Title
保健医療領域における社会福祉実習の可能性
Author(s)
村田, 真弓
Citation
地域研究 = Regional Studies(9): 27-32
Issue Date
2012-03
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/9662
(研究ノート )
村田真弓 :保健医療領域における社会福祉実習の可能性保健医療領域 における社会福祉実習の可能性
村 田 真弓*
A StudyofSocialWorkPracticum inHealthCareServices
MURATA Mayumi 要 旨
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月に交付された 「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部 を改正する法律」 に基づき、社会福祉士 養成課程における教育内容の大幅な見直 しが行われ、 「高い実践力」 をキーワー ドとして、実習教育の枠組みが大きく改 訂されることとなった。今回の新カリキュラムにおける実習では、教育現場および実習先の指導者に対 して明確な資格 要件が課せ られた。 これを受けて、 これまで実習施設 として学生の指導 をお願いしてきた施設の中には、残念なが ら新 カリキュラムにおける指導者要件に該当する実習指導者が存在せず、委託の継続が困難 となる状況に至ることが少なか らず見込まれている。そのような場合、次 に考え られるのは、新たな実習指導者の発掘である。保健医療分野には、実 習指導者要件を満た しうるソーシャルワーカーが多 く潜在 していると考え られるため、 これまで沖縄大学において社会 福祉士養成課程 における現場実習の状況 について調査 した結果をふまえ、沖縄県 における今後の実習教育の方向性 につ いて分析 し、今後 も増加が見込まれる保健医療嶺域における社会福祉実習の潜在的な可能性について考察 したQ キーワー ド:社会福祉士実習 新カ リキュラム 保健医療領域 実習内容 はじめ に 少子高齢社会への急速な移行や先 の見 えな い経済不 安、多様化す る福祉ニーズな ど、近年 の社会状況 の変 化によって人々の暮 らしにソー シャル ワー ク的介入が 必要 とされ る状況が拡大 してきて いる。 これ らの こと か らソー シャル ワーカー の任用 ・活用 を求 め られ る領 域が広が りつつあると同時 に、 ます ます ソー シャル ワー カーの実践的 力量が問われて いる。 こうした状況 を踏 まえて、 社 会福 祉 士 の養成 カ リキ ュラム につ いて も 「高い実践 力」 をキー ワー ドとして、 養成教育 の あ り 方が見直 され る こととな った。2
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月 に交付 された 「社会福祉士及び介護福祉士法等 の一部 を改正す る法律」 に基づ き、社会福祉士養成課程 にお ける教育 内容 の大幅な見直 しが行 われたが、 この改正 にあた っては、 と りわ け実習教育 のあ り方が重要なポ イ ン トとな っている。 本稿では、今 回の法改正 を受 けて、社会福祉士養成 課程 にお ける現場実習 の状況 につ いて調査 した結果 を 基 に、今後 の実習教育 の方 向性 につ いて分析 し、今後 も増加が見込 まれ る保健 医療領域 にお ける社会福祉実 習の潜在的な可能性 につ いて考察す る こととす る。 1. 新 た に示 され た 実習指 導者 資格 要件 今 回の法改正 で は、 「よ り実践 力の高 い社会福 祉士 の養成」 をキー ワー ドとして、相談援助実習 ・演 習の 指導者 につ いて、資格要件が明確 に示 された。 まず、 社会福祉士養成 にかか る教育現場 にお いて、相談援助 実習 ・演 習 を担 当す る教員 は、社 会福祉 士資格取得後(研究ノート)
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健医療領域が社会福祉士の活躍す るフィール ドとして 広 く認知 されるよ うにな った こともひ とつの理由と考 え られ る。3.
社会福祉士 資格取得者の就 労状況 現在、法的 には医療 ソー シャル ワーカー として働 く ために特別な資格は必要な く、必ず しも社会福祉士有 資格者でな くとも高 い実践力 と指導 力を持ち、現場で 活躍 している医療 ソー シャル ワ-カーは少な くないO しか しなが ら、現在では多 くの医療機関で新たな求人 を出す際 に 「社会福祉士有資格者である こと」、 また は 「社会福祉士有資格者が望 ましい」 と明記 されるこ とが 目立つよ うになって いる。 そ こで、 まず は現在全国の社会福祉士有資格者が ど のよ うな現場 に就労 しているか について、把握 してみ たい。厚生労働省か ら委託 を受けて社会福祉振興 ・試 験セ ンターが平成20年 に実施 した、介護福祉士、社会 福祉士及び精神保健福祉士 の資格取得者の就労状況等 に関す る調査結果 によれば、社会福祉士有資格者が就 労 している法人種別は 「社会福祉協議会以外 の社会福 祉法人」が最 も高 く、次 いで 「医療法人」 が高い こと がわかる (表1)0 表1 社会福祉士が就労 している法人種別の状況 =r地域研究」9号 2012年3
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年以上相談援助業務 に従事 した経験 を持つ者、 もし くは これ に代わる厚生労働大臣が指定す る講習会 を修 了 した者でなければ これ らの科 目を担 当す る ことがで きな くなったH.
また同時 に、現場実習 にお いて学生を直接指導 して いただ くことになる施設や機関の現場実習指導者 につ いては、社会福祉士資格取得後3年以上の相談援助業 務経験 を有 し、同 じく厚 生労働大 臣が指定す る実習指 導者講習会の受講 ∠)が義務付け られた。 このよ うに、教育現場および施設 ・機関双方 にとっ て、明確な資格要件が課せ られることとなった。2.
医療 ソー シャル ワーカー と社会福祉 士養成課程 周知のよ うに、保健医療現場で働 くソー シャル ワ-カ-の歴 史は、社会福祉士国家資格誕生の歴史よ りも はるかに長 い。 しか し、社会福祉士受験資格取得 のた めの実習先 として医療機関が追加 されたのは、 ごく最 近2006年か らである。それ までは、医療機関での現場 実習は、将来医療 ソー シャル ワーカーにな りたい と希 望する学生に対 して、後進の育成に理解のある現任 ソー シャル ワーカーによって任意で行われてきた時代が長 かった0 2006年以降は、養成校 の判断によって社会福祉士受 験資格取得のための実習先 として医療機関への配属が 可能 となった ことによ り、保健医療分野での現場実習 を希望す る学生は,必ず しも将来医療 ソー シャル ワー カー になる ことを目指 している場合だけではな くな り つつある現状が生 まれている。それは保健医療分野で の現場実習は他 の施設 ・機関 に比べて個別の相談援助 場面 に触れ られ る機会が多 いという特徴があるか らと 考 え られ る。 このため,特 に個別援助の技術 を学びた い、身に付 けたいと考 える学生が この分野での現場実 習 を希望す るよ うにな っている。そ して、 このよ うな 学生は年々増加 してきている印象をもつO また、今回のカ リキ ュラム改定では、社会福祉士 の 試験科 目について も大幅 に見直 されたが、新たな科 目 として 「保健医療サー ビス」 が追加 された ことで、保 社会福祉士 (n-19,100) 民間企業 8.4% 社会福祉協議会 10.7% 社会福祉協議会以外の社会福祉法人 41.5% 医療法人 14.3% 特定非営利活動法人 2.4% 社団法人 .財団法人 3.0% 協働組合 1ー0% 地方 自治体 (市区町村) 12.6% その他 4.9% 出所 :試験センター 「介護福祉上等現況把握調査の結果」 よ り一部抜粋 これ までの社会福祉実習は、厚生労働省が指定する 実習施設 において、社会福祉 を学ぶ学生が実践の現場 28( 研 究 ノ ー ト ) 村田真弓 ‥保健医療領域における社会福祉実習の可能性 に赴 いて一定時間を過 ごしなが ら様 々な実習体験 を通 して,社会福祉 の現場 に対す る理解 を深めることや、 支援 を必要 とす る対象者 を全人的 に理解す る ことか ら、 ソー シャル ワークの価値 ・知識 ・技術 の総体 について 体験的に理解す ることが 目標 となっていた。 しか し、 これか らの社会福祉実習 は、 「社会福祉士 の現場実習 は社会福祉士の もとで」 という、 いわば施設種別 に対 する縛 りか ら実習指導者 に対す る縛 りが明確化 され、 実習のね らいや 目的 について も、 これ まで以上 にソー シャル ワー クに重 きを置 いた内容が示 されている。
4.
沖縄大学 における実習状況 次に、社会福祉士 を養成す る大学の一例 として、 ど のよ うな分野 に実習 を委託 して いるかにつ いて、筆者 らが 当時 の勤務校 で ある沖縄大学 にお いて行 な った2
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年度か ら2
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年度 までの3
年間の実習施設 ・機関 と現在 の社会福祉士有資格者 の状況 についての調査結 果を示す。 沖縄大学では、 この3
年間 に社会福祉士養成 のため の現場実習 を、 計1
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の施設 ・機 関 に委託 してきた。 それ らの施設 ・機関を6
つの分野 に分けて実習指導 を 行な って いる。 そ の割 合 は以下 に示す とお りで ある (図 1)。 図1 沖縄大学における実習委託施設の分野別割合 出所 :村田真弓 ・工藤歩 ・高木博史 「相談援助実習指導 者の資格要件に関する調査研究」『地域研究』2
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さらに、今回の調査 に対する回答が寄せ られた施設 ・ 機関において、社会福祉士有資格者が どの分野 にどれ くらい存在 しているか につ いては、以下 のよ うな結果 となった (図2)
。 図2
分野別社会福祉士有資格者の割合 (∩-2
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出所 :村田真弓 ・工藤歩 ・高木博史 「相談援助実習指導 者の資格要件に関する調査研究」
『地域研究』
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最後 に、新 カ リキ ュラムに完全移行 した場合 に現場 実習指導者 の必須要件 となっている実習指導者講習会 の受講状況か ら、沖縄県 にお ける現状 を示 しておきた い。 日本社会福祉士会 は社会福祉士養成 にかかる実習 施設の選定 を 目的 として、全国の社会福祉士養成校 に 対 して指導者講習会 を受講 した実習指導者 のいる施設 の一覧 を配布 した。 これ によると2
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年度 の講習会終 了時で沖縄県 内にお いては講習会受講者のいる施設の うち、保健医療分野の 占める割合は全体 の2
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とい う結果 となっている3)。 この調査結果の照合では、沖縄大学 における実習指 導者 と指導者講習会修 了者がイ コールであるかは特定 できない。 しか し、 この結果か ら保健医療領域 におけ る社会福祉士有資格者は講習会 の受講 に対 して一定程 度の積極性 を持 っていると読み取 ることは可能である。 以上の ことか ら、沖縄県 における社会福祉士養成 につ いて今後 の方向性 を考 える場合、保健医療分野 には、 指導者要件 を満た し得 るソー シャル ワーカーが多 く潜 在 していると考 え られ る。5.
実践現場 にお いて実習 を受 け入れ る ことの意義 新カ リキュラム における実習の 目的を達成す るため には、実習前 ・中 ・後 にわた り、 これ まで以上に実践(研究ノート)
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が動機 になっている場合 もある。 こうした現場指導者 の ご意見 を聞 くと、実習 を依頼 す る学校側 も将来 のソー シャル ワーカー養成 という観 点か らだけではな く、実習の機会 を通 して何 らかの形 で現場指導者の本務 にも貢献できるよ うな効果 を考え ていく必要があると感 じる。学生の指導をお願いする ・ お願 いされ る関係か ら、双方向で高め合える関係 を目 指 したい。そ の ことが、実習内容 を充実 させ、ひいて は実習 3者 (現場 ・学生 ・養成校) の益 につながるも の と考 え られる。6.
現場実習を通 して学生が もっとも学んだ こととは 学生は実習終 了後、大学等 に戻 って 自らの体験 を客 観化す るための事後学習 に取 り組む ことになる。では、 学生は現場での体験 を通 して どのような ことを考 え、 何 について もっとも学んだ と感 じているか。現場指導 者 にとって、実習終 了後 の学生の成果 を知 る機会 とし て実習報告会や実習報告書があるが、そ こに至 るまで の学生の率直な思 いを知 る機会はそれほど多 くはない のではないだろうか。 ここでは、筆者 らが一連の事後 学習 を終 えた段階 にある実習生 を対象 として行なった ア ンケー ト調査 のなかか ら、 「実習 を通 して もっ とも 学んだ と思 える ことは何か」 という問いに対 し、 自由 記述で回答 を求めた結果か ら一部 を抜粋 して紹介 した い (表 3)0 表3 「実習を通 してもっとも学んだと思えることは何 ですか」 (自由記述) [地域研究」9号 2012年 3月 現場 と教育現場 との綿密な連携が必要 といわれている。 このため、 日本社会福祉士会が実習指導者向けに編集 したテキス トでは、社会福祉 の実践現場 において実習 生を受 け入れ 指導す る ことの意義 を以下のよ うにま とめ、実践現場 と教育現場で これ らにつ いて共有す る ことを求めている (表2)0 表2 実践現場における実習受け入れ ・指導の意義 (ア)施設 .機関の使命 として 回 利用者への責任 (ウ)社会福祉実践の整理 回 実習生指導の新任職員の研修への援用 出所 :社団法人 日本社会福祉士会編集 『社会福祉士実習 指導者テキス ト』 p35-37 しか し、実践 の現場では 日々の多忙 を極 める業務 に 追われ、後進の育成 に時間を割 くのは現実問題 として 不可能 と感 じている現任者は少な くな いか もしれない。 あるいは 目の前で支援 を必要 としているクライエ ン ト の ことが頭 の中を占め、学生の指導 よ りも自らの専門 性 を高める努 力のほ うに時間を使 いたいという声 を耳 にす ることもある。 つま り、後進 の育成 に関 しては、 現在 の業務 に余裕があるな ら協 力 したい という考 えを 持 っていて も、実際には 目の前の優先すべ き ことがあ ま りにも多忙であ り、それ に加 えて学生の現場実習 を 引き受 ける ことは実態 として業務 の増加 に繋が り、 ひ いては本来業務 に支障 をきたす恐れがあるために受け 入れ を戸惑 って しまう、 とい うのが実情ではないか と 考 え られる。 では、そ のよ うななかで も実習生の指導 を引き受 け て くださっている現場 ソーシャル ワーカーの動機 となっ ているものは何だろうか。現場指導者か ら聞かれ るの は、 「実習生 とのかかわ りを通 して、 自分 の出発点 を 再確認で きる」 や、 「実習生への指導 を通 して、 自分 の勉強 にもなっている」 「日々の実践 を振 り返 った り、 客観視す る機会 となる」 な どである。 ここか らは、実 習生 とのスーパーバイズ関係 を、本来業務 に還元でき るもの として捉 え、活用 されている ことが うかがえる。 あるいは 「院内の他職種 に対 して、医療ソーシャル ワー カーの専門性 をアピールす る機会 になっている」 な ど 連携することの大切さ 社会 (現場)の大変さ ソーシャルワーカーとしてのあるべき姿 専門職 として利用者を援助するということ コミュニケーションはとても大切で、話す ことだけ がコミュニケーションではないということ 利用者理解、個人と援助者の気持ちのバランス 利用者を理解することの大切さと大変さ 価値 と倫理 人間として利用者を尊敬すること もっと学ぼうとする姿勢 等 出所 :村田真弓 ・久貝興徳 ・高木博史 「沖縄大学におけ る社会福祉実習教育の現状と課題」『地域研究』20 09.3 p86 より一部抜粋 30(研究ノート )
村田真弓 :保健医療領域における社会福祉実習の可能性 このよ うに、学生は実践現場 に学ぶ という貴重な体 験を通 してそれ までに大学の講義で学んできた知識や 技術 について統合化 した り、現場で しか学ぶ ことので きない リア リテ ィを体感す る ことになる。実践活動の 場における課題発見 と解決 を通 して、必要 とされ る専 門知識および技術の統合化 を図る ことがで きるように なる。 このように実践現場の持つ教育効果は、ソーシャ ルワ-カ-の育成 にとってな くてはな らな いものであ るのは疑いの余地がないことである。7.
考察 保健医療機関における実習 に特化 してみてみ ると、 前述のように2
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年以前までは医療ソー シャルワ-カ-の実習は独 自に行なわれ積み重ね られてきた歴史があ る。 また、 これ らの機関の存在意義 として、福祉サー ビスの提供 を第一義的な 目的 とは していない こともあ り、現場での実習指導 に関 しては 「社会福祉士養成の ため」 というよ りも、 「将来の医療 ソー シャル ワーカー を育てるため」 という視点で行なわれ る傾向がある。 しか し、改めて今 回の法改訂 によって示 されている、 社会福祉士養成 における 「相談援助実習」がね らいと している点 と保健医療機関において実践されているソー シャル ワークの内容 とを照 らし合わせてみてみ ると、 医療ソー シャル ワーカーのもとで行われ る実習では、 その内容 として、個別援助や、相談援助の基盤 となる ソーシャル ワークの価値 と倫理 を体験的 に学ぶ機会が 多く存在 していると考 え られ る。 この ことは、 前述 の 「実習を通 して学 生が もっ とも学んだ こと」 にもよ く 現れている。 学生にとって、現場の指導者はソー シャル ワーク実 践家としての最初のモデル となる人物である と言 って も過言ではない。保健医療領域 にかかわ らず、実習 を 進んで引き受けていただけるソー シャル ワーカーが少 ないことは確かではあるが、 しか し、だか らといって、 引き受けていただけるな ら、有資格者な ら、誰で もい いというわけにはいかない。理想 をいえば、現場での 指導 と大学等養成校 における一連 の教育課程 との一貫 性 を図るため、協働関係 を築 けるソー シャル ワーカー に学生の指導 に当たってほ しいと考 えている。実習教 育は、実習施設 と教育機 関 との協働関係づ くりか ら始 まる。 よ り関係性が強 く、指導力 も高い現場 ソー シャ ル ワ-カ- に学生の指導 を依頼 したいというのが本書 である。そ こで、 これ までのかかわ りや関係性な どか ら思 い当た るソー シャル ワーカー に学生の指導 を依頼 す る ことになる。 引き受けていただける場合 もあれば、 残念なが らそ うな らない場合 もある。仕方のない こと か もしれないが、 高い実践力や指導 力を見込んでの依 頼であるだけに残念でな らない。 保健医療領域 における社会福祉士 の実習は5
年前か らスター トしたばか りである。 しか し今後は、幅広 く 相談援助技術や個別援助 に関心の高 い学生が医療機関 での実習 を希望 して くる と予測 され るため、実習をひ とつの機会 として実践現場 と教育現場 との協働関係の 構築が早急 に求め られている。 おわ Uに 今回の法改正 にあたっては5
年間の経過措置期間が 設け られてお り、完全移行は2
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年 となっ ている。それ までの間に各養成校では学生数 に合わせ た実習指導者 を確保す る ことが喫緊の課題 となってい る。 これ まで実習施設 として学生の指導 をお願 い して きた施設 の中には、残念なが ら指導者要件 に該 当する 実習指導者が存在せず、委託の継続が困難 となる状況 に至 る ことが少なか らず見込 まれている。 そのよ うな 場合、次 に考 え られ るのは、新たな実習指導 者の発掘 である。 前述 のよ うに、保健医療分野 には、 こうした 実習指導者要件 を満た しうるソー シャル ワーカーが多 く潜在 して いる ことがわか った。 また、保健医療分野 の実践現場 には 「相談援助実習」 という科 目がね らい とす る実習内容が数多 く存在 し、学生の学びに直結す るよ うな充実 した場の提供がで き得 ることも大きな利 点であるといえる。 かつて筆者 自身 も医療機 関のソー シャル ワ-カ- と いう立場で働 いてお り、社会福祉実習の現場実習指導(研 究 ノ ー ト ) ≡ :====こ