〈論文〉学生の成績と配属希望を考慮したゼミクラス編成問題
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(2) 第9巻. 1.は. 第2号. じ. め. 大 学3年 生 ∼4年 生 で 開 講 され るゼ ミ(演 習)と. に. い う科 目 は,必 ず しも必 修 で はな か っ. たが,昨 今 は必 修 と され る傾 向 に あ る。 その 結 果,特 学 系 も含 む)で. に私 学 の いわ ゆ る文 系 学 部(社 会 科. は18歳 人 口が 減 少 して い る と い う もの の,理 科 系 と比 べ る と圧 倒 的 に学 生. 数 が 多 い た め,一 つ の ゼ ミの 人 数 が20名 前 後 と多 数 にな る と と も に,多 様 な 学 生 も存 在 す る こ とか ら,運 営 が 難 し くな る こ と も考 え られ る。 それ で も大 学 と して は,ゼ. ミ教 育 を 正. し く行 え ば教 育 上 の 効 果 が 大 変 大 き いの は事 実 で あ る こ と,ま た大 学 と して 教 育 内容 の 情 報 公 開 が 行 わ れ て い る た め,ゼ. ミ教 育 を 必 修 化 しな い と い う選 択 肢 の 実 行 は難 し くな って. い る こ と も あ り,多 くの 大 学 が 必 修 化 の 方 向 を 向 いて い る。 ゼ ミの 配 属 に 当 た って は,学 生 の 意 向 が 最 大 限 尊 重 され る事 が 多 い。 筆 者 は論 文 〔1〕 で,学 生 の 意 向が 最 大 限 尊 重 され るべ く,現 行 の 人 海 作 戦 で はな く,数 理 計 画 法 を 用 いた 学 生 満 足 度 を最 大 化 で き るゼ ミの 配 属 問 題 の モデ ル と解 法 を 述 べ た 。 しか し,学 生 の 意 向 が 最 大 限 尊 重 され る と い う基 準 だ けで は問 題 が 残 る。 それ は,学 生 の 意 向 だ けが 最 大 限 尊 重 され る と い う方 法 で は,学 生 の それ まで の 勉 学 努 力 は選 考 時 に考 慮 の 対 象 に入 らな い と い う こ とで あ る。 例 え ば,「 非 常 に努 力 して 結 果 も出 して い るAさ ん」 と 「そ うで は な い Bさ ん 」 が 同 じゼ ミを 同 じだ けの 強 さで 希 望 して い る場 合 に,定 員 が 一 杯 で ど ち らか 一 方 の み しか 入 れ られ な い とす れ ば ど うす べ きか と い う問 題 が あ る。 人 海 作 戦 で あれ,数 理 計 画 法 を使 う方 法 で あれ,学 生 の 意 向 の み が 基 準 で あれ ば場 合 に よ って は 「非 常 に努 力 して 結 果 も 出 して い るAさ ん 」 が 選 ばれ な い可 能 性 も あ る こ と にな る。 教 育 上 の 見 地 か ら は, 学 生 の 普 段 の 努 力 も考 慮 す る こ とが で きれ ば,学 生 が 勉 学 す る励 み に もつ な が る と考 え ら れ る。 つ ま り,同 じ強 さの 意 向 を 持 つ 学 生 が 複 数 いれ ば,努 力 して 成 果 を 出 して い る学 生 を優 先 す る と い う基 準 が 必 要 で はな いか と考 え られ る。 ま た,そ の よ うな 優 先 順 位 が あ る こ とが 公 表 され れ ば,本 当 に その ゼ ミに入 りた い学 生 は普 段 の 努 力 を 惜 しまな いの で はな い だ ろ うか 。 な お,現 行 の ゼ ミの 選 考 に お いて も,学 生 の 意 向 が 最 大 限 尊 重 され,人 気 が 高 い と噂 さ れ る所 に多 くの 学 生 が 殺 到 し,何 らか の 方 法 で 選 考 され た結 果,選. に漏 れ た 学 生 は,一 次. 選 考 → 二 次 選 考 → … … 等 々 と,ま だ人 数 に余 裕 の あ るゼ ミに流 れ て行 く事 にな る。 しか し, その よ うな 学 生 の 中 に も,真 面 目 に勉 学 して い た学 生 が い る こ と も多 く,ど う して 選 に漏 れ たの か その 理 由が よ く分 か らな い こ と も あ る。 ま た,教 員 側 か ら見 れ ば,学 生 諸 君 が 噂 一18(134)一.
(3) 学生の成績 と配属希望を考慮 したゼ ミクラス編成問題(大 村) に付 和 雷 同す る こ とな く,ゼ ミの 内容 を 自分 で よ く調 べ,勉 学 の 意 欲 を 持 って ゼ ミに きて くれ る こ とが 望 ま しいが,な か な か その よ う にな らな いの が 現 実 で あ る。 さて,こ の よ う に学 生 の 意 向 を 最 大 限 尊 重 す る と い う事 で 配 属 を 決 め る事 は一 見 良 い方 法 の よ う に思 わ れ るが,よ. く考 え る と い ろ い ろ問 題 が あ る こ と に気 づ く。 この よ うな 視 点. か ら,本 論 文 で は学 生 の 意 向 だ けで はな く,同 時 に学 生 の 普 段 の 努 力 と成 果 を 考 慮 した ゼ ミの 配 属 方 法 を考 え る。. 2.学. 生の意向のみを尊重するゼ ミ配属先決定方法の問題点 と対策. 定 員 内で あれ ば希 望 す れ ば配 属 が 決 ま る,あ る い は学 生 の 意 向 の み を 尊 重 す るゼ ミ配 属 先 決 定 方 法 に は次 の よ うな 問 題 点 が 存 在 す る。. ①. 定 員 以 下 で あれ ば原 則 と して 希 望 の 配 属 先 が 決 定 され るの で あれ ば,本 心 が ど うで あ るか に関 係 な く,そ の ゼ ミを 強 く希 望 す る と表 明 す るだ けで よ いの で あ るか ら,学 生 に よ って は安 易 に配 属 希望 を 出す 可能1生が あ る。(例 え ば 「友人 も希望 して い る… … 」, 「勉 強 が きつ くな さそ う… … 」,「何 とな く」,「指導 教員 担 当科 目の単 位 を くれ そ う… … 」, 等 々). ②. 希 望 者 が 定 員 を 超 え な けれ ば,そ れ まで の 努 力 ・成 果 が 選 考 結 果 に影 響 す る こ と は な いの で,ゼ. ミの 選 考 以 前 に 日常 の 勉 学 に努 力 しよ う と い う イ ンセ ン テ ィ ブが 働 き に. くい。 ③. 社 会 に 出れ ば大 な り小 な り努 力 の 成 果 が 求 め られ,そ れ が 自分 自身 に跳 ね 返 って く るの が 現 実 で あ るが,大 学 に お いて,や. って もや らな くて も結 果 に影 響 が な い と い う. 事 に慣 れ て しまえ ば,社 会 に対 す る誤 認 識 が 身 に付 いて しま い,結 果 と して 卒 業 生 が 社 会 に不 適 合 とな る可 能 性 が 増 加 す る。 ④. ゼ ミ内で 甘 い認 識 の 学 生 が 増 加 す る と,教 員 に と って は ま と もな 指 導 の 浸 透 が 難 し くな る。. ⑤. 教 員 の ま と もな 指 導 が 難 し くな れ ば,本 来 ま と もな 指 導 を 受 けれ ば伸 び る可 能 性 が あ る学 生 が い た と して も,ゼ. ミの 中で は その よ うな 指 導 が 受 け られ な いの で,そ の 学. 生 に と って は機 会 損 失 とな る。 つ ま りゼ ミを 必 修 化 す る本 来 の 目的 が 忘 れ 去 られ,手 段 で あ るべ き 「ゼ ミ必 修 」 が 目的 とな って しま う こ とを 意 味 す る。 これ は意 思 決 定 に お いて よ く起 こ る典 型 的 な 「手 段 と 目的 の 誤 認 」 と い う誤 りの 実 例 とな る。 -19(135)一.
(4) 第9巻. 第2号. 以 上 の よ うな 問 題 の 軽 減 を 図 る た め に,「 ゼ ミ選 考 ま で の努 力 ・成 果(学 生 の真 面 目度) が ゼ ミの 選 考 に影 響 す る制 度 」 を 作 る こ とを 考 え る。. 3.学. 生の真面 目度を表す測度. 筆 者 は論 文 〔2〕〔3〕 にお いて,学 生 の真 面 目度 を表 す 測 度 と して成 績 を使 う場 合 に は, 合 格 した科 目の み で な く,「不 可 」 及 び 「不 受 」 も考 慮 す べ き で あ る とい う事 を指 摘 した。 因 み に,「 不 可 」 とは試 験 を受 け て不 合 格 とな った科 目,「 不 受 」 と は受 講 登 録 を して 試 験 を受 けな い等,途. 中で 受 講 放 棄 した科 目で あ る。. 常 識 的 な視 点 か らは,「 不 可 」 とな る学 生 は,① 真 面 目に授 業 に 出 て い な い 学 生 。 ② 授 業 に 出て も真 面 目 に授 業 を 受 けず,予 習 復 習 を しな い学 生 。 ③ その 結 果,何 が 重 要 か を 理 解 で きて いず,何 を 勉 強 す れ ば良 いか 分 か って いな い学 生 。 ④ その よ うな 状 況 で も何 とか 合 格 点 を も らえ る と甘 い こ と を考 え て い る学 生 で あ る。 「不 受 」 とな る学 生 は,種. 々の 理. 由で 勉 強 しな い こ と は 「不 可 」 の 学 生 と 同様 だ が,合 格 可 能 性 が 非 常 に低 い と判 断 した 科 目 は受 験 す らも しな い学 生 で あ る。 従 って これ らの 学 生 が 真 面 目 に勉 学 す る こ と は期 待 し 難 いが,デ. ー タで も それ は検 証 され て い る 〔2〕〔3〕。. と こ ろ で,「 不 可 」 及 び 「不 受 」 を 数 値 的 に どの よ う に取 り入 れ る か に つ い て は論 文 〔2〕〔3〕 で言 及 した が,も. っ と簡 便 に取 り入 れ る方 法 が あ る。 そ れ は文 科 省 が導 入 を 示. 唆 して い る 「GPA」 で あ る。. 3.lGPA GPAはGradePointAverageの 価)も. 成 績 に 入 れ た 上 で,各. 2点,Dを1点,Eを0点 る 。 従 っ て,履 をWl単. 略 で,簡 科 目 をA∼Eの と し て,1単. 修 登 録 さ れ た 科 目 がn科. 位 と し,n科. 単 に 言 え ば 不 可,不. 受(そ. れ ぞ れ0点. と評. 五 段 階 で 評 価 し,Aを4点,Bを3点,Cを 位 当 た りの平 均 点 を 求 め た もの が. 「GPA」. 目 あ り,科. 目iの. 目受 講 登 録 し た 場 合 のGPAは. 目iの. 点 数 をXi点,科. で あ 単位数. 次 の 式 で 求 め られ る 。. nn (3.1). GPA=Σ(xi*wi)/ΣWi i=1i=1. こ こ で 重 要 な こ と は,履. 修 登 録 し た 科 目 は 全 て カ ウ ン トす る こ と で あ る 一20(136)一. 〔4〕(つ. ま.
(5) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) り,不 可 ・不 受 は0点. と して カ ウ ン ト してGPAを. 計 算 す る こ と に な る)。 仮 に こ の 式 を 合. 格 し た 科 目 の み で 計 算 す れ ば,そ. の 計 算 値 は 甘 い 点 数 と な る 。 何 故 な ら,不. う 科 目 の 評 価 を 受 け た 学 生 は,理. 由 は と も か く一・ 般 的 に は勉 学 につ いて 不 真 面 目で あ る と. 認 識 で き,そ. の よ う な 結 果 を 除 外 す る こ と は,都. 可や不受 とい. 合 の 悪 い デ ー タ を 除 外 した こ と に な る か. らで あ る 。. 3.2よ. く使 わ れ て い る 「合 格 科 目の 単純 平 均 」 の 問題 点. しか し,更 に甘 い評 価 が 日本 の大 学 で よ く使 わ れ て い る 「合 格 科 目の 単 純 平 均 」で あ る。 何 故 な ら,1科. 目の単 位 数 は 普 通1∼4単. の 違 い も無 視 して 同等(同. 位 で あ るが,「 合 格 科 目の単 純 平 均」 は 単 位 数. じウ ェ イ ト)に 扱 って い るか らで あ る。 「合 格 科 目の単 純 平 均 」. を式 で書 け ば次 の よ う にな る。(履 修 登 録 し且 つ 合 格 した科 目がm科 数 をY、とす る。Y1は100点. 目あ り,科. 目iの 点. 満 点 で の 実 点 。). m (3.2). 合 格 科 目 の 単 純 平 均=Σ(Yi)/m i=1. (3.2)式 は,科. 目の 単 位 数 が 考 慮 され て いな い こ と に注 意 して も らいた い。4単. 位の科. 目 と2単 位 の 科 目の ど ち らが 重 いか と考 え れ ば,実 態 は と もか く制 度 上 学 修 時 間 は4単 位 科 目 は2単 位 科 目の2倍 で あ る。 つ ま り,4単. 位 の 科 目 は2単 位 科 目の2倍 の 努 力 が 必 要. で あ る事 にな って い る。 それ に もか か わ らず 同 じウ ェ イ トで 計 算 す る こ と は致 命 的 で あ る と言 え よ う。. 3.3学. 生 の 真面 目度 を 測 定 す る 適 切 な 測度. 以 上 の こ とか ら,(3.1)式. で表 さ れ る(正 し く計算 され た)GPAを. 学 生 の 真 面 目度 を 測. 定 す る測 度 と して 使 用 す る こ と とす る。 な お,「3.2」 で 述 べ た よ う に単 位 数 を 考 慮 す る こ と は努 力 の 量 を考 慮 す る こ とで あ るの で,授 業 内容 も4単 位 科 目 は2単 位 科 目の2倍 の 努 力 が 必 要 な 内容 にす るべ きで あ る し,2単. 位 科 目 は1単 位 科 目の2倍 の 努 力 が 必 要 な 内容. にす るべ きで あ る こ と は言 う まで もな い。. 一21(137)一.
(6) 第9巻. 4.ゼ. 第2号. ミ選 考 時 ま で の 学 生 の 努 力 ・成 果 が ゼ ミの 選 考 に 影 響 す る モ デ ル. 筆 者 は既 に論 文 〔1〕 で 学 生 の 希 望 を 最 大 限 尊 重 す るゼ ミ配 属 問 題 の モ デ ル とそ の 解 法 につ いて 述 べ たが,そ の モデ ル に学 生 の 真 面 目度 を 表 す 測 度 と してGPAを の 希 望 を最 大 限 尊 重 す る と 同時 に,ゼ. 追 加 し,学 生. ミ選 考 まで の 学 生 の 努 力 ・成 果 も考 慮 す る モデ ル を. 考 え る。. 4.1学. 生 の 真面 目度 を 表 す 測度 と してGPAを. 入れるモデルのメ リッ ト. 既 に 「2.」で,学 生 の 希 望 の み を 尊 重 す るゼ ミ配 属 先 決 定 方 法 の 問 題 点 と対 策 を 述 べ た が,配 属 を決 め る場 合 に学 生 の 希 望 だ けで な く,学 生 の 真 面 目度 を 表 すGPAを. 考慮す る. 場 合 に は次 の よ うな メ リ ッ トが 考 え られ る。. ①. 複 数 の 学 生 が 同 じ強 さで 特 定 の ゼ ミと それ 以 外 の ゼ ミを 志 望 す る場 合 を 考 え る。 そ の 場 合,論 文 〔1〕 の モ デル で は それ らの 学 生 は 同 じ確 率 で 選 考 され るが,学 生 の 真 面 目度(測 度 と してGPAを GPAの. 用 い る。)も 考 慮 す る モ デ ル で は,選 考 時 点 に 於 け る. 高 い学 生 の 優 先 度 が 高 くな る よ う にな る。 従 って ど う して もそ の ゼ ミに行 き. た い学 生 は普 段 の 成 績 を 上 げ るべ く行 動 す る こ とが 予 想 され る。 ②. その 結 果,い. い加 減 な 理 由で 志 望 す る学 生 が 減 り,ゼ ミの 選 択 を 真 面 目 にす る よ う. にな る事 が 予 想 され る。 ③. 努 力 の 成 果 が 目 に見 え る形 にな る と い う経 験 を した学 生 は,社 会 に対 す る認 識 も ま と もな 方 向 に向 か い,甘 い見 方 を す る学 生 が 減 少 す る。 その 結 果 卒 業 後,社 会 に不 適 合 とな る学 生 が 減 少 す る。. ④. ゼ ミ在 学 中 も甘 い こ とを 考 え る学 生 が 減 少 し,教 員 の 指 導 が や りや す くな る。. ⑤. ゼ ミで 真 面 目 に勉 学 す る学 生 の 割 合 が 増 え,そ の 結 果,社 会 か ら求 め られ る学 生 の 割 合 も増 加 し,就 職 率 の 向 上,卒 業 生 に対 す る社 会 の 評 価 の 上 昇,学 部 に対 す る社 会 の 評 価 の 上 昇,入 学 希 望 者 の レベ ル ア ップ,と い う プ ラ スの スパ イ ラル が 発 生 す る。. 4.2輸. 送 問題モデル. こ の よ う な 事 を 可 能 に す る た め の ゼ ミ志 望 学 生 の 選 考 モ デ ル を 考 え る 。 こ の べ 一 ス に な る の は,論. 文. 〔1〕 の モ デ ル で あ る 。 こ の 論 文 一22(138)一. 〔1〕 の モ デ ル は,数. 理計画法の一種で あ.
(7) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) る輸 送 問 題 の モデ ル で 定 式 化 され て い る。 輸 送 問 題 と は次 の よ うな もの で あ った 。 〈輸 送 問 題 〉 「倉 庫(起. 点)i(i-1,2,…. 地)j(j=1,2,…. …m)は. …,n)は,b]個. る た め の 費 用 をCijと. そ れ ぞ れai個. の 在 庫 商 品 を 持 つ 。 一 方 都 市(目. し,そ. の 需 要 を 持 つ 。 倉 庫iか の 輸 送 個 数 をXijと. 需 要 を 満 た す よ う に 輸 送 し,か. ら都 市jに. す る 場 合,各. 商 品1単. 位を輸送す. 倉庫の在庫を全ての都市の. つ 総 輸 送 費 用 を 最 小 に す る よ う な 輸 送 方 法 を 求 め よ 。」. この 問 題 は以 下 の よ う に定 式 化 で き る。 ①. 目的 関 数. 目的 関 数 で あ る総 輸 送 費 用Zは,. . Z=Σ. . ΣC巧 i-1j-1. と な り,次 ②. ・Xij. 。・・。・・(4. .2.1). の 制 約 条 件 下 でZを 最 小 に す るXi」 を 求 め れ ば よ い 。. 制約条件. 倉 庫iの. 在 庫 量 の 式(行. 和). 。・・。・・(4. ΣX巧=ai(i=1,2,…m). .2.2). j=1. 都 市jの. 需 要 の 式(列. 和). ΣXij=bj(j=1,2,…n) i=1. ・・・…(4. 総 需 要 量 は総 供 給 量 に等 しい。 輸 送 個 数 は正 。 -23(139)一. 的. .2.3).
(8) 第9巻. エ . 第2号. ・・・…(4. Σai=Σbj. .2.4). i=1j=1. Xij≧0. ・・・…(4. .2.5). な お,輸 送 問 題 に お いて は行 の 合 計 値 及 び列 の 合 計 値 全 て が 整 数 で あれ ば基 底 変 数 の 値 も 全 て 整 数 とな る 〔5〕。 本 論 文 で 取 り上 げ る 「学 生 を 各 ゼ ミに配 属 す る」 モ デ ル は,学 生 を表4.1の 形 に 割 り当 て て い くこ と と 同様 の構 造 で あ るの で,上 記 の輸 送 問題 の一 種 と見 な せ る。 この 場 合,行 の 合 計 で あ るa1は1で. あ り,列 の合 計 で あ るb]は 各 ゼ ミの 合 計 人 数. に相 当す る。. 4.3学. 生 の成 績 を 加 味 した ゼ ミク ラ ス編 成 問題 の モ デ ル. さて,学 生 全 員 の ゼ ミの希 望 を 考 慮 し,そ れ ぞれ のゼ ミへ の 配 属 を 納得 性 の あ る方 法 で, 適 切 に,素 早 く決 定 で き るモ デ ル と して,「4.2」 で 述 べ た 数 理 計 画 法 の 一 種 で あ る輸 送 問 題 の モ デル を用 いて 作 成 した論 文 〔1〕 の モ デル に,学 生 の 真 面 目度 と してGPAを. 付け. 加 え た新 たな モ デル を 作 成 す る。 この 新 モ デル の 目的 関 数 は各 学 生 の 真 面 目度 を 考 慮 したゼ ミ受 講 生 の 満 足 度 の 合 計 で あ り,そ れ を最 大 化 す る こ とを 考 え る。 各 学 生 が 各 ゼ ミに配 属 され た 場 合 の 満 足 度 は学 生 へ の ア ンケ ー トで 集 め られ る とす る。 その 場 合 考 え られ る制 約 条 件 は次 の よ う にな る。 ①. 学 生iは,た. ②. ゼ ミjの 最 大 人 数 をa]と す る。. ③. ゼ ミjの 最 小 人 数 をb]と す る。. ④x、]は,学. だ 一 つ の ゼ ミに必 ず 配 属 され る。. 生iを ゼ ミjに 配 属 す る時 「1」 と し,学 生iを ゼ ミjに 配 属 しな い時. 「0」 とす る。. 4.3.1変 Xij:学. aj:ゼ. 数 と定 数 の 定 義 生iを,ゼ. ミjに. 配 属 す る 時XI」-1. 学 生iを,ゼ. ミjに. 配 属 し な い 時Xl」=o. i=1,2,…. …m(学. 生 の 番 号). j=1,2,…. …n(ゼ. ミの 番 号). ミjの 最 大 人 数(制. 約 条 件) -24(140)一.
(9) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) b]:ゼ. ミjの 最 小 人 数(制. SI」 学 生iが. 約 条 件). ゼ ミjに 配 属 さ れ た 場 合 の 満 足 度(満. 値 と 最 小 値 を あ らか じ め 設 定 し た 上 で,学 G1学. 生iの. 4.3.2目. 足 度 が 高 い ほ ど 大 き な 数 と し,最 大. 生 に ア ン ケ ー トで 答 え て も ら う 。). ゼ ミ応 募 時 点 で のGPA. 的 関 数(学 生 の 成 績 を 加 味 した 学 生 全 体 の 満 足 度 の 最 大 化). 学 生 の 満 足 度 の み で 配 属 を 決 め るの で はな く,GPAが. 高 い学 生 は,そ れ を プ ラ ス要 因. と見 な し,よ り高 い プ ラ イオ リテ ィを 与 え る た め,満 足 度 にGPAを と とす る と,GPAを. 考 慮 した 学生 の 満 足度 の合 計 は(4.3.1)式. 乗 じた 数 値 を 使 う こ. とな る。. mn Σ Σ(Gi・Sij・X動)→max…. …(4.3.1). ij. 4.3.3制 ①. 約条件. 学 生iは,た. だ 一 つ の ゼ ミに配 属 され る。. n 。・・。・・(4. ΣXjj=1(i=1,2,…m). .3.2). j=1. 但 し,i=1,2,… j=1,2,…. ②. ゼ ミjの. …m(学. 生 の 番 号). …n(ゼ. ミ の 番 号)で. 最 大 人 数 はa]で. あ る 。(ゼ. あ る。. ミの 最 大 人 数 を 決 め る)). ΣXjj≦aj(j=. 1,2,…,n). ・・・…(4. .3.3). i=1. ③. ゼ ミjの. 最 小 人 数 はb」 で あ る 。(ゼ. ミの 最 小 人 数 を 決 め る). m ΣX輯. ≧bj(. ゜ =. 1,2,…,n). i=1. 一25(141)一. ・・・…(4. .3.4).
(10) 第9巻 ④. 全 て のX、]は0か1で. X類. 第2号. あ る。. ≧0. ・・・…(4. Xij≦1. ・・・…(4. こ の モ デ ル を 解 く と は,制. 約 条 件(4.3.2)式. ∼(4.3.6)式. を 満 た し,目. 5.学. ミ数(n)と. 文 〔1〕 と 同 様,数. 〔1〕 で は,悪. 理 計 画 法 の一 種 で あ る輸 送 問題 の モ デ ル で解 け る。. い 条 件 の 一 例 と し て,教. 員 数40人,学. 生 数850人. ミ に 希 望 者 が 集 中 す る 場 合 を 想 定 し た テ ス トデ ー タ を 作 成 し,実 トデ ー タ を 基 に して,各. 学 生 の 希 望 は そ の ま ま と し,各. と 設 定 し,特. 定のゼ. 際 に 解 い た が,そ. の テス. 学 生 のGPAの. 低 い学 生 ∼ 高 い学. 生 の デ ー タ を 作 成 し,解 を 求 め た 。 こ の 場 合 の 未 知 数X、]の 数 は40×850=34,000変 小 規 模 の 数 理 計 画 法 の 問 題 で あ れ ば(例. え ば. 〔6〕),Excelの. 迄 で あ る 。 従 っ て,本. 数 とな る。. ソ ル バ ー で も 解 け る が,. ソ ル バ ー で 解 く事 が 出 来 る未 知 数 の 最 大 は,Excel2003・Excel2007共. こで 論 文. な る。. 生の成績を加味 したゼ ミクラス編成問題の解法. こ の モ デ ル は,論. Excelの. .3.6). 的 関 数(4.3.1)式. を 最 大 に す るXI」 を 求 め る こ と で あ る。XI」 の 個 数 は 学 生 の 人 数(m)*ゼ. 論文. .3.5). 問 題 は 未 知 数 が 遙 か に 多 い の で,Excelで. に200変 数. は 解 く事 が 出 来 な い 。 そ. 〔1〕 の 場 合 と 同 様 に,数 理 計 画 法 専 門 の 汎 用 ソ フ ト ウ ェ ア"What'sbest"〔7〕. を 用 い て 解 く事 に す る 。 こ の ソ フ トウ ェ ア は,Excel上. で 作 動 し,Excelの. ソル バ ー と よ. く似 た 使 用 方 法 で 最 適 解 を 求 め る こ と が 可 能 で あ る 。. 唖 伊. 算. 6.計. 6.1前. 提 条 件 と な る 学 生 満 足 度 行 列(入. 例 と して論 文. 〔1〕 で 用 い た 教 員 数40人,学. こ の デ ー タ は,特 は,学. 生iが. カ デ ー タ) と した 場 合 の デ ー タ を用 い る。. 定 の ゼ ミ に 希 望 者 が 集 中 す る 場 合 を 想 定 し た テ ス トデ ー タ で あ る 。Sij. ゼ ミjに. れ 以 外 は0∼10点(但. 生 数850人. 配 属 さ れ る 場 合 の 学 生 の 満 足 度 で あ り,第1志 し整 数)と. 望 の ゼ ミ は10点,そ. し て ア ン ケ ー トに 答 え て も ら う。 表6.1で,同. Sl]値 で,10点. が 複 数 個 あ る 場 合 が あ る が,そ. れ は 複 数 個 の 第1志. る 。 な お,こ. の 得 点 の 範 囲 内(0∼10点,但. し整 数)で. 一26(142)一. 一の学生の. 望 が あ る と い う意 味 で あ. あ れ ば,学. 生 が どの よ うな 満 足 度.
(11) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) の 点 数 を 答 え た と して も 解 を 求 め る こ と が 可 能 で あ る 。 な お,各. 学 生 のGPAは. 大学の教. 育 デ ー タ ベ ー ス か ら紐 つ け す れ ば よ い 。 こ の よ う な デ ー タ を 実 際 に 集 め る た め に は,ゼ を 希 望 す る 全 て の 学 生 に希 望 を 提 出 し て も ら う必 要 が あ り,表6.1の 満 足 度 デ ー タ に 相 当 す る 。 表6.1の 値 は,(4.3.1)式. 表6.1学. 生 の 各 ゼ ミ に 対 す る 満 足 度 行 列(Sij)の. ミ. 各 一 行 が一 人 の学 生 の. のS1〕 を 表 形 式 で 書 い た も の で あ る 。. 入 力 テ ス トデ ー タ(一. 部 省 略). *「 ・」はデータを省略している事を示す。 石';悉具i→. 6.2各. ゼ ミの 最 大 人 数 ・最 少 人 数 の 感度 分 析. た だ一・ つ の前 提 条 件 で の 解 を求 め る だ けで な く,計 算 の 前 提 とな る各 ゼ ミの 最 大 人 数 と 最 小 人 数 の設 定 が,GPAを. 加 味 した学 生 満 足 度 合 計 に どの よ うな 影 響 を 与 え るか を 調 べ. る た め,各 ゼ ミの 最 大 人 数 と最 小 人 数 を変 化 させ 感 度 分 析 を行 う。 これ らの モデ ル ケ ー ス 前 提 条 件 を ま と め た もの が 表6.2で あ る。. 表6.2モ. デ ル ケ ー ス前 提 条 件 一 覧.
(12) 第9巻. 第2号. 表6.2の20通 りの各 条 件 に対 して最 適 解 を求 めれ ば,各 ゼ ミの最 大 人 数 と最 少 人 数 の 変 化 が 合 計 学 生 満 足 度 に与 え る影 響 を 知 る こ とが 出来 る。. 6.3Excel上 表6.2の20通. で の ワ ー ク シ ー トの 一 例(全. 体 像). り の 各 条 件 に 対 す る最 適 解 を 求 あ る に 当 た っ て,具. 体 的 にExcel上. で どの. よ う な ワ ー ク シ ー トに な る か を イ メ ー ジ と し て 示 し た の が 次 の 表6.3で あ る。 こ の 中 に は 重 要 な 表 が2種. 類 あ り,そ. 足 度 行 列 」(表6.1既 示す. れ らは各 学 生 が 各 ゼ ミに配 属 され た場 合 の 満 足 度 を 示 す. 出)と,34,000個. 「解 行 列 」 で あ る 。 そ の 他 に,数. の 未 知 数 の 最 適 解(行. 列 表 記)を. 「学 生 満. 記 入 す る場 所 を. 理 計 画 法 の モ デ ル を ソ フ トウ ェ ア に 認 識 さ せ る た め. の い くつ か の 項 目 を 追 加 して い る 。 そ れ ぞ れ 行 数 が 学 生 の 人 数 分 の850行 あ る の で,実. 表6.3Excel上. で の ワ ー ク シ ー ト(一. 部 省 略). 際.
(13) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) は 縦850行 以 上,横40列 ま れ る が,Excel上 PRODUCT関. 以 上 の 表 と な る 。 「4.」で 述 べ た(4.3.1)式. で は セ ル 数 が 非 常 に 多 く な る の で セ ル の か け 算 と し て 記 述 せ ず,SUM-. 数 を 用 い る と数 式 の 記 入 間 違 い を 避 け る こ とが で き る。. 6.4Xijの. 解 行 列 の一 例. 表6.3を 作 成 出 来 れ ば,Excel上. で 数 理 計 画 法 ソ フ トウ ェ ア を 使 う こ と に よ り解 が 求 め ら. れ る 。(こ の 表6.3の 中 に 「4.」で 既 に 述 べ た,目 (4.3.6)式. 解Xi]で. ①. と 制 約 条 件(4.3.2)式. ∼. の 数 理 計 画 法 ソ フ トウ ェ ア で あ るWhat'sBest!. ア ドイ ン ソ フ トウ ェ ア と し て 使 用 し て い る 。 表6.4は,こ あ る(表6.3の. 下 半 分 が 解 行 列 に な っ て お り,解XI」. 表6.4Xijの. 6.5計. 的 関 数(4.3.1)式. を 記 述 す る 。). 本 論 文 で は 米 国LINDOSystems社 をExcelの. に は配 列 の か け算 が 含. 解(一. の よ う に して 求 め た. の 値 が 記 入 さ れ る)。. 部 省 略). 算 結 果 の ま とめ 学 生 数850人,ゼ. ミ数40の 前 提 条 件 で,前. 提 条 件 で あ る ゼ ミの 最 小 人 数 と最 大 人 数. の 変 化 が 結 果 に ど う影 響 す る か を 求 め た 。 前 述 の 表6.2の 全 て の ケ ー ス に つ い て 数 理 計 画 問 題 の 解 を 求 め,そ. の 結 果 を,ま. と め た の が 表6.5で あ る 。. 最 小 人 数 を 固 定(0,5,15,20人)し. た 場 合 に,ゼ. を 記 載 して あ る 。 -29(145う. 一. 前 提 条 件 と して ゼ ミの. ミの 最 大 人 数 を 変 化 さ せ た 結 果.
(14) 第9巻. 表6.5モ. 第2号. デ ル ケ ー ス の 解 の ま と め(ゼ. ミ の 最 小 人 数 一 定). 計算 条件 一覧 表 (制約条 件としての1ゼ ミ最 小人数 を一定 にした場 合、ゼミ最 大人 数変更 の影響). 条件 の modelNo. 強さ. ゼミ最小 人数. ゼミ最 大 人数. 理 論 的 に は予 想 され る こ とで あ るが,表6.5か. ゼミ最 小 人数. ゼミ最 大 人数. GPAを 加 味 した学 生満 足度 合計 の最 大値. ら 目的 関 数 を 「GPAを. 度 合 計 の最 大 化 」 と した場 合 に も,制 約 条 件 が 緩 い ほ ど,「GPAを. 加 味 した学 生 満 足. 加 味 した学 生 満 足 度 合. 計 の最 大 値 」 は大 き くな る こ とが 分 か る。 例 と して,制 約 条 件 と して の1ゼ を0人 と した場 合 に,1ゼ. ミの最 大 人 数 を増 加 させ る と,rGPAを. 加 味 した学 生 満 足 度 合. 計 の最 大 値 」 が 増 加 す る こ と を図6.1に 示 した。. GFAを 加 味した学 生満足度 合計の最 大値 0"﹀を加 味した 学 生満 足度 合 計 の最 大値 図6.1ゼ. ミ最 少 人 数 を0と (22,23,24,25)の 値 」 の変 化. し,ゼ ミ最 大 人 数 を 次 第 に 増 加 させ た 場 合 「GPAを 考 慮 した 学 生 満 足 度 合 計 最 大. 30(146). ミの 最 小 人 数.
(15) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) ま た,表6.5か. ら分 か る こ と は,各. ゼ ミの 人 数 制 約(ゼ. りが 緩 い ほ ど 全 学 生 の 満 足 度 合 計 は 上 昇 す る が,緩. ミ最 少 人 数,ゼ. ミ最 大 人 数)の. す ぎ る と 最 適 解 と して 配 属 数0の. 縛 ゼ ミ. が 発 生 す る事 が 分 か る。 ②. 表6.6は,前. 提 条 件 と し て ゼ ミの 最 大 人 数 を 固 定(22,23,24,25人)し. た 場 合 に,. ゼ ミ の 最 小 人 数 を 変 化 さ せ た 結 果 を 記 載 して あ る 。. 表6.6モ. デ ル ケ ー ス の 解 の ま と め(ゼ. ミ の 最 大 人 数 一 定). 計算 条件 一覧表 (制約条 件としての1ゼ ミ最 大人数 を一定 にした場 合、ゼミ最 小人 数変更 の影響). 計算条件 ゼミ最小 人数. 条件 の modelNo. 強さ. 最適解. ゼミ最 大 人数. ゼミ最 小 人数. ゼミ最大 人数. GPAを 加 味 した学 生満 足度 合計 の最 大値. 1ゼ ミ当 た りの 制 約 条 件 と して の 最 大 人 数 を一 定 と し,最 小 人 数 を 増 加 させ る と(つ ま り,ゼ ミ人 数 の縛 りを強 くす る と),rGPAを. 加 味 した学 生 満 足 度 合 計 の 最 大 値 」 は減 少. す る事 が 分 か る。. 7.本. 方法の実施方法. 本 方 法 を実 施 す る場 合 の 手 順 は次 の 図7.1の よ うに な る。 本 方 法 を実 施 す る に 当 た って は, 第1段 階:「 正 しい デ ー タ を集 め る段 階」 第2段 階:「 集 め た デ ー タ を使 って学 生 所 属 ゼ ミの解 を計 算 す る段 階」 の各 時 点 で 注 意 す べ き点 が あ る。 31(147).
(16) 第9巻. 第2号. く実 施の手 順〉. 〈説 明〉 ① デー タ入 力 の た め の シ ス テム (WebsystemorOMRorそ の 他)必 要 。入 力 デ ー タ の チ ェ ッ ク ルー チ ン必 要 。. ① ゼ ミ希 望 ア ンケ ー ト実 施. ② 各学 生 のGPAの デ ー タ を紐 つ ける。. ←① ③ 変 数 の 数 や制 約 条 件 が 変 更 と な る毎 に モデ ル を作 成 す る 。. ⑤ExcelとWhat'sBest使 用 。. ⑥sort,copy&paste. ⑦ ③ ∼⑦を必 要な回数繰 り返 す. NO→. ①. ↓YES 終了. 図7.1「GPAを 加 味 した学 生 満 足 度 合 計 を最 大 化 す る」 と い う 目 的 関 数 を 用 い て ゼ ミ配 属 を 決 定 す る場 合 の 手 順. 7.1「 正 しいデ ー タを 集 め る段 階 」 で の 注 意 点 学 生 全 員 の 正 しい 「学 生 満 足 度 行 列 」 を迅 速 に集 め る運 用 上 の 工 夫 が 必 要 で あ る。 例 え ば 「学 生 満 足 度 行 列 」 を 集 め る手 段 と して 「OMR」. や 「Web利 用 シ ス テ ム」 が 考 え られ. るが,そ れ ぞれ 以 下 の よ うな 注 意 点 が あ る。 まず 「OMRを. 使 う場 合 」 に は,二 つ の 注 意. 点 が あ る。 ①OMR読. み 取 り精 度 が 高 い こ とが 必 要 で あ る(必 要 な ら外 部 の 業 者 に頼 む 必 要 が あ. るか も しれ な い)。 ②. デ ー タ読 み 取 り後,記 入 ミスや 論 理 的 エ ラー,い めな い対 策 が 必 要 で,エ. い加 減 な デ ー タを 入 力 デ ー タ と認. ラ ー チ ェ ックル ー チ ンで エ ラ ーを 発 見 し,そ れ を 学 生 に伝 え. 修 正 す る手 順 を 考 え て お く必 要 が あ る。 -32(148)一.
(17) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村) 次 に 「Webを Web利. 利 用 し た 入 力 シ ス テ ム の 場 合 」 に は,「 ゼ ミ 申 し込 み シ ス テ ム 」 の よ う な. 用 シス テ ム を新 規 開発 す る こ と に な る。賢 明 な エ ラ ー チ ェ ック ル ー チ ンを開 発 で き. れ ば,こ. ち らの 入 力 シ ス テ ム の 方 が エ ラ ー の フ ィ ー ドバ ッ ク に 要 す る 時 間 が 少 な くな る は. ず で,こ. れ らの 問 題 点 を 克 服 しや す い と 思 わ れ る 。. 7.2「 集 め たデ ー タ を使 って 学 生 所 属 ゼ ミの 解 を 計 算 す る段 階 」 で の 注 意 点 学 生 全 員 の 正 しいデ ー タを 取 得 後,解 を 計 算 す る場 合 の 前 提 条 件 と して,1ゼ. ミ当 た り. の 最 小 人 数 と最 大 人 数 の 設 定 が 必 要 で あ るが,具 体 的 な 人 数 につ いて の 試 行 錯 誤 が 必 要 で あ る。 その 理 由 は,一 つ の ゼ ミの 人 数 制 限 を 緩 や か にす れ ば 「GPAを. 加 味 した 学 生 満 足. 度 合 計 」 は大 き くな る。 しか し,大 人 数 の ゼ ミが 出来 て しま う と一 人 一 人 の 学 生 に対 す る 教 員 の 指 導 が ど う して も疎 か にな り,結 果 と して の 学 生 満 足 度 は低 下 す る。 逆 に一 つ の ゼ ミの 人 数 制 限 に厳 しす ぎ る制 限 を 課 せ ば,大 人 数 の ゼ ミは 出来 な いが 「GPAを. 加 味 した. 学 生 満 足 度 合 計 」 は低 下 す るか らで あ る。 従 って 試 行 錯 誤 の 一 つ の 方 法 と して は,最 初,制 約 条 件 で あ る一 つ の ゼ ミの 最 大 人 数 は 平 均 人 数(=学. 生 人 数/ゼ. ミ数)よ. り少 し多 め に固 定 し,ゼ ミの 最 小 人 数 を0人 で 最 適 解. (各 ゼ ミの最 適 解XI」)を 求 め る。 その 次 は,最 大 人 数 を その ま まで,ゼ し増 や した条 件 で 最 適 解(各 ゼ ミの 最 適 解Xl])を 制 約 が どん どん きつ くな って 「GPAを. ミの 最 小 人 数 を 少. 求 め る。 これ を 繰 り返 す と最 終 的 に は. 加 味 した 学生 満足 度 合 計」 は どん どん低 下 す る。. これ らの シ ミュ レー シ ョンの 結 果 か ら(こ れ らの 「最 適 解 」 と 「GPAを 満 足 度 合 計 」 の数 値 を 一 覧 す る),適. 加 味 した 学 生. 切 な 解 を決 定 して 「実 施 解 」 とす る の が良 い と思 わ. れ る。. 8.結. 論. と 考 察. (1)旧 来 の 人 海 戦 術 的 な ゼ ミ決 定 方 法 や,数 理 計 画 法 を 用 い るが 学 生 の 希 望 だ けで ゼ ミ 決 定 を公 正 に行 う方 法 〔1〕 は,学 生 の 成 績 を 考 慮 出来 な いた め,や や もす る と学 生 が 希 望 を 出す 段 階 で 安 易 な ゼ ミ選 択 にな る可 能 性 が あ る。 それ ら に対 して,GPAを 加 味 して ゼ ミの 所属 を 決 め る方 法 の メ リ ッ トの一 つ は,「 ゼ ミ選 考 でGPAを. 加味す る. こ と」 が 学 生 の 日常 の 勉 学 に対 す る イ ンセ ン テ ィ ブ にな る こ とで あ る。 本 来 の ゼ ミ必 修 化 の 目的 は言 う まで もな く,学 生 の レベ ル ア ップ に あ るの で,GPAを. 加 味 して ゼ. ミの 所 属 を決 め る こ と は,学 生 に も学 生 自身 の 勉 学 結 果 につ いて 責 任 を 持 た せ る こ と 一33(149)一.
(18) 第9巻. 第2号. にな る良 い方 法 と考 え る。 (2)本 論 文 で は,学 生 の 一 方 的 な 希 望 だ けで な く,学 生 の 成 績(具 体 的 に はGPA)を 加 味 したゼ ミの 配 属 決 定 方 法 を 提 案 し,そ れ を 用 い たゼ ミ決 定 が 数 理 計 画 法 を 用 い る こ と に よ り,実 用 規 模 で 可 能 で あ る こ とを 述 べ た。 変 数 の 数 は,34,000変. 数 と多 量 で. あ るが,学 生 が 志 望 ゼ ミを 真 剣 に考 え,必 要 な 精 度 が あ るデ ー タ さえ 集 めれ ば,バ ー ソ ナル コ ンピ ュー タを 用 いて 解 を 求 め る計 算 時 間 は短 時 間 で す む こ とが 確 認 され た 。 (3)本 方 法 は,正. しいGPA(つ. ま り,不 受 や 不 可 を0点. と カ ウ ン トして1単 位 当 た り. の 平 均 を 求 め る)の 導 入 と,数 理 計 画 法 に よ る モ デル 作 成 と解 の 導 出 を行 う事 に よ り, ゼ ミ決 定 が 公 正 に迅 速 に行 え る。 (4)学 生 全 員 か ら正 しい配 属 希 望(学 生 満 足 度 行 列)を 迅 速 に集 め る事 が まず 重 要 だ が, 学 生 の ゼ ミ希 望 デー タを 入 力 す る た めの シ ス テ ムを 含 め十 分 な 下 準 備 が 必 要 とな る。 その た めの 必 要 事 項 は 「7.」で 述 べ た。 (5)こ の モ デ ル の解 を 求 め る ソ フ トウ ェ アは,パ ー ソ ナル コ ン ピュ ー タ で使 用 す るExcel に ア ドイ ンす る数理 計画 法 の 汎用 ソ フ トウ ェア(例 え ばWhat'sBest)で (6)モ. 十 分 で あ る。. デル 作 成(制 約 条 件 の 変 更 含 む)は 配 属 決 定 の 都 度 行 う必 要 が あ る。 例 え ば定 期. 的 に必 要 な 変 更 と して は,学 生 数 の 変 更 や ゼ ミ数 の 変 更 が あ る。 (7)モ. デル の 解 を 求 め る作 業 は,し ば ら くの 間 は制 約 条 件 につ いて 試 行 錯 誤 が 必 要 で,. 自動 化 は難 しい。 ま た,試 行 錯 誤 の た め に は モデ ル の 変 更(制 約 条 件 の 変 更)が 必 要 とな る。(詳 細 は 「7.」の章 で述 べ た。) (8)最 適 解 を求 め る モデ ル と して は,数 理 計 画 法 を 用 いて い る。 目的 関 数 はゼ ミを 受 講 す る学 生 の 「GPAを. 考 慮 した学 生 満 足 度 合 計 」 の 最 大 化 で あ る。 この よ うな 問 題 の. 解 法 は い ろ い ろ研 究 さ れ て お り 〔8〕〔9〕〔10〕,実際 に ク ラ ス 分 けで 使 わ れ た例 も あ る 〔9〕Q 注 意 す べ き点 は,場 所 や 環 境 や 歴 史 が 違 うと実 施(implementation)を. う ま く行. う に は種 々の 創 意 工 夫 が 必 要 とな る。 それ を う ま く実 施 す る方 法 を 確 立 す る に は,数 学 的 な 解 法 の 研 究 と 同等 以 上 の 時 間 と手 間 が か か る こ とを 理 解 して お く必 要 が あ る。 しか し,一 旦 方 法 が 決 ま って しまえ ば,実 行 時 間 その もの は驚 異 的 に少 な くな る こ と が 報 告 され て い る 〔9〕。 本 論 文 で の事 例 で も,解 を求 め る時 間 だ けで 見 れ ば非 常 に少 な い時 間 で す ん で い る。 (9)本 論 文 で の 学 生 満 足 度 デー タ は,記 入 す る点 数 を0∼10と. して い る。 しか し,「0」. は望 ま な い こ との 意 思 表 示 と して使 わ れ る可 能 性 が 高 く,「0」 一34(150)一. と答 え て い るの もか.
(19) 学 生 の 成 績 と配 属 希 望 を 考 慮 した ゼ ミク ラス 編 成 問 題(大 村). か わ らず,配 属 され て しま っ た ば あ い に は,そ の 学 生 は不 快 感 を 感 じて しま う可 能 性 が あ る。 そ こで 「0」 と答 え た場 合 に は,ソ フ トウ ェ ア上 の 後 処 理 と して マ イ ナ スの 大 きな 数 を入 れ る よ う にす れ ば,そ こ に配 属 され る可 能 性 は減 少 す る と思 わ れ る。 ま た,入 力 点 数 を0∼10と. したが これ で は細 か す ぎ るか も しれ な い。 例 え ば0∼5程. 度. の 方 が わ か りや す い可 能 性 が あ る。 ⑩. 本 方 法 を実 施 す る場 合 に は,ア ンケ ー トを 取 る前 に,学 生 に対 して 十 分 な 説 明 が 必 要 とな る。. 参. 考. 文. 献. 〔1〕. 大 村 雄 史,ゼ. ミの ク ラ ス 編 成 問 題,生. 〔2〕. 大 村 雄 史,ゼ. ミ志 望 学 生 の 成 績 指 標 の 統 合,商. 〔3〕. 大 村 雄 史,ゼ. ミ志 望 学 生 の 評 価 方 法,生. 〔4〕. 諸 星 裕,消. 〔5〕. G.B.Dantzig,LinearProgrammingandExtensions,PrinstonUniversity. え る大 学. 駒 経 済 論 叢Vol.8,No1-2,2010 経 学 叢,第50巻3号,2004. 駒 経 済 論 叢,Vol.2,No.2-3,2004. 残 る 大 学 一 全 入 時 代 の 生 き 残 り戦 略 一,集. 英 社,2008. Pr,1974 大 村 雄 史,学. 〔6〕. 生 満 足 度 最 大 化 を 目 指 す 基 礎 ゼ ミの ク ラ ス 編 成,生. No1,2009 〔7〕. 新 村 秀 一,ExcelとLINGOで. 〔8〕. 利 根 薫,数. 理 計 画,朝. 〔9〕. 今 野 浩,数. 理 決 定 法 入 門,朝. 〔10〕. H.P.Williams,ModelBuildinginMathematicalProgramming,JohnWiley,. 1993. 学 ぶ 数 理 計 画 法,丸. 善,平. 倉 書 店,1981 倉 書 店,1992. 成20年. 駒 経 済 論 叢Vol7.
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