• 検索結果がありません。

IT -- デジタル・バングラデシュ (特集 気がつけばバングラデシュ -- 芽吹く新産業)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "IT -- デジタル・バングラデシュ (特集 気がつけばバングラデシュ -- 芽吹く新産業)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

IT -- デジタル・バングラデシュ (特集 気がつ

けばバングラデシュ -- 芽吹く新産業)

著者

アブー ションチョイ

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

231

ページ

15-16

発行年

2014-12

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00003322

(2)

15

アジ研ワールド・トレンド No.231(2015. 1) バングラデシュの IT 産業は 、 過去二〇年の間に 、多くの困難を 乗り越え 、高成長を達成した 。こ れにより 、同国の主要産業の仲間 入りを果たしている 。バングラデ シュ ・ソフトウェア情報サービス 協会 ︵ Bangladesh Association of Soft ware and Information Ser-vices B A S IS ︶ の推計によると、 バングラデシュの IT 企業の数は 一〇〇〇を優に超えている。 バングラデシュの IT 産業は 、 インドの IT 産業を手本として発 展した。インドの IT 産業が発展 したひとつの理由は、アメリカや ヨーロッパといった主要市場との 時差である。これらの地域の夜が インドでは日中なので、夜の間に 仕事を終えられることが、インド の強みであった。この強みはバン グラデシュにも当てはまる。 T産業発展の契機 政府の IT 産業振興への取り組 みが本格化するのは、一九九〇年 代後半になってからである。具体 的には一九九七年に、輸出志向型 ソフトウェア産業の可能性を検討 する委員会が組織され、後にバン グラデシュの IT 産業の発展を方 向付けることとなる﹁ J R C 報 告 書﹂をまとめた。そのなかで最も 重要な提案は、全ての IT 機器と 周辺装置にかかる付加価値税を撤 廃することであり、それは一九九 八年に実現した。この結果、パソ コン価格は、中間所得層でも購入 できる水準に低下し、パソコン販 売会社は急増した。またバングラ デシュでは、海外で組み立てられ たパソコンを輸入するのではなく、 主要部品と基幹的周辺機器︵マザ ーボード、 R A M 、ハードディス クなど︶を個別に輸入し、それを 安価な労働力を利用して国内で組 み立てて販売することが多かった ため、パソコン価格はさらに下が った。 一方、インターネット環境の未 整備という問題は手付かずであっ た。二〇〇〇年代に入ってようや く海底ケーブル・システムへの接 続が可能となった。そして二〇一 〇年末には、国内に張り巡らせた 光回線網の総延長距離は一万五〇 〇〇キロに達し、チッタゴン丘陵 と南部のいくつかの地域を除き 、 国内のほぼ全域で光回線網に接続 できるようになった。 さらに科学・情報通信技術省は 二〇〇二年に ICT イ ンキュベー ターを設立した。これは IT 中小 企業に対し、補助金付きでブロー ドバンドへの安価な接続が保証さ れている共同の事務所スペースを 貸し出す制度である。その第一号 は、ダッカのカウラン・バザール に置かれ、 国内初のソフトウェア ・ テクノロジー ・パーク ︵ S TP ︶ と位置づけられている。同インキ ュベーターは現在、四六のソフト ウェア・ IT 関連企業にスペース を貸与しており、一七〇〇人のエ ンジニアを雇用し、一五〇万ドル の輸出収入を稼ぎ出している。 T産業の概要 IT 産業は過去五年間、年率約 四〇 % の高率で成長した。図 1 は バングラデシュの IT 産業の輸出 額の伸びを示したものである。主 なサービス供給先はアメリカだが、

IT

アブー・ションチョイ

︻第

後発性利益の享受︼

特  集

気がつけばバングラデシュ

―芽吹く新産業ー 図 1 IT 産業の輸出収入

(出所) 輸出振興局、Bangladesh Association of Software and Information Services (BASIS)、 バングラデシュ中央銀行の資料を元に筆者作成。

(3)

16

アジ研ワールド・トレンド No.231(2015. 1) ヨーロッパ諸国へのサービス輸出 も増加している。 バングラデシュの IT 産業が従 事している生産活動としては、ア プリケーション開発が突出してい る ︵ 図 2 ︶。一方 、コールセンタ ーでの、問い合わせ回答サービス も増加している。 バングラデシュ ・ コールセンター・アウトソーシン グ協会によれば、同業界の雇用者 数は一万五〇〇〇人以上で、二〇 一〇年の売上高は二〇〇万ドルを 超えた。 T企業のプロフィール バングラデシュのメトロポリタ ン商工会議所︵ MCCI ︶とアジ ア経済研究所が共同で実施した企 業調査︵二〇社︶によれば、対象 企業の社員数の中央値は一二五人 であった。 IT 産業の企業家の多くは若く、 海外留学や海外研修の経験を有す る。またほとんどの企業家が北米、 欧州、豪州などでの海外勤務の経 験を有している。また、この五年 間に国内市場において年平均二〇 ∼三〇 % という高い成長率を達成 したと回答した企業が多い。 ●デジタル・バングラデシュ 二〇〇八年の第九次総選挙で成 立した、アワミ連盟を与党とする 現政権は、選挙運動のスローガン に ﹁デジタル ・バングラデシュ ﹂ を掲げ、 IT 重視の姿勢を打ち出 した 。 ﹁デジタル ・バングラデシ ュ﹂は行政のあらゆる分野におい て情報通信技術の活用を促し、行 政の透明性と効率性を向上させる ことを意図している。 IT 産業振 興のための政府支出は二〇〇二年 の五三〇〇万ドルから、二〇一一 /一二年度に約三億ドルへと驚異 的なペースで増額され、年次開発 計画の五・七 % を占めるに至って いる。予算のかなりの部分が、中 央と地方のあらゆる行政レベルで の I T 機器調達に充てられている。 光回線によるインターネット接 続やブロードバンド・ネットワー クの構築をはじめとするインフラ 整備には、民間と海外からの資金 調達を通じた産業育成が奨励され た。携帯電話と無線インターネッ トの接続環境を改善するため、す でに 3G ︵第三世代通信システム︶ 接続が確立されているが、今後は 4 G 等も視野に入る。 政府は外資を含む IT 企業に対 し、二〇一五年まで所得税を免除 している。付加価値税と消費税の 免除も二〇一五年まで継続される。 またバングラデシュ中央銀行は 、 ナショナル・ペイメント・スイッ チと呼ばれるオンライン決済シス テムを創始し、決済の IT 化を促 進している。これは A T M 、イン ターネット、モバイル・アプリケ ーションなど、さまざまな送金手 段を扱う銀行間の電子決済の円滑 化を企図したものである。 ●技術者育成支援 近年、バングラデシュの IT 人 材養成の体制が大きく進化した 。 二〇一一年まで、国公立大学二五 校、私立大学四六校が IT 関連コ ースを整備し、その卒業生数は年 一〇 % のペースで増えている。 また政府は、中学・高等学校に もコンピューターや IT の学習と 技能訓練を取り入れた。中学校で は一九九六年以降、コンピュータ ー学習が選択科目になっている 。 現在の教育課程では、一般の学校 一万八七七〇校のうちの約九〇〇 〇校、 イスラム系学校︵マドラサ︶ 九七三六校のうちの約三五〇〇校 が、こうしたコンピューター学習 を実施している。 ●課題と展望 バングラデシュの IT 産業は 、 ⑴資金制約、⑵弱い知的財産権保 護体制、⑶高い光回線利用コスト、 ⑷ I T エ ンジニアの不足と高い離 職率、⑸弱い国内需要、といった 課題を抱えている。これらの課題 をどのようにして克服するかが今 後の IT 産業発展の帰趨を左右す る。 ﹁デジタル・バングラデシュ﹂ 政策に象徴される IT 産業育成政 策を用いて課題に対処することで、 近い将来、市場の急拡大と国内企 業の潜在力の全面的開花が期待さ れる。 ︵ Abu Shonchoy /アジア経済研究 所   ミクロ経済分析研究グループ ︹山形辰史編集︺ ︶ 図 2 BASIS 会員企業の開発製品の傾向(%)

(出所) Bangladesh Association of Software and Information Services (BASIS) 提供の 情報より筆者作成。

参照

関連したドキュメント

「1 つでも、2 つでも、世界を変えるような 事柄について考えましょう。素晴らしいアイデ

世界レベルでプラスチック廃棄物が問題となっている。世界におけるプラスチック生 産量の増加に従い、一次プラスチック廃棄物の発生量も 1950 年から

である水産動植物の種類の特定によってなされる︒但し︑第五種共同漁業を内容とする共同漁業権については水産動

1ヵ国(A国)で生産・製造が完結している ように見えるが、材料の材料・・・と遡って

会におけるイノベーション創出環境を確立し,わが国産業の国際競争力の向

  NACCS を利用している事業者が 49%、 netNACCS と併用している事業者が 35%おり、 NACCS の利用者は 84%に達している。netNACCS の利用者は netNACCS

(2) 産業廃棄物の処理の過程において当該産業廃棄物に関して確認する事項

したがいまして、私の主たる仕事させていただいているときのお客様というのは、ここの足