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Academic year: 2021

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1 第 4 集の紀要が発行されて喜ばしいことで ある。京都文教大学に、日本での初の臨床心理 学部が作られ、2008 年から始まった。最初の 臨床心理学部という自負を持って、日本の臨床 心理学の向上になんらかの刺激を与え、日本 をリードしていくという意気込みを持って研究 に、教育に努めている日々である。このような 日常の活動報告として大きな意味を持ってい るのが紀要であると考えている。紀要は教員に よって、支えられ、作られている。今回は本学 の先生方の研究方法について考えてみたい。多 くの先生方がそのようなことに立脚しているだ ろうという筆者の考えであり、一律にそうなっ ているというわけではない。 研究方法に関して、日本の臨床心理学では、 大きく 2 つの流れがあるように思う。この研究 方法をめぐってもちろん本学にもいろいろな考 えの教員がいる。繰り返しになるが、ここにあ げるのは筆者が考えていることであり、賛成の 教員も反対の教員もいる。敢えてひとつの考え を示し、それをもとに議論していくことになろ う。だからこそ、学問が発展していくのであろう。 研究方法については河合隼雄はユング派の考 えを基に、自然科学的な方法と共時的な方法の 二つに分けて説明した。これは因果律と同時性 との対応でもある。原因があって、その結果と して何かがおこっていると考えるものである。 一方、原因があるのでなく、偶然に同時にこと が起こることもあると考える考え方である。こ れを筆者なりに今の流れと対応させながら、述 べると次のようになる。一つめは、臨床心理学 は心理学の応用であり、心理学が自然科学的側 面を強調するものである。これはエビデンスの 必要を強調するもので、確かに必要なことであ る。しかし、実際に事例に携わっていると、例 外的な物がでてくる。事例は個人個人の特徴を 示しており、一概に言えないことが特徴といえ よう。エビデンスにこだわると、個人の特徴を 見失うおそれがある。一方、二つ目はナラティ ヴ「物語る」方法である。個人が自分の今まで の生活を振り返り、セラピストに話をするとき、 その話は個人の思いが込められており、なにか を証明しようとしているのではない。このよう なクライエントの話を基に、事例研究をすると き、自然科学的なエビデンスはないにしても、 個人から普遍性や一般性を導くことは可能であ ると考える。ナラティヴにもエビデンスはある と思う。要するに、事例を大切にし、そこから 知見を得ていこうとする態度が重要になってい るのだと思う。 我々の学部の教員は実際の現場での経験をつ み、すなわち、病院や教育研究所などで、ケー スに携わりながら、研究に教育に関わっている。 このような教員にはたとえエビデンス志向の人 もナラティヴ的な面をも持っていると筆者は考 えている。また、実際の出来事が基に成ってい る分、学生にはわかりよく、意欲をかき立てる ものになっていると考えている。

巻頭言

岡 田 康 伸

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