第3学年 理科学習指導案 1 単元 「ゴムや風でものをうごかそう」 2 指導観 本単元は、ゴムや風の力について興味・関心をもって追究する活動を通して、ゴムや風の力をはたらかせた時 の現象の違いを比較する能力を育てるとともに、それらについての理解を図り、ゴムや風の力についての見方や 考え方をもつことをねらいとする。生活経験や生活科の学習、本単元における実験の結果やものづくりから、物 が動く様子をゴムや風の力の強さとの関係で捉えることができるようにし、ゴムや風の力を工夫して利用すれば 物を動かすことができるというエネルギーの見方や考え方ができるようにする。本単元は、エネルギー概念を形 成する「A物質・エネルギー」の領域で初めての実験である。第5学年「ふりこの動き」や第6学年「てこのは たらき」、中学校「力と圧力」「運動とエネルギー」の学習につながる。また、物の動き方の測定は「太陽のうご きと地面のようすをしらべよう」における気温・地温の測定につながり、定量的な見方を習得するための予備段 階の活動に位置付く。そのため、条件を整え、装置を用いて操作し、実験の結果を表に整理して比較したり、具 体的な数値を根拠にして考えたりする学習活動を丁寧に行うことが必要である。 本学年の児童は、今年度から始まった理科の学習に対する関心が高い。理科の学習を好きな児童は○%、自然 事象についての疑問を自ら解決しようとしている児童は○%いる。これまでに、自然の観察をしたり、植物や昆 虫を育てたりして、身近な動植物の成長過程や育ち方のきまり、体のつくりについて学習している。いくつかの 植物や昆虫を比較しながら観察しているが、既習内容について意味の理解や習得が不十分な児童もおり、生活科 の学習や既習内容、日常生活と関連付けて考えたり、理科の学習の仕方(問題解決の学習)を意識して学習した りしている児童は多くない。よって、初めての実験を楽しみながら日常生活や何となく知っていたことと関連付 けて考えること、学習内容の意味の理解や定着を図ること、理科の学習の仕方を学ぶこと、測定や記録の仕方、 見方を知ることについての指導が必要である。また児童は、ゴムや風の力を感じる経験や力を利用した物を使っ た経験はあるが、物が動くことと力とを関連付けて考えることは難しい。よって、風の力による物の動きやゴム の動きに着目しながら、その現象を捉えることを通して、エネルギーの見方・考え方を養うことが必要である。 本単元の指導にあたっては、ゴムや風の力を意識できるような様々な体験・実験を通して、何となく感じてい たそれらのはたらきを「エネルギー」の見方で捉えられるようにする。第一次では、風のはたらきについて、風 の力で動く車を使って調べる。風の強さと物を動かすはたらきについて理解し説明できるようにする。第二次で は、ゴムのはたらきについて、ゴムの力で動く車を使って調べる。伸ばしたゴムが元に戻ろうとする力や伸ばす 長さ、本数などによるゴムにたくわえられるエネルギーの違いと物を動かすはたらきについて理解し説明できる ようにする。エネルギーをコントロールすることについても理解できるようにする。第三次では、第二次までの 学習を活用し、風やゴムの力を生かしたものづくりを行う。これらの学習活動においては、まず、疑問点を基に 実験やものづくりを通して明らかにする問題を見いだす。次に、実験結果を数値や表、言葉で表現し、自分の結 果を予想や友達の結果と比べて共通点や相違点を見付ける。さらに、それを基に結論を導き出す。 本時の指導にあたっては、ゴムを使った車を狙った場所に止めるゲームをすることを通して、既習内容を活用 してゴムを伸ばす長さを判断し、車を狙った場所に止めることができるようにする。車の移動距離を調整するこ とは、ゴムを伸ばす長さやゴムの元に戻ろうとする力を調整することである。導入においては、前時を想起させ ることで、「ゴムをどのくらい伸ばしたら、狙ったところに車を止められるのだろうか」という疑問やゴムの力を 調整する視点をもたせる。そして、前時の実験結果を活用して問題を見いだし、その結果を予想する。展開にお いては、ゴムを伸ばす長さを調整しながら実験を行う。実験をする際や結果を表にまとめる際は、常に問題に振 り返るようにする。数値や表の見方・考え方についても意識させる。終末では、問題に対応する答えを結論とし て導き出す。本時のそれぞれの学習段階においては、生活経験や既習内容から気付いたことや思ったことなどを 基に学習を進めることで、物を動かす力(エネルギー)の見方・考え方を身に付けさせていきたい。 3 単元の目標 ○ ゴムや風の力をはたらかせた時の現象に興味・関心をもち、進んで調べようとしたり、その力を活用して ものづくりをしたり、力を利用した物を見付けようとしたりする。 【自然事象への関心・意欲・態度】 ○ ゴムや風で物が動く様子を比較しながら問題を見いだし、ゴムや風の力によるはたらきについて予想し、 実験の結果をもとに考察し、問題に対する結論を表現することができる。 【科学的な思考・表現】
○ ゴムや送風機などを適切に使って安全に実験やものづくりをしたり、ゴムや風の力による物の動き方につ いて調べ、その過程や結果を表に整理したり記録したりすることができる。 【観察・実験の技能】 ○ ゴムや風の力には物を動かす力があること、ゴムの伸ばし方や風の強さによってその力が変わることや調 整できることを理解することができる。 【自然事象についての知識・理解】 4 単元計画(9時間) 次 時 学習活動・内容 手立て 評価規準 一 1 風で物を動かすゲー ムで遊ぶことを通し て、風には物を動か す力があることを理 解する。 二つの風受けの大きさ の車から風の力をイメ ージさせたり、物を運ぶ 実験をさせたりする。 【関・意・態】風の力によって物が動くこと に興味をもち、進んで風の力を調べようとし ている。 <発言・観察> 【知・理】風には物を動かす力があることを 理解している。 <発言・ワークシート> 2・3 風の強さによる車の 動き方の違いを調べ ることを通して、風 の力によって物の動 き方が変わることに ついて記述する。 風の強さの違いによる 物の動き方の違いをま とめさせるために、風の 強さを変えて車の進む 長さを調べさせる。 【技】当てる風の強さによる車の動き方の違 いを調べ、結果を記録している。 <観察・ワークシート> 【思・表】風の強さを変えて車を動かした時 の様子を比較して、結論を表現している。 <発言・ワークシート> 二 4 ゴムで動くおもちゃ で遊ぶことを通し て、ゴムの物を動か す力、元に戻ろうと する力について理解 する。 ゴムの物を動かす力、元 に戻ろうとする力を調 べさせるために、6種類 のゴムで動くおもちゃ で遊ばせる。 【関・意・態】ゴムの力によって物が動くこ とに興味をもち、進んでゴムの力を調べよう としている。 <発言・観察> 【知・理】ゴムには、元にもどろうとする時、 物を動かすことを理解している。 <発言・ワークシート> 5・6 「遠くまで車を走ら せるためにはどうす ればよいか」を調べ ることを通して、ゴ ムの力の強さによっ て物を動かす力や元 に戻ろうとする力が 変わることについて 記述する。 車を遠くまで走らせる ためには、ゴムをどう操 作すればよいかを調べ るために、車の進む長さ をゴムを伸ばす長さ、 数、太さを変えて調べさ せる。 【技】ゴムを伸ばす長さ、数、太さによる車 の動き方の違いを調べ、結果を記録してい る。 <観察・ワークシート> 【思・表】ゴムを伸ばす長さ、数、太さを変 えて車を動かした時の様子を比較して、結論 を表現している。 <発言・ワークシート> 【知・理】ゴムを長く伸ばすほどゴムの元に 戻ろうとする力、物を動かす力が大きくなる ことを理解している。 <観察・発言> 7 〔本時〕 ゴムの力をコントロ ールして車を走らせ るゲームをすること を通して、実験結果 を活用する。 実験結果を基にゴムを 伸ばす長さを調整させ るために、車を狙った場 所に止めるゲームを設 定する。 【思・表】ゴムを伸ばす長さを変えると車の 動き方が変わることをゲームに活用し、説明 している。 <観察・ワークシート> 三 8・9 ゴムや風で動くおも ちゃを作ることを通 して、ゴムや風の力 について学習したこ とをまとめる。 学習したことを生かす ことができるようにす るため、いろいろなおも ちゃを紹介したりそれ ぞれのアイデアを生か したりして作らせる。 【関・意・態】ゴムや風の力を理解し、進ん でおもちゃ作りをしている。<発言・観察> 【技】ゴムや風の力を生かして、おもちゃを 作っている。 <発言・観察> 【思・表】おもちゃの動くしくみを説明して いる。 <ワークシート> 5 本時 ○日時・場所 平成28年7月6日(水曜日) 第5校時 体育館において ○主眼 ゴムを使った車を狙った場所に止めるゲームをすることを通して、既習内容を活用してゴムを伸ばす長さを 判断し、車を狙った場所に止めることができる。 ○準備 組み立てた車、ゴム、発車台、実験結果記録用紙
○学習の過程 段 階 形態 配時 学習活動・内容 手立て・評価(◆) 導 入 個 人 → グ ル ー プ ( 1 0 分 ) 1.前時の学習を想起し、本時の学習課題をつかむ。 ○ 車を狙った場所に止める方法について、前時 の実験結果から気付いたことや疑問点などを出 し合い、交流する。 2.問題を見いだし、結果を予想する。 ○ 疑問点を基に交流して問題をつくる。 ○ 本時の課題や方向性をつかませる ために、「ゴムをどのくらい伸ばした ら駐車場に車を止められるのだろう か」という、ゴムの力(元に戻ろうと する力)を調整する視点をもたせる。 ○ 「調整」という言葉や内容を取り上 げて問題を作らせるために、前時の 学習を振り返らせる。 ○ 距離が足りない時と通り越してし まった時に、ゴムの伸びる長さをど うするかという視点をもたせる。 展 開 グ ル ー プ ( 2 0 分 ) 3.ピッタリパーキングゲームをする。 ○ 問題を意識し、ゴムの長さを調整してゲーム をする。 <実験結果記録用紙> <実験の場の設定> ○ 問題を意識させるために、ねらっ た所に車を止める方法を考えながら ゲームをさせる。 ○ 数値を根拠としてゴムを伸ばす長 さを調整できるようにするために、 表にまとめながらゲームをさせる。 ○ ゴムを伸ばす長さ、ゴムの元に戻 ろうとする力、定量的な見方を意識 させるために、狙う場所(駐車場)を 変えてゲームをさせる。 終 末 グ ル ー プ → 個 人 ( 1 5 分 ) 4.結果をまとめる。 ○ グループで交流しながら、事実に沿って結果 を書く。 5.結論を書く。 ○ 問題を振り返りながら結論を書く。 6.本時の学習をまとめる。 ○ 結論につなげるために、感想では なく、表から「ゴムの伸びをどう調整 したか」を考え、結果を書かせる。 ○ 「距離が足りない時はゴムを伸ば す長さを長くする。通り越してしま った時は、ゴムを伸ばす長さを短く する。」という内容をまとめることが できるようにするため、問題に沿っ て考えさせる。 ◆【思・表】ゴムを伸ばす長さを変える と、車の動き方が変わることをゲー ムに活用し、それを説明している。 <観察・ワークシート> ○ 科学的な概念をさらに深めさせる ため、事象の要因となる内容につい て、結論に書き加えさせる。(なぜな ら、ゴムの元に戻ろうとする力は、調 整できるから。) ○ ゴムの元に戻ろうとする力につい てまとめ、物づくりの予告をする。 狙った所に車を止めるには、ゴムを伸ばす 長さをどうかえたらいいか。 車 駐車場 狙った所に車を止めるには、ゴムを伸ばす 長さを長くしたり短くしたりするといい。 距離が足りない時はゴムを伸ばす長さを長 くする。通り越してしまった時は、ゴムを 伸ばす長さを短くする。 伸ばしたゴムの元に戻ろうとする力をう まく調整することで、行かせたいところに 車を止めることができるんだな。ゴムの元 に戻ろうとする力をうまく使えば、走る長 さも調整できるんだな。