新世代ネットワーク : 6.新世代ネットワークとインターネット
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(2) 6. データ主流. ータをそのままネットワークに. コンピュータ向き. かったからだ.ここにあげた変. 電話主流 電話向き. インタフ ェース インタフェ ース インタフェ. ‐アナログ , Iインタフェース. 低速で定速多様 帯域 帯域. サービス形態 サービス形態. 料金体系 料金体系. 高速でバースタブル. 2000年頃. - FR,ATM. 距離と時間に依存 - 時間に応じた従量制. 制御 ネッ ワーク ネット トワーク制御 ワーク制御. WiFi - イーサネット,. -10M, 10M, 100M, 1G, 10G -xDSL, GEPON. 1.5 M,6M, - 64k, 128k, 64k, 128k, 45/50M, 45/50M,150M, 150M,600M 600M. 点と点を結ぶ - 電話,専用線 . 新世代ネットワークとインターネット. インテリジェントネットワーク AtoZ. 複数地点を面で 結ぶ 結ぶ 常時接続. 繋ぐために作られた技術ではな 革はすべてが一気にではなかっ たが,おおよそ 2000 年頃を境 に起こった. これらの変革全体を象徴する のは最後のネットワーク制御の 部分だ.電話主流の時代は端末. 使った帯域や使用量に依存 . である電話機は,音声で通話す. -月額固定 -トラフィックに応じた従量制. るという点に関しては簡単な機. ステューピッドネットワーク エンド −エンド. の制御をネットワーク側で行う. 能しか持つ必要がなく,すべて インテリジェントネットワー クであった.インターネットは,. 図 -2 インターネットがもたらした変革. 上述のように最初は電話網のネ ットワーク制御に合わせながら,. いう特定のアプリケーションを前提として組み上げられ. 電話網のトランスポート機能をうまく利用し発展した.イ. ているがゆえに持つさまざまな特長が,インターネット. ンターネットが成長しデータ主流の時代になると,ネット. のそれ以上の成長にとっては障壁となり,それらの壁を. ワークはインフラとしての機能を果たすための必要最小. 打ち壊さなければならなくなった.こうしてさまざまな. 限の制御機能のみを持つステューピッドネットワークで. 変革が始まった.. 十分となり,電話網の持つインテリジェンスは次第に使 われなくなっていった.代わりにネットワークを利用す. インターネットがもたらした通信の変革 図 -2 は,インターネットの成長がもたらした変革を,. る端末側のコンピュータがインテリジェンスを持ち,多 様なアプリケーションに対する細かな制御をエンドツー エンドで行う形態が主流となった.. 「インタフェース」 , 「帯域」 , 「サービス形態」 , 「料金体系」 ,. このように,インターネット時代になり,ネットワーク. 「ネットワーク制御」 のそれぞれについて,電話網の上を. 制御が端末であるコンピュータに開放されることにより,. 流れるトラフィックの主流が音声通話だった頃と,デー. さまざまな新しい利用形態が出現しそれを実現するために. タトラフィックが主流となって以降の対比を,表にまと. 必要となるソフトウェア技術の発展がもたらされた.それ. めたものである.. に伴いネットワークを利用する目的が変化した.. これらの変革と主流トラフィックの交替の時期が同期 しているのは偶然ではない.主流なトラフィックの都合 に合わせてインフラやサービスを組み上げるほうが効率. 変革の意味するもの. が良く,主流ではないものは主流なものの都合に合わせ. 図 -3 は,ネットワークインフラが段階的に発展する様. るべきなのである.むしろこの主流の交替こそがインフ. 子を示す.ネットワークインフラとは,産業や生活に必要. ラを作るうえでの発想の転換と,これらの変革を引き起. な 「何か」 を流通させるための設備やサービスのことを指す.. こしたと考えられる.. ネットワークインフラを機能させるためには,流通を. 振り返ると,電話主流の時代は見事にインターネット. 司るトランスポート設備,流通をコントロールするネ. が電話網の都合に合わせていた.電話回線でインターネ. ットワークサービス制御機能,そして,流通させるもの,. ットに接続するためには適合認定を受けたモデムやター. すなわち,コンテンツが必要となる.すべてをインフラ. ミナルアダプタを購入してパソコンを回線に繋げなけれ. 側で用意する必要は必ずしもなく,一部をユーザ側で提. ばならなかった.ネットワーク側の都合にユーザが合わ. 供してもよい.. せていたということだ.帯域も同様で当時は高速に思え. 図 -3 の郵便インフラは,郵便局やポストのような一. た ISDN でさえ,64Kbps や 128Kbps といった半端な帯. 部のトランスポート設備は持っているがそれ以外の大部. 域しか出せなかった.ISDN はディジタルとはいえ,音. 分の設備は鉄道や道路のような物流インフラ提供者の提. 声をディジタル化して送るための技術であり,コンピュ. 供するトランスポート設備を利用している.郵便事業者 IPSJ Magazine Vol.47 No.10 Oct. 2006. 1107. 0 1 2 3 4 5 6 7 8.
(3) 特集 新世代ネットワーク 物の流通 電気 ガス 水. 鉄道. New Generation Network. 道路. 放送. 電話. 知の流通. 情報の流通. 情報の流通 放送. 郵便. 電話. インター ネット. コンテンツ. コンテンツ ネットワークサービス 制御. ネットワークサービス 制御. トランスポート設備. トランスポート設備. トランスポート機能を利用. 切り離し, 強化する. 直接制御する. 新世代ネットワーク. 図 -3 ネットワークインフラの段階的発展. 図 -4 インターネットの新世代ネットへの発展. はそれら他者の提供する設備を用いて郵便物を配送する. ンターネットで培われた「知」 の流通インフラとしてのネ. ための制御機能を提供し郵便という情報流通サービスを. ットワークサービス制御機能の発展の両方が必要になる. 実現している.. (図 -4).そして「知」の流通インフラのサービス制御機. このようにある物を流通させる目的のネットワークイ. 能が,情報通信のトランスポート機能を直接制御できる. ンフラが,別の,より抽象的な物を流通させるネットワ. ようにすることにより新世代ネットワークが実現する.. ークサービスの一部の機能を提供することによって,イ ンフラは段階的に発展していくことができる.この場合, 全体の制御は,郵便の例に見るように上位のサービス制. 新世代ネットワークの方向性. 御機能が司る.. インターネットの最大の魅力はそのオープンでグロ. 郵便は,歴史的には鉄道を使っていた時代もあったが,. ーバルな接続性にある.PC や携帯端末のようなディジ. 道路の整備が進むにつれて,次第に鉄道は使われなくな. タルデータを扱える端末を繋ぎさえすれば世界中の相手. った.これはおそらく鉄道がトランスポートとネットワ. とコミュニケートできる.ここに繋がれば,さまざまな. ークサービス制御を一体とする垂直統合型のインフラで. 情報やデータを,さらに,多様な人々の考えや意見を,. あったため,郵便が必要とするサービス制御と親和しな. Any-to-Any で相互に,かつ,瞬時に共有し連携させる. かったためと考えられる.これは前述したインターネッ. ことができ,そこから新たな価値を生み出すことができ. トと電話のインフラの関係によく似ている.. る.さらにそれが発展して,既存の社会に新たなレイヤ. では,インターネットは何を流通させるインフラだろ. を加えるようなかたちでいわゆるネット上の文化圏,経. うか.現在のインターネットは電子メールや,映像・音. 済圏,そして,生活圏が形成されるに至った.. 声に至るさまざまなコンピュータが扱うことのできる情. この流れを発展させ,ネットワークを新世代へと進化さ. 報を流通させている.その点からすると情報流通のイン. せていくためには,これまでの発展の基本となったオープ. フラといえるが,単にそれだけではない.インターネッ. ン性,グローバル性を維持・強化させながら,新世代へと. ト上にある情報の所在地やその属性の情報や,リンクや. 発展させていかなければならない.図 -5 ではインターネ. トラックバックのような情報同士の関連性,類似性,ユ. ットの今後の発展のための課題を 3 つの視点から示す.. ーザの関心等に関する情報を流通させることにより,す. 1 つは,今のユーザの利便性を維持・向上させながら. でに存在している情報を有機的に関連付けたり整理した. インターネットをスケールアップさせるという視点であ. り,いわば「情報」 を媒体にして人類の 「知」 の流通を司っ. る.現在でも年間で 2 倍になるトラフィックを捌いて. ているといえるのではないだろうか.この 「知」 の流通の. いかなければならない以上,今後もブロードバンド化へ. ためのネットワークインフラを整備し,「情報」 流通を超. の対応を継続しなければならない.. えた新しい世代のネットワークサービスを実現するのが. 次に,今まで想定していなかった利用者,利用形態の. 新世代ネットワークであるとすると,インターネットは. ための環境を作り,これまでとは違う 「ユーザ」 をきちん. 間違いなくその原型となるべきものだ.. と取り込み,新たな情報や知識をネットワークに繋ぎな. インターネットが新世代ネットワークへと発展してい. がらインターネットをスケールアップさせるという視点. くためには,「情報」 を効率よく運ぶためのステューピッ. である.ユビキタスネットワークの具現化は u-Japan 政. ドな情報通信トランスポート機能の発展と,これまでイ. 策として謳われている国策でもあり,取り組むべき重要. 1108. 47 巻 10 号 情報処理 2006 年 10 月.
(4) 6. 新世代ネットワークとインターネット. 1.ブロードバンド化への対応 成長限界を打破し,ユーザの利便性を維持・向上させながらインターネット をスケールアップ. ・基幹網 100Gbps ・アクセス網 無線:100M, 固定 :1G∼10G. 2.ユビキタスネットワークの具現化 今まで想定していなかった新たな「利用者」,利用形態のための環境構築 ・家電,センサ,車,ロボット,携帯端末 ・FMC,放送と通信の融合,M2M インフラとサービスの分離 アドホック化,自律分散化. モバイルユーザ >> 固定ユーザ. 対応 インターネットのブロードバンド. パラレル化,オンデマンドリンク トポロジ複雑化,アーキテクチャへの影響. 必要な帯域>>提供可能なリンクスピード. ブロードバンド化への. 3.安心・安全にインターネットを利用できる仕組み作り より多様なユーザ層・利用形態に対する「安心・安全」レベルの提供. 化は,使われる回線の帯域幅を見て も,指数関数的な伸びを示している. 図 -6 は IIJ が創業当時から今日まで, バックボーン回線に利用してきた回 線品目を時系列でプロットしたもの だ.縦軸は帯域幅で,対数スケール になっている.見事に直線的に,つ まり指数関数的に伸びていることが 分かる. これまではインターネット用の回. 図 -5 新世代ネットワークへの課題. 線に,より太い回線が必要になった 時には,まだ商品として売ってはい. ブロードバンド化の急速な進展 Mbps 10,000. 1993年. 95年. 97年. 03年. バックボーン回線品目の推移(IIJの実績). 1,000. 150Mbps. 100. 45Mbps. 10 1. 2001年. 99年. 600Mbps. 指数. 9.6Gbps 2.4Gbps 1Gbps. なかったものの既存の通信インフラ. 05年. ?. 増大 関数的. を売ってもらえばよかった.しか し, こ の 9.6Gbps と い う の は, 今 ある通信インフラの中でも最大の帯 域である.したがって今すぐ次の. 768Kbps 1.5Mbps. 2003年には,現在の通信技術で最大の帯域(STM64, 9.6Gbps)に到達 次の40Gの時期は?コストは?さらにその先は? 今ある技術ではこれまでのようには成長(単純増速)できない 広帯域化技術,高速スイッチング技術,光ネットワーク技術 ダイナミックなトポロジ変更・帯域割り当て,QoS/CoS 自律分散技術,アドホックネットワーク技術 低コスト化 図 -6 ブロードバンド化への課題. の中にすでに存在していた太い回線. 40G は利用できない.40G は今年 商品化されるかもしれない状況なの でまだよいが,次は 100G になるの か 160G になるのかもまだ分からな い状況だ. するとこれからは,ネットワーク のリンクスピードを超える帯域が必 要となるという発想で,次の発展を 模索しなければならなくなる.. な課題である.. たとえば,ある 2 地点間に必要な帯域を用意しようと. さらに上記 2 つを進めるにあたって,今ユーザが脅. 思うと,回線を 10 本も 20 本も束ねて使う必要が出て. か さ れ て い る virus/spam の 問 題 や DDoS(Distributed. くる.つまりもう L1 では束ねられなくなったので,そ. Denial of Service)の脅威,また,個人情報漏洩等の問題. れをどのレイヤで束ねるのですか?ということになる.. を解決し,安心・安全にインターネットを利用できる仕. L2 で束ねるのか,L3 で負荷分散するのか.その場合の. 組みを作らないとインターネットの利用は広がらない.. 経路制御はどうなるのか.ある 2 ユーザ間でデータを. この,ユビキタス,ブロードバンド,安心・安全の 3. 送る際にも複数経路でトラフィックを分散しないと送れ. つの課題をきちんと解決するためには,現在のインター. ないようなコンテンツも出てくるかもしれない.いずれ. ネットの常識も打ち壊さないと先に進めないかもしれな. にせよ今よりもきめ細かなトラフィックエンジニアリン. い.こうしてこれまでの良いところを強化しながらも現. グを上位レイヤで行う必要が出てくるところに発想の転. 在のインターネットからの脱皮をはかることが,新世代. 換が要求されるのではないだろうか.. ネットワークへの移行のために必要な変革である.. これを解決していくために既存のインフラのトランス. この 3 つの課題に対する現状の取り組みと,今後どの. ポートをどう発展させなければならないか,またネッ. ような発想の転換が必要になるのかについて,以下に簡. トワークサービス制御の観点から今までの IP(Internet. 単に述べていく.. Protocol)のアーキテクチャをどう進化させる必要がある のかを考えていかねばならない. IPSJ Magazine Vol.47 No.10 Oct. 2006. 1109. 0 1 2 3 4 5 6 7 8.
(5) 特集 新世代ネットワーク. New Generation Network. どこにいてもストレスなくあらゆるサービスを自在に利用できるネットワーク ロボット系. ユビキタス環境プレーン. ユビキタスプラットフォーム. モバイル/ PC / TV 系. コアネットワーク ユビキタスアプライアンス. アクセスネットワーク. ユビキタスエージェント. フレキシブルスーパーブロードバンド ユビキタスコンテンツ. 超小型チップ系 ユビキタスフレキシブルブロードバンド. マルチレイヤ / マルチリンク / マルチモーダル. 高精度ポジショニング(位置情報). 高度分散処理システム. ユビキタスセンサネットワーク. ユビキタステレポーテーション. (出典)総務省「ネットワーク・ロボット技術に関する調査研究会」報告書. センサ,車,ロボット,家電,ICタグ等 移動体のサポート 省エネルギー,低コスト化. 認証技術 無線技術,モバイルIP アドホックネットワーク,自律分散技術 生産技術. 図 -7 ユビキタスネットワーク実現の課題. ユビキタスネットワークの具現化. 安心・安全への取り組み. 図 -7 は,総務省の「ネットワーク・ロボット技術に関. 図 -8 は DDoS 攻撃のイメージ図だ.ポイントは,イ. する調査研究会」がまとめた報告書に記載されているユ. ンターネットの持つオープンでグローバルな接続性が,. ビキタスネットワークのイメージ図だ.この図によると,. 悪意を持った利用者にも力を与えてしまい,健全な利用. ロボットやモバイル /PC/TV 系の端末や超小型チップが. が阻害されたり,利用者が意図せずに犯罪行為に巻き込. 大量に,かつ,自由に動き回りながら自在に繋がるネッ. まれたりしてしまうという点と,今の技術ではこのよう. トワークとなる.すると図 -5 に示したように,固定端. な悪意を持ったインターネットの利用を通常の利用と区. 末の数よりも圧倒的にモバイル端末の数が多くなるはず. 別して排除する仕組みがないために根本的な対策は難し. であり,有線ではなく無線での接続が前提となる.. いという点にある.だからといって,この悪意を持った. すべての端末が無線の機能を持つと,端末同士が自律. 利用を排除するためにインターネットのオープンでグロ. 分散的にネットワークを自動構成するアドホックネット. ーバルな接続性を制限してしまうのは本末転倒だ.. ワーク技術も重要になる.すると,固定的なトランスポ. だがすべてが自由ではもう秩序を保つことは不可能な. ートインフラと,自動的に構成される無線トランスポー. ので,少なくとも他人を騙って悪いことをすることがで. トをシームレスに繋ぎ,その両方の上で動き回る端末に. きないようにするための対策が始まっている.ISP が取. サービスを提供するためには,複数のトランスポートイ. り組んでいる対策には,IP パケットのソースアドレスを. ンフラにまたがるサービスレイヤが必要となり,サービ. 偽装できないようにする SAV(Source Address Validation). ス制御の仕組みはおのずと特定のトランスポートからは. や,電子メールの送信者アドレスを偽装できないように. 水平分離されたものとなるだろう.. する送信者ドメイン認証等がある.. これらは今のインターネットではそもそも想定されて. DDoS 攻撃では,攻撃を目的としたパケットの送信元. いなかったユーザであり,使い方であるため,どう具体. を特定できなくするために,ソース IP アドレスを偽装. 化されていくのかまだよく分からない面も多いが,いず. してパケットを送り込んでくることが多い.SAV は,ユ. れにせよ,モバイル端末の数が固定端末を凌駕すること. ーザを接続する回線から送り込まれてくるすべてのパケ. による発想の転換が新たな変革を生み出すことは間違い. ットのソース IP アドレスを調べ,そのユーザに正規に. ない.. 割り当てられた IP アドレス以外のソース IP アドレスを. 1110. 47 巻 10 号 情報処理 2006 年 10 月.
(6) 6 ⑤IX経由であればIXの帯域を浪費. IX. 新世代ネットワークとインターネット. くする効果はあっても撲. ①狙われたサーバの負荷が増大 ⑥普通のユーザのアクセスを阻害. 滅することはできない. この課題の解決は,技 術論だけではすまないと. ②サーバのあるLANの トラフィック増大. ころもあるが,残念なが らインターネットの発展. ③プロバイダのバックボーン 回線浪費. ブロードバンド アクセス網. は悪意を持った利用者に. ブロードバンド アクセス網. も力を与えてしまったとい う事実を真摯に受け止め, それでもインターネットの. ④アクセス事業者のネットワーク負荷増大. DDoS 攻撃の例. 自由を守りながら,今ま でのような性善説だけに 則った発想を転換し,悪. Spam, Virus, Phishing 対策 DDoS, ボットネット 情報改竄,情報漏洩対策. 意を持ったユーザから自ら. 認証技術,暗号技術 追跡性,フォレンジック ユーザ教育,インシデント対応. を守るという考え方の醸 成と,そのために必要な 仕組み作りが必要となる.. 図 -8 安心・安全への課題. 持つパケットを ISP 側でフィルタをかけて通さなくする方. 今後の展望. 式だ.これをすべての ISP が実施すれば,ソース IP アドレ. 新世代ネットワークとは,これまでの情報流通のため. スを偽装したパケットを送ることができなくなる.こう. のネットワークではなく,情報を媒体として「知」を流通. しておけば,少なくとも攻撃を目的としたパケットを誰. させるためのネットワークであり,インターネットがそ. がどこから送り出しているのかを特定できるようになる.. の原型となると考えられる.そのためにはインターネッ. またこれらの DDoS 攻撃は,DDoS 目的のパケットを. トがこれまで発展し得た最大の要因である,オープンで. 送り出している PC の所有者が悪意を持って行っている. グローバルな接続性を維持・発展させながらいくつかの. のではなく,コンピュータウイルスへの感染等により仕. 課題に対処していく必要がある.. 込まれた bot プログラムを悪意を持ったユーザが遠隔操. 現状のインターネットの発展のために必要なインフラと. 作することにより行うケースが多い.そして,このコン. しての課題は,ブロードバンド化への対応,ユビキタスネ. ピュータウイルスへの感染は,いわゆる spam メールに. ットワークの実現,安心・安全に使うための環境整備で. より行われることが多いので,そもそも spam メールを. ある.これらの課題の解決は,IP を中心としたインター. 減らすことが重要になる.spam メールは,メールの送. ネットの持つサービス制御機能をさらに進化させることと,. 信者アドレスを偽装して送られてくるケースが多い.. 現在の情報流通のためのネットワークインフラのトランス. 送信者ドメイン認証の仕組みを導入すると,メールの. ポート機能を強化すること,そしてこの強化されたトラン. 送信者アドレスの偽装ができなくなる.送信者ドメイン. スポートネットワークを,進化したインターネットサービス. 認証では,各組織が自組織に割り当てられたドメインか. 制御機能が直接制御できるようにすることが必要である.. らの電子メールを送信するサーバの IP アドレスを指定す. こうして生まれる新世代ネットワークは,今後はイン. る.この情報は DNS(Domain Name System)を用いて公開. ターネットとは異なるロジックのもとで成長し,インタ. される.メールの受け取り側は,メールを受信する際に. ーネットが電話網を呑み込んでしまったように,ついに. DNS の情報を参照し,そのメールが確かにそのドメイン. は今のインターネット自体を呑み込んでしまうようなも. のメールサーバの IP アドレスから送られてきていること. のかもしれない.. を確認したうえでメールを受信するかどうかを判断する.. (平成 18 年 9 月 1 日受付). ただし,これらの対策を施しても,正規に割り当てら れた IP アドレスを用いて悪意のある行為を行うことはで きるし,正規に割り当てられたドメインから spam メール を発信することもできる.あくまで上記で紹介した対策は 偽装を阻止する対策であり,悪意を持った行為をやりにく. ●浅羽登志也| [email protected] (株)インターネットイニシアティブ取締役副社長/ネットワークサ ービス本部長.同社初期バックボーンネットワークの立ち上げを担 当.現在はネットワークサービス提供部門の統括.. IPSJ Magazine Vol.47 No.10 Oct. 2006. 1111. 0 1 2 3 4 5 6 7 8.
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