女
子
短大
生
(
栄養
士
専攻)
の栄養補助食
品
(
サ
プ リ
メント
)利
用 と
栄養
・
食物摂取状況
につ い てDietary
Supplemen
七Use
andNutritiona1
rntake
in
Women
’sJmior
C611ege
Students
ofNutiritional
lhjor
加
藤
恵
子
, 三浦英
雄
,藤
田
公和
*
Ke
丞oKATO
,
Hideo
MnJRA
,
Ktm
且FUJ
皿A
飽 食の時 代である今凵におい て運 動 不 足 も加 わり生 活 習慣 病の問題が深刻になっ てきた
.
この ような時 代に おいて健 康へ の意識は高 まり,
栄養へ の 関心が高まっ た,
ま た若者の 間 で はマ スメディアの影響を多
大に 受 け 身 体の ス リム化 現 象がいわれてお り偏っ た食へ の 関 心が出てきてい る,
ます ます食 生 活へ の関心 が 高 まっ てき た といえよう.
そのター
ゲッ トにあ がっ てきたのが栄
養 補助食
品 (以 ド,
サプリメン ト)で あ る.
サ プ リメン トは あ ら ゆ るマ ス メディ アの ター
ゲッ トにな りサ プ リメ ン トの効 能を説 くことによっ て消 費者を煽っ て い るの が現 状である.
本 研 究は愛 知 県 私立短 期 大学 体 育研 究 協議 会で実施 され た調 査中
の特に栄養
+専攻
の女
子短期 大学 生 96 名に着
目 しサプリメン ト利
用実態を 明 ら かに し,
さ らに食
物摂
取調査 を実施 し栄養 摂 取状況を探っ た.
サプリメン ト利 用 者は
31
%,
過 去に利 用したことが ある者は47
%で, い ま ま で に サプリメン トに関わっ てきた者 が 非常に多かっ た,
利用頻度は毎日が40
%,
週1
回 が30
% で あっ た.
ビタ ミン類を利用 して いる者が 多かっ た.
ま た利 用目的は美 容の た め57
%,
健 康のためが 半数い た.
ダイエ ッ トの た め と回答した者は 少数
で あっ た.食
物 摂取調 査か ら分
析した栄養摂
取状 況は第6
次 改 定日本 人の栄養 所 要量 と比較を した が栄養 素16
項 目中10
項目が 下回っ てい た,
ま た食品群 別 摂 取量につ い ても基 準値 (健 康栄
養情 報研究会 編 )と比較
す る と17
項目中14
項目が 下 回っ ていた.
さ らに二大栄
養 素比率で も脂 質の比率が適正 比率よ り高
い傾
向であっ た.
これ らの こ とか ら栄
養士教育
を受けてい る学
生に も関わ らず食
物摂
取 状 況は 必ずしも良好とはい えない結果で あっ た.
効 果の実感が薄い,
もしくはわからない まま利 用する,
美容のため に利 用 する , 健 康・栄
養のアン バ ラン ス をサ ポー
トする等でサプリメン トを利 用 する こ とが窺
え た.
サプリメン トを利
用 することが栄養
素の過 剰 摂 取 に も繋がりかね ないため,
適 切 な利 用 法 を教 育 する必要 性 を痛感した.
キー
ワー
ド:女子短 期大学
生 (栄養1
:専 攻 ),
質問 紙法,
サ プリ メ ン ト,
食 物 摂取調 査
Women ’
sJtmior
Cbllege
Students
(rfNutritiona1
Major,
Quesbionnaire
,
SUIrplement
Nutritional
lntake
Reseamh
目
的
飽 食の目
訓
弋であ る今
口に おいて食 生活は多様 化し栄 養 素の偏りが生じると同 時に運動 不 足 も加 わ り生活習
慣 病の問 題 が 深刻になっ てきた,い
わ ゆる健 康の三要 素である栄 養,
運 動,
休養の アン バ ラン ス が生じて き たのである.
この ような 時代におい て健 康へ の関心 は 高 ま り,
特に栄養へ の関心 が 旺盛に なっ て きた.
また 若 者の問 で はマ ス メディ ア の影 響 を多 大に受け身
体の ス リム化 現象 (加藤
,
池 ヒら 1996,
松 浦 ら 1988,
牛 越ら1993
)がいわれてお り偏っ た食
へ の関心 が 出 て きてい る.
これ らの こ とからます ます食生活へ の関心 が高まっ てきた といえ よう.
そこ でその ター
ゲッ トに あ がっ たの が栄
養補 助 食品 (以下,
サプリメ ン ト)で ある,
現 在 サプ リメン トはtiン
ビニ エ ン ス ス トアやスー
パー
マー
ケ ッ ト,
ドラッ グス トアなどで比較的 安価 に気軽に手に入 れ ることができる環 魔にあ り,
いまや 雑 誌,
新 聞,
テ レ ビな どのあらゆ るマ スメ ディアでは 健康,美
容,
ダイエ ッ トをター
ゲッ トにサプリメン ト の効能 を説 くことによっ て消費者
を煽っ てい るのが 現 状で あ る,
近年 サプリメン トへ の 関心 が高ま りつ つ あ るなか, 厚 生労
働省
はサ プリメン トの適切 な利 用が出来る よう 平成10
年に検討 会を 設置し平成12
年に はいわゆ る栄養補
助食
品 につ いて表 示制 度 を整 備 す ることで報告書 が ま と め られ,
サプリメン トとは「栄
養 成分 を補給し,
又 は特別の保健の用途に適 するもの と して販 売の用 に 供 する食
品の うち錠剤,
カプセ ル等通 常の食 品の形態 でない もの 」 (大 木 ) とし,
さ らに平 成13
年3
月 に は 「保健機 能食
品制 度」(厚生 労働 省2001)
を発 足 さ せた.
サプ リメ ン トの情
報が 氾濫してい る中で適切 な 使用 が 出来る ように配 慮した.
しかし実
際
は適切 にサプ リメン トが使 用 されて いる か は甚 だ疑 問の残るところであ る,
特に,美
容・
ダイ エ ッ トに敏感
な女
子学
生 がマ ス コ ミに煽 られてそれ を サ ポー
トするた めにサプリメン トを利 用する傾
向が見 られ る.
そこで本研 究は健 康・
食に関する栄養+教 育 を受けてい る学生を対象にサ プ リメン トの利 用状況 を 明らか に す る と と も に, さらに利 用者,
非利 用 者の 日 頃の栄養・
食
物摂 取 状況 に着目 し食生 活の実態 につ い ての調査 を試みた.
専
攻 (名吉
屋 文 理短期 大学 食物 栄養 学科2
年生)% 名 につ いてサ プ リメン トの利
用実態を 明 らかに した.
サ プ リメン ト利用 実 態の質問では,
利 用の有無 利 用 頻度,
サプリメン トの種 類,
利 用目的,
効 果の実感に つ いて分 析 を行っ た.
さ らに サプリ メン ト利用者と
,
非利 用者か ら任意に 各6
名を抽 出 (利用 群,
非利用群と し た)し,
食物 摂 取調 査を 行っ た.
調査日 は,
祝祭口,
冠 婚葬祭 その 他 特に食
物摂取 に変 化の ある 日 を避 け,
なるべ く普 通 の摂 取 状態にある 日を選んで実施した,
記人 しや すい ように事 前に150
食 品に おける 目安 量 及び その食 品の g 数 を記入 した一
覧表と実 際に摂
取 量 を 記 入 した 記 入 例を渡した.
記入方法は毎年 実 施 されて いる厚生 労働省
の国民栄
養 調査 (健 康・
栄養情
報研究会2003
)の方 法に準じて 平 凵3
日間の 食物摂 取調 査 を実施した.
調査
協
力者
に対して は 研究の 門的,
内容 と得 られ た デー
タの取り扱い につ い て十 分 な説 明 を行い調査へ の協
力 を得た.
記 入され た食 物摂 取 デー
タはパ ソコ ン ソ フ ト「建 帛社エ ク セ ル栄 養君」を利用 し分析を行っ た,
平均の差の検
定は t検
定を用いた.
結 果
1.
サプ リメン ト利用状況サプリメン トの利 用状 況 を図
1
に示した.
現在
利用 して いる者は 約31
%,
ま た利用 してい ない者は約22
% であっ た,
過去 に利 用したことのあ る者
が最
も多
く約47
%で あっ た.
現在の利 用者と過 去に利用したことの あ る者の合計は約80
%であり,
サプリメン トとの 関わ りを 持っ た者が多
くい ることが明らかになっ た.
(%〕 利 用 し て い る 312 利 用 して い な い^
2
摂
,
_
tt 過去 に 利 用 した こ とが ある 469 方 法
愛知 県 私立短期大学体 育研 究 協
祿
会 (星野ら2003
) が2003
年5
月 に実 施した調 査の中か ら,
特に栄養士 (%) 60 図1 あなた は サプリメントを 利 用 して いますか 姻[
ー
]
細rL
0 0 4 2 0 13.
3[コ
嬲
3o.
o鬮
諜
1o.
o匚
亠
月 1〜
2 回 その他 程度 利 用 頻 度 3.3 匚 無 回答〔%) 50403020100 ロロ
■
凸
マ ル チV VA 36ア
躯
VB VC 16ア t67 。,[ [
]
齒
[
螽
VE 鉄 分 hlP・
)ウム 食 物 繊 維 アミノ酸 プロテイン 図3
利 用 補 助 食 品の種 類 (複 数 回 答 ) 3oo幽
曲
■
DHA コラー
ケン そ の 他 EPA (% ) 60504030 ・・!
1:
i
50.
0 567 6,
7囮
健康の た め 美 容 の た め 身 体 が 弱 い 体力 をっけ る 3o.D[
]
日常の 食事の 補給 1o.
o 6.
7匚コ
ロ
スポー
ツ等の タ’
イエットの た め 消 費の補 給 図4
栄養補助食
品 利 用の 目的
(複 数
回答
) 0.
0 た だ 何 とな く サプ リメン ト利 用者の利 用傾 向 を図2 〜5
に示した.
図 2は利 用 頻 度であるが, 最も多かっ たの が 毎日の40
%,
次に週1
巨程 度鉛%であっ た.
また刀に1 〜 2
回が10
%,
その他3
.
3
% ど・1
答した者がいたがこれは 気がつ いた ときとい う回答であ り,
わずか で は あ る が いろいろなことに捉われることな く利 用し て いる者 も 含 まれてい るこ とが窺 われ た.
図3
は どのような サプ リメ ン トを利 用して います かの 回答から得 られた結果である.
ビタ ミン C が最 も 多 く約37
%,
ビタミ ンB
が約33
%であっ た.
次に鉄 分,
カル シウムは約17
%であっ た.
ま た食物 繊維, ア ミノ酸・
プロテ インが約 13 %で,
利 用してい る サプ リメ ン トは多 肢に わ たっ て いる が中でもビタミ ン類 を多く利 用して い るこ とが明 らかになっ た.
図4
では どの ような 日的でサ プ リメン トを利 用 し てい ますかの 回答から得 られた結果である.
美 容の た め (肌荒れなどの 改善 )が約57
%で最も多かっ た,
次 に健康の ため (便 秘, 貧 血, 疲 労 などの改 善)の50
% であっ た.
さらに 日常の 食事で不 足 してい る栄
養を補 給 ずる た め が30
%であっ た.
ま たダ イエ ッ トのた めと 回答した者は約7
%と少数であっ た.
た だ何 とな くと 〔% ) 6050403020100 33.
3[
]
はい 53、
3 10.
0曲
[]
い いえ 何 とも 無回答 言えない図
5
効
果
の実 感
は
あ
りま
す
か 回答したもの は お らず,
何らかの意識 を持っ て利用 し てい ることが明ら か になった.
サプ リメン トの効果の 実感は あ り ますかの 図答 結 果 を 図5
に 示 した,
効果 を実感してい る者は約33
%で あり,
感じてい ない者は わずかで33
%であっ た.
半数 以上の者は何とも 言えないと答えており効 果 を実 感 し て いない者が多かっ た.
2 .
サ プ リメン ト利 用の有無と食物摂取 調査 結果に つい て食 物摂 取調査
結
果か ら,
サプリメン ト利用群とヲ.
酥1」 用群の栄
養 摂 取状況,食 物摂 取状 況 を平 成13
年度 国 民 栄養調査結
果と比較
することに よ り傾 向を探っ て みた.
栄
養 摂.
取状 況につ いて図6
に第6
次 改定日本 人の栄 養 所 要量(
文部省
)を100
と して その 充足率 を示 した.
国 民栄
養 調 査,
サプリメ ン ト利 用群,
非利
用群
の間に は有意
差は み られず3
者 とも同様の傾 向を示し た,
国 民栄.
養調査では第 6 次改 定口本 人の栄 養所 要 量 との問に16
項 目中13
項 目に有意 差がみられ た.
所 要 量 を ヒ回っ ているの は た ん ぱく質 をは じめ脂 質.
,
リン,
VDi VK,
VB ,の 6 項目, 下 回っ てい るのはエ ネ ルギー,
炭水 化物,
カル シウム,
マ グネシウム,
鉄,
VC,
食物繊 維の 7 項目で あ り栄養
の アン バ ラン スが 窺 える,
利 用群につ い てみ ると16
項目中7
項日に有意
差が み られ た,所
要 量 を上回っ てい るもの は リン,
>D
の2
項 目,
ド回っ て いる ものは炭水化 物,
カル シウ (% ) 500 400 300 200 100 0 エネル た ん ぽ ギー
く質 脂 質 炭 水 カリ カ ル シ マグネ リン 鉄 VD >E VK VB1 化 物 ウ ム ウ ム シウム 図6 第6次 改定栄養所 要量に対 する充 足率(栄 養 所 要 量を100とした相 対 値).
.
」
VB2 VC 食 物 繊 維 エネ ルギー
たんぱ く質 脂一
炭 水 化 物 カリウム カルシ ウ ム マグネ シ ウ リン 国 民 栄養調査 利 用 群 非 利 用 群 97.
3率 巳9、
2926 119.
6* * 104.
51101126.
O林 10991109B73 * * 84.
D* 84.
6101.
8 76.2**
87.6*塞
103.
6 7B.4‡ 90.
2 104.
7 68.
1‡ 88.
5 131.
4*
* 128.6零 128.
6* 60.
O* 累 52.6林 55、8* * VD VE 236.
7* * 102.
5 2S4.
4* 82.
5 322.
2* 83.8 VK VBI VB2 VC 42i.
8零 * 102.
5 108.
0彫 水 82.0* * 393.
3 91.
9 95.
2 64.
O* 386.
7‡ 8B.
1 9γ.
2 66.
3 7G.
6** 63.5164.
0* * 栄 養所要 量x 各栄 養 素 p〈0.
05* p〈0.
1* * (%〕 60050040D1002001000」
殿 類 種 寞 類 いも 類 砂 糠 類 菓 子 頬 油 脂 類 豆 類 果実類 緑 黄色 その他 きのこ類 高草 類 調 味料等 魚 介類 肉 類 卵 類 乳 頻 里予菜 の1}菜 嗜 好 飲 料 図7 食品 群 別摂取量の充 足 率(基準 値 を100とした相対 値 ) 重 いも類 棚 子 油 脂 類 豆 国 民 栄 養 調査 利用群 ト利 用 群 105.
1琳*F
68.
8ネ ア06 28.
0** 40.
0** 800 48.
6* 零 64.
1576 * ホ 122.
0牌〔
1600 艸 27DO1695 林 tg4.
2244.
264.
0* 零 71.
759.
2寧 68.
0* * 85.
068363.
2* * 66.
235.
3** その他の きの こ類 緑 黄 色 野 菜 菜 調 味 料 等 魚介類 肉 類 海 草 類 好 飲’
;
卵 類 乳 類 67.
1* * 63.
9** 68.
9* 39.
9* * 70.
8 42.
4* * 135.
0** 53.
313.
3** 1蠱 礫
* * 12083.
.
67 * * 13990.
3 30.
5宰 寧 93.
.
O4** * 699D3.
3* * 91.
1 125.
0 71.
7 63.
6 基 準 値x 各 食 品 間 p<0.
05 * pく0、
01 * *〔
群 間 差 ・く ・.
・5ム
,
鉄,
VC,
食 物 繊維の 5項 目で あっ た.
非利
用群 で は6
項目に有 意差が みられた.
上回っ て いるものは リン,VD ,
VK
の3
項目,
ド回っ てい るもの は カル シウム,
鉄,
食物 繊 椎の3
項 日であった.
図7に各 群別の
食
品群 別摂 取 量 (17 品目)の 基準値 (健 康・
栄養 情報研 究会 偏2001
)を100
と した充足率 を 示 した.
基準 値 と国民栄養 調査の間に は17
項 目中,
海 草類 を除 く全ての項 目に おいて有意
差がみ られた.
基 準値 を上回る項 目は穀類,
砂 糖類,
菓子類,
きの こ類
調 味 料等嗜
好 飲 料,
魚介 類,
肉類の7
項 目であ る.
逆にF
回っ て いる ものは,
種 実類,
い も類, 油脂類, 豆類,
果実 類,
緑 黄色 野菜,
その他の野菜,
卵 類,
乳 類の 9 項目であっ た.こ の こ
とから国民の食
品群別摂 取 量の ア ン バランス が明らか に なっ た.
サ プ リメン ト 利用群では7項 目に有意
差がみ られた.
上 回ってい る のは砂 糖類の1
項 目であった,
F
回って いるものは,
穀
類,
種 実類,
緑黄色野菜,
その他の野菜,
海 草類,
卵 類の6
項 目であった,
非 利用 群では6
項 目で有意 差 がみ られた.
基 準値 を上 回っ てい るもの はな く,
い も 類,
油脂類,
果実類, その他の野 菜, きの こ類, 海 草 類の計6
項 目全て下 回っ ていた.
3 者
ともに食
品群別摂
取 量の バ ラン ス は決してい い と はい えない結 果であ っ た.
三者 間の差 をみ る と穀 類およ び調 味料 等嗜 好飲 料で 国民 栄養 調査 と利用群
, 非利用群の問 に5
%の危 険 率 で有 意差がみられた.
ま た 砂糖類では国民栄養
調 査と 非利用群の 間に5
%の危 険 率で有意 差が み られた.
表
1
三大 栄 養 素
の摂 取 比
率
一
国 民 栄養調査14.
6
(1.
436
)31.
4
(6.
494)53.
9
(6.
011) 利 用 群14.
3
(0.
784
)27.
4
(5.
449
)58,
3
(4.
934
> 非 利 用 149(1299 ) 27.
1(5171) 580(4742 ) ( )内 は 標 準 偏 差 各 群 間 n.
s.
表 1に三大
栄
養 素 (た んぱく質,
脂質,
糖 質)の摂 取比率 を示 した.
適正比率 (文部 省2000
)は た んぱく 質10
〜15
%, 脂 質2
〔}〜
25
%,
糖 質55
〜
65
%であるが 比較する と どの群 も脂 質の比 率 が高
い ことが 明 らか に なっ た.
各 群 問の差は みられ なかっ た.
考 察 平成13
年 国 民栄
養調査 (健康・
栄 養 盾報研究会2DD3
) では平成13
年に初めてサ プ リメン トの調査を加え た.
そ の結 果と今回の調査の比較をし て み る.
サ プ リメン トの摂 取状況で は本 調査で は現在
利 用し て い る者.
が約31
%,
過去 に利用 したことが あ る者は約47
%でありサ プリメン トとのか か わ りが非 常に高い結 果であっ た が,
国民栄 養調査 で は全体の平均が23
% で あ り特に 〜29
歳では18.
5
%であっ た.
今 回の結 果は 全国レ ベ ルに 比べ る と利 用者が多
い とい え よ う.
ま た利用 頻度で は 国民栄 養調査の20〜29
才では,
ほぼ毎Ii
利用 す るの は59.
8
%であるの に対 し本 調査で は40
%であった.
さ らに 利 用R
的で は 国 民栄養調査の 全体の傾 向で は一
番 に病気の予 防・
健 康 増進 が約57
%,
次に 不 足 してい る 栄養成
分の補給
約38
% で あっ た.
本調査で は美 容のた め が約57
%で最
も多
く,
健康のた め が50
%で二番 冖 に多かった.
国民栄養 調査で は美 容のた め が約17
%と 非常に 少なく意識の違い が み られ た.
以 トの ことか ら 全国レベ ル に 比べ ると本調 査で はサプリメン トに 関す る意
識は強く, 主に美 容のため であり若 者の特 徴であ る容 姿へ の こだ わ りが強い ことが窺
わ れ た.
ダイエ ッ トの ためと 回答した者が約7
%と少 なかっ たことは意 外 な結 果であっ た.
ま た効 果の実感を感じてい ない も のが約 半数 を 占め てい るとい う結 果であっ た が効 果が 感じられなくて も利 用 を続 けてい るとい うこ とは今 後 の効果 を希望する期待感
が大きい こと,美
し くなるこ とへ
の願望の現 れであると考 え られ よ う.
一
方,食
物摂取 調査か ら栄
養摂 取状況 を み る ため第
6
次 改 定H
本人の栄養 所 要 量 との比較 を国民栄 養調査 と と も に傾向 を み た が 国 民栄
養調査とサプ リ メン ト利 用群,
夛訴 l!用群の 問に は傾
向の違
いはみ られなかっ た.
栄
養 素16
項目中10
項目が所 要 量 を下 回っ てお りその 中の利用 群5
項R
非利用群3
項目に有意
差が み られ た,
また6
項目が上回っ て お り,
利 用群2
項H
,
非利 用群3
項 目で有意
差 が み られ,栄
養摂取のアン バ ラン スが窺 え た,
食 品 群 別摂 取 量の基 準値におい ても17
項目中14
項目が 下 回っ て お りその中の利用 群5
項H
,
非利 用群6
項 目に有 意差が み られ,
こ こ で も食
品摂 取 の ア ンバ ラン スが明 らかになって いる.
ま た 二 大栄養 素 (た んぱく質,
脂 質,
糖 質 の摂 取比率に おい て も 適正比 率 (文部省2000
) と比較 す ると脂 質の比率の高 い こ とが わ か る.
これらの こ とから食 品摂取 状 況は 必 ずしもい い とはい えない.
このアン バ ラン スを補
うた めに はサ プ リメ ン トを川い る の は有 効なこと か もしれ ない.
以上,
栄養士教 育 を受 けている学生 を 中心 に調査 結 果を分析 した が,
効果の 実感が薄い,
も し く は わ か ら ない ま ま サ プ リメン トを利 用 す る,
美容のために利用す る
,
健 康 をサポー
トす るた め,
栄 養のアン バ ランス を補
うため等
い ろい ろな場面でサ プ リメン トを利用 し て いること が窺
え た.
杉山 ら (
2003
)は 「体調 不良と雑誌か ら の情
報が,
栄養素
の不 足 や 不安
感を感じさせ, サプリ メン トを利 用させて いる と推察
され た.今
後,食
事と して栄養
素 を摂 取する ことの意 義お よびサプリメントの利 用方 法 につ い て指導 することが 重要で あ る と考
え られ た」 と 述べ て いる.
現 在は
情
報 が 氾濫し,
なお かつ 身近 な ところ にサプ リ メン トが あり気楽
に利用する ことが出来 る状況にあ る,
この ような環境
の 巾でサ プリメン トの摂 取量に気 をつ け ることは当然
の ことであ る.
大木 ()
も指 摘してい る が, もちろ ん食 品か らバ ランスの良い栄 養 素を摂
取 すること が 基本で あ りサプリメン トの普
及 に よ り こ の考え方 を忘れて はならない.
し か し適正 にサ プリ メン トを利用 し不 足分 を補 うこ とも十 分 考 えられ る.
近 年, サプ リ メン ト等の利 用による過 乗1摂 取 も懸念 され る た め
,第
6
次 改定日本人の栄
養所 要 量で は新 た に許 容 上限 摂取 量 も設 定 され た (文 部省20CO
),
これ らの こと を考えれば栄
養士を 目指 す学 生に適切 な食 生 活とサ プ リメ ン トの正し い利用法を今
後教育
してい く ことは 必 至 である.
今
回は栄養
士教育
を受
けてい る者
につ いての分
析で あっ た が今後 さらに一
般の学 生にっい て も分析しサプ リ メン トの利用状
況 を把握しその問題 点 を明 らか に し ていくことが必 要であ る と考 え られ る.
要
約
健 康・
食に関する栄養上教 育 を受 けて いる学生 を対 象に サ プ リメン トの利 用 状況を明らか にすると ともに,
さ らに利 用者,
非 利用 者の 冖頃の 栄養・
食 物摂
取状 況 に着
目 し食
生 活の実 態についての調 査 を試みた.
その 結 果 次の ことが明 らか になっ た.
1 .
サ プ リメン ト利 用者は約31
%,
非利 用 者は約 22 %,
過去に利 用したこ とが あ る者は約47
%であっ た.
2 .
サ プ リメン ト利 用頻 度は毎目が40
%,
週1
回 が30
%であっ た.
3 .
サ プ リメン ト利 用の 種類ではビタ ミン C が糸勺37
%,
ビタミ ンB
が約33
%で ビタミン類が多
かっ た.
鉄分 カル シウムが約 17%,
食 物繊維,
ア ミノ酸・
プ ロテインが約13
%であっ た.
4 .
サ プリ メン ト利 用の理由は,
美容のため (肌 荒 れ な どの改善)
が約57
%,
健康
の た め(
便
秘,貧
血,
疲 労 など)が半 数いた.
ダイエ ッ トのため は約7
%と わずか であっ た.
5 .
効果の実 感につ い て は感
じ てい る者
は約30
%,
何 ともい えないが半数
以 ヒを 占めた.
6
.食
物 摂取調査か ら栄
養 摂取 状 況 食物摂取状況 をみた.
栄 養摂 取状 況では第6
次 改定日本 人の栄養 所 要 量 と比較して み る と栄
養 素16
項目中10
項目が下 回 っ ていた,食
物 摂取状況では食
晶群別摂取 量の基 準値 (健 康・
栄養 情 報研 究 会編 ) と比較 すると17
項目中14
項目が下 回っ てい た.
7 .
三大 栄養 素 (たんぱ く質,
脂 質,
糖質 )比 率で は適正 比率よ りも脂 質の比率が 高い ことが明らか にな っ た.
8
.食
物 摂取状況 は良好 な状
態で はなかっ た.
9 .
効果の実感
が薄
い,
もしくはわから ない ま ま 利 用 する,
美 容のため に利 用 する,
健 康・
栄養の ア ンバ ラン ス をサポー
トする等でサプ リメン トを利 用するこ とが窺え た.
10
.
サ プリメン トを利 用するこ とが栄養 素の過 剰摂 取にも繋が りか ねない た め,
適切な利用法を教育
する 必要性 を痛感した.
11.栄
養士教育
を受けてい ない学 生の利 用傾 向 も探 る必要がある.
文 献・
星 野秀樹,
藤田公和,
加 藤恵 子,
三浦 英雄,
野 中 章 臣,
大島林 子,
大島博 人,
脇坂康彦,小沢教子, 黒柳 享:女子短 大生の栄 養補 助 食 品 (サプリメ ン ト)の使 用 実態につ い て,
平成 15 年東 海 体育 学会第
51
回大会抄 録 集,36
(2003)
・
池 上久子,
加藤 恵子,
鶴 原 香代子,
国丿1
修一
,
小沢
教
子,伊藤
賢二, 斉藤
由美, マ宮加 代子, 金了・
謹 吾 :短 期 大学生の体 格認 識お よび健 康に関する調査 (
第 4
報)
一
身 長, 体重に関する 理想肪 よ び希望 と現実の 関 係
一
,大 学 保 健 体育研 究,16
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(1996
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加藤 恵子 :女子短 大 生の年次 変化か らみ た 体 格 認 識につ い て,
名 古屋文 理短 期大学紀 要,25,75
−80
(2COO
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川 野 因 :アス リー
トとサプ リメン ト 適切 な使 用法 につ い て指 導原 則, 臨 床スポ
ー
ツ医学,19・
10,
1127−1134
(2002
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健康
・
栄 養情 報研究会:国民栄養の現 状, (2003
),第