 色 を1回. 見 て み た い 。 〈マ ジ ョ リ テ ィ ー の 色 を 見 た い と. い う思 い 〉 ・い や 俺 は 思 う 、1時. 間 で も い い か ら 見 て み た い 。 〈1時. の色 を 見 た い とい う思 い〉. 36. 間 で も色 覚 正 常.
(40) ・桜 を ピ ン ク 色 に 見 た い 。 〈桜 を ピ ン ク 色 に 見 た い と い う 思 い 〉 ・桜 の 花 が 咲 く 前 に 、 蕾 が 赤 く な る ら し い 。 見 て み た い 。 〈桜 の 蕾 の 色 を 見 た い とい う思 い 〉. 2.カ Bさ. テ ゴ リー 関 連 図 ん の カ テ ゴ リ ー 関 連 図 を 、Fig.2に. 37. 示 す 。.
(41) 色 覚検 査 での 心 理 的 なダメー ジ. 色 を正 確 に識 別 できない ことでの 心 理 的なダメー ジ. 1. 1 1 コンプ レックス. i 担任の肯定的なかかわ り. 1 1. i 色覚異常 に捕われない という思い. マ イノリティー の 肯 定. i ↓ 自己 肯 定 」La. -「P. 遺 伝 す ることへ の 心 苦 しさ. Fig.2Bさ. 色 を見 たいという思 い. ん の カ テ ゴ リ ー 関 連 図. 38.
(42) 3.ス. ト ー. リ ー. ラ イ. ン. 色 覚 検 査 で 心 理 的 な ダ メ ー ジ を 受 け た こ と と、 色 を 正 確 に 識 別 で き な い こ とで 心 理 的 な ダ メー ジ を受 け た こ とが 、 色 覚 異 常 を コ ン プ レッ クス と捉 え る こ と に 繋 が っ た 。 し か し 、 色 覚 異 常 を マ イ ノ リテ ィ ー と 捉 え る 担 任 の 肯 定 的 な か か わ り に よ っ て 、 マ イ ノ リテ ィ ー を 肯 定 す る 思 い と、 色 覚 異 常 に 捕 わ れ な い と い う思 い が 芽 生 え 、 色 覚 異 常 の あ る 自 己 を 肯 定 す る に 至 っ た 。 色 覚 異 常 を受 け入 れ つ つ も、子 孫 に遺 伝 す る こ とへ の 心 苦 し さ を感 じ る と い う 思 い と 、 色 覚 正 常 の 色 を 見 た い とい う 思 い が あ る 。. 第3節Cさ. 107の. 1.ラ. んの事 例. 発 話 か ら 、51の. ラ ベ ル と23の. カ テ ゴ リー が 得. られ た 。. ベ ル と カ テ ゴ リー. 《母 親 の. 「大 し た 事 で は な い 」 と い う 受 け 止 め 》. ・初 め て 色 覚 検 査 を 受 け た 日 、 家 に 帰 っ て 母 さ ん に 伝 え た ら 、 「母 さ ん も 兄 ち ゃ ん も 、 色 覚 異 常 や で 。 大 し た 事 じ ゃ な い 。」 と 言 わ れ た 。 〈母 親 の 色 覚 異 常 に 対 す る. 「大 し た 事 で は な い 」 と い う 受 け 止 め 〉. 《家 庭 環 境 》 ・ 家 族(母. 親 と 兄)は. 、 色 覚 異 常 が 出 て い る 。 父 さ ん だ け 除 い て 、 ハ ッ. キ リ し て い た 。 〈色 覚 異 常 が マ ジ ョ リ テ ィ ー で あ る 家 庭 環 境 〉 ・家 で は. 「 こ の 色 分 か ら な い ね 、 父 さ ん に 聞 こ う か 。」 と い. 39. う感. じ だ っ た 。.
(43) 〈分 か ら な い こ と を. 「分 か ら な い 」 と 言 え る 家 庭 環 境 〉. ・僕 は あ る 意 味 、 恵 ま れ て い た と 思 う 。 〈家 庭 環 境 が 恵 ま れ て い た と い う 思 い 〉. 《周 囲 の 反 応 に 対 す る 肯 定 的 な 捉 え 方 》 ・幼 稚 園 の 時 に 遠 足 で 動 物 園 に 行 っ て 、 象 さ ん の 絵 を 描 い て ピ ン ク 色 に 塗 っ た ら 、 「可 愛 ら し い カ ラ フ ル な 象 さ ん だ ね 。」 と 先 生 に 言 わ れ た 。 今 振 り 返 る と 、 先 生 は 違 和 感 を 抱 い て い た と 思 う。 で も 、 そ の 時 は 褒 め ら れ て い る と 思 っ て 嬉 し か っ た 。 「象 さ ん が 可 愛 ら し い?大 思 い な が ら 、 何 も(気. に し な か っ た)。. き い の に 。」 と. 〈疑 問 を 抱 き な が ら も 褒 め ら れ た. とL、 う 勘 違v、 〉 ・そ の よ う な 感 じ で(落. ち 込 む こ と な く)ず. っ と き て い た 。 〈子 ど も の 頃. は 色 覚 異 常 で 落 ち 込 む こ とは な か っ た 〉 ・僕 は 、(色 覚 検 査 の 時 の)周. り の友 達 の 反 応 を 見 て 逆 に 面 白 が っ て い た 。. 〈色 覚 検 査 の 時 の 周 り の 友 達 の 反 応 を 面 白 が る 〉. 《色 覚 異 常 を 受 け 入 れ る 》 ・受 け 入 れ た の は 、 最 初 か ら 。 〈母 親 に 聞 い た 時 か ら 受 け 入 れ る 〉 ・母 さ ん に 聞 い て 遺 伝 だ と い う こ と が 分 か っ た の で 、「ど う し よ う も な い 」 と 思 っ た 。 〈色 覚 異 常 で あ る こ と へ の. 「ど う し よ う も な い 」 と い う 思 い 〉. ・ 「遺 伝 だ か ら 仕 方 な い 」 と い う こ と が 根 底 に あ る 。 開 き 直 り み た い な 。 〈色 覚 異 常 は 遺 伝 だ か ら 仕 方 な い と い う 開 き 直 り 〉 ・僕 は 、 小 さ い 時 か ら 言 っ て い た 。 〈色 覚 異 常 を オ ー プ ン に し て い た 〉. 40.
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