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パートナー探しは海外で (異文化言い分EVEN)

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Academic year: 2021

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パートナー探しは海外で (異文化言い分EVEN)

著者

岡 奈津子

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

185

ページ

56-56

発行年

2011-02

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00004320

(2)

56

アジ研ワールド・トレンド No.185 (2011. 2)   先日、カザフスタンの友人Oが離婚した。彼の 地ではよくあることで、私の友人・知人を思い浮 かべてもバツイチは ︵再婚した人も含めれば︶ ざっ と過半数を超えているし、中には離婚を三回、四 回と繰り返す強者もいる。だから離婚自体は驚く に値しないのだが、夫婦仲の良さをアピールして いたOが夫と別れる決断をしたことは私にはやや 意外だった。   O は 五 〇 代 の ジ ャ ー ナ リ ス ト で、 ︵ 元 ︶ 夫 も 同 業者である︵ちなみに彼は今回の離婚でバツヨン に な っ た ︶。 夫 婦 そ ろ っ て 新 聞 社 や ラ ジ オ 局 で 活 躍していたこともあったが、マスコミに対する政 権の締め付けが強まると、御用ジャーナリストに な れ な い 彼 ら は 失 職 を 余 儀 な く さ れ た。 そ の 後、 Oはロシアの通信社や欧米の報道機関の仕事を見 つけ家計を支えてきたが、夫はずっと無職。多忙 な彼女に代わって家事をこなすわけでもなく、妻 に依存して生活していた。   無論、Oの夫の失業はジャーナリストとしての 信条を貫いた故のものであり、彼が根っからの怠 け 者 と い う わ け で は な い。 だ が、 私 が 知 る 彼 は、 家でごろごろしたり友達と呑みにいったりするだ けで、仕事を探している風には見えなかった。私 は 現 地 調 査 で し ば し ば O の 世 話 に な っ た の だ が、 我 々 二 人 が 作 業 し て い る と こ ろ へ 彼 が や っ て き て、 「 コ ー ヒ ー 淹 れ て 」 と せ が ん だ の に は 心 底 呆 れたものである。しかしOは私に、夫がどんなに 魅力的な人物で、彼女たち夫婦がいかに愛し合っ ているかをいつも強調していた。   離婚報告のメールを受け取ったときには、さす がのOもついに堪忍袋の緒が切れたか、 と思った。 と こ ろ が メ ー ル を 最 後 ま で 読 ん で さ ら に び っ く り。なんと彼女の夫は、すでに別の女性と同じ市 内で同居しているというのである。Oが夫にどれ だけ尽くしてきたかを知る私は、彼女の心中を思 うといたたまれなかった。ただ彼女自身が「離婚 は私が言い出したこと。後悔していないし、彼に 腹を立ててもいない」と書いていたことに、少し だけほっとした。   カザフスタンでは、パートナー探しに苦労する のは女性のほうだ。女性は適齢期とされる一〇代 末 ~ 二 〇 代 前 半 を 過 ぎ る と 嫁 き 遅 れ 扱 い で あ る ︵ 日 本 で も 独 身 女 性 が 二 五 歳 を 超 え る と「 売 れ 残 りのクリスマスケーキ」と言われた時代があった が ︶。 上 述 し た よ う に 離 婚 は ざ ら だ が、 私 の 周 囲 を見渡しても、男性はすんなり再婚する人が多い のに対し、女性はなかなか難しい︵もちろん結婚 はもうまっぴら、という人もいるだろうけれど︶ 。   Oのオフィスで会計を担当している女性は、背 が高くすらりとした美人である。歳は三〇くらい だろうか。男の子を一人で育てているが、新たに 伴侶を見つけようと、ネットでの婚活に挑戦して いるそうだ。しかし、これという相手に巡り会え ない。彼女の母親は私に「男が女より少ないから 仕方がない」と嘆息する。   実際はどうなのだろう。カザフスタン共和国統 計庁によれば、 人口一〇〇〇人あたりの婚姻率 ︵二 〇 〇 九 年 ︶ は、 男 性 が 一 八・ 四 人、 女 性 は 一 七・ 〇人。男性一〇〇〇人あたりの女性の数︵二〇一 〇 年 ︶ は、 三 〇 歳 以 下 で は 一 〇 〇 〇 人 未 満 だ が、 三一歳以上になると増え続け、三〇~三四歳で一 〇二一人、三五~三九歳で一〇四八人、四〇~四 四歳で一〇八二人、四五~四九歳では一一二三人 となる。   未婚率︵以下のデータは一九九九年国勢調査に よ る。 二 〇 〇 九 年 国 勢 調 査 結 果 の 詳 細 は 未 公 表 ︶ は男女間で顕著な違いはないものの、三〇~四〇 代 の 離 婚 に よ る シ ン グ ル の 割 合 は、 男 性 六 ~ 七 パーセントに対し女性一一~一二パーセント。都 市部に限れば八~九パーセントと一五~一六パー セントという開きがある。さらに男性の寿命が短 い の で 寡 婦 が 多 い。 こ れ ら の 数 字 か ら 見 る 限 り、 年齢を重ねるほどパートナー探しは女性に不利に なる。男性に年下の女性を好む傾向があることを 考慮するとなおさらだ。   さらに別の女友達曰く「ただでさえ男不足なの に、まずアル中は論外でしょ。そこから無収入の 男を除いたら、結婚したいと思う相手は本当に少 な い 」。 カ ザ フ ス タ ン で は 日 本 と 同 じ か、 そ れ 以 上に性的役割分業意識が強く、男は稼いでナンボ と思っている女性が多いのだが、男性のほうもそ おか なつこ/アジア経済研究所 地域研究センター研究員 専門はカザフスタン政治、ナショナリズム論。 1998-99年 コロンビア大学ハリマン研究所客員研究員(ニューヨーク)、1999-2001年 カザフスタン発 展研究所客員研究員(アルマトゥ)、2008年英国リーズ大学政治国際関係学科博士号取得、近著に「同胞の『帰 還』:カザフスタンにおける在外カザフ人呼び寄せ政策」『アジア経済』第51巻6号、2010年などがある。

パートナー探しは

海外で

岡 奈津子

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アジ研ワールド・トレンド No.185 (2011. 2) のほとんどが、家事・育児は女性がやってあたり まえと考えている。その結果、学歴が高く収入も 多い女性はとくに、パートナー探しに苦労する。   そんな高学歴・高収入女性の典型である銀行員 の友人は、カザフスタン国内で結婚相手を見つけ るのはあきらめ、トルコのリゾート地でイケメン 男性をゲットした。彼は言葉の問題もあり定職に は就いていないが、幼稚園児の父親としてイクメ ンぶりを発揮しているらしい。   実はOの話には後日談がある。このたび、現地 調査の際に彼女と会うことができたのだが、なん と離婚後早々、新しい出会いがあったというので ある。お相手はカザフスタン出身だが、長年ヨー ロッパに住んでいる年上の建築家。悠々自適の年 金生活を送っており、近々彼女を呼び寄せて正式 に結婚する予定だとか。今やカザフスタンのデキ ル女は出会いを海外に求めるのか。ともあれ、O の幸せを心から願う私である。

参照

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