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マイクロX線CTを用いた3次元腫瘍血管イメージングによる血管新生阻害剤の薬効評価法の開発

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(1)

マイクロX線CTを用いた3次元腫瘍血管イメージング

による血管新生阻害剤の薬効評価法の開発

著者

徳永 正之

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

11301甲第19166号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00129307

(2)

1 博士論文

マイクロ X 線 CT を用いた 3 次元腫瘍血管イメージングによる

血管新生阻害剤の薬効評価法の開発

東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 医用情報技術科学講座 医用物理学分野 徳永正之

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2 目次 1. 略語および略記 ... 3 2. 要約 ... 5 3. 研究背景 ... 8 4. 研究目的 ... 14 5. 研究方法 ... 15 6. 研究結果 ... 28 7. 考察 ... 33 8. 結論 ... 39 9. 文献 ... 40 10. 図 ... 53 11. 謝辞 ... 72

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1. 略語および略記

 本論文では以下の略語および略記を使用する。

 血管内皮増殖因子(Vascular endothelial growth factor):VEGF

 血小板由来増殖因子(Platelet derived growth factor):PDGF

 線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor):FGF

 金原子:Au

 ポリエチレングリコール:PEG

 PEG 鎖を担持した 15nm 金ナノ粒子造影剤:AuNPs

 ヨウ素原子:I

 透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope):TEM

 リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate Buffer Saline):PBS

 ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum):FBS

 Hematopoietic-progenitor-cell antigen 34:CD34

 Cy5 carboxylic acid:Cy5

 4’,6-diamidino-2-phenylindole :DAPI

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4

 磁気共鳴画像法(Magnetic resonance imaging):MRI

 最大値投影法(Maximum intensity projection):MIP

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5 2. 要約 腫瘍血管はがん細胞に酸素や栄養を供給しており、その新生は腫瘍の成長に必須 である。1971 年、腫瘍の血管新生を抑制することでがんを治療する「がん兵糧攻め療 法」の概念が提唱された。その後、この療法の実現を目的として、血管内皮増殖因子 (VEGF)、中でも VEGF-A に対するヒト化抗体であるベバシズマブが開発され、2004 年に腫瘍の血管新生阻害剤として初めて承認された。多くの血管新生阻害剤の中で、 ベバシズマブは特異性が高く、薬効が非常に期待される薬剤である。しかし、臨床に おいて、ベバシズマブ単剤の治療効果は限定的であり、化学療法とベバシズマブ治療 の併用療法が行われている。そのため、ベバシズマブがより抗腫瘍効果の高い薬剤へ 改良されること、ひいては血管新生阻害剤の開発全体に波及効果を与えるような創薬 技術を創発することが期待される。 より効果的な血管新生阻害剤の開発には、動物モデルを用いた前臨床試験での薬 効評価精度が極めて重要であり、その精度向上のためには血管新生阻害作用の正確な 可視化能が鍵となる。これまでの血管新生阻害剤の腫瘍血管への薬効評価は、担がん マウスの病理標本の顕微鏡観察により、血管密度の測定が一般的に行われていた。病 理組織観察は、微小血管を評価できる長所がある一方、以下の3点が短所として挙げ られる。 (1) 腫瘍内の血管分布は不均一であるため、病理組織観察のように、一部分の計測の みでは組織全体の病態を推量し難いこと。

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6 (2) 病理組織観察のため腫瘍を摘出した際、血圧の欠如が血管を収縮させ本来の形態 が失われてしまうこと。 (3) 病理組織切片作製のために行うホルマリン固定によって、組織が縮み形態が変わ ってしまうこと。 以上の理由から、病理組織観察では生体内と同じ状態で血管構造や体積を正確に測定 することが困難であった。よって、担がんマウスを用いた前臨床試験で効率良く血管 新生阻害剤を開発するためには、腫瘍全体の血管を 3 次元にて、非侵襲的に、in vivo イメージングする技術の開発が重要である。X 線 CT は造影剤を用いることにより、 上記の3条件を満足しつつ血管をイメージング可能な方法である。近年、動物実験用 の造影剤として、高い X 線吸収能を持つ金原子をナノ粒子化した金ナノ粒子(AuNPs) 造影剤が注目されている。AuNPs を使用した X 線 CT による血管造影画像は、腫瘍 全体の血管を高精度に評価することができる。しかし先行研究において、「AuNPs 等 の造影剤」と「X 線 CT」の組み合わせによって血管新生阻害剤の薬効評価を行った 研究では、空間分解能や血管病態の評価法が十分と言えなかった。 本研究では、顕微鏡を用いた病理学的分析およびマイクロ X 線 CT を用いた画像 解析により、ヒト膵臓がんおよびヒト卵巣がんを皮下移植したマウスの腫瘍血管に対 するベバシズマブの効果を調査した。臨床において、ベバシズマブは卵巣がんに対し 適応対象であるが、膵臓がんに対してはそうではない。最初に、病理学的解析により、 両腫瘍の評価を行った。その結果、ヒト膵臓がん由来の腫瘍では、ベバシズマブ治療

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7 後も腫瘍が成長を続け、腫瘍血管密度に変化がなかった。一方、ベバシズマブ投与を 行ったヒト卵巣がん由来の腫瘍では、血管密度が低下し腫瘍成長の速度も低下したが、 完全な治癒には至らず腫瘍は成長し続けた。この結果は、卵巣がん腫瘍がベバシズマ ブに対する薬剤耐性を獲得した可能性を示唆した。次に、腫瘍全体の腫瘍血管に対す るベバシズマブの影響を、非侵襲的、3 次元的に、in vivo 計測するため、新たに 15 nm AuNPs 造影剤を作製し、高分解能マイクロ X 線 CT( 9 µm/voxel )と組み合わせる ことで、30 µm 径の血管を可視化・解析する技術を開発した。この技術を用いて腫瘍 血管イメージングを施行し、腫瘍全体の血管密度の解析を試みた。その結果、膵臓が ん腫瘍では、薬剤の有無で血管密度に顕著な差は認められず、病理解析と同様の結果 を得た。一方、卵巣がん腫瘍において、抗がん剤投与直後(腫瘍移植後 5 週)では、非 投与群に対し血管密度の値が有意に低下したが、その後回復し始め、7 週ではコント ロール群に近づき、9 週では、コントロール群と同レベルにまで回復することが分か った。このように、腫瘍全体の血管密度の回復プロセスがベバシズマブの薬剤耐性を 顕著に示す指標となり得ることが示唆された。またこの結果は、30 µm 径以上の血管 を解析することによって得られたが、可視化できる血管径を 100 µm 程度まで分解能 を落とすと、同様の解析を行っても本研究と同等の結果を得ることはできなかった。 したがって、本研究の高解像度 X 線 CT イメージングは、血管新生阻害剤の開発に役 立つ薬効の理解に貢献できることが示唆された。

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8 3. 研究背景 3.1. 血管新生阻害剤 腫瘍血管はがん細胞に酸素や栄養を送達する役割を担っており、腫瘍が大きく成 長するためには、腫瘍血管新生が必須である 1。血管新生がない場合、腫瘍は最大直 径 100~200 µm を超えて成長することができない2。1939 年、Ide らは成長中の腫瘍 に新しい血管を供給する腫瘍由来の血管成長刺激因子の存在を仮定した 3。その後、 1971 年に Folkman が腫瘍の治療法として腫瘍血管新生を阻害することが有効である と提唱し、がんの兵糧攻め療法に関する研究が推進した 4。血管新生タンパク質が腫 瘍から局所的に放出されることにより、腫瘍の血管新生が引き起こされるという研究 が盛んに行われてきたが、その中でも血管新生タンパク質の一つである血管内皮増殖

因子(VEGF)に関する研究が最も多い 5。2004 年、VEGF の中でも VEGF-A に対す

るヒト化モノクローナル抗体であるベバシズマブが結腸直腸がんに対する血管新生 阻害剤として初めて承認され 6、その後肺がんや乳がん、卵巣がんに適応が拡大され た 7。ベバシズマブは、がんに対する抗血管新生療法の重要な薬剤として多くの注目 を集めている。ベバシズマブの作用機序として、「本薬剤が VEGF-A に結合すること で、VEGF-A と血管内皮増殖因子受容体-1(VEGFR-1)、VEGFR-2、ニューロピリン -1(NRP-1)、および NRP-2 等との間の結合が阻害され、結合後の下流シグナルの活 性化が妨げられた結果、血管新生を抑制する」と想定されている 8。しかし、ベバシ ズマブが単剤で有効性を示すのは生存期間の延長であり、がんの根治には至っていな

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9 い9そのため、臨床では化学療法とベバシズマブ治療の併用療法が行われている10 ベバシズマブの薬効が期待されていたほどではない要因の一つとして、VEGF-A 機能 を阻害した時、VEGF-A 以外の経路のシグナルが活性化し支配的になることで、 VEGF-A の阻害効果が弱められる機構が考えられている。実際、動物モデルを使った 先行研究において、VEGF-A を阻害した際、他の血管新生タンパク質である、血小板 由来成長因子(PDGF)や線維芽細胞増殖因子(FGF)、等の発現増加が起こり、ベバ シズマブに対し薬剤耐性を獲得し得ることが示唆された11。一方で、そもそもベバシ ズマブによる有効性が示されておらず、臨床で適応になっていないがん種もある。例 えば膵臓がんに対しては、ベバシズマブが進行膵臓がん患者の生存率の改善を示さな かったと報告されている12。臨床において、がん患者に対しより有益となる血管新生 阻害剤の開発を行うためには、動物実験における血管新生阻害剤の薬効を正確に評価 する方法を開発し、前臨床試験における薬効解析の精度を高め、創薬に適応する必要 がある。 3.2. 腫瘍微小血管密度の測定 担がんマウスを用いた薬剤開発の前臨床研究において、血管新生阻害剤の抗腫瘍 効果は、腫瘍体積やマウスの生存率の変化によって評価される13, 14。これらのデータ に加え、血管新生阻害剤の腫瘍血管への薬効評価は、主に血管密度計測を用いて行わ れている15

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10 1990 年代初頭、Weidner らは、血管密度の高い領域、すなわちホットスポット内 の微小血管密度の測定がヒトの乳がんと前立腺がんの予後指標に有効であると示し た16-18。その後、多くの研究が微小血管密度と腫瘍再発の間に正の相関があると報告 しているが、相関がないという研究結果も報告されている19-21。この要因は、微小血 管密度の測定方法によって生じている可能性がある。実際に、微小血管密度を腫瘍の 周辺で測定するか中心で測定するか等の測定法の違いが、研究結果に影響を与えると いう報告もなされている22。これらの議論の変遷の結果、現在では多くの先行研究に おいて、薬効評価を目的として血管密度を算出する際、腫瘍のおおよそ中心に位置す る組織切片の血管の密度を光学顕微鏡で可視化し、顕微鏡視野あたりの血管数を測定 している(測定面積:0.04~0.57 mm2/視野×5 視野程度)23-28 腫瘍は不均一な細胞集団によって構成されており、腫瘍血管も正常血管に比べ異 常な構造であり、その配置や走行に秩序が無いことが知られている29, 30。そのため病 理学的手法により腫瘍の一部分の限定された範囲の評価では、腫瘍全体としての血管 密度の真の値を推定することは非常に困難である。さらに病理標本では、腫瘍の摘出 後にホルマリン固定を行うため、血圧の低下により本来の血管形態から変形や収縮が 起こったり、ホルマリン固定の影響で組織が縮み微細な形態変化が誘発されたりする。 したがって、病理学的解析は微小血管の可視化や分子・細胞レベルの評価に優れてい るが、生体内と同じ状態で血管構造や体積を正確に測定することは困難である。よっ て、担がんマウスを用いた前臨床試験において、血管新生阻害剤が血管構造や体積に

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11 及ぼす効果を正確に解析し、そのデータを血管新生阻害剤の効率的な開発に結び付け るためには、腫瘍全体の腫瘍血管を非侵襲的かつ3次元的に in vivo イメージングする 必要がある。 3.3. マイクロ X 線 CT の造影剤 生体内で腫瘍全体の血管を視覚化する方法として、X 線 CT や MRI を使用した画 像評価法がある。X 線 CT は造影剤を用いることにより、血管を非侵襲的・3 次元的 にイメージングできる。X 線の吸収は一般に原子番号が大きいほど高く、臨床の造影 剤としては、非金属元素の中で原子番号の大きいヨウ素(I)を多く含んだ造影剤が 用いられている。しかし、ヨウ素化合物は、腎臓から急速にクリアランスされ、イメ ージング可能時間が非常に短い。動物実験で用いるマイクロ X 線 CT は、より高い空 間分解能の獲得ために時間分解能が低い31。そのため、臨床で使用されているような ヨウ素化合物造影剤は、マイクロ X 線 CT による精密な血管造影には適していない。 最近の研究では、動物実験におけるヨウ素造影剤の欠点を克服するために、ナノ粒子 造影剤が用いられている32。その中でも、金ナノ粒子(AuNPs)は、ヨウ素含有造影 剤と比較して原子番号が高く、生体内で高コントラストにイメージングできるため、 前臨床研究の造影剤として広く注目されている33, 34。実際に金とヨウ素の X 線吸収係 数を比較すると、それぞれ 100 keV で 5.16 cm2/g と 1.94 cm2/g であり、金がヨウ素に 比べ高い X 線吸収係数を保持している35。AuNPs の合成や物理・化学的特性、表面修

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飾に関しての研究は多い。そのため、AuNPs のサイズや形状変更のための情報は豊富

であり、様々な官能基を表面修飾することもできる36-41表面修飾されていない AuNPs

は、血中の血漿タンパク質がナノ粒子の表面に非特異的に吸着し、大きな凝集体が生

成されてしまうため、in vivo での血管造影に不適である42, 43。したがって、AuNPs を

in vivo で使用するためには、ポリエチレングリコール(PEG)等で表面を修飾する必

要がある44, 45。PEG で修飾された AuNPs は in vivo で生体適合性が高く、無毒である

46, 47 3.4. マイクロ X 線 CT による腫瘍血管のイメージング X 線 CT による血管造影画像は、顕微鏡画像と比較して、毛細血管レベルで血管 を可視化することは困難であるが、高い再現性と使いやすさから、血管の形態と機能 を非侵襲的に可視化・定量化する方法として広く使用されている31。さらに、AuNPs を用いた X 線 CT イメージングでは、高い空間分解能のもと、X 線の高い組織透過性 により非侵襲的により微細な血管の構造や体積、およびその 3 次元配置を調べること が可能になった。これまでに、動物実験で血管新生阻害剤の薬効を X 線 CT や MRI で調査した研究では、可視化可能な血管の分解能が約 100 µm 程度であったが 48-50 この分解能は血管に対する阻害剤の効果を評価するのに十分ではなかった。そのため、 薬剤開発に必須の「薬剤耐性」に関して、CT や MRI イメージングデータを使った解 析では、血管構造や体積の視点から本質的な解明は行われておらず、新たな概念の確

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立は困難であった。マイクロ X 線 CT を用いてより分解能高く腫瘍血管の測定を試み た研究報告もある。Savai らの実験手法は、シリコンゴムの造影剤;Microfil(Flow Tech,

Caver, MA)を血液中に灌流させ、凝固させた後に CT 撮像をしている50。この方法で は、10 µm 程度の微細血管を 3 次元的に可視化できるという点で優れているが、安楽 死後に注入しなければならないという問題点がある。また、Microfil 造影剤は粘性が 高く、血管形態が灌流時の手技者の注入圧に依存するため、真の血管構造を保ったま ま観察できているとは言えない。X 線 CT の利点は、in vivo 条件下にて高い空間分解 能で血管評価ができるという点であり、それこそが実際に薬剤投与した際の腫瘍血管 の反応を正しく理解するために重要である。近年、マイクロ X 線 CT を用いて、高い 分解能(in vivo で 40 µm)で腫瘍血管を評価している報告があるが、これらの技術は 血管新生阻害剤の評価には利用されていない25, 51, 52

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14 4. 研究目的 本研究では、ベバシズマブを代表的な血管新生阻害剤として使用し、顕微鏡を用 いた病理学的分析およびマイクロ X 線 CT を用いた画像解析によって、ヒト膵臓がん およびヒト卵巣がんの異種移植腫瘍を有するマウスの腫瘍血管に対するベバシズマ ブの効果を精細に定量解析することを目的とした(図 1)。

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15 5. 研究方法 研究方法は、「5.1 実験材料および機器」、「5.2 実験方法」、「5.3 統計処理」の各 セクションに分け、さらに 5.1 と 5.2 に関しては、その詳細をサブセクション 5.1.1~ 5.1.8 および 5.2.1~5.2.9 に分けて記載した。 5.1. 実験材料および機器 5.1.1. 使用細胞

① SKOV3 : ヒト卵巣がん由来の細胞(ATCC、HTB-77TM。SKOV3 細胞株は 1973 年

に G Trempe と LJ Old によって提供された53

② MIA PaCa-2 : ヒト膵臓がん由来の細胞(ATCC、CRL-1420TM。MIA PaCa-2 細胞株

は 1975 年に A Yunis によって提供された54

SKOV3 と MIA PaCa-2 は、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む Roswell Park Memorial

Institute medium(RPMI)培地で培養した。細胞を 5%CO 2の混合条件下にて、37℃で

保温培養した。

5.1.2. 実験動物

免疫不全マウスである BALB/c-nu マウス(Charles River Laboratories)の 5 週齢(15 ~20 g、メス)を担がんマウス作製用の実験動物として用いた。全てのマウスは、12

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16 時間毎の明暗サイクル環境下にある恒温室内の換気可能なゲージで飼育し、水および 食餌を自由に摂取させた。 マウスを用いた全ての実験は「国立大学法人東北大学動物実験等に関する規定」 に準拠して行った。また本研究における動物実験計画は東北大学動物実験委員会から 承認を受けた。(承認番号:2018 医動-120) 5.1.3. 麻酔方法 全ての処置や観察の前に、塩酸メデトミジン(0.3 mg/kg)、ミダゾラム(4 mg/kg)、 酒石酸ブトルファノール(5 mg/kg)を腹腔内投与にて麻酔を行い、実験動物の苦痛 を伴わないように配慮した。 5.1.4. 使用した試薬

 Ultra pure distilled water(超純水)

粒子作製の際の溶媒として超純水を使用した。超純水は水道水を純水製造装置 (WG250, Yamamoto)により精製したものを使用した。

 四塩化金(Ⅲ)酸四水和物(HAuCl4・4H2O)

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17 使用した。  クエン酸三ナトリウム二水和物(C6H5Na3O7・2H2O) AuNPs 作製時の還元剤として市販の特級試薬(99%, 富士フィルム和光純薬株式 会社)を使用した。  Polyethylene glycol

AuNPs の PEG 修飾剤として市販の PEG-SH (SUNBRIGHT ME-050SH, 日油株式会 社)を使用した。

 ヨード造影剤

AuNPs との比較にヨード造影剤を用いた。マウス用ヨード造影剤として、

eXIATM160XL (160 mgI/mL, Binitio Biomedical) を使用した。臨床で使用されてい

るヒト用ヨード造影剤として、イオパミドール注射液(イオパミロン 300(300 mgI/mL), バイエル薬品株式会社)を使用した。

 シリコンポッティング材

微小流路のシリコン素材に、シリコンポッティング材(SYLG ARDTM 184, The

Dow Chemical Company)を使用した。

 ベバシズマブ(Bevacizumab)

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18 ブ(アバスチン、中外製薬)を使用した。  10%ホルムアルデヒド 腫瘍組織固定液をして用い、市販の試薬(富士フィルム和光純薬株式会社)を使 用した。  クエン酸緩衝液 citrate buffer (pH 6.0) 免疫染色の抗原賦活化の際に緩衝液として 10 mM のクエン酸緩衝液(三菱化学メ ディエンス株式会社)を使用した。

 リン酸緩衝生理食塩水 Phosphate buffered salts (pH 7.4) : PBS

免疫染色の組織標本の洗浄液として使用した。市販の試薬 NaCl、Na2HPO4(99.0%,

富士フィルム和光純薬株式会社)、KCl、KH2PO4(99.5%, 富士フィルム和光純薬

株式会社)を各々8.0 g/L、1.15 g/L、0.2 g/L、0.2 g/L で調合し使用した。

 Normal Goat Serum

2 次抗体の非特異的反応のブロッキング剤として市販の正常ヤギ血清(富士フィ ルム和光純薬株式会社)を 10 倍希釈で使用した。

 Rabbit anti-mouse CD34 monoclonal antibodies

Hematopoietic-progenitor-cell antigen (CD34) の 1 次抗体として市販の試薬(ab81289,

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 Goat Anti-Rabbit IgG H&L (Cy5®) : Cy5

蛍光色素 Cy5 で標識された 2 次抗体として、市販の試薬(ab6564, Abcam)を用い た。励起波長は 650 nm、最大蛍光波長は 667 nm であった。使用時は 10 %正常ヤ ギ血清にて 20 µg/mL に調整し、使用した。  4’,6-diamidino-2-phenylindole (DAPI) 免疫染色において細胞核を染色するために市販の試薬(富士フィルム和光純薬株 式会社)を使用した。 5.1.5. 粒子の電子顕微鏡観察と計測

AuNPs の粒子形状を計測するために、透過型電子顕微鏡(TEM ; Transmission

electron microscope, H-7600, Hitachi Science Systems)を使用し、加速電圧は 80 kV に設 定し観察した(図 2a)。TEM 観察試料は調節した AuNPs 水溶液をコロジオン膜貼り 付けメッシュ(200 または 400 メッシュ, 日新株式会社)に滴下し、室温で乾燥させ、 作製した。

5.1.6. マイクロ X 線 CT 装置を用いた撮影および計測

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20 器は、ボクセルサイズ 9 µm/voxel の分解能を有した動物用 X 線 CT 装置で、490 µA、 50 kV、の条件にて撮影を行った。マトリクスサイズは 4000×4000 であり、FOV は 35 mm である。アルミニウム 0.5 mm の補償フィルタが使用された。得られた画像は 付属の再構成用ソフトウェア;NRecon(Bruker)にて再構成後、3D 表示用ソフトウ ェア;CTvox(Bruker)にて 3D 構築した。CT 値の測定は、解析用ソフトウェア;CTAn (Bruker)にて関心領域内の voxel の平均値として CT 値を計測した。CT 値は空気を -1000 HU、精製水を 0 HU となるように校正した。 5.1.7. 微小流路の観察・撮影 サブセクション 5.2.9 に合成法を記載した微小流路の形態を解析するため、微小流 路作製時のモールド形状の観察を、レーザー顕微鏡 (VK-X-200, Keyence)を用いて行 った(図 2c)。 微小流路に対する AuNPs の流れを確認するために、正立顕微鏡(BX53, Olympus) と CCD カメラ(DP73, Olympus)を使用した(図 2d)。 5.1.8. 病理標本の観察・撮影 病理標本の観察は、光学顕微鏡;BZ-X710 (Keyence)を用いて行った(図 2e)。最 初に、対物レンズ 4 倍で腫瘍切片の全体像を撮影し、腫瘍辺縁の端点を設定すること

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21 で撮影範囲を設定した。その後、設定した撮影範囲内を対物レンズ 20 倍で自動画像 取得した。得られた「約 200~1000 視野/1つの腫瘍組織」に関して、BZ-X710 解析 アプリケーションにて画像をジョイントして、腫瘍切片全体のタイリング画像を得た。 5.2. 実験方法 5.2.1. 担がんマウスの作製 マウスは 5.1.3 に記載の方法で麻酔された。1.0×10 7 個の SKOV3 細胞を 100 µL の細胞培養液に懸濁し、5 週齢の BALB/c-nu マウスの脇腹皮下に注入移植した。また、 別のマウスに 1.0×10 6 個の MIA PaCa-2 細胞を 100 µL の細胞培養液に懸濁し、5 週齢

の BALB/c-nu マウスの脇腹皮下に注入移植した。SKOV3 と MIA PaCa-2 を移植したマ ウスは、それぞれを別個体として作製した。マウスに細胞を移植後 3、5、7 週間後に 血管新生阻害剤としてベバシズマブを 7.5 mg/kg 尾静脈から 2 週間間隔で投与した。 この濃度は、卵巣がん患者に臨床で使用されている量(15 mg/kg)の半分量である。 SKOV3 の担がんマウスを用いてベバシズマブの薬効を評価している先行研究では、5 mg/kg または 10 mg/kg の濃度を 2 週間間隔で投与しており、5 mg/kg でも抗腫瘍効果 を示している55-57。コントロール群には生理食塩水を尾静脈投与した。担がんマウス 実験のフローチャートは図 3 に示す。

(23)

22 5.2.2. 腫瘍体積測定 マウスにがん細胞を皮下注射してから 3, 5, 7, 9 週間後の腫瘍体積を測定した。各 週数において、n=7 の腫瘍を測定した。ノギスにより、腫瘍の短径(a)と長径(b)を測定 した。腫瘍体積 (V) は下記の式により算出した。 V = 4 3 𝜋𝜋 � 𝑎𝑎 2� 2𝑏𝑏 2 5.2.3. 免疫染色 マウスは 5-1-3 に記載の方法で麻酔された。マウスの体から腫瘍を摘出し、10% ホルマリンで固定した。サンプルをパラフィンに包埋し、厚さ 3 μm と 10 µm の切片 に薄切した。3 µm の切片をヘマトキシリン-エオシン(HE)で染色し、腫瘍の壊死領 域の測定をした。CD34 の免疫染色では、10 µm の切片を脱パラフィン処理した後、 121 ℃で 5 分間オートクレーブにて賦活化処理を行った。正常ヤギ血清を用いてブロ ッキングを行い、1 次抗体である抗ウサギ CD34 抗体を滴下して 25 ℃で一晩反応さ せた。PBS で洗浄後、2 次抗体として蛍光(Cy5)標識 IgG を 25 ℃で 1 時間反応後、 DAPI を 25 ℃で 10 分間反応させた。その後、PBS で洗浄し、封入した。蛍光観察と 同時に明視野観察を行うことで、腫瘍組織内に残存した AuNPs を観察した。各群 n=4 の腫瘍を測定した。先行研究で一般的な、無作為に 5 視野を選択し測定する方法や、 腫瘍血管のホットスポットを測定する方法ではなく、本研究では 20 倍の対物レンズ

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23 視野で腫瘍切片全体にわたって観察した(図 4a)。なお未染色の切片で血管に残存し ている AuNPs が蛍光測定を阻害していないことは確認した(図 4b)。また、HE 染色 にて腫瘍壊死領域を判定し、測定した腫瘍切片の断面積から壊死領域を除いた面積を 算出し(腫瘍断面積)、この腫瘍断面積当たりの CD34 陽性面積を計算してデータとし た(図 4c)。 5.2.4. X 線 CT 造影剤 AuNPs の作製 先行研究において、我々のグループは、マウスのイメージング用に 15 nm の AuNPs の開発を行った 58。本研究では、先行研究の方法に改良を加え、AuNP の合成を行っ た。最初に、85.6 mg の四塩化金(Ⅲ)酸四水和物(HAuCl4・4H2O)を 194 mL の超 純水に溶解し、加熱して沸騰させた。塩化金酸水溶液を絶えず攪拌しながら、20 mL の 39 mM クエン酸ナトリウム水溶液を加え、15 分間煮沸した。その後、10 mL の 39 mM クエン酸ナトリウム水溶液を加え、30 分間煮沸した。このステップにおいて、先 行研究においては、クエン酸ナトリウムを 2 回に分けず、1 度に溶液に加えていたが 58、本研究では、より AuNPs の粒径の安定を図るため、クエン酸ナトリウムを溶液に 加えるタイミングを 2 回に分けた。サンプル溶液を 25°C に冷却した後、80 mg の PEG-SH をサンプルに加え、15 nm AuNPs の表面に PEG 鎖を支持するために絶えず攪 拌しながら 25°C で 8 時間反応させた。反応後、サンプルを 15000 rpm で 45 分間遠 心分離し、AuNPs の沈殿物を PBS に懸濁した。これらの遠心および懸濁プロセスを 6

(25)

24 回繰り返して、サンプルを洗浄した。最終濃度 1.0 M の溶液を得た(図 5)。 5.2.5. TEM 観察 5.1.5 に記載のように、AuNPs をコロジオン被覆グリッドに直接落とし、TEM を 使用して画像を観察した。100 個の Au ナノ粒子を測定して、平均サイズと標準偏差 を算出した。溶液中の 15 nm AuNPs は、数か月間凝集しなかった。 5.2.6. In vitro における CT 造影剤の特性評価 AuNPs とマウス用ヨード造影剤の各原子量濃度と CT 値の関係を測定し、2 つの 値を比較した。各サンプルを 1.5 cm 3のプラスチックチューブに入れ、CT 値を測定し た。AuNPs を 0.1 M、0.3 M、0.5 M、1 M の各濃度に希釈し、マウス用ヨード造影剤 の原液(160 mgI/mL)を 1/10 希釈、3/10 希釈、1/2 希釈し、CT で測定した。AuNPs およびマウス用ヨード造影剤の各濃度の CT 値は、関心領域で HU として測定した。 5.2.7. In vivo における CT 造影剤の特性評価 マウスを 5.1.3 に記載の方法で麻酔し、1 M の AuNPs を 200 µL、マウス用ヨード 造影剤原液(160 mgI/mL)を 200 µL、ヒト用ヨード造影剤原液(300 mgI/mL)を 200

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25 µL、それぞれ尾静脈に注入した。AuNPs の CT 撮影は注入前および注入後直ちに行い、 1、3、6、12、24、48、72 時間後にも撮影した。マウス用ヨード造影剤は注入前およ び注入直後と 1、3、6、24 時間後に撮影した。ヒト用ヨード造影剤は注入前および注 入直後と 1、3 時間後に撮影したが、造影剤注入後速やかに排泄された。平均 CT 値は、 各造影剤ごとにマウス 3 匹の腹部大動脈内に関心領域を設定し、その平均値を測定し た。 また、AuNPs とマウス用ヨード造影剤の腫瘍血管描出能比較のため、SKOV3 移 植後 9 週間の担がんマウスにて、CT 撮影を行った。マウス用ヨード造影剤 200 µL を 尾静脈投与し、直ちに CT 撮像した。24 時間後、再度 CT 撮影してマウス用ヨード造 影剤が血管から排泄されたことを確認した後、1 M の AuNPs を 200 µL 尾静脈投与し、 直ちに CT 撮影を行った。 5.2.8. 担がんマウスのマイクロ X 線 CT イメージング 細胞移植後 3、5、7、9 週間の各マウスに 1 M の AuNPs を 200 µL 尾静脈投与し、 直ちに CT 撮影を行った。各週数の個体数は n=7 ずつ観察を行った。取得した CT デ ータは NRecon ソフトウェアにて再構成された。CTAn ソフトウェアによって腫瘍を 手動で関心領域設定し、腫瘍体積を算出した。血管体積は CT 値が 500 HU 以上の領 域を血管とみなし、算出した。再構成した CT データは CTvox ソフトウェアにて再構

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26 築され、MIP 処理によって 3 次元的に腫瘍血管を表示した。CTAn ソフトウェアにて CT 値と 8 bit のグレースケールを変換し、CT 値ごとに疑似染色した。 5.2.9. 微小流路 微小流路の作製は、モールド(金型)の作製とシリコン微細構造の作製の 2 つの ステップで行った。シリコンウェハー上にフォトレジストをパターニングすることに より、モールドを製造した。シリコンウェハーをピラニア溶液(H2SO4:H2O2 = 1:1) で 10 分間洗浄し、その後超純水で完全に洗浄した。次に、ウェハーを 5%フッ化水素 酸溶液に 5 秒間浸漬して表面の酸化物層を除去することにより、ウェハーを疎水性に した。 33 µm 未満の高さの微小流路を製造するために、P4903(AZ Electronic Materials) をウェハー上にスピンコートし、100℃のオーブンで 10 分間焼き、SüssMBJ-4 マスク を使用してパターン付き UV 光に露光した。その後、現像液 NMD-W(東京応化工業) に 浸 漬 す る こ と で パ タ ー ン を 開 発 し た 。 よ り 厚 い 微 小 流 路 の 場 合 、 SU-8 3050 (MicroChem)をスピンコートし、ホットプレート上で 65℃で 1 分間焼き付けた後、 95℃のオーブンで 10 分間焼き付け、パターン化された UV 光に露光した。次に、サ ンプルをホットプレート上で 65 ℃で 1 分間、次に 95℃のオーブンで 5 分間焼き付け、 SU-8 Developer(MicroChem)に浸漬してパターンを現像した。 次に、作製したモールドでシリコンの型を取った。 シリコンポッティング材は、

(28)

27 主剤と硬化剤の 2 液を混合(10:1)し、脱気した後、モールドに流し込み、60 ℃で 3 時間加熱して硬化させた。硬化したシリコンを切り取り、プラスチックプレートに 取り付け、微小流路を作製した。 0.5 M AuNPs および 2 倍希釈(約 0.65 M)マウス 用ヨード造影剤をそれぞれ微小流路に流し、顕微鏡と X 線 CT で観察した。CT 撮影 した微小流路画像は、NRecon ソフトウェアにて再構成後、ImageJ ソフトウェアにて WL:80、WW:120 で画像処理し、5 人による目視評価で、微小流路の描出評価を行っ た。5 人全員が微小流路を認識できた場合のみ、微小流路が CT により描出されたも のとみなした。 5.3. 統計分析 測定値は、平均値±標準偏差(SD)または標準誤差(SEM)で表記した。独立 2 群の母平均の検定には Student’s の t 検定を使用して行った。P<0.05 を統計的に有意で あると定義した。

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28

6. 研究結果

6.1. 免疫染色を用いたベバシズマブが腫瘍血管に与える影響の解析

ベバシズマブ投与による腫瘍増殖抑制効果を、ノギスによる腫瘍体積測定によっ て調べた(図 6a)。卵巣がん細胞 SKOV3 を皮下移植して作製した腫瘍(SKOV3 腫瘍) はベバシズマブ投与後の各週数において、コントロール群と比べ、有意に腫瘍体積が 小さかった(図 6b)。一方、膵臓がん細胞 MIA PaCa-2 を皮下移植して作製した腫瘍 (MIA PaCa-2 腫瘍)においては、ベバシズマブによる腫瘍増殖抑制効果はなかった (図 6c)。 次に、先行研究において、腫瘍血管数の評価法として広く用いられている病理切 片の免疫染色法にて、血管を CD34 抗体で染色し腫瘍における血管領域(CD34 陽性面 積)の測定を行った。1 切片全体の腫瘍血管の割合(CD34 陽性面積 / 腫瘍断面積)を測 定したところ、SKOV3 腫瘍では 7 週と 9 週において、コントロール群と比べてベバ シズマブ治療群の血管領域が有意に少なかった(図 7a, c)。MIA PaCa-2 腫瘍に関して は、免疫染色による腫瘍血管の割合は、コントロール群とベバシズマブ治療群の間に 有意差は認められなかった(図 7b, d)。 腫瘍体積の測定と免疫染色による血管領域の測定により、ベバシズマブがヒト卵 巣がんでは抗腫瘍効果を示すが、ヒト膵臓がんでは効果を示さないという結果が得ら れた。一方で、ベバシズマブを投与した SKOV3 腫瘍において、長期間観察を続ける と、5 週や 7 週時点に比べて 9 週で腫瘍体積が大きくなっていた。

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29 6.2. マイクロ X 線 CT による腫瘍血管 in vivo 3 次元イメージング法の確立 顕微鏡観察のように腫瘍の1断面組織を評価するのではなく、in vivo にて腫瘍全 体の血管を X 線 CT で 3 次元的に画像化することを試みた。高コントラストで腫瘍血 管を CT イメージングするため、我々は AuNPs を新たに作製した(図 5)。AuNPs の サイズは 15.1 ± 2.3 nm(平均±SD)だった(図 8a)。作製した AuNPs について、マウ ス用ヨード造影剤と造影剤特性について比較を行った。 最初に、造影剤溶液の CT 値について、AuNPs の金原子濃度とマウス用ヨード造 影剤のヨウ素原子濃度で比較した(図 8b)。原子番号が高い元素ほど X 線の吸収が大 きいため、同じ濃度のヨウ素と金では、金の方が高コントラストで血管を造影するこ とができた。次に、各造影剤のマウス血中滞留性について比較した(図 8c)。マウス 用ヨード造影剤の血中半減期は約 3 時間だったのに対し、AuNPs の血中半減期は約 30 時間であった。先行研究の AuNPs の血中半減期は 24 時間だったため58、血液中の AuNPs の保持能力も改善できた。ヒト用ヨード造影剤については、投与後迅速に排泄 された。マイクロ X 線 CT は撮影時間が長い(約 30 分)ため、長時間血液の CT 値を 高く保つことが可能な AuNPs はマイクロ X 線 CT 用の造影剤として適している。こ れらの結果より、AuNPs はより細かい腫瘍血管をコントラスト良く描出可能な条件を 満たしていた。

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30 次に、AuNPs とマイクロ X 線 CT 装置の組み合わせがどれほど細い管まで描出す ることができるのかを調べた。我々は図 9a-d のような微小流路を作製した。顕微鏡で 流路の幅と高さを確認し、およそ 20 µm、30 µm、40 µm の管について調査した。明 視野顕微鏡で流路に造影剤が流れていることを確認した後、CT 撮影を行った。その 結果、AuNPs は約 30 µm(33×30 µm)の管を描出することができた(図 9e)。約 20 µm (18×18 µm)の管については描出できたが不明瞭であり、ノイズの大きいマウス生 体内では描出できない可能性が高い。この手法より、我々の方法はマウスの 30 µm 以 上の血管を可視化できることが示された。マウス用ヨード造影剤は CT 値が低いため、 約 40 µm(37×42 µm)の管も不明瞭だった。実際に担がんマウスに造影剤を投与し、 CT 画像で比較すると、明らかに AuNPs の方が多くの血管を捉えることができた(図 10)。血管径が細いほど CT 値は低くなるため、図 10 のカラーマップ CT 画像におい て、青色のみで表示されている血管は約 30~40 µm の血管である。この血管と同一の 血管はマウス用ヨード造影剤では描出できなかった。AuNPs を使用した X 線 CT イメ ージングは高解像度であるため、同じ腫瘍内での抗 CD34 抗体による免疫染色による 同じ断面積のデータと、非常に類似していた(図 11)。 6.3. マイクロ X 線 CT イメージングによる腫瘍血管解析 合成した AuNPs とマイクロ X 線 CT を組み合わせた腫瘍血管イメージングにより、 ベバシズマブによる腫瘍血管の変化を調べた(図 12a, b)。最初に、SKOV3 腫瘍(図

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31

12a)と MIA PaCa-2 腫瘍(図 12b)に対するベバシズマブの抗腫瘍効果を腫瘍体積(図

12c, d)と腫瘍血管体積(図 12e, f)の測定により評価した。これらの体積は、ノギス や病理標本による測定ではなく、X 線 CT イメージングにより測定した。MIA PaCa-2 腫瘍では、腫瘍体積と腫瘍血管体積の両方において、コントロール群とベバシズマブ 治療群の間に有意な差はなく、週数の経過とともに成長し続けた(図 12d, f)。この結 果は、ノギスによる腫瘍体積測定と免疫染色による腫瘍血管の割合(CD34 陽性面積 / 腫瘍断面積)の測定結果(図 6c, 図 7d)と同様の結果であった。一方、SKOV3 腫瘍で は、ベバシズマブ治療群の腫瘍体積と腫瘍血管体積の両方において、コントロール群 の腫瘍体積と腫瘍血管体積よりも有意に小さかった(図 12c, e)。さらに、SKOV3 腫 瘍をベバシズマブで治療した場合、腫瘍体積と腫瘍血管体積の両方において、経時的 に体積が減少することはなく、徐々に増加していた(図 12c, e)。この結果は、ノギス による腫瘍体積測定と免疫染色による腫瘍血管の割合(CD34 陽性面積 / 腫瘍断面積) の測定結果(図 6b, 図 7c)と類似していた。腫瘍体積変化の結果は、in vivo における SKOV3 腫瘍 5 週に対してベバシズマブの抗腫瘍効果を示し、ベバシズマブ治療群 7 週、9 週で腫瘍体積が増加していることから、ベバシズマブに対する薬剤耐性獲得を 示した。この薬剤耐性をより明確に示すために、腫瘍血管体積(図 12e)を腫瘍体積 (図 12c)で除することにより、腫瘍全体における血管密度を算出した。SKOV3 細胞 移植後 5 週間の腫瘍では、ベバシズマブ治療群の血管密度がコントロール群の血管密 度よりも有意に低かった(図 12g)。しかし、7 週目と 9 週目の腫瘍では、ベバシズマ

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32 ブ治療群とコントロール群の腫瘍血管密度の間に有意差はなくなっていた(図 12g)。 特に、9 週目の腫瘍では、両群の血管密度はほぼ同じレベルになった(図 12g)。以上 のデータは、腫瘍血管密度がベバシズマブ治療により一時的に減少したが、その血管 密度は薬剤耐性の獲得とともに再び回復し始め、治療を行わなかったレベルまで戻っ たことを示した。ベバシズマブ治療群において、腫瘍血管密度が 9 週目に回復したか のようなデータを示した理由は、腫瘍体積および腫瘍血管体積がともに 5~9 週目に かけて増加傾向にあるものの、腫瘍血管体積の増加の程度が腫瘍体積のそれよりも大 きかったためと考えられる(図 12i)。CT 値で閾値を設定し色分けを行うと、細い血 管ほど低 CT 値で表示されることがわかる(図 13a)。CT 値で区切って血管密度を算 出した結果、より細い血管の密度を算出した方がベバシズマブ治療群における血管密 度の回復を顕著に示した(図 13b)。 MIA PaCa-2 腫瘍の腫瘍血管密度は、ベバシズマブ治療群とコントロール群間です べての週で有意差はなかった(図 12h)。

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33 7. 考察 7.1. 病理学的解析 本研究における病理学的解析方法では、先行研究に多い 5 視野程度を観察する方 法ではなく 1 切片全体にわたる観察を行った。大きく成長した腫瘍は多くの壊死領域 を含むため、局所的な解析の場合、どの箇所を選択するか十分に吟味しなければ数値 にばらつきが生じてしまう懸念がある。腫瘍内は微小血管の分布も不均一であること が知られているため、1 切片全体にわたり解析することは、従来法と比較してより腫 瘍全体の微小血管量の程度の特徴を捉えられたものと考えている。その結果、SKOV3 腫瘍では 7 週と 9 週において、コントロール群と比べてベバシズマブ治療群の血管領 域が有意に少ないという結果が得られた(図 7a, c)。この結果は、ベバシズマブが卵 巣がんの腫瘍血管新生を抑制するという先行研究の結果を再現している59 7.2. 造影剤としての AuNPs 特性 本研究では先行研究でマイクロ X 線 CT 用造影剤として使用されていた AuNPs に改良を加えることで、新たな AuNPs の開発に成功した。具体的には、還元剤を入 れるタイミングを 2 回に分けたことにより、15 nm の粒径が安定し、血液滞留性が向 上したものと考えている。市販されている AuNPs の血液滞留性は 24 時間程度であり、 市販品の AuNPs よりも優れた血液滞留時間であった。また、市販品よりもコストを 大幅に抑えることが可能となったので、1 回あたりのマウスへの投与量も先行研究よ

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34 り多くすることができた。投与量を多くすることで、より微細な血管のコントラスト を付けることが可能になり、血管描出能が向上したものと考えている。 7.3. AuNPs を用いたマイクロ X 線 CT イメージング 本研究において、AuNPs とマイクロ X 線 CT を組み合わせたイメージング技術は、 腫瘍内部の微細血管(約 30 µm)を非侵襲に可視化することに成功した。毛細血管レ ベル(約 10 µm 程度)までの可視化は困難であるが、非侵襲的に 3 次元で可能な限り 微細な血管を可視化することは、血管新生阻害剤の薬効の検討に有効であることが示 された。先行研究において、ex vivo レベルで腫瘍血管を毛細血管相当(約 10 µm)ま でマイクロ X 線 CT で可視化した報告はあるが25, 50、本研究は、約 30 µm の腫瘍血管 までを含めた腫瘍血管密度を in vivo において 3 次元的に解析し、薬効評価に初めて適 応した。 7.4. 卵巣がん(SKOV3)腫瘍について マイクロ X 線 CT にて 3 次元腫瘍血管密度を測定した結果、卵巣がんの腫瘍にお いてベバシズマブを長期投与すると、腫瘍全体の血管密度が回復することが明らかに なった。この結果は、卵巣がんの腫瘍における薬剤耐性獲得の可能性を示唆している。 腫瘍全体の血管密度が回復する原因である薬剤耐性のメカニズムとして、病理切片や

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35 ウエスタンブロッティングにより、様々な分子マーカーを調査した研究が数多く行わ れている。先行研究では、一つの血管新生タンパク質(ベバシズマブの場合は VEGF-A) を標的とする血管新生阻害剤では、治療された腫瘍が薬剤耐性を獲得してしまうこと が報告されている11。ヒト前立腺がんでは、PDGF や FGF を含む少なくとも 4 つの血 管新生タンパク質を発現することができ60、乳がんでは最大 6 つの血管新生タンパク 質を発現することができる61。このように、腫瘍は複数の血管新生タンパク質を発現 する能力を持つことから、単一の血管新生タンパク質を阻害しても、血管新生阻害剤 に対して抵抗性になる可能性が高い。本研究の卵巣がん腫瘍の場合、VEGF-A が阻害 されたことにより、PDGF や FGF といった他の血管新生タンパク質の発現が上昇し、 これらのシグナルカスケードが VEGF-A シグナルに比べ優位になったことで血管新 生を引き起こした可能性がある62。また、別の薬剤耐性メカニズムとして、血管の周 皮細胞が関与している可能性がある。周皮細胞は、血管壁細胞の 1 つであり、毛細血 管や細動静脈の内皮細胞に接着し、内皮細胞を裏打ちしている63。血管新生阻害剤に よる治療は、周皮細胞のない血管内皮細胞のみで構成された未熟な血管のみを抑制す ることが報告されている64。周皮細胞の増殖は、VEGF-A シグナル伝達の阻害のみに よっては抑制されないため65、ベバシズマブを継続的に投与した結果、周皮細胞をと もなった成熟した血管が増え、腫瘍が抵抗性になった可能性がある。本研究のマイク ロ X 線 CT で可視化された腫瘍血管の最小血管径は約 30 µm であるため、本研究の CT で解析された腫瘍血管には、未熟な血管も含まれているかもしれないが、毛細血

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36 管レベルの血管に比べて成熟した血管が多いと考えられる。本研究の腫瘍血管密度の 回復という結果から、血管新生阻害剤に対して抵抗性の成熟血管が増加したという可 能性も示唆される。 7.5. 膵臓がん(MIA PaCa-2)腫瘍について 本研究において、ヒト膵臓がん腫瘍の場合、病理標本観察と X 線 CT 画像の両方 で、ベバシズマブによる抗腫瘍効果は確認されなかった。この結果は、臨床の先行研 究において、ベバシズマブが進行膵臓がん患者の生存率の改善を示さなかったという 結果と一致する12。膵臓がんは腫瘍間質領域が豊富で各腫瘍血管間の間隔が広く、血 管密度が低くても成長することができる。すなわち、血管新生が不良であると報告さ れている66。本研究の病理切片から算出した血管密度の結果は、コントロール群にお

いて SKOV3 よりも MIA PaCa-2 の方が低い数値を示しており、毛細血管レベルの微 細血管の数が少ないと考えられる(図 7c, d)。つまり先行研究と同様、MIA PaCa-2 の 血管新生が不良であることが示唆される。一方、本研究のマイクロ X 線 CT で測定し た腫瘍血管密度は、ヒト卵巣がんと類似の数値であったことから(図 12g, h)、膵臓が んの約 30 µm 以上の血管体積は卵巣がんと同様に豊富に存在することが示唆された。 膵臓がんの腫瘍血管は厚い周皮細胞に覆われているという先行研究の報告がある 67 周皮細胞の存在は、先に述べたように、抗 VEGF 療法に対する反応不良の原因である 可能性がある。血管新生タンパク質の 1 種である PDGF は、周皮細胞の増殖に大きく

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37 関わっているため、このようながん種の場合、PDGF シグナルを阻害する薬剤を併用 することで抗 VEGF 療法に応答する可能性がある。 また、マイクロ X 線 CT による腫瘍体積と腫瘍血管体積において、MIA PaCa-2 の ベバシズマブ治療群 9 週がコントロール群 9 週と比べて、有意差はないものの各体積 が大きい傾向にあった。この理由としては、考察 7.4 で先述したように、VEGF-A が 阻害されたことにより、他の血管新生タンパク質の発現が上昇し、血管新生を引き起 こした可能性があるため、治療していない場合よりもより活発に血管新生が誘導され る状態になってしまったことが考えられる。よって、ベバシズマブが抗腫瘍効果を示 さない腫瘍に対してベバシズマブ治療を施してしまうと、腫瘍がより成長してしまう という悪影響を及ぼす可能性がある。 7.6. 今後の臨床応用への展望 X 線 CT イメージング法は非侵襲的であるため、患者への薬剤投与後の薬剤の有 効性を診断するための臨床的追跡調査イメージングにも有用であると考えられる。臨 床使用では、ベバシズマブは外科的に切除不能または再発がんに適用される。ベバシ ズマブの有効性を診断するために、患者からの再び腫瘍組織を採取することは困難な 場合が多い。したがって、ベバシズマブで治療された患者の腫瘍組織における血管新 生タンパク質の発現レベルを病理学的に評価することは難しい。腫瘍組織の病理学的

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38 検査に加えて、ベバシズマブ治療患者から採取した血液を使用して、VEGF、PDGF、 FGF、およびその他の血管新生タンパク質の発現レベルを調査できるが、腫瘍組織内 の血管新生因子の濃度は、腫瘍以外の血液中と異なっている可能性があるため、今後 のさらなる検証が必要である。これらの状況から、ベバシズマブの有効性は画像診断 によって、非侵襲的かつ正確に診断されることが期待される。しかし、画像診断にお けるベバシズマブの有効性の診断指標は確立されていない。本研究より、3 次元的に 計算された腫瘍血管密度は、ベバシズマブの薬剤耐性の評価が可能であった。ベバシ ズマブの有効性に対する CT イメージングの診断指標として腫瘍血管密度を使用する には、高感度造影剤を備えた高解像度 X 線 CT 装置が必要である。 現在の CT 装置の 最大解像度は 150 µm、スライス厚は 250 µm である68。造影剤については、AuNPs は ヒトにはまだ承認されておらず、ヨード造影剤の X 線吸収はそれほど高くない。本研 究では、動物実験(マウス)において、ベバシズマブの薬効を評価するために、100 µm 以下の血管を使用したデータが重要である可能性を示唆した。ヒトの場合、マウスの イメージングと同様の解像度は必要ないかもしれないが、がんの診断イメージングを 改善するために、近い将来、ヒト用 X 線 CT 装置と造影剤の改善が必要となる。

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39 8. 結論 本研究で得られた CD34 陽性領域から計算された卵巣がん腫瘍の血管密度は、ベ バシズマブ治療により低下したが、腫瘍体積は増加する傾向にあった。このことから、 卵巣がんの腫瘍においては、薬剤耐性が存在することが示唆された。しかし病理学的 解析では、これ以上のメカニズム解明には至らなかった。本研究において合成した 15 nm AuNPs とマイクロ X 線 CT 装置を使用した高分解能腫瘍血管イメージングは、マ ウスの腫瘍全体において 30 μm 以上の血管を 3 次元で in vivo 分析できることを示し た。本研究の CT 計測の結果から、ベバシズマブ治療に対する薬剤耐性は、腫瘍血管 密度の回復によって明瞭に示された。本研究の高分解能 X 線 CT イメージングは、薬 剤耐性を生じ難い血管新生阻害剤の開発に貢献できると期待される。

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図 1  本実験のコンセプト
図 3 担がんマウスの作製と実験計画
図 12  ベバシズマブによる腫瘍血管治療効果の X 線 CT 画像

参照

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