人物の意思決定を吟味する社会科歴史人物学習の授業開発 : エンパシー能力の育成を目指して
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(2) 【授業仮説】. 程の分析」において人物の見方を意識させることで,. 「歴史人物学習において,人物の意思決定のプロセス. 過去の見方と現在の見方を区別して判断することが可. を明らかにし,人物の立場に立って意思決定をするこ とで,エンパシー能力の育成が可能となる。」. 能であることを示している。 すなわち,人物の意思決定を吟味する活動において,. 【分析の視点】(1). r人物の意思決定を吟味することで,歴史的エンパシ ーの深化・発展が見られたか。」. 「事実関係の分析」と「意思決定過程の分析」を行う. ことで,歴史的エンパシーを深化・発展させることが 可能となるのである。. 【単元構成】(2). 5.今後の課題. 単元:「江戸幕府による政治」. 本研究では,エンパシー能力を育成する歴史人物学 次. 時. 活動内容. 事. 1. 「なぜ徳川家光は参勤交代をさせたのだろ. 実 関. う?」という問いを追求する。 2. 係. 定を吟味することで歴史的エンパシーの深化・発展を 促すことは可能であることがわかった。しかし,本実. いう問いを追求する。. 血眉、. 3. 思 決 定. 「なぜ御11家光は鎖国したのだろう?」と. 習の授業開発を目指した。分析の結果,人物の意思決. 「なぜ徳川家光はポルトガルの来航を禁止 したのだろう?」という問いを追求する。. 4. 「自分が御11家光だったらどんな選択をす るだろう?」という間いを追求する。. 践において歴史的エンパシーが「区別されたエンパシ. ー」まで到達した児童は5人にとどまった。このこと から,さらなる授業改善が求められる。. 以上の授業仮説・分析の視点・単元構成で授業実践. また,本研究を通してエンパシー能力を育成すれば,. を行った. より歴史上の人物の立場に立った意思決定が可能であ. 4.研究の成果. ることが実証できた。このことから,エンパシー能力. 全4時間の検証度業について,分析の視点に基づき. は意思決定カにも影響を与えるのではないかと推測す. 授業仮説の有効性を検証した。分析の方法としては,. る。社会科の本旨は市民的資質の形成であり,それに. 授業記録における児童の発言内容とワークシートにお. 不可欠なのが意思決定カの育成である。エンパシー能. ける児童の記述内容を基に,各児童の歴史的エンパシ. 力がどのように意思決定力に影響するのか。エンパシ. ーの段階を割り出した。分析の結果,次の2点が成果. ー能力の向上が意思決定力の向上につながるのか。両. として挙げられた. 者の関係性を明らかにすることで,歴史学習における. ①r事実闘系の分析」において,人物の立場を理解. 意思決定型授業のさらなる質的向上を図ることができ. させることで,歴史的エンパシーを「日常的エン. ると考える。以上の2点を今後の課題としたい。. パシー」から深化・発展させることができる。 〔言圭〕. ②r意思決定過程の分析」において,人物の見方を 意識させることで,歴史的エンパシーを「ステレ. (1)歴史的エンパシーは次の4段階で深化・発展する。. オタイプのエンパシー」カ’・ら深化・発展させるこ. ①エンパシーのない状態→②日常的エンパシー →③ステレオタイプのエンパシー→④区別され たエンパシー. とができる。. (2)単元構成におけるr事実関係」とはr事実脚系の分. ①は「事実関係の分析」において人物の立場を理解. 析」を意味しており,「意思決定」とは「意思決定 過程の分析」を意味している。. させることで,過去の人物の観点を獲得することが可 能であることを示している。また,②は「意思決定過. 修学指導教員 河邊昭子.
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