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登場人物の関係を考えて、人物の生き方を考えよう

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Academic year: 2021

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第6学年○組 国語科学習指導案

1 単元 登場人物の関係をとらえ、人物の生き方について考えよう 「海のいのち」立松和平 文 (東京書籍 6 年) 2 指導観 ○ 教材観 本教材「海のいのち」は、児童にとって小学校最後の物語教材であり、これまでの読み方を活用し、 解釈していくことが求められる。中心人物である太一が、亡くなった父の敵を討とうとして、与吉じい さのもとで漁の腕を磨き、父を破った瀬の主であるクエを殺そうとするが、最後には殺さない選択を行 うという内容が描かれている。ここでの太一の心の変容は単に気持ちの変容だけではなく、生き方にお ける変容がなされており、その変容を読み取っていく中で、児童自身も自分の価値観を広げるきっかけ を得ることになるだろう。読み深める中で重要になるのが、太一と様々な人物との関わり合いである。 人物同士の相互関係を読むことで、太一の心情や考え方の変化を読み取ることができる。さらに、読者 の立場から物語のつくりについて俯瞰して読むことで、その作品の全体像がより具体的になる。したが って、本教材は、児童が「登場人物」や「物語のつくり」についてそれぞれの問いを解決しながらそれ ぞれの人物像や人物同士の相互関係、物語の全体像を捉えるのに適していると考える。 ○ 児童観 本学級の児童は、1学期に「人物同士の関係から想像を広げて読もう『風切るつばさ』」の学習にお いて、自分の問いをもち解決していく中で、解釈を深める学習を行っている。この学習を通して児童 は、自分で問いをもち、それを解決していく学習について良さを感じているとともに、物語を読んで自 分自身の考え方が広がることにより、その物語を読む意味を見いだす様子もうかがえた。しかし、人物 同士の心情をつないでそれぞれの人物像や相互関係を捉え、様々な人物の視点から物語を読み、その全 体像を捉えることについては、十分ではなかった。 ○ 指導観 そこで、本単元の指導にあたっては、児童が疑問に思ったことの中から、「人物について」「物語のつ くりについて」という観点で問いを解決していくことを通して、登場人物の人物像や人物同士のつなが りを捉え全体像を把握するとともに、そこから太一の生き方の広がりにおける素晴らしさを実感し、こ の作品を読む意味を見いだすことをねらいとしている。「であう段階」では、初発の感想より、初めに 自分とつなげて見つめたことを考えさせ、初めに感じた自分にとってこの物語を読み深める価値を見い ださせる。そして、読み深めていきたいことを基に「登場人物」や「物語のつくり」について問いを設 定し、見通しをもって学習に臨ませる。また、「深める①」段階から「深める③」段階では、それぞれ の観点において、自分の問いを解決していくことを通して物語を読み深める。この時、三つの交流活動 を仕組み、児童が自分の解釈を鮮明にしていくことや、自分の問いを、根拠をもって選択することがで きるようにしたい。さらに、「あじわう段階」では、問いを解決していく中で、見つめた生き方をこれ からの自分とつなげて考え、「わたしの見つめた生き方」に表し、その物語を読んだ意味を見いだし、 自他の読みの深まりを実感できるようにする。そして後の物語文の読解や読書への意欲へとつなげてい きたい。 3 単元の目標 ○ 問いのつくり方を参考に、自分の問いを連続させる方法を理解したり、それぞれの問いの解決に向 けて必要な読み方を理解したりすることができる。 【知識・技能】 ○ 人物の心情や考え方の伝わる複数の叙述を結び付け、父、母、与吉の人物像を比べたり、それらが 太一の心情にどのように影響しているのかを考えたりしながら、「海のいのち」とは何かということ を具体的に想像することができる。 【思考・判断・表現】 ○ 根拠をもって自分の問いを連続させることができ、解釈した内容から、自分の生き方を振り返り、 今後の生き方について考えることができる。 【主体的に学習に取り組む態度】 ※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修」における主題研究に基づき作成されています。教育センター ホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。

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4 単元計画(10 時間) 段階 配時 主な学習活動 学習形態 主な手立て 評価規準・評価方法 で あ う 段 階 1 1.物語を初めて読んで心に残ったこ とや読み深めたいことについて確認 し、単元の見通しをもつ。 ○ 「海のいのち」の読み聞かせを聞 き、心に残ったことを、自分の経験 を踏まえて書く。 ○ 自分が疑問に思ったことを基に、 自由に問いを作る。 ○ 単元のめあてをつかむとともに、 学習の見通しをもつ。 個 全 全 ○ 前単元の学習を通して変容 した児童の考え方を提示し、 本単元の学習でも自分とつな げて考えることができるとい う期待感をもたせて始める。 ○ 登場人物の確認を行い、太 一が他の人物が関わりながら 物語が展開していくという設 定を大まかに捉えさせる。 ○ 「問いのつくり方①」を配付、掲示し、初 めに問いを立てる際の視点を示す。 ◆ 初発の感 想を根拠も 含めて書い ている。 【記述分析】 1 2.観点ごとに問いを解決する順序を 話し合い、みんなで話し合いたい問 いを選ぶ。 ○ 立てた問いの観点ごとに、どのよう な順序で話し合うとよいか話し合う。 ○ 生成した問いの中から、みんなで 話し合うと考えが深まりそうだと思 う問いについて、「人物について(対 人物について、太一について)」「物語の つくり」から、三つ選択する。 ○ 似た問いをもった児童同士でグル ープを編成する。 全 個 全 ○ 生成した問い「人物について」「物 語のつくりについて」という観点で、 板書や物語通信に示す。 ○ 「人物について」の問いを「対人物につい て」「太一について」に分けて示す。 ○ なぜみんなで話し合って読 み深めたいと思うのか、根拠 を述べさせることで、問いの 価値について考えさせる。 ○ 同じ登場人物についての問いで、グ ループを編成することで、それぞれの 人物の人物像を把握させやすくする。 ◆ 三つの問 いを、根拠 を基に選択 している。 【記述分析】 深 め る ① 段 階 深 め る ① 段 階 1 3.「対人物について」の問いを解決する。 ○ 「対人物について」の問いの初め の答えを書き、根拠となる叙述に線 を引く。 ○ 似た問いをもったグループの中で 交流を行い、問いの共通点や解釈の 相違点から自分の考えを広げる。 【交流①】 ○ 他のグループに聞いてみたいこと について問題提起を考える。 個 グループ グループ ○ それぞれの問いの答えにつ いて、まずは直感的な答えを 考えさせ、その後、根拠となる 叙述に線を引かせることで、 着目すべき言葉を見付けやす くする。 ○ 友達との答えの違いに着目し て聞くよう促し、根拠の言葉が増 えた際には、別の色で線を引かせ る。 ○ 問 題 提 起 を す る 方 法 と し て、「問いのつくり方②」を提 示する。 ◆ 人物の心情の 分かる行動や会 話に着目するこ とがしている。 【記述分析】 ◆ 着目する言 葉 を つ なぎ 、 人 物 像 につ い て の 解 釈を 強 化、付加、修正 している。 【記述分析】 単元のめあて 登場人物の関係や人物像を明らかにすることを通して、自分の生き方を見つめよう。 【予想される児童の問い】 〇 父について ・父は、なぜ自慢することもなかったのだろう。 ○ 与吉じいさについて ・与吉じいさは、なぜ二十匹獲ったら道具をしまったのだろう。 ・「千匹に一匹でいい」とは、どのような意味だろう。 〇 母について ・なぜ、最後には満ち足りたおばあさんになったのだろう。

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1 4.交流①でグループで話し合ったことや 問題提起について全体交流を行い、出た 答えを基に、次時の問いを選択する。 ○ 全体交流において問いの答えを出 し合い、異なる人物の視点から答え について話し合う。 【交流②】 ○ 広がった考えを自分の解釈に書き 加えたり、根拠となる叙述に線を引 いたりする。 ○ 交流したことを基に、次の学習で 明らかにしたいことを見直し、問い を選択する。 【交流③】 全体 個 全体 ◯ それぞれの問いや答えを板 書に構造的に表すことによっ て、児童が、人物の特徴をより 鮮明に捉えることができるよ うにする。 【構造的な板書】 ○ 振り返りの視点をもたせ、 問いに対する答えの変容を 自覚できるようにする。 ○ 「問いのつくり方③」を提示 するとともに、問いを選択す る際に、「なぜこの問いにす るのか」を書かせ、根拠を明 確にもたせる。 ◆ 考えの広がり を自覚できてい る。 【記述分析】 ◆ 次時に解決した い問いを、根拠をも って選択している。 【記述分析】 深 め る ② 段 階 深 め る ② 段 階 1 1 5.「太一」についての問いを解決する。 ○ 前時までの「対人物について」の 学習から、着目した叙述や解釈をつ ないで初めの考えを書く。 ○ 似た問いをもったグループの中で 交流を行い、解釈を深める。【交流①】 ○ 他のグループに聞いてみたいこと について問題提起を考える。 個 グループ ○ 問いごとに、グループ分けを 行う。 ○ 前回までに捉えた人物同士 の関係を想起させる。 ○ 前時までに出た「人物像」を 板書に掲示しておき、それを基 に自分の考えを書くことがで きるようにする。 ◯ 友達との答えの違いに着目し て聞くよう促し、根拠の言葉が 増えた際には、別の色で線を引 かせる。 ○ 問 題 提 起 を す る 方 法 と し て、「問いのつくり方②」を提 示する。 ◆ それぞれの 人 物 像 が分 か る 叙 述 に着 目 し な が ら根 拠 を 明 確 にし 、 初 め の 問い の 答 え を 書い て いる。 【記述分析】 ◆ 着目する言 葉 を つ なぎ 、 人 物 像 につ い て の 解 釈を 強 化、付加、修正 している。 【記述分析】 1( 本 時) 6.交流①でグループで話し合ったことや 問題提起について全体交流を行い、出た 答えを基に、次時の問いを選択する。 ○ 全体交流において異なる問いの視点から 物語の全体像を捉える。【交流②】 ○ 広がった考えを自分の解釈に書き 加える。 ◯ 交流したことを基に、次時の問いはこれで いいのか見直し、選択する。【交流③】 全体 個 全体 ◯ 自分の問いと解釈を、根拠を基に 相手に伝えられるようにする。 ○ 互いの問いの答えをつなげて、 共通点や相違点、関係性に気付く ことができるようにする。 ◯ 「問いのつくり方③」を提示し問い を選択する際に、根拠をもたせる。 ◆ 自分の解釈が 変わったことを 根拠も含めて書 いている。 【記述分析】 ◆ 次時に解決したい問 いを、根拠をもって選択 している。 【記述分析】 【太一について】 ・太一は、なぜ父の死んだ瀬にもぐろうと思っているのだ ろう。 ・太一はなぜ、与吉じいさのもとに弟子入りしたのだろう。 ・太一はなぜ、与吉じいさが亡くなったときに、自然な気 持ちで手を合わせることができたのだろう。 ・母親の悲しみまで背負うとは、どのような意味だろう。 ・太一はなぜ、クエを打たなかったのだろう。 ・太一はなぜ、村のみんなにクエを見たのに、うたなかっ たことを話さなかったのだろう。

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深 め る ③ 段 階 深 め る ③ 段 階 深 め る ③ 段 階 あ じ わ う 段 階 1 7.「物語のつくり」についての問いを 解決する。 ○ 前時までの学習を振り返り、物語 の展開を捉えた上で、問いに対する 初めの答えを書く。 ○ 似た問いをもったグループの中で 考えを交流し、自分の考えを広げる。 ○ 他のグループに聞いてみたいこと について問題提起を考える。 個 グループ ○ 前時までに捉えた人物同士 の相互関係や太一の変容に ついて、既習図に掲示をし、 想起できるようにしておく。 ◯ 友達との答えの違いに着目し て聞くよう促し、根拠の言葉が増 えた際には、別の色で線を引かせ る。 ○ 問 題 提 起 を す る 方 法 と し て、「問いのつくり方②」を提 示する。 ◆ 物語のつ くり対する 問いについ て、叙述を 基に考えを もつことが できる。 【記述分析】 ◆ 着目する言 葉 を つ なぎ 、 人 物 像 につ い て の 解 釈を 強 化、付加、修正 している。 【記述分析】 1 8. 交流①でグループで話し合ったこと や問題提起について全体交流を行う。 ○ 全体交流において、異なる問いの 視点から物語のつくりについて考え る。【交流②】 ○ 広がった考えを自分の解釈に書き 加える。 全体 個 ○ 自分の問いと解釈を、根拠 を基に相手に伝えられるよ うにする。 ○ 互いの問いの答えをつなげて、 共通点や相違点、関係性に気付 くことができるようにする。 ◆ 自分の解釈 が変わったこ とを根拠も含 めて書いてい る。 【記述分析】 あ じ わ う 段 階 あ じ わ う 段 階 あ じ わ う 段 階 1 9.学習後に物語と自分自身とをつな げて見つめたことや自分のこれまで の読み方について振り返る。 ○ 読み終えた後の感想を書き、登場 人物の生き方から、自分がどのよう な考えを得たのか、「わたしの見つめ た生き方」を書く。 個 ○ 登場人物の生き方で、感銘 を受けたことや自分のこれ までの生き方とつなげて考 えたことなどの視点から振 り返りを行わせる。 ◆ 物語を読ん だ 自 分 の考 え の 変 容 につ い て 記 述 して い る。 【記述分析】 1 10.深まった自分の読みや「見つめた 生き方」について交流し、本単元の まとめを行う。 ○ 全体で、できるようになった読み 方や、この単元の学習を通して変わ った自分についての交流を行う。 全体 ○ 自分の読みの深まりや考えの 変容について知ることにより、物 語を読んだ意味を見いだすこと ができるようにする。 ◆ 交流によって 広がった読み方 を 記 述 し て い る。 【記述分析】 【物語のつくりについての問い】 ・「海のいのち」とは、どのような意味だろう。 ・なぜ、この話に母の存在が出てきたのだろう。 ・なぜ、与吉じいさは死んでしまったのだろう。 ・クエの目の色が変わったのはなぜだろう。 ・最後の結末は、どのような効果があるのだろう。 ・父が亡くなったときに太一の思いが描かれてい ないのはなぜか。

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5 本時(6/10) 平成 30 年 10 月 25 日(水曜日) 第2校時 6年○組教室において ○目標 全体でそれぞれの問いをどのように解釈したのか交流することで、太一の心情について解釈を具体 的にし、人物同士の関係を捉えることができる。 ○準備 児童…ワークシート⑥ 教師…人物像をまとめた表(掲示用)、挿絵、人物の名前 ○学習の過程 段階 学習活動・内容 学習形態 〇手だて ◆評価規準・評価方法 配時 導 入 1.本時の学習活動を知る。 ○ 前時までの学習を振り返り、 全体交流の手順を確認する。 全体 ○ 物語通信を使って、前時で解釈した考 えを想起させ、どのように発表するか、 グループの中で考えさせる。 5 展 開 2.全体で問いの答えを交流し、 人物関係図を基にそれぞれの登 場人物の関係を捉える。【交流②】 ○ グループごとに、問いの答え を発表する。(必要に応じて問 題提起を行う。) ○ 解釈の広がりをワークシート 書き込む。 ○ 自分の問いの答えとつながっ ている解釈について交流する。 全体 個 全体 ○ それぞれのグループに出た問いの答え を板書(人物変容図)に整理し、読み取っ た心情の相互関係を明らかにする。 ○ 人物関係図を見て気付いたことを問うこと で、太一が様々な人物の関係によって考え方 を得て変容していることを捉えることができ るようにする。 ◆ 人物同士の相互関係を捉えている。 【記述分析】 ○ 自分と他者の問いと答えの関係性 から、全体像を捉えさせる。 15 5 5 ま と め 3.本時学習をまとめ、次時の学 習活動を知る。 ○ 人物同士の相互関係から明らか になったことをまとめる。 ○ 次回の問いを選択し、交流す る。【交流③】 個 全体 ○ 「やはり(強化)」「少し変わって(付加)」 「全く変わって(修正)」という視点で問いの 答えを見直すことができるようにする。 ○ 問いを選択する際に、「問いのつくり方 ③」を示し、「なぜこの問いにするのか」を 書かせ、根拠を明確にもたせる。 5 10 太一と対人物との関係を考えて、自分の問いの答えを見直そう。 【板書の様子(人物関係図)】

参照

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