• 検索結果がありません。

教員・児童が利用しやすい小学校理科室の環境整備のあり方

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "教員・児童が利用しやすい小学校理科室の環境整備のあり方"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)教員・児童が利用しやすい小学校理科室の環境整備のあり方       教科・領域教育学専攻       生活・健康・総合内容系コース.       M09223D川崎榮一 【研究の背景】.  平成20年改訂学習指導要領(2008年)では、. カ進駐・スプートニクショック・高度成長・子供 の問題行動顕在化など、社会の要請・国の方針の. 理科の授業時数が増え、実験・観察の充実が改めて. 変化・子供や親を含む社会状況の変化を反映して. 記載された。これを受けた文科省施設整備指針. 理科教育のあり方も変遷してきたが、実験・観察. (2010年)では、実験室の充実に関し、次の3点 が示された。(1)図書室、視聴覚室等との連携に配. の重要性自体は常に意識されていた。. 慮する。(2)様々な実験器具、情報機器等を教員及.  堂東傳「理科設備の実際」(1928)と理科教育学. び児童が活用できるような施設環境を計画する。. 会編「理科教育学講座8」(1992)をもとに昭和初. (3)複数の教員等の指導など多様な学習形態への. 期と平成初期の理科室を比較した。. 対応も考慮した計画とすることが望ましい。. ・いずれも、階下で校舎の端の教室を理科室とし、.  この指針に加えて、理科教育の変遷とそれぞれ. 附属室・関連教室は接近させるとしている。. の学校の実情を踏まえ、充実した理科の学習を可. ・いずれも、指導用実験机はガス・シンクなどを固. 能にし、児童の学習意欲を高めるための理科室の. 定し、引き出し等を設け、使用頻度が高い小器具. 環境整備のあり方に関して調査し、提言としたい。. を収納するとしている。いずれも背もたれの無い. 【日 的】. 1−2.昭和初期と平成初期の実験室の比較. 椅子が良いとしているが、児童机は、違いがあり、.  教員が使用しやすく児童の学習効果を高めるよ. 前者は分団の組み換えの都合等から移動式が良い. うな理科室及びその周辺のあり方を考え、改善の. とし、後者は固定式が良いとしている。. 方向を示すために以下の調査研究を進める。. ・器具や試薬の収納に関してともに詳細な記述が. 1.理科教育の変遷とその過程での実験室のあり. あり、例示されている試薬の種類や標本等を除い て、両者間に大きな違いは見られなかった。. 方の変化を知る。. a.器具・備品の収納・配置 b.黒板や児童実験机. 2.小学校理科室の現状  二度の質問紙により調査し、また、何枚かの学. C.掲示方法。d.他教科・他教室とのつながり方。. 校を訪問して見学とインタビュー調査を行った。. 2.次の4点を中心に小学校理科室の現状を知る。. 3.理科室整備のあり方を考え提案する。. 2−1.第一回アンケート調査: 神戸市兵庫区内. 【研究方法と結果】. 聖宣増補目本理科教育史(2009)をもとに理科にお. の7小学校に対して質問紙を配布・回収した。主 な質問事項と結果の概要は次の通りであった。実 験室・準備室;平均90㎡、準備室はその1/3。備 品器具;学年によって異なるが、使用頻度が高い. ける実験・実験室の位置づけをまとめた。. 実験器具ベスト5は、ビーカー・プラスチックカ.  学制制定(1872年)時から、合理的な自然観を 教育する重要性は認識されていたが、r科学教育」. ップ・温度計・ぞうきん・トレー。準備と後片付 け;各一時間。理科室の管理運営上の工夫・改善. を受ける段階まで至る子供は少数であった。学校. 等;備品や消耗品の管理、使用しなくなった薬品. 令の公布(1886年)に続いて科学関係の教科は理. 処理が困難との記述があった。. 科として統一され、観察・実験の指導が大切とさ. 2−2.第二回アンケート調査:神戸市内の29校. れた。1910年、理科書児童用は国定として用いら. に対して質問紙を配布・回収した。前回の質問事. れ、その後34年間性格を変えることはなかったが、. 項に加え、特別教室との位置関係、実験台の大き. 大正期に欧米の実験室の整備状況が紹介され、生. さ、机・椅子の移動の可否、黒板、映像資料の使. 徒実験要目制定(1917年)後、生徒実験の設備が. い方、実験時における他教室併用の有無、器材・. 完成していった。そのような中での第一次大戦と. 器具の収納に注意している点等についても回答を. 大正デモクラシー、その後の第二次大戦・アメリ. 求めた。. 1.理科教育と実験室のあり方の変化 1−1.理科教育の変遷と実験の位置づけ: 板倉. 一400一.

(2)  多くの学校で理科室は1・2階に配置されていた。. うにするには、領域別で分類整備するのが適当と. 関連教室などとのつながりが配慮されていない小. 考えられた。一方、使用頻度が低い器材・器具は. 学校も多く見られたが、学習園や保健室が近く図. 準備室に保管し、エネルギー領域が多くなること. 書室などへの動線にも配慮した小学校もあった。. も踏まえ、学年別で分類整備をするのがよいとい. 実験台は6人掛け・固定式が最も多かったが、可 動机を備えた学校もみられた。黒板は、上下可動 式や左右引き戸式の使用が中心だが、固定の黒板 を使用しない小学校もあり、小黒板の使用、また は、プロジェクターや電子黒板の使用など各学校. える。また、器材・器具の索引や配置図を掲示し、.  薬品の保管を行うにあたっては、薬品に関する. で工夫がみられた。器材器具の収納に注意してい. 専門的な知識・経験が少なくても維持管理ができ. る点としては、薬品等の保管等についての安全面. るよう工夫する必要がある。. への配慮を挙げた学校が多く、わかりやすい収納 や収納器具のラベリング・器具の索引や配置図の 作成等も心がけられていることがわかった。. 3−2黒板や児童実験机の工夫と配置:授業にお ける使用上の工夫が掴めていないため、提言とし てまとめることは困難であるが、移動式や小黒板. 2−3.学校見学とインタビュー結果: 現在まで. の効果的な使用も工夫されてよいと考えられる。. に9校の学校を見学・調査した。一部新設校では、. 電子黒板の使用方法は今後の課題であろう。新設. 関連教室とのつながりが工夫され、実験机は可動. 校の児童実験机は可動式になっており、移動させ. 式であった。安全のため、プラスチック用具、安. ての話し合いや実験授業が可能な形となっている。. 全眼鏡やカセットコンロ等が使用されていた。先 進的とされる学校では収納場所が分かりやすく、. 今後、固定式のガス栓を用いない実験も可能とな. 道具の廃棄も的確であった。電子黒板・パソコン. が求められて来ていると思われる。. が備わっていている学校も見学したが、十分に活 用されているかは不明であった。. 3−3掲示方法等: 理科室の掲示については、ア.  器具・備品の収納について、見学した結果、整. 察した学校では、観察採集結果の掲示に工夫がな. 備状況が優れていると判断された2つの小学校と 富山県総合教育センター「理科実験室や準備室の. されていた。理科への関心を高めるためには理科 室の掲示に工夫が必要と思われるが、提言として. 整理の仕方(2010)」に示された収納方法を照合し. まとめるためには、今後さらなる調査が必要と考. た。指導机引出、理科実験室戸棚と準備室引出の. えられた。. 中・下段、準備机引出の器材は三例での重なりが. 理科実験室戸棚6/20、指導机引出8/14に対し、. 3−4関連教室とのつながり=文科省施設整備指 針にあるように関連教室と連携した授業を可能と する配置が望まれ、実際いくつかの先進校ではそ のような配慮がなされていた。しかし、連携した. 準備室では、引き出しと戸棚を含めて1/25であっ. 授業は必ずしも行われていないように見受けられ、. た。領域別にみると、理科実験室戸棚と指導用実. 今後の課題と考えられた。. 験机引出では生物領域(50%)、物質領域(68%)、エ. おわりに. 多くみられ、特に指導用実験机引出において重な りは著しかった。使用頻度の高い器材の割合は、. それぞれの戸棚や引出には器材・器具名のラベル を張ると共に写真等で効果的に収納場所を教員や 児童に知らせるのがよい。. っていることを考え合わせると、可能式の実験台. ンケートではほとんど回答がなかったが、参与観. JST・国立教育研究所が打つだ調査では、準備や. ネルギー領域(56%)、地球宇宙領域(12%)であるの に対し、準備室の器材・器具では、生物領域(4%)、. 片付けの時間不足や設備備品・消耗品の不足が理. 物質領域(32%)、エネルギー領域(92%)、地球宇宙. 科実験授業の障害と感じている教員は多い。これ. 領域(O%)で、ほとんどがエネルギー領域であった。. らの障害を取り除く工夫が必要であり、また、こ. 3.考察と提言 3−1.器材・器具の収納: 使用頻度が高く、複 数領域で利用される器材・器具は理科実験室に収 納し、多くの器材・器具を用意しなくても済むよ. のことが、子供たちの理科への興味・関心を高める. ことにもつながると思われる。本研究がそのため の一助になることを期待する。           主任指薦教員  岸田 恵津.           指導教員  増澤康男. 一401一.

(3)

参照

関連したドキュメント

指導をしている学校も見られた。たとえば中学校の家庭科の授業では、事前に3R(reduce, reuse, recycle)や5 R(refuse, reduce, reuse,

居室定員 1 人あたりの面積 居室定員 1 人あたりの面積 4 人以下 4.95 ㎡以上 6 人以下 3.3 ㎡以上

取組の方向 安全・安心な教育環境を整備する 重点施策 学校改築・リフレッシュ改修の実施 推進計画 学校の改築.

取組の方向  安全・安心な教育環境を整備する 重点施策  学校改築・リフレッシュ改修の実施 推進計画

運航当時、 GPSはなく、 青函連絡船には、 レーダーを利用した独自開発の位置測定装置 が装備されていた。 しかし、

小・中学校における環境教育を通して、子供 たちに省エネなど環境に配慮した行動の実践 をさせることにより、CO 2

最も改善が必要とされた項目は、 「3.人や資材が安全に動けるように、通路の境界線に は印をつけてあります。 」は「改善が必要」3