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大学生の心理相談抵抗感に関する中日比較研究

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Academic year: 2021

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(1)大学生の心理相談抵抗感に関する中日比較研究 学校教育学専攻 学校心理学コース 学籍番号 M09033i 氏名 姜 鳳麗.         目  的. 各下位尺度の得点を従属変数とし、国(中国一.  本研究では中目の大学生を対象として、学生. 目本)、性(男性一女性)、自己愛水準(H群・. たちが悩んだ時、悩みを解決するために、悩み. M群、L群)を独立変数とする、2(国)X2(性). の相談をしたくてもできないと感じているこ. X3(自己愛水準)の3要因分散分析を行った。. とを把握することができるよう心理相談抵抗. 手続き:日本側は集団場面で実施された。中国. 感に焦点化された測定尺度を開発し、その検討. 側は質問紙が個別に配布され、質問紙に対して. を行うことを第1の目的とする。また、自己愛. 回答するように求められた。. の高低が心理相談に対する抵抗感に及ぼす影. 調査時期:研究1の予備調査は2008年5月に、. 響について中日間の検討を行うことを第2の. 本調査は2009年6月中旬に実施された。研究. 目的とする。. 2は中国側は2009年9月上旬、日本側は2010.         方  法 研究I調査協力者:兵庫県A大学で臨床心理学. 年1月中句に実施された。.         結  果. を専攻とする大学院生10名(男性4名、女性 6名)が予備調査に参加した。本調査について. 研究Iの因子分析結果:質問項目は自由記述の. は兵庫県B大学に在籍する日本人大学生57名 (男性16名、女性41名)と中国人留学生54 名(男性14名、女性40名)が本研究に参加し. 学を担当する指導教員1名と大学院生6名(現 職教員3名、中国人留学生3名)による検討を. た。. 測定するための32項目からなる原尺度が作成. 研究1I調査協力者:兵庫県B大学に在籍する日. された。. 回答をもとに、教員養成系大学の大学院で心理. 経て整理された。その結果、心理相談抵抗感を. 本人大学生123名(男性44名、女性79名)お よび中国海南省C大学に在籍する中国人大学 生184名(男性75名、女性109名)の総計307.  原尺度32項目に対して、はじめに心理相談. 名が本研究に参加した。. 材料:自己愛傾向尺度. 子法一プロマックス回転による因子分析を行 った。固有値1以上で固有値の減衰状況とI T.  高橋(2006)によって構成された自己愛傾向. 相関係数、因子負荷量、因子の解釈の可能性を. 尺度が用いられた。また、群わけについては、 全データについて平均値とS.D.が算出され、. 考慮して、3因子20項目が検出された。本尺 度の内的整合性を検討するために尺度全体と. 平均値十1/2S.D1以上の得点者を自己愛感高水. 下位尺度でCronbachのα係数が算出された。. 準H群(N=94)、平均値一1/2S.D.以下の得点. その結果、全体はα=.90で、下位尺度ごとみ. 者を自己愛感低水準L群(N=90)、これらの得. るとrガウンセリングヘの回避」α=.84,rカ. 点の間にある群はM群(N=123)に分類された。. ウンセラーへの不信」α=.82, 「面子のこだ. 心理相談抵抗感尺度. わり」α=.75の結果が得られた。.  研究1で開発された尺度が用いられた。 要因計画:心理相談低抗感尺度の合計得点及び. 抵抗感得点合計の得点分布に著しく偏りが見 られた12項目を除外した20項目について主因. 研究皿の結果①自己愛傾向の分散分析の結果.  本研究の手続きに従って得られた自己愛領. 一58一.

(2) 向得点を、国別、性別整理したものがTab1e2. 有意に高かった。. である。この結果に基づき、2(国)×2(性別).         考  察. の2要因分散分析を行ったところ、いずれの主. のほど心理相談を回避しようと感じていること が明らかとなった。これは、自己愛が強い人は心. 効果、交互作用も有意ではなかった。 Tablo2 己愛岨点の平均値とS D N 別 国別 75 性 中国 日本. 女性 性 女性. 109 44 79. 平均値. S.D.. 50.41. 12.43. 49.04. 9.74. 49.55. 8.53. 49.91. 9.75. 理相談を受けると自分の自信が崩されるのでは ないかと心配すると考えられ,自己愛が強いほど 他者を深く信用できず,自分の自信が崩れること を心配するため,心理相談に対する抵抗も強いの. ②心理相談抵抗感の分散分析の結果 自己愛の得点について、水準別及び国別、性別 に整理されたTab1e3である。 丁州83 鴉性   己      の 己菱傾  貞 の乎 およびSD. 中国. M群. H群. だと思われる。.  「カウンセラーへの不信」において、中国人大. 学生は日本人大学生よりもカウンセラーに対す る不信が高いことは、中国における教育機関にお いて専門的な知識を持っているカウンセラーの. 日本. 自己愛水準. L群. 「心理相談の回避」においては、自己愛が高いも. 男性. 女性. 男性. 女性. ガウンセリングヘの回避. 14.60(5.04〕. 15.51(3.60). ll.ll(1.14〕. ll.82(2.83〕. カウンセラーへの不信. 13.榊.23〕. 13.6513.41〕. 9.00(1.05〕. lO.3412.14〕. 面子のこだわリ. 8.39(2.η〕. 9.62(2.61〕. 8.8812.岳6〕. 1,69(1.52〕. ガウンセリングヘの回避. 19.66(3.03〕. 192214.30〕. 13.60(3,43〕. 12.31(2,60〕. カウンセラーへの不信. η.2512.85〕. 16.31(3.捌. 12.0813.04). ll.20(2.52〕. 面子のこだわり. 12.44(3.19). lO.8割2.69〕. 8.8612.56〕. 9.37(1.6刀. ガウンセリングヘの回避. 20.無3.93〕. 19.5613.酬〕. 15.91(6.93〕. 15.凧3.80〕. カウンセラーへの不信. 18.56(3.76〕. 17.30(2.90〕. 15.舳.28〕. 1;.29(3.側. 面子のこだわり. 12.〃(3.43〕. 12.舳.21〕. 1O.51(3.14〕. ll.74(2.65).  3つの下位尺度得点は日本より中国の方が有 意に高かった。また、自己愛の水準の主効果も 認められ、自己愛のH群>M群>L群であった。 第一因子「ガウンセリングヘの回避」において、. 国×自己愛水準の交互作用が有意であった。中. 国のL郡よりM群・H群の方が高かったが、日 本のL群・M郡よりH群の方の得点が高かった。. 第二因子rカウンセラーへの不信」において国 ×性別の交互作用が有意であった。男性におい. ても女性においても中国の方は得点が有意に 高かった。第三因子「面子のこだわり」におい. て国X自己愛水準の交互作用が有意であった。. 自己愛のM群とH群において日本より中国の方 が当該の得点が有意に高かった。さらに、国×. 性×自己愛水準の2次交互作用が有意であっ た。自己愛水準L群の女性群においては、日本 よりも中国の得点が有意に高かった。また、自. 少なさがカウンセラーへの不信につながったた めであると考えることができる。董(2002)は,. 中国ではまだ心理治療と心理相談の専門家が少 ないため,大学は大学生の二一ズに十分に答える ことができないのが現状であると指摘し,さらに. 勘・宋(2007)は多くの学生が心理相談に行っ ても効果がないと考えているためではないかと 述べている。.  『面子のこだわり」においては中国人大学生群. の方が面子に対するこだわりは強いことが明ら かとなった。これについては,中国人の面子思想 の影響を受けていると考えることができる。易 (2003)によると,中国人は「面子」を重んじ, 「面子」のためには時として命を捨てる場合すら. あるといわれる。したがって,中国人は心理相談. に行くことは周りの人々に自分の弱さを見せる ことになり、自分がどう見られるかを気にかける ためではないかと考えられる。.  以上のことから、中国における心理相談抵抗. 感の問題の対策にいくつかの示唆を与えられ るだろう。まず、心理相談に対する認知を向上 させるために学校の体制を整え、心理相談活動 の存在を知らせるような学生への啓蒙活動が 必要であること。また、心理相談員の専門知識 を向上し、学生の二一ズを適切に答えること。 最後は、学校における心理健康教育の中で、心. 己愛水準M群においては、男性群・女性群とも 日本よりも中国の得点が有意に高かった。また、. 理相談を受ける理由や意義などをおしえるこ. 日本では性に統計的な差はみられなかったが、.         主任指導教員 浅川 潔司         指導教員   浅川 潔司. 中国1こおいては女性群よりも男性群の得点が. 一59一. と。.

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参照

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